JP5361755B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載された制御対象を制御する車両の制御装置に関し、特に所定の停止条件が成立するとエンジンを停止させ、所定の再始動条件が成立するとエンジンを自動再始動させるアイドルストップ制御を実行する制御装置に好適な車両の制御装置に関する。
一般に、車両に搭載される制御装置は、マイクロコンピュータ及びその周辺回路を含む制御部を備えている。このような制御部は、車両に搭載されたバッテリの出力電圧を所定電圧に調整するDCレギュレータを介して供給される電力で動作する。
そして、多くの制御装置は、制御部に加えてこのようなDCレギュレータが組み込まれている。さらに、DCレギュレータに加えて、バッテリの電圧の低下を検知して制御回路に伝達する電源管理回路や、マイクロコンピュータの動作異常を監視するウォッチドッグタイマ回路等を含めて集積化された統合電源回路が構成され、当該統合電源回路が制御部と同一の基板に組み込まれた制御装置が実現されている。
また、このような制御装置の一例として、特許文献1には、エンジンの再始動時に、スタータモータの駆動によるバッテリ電圧の低下に起因する異常の誤検出を回避するために、エンジンの再始動の開始後、第1所定時間、異常検出に対するマスク処理を車両の電子制御装置に実行させるマスク実行手段を備えたアイドルストップ車両の制御装置が提案されている。
特開2007−46546号公報
特許文献1に記載された制御装置にも上述した統合電源回路が組み込まれる場合があるが、このようなIC化された統合電源回路では、基板のマウントスペースの制限や多機能化に対応した信号ピンの増加等に起因して、ピン間距離が短くなり、また各ピンに割り付ける信号の自由度が制限される傾向にある。
そのような信号ピンの一つに、バッテリの出力電圧の低下を検知して、その状態を制御回路に出力する信号を割り付けると、隣接するピン間の短絡等の事故が生じた場合に、隣接するピンの電圧によって当該信号の論理レベルが変動し、制御部に誤ったレベルの信号が伝達され、制御部の誤作動を招く虞があるという問題があった。
本発明の目的は、上述した問題に鑑み、制御部に入力される信号の論理レベルが変動する場合であっても、制御部の誤作動を防止可能な車両の制御装置を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による車両の制御装置の特徴構成は、車両に搭載された制御対象を制御する車両の制御装置であって、前記制御対象の制御に関連する部位の異常を検知する異常検知処理部を含む第1制御部と、バッテリの出力電圧の低下を検知すると前記第1制御部による所定の異常検知処理の実行を禁止するための異常検知禁止信号を出力する異常検知禁止処理部を含み、前記異常検知禁止信号を含む複数の信号を前記第1制御部に出力する第2制御部と、
を備え、前記第1制御部は、前記異常検知禁止信号の論理レベルと、前記第2制御部を介さずに入力される、前記バッテリの出力電圧をモニタする電圧モニタ信号の信号レベルとに基づいて、前記第1制御部から入力される前記異常検知禁止信号の異常を判定する信号判定処理部を備えている点にある。
上述の構成によれば、信号判定処理部により、異常検知禁止信号の論理レベルと、バッテリの出力電圧をモニタする電圧モニタ信号の信号レベルが比較され、異常検知禁止信号の論理レベルの妥当性が評価される。例えば、電圧モニタ信号に基づいてバッテリの出力電圧の低下を確認できない場合に、異常検知禁止信号の論理レベルがバッテリの出力電圧の低下に対応する論理レベルであり、或は、電圧モニタ信号に基づいてバッテリの出力電圧の低下が確認できる場合に、異常検知禁止信号の論理レベルが適正なバッテリの出力電圧に対応する論理レベルである場合に、異常検知禁止信号の信号レベルが偽であると判定される。そのため、第1制御部では、異常検知禁止信号の信号レベルの真偽に基づいて適切な制御を実行することができ、より信頼性の高い車両の制御装置が実現できるようになる。
また、前記第1制御部は、
所定の停止条件が成立するとエンジンを停止させる自動停止処理部と、エンジンの自動停止自動再始動制御に関連する部位の異常検知処理を実行する異常検知処理部と、前記異常検知処理部による検知結果を含む所定の再始動条件が成立すると、エンジンを自動再始動させる自動再始動処理部と、を含み、前記自動再始動処理部は、自動再始動処理部によるエンジンの停止中に、前記第1制御部から異常検知を禁止する状態を示す異常検知信号が入力され、且つ、前記信号判定処理部により前記異常検知禁止信号が異常であると判定されると、エンジンの自動再始動を行なわないものであることが好ましい。
信号判定処理部により異常検知禁止信号の信号レベルが偽の異常検知禁止レベルであると判定された場合、本来なら異常検知処理部で自動停止自動再始動制御に関連する部位が異常であるか否か等の検知が行なわれる場合であっても、当該異常検知禁止レベルの信号に基づいて異常検知が禁止されるため、そのときに発生している異常が検知されない状態でエンジンが自動再始動される虞がある。
例えば、自動停止処理部によるエンジンの停止中に、シフトレバーの位置センサに異常が発生した場合、ユーザによりシフトレバーの操作位置がニュートラル位置(Nレンジ)からドライブ位置(Dレンジ)に操作されても、それが検知されない状態で自動再始動処理部によりエンジンが自動再始動されると、車両が急発進するといった不都合な事態になる。
そのような場合であっても、信号判定処理部により異常検知禁止信号の信号レベルが偽の異常検知禁止レベルであると判定されると、自動再始動処理部によるエンジンの自動再始動を行なわないので、高い安全性が確保できるようになる。
以上説明した通り、本発明によれば、制御部に入力される信号の論理レベルが変動する場合であっても、制御部の誤作動を防止可能な車両の制御装置を提供することができるようになった。
