JP2006336483A - エンジンの自動停止始動制御装置及び制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 エコラン用エンジン停止解除後にエンジン始動が行われる時に、バッテリが低電圧でもその他のECUがバッテリやバッテリ関連機器の異常判断をしないようにする。
【解決手段】 エコラン用のエンジン停止条件の成立時にエンジンを停止させ、エコラン用エンジン停止条件の解除時に、バッテリに駆動されるスタータモータによってエンジンを始動させるエンジンの自動停止始動制御装置において、エコラン用のエンジン停止条件の成立でエンジンが停止されている時にバッテリの出力電圧を検出し、エコラン用のエンジン停止条件の解除時に、バッテリ電圧が第1の基準値V1以下である場合は、エコラン用EFI以外の他のEFIに、エコラン用EFIからバッテリやバッテリ関連機器の診断を一定時間中断させる指示を出力して、その他のEFIがスタータモータの駆動時にバッテリやバッテリ関連機器の異常を検出しないようにしたものである。
【選択図】 図2
【解決手段】 エコラン用のエンジン停止条件の成立時にエンジンを停止させ、エコラン用エンジン停止条件の解除時に、バッテリに駆動されるスタータモータによってエンジンを始動させるエンジンの自動停止始動制御装置において、エコラン用のエンジン停止条件の成立でエンジンが停止されている時にバッテリの出力電圧を検出し、エコラン用のエンジン停止条件の解除時に、バッテリ電圧が第1の基準値V1以下である場合は、エコラン用EFI以外の他のEFIに、エコラン用EFIからバッテリやバッテリ関連機器の診断を一定時間中断させる指示を出力して、その他のEFIがスタータモータの駆動時にバッテリやバッテリ関連機器の異常を検出しないようにしたものである。
【選択図】 図2
Description
本発明はエンジンの自動停止始動制御装置及び制御方法に関し、特に、鉛蓄電池で駆動されるスタータによって始動されるエンジンを搭載した車両において、エンジンのアイドル状態において燃費の向上のためにエンジンを停止させるようにしたエンジンの自動停止始動制御装置及び制御方法に関する。
従来、エンジンを搭載した車両では、停止しているエンジンを始動させるためのスタータモータが必要であり、このスタータモータは車両に搭載された充電可能な鉛蓄電池(以後鉛蓄電池は単にバッテリという)によって駆動される。また、車両には、電装品としてランプ類や、空調機や窓ガラスの開閉装置等のような、バッテリに駆動される補機が多数搭載されている。そして、エンジンの始動や補機の駆動によって放電したバッテリ能力を回復させるために、車両にはエンジンによって駆動されて発電を行い、発電した電力でバッテリを充電する発電機(オルタネータ)が搭載されている。
一方、エンジンを搭載した車両では、車両の走行距離に対する燃料の消費量を少なくすること、即ち、燃費を良くすることや、排気ガスによる大気汚染を低減すること、およびアイドル時のエンジン騒音を低減することが重要な課題となっている。このような車両における燃費向上、アイドル騒音の低減などの都市環境の改善に貢献できるシステムは、エコランシステムと呼ばれている。そして、このエコランシステムにおけるエコランの方法として、エンジンの燃焼効率を上げてこれを実現する方法や、アイドル時や軽負荷時の無駄な燃料消費を抑えるために、アイドル時や軽負荷時に燃焼気筒の一部への燃料供給を停止する方法が行われている。
また、アイドル時にエンジンを完全に止めてしまうエコラン用のエンジン停止制御も行われている。このエコラン用のエンジン停止制御は、エンジンに燃料を供給する電子燃料供給用エンジン制御装置(EFI−ECU)とは別に設けられたエコラン用制御装置(エコランECU)によって行われる。更に、バッテリ上がりを防止しつつ、アイドル時にエンジンを停止するものが特許文献1に記載されている。
ところが、アイドル時にエンジンを停止してエコランを行う従来のエンジン制御では、エコランECUからの再始動要求によってスタータモータが駆動された時、バッテリからスタータモータに突入電流が流れ、バッテリ電圧が2V程度降下してしまう。このため、車両に1つのバッテリしか搭載されていない場合、バッテリの劣化状態(バッテリ電圧が10V付近にある状態)においてスタータモータが駆動されると、バッテリ電圧は8V程度の低電圧となってしまう。
このような場合、他のECU、例えば前述のEFI−ECUや補機制御用のECUは、バッテリ電圧の低電圧状態がスタータモータの駆動による低電圧状態かどうかの判断がつかず、自己診断(ダイアグノーシス)時に、バッテリが異常であるという誤診断(誤ダイアグノーシス)をしてしまい、エンジン制御やエコラン制御に影響を及ぼすという問題点があった。
同様に、バッテリが低電圧であると、バッテリ電圧を使用して駆動されるアクチュエータやセンサ系もバッテリ電圧の低下に伴って異常と診断されてしまい、エンジン制御やエコラン制御に影響を及ぼすという問題点があった。この理由は、アクチュエータやセンサ系の異常は、その出力値をAD変換した値で診断されるが、バッテリ電圧が低下すると、アクチュエータやセンサ系の出力値も低くなり、これをAD変換した値が異常領域の値になって、アクチュエータやセンサ系が異常と判定されてしまうからである。
そこで、本発明は、エコランECUからの再始動要求によって、バッテリの電圧が基準値よりも低い状態でスタータモータが駆動された場合であっても、他のECUがバッテリの一時的な電圧低下により、自己診断時にバッテリ及びアクチュエータやセンサ系等のバッテリ関連機器が異常であるという誤診断を行うことがなく、エンジン制御やエコランの制御に影響が発生する虞がないようにすることができるエンジンの自動停止始動制御装置及び制御方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成する本発明のエンジンの自動停止始動制御装置の1つの形態は、所定のエコラン用のエンジン停止条件の成立時にエンジンを停止させ、エンジン停止条件の解除時に、バッテリに駆動されるスタータモータによってエンジンを始動させるエコラン制御手段と、他の電子機器の制御手段とを備えるエンジンの自動停止始動制御装置において、エコラン用のエンジン停止条件の成立でエンジンが停止されている時にエコラン制御手段がバッテリの出力電圧を検出し、エコラン用のエンジン停止条件の解除時に、バッテリ電圧が第1の基準値以下である場合は、バッテリ及びバッテリ関連機器の診断を一定時間中断させる指示を他の電子機器の制御手段に出力するバッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段を設けたことを特徴としている。
バッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段から出力されるバッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示における中断指示時間は、エコラン用のエンジン停止条件の解除時のバッテリの電圧状態、スタータモータの駆動後に検出されたバッテリの電圧回復状態、バッテリ液温度、外気温度、スタータ駆動時の最高突入電流値、エンジン始動までのスタータモータの回転数、スタータモータ回転中のバッテリ電圧のような、エンジンの運転環境パラメータによって補正することができる。ここで、中断指示時間は、他の電子機器の制御手段が、バッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段からの中断指示を受け取って中断準備が完了した時点から、バッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段からの中断解除指示を受け取って中断解除が完了した時点までの時間である。
また、バッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段は、エコラン用のエンジン停止条件の解除時に、バッテリ及びバッテリ関連機器の診断を一定時間中断させる指示が他の電子機器の制御手段に届くまでの間、エコラン制御手段にスタータの駆動を所定時間遅延させること、エコラン制御手段に延期させるスタータの駆動までの所定時間をバッテリの電圧状態によって変更することができる。