車両の制御システムの機能ブロック構成図 アイドルストップ制御を実行する制御装置のブロック回路図 アイドルストップ制御の状態遷移図 アイドルストップ制御の全体フローチャート エンジン自動停止処理のフローチャート エンジン再始動処理のフローチャート シフトレバーの位置を検知するセンサの出力信号の特性図 異常検知禁止信号の異常判定処理のフローチャート 異常検知禁止信号の信号ピンと隣接する信号ピンのレベル比較表 別実施形態を示し、異常検知禁止信号の異常判定処理のフローチャート 第2制御部となる集積回路のピン配置の説明図
以下に、エンジン自動停止再始動制御装置を例として、本発明による車両の制御装置を説明する。
図1に示すように、車両の制御システムは、エンジン及び自動変速機を制御するエンジンECU(「ECU」は、Electric Control Unitの略称である。)2と、本発明による制御装置としてのエンジン自動停止再始動制御装置であるアイドルストップECU3と、制動装置を制御するブレーキECU4等の複数のECUにより構成され、各ECUが相互に制御信号を送受信するためのCAN(「CAN」は、Controller Area Networkの略称である。)1に接続されている。
上述した複数のECUには、衝突時の安全装置であるエアバッグを展開制御するエアバッグECU5や、車両を目的地に誘導するナビゲーションECU6等が含まれる。
各ECUは、CPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータと、入出力回路等の周辺回路と、バッテリから供給されるDC12Vの電圧を所定の制御電圧、例えばDC5Vに調整するDCレギュレータ等を備えている。
各CPUは、ROMに記憶された制御プログラムに基づいて、入力回路を介して入力されたセンサ等の信号値やCAN1を介して他のECUから送信された制御信号に対して所定の演算を実行し、その演算結果に基づく制御信号を、出力回路を介してアクチュエータ等に出力し、或いはCAN1を介して他のECUに出力することにより制御対象を制御する。
エンジンECU2には、エンジン回転数、エンジン水温、アクセル開度、吸気量、車速、バッテリ電圧、変速レバーのシフト位置、ブレーキ負圧等、車両に備えた各種のセンサから出力される信号が入力されている。
エンジンECU2は、エンジン回転数、エンジン水温、アクセル開度、吸気量等に基づいてスロットルバルブの開度、エンジンへ供給する燃料噴射量、噴射時期、点火時期等を算出して、スロットルバルブ制御信号、燃料噴射信号、点火信号等の制御信号を出力することによりエンジンを駆動し、さらに、エンジン回転数、車速、変速レバーのシフト位置等に基づいて変速比を算出して無断変速機構が組み込まれた自動変速機に変速制御信号を出力することにより変速比を調整する。
さらに、エンジンECU2は、エンジン等の駆動状態に基づいて、CAN1を介してアイドルストップECU3にエンジンの状態を示すステータス信号を送信する。当該ステータス信号には、アイドルストップECU3によるエンジンの自動停止処理を許容するか禁止するかのステータス信号や、エンジンの再始動を要求するステータス信号が含まれる。
アイドルストップECU3には、エンジン回転数(クランクパルス)、車速パルス、バッテリ電圧、変速レバーのシフト位置、ブレーキストロークセンサにより検知されるブレーキペダルの操作量、ブレーキブースタの負圧、路面傾斜量等、車両に備えた各種のセンサから出力される信号、及び、運転者により操作されるアイドルストップ制御禁止スイッチからの信号が入力回路を介して入力されるとともに、エンジンECU2からCAN1を介して送信されたステータス信号が受信される。
スタータモータMを駆動するリレー回路7のコイル8と電源(バッテリBの正極)との間に、スタータスイッチの接点11と変速レバーのニュートラルレンジまたはパーキングレンジの接点12が直列に接続され、アイドルストップECU3により制御されるスタータ通電回路10がこの直列回路に並列に接続されている。
イグニッションキーの操作によるエンジンの始動時には、運転者により変速レバーがニュートラルレンジに操作され、スタータスイッチが閉じられることによりスタータリレー7がオンしてエンジンが始動され、エンジンの再始動処理の実行時には、アイドルストップECU3によりスタータ通電回路10を介してスタータリレー7がオンされることによりエンジンが再始動される。
アイドルストップECU3は、エンジンの再始動処理によるスタータモータの駆動時にバッテリBの出力電圧が低下しても各ECUが正常に動作するように、バックアップブーストコンバータ9を制御して、バッテリBの出力電圧を所定電圧に昇圧する。
例えば、ナビゲーションECU6やブレーキECU4等、エンジン始動時の電圧低下によって、それらを構成するマイクロコンピュータがリセットされる等、動作が不安定になると、ユーザが不快に感じたり、安全性に問題が発生する可能性があるECUが、動作電圧を保障するためにバックアップブーストコンバータ9から給電されるように構成されている。
図2には、アイドルストップECU3の詳細なブロック回路図が示されている。アイドルストップECU3は、第1制御部30と第2制御部20を備えている。
第1制御部30は、内部バスにより接続されたCPU,ROM,RAM等を備えたマイクロコンピュータ及びその周辺回路で構成されている。周辺回路には、スタータ通電回路10や、電源停止時に重要な制御データを記憶するEEPROM(図示せず)等が含まれる。
マイクロコンピュータのAD変換ポートには、ブレーキの負圧センサからの信号、シフトレバーの操作位置センサからの信号、バッテリBのモニタ電圧等が入力され、デジタル信号の入力ポートには、アイドルストップ禁止スイッチ信号、異常検知禁止信号DI、起動信号STO、クランクパルス信号、車速パルス信号等の信号が入力され、さらにCAN通信ラインを介してブレーキスイッチ信号、Gセンサ信号、アクセル信号等が入力されている。バッテリBのモニタ電圧として、第1制御部30に設けた抵抗分圧回路33からバッテリの電圧を1/4に降圧した電圧モニタ信号BATTと、後述する第2制御部20から出力される電圧モニタ信号BATTOの双方が入力されている。
ROMに記憶された制御プログラムがCPUで実行されることにより、自動停止処理部、異常検知処理部、自動再手動処理部、信号判定処理部等の機能ブロックが具現化される。RAMは、各機能ブロックの動作時に必要な制御データや入出力データを記憶するワーキング領域として使用される。
自動停止処理部は、所定の停止条件が成立するとエンジンを停止させる機能ブロックである。異常検知処理部は、シフトレバーの操作位置を含む制御対象に関連する異常検知処理を実行する機能ブロックである。自動再始動処理部は、所定の再始動条件が成立し、または、異常検知処理部による検知結果に基づいてエンジンを自動再始動させる機能ブロックである。
また、信号判定処理部は、自動停止処理部によるエンジンの停止中に、異常検知禁止信号の論理レベルと、バッテリの出力電圧をモニタする電圧モニタ信号の信号レベルとに基づいて、異常検知禁止信号の信号レベルの真偽を判定する機能ブロックである。これらの機能ブロックの動作は後に詳述する。
スタータ通電回路10は、第1制御部30によりオン制御またはオフ制御されるトランジスタTr1,Tr2,Tr3と、抵抗R1,R2,R3とダイオードD等を備えている。何らかの故障によりスタータモータMが予期しないタイミングで駆動されないように、複数のトランジスタによりフェールセーフ可能に構成されている。
トランジスタTr1,Tr2が、電源とスタータリレー7のコイル8の間に、ダイオードDを介して直列に接続されている。また、抵抗R1,R2,R3が電源とアースとの間に直列に接続され、トランジスタTr3が抵抗R2,R3に並列接続されている。
トランジスタTr1,Tr2の接続点と抵抗R2,R3の接続点が連結され、マイクロコンピュータのAD変換ポートにモニタ信号MV1として入力され、ダイオードDのアノード側及びカソード側がそれぞれマイクロコンピュータの入力ポートにモニタ電圧MV2,MV3として入力されている。
マイクロコンピュータによってトランジスタTr1,Tr2が同時にオンされると、コイル8に通電されてスタータモータMが駆動される。マイクロコンピュータは、所定時期にトランジスタTr1,Tr2を個別に駆動したときのモニタ電圧MV1,MV2,MV3の値に基づいてトランジスタTr1,Tr2の故障を検知し、トランジスタTr2のショートモードでの故障を検知すると、トランジスタTr3をオンして、スタータリレー7をオフするように構成されている。
第2制御部20は、給電制御部21と、異常検知禁止処理部22と、電圧モニタ部23と、電圧監視回路24と、複数の比較回路と、ウォッチドッグタイマ回路25等の複数の回路を1チップ化したCMOSの集積回路である。
給電制御部21は、バッテリBの出力電圧DC12Vを変換してDC5Vの制御電圧を生成して第1制御部30に給電するDCレギュレータを備えている。
異常検知禁止処理部22は、バッテリBの出力電圧が8Vより低下したことを検知すると、第1制御部30による所定の異常検知処理の実行を禁止するための異常検知禁止信号DIをハイレベル(異常検知禁止状態)にして第1制御部30に出力し、バッテリBの出力電圧が8V以上であることを検知すると、第1制御部30による所定の異常検知処理の実行を許可するべく異常検知禁止信号DIをローレベル(異常検知許可状態)にして第1制御部30に出力する比較回路である。
電圧モニタ部23は、バッテリBの出力電圧DC12Vを1/4に降圧した電圧モニタ信号BATTOを第1制御部30に出力する抵抗分圧回路である。
電圧監視回路24は、バッテリBの出力電圧が3.5V以下のときにローレベル、6V以上のときにハイレベルとなる起動信号STOを第1制御部30に出力するヒステリシス比較器である。
比較回路は、外部から入力されるクランクパルス信号や車速信号等のパルス信号を波形成形して第1制御部30に出力し、或は、外部から入力されるアナログ入力信号を二値化して第1制御部30に出力する複数の比較器である。
ウォッチドッグタイマ回路25は、第1制御部30のマイクロコンピュータの暴走等の異常を監視する公知のタイマ回路である。
図11には、第2制御部20を構成する集積回路の信号ピン配置が示されている。原則的に、集積回路の信号ピンのうち重要な信号端子は、その端子に隣接する信号ピンを空き端子とするのであるが、信号数の増加により隣接する信号ピンに他の信号を割り付ける必要が生じる場合もある。上述した異常検知禁止信号DIを出力するDI端子は、そのような例外的な端子で、電圧モニタ信号BATTOを出力するBATTO端子と、起動信号STOを出力するSTO端子の間に配置されている。
アイドルストップECU3は、上述した各種の入力信号及びステータス信号に基づいてアイドルストップ制御を実行する。つまり、エンジンの駆動中に所定の停止条件が成立するとエンジンを停止させる自動停止処理と、エンジンの自動停止中に所定の再始動条件が成立すると、スタータモータを起動してエンジンを再始動させる再始動処理を実行する。
アイドルストップECU3は、自動停止処理の実行時にCAN1を介してエンジンECU2に燃料カット要求信号を送信し、再始動処理の実行時にスタータ通電回路30を介してスタータリレー7をオンしてスタータモータMを駆動するとともに、CAN1を介してエンジンECU2に燃料カット解除要求信号を送信する。