なお、以上の動作を行うエンジンの自動停止始動制御装置において、他の電子機器の制御手段は、バッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段からの中断指示を受け取ると、通常の診断処理におけるバッテリ及びバッテリ関連機器の診断結果のみを無視するマスク処理を行うか、或いは通常の診断処理においてバッテリ及びバッテリ関連機器の診断処理をスキップするスキップ処理の何れかを行うことによって、バッテリの診断の中断を行うことができる。
更に、バッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段は、スタータモータの駆動時にバッテリからスタータモータに流れる最高突入電流を検出して、スタータモータ駆動直後のバッテリの電圧値を演算によって求め、バッテリの演算電圧値が第1の基準値よりも小さい第2の基準値より大きい場合は、他の電子機器の制御手段へのバッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示を取り下げることができる。
前記目的を達成する本発明のエンジンの自動停止始動制御装置の他の形態は、所定のエコラン用のエンジン停止条件の成立時にエンジンを停止させ、エンジン停止条件の解除時に、バッテリに駆動されるスタータモータによってエンジンを始動させるエコラン制御手段と、他の電子機器の制御手段とを備えるエンジンの自動停止始動制御装置において、エコラン用のエンジン停止条件の成立でエンジンが停止されている時に、バッテリの出力電圧を検出し、エコラン用のエンジン停止条件の解除時に、バッテリ電圧が基準値以下である場合は、スタータモータをバッテリの急激な電圧低下を招かない方法で駆動するスタータモータの緩駆動手段を設けたことを特徴としている。
この場合、スタータモータの緩駆動手段は、エコラン用のエンジン停止条件の解除時に検出したバッテリの電圧状態によって、スタータモータの駆動方法を変更することができる。
前記目的を達成する本発明のエンジンの自動停止始動制御方法の1つの形態は、所定のエコラン用のエンジン停止条件の成立時にエンジンを停止させ、エンジン停止条件の解除時に、バッテリに駆動されるスタータモータによってエンジンを始動させるエコラン制御手段と、他の電子機器の制御手段とを備えるエンジンの、エコラン制御手段によるエンジンの自動停止始動制御方法であって、エコラン用のエンジン停止条件の成立でエンジンが停止されている時に、バッテリ電圧を検出するステップと、エコラン用のエンジン停止条件の解除時に、バッテリ電圧が第1の基準値以下である場合は、バッテリ及びバッテリ関連機器の診断を一定時間中断させる指示を他の電子機器の制御手段に出力するステップと、を備えることを特徴としている。
前記目的を達成する本発明のエンジンの自動停止始動制御方法の他の形態は、所定のエコラン用のエンジン停止条件の成立時にエンジンを停止させ、エンジン停止条件の解除時に、バッテリに駆動されるスタータモータによってエンジンを始動させるエコラン制御手段と、他の電子機器の制御手段とを備えるエンジンの、エコラン制御手段による自動停止始動制御方法であって、エコラン用のエンジン停止条件の成立でエンジンが停止されている時に、バッテリの出力電圧を検出するステップと、エコラン用のエンジン停止条件の解除時に、バッテリ電圧が基準値以下である場合は、スタータモータを前記バッテリの急激な電圧低下を招かない方法で駆動するステップとを備えることを特徴としている。
本発明のエンジンの自動停止始動制御装置及び制御方法によれば、エコランECUからの再始動要求によって、バッテリの電圧が基準値よりも低い状態でスタータモータが駆動された場合であっても、他のECUにバッテリの診断を一定時間中断させるようにしたので、他のECUがバッテリの一時的な電圧低下により、バッテリ及びセンサやアクチュエータ等のバッテリ関連機器が異常であるという誤判断をすることがなくなり、エンジン制御に影響が発生しないようにすることができるという効果がある。
以下、添付図面を用いて本発明の実施の形態を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、具体的な実施例として、バッテリの異常を診断するエンジンの自動停止始動制御装置の構成及び制御方法について説明するが、アクチュエータやセンサ系についても、その異常を診断する装置構成と制御方法は同じである。