エンジンECU2は、アイドルストップECU3から燃料カット要求信号を受信すると、エンジンへ出力する燃料噴射信号をオフしてエンジンを停止させ、エンジン停止時にアイドルストップECU3から燃料カット解除要求信号を受信すると、エンジンへの燃料噴射信号の出力を再開する。
このようにして、信号待ちによる停車等の際に、無駄なアイドリングによる燃料消費が抑制される。
図3には、このような車両のアイドルストップ制御に関する動作モードの遷移図が示されている。「モード0」は、イグニッションスイッチがオンされ、スタータモータが駆動される前のエンジンが完全に停止した状態である。「モード0」からスタータスイッチがオンされるとエンジンが始動され、走行可能な状態である「モード1」に遷移する。
「モード1」でエンジンの自動停止条件が成立すると、アイドルストップECU3からエンジンECU2に燃料カット要求信号が送信され、エンジンを自動停止させる移行状態である「モード2」に遷移し、完全にエンジンが停止するとアイドルストップ状態である「モード3」に遷移する。
「モード3」に遷移した状態でエンジンの再始動条件が成立すると、アイドルストップECU3からエンジンECU2に燃料カット解除要求信号が送信され、エンジンを再始動させる移行状態である「モード4」に遷移し、完全にエンジンが始動すると「モード1」に遷移する。
以下、アイドルストップECU3により実行されるアイドルストップ制御を詳述する。
図4に示すように、自動停止処理部は、所定の停止条件が成立するとエンジンを停止させ(SA1,SA2)、再始動処理部は、エンジンの自動停止中に所定の再始動条件が成立するとエンジンを再始動する(SA3,SA4)。
図5には、自動停止処理の手順が示されている。自動停止処理部は、車室内に設けられたアイドルストップモード禁止スイッチが操作されず、アイドルストップモードが許容されていること(SB1)、エンジンECU2等の他のECUからエンジンの自動停止処理を禁止するステータス信号が受信されていないこと(SB2)、車速が零(停車状態)であること(SB3)、傾斜センサにより検知された路面傾斜量が所定範囲内であること(SB4)、変速レバーがニュートラルレンジまたはパーキングレンジに操作されていること(SB5)等の条件を所定の停止条件として判定する。尚、ステップSB3の判定では、車速が零で完全に停車していなくとも、これから停止すると予測可能な条件を具備する場合に所定の停止条件に含めてもよい。例えば、車速が零に近い所定値以下でブレーキペダルが操作されている等の条件である。
尚、アイドルストップモード禁止スイッチがオン操作されている場合には、アイドルストップ制御が禁止される。
自動停止処理部は、各停止条件が成立していると判定すると、エンジンECU2に燃料カット要求信号を送信し(SB6)、エンジンECU2からインジェクタに出力される燃料噴射信号をオフさせることによりエンジンを停止させる。
ステップSB5で、変速レバーがニュートラルレンジまたはパーキングレンジに操作されておらず、例えばDレンジのような走行レンジに操作されている場合には(SB7)、ブレーキペダルが所定量操作されていることを条件として(SA8)、エンジンECU2に燃料カット要求信号を送信する(SB6)。
尚、ステップSB5で変速レバーがニュートラルレンジまたはパーキングレンジに操作されている場合に、さらにブレーキペダルが所定量操作されていることを条件に加えてもよい。また、手動変速機が搭載された車両では、ステップSB5の判定に替えて、変速レバーがニュートラルレンジに操作され、且つ、クラッチペダルが踏み込まれていないことを検知するクラッチアッパースイッチがオン状態であることを判定すればよい。
図6には、再始動処理の手順が示されている。再始動処理部は、第2制御部20から異常検知許可状態であるローレベルの異常検知禁止信号DIが入力されていれば(SC1)、異常検知処理部を起動して通常異常検知処理を実行させ(SC2)、引き続いて低電圧異常検知処理を実行させる(SC3)。ステップSC1で、異常検知禁止状態であるハイレベルの異常検知禁止信号DIが入力されていれば、通常異常検知処理を実行させずに、低電圧異常検知処理のみを実行させる(SC3)。
通常異常検知処理とは、ブレーキブースタの負圧の異常検知処理、スタータモータ駆動回路や信号端子の異常検知処理、シフトレバーの位置を検知するシフト位置センサの異常検知処理、AD変換ポートの異常検知処理、バックアップブーストコンバータ9の異常検知処理、EEPROMの異常検知処理等をいい、それぞれ所定の自己診断アルゴリズムに基づいて異常の有無を検知し、その結果に応じて、直ちにエンジンの再始動要求を発生させるか、エンジンの再始動要求を発生させることなく、CAN1に接続されているメータECUに異常情報を送信してインスツルメントパネルに異常情報を表示させる処理である。後者の場合、アイドルストップの動作モードを「モード0」、つまりエンジンストール状態に遷移させる。
例えば、坂道でエンジンが自動停止した状態でブレーキブースタの負圧が低下すると、ブレーキ保持力が低下して車両がずり下がる虞があり、速やかにエンジンを再始動させる必要があるため、異常検知処理部は、ブレーキブースタの負圧の異常検知処理で所定の負圧より低下したことを検知すると、直ちにエンジンの再始動要求を発生させる。
シフト位置センサが故障して、正確な操作位置が検知できない場合に、仮にDレンジ等の走行レンジに操作された状態であれば、エンジンを自動再始動すると車両が急発進する虞があるため、異常検知処理部は、シフト位置センサの異常を検知すると、アイドルストップの動作モードを「モード0」、つまりエンジンストール状態に遷移させる再始動解除要求を発生させる。
図7に示すように、シフトレバーの操作により異なる値の電圧を出力する抵抗を備えたシフト位置センサは、シフトレンジがパーキングレンジまたはニュートラルレンジに操作された状態と、その他のレンジに操作された状態で出力電圧範囲が異なり、各出力電圧範囲(図7中、ハッチングされた領域)がシフト位置センサに印加される電圧により変動する出力特性を有する。
そこで、異常検知処理部は、第1制御部30に備えた降圧回路の出力である電圧モニタ信号BATTに基づいてシフト位置センサに印加されるバッテリB電圧を算出し、そのときのシフト位置センサの出力電圧が何れかの電圧範囲に入る場合に正常であると判定し、何れの電圧範囲にも入らない場合に故障していると判定するシフト位置センサの異常検知処理を実行する。
また、アナログ信号をデジタル信号に変換する複数のAD変換ポートに何らかの異常があると、上述したシフト位置センサの異常検知処理等が適正に実行できない虞があるため、異常検知処理部は、AD変換ポートの一つに入力されたアナログ基準電圧に対するAD変換電圧が所定の値を示す場合に正常であると判定し、AD変換電圧が所定の値からずれると故障していると判定するAD変換ポートの異常検知処理を実行する。
バッテリBの出力電圧が8Vより低いときに、上述した通常異常検知処理を実行すると、正常であるにもかかわらず誤った判定によりエンジンの再始動要求を発生させる虞があるため、そのような場合に通常異常検知処理を禁止するために、第2制御部2から異常検知禁止状態であるハイレベルの異常検知禁止信号DIが入力され、バッテリBの出力電圧が8V以上の場合に異常検知許可状態であるローレベルの異常検知禁止信号DIが入力される。
低電圧異常検知処理とは、スタータモータ関連の異常検知処理、バックアップブーストコンバータ9を含むバッテリB関連の異常検知処理等をいい、その結果に応じて、直ちにエンジンの再始動要求を発生させるか、エンジンの再始動要求を発生させることなく、CAN1に接続されているメータECUに異常情報を送信してインスツルメントパネルに異常情報を表示させる処理である。
低電圧異常検知処理は、バッテリBの出力電圧の低下によりエンジンの再始動に重要な影響を与えるため、異常検知禁止信号DIが異常検知禁止状態であるハイレベルであっても処理が実行される。
例えば、エンジン停止中にエアコンや車載器でバッテリBの電力が消費されると、バッテリBの出力電圧が低下し、バックアップブーストコンバータ9で昇圧しても各ECUが正常に動作しない虞がある。異常検知処理部は、バックアップブーストコンバータ9からのモニタ電圧を検知して、所定電圧以下に低下する場合に速やかにエンジンを再始動させる。
再始動処理部は、異常検知処理部による異常検知処理が終了すると、異常検知処理部からのエンジンの再始動要求の有無を判定し、再始動要求があれば(SC4)、特異操作状態であるか否かを判定して、特異操作状態でなければ(SC5)、強制的にスタータモータMを駆動するとともに(SC6)、CAN1を介してエンジンECU2に燃料カット解除要求信号を送信して(SC7)、エンジンを再始動させる。
特異操作状態とは、エンジンを再始動させると車両の飛出し等の危険な状態が発生する可能性がある操作が行なわれた状態をいう。
例えば、自動変速機を備えた車両であれば、シフトレバーの操作位置がニュートラルレンジまたはパーキングレンジ等の非走行レンジにある状態でエンジンが停止状態に移行した後に、シフトレバーの操作位置がDレンジ等の走行レンジに操作され、且つ、ブレーキペダルが車両の発進を回避可能な程度に踏込み操作されていな状態等をいう。
また、手動変速機を備えた車両であれば、シフトレバーの操作位置がニュートラルレンジ等の非走行レンジにあり、クラッチアッパースイッチがオンしている状態でエンジンが停止状態に移行した後に、シフトレバーの操作位置が走行レンジに操作され、クラッチアッパースイッチがオンしている状態をいう。
異常検知処理部からエンジンの再始動要求がない場合には(SC4)、異常検知処理部からのエンジンの再始動解除要求の有無を判定し、再始動解除要求がなければ(SC8)、他のECUからエンジンの再始動要求があるか否かを判定し(SC9)、再始動要求があればステップSC5以下の再始動処理を実行する。他のECUからエンジンの再始動要求とは、例えばエンジンECU2から送信されたステータス信号が再始動要求である場合等をいう。
さらに、他のECUからエンジンの再始動要求がなければ(SC9)、ユーザ要件による再始動要求があるか否か、詳細には、運転者による再始動要求があるか否か(例えば、アクセルペダルの踏込み操作がなされたか否かや、ユーザの操作によって安全性または車両の保全性の面でエンジンを再始動した方がよい状況になったか否か)を判定し(SC10)、例えばアクセルペダルの踏込み操作がなされたと判定する場合には、運転者による車両の走行意図を認識してステップSC5以下の手順でエンジンを再始動させる。
ユーザによる再始動要求として、他にスポーツモードスイッチがオンされたこと、アイドルストップ禁止スイッチがオンされたこと、所定量以上のステアリング操作がなされたこと、エンジンフードが開かれたこと、ドアが開かれたこと等がステップSC10で判定される。
ステップSC9,SC10で再始動要求がないと判定され、ステップSC5で特異操作がなされていると判定された場合には、エンジン尾停止状態が継続される(SC11)。
ステップSC8で再始動解除要求があれば、アイドルストップ制御によるエンジン停止状態を解除して「モード0」、つまりエンジンストール状態に移行する(SC12)。「モード0」に遷移後は、ユーザによるスタータスイッチの操作によってエンジンが手動で起動される。
再始動解除要求とは、上述した通常異常検知処理や低電圧異常検知処理で、エンジンの再始動を行なった場合に支障が生じる虞があるとの異常が検知された場合に、エンジンの再始動制御を禁止する要求である。例えば、シフト位置センサの異常が検知されるとシフト位置が適正な状態にあるか否かが判定できないため、エンジンの再始動制御が禁止され、エンジンストール状態である「モード0」に遷移する。