図1は、車両に搭載される本発明のエンジン6の制御装置の一実施例の構成を示すものであり、この車両には補機4と呼ばれる電装品が搭載されている。補機4としては、エンジン6を始動させるスタータモータ7、ランプ類や空調機、或いは窓ガラスの開閉用モータ等の、バッテリ1を電源とする電気負荷がこれに相当する。バッテリ1はこれらの補機4に接続される他に、バッテリ1を充電する電力を発生するオルタネータ(ALT)5にも接続されている。バッテリ1と補機4との間の回路には、電流計1Aと電圧計1Vが設けられている。エンジン6を始動させるスタータモータ7は,オンオフスイッチSW1を介してバッテリ1に接続されており、スイッチSW1がオンの時にエンジン6を始動させるようになっている。また、オルタネータ5の出力と補機4の入力との間に設けられたオンオフスイッチSW2は、バッテリ1の充電時にオンされる。正常時のバッテリ1の出力電圧は12Vである。
エンジン6及び電装品である補機4を駆動する制御装置は、この実施例では、電子制御燃料噴射用のECU(図にはEFI−ECUと記載)9、エンジン6をエコランのために停止したり、始動したりするためのエコランECU10、及び補機4の駆動を制御する補機用ECU11がこれに相当する。車両に搭載されたエンジン6は、EFI−ECU9によって制御されており、燃料供給装置8から燃料が供給されている。また、エコランECU10は、EFI−ECU9とバス12で接続されていると共に、バス13で補機用ECU11に接続されている。エコランCU10は、電流計1Aや電圧計1Vの検出値からバッテリの状態を検知し、バッテリ1の充放電を制御する。また、エコランECU10は前述のスイッチSWとSW2のオンオフを制御する。
この実施例においては、エコランECU10によってエコランのためにエンジンが停止されている間は、エコランECU10がバッテリ1の電圧を監視している。そして、エコランECU10によってエコラン用のエンジン停止が中止されてエンジンが再始動される場合は、エコランECU10によってスイッチSW1がオンされ、スタータモータ7がバッテリ1から電力を供給されてエンジンを始動させる。
以上のように構成されたエコランが可能なエンジンでは、エンジンの運転状態を以下の5つのエコランモードに分類することが行われている。
1)エコランモード0:通常のエンジン停止状態(キーオフ、衝突など)
2)エコランモード1:エンジン回転状態
3)エコランモード2:エンジン停止要求状態(車速0のアイドル状態)
4)エコランモード3:エコランでエンジン停止状態
5)エコランモード4:エコランからのエンジン始動状態
1)エコランモード0:通常のエンジン停止状態(キーオフ、衝突など)
2)エコランモード1:エンジン回転状態
3)エコランモード2:エンジン停止要求状態(車速0のアイドル状態)
4)エコランモード3:エコランでエンジン停止状態
5)エコランモード4:エコランからのエンジン始動状態
従って、乗員もなく放置されている車両はエコランモード0である。この車両に運転者が乗り込んでキーによりエンジンを始動するとエコランモード1となる。この後の通常走行時はエコランモード1のままである。信号が赤になって減速し、信号待ちに入るとエンジンの停止要求が発生するのでエコランモード2になる。そして、信号待ち状態でエンジンが停止するとエコランモード3となる。信号待ちが終わりエンジンを始動させる状態がエコランモード4である。エンジンが始動するとエコランモード1となり、その後の車両が走行している間はエコランモード1が継続される。
ところで、図1のように構成されたエンジン6と補機4を制御する制御装置により、エコランで停止されていた状態からエンジン6のエコランが解除され、エンジンが始動される場合に、バッテリの電圧が低い状態であると、始動時のスタータモータへの急激な電力供給によってバッテリ電圧が一時的に下がりすぎ、エコランECU以外のECU(以後単に他のECUという)がこの時にバッテリの診断を行うと、バッテリが異常であると誤診断する虞がある。本発明は、このような状況におけるバッテリ異常の誤診断をなくしてエンジン6を始動させるものである。
ここでは、エコラン解除時のエンジン始動時に、バッテリ電圧が低い時には他のECUがバッテリの診断を行わせないようにするバッテリ診断の中断時間を設けることにより、バッテリの誤診断を行わないようにしたエコラン制御装置におけるエコランECUの動作、及び他のECUの動作をフローチャートと波形図を用いて説明する。なお、ここで言うバッテリ診断の中断時間は、他のECUが、エコランECUからの中断指示を受け取って中断準備が完了した時点から、エコランECUからの中断解除指示を受け取って中断解除が完了した時点までの時間とする。
なお、エコランECUは、前述の実施例ではエンジンECUと別体の形態を説明したが、エコランECUは、エンジンECUと一体になった一体型としても本願発明を適用することができる。
図2は、本発明のエンジン制御装置のバッテリ診断中断指示手段としてのエコランECU10がエコラン解除を行う時に、エコランECUによって行われるバッテリ診断の中断指示処理の一実施例を示すフローチャートである。この処理は、エコランECUによってエコランのためにエンジンが停止されている最中にエコラン解除を判定するので、所定時間毎に実行される。ステップ201ではエコラン条件の解除の判定を行い、エコラン条件が解除されていない時にはこのル−チンは終了する。
ステップ201においてエコラン条件が解除されたと判定した時はステップ202に進み、バッテリ電圧PbVを検出する。続くステップ203ではバッテリの電圧値PbVが第1の基準値V1以下であるか否かを判定し、PbV>V1の場合はバッテリ電圧が十分にあると判定してステップ208に進み、他のECUにバッテリ診断を実行する指示を出力する。そして、後述する中断時間TSの値を0にしてこのルーチンを終了する。
一方、ステップ203でPbV≦V1となった場合はステップ204に進み、初めてPbV≦V1となったか否かを判定する。初めてPbV≦V1となった場合はステップ205に進み、他のECUにバッテリ診断を中断する指示を出力する。そして、バッテリ診断を中断する中断時間TSの値を1にしてステップ207に進む。また、ステップ204でPbV≦V1となったのが初めてでないと判定した場合はステップ206に進み、バッテリ診断の中断時間TSに1を加算することにより中断時間TSを計数してステップ207に進む。
ステップ207では、中断時間TSが基準値Kになったか否かを判定し、基準値Kに達しない場合はこのままこのルーチンを終了するが、中断時間TSが基準値Kになった場合はステップ208に進み、他のECUにバッテリ診断を実行する指示を出力し、後述する中断時間TSの値を0にしてこのルーチンを終了する。
以上のようにして、エコラン解除時にバッテリ診断の中断指示がエコランECUから出力されると、他のECUでは、バッテリ診断を除く自己診断(ダイアグノーシス)が実行される。バッテリ診断を行わない自己診断の方法には、バッテリ診断は行うがその診断結果を無視するマスク処理と、自己診断処理においてバッテリ診断をスキップして行わないスキップ処理がある。この2つの処理について図3を用いて説明する。
図3(a)は、図2の制御装置における他のECUの自己診断(図にはダイアグと略記した)処理の第1の実施例の手順であるマスク処理を示すフローチャートである。ステップ301ではエンジンの運転状態パラメータ、例えば大気温、ラジエータの水温、バッテリ電圧等、を読み込む。続くステップ302では、読み込んだバッテリ電圧からバッテリの状態診断を行い、次のステップ303においてその他の制御対象機器の状態診断を行う。
そして、ステップ304において、エコランECUからのバッテリ診断の中断指示があるか否かを判定し、エコランECUからのバッテリ診断の中断指示がない場合はこのままこのルーチンを終了するが、エコランECUからのバッテリ診断の中断指示がある場合は、ステップ305に進んでバッテリの状他診断結果を無視するマスク処理を行ってこのルーチンを終了する。このマスク処理により、他のECUの自己診断処理において、バッテリ電圧が低い状態のエンジン始動時に、他のECUによってバッテリが異常であると診断される虞がなくなる。