ところで、上述した第2制御部20では、異常検知禁止信号DIの信号ピンの両隣に、電圧モニタ信号BATTOの信号ピンと、起動信号STOの信号ピンが配置されているため、金属片等の何らかの導電性部材等を介して異常検知禁止信号DIの信号ピンが隣接する信号ピンと短絡して、異常検知禁止信号DIの論理レベルが変動する虞がある。
図9には、バッテリBの出力電圧に応じて変動する異常検知禁止信号DIの論理レベル(ハイレベル5V、ローレベル0V)、電圧モニタ信号BATTOの電圧値(バッテリ電圧の1/4の値)、起動信号STOの論理レベル(ハイレベル5V、ローレベル0V)が示されている。
バッテリの出力電圧が3.5V以下のときに、異常検知禁止信号DIの信号ピンと起動信号STOの信号ピンが短絡すると、第1制御部30に入力されるべきハイレベル(異常検知禁止状態)の異常検知禁止信号DIが起動信号STOの信号ピンの影響を受けてローレベル(異常検知許可状態)に変動する場合がある(図9のバッテリ電圧が3.5Vの欄で、太線の枠で囲まれた領域)。
また、バッテリの出力電圧が8V以上のときに、異常検知禁止信号DIの信号ピンと電圧モニタ信号BATTOの信号ピンが短絡すると、第1制御部30に入力されるべきローレベル(異常検知許可状態)の異常検知禁止信号DIが電圧モニタ信号BATTOの信号ピンの影響を受けてハイレベル(異常検知禁止状態)に変動する場合がある(図9のバッテリ電圧が12Vの欄で、太線の枠で囲まれた領域)。
異常検知禁止信号DIの信号ピンが、隣接する信号ピンと短絡して、異常検知禁止信号DIが本来の論理レベルと反対の論理レベルとして第1制御部30に入力される可能性があるのは、上述のピン配置に限るものではなく、その他の信号が異常検知禁止信号DIの信号ピンに隣接して割り付けられた場合も同様である。
そのような場合に、図6のステップSC1で判定される異常検知禁止信号DIの論理レベルが反転し、本来実行されるべきステップSC2の通常異常検知処理が実行されない状態で、ステップSC4,SC8,SC9,SC10の何れかでエンジンの再始動要求が確認されると、本来エンジン停止状態を継続すべき場合(SC11,SC12)であっても、誤ってエンジンが再始動される虞がある。
エンジン自動停止中にこのような事態が発生した場合に、さらに例えばシフト位置センサまたはAD変換ポートの故障が同時に発生しても、シフト位置センサの異常検知処理やAD変換ポートの異常検知処理が実行されないため、これらの故障が検知されないため、異常検知禁止信号DIの論理レベルが反転する前に実行されたシフト位置センサの異常検知処理やAD変換ポートの異常検知処理によりRAMに格納された検知結果が正常であれば、エンジンが再始動されるためである。
そこで、第1制御部30に備えた信号判定処理部により、異常検知禁止信号DIの論理レベルと、第1制御部30に備えた降圧回路によるバッテリの出力電圧をモニタする電圧モニタ信号BATTの信号レベルとに基づいて、異常検知禁止信号DIの信号レベルの真偽を判定するように構成されている。
以下、信号判定処理部の動作を説明する。
図8に示すように、信号判定処理部は、異常検知禁止信号DIと電圧モニタ信号BATTを入力して(SD1、SD2)(実際には、別途の入出力処理ルーチンで信号の入出力処理が行なわれ、入力された信号値はRAMに記憶されているため、ここでは、RAMから信号値を読み出す処理が行なわれる。)、異常検知禁止信号DIが異常検知禁止状態であるハイレベルに固定された異常であるか否かが判断され、ハイレベルに固定された異常であれば(SD3)、異常検知禁止信号DIが異常検知禁止異常と判定して信号ピンがハイレベル側に短絡故障している旨の判定フラグをRAMに記憶する(SD4)。
そして、エンジンの自動停止中であれば(SC5)、アイドルストップ制御によるエンジン停止状態を解除して「モード0」、つまりエンジンストール状態に移行する(SD6)。「モード0」に以降後は、ユーザによるスタータスイッチの操作によってエンジンが手動で起動される。
異常検知禁止信号DIが異常検知禁止状態であるハイレベルに固定された異常でなければ(SD3)、異常検知許可状態であるローレベルに固定された異常であるか否かが判断され、ローレベルに固定された異常であれば(SD7)、異常検知禁止信号DIが異常検知許可異常と判定して信号ピンがローレベル側に短絡故障している旨の判定フラグをRAMに記憶し(SD8)、ステップSD5以下の処理を実行する。
異常検知禁止信号DIが異常検知許可状態であるローレベルに固定された異常でなければ(SD7)、異常検知禁止信号DIは正常であると判定して処理を終了する。尚、RAMに記憶された判定フラグに基づいて、CAN1に接続されているメータECUに異常情報が送信され、インスツルメントパネルに異常情報が表示される。
信号判定処理部は、電圧モニタ信号BATTを4倍してバッテリBの出力電圧を算出し、DC8V以上である場合に異常検知禁止信号DIが異常検知禁止状態であれば、ハイレベルに固定された異常検知禁止異常であると判定し、DC8V未満である場合に異常検知禁止信号DIが異常検知許可状態であれば、ローレベルに固定された異常検知許可異常であると判定するのである。
上述した信号判定処理が、エンジン再始動処理部によるエンジン再始動処理の前に実行されるように構成すれば、異常検知禁止信号DIに異常が発生している場合にアイドルストップ制御によるエンジン停止状態からエンジンストール状態にモードが遷移されるので、誤ってエンジンが自動再始動されることがなくなる。
また、図8に示したDI異常判定処理を実行するプログラムモジュールを、エンジン再始動処理のプログラムモジュールの前に実行されるようにプログラムを構成すれば、DI異常判定処理が組み込まれていない既存の制御プログラムを大きく改変することなく、極めて容易に対応することができる。