図3(b)は、図2の制御装置における他のECUの自己診断処理の第2の実施例の手順であるスキップ処理を示すフローチャートである。ステップ306ではエンジンの運転状態パラメータ、例えば大気温、ラジエータの水温、バッテリ電圧等、を読み込む。続くステップ307では、エコランECUからのバッテリ診断の中断指示があるか否かを判定する。
ステップ307において、エコランECUからのバッテリ診断の中断指示がない場合は、ステップ308に進んで読み込んだバッテリ電圧からバッテリの状態診断を行い、次のステップ309においてその他の制御対象機器の状態診断を行う。一方、ステップ307において、エコランECUからのバッテリ診断の中断指示がある場合は、ステップ308を行わずにステップ309に進むスキップ処理を行う。従って、第2の実施例でも他のECUの自己診断処理において、バッテリ電圧が低い状態のエンジン始動時に、他のECUによってバッテリが異常であると診断される虞がなくなる。
以上のような制御において、エコランECUから出力されるバッテリの診断中断指示における中断指示時間を示す基準値K(ステップ207)は、ステップ202で検出されたバッテリの電圧状態によって変更することが可能である。図4は、エコラン解除時のバッテリ電圧に応じた基準値Kの値の一例を示す特性図である。この図から分かるように、基準値Kは、エコラン解除時のバッテリ電圧PbVの値(電圧V1以下)が小さいほど大きく設定される。
なお、この実施例では、エコラン解除時のバッテリ電圧PbVの値に対して基準値Kを直線的に変化させているが、この特性は一例であり、特性は直線に限定されるものではない。即ち、エンジンの特性に合せて、エコラン解除時のバッテリ電圧PbVの値が小さいほど、基準値Kの値が大きくなるような特性にすることができる。
また、エコランECUから出力されるバッテリの診断中断指示における中断指示時間を示す基準値K(ステップ207)は、スタータモータの駆動後に検出されたバッテリ1の電圧回復状態によって変更することが可能である。この実施例を図5のフローチャートを用いて説明する。なお、このフローチャートにおける制御手順のうち、図2で説明した手順と同じ手順については同じステップ番号を付して説明する。
この実施例の制御手順は、図2で説明した制御手順のステップ207の前段に、スタータモータ動作後のバッテリの電圧の回復状態に応じて基準値Kの値を変更する手順が加わった点が異なる。従って、ステップ201からステップ206の手順は前述の実施例と同じであり、ステップ201でエコラン条件の解除を判定した時にステップ202でバッテリ電圧PbVの検出を行う。そして、ステップ203でバッテリの電圧値PbVが第1の基準値V1以下の時には、ステップ205で他のECUにバッテリ診断を中断する指示を出力した後に、ステップ206でバッテリ診断の中断時間TSをカウントアップする。
この実施例ではこの後のステップ207までの間に、基準値Kの値をバッテリの回復状態に応じて変更するステップ501からステップ503が挿入されている。ステップ501は中断時間TSがスタータモータ駆動後の或る時間になったか否かを判定するものである。即ち、この実施例では、スタータモータの駆動後の或る時間を、基準値Kから所定時間Aだけ前の時間になったか否かで判定している。この他にも基準値Kの所定の%(例えば60%)の時間が経過したことを以ってスタータモータの駆動後の或る時間とするなどの方法がある。
ステップ501において、中断時間TSがスタータモータの駆動後の或る時間に達していないと判定した場合はステップ207に進むが、中断時間TSがスタータモータの駆動後の或る時間に達したと判定した場合はステップ502に進む。ステップ502では、ステップ202で検出されたバッテリ電圧PbVの値が第1の基準値V1よりは低いが、基準値V1に近い第2の基準値V2以上になったか否かを判定する。
ステップ502では、ステップ202で検出したバッテリ電圧PbVの値が第2の基準値V2より低い場合はそのままステップ207に進むが、バッテリ電圧PbVの値が第2の基準値V2以上の場合は、スタータモータの駆動後の或る時間において、バッテリ電圧が回復したと判断してステップ503に進み、既に設定されている基準時間Kを、バッテリの回復状況に応じて減らす。