つまり本発明による車両の制御装置は、制御対象を制御する制御処理部と、制御対象に関連する異常を検知する異常検知処理部とを含む第1制御部30と、バッテリ電圧を変換して第1制御部30に給電する給電制御部と、バッテリBの出力電圧の低下を検知すると第1制御部30による所定の異常検知処理の実行を禁止するための異常検知禁止信号DIを出力する異常検知禁止処理部を含み、異常検知禁止信号を含む複数の信号を第1制御部30に出力する第2制御部20とを備えている。
制御処理部は、所定の停止条件が成立するとエンジンを停止させる自動停止処理部と、シフトレバーの位置センサを含む制御対象に関連する異常検知処理を実行する異常検知処理部と、所定の再始動条件が成立し、または、異常検知処理部による検知結果に基づいてエンジンを自動再始動させる自動再始動処理部を含む。
そして、第1制御部30は、異常検知禁止信号DIの論理レベルと、バッテリBの出力電圧をモニタする電圧モニタ信号の信号レベルとに基づいて、異常検知禁止信号の信号レベルの真偽を判定する信号判定処理部を備えている。
このとき使用される電圧モニタ信号は、第1制御部に備えたバッテリ電圧の降圧回路からの出力信号を採用することが好ましい。第2制御部20のDI信号ピンとBATTO信号ピンが短絡する虞が無いピン配置であれば、第2制御部20から出力される電圧モニタ信号を用いることも可能である。
さらに、自動停止処理部によるエンジンの停止中に、信号判定処理部により異常検知禁止信号の信号レベルが偽の異常検知禁止レベルであると判定されると、自動再始動処理部によるエンジンの自動再始動を行なわずに、エンジンストール状態に移行するように構成されている。
第2制御部20から出力される異常検知禁止信号DIの信号ピンに隣接して、異常検知禁止信号DIの信号レベルと異なる信号レベルの信号ピンが配列され、信号判定処理部は、異常検知禁止信号DIの信号レベルが偽である場合に、異常検知禁止信号の信号ピンが隣接する信号ピンと短絡していると判定するように構成されている。
以下、別実施形態を説明する。
上述した実施形態では、異常検知禁止信号DIの真偽を判定する基準として、第2制御部20を介することなく、第1制御部30に備えた抵抗分圧回路33で生成された電圧モニタ信号VATTを用いる例を説明したが、異常検知禁止信号DIと第2制御部20の電圧モニタ部23から出力される電圧モニタ信号VATTOが隣接するピン配置でない場合には、電圧モニタ信号VATTOを異常検知禁止信号DIの真偽を判定する基準として用いることも可能である。
上述した実施形態では、異常検知禁止信号DIがハイレベル側の異常、及び、ローレベル側の異常の双方でステップSD6,SD7の処理が実行される場合を説明したが、異常検知禁止信号DIがハイレベル側の異常、及び、ローレベル側の異常で次に実行する処理を異ならせるように構成してもよい。
例えば、自動停止処理部によるエンジンの停止中に、信号判定処理部により異常検知禁止信号の信号レベルが偽の異常検知禁止レベルであると判定されると、自動再始動処理部によるエンジンの自動再始動処理を行なわずに、エンジンストール状態に移行し、信号判定処理部により異常検知禁止信号の信号レベルが偽の異常検知許可レベルであると判定されると、当該偽の異常検知許可レベルに従って、自動再始動処理部によるエンジンの自動再始動処理を実行するように構成してもよい。
図10には、この場合のDI異常判定処理が示されている。図8に示したフローチャートとの相違点は、ステップSE7で、異常検知許可状態であるローレベルに固定された異常であるか否かが判断され、ローレベルに固定された異常であれば、ステップSE8で、異常検知禁止信号DIが異常検知許可異常と判定して信号ピンがローレベル側に短絡故障している旨の判定フラグがRAMに記憶され、その後、ステップSE5、SE6の処理を実行することなく終了する点である。
この場合、図6に示したエンジン再始動処理のステップSC2の通常異常検知処理で、シフト位置センサの異常検知処理やAD変換ポートの異常検知処理等が確実に実行されるので、通常異常検知処理が実行されない場合に生じる不都合が解消する。
本発明は、自動変速機を備えた車両、及び、手動変速機を備えた車両の何れにも適用できるが、特にシフトレバーが1速や2速に操作され、クラッチが係合した状態でエンジンが再始動されると、急発進する手動変速機を備えた車両に適用されることが好ましい。
さらにまた別の実施形態として、自動停止処理部によるエンジンの停止中に、信号判定処理部により異常検知禁止信号DIの信号レベルが偽の異常検知禁止レベルであると判定されると、異常検知禁止信号の信号レベルが異常検知許可レベルであると判定して、自動再始動処理部によるエンジンの自動再始動処理を実行するように構成してもよい。
また、上述の別実施形態に加えて、或は、上述の別実施形態とは別に、自動停止処理部によるエンジンの停止中に、信号判定処理部により異常検知禁止信号DIの信号レベルが偽の異常検知許可レベルであると判定されると、異常検知禁止信号の信号レベルが異常検知禁止レベルであると判定して、自動再始動処理部によるエンジンの自動再始動処理を実行するように構成してもよい。
この場合には、上述した図6の異常検知禁止信号DIの信号レベルを判定するステップSC1の処理を、信号判定処理部によって設定された制御フラグを判定する処理に代えればよい。例えば、信号判定処理部が、異常検知禁止信号DIの信号レベルが偽の異常検知禁止レベルであると判定すると、異常検知禁止信号の信号レベルが異常検知許可レベルであると判定する制御フラグをセットするように構成し、再指導処理部は、ステップSC1で当該制御フラグがセットされていれば、ステップSC2の処理を実行するように判断するのである。
上述した何れの実施形態も、車両の制御装置がアイドルストップECUである場合を例に説明したが、本発明による車両の制御装置は、アイドルストップECUに限るものではなく、その他のECUにも適用できる。
つまり、車両に搭載された制御対象を制御する車両の制御装置であって、制御対象を制御する制御処理部と、制御対象に関連する異常を検知する異常検知処理部とを含む第1制御部と、バッテリ電圧を変換して第1制御部に給電する給電制御部と、バッテリの出力電圧の低下を検知すると第1制御部による所定の異常検知処理の実行を禁止するための異常検知禁止信号を出力する異常検知禁止処理部を含み、異常検知禁止信号を含む複数の信号を前記第1制御部に出力する第2制御部とを備え、第1制御部は、異常検知禁止信号の論理レベルと、バッテリの出力電圧をモニタする電圧モニタ信号の信号レベルとに基づいて、異常検知禁止信号の信号レベルの真偽を判定する信号判定処理部を備えていればよい。
上述した各実施形態は本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において各ブロックの具体的構成等を適宜変更設計できることは言うまでもない。
1:CAN
2:エンジンECU
3:制御装置(エンジン自動停止再始動制御装置)
20:第2制御部
30:第1制御部

Claims (8)

  1. 車両に搭載された制御対象を制御する車両の制御装置であって、
    前記制御対象の制御に関連する部位の異常を検知する異常検知処理部を含む第1制御部と、
    バッテリの出力電圧の低下を検知すると前記第1制御部による所定の異常検知処理の実行を禁止するための異常検知禁止信号を出力する異常検知禁止処理部を含み、前記異常検知禁止信号を含む複数の信号を前記第1制御部に出力する第2制御部と、
    を備え、
    前記第1制御部は、前記異常検知禁止信号の論理レベルと、前記第2制御部を介さずに入力される、前記バッテリの出力電圧をモニタする電圧モニタ信号の信号レベルとに基づいて、前記第1制御部から入力される前記異常検知禁止信号の異常を判定する信号判定処理部を備えている車両の制御装置。
  2. 前記第1制御部は、
    所定の停止条件が成立するとエンジンを停止させる自動停止処理部と、
    エンジンの自動停止自動再始動制御に関連する部位の異常検知処理を実行する異常検知処理部と、
    前記異常検知処理部による検知結果を含む所定の再始動条件が成立すると、エンジンを自動再始動させる自動再始動処理部と、
    を含み、
    前記自動再始動処理部は、自動再始動処理部によるエンジンの停止中に、前記第1制御部から異常検知を禁止する状態を示す異常検知信号が入力され、且つ、前記信号判定処理部により前記異常検知禁止信号が異常であると判定されると、エンジンの自動再始動を行なわない請求項1記載の車両の制御装置。
  3. 前記自動再始動処理部は、前記異常検知処理部によりシフトレバーの位置センサの異常が検知されると、エンジンの自動再始動を行なわない請求項2記載の車両の制御装置。
  4. 前記自動再始動処理部は、前記異常検知処理部によりシフトレバーの位置センサの異常が検知されると、エンジンの自動再始動を行なわずにエンジンストール状態に移行する請求項2記載の車両の制御装置。
  5. 前記第2制御部から出力される前記異常検知禁止信号の信号ピンに隣接して、前記異常検知禁止信号の信号レベルと異なる信号レベルの信号ピンが配列され、
    前記信号判定処理部は、前記異常検知禁止信号が異常である場合に、前記異常検知禁止信号の信号ピンが、隣接する信号ピンと短絡していると判定する請求項1から4の何れかに記載の車両の制御装置。
  6. 前記第1制御部は、
    所定の停止条件が成立するとエンジンを停止させる自動停止処理部と、
    シフトレバーの位置センサを含むエンジンの自動停止自動再始動制御に関連する異常検知処理を実行する異常検知処理部と、
    前記異常検知処理部による検知結果を含む所定の再始動条件が成立すると、エンジンを自動再始動させる自動再始動処理部と、
    を含み、
    前記自動停止処理部は、前記自動停止処理部によるエンジンの停止中に、前記信号判定処理部により異常検知を禁止する状態を示す異常検知禁止信号が異常であると判定されると、前記異常検知禁止信号が異常検知を許可する状態であると判定して、前記自動再始動処理部によるエンジンの自動再始動処理を実行する請求項1記載の車両の制御装置。
  7. 前記第1制御部は、
    所定の停止条件が成立するとエンジンを停止させる自動停止処理部と、
    シフトレバーの位置センサを含むエンジンの自動停止自動再始動制御に関連する異常検知処理を実行する異常検知処理部と、
    前記異常検知処理部による検知結果を含む所定の再始動条件が成立すると、エンジンを自動再始動させる自動再始動処理部と、
    を含み、
    前記自動停止処理部は、前記自動停止処理部によるエンジンの停止中に、前記第1制御部から異常検知を禁止する状態を示す異常検知信号が入力され、且つ、前記信号判定処理部により前記異常検知禁止信号が異常であると判定されると、エンジンの自動再始動処理を行なわずに、エンジンストール状態に移行し、
    前記第1制御部から異常検知を許可する状態を示す異常検知信号が入力され、且つ、前記信号判定処理部により前記異常検知禁止信号が異常であると判定されると、当該異常検知禁止信号に従って、前記自動再始動処理部によるエンジンの自動再始動処理を実行する請求項1記載の車両の制御装置。
  8. 前記自動停止処理部によるエンジンの停止中に、前記信号判定処理部により異常検知を許可する状態を示す異常検知禁止信号が異常であると判定されると、前記異常検知禁止信号が異常検知を禁止する状態であると判定して、前記自動再始動処理部によるエンジンの自動再始動処理を実行する請求項7記載の車両の制御装置。
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