この実施例では、ステップ503に示すように、既に設定されている基準時間Kに、1より小さい係数f(PbV)を乗算することによって、既に設定されている基準時間Kの値を小さくしている。この基準値Kを小さくする係数の値は、例えば、図6に示す特性をマップにしたものから得ることができる。図6から分かるように、基準値Kを小さくする係数f(PbV)の値は、スタータモータ駆動後の或る時間におけるバッテリ電圧が第2の基準値V2から第1の基準値V1に近づくほど小さくなる。この実施例では、基準値Kを小さくする係数f(PbV)の最小値が0.8になっているが、最小値の値はこれに限定されるものではない。
ステップ207では、前述の実施例と同様に、中断時間TSが基準値Kになったか否かを判定し、基準値Kに達しない場合はこのままこのルーチンを終了するが、中断時間TSが基準値Kになった場合はステップ208に進み、他のECUにバッテリ診断を実行する指示を出力し、後述する中断時間TSの値を0にしてこのルーチンを終了する。ステップ501からステップ503の処理を経てステップ207に至った場合は、他のECUにエコランECUからバッテリ診断を実行する指示を出力するまでの時間が短くなる。
一方、エコランECUは、エコラン用のエンジン停止条件の解除時に、バッテリの診断を一定時間中断させる指示が他のECUに届くまでの間、エコランECUにスタータモータの駆動を所定時間遅延させる。この手順について図7を用いて説明する。
ステップ701では、バッテリ診断の中断指示を出力したか否かを判定し、出力していない場合はこのままこのルーチンを終了する。また、バッテリ診断の中断指示を出力した場合はステップ702に進み、各ECUにバッテリ診断の中断指示が届いたか否かを判定する。各ECUにバッテリ診断の中断指示が届いたか否かは、各ECUからの応答によって判定することができる。
ステップ702において、全てのECUからのバッテリ診断の中断指示が届いたという応答が来ていない場合はこのままこのルーチンを終了するが、全てのECUからのバッテリ診断の中断指示が届いたという応答が来た場合にはステップ703に進んで、スタータモータを駆動する。一方、全てのECUからのバッテリ診断の中断指示が届いたという応答が来た場合に、直ちにスタータモータを駆動することもできるが、通常は、全てのECUからのバッテリ診断の中断指示が届いたという応答が来てから所定時間Dの後に、スタータモータを駆動している。
このような手順により、エコラン用のエンジン停止条件の解除時に、バッテリの診断を一定時間中断させる指示をエコランECUから出力し、この指示が他のECUに届くまでの間と、その後の所定時間Dの間だけ、エコランECUによりスタータモータの駆動を遅延する。そして、バッテリの診断を一定時間中断させる指示が他のECUに届いた後の所定時間Dは、このときのバッテリの電圧状態に応じて変更することができる。この実施例を図8を用いて説明する。
図8に示すフローチャートの手順は、図7で説明したフローチャートの手順の変形例である。この変形例では、図7で説明したステップ702からステップ703の間に、バッテリ電圧に応じた遅延時間Dの設定処理が挿入されている点が図7の実施例と異なる。即ち、この変形例では、ステップ701でバッテリ診断の中断指示の出力を判定し、ステップ702において全てのECUからのバッテリ診断の中断指示が届いたという応答を確認した後に、ステップ801に進んでバッテリ電圧PbVに応じた遅延時間Dの設定を行う。
バッテリ電圧PbVに応じた遅延時間Dの設定は、図示はしないが、図4に示したバッテリ電圧PbVの値に応じたバッテリ診断の中断時間Kの設定と同様に、バッテリ電圧PbVの値が大きいほど、遅延時間Dが短くなるように設定する。ステップ801におけるバッテリ電圧PbVに応じた遅延時間Dの設定を終えた後は、ステップ802において設定した遅延時間Dが経過したかを判定し、遅延時間Dが経過しない場合はこのルーチンを終了し、遅延時間Dが経過した場合はステップ703に進んで、スタータモータを駆動する。
更に、エコランECUは、スタータモータを駆動した時に、バッテリからスタータモータに流れる最高突入電流を検出し、この最高突入電流値からスタータモータ駆動直後のバッテリの電圧値を演算によって求めることができる。この場合、バッテリの演算電圧値が第1の基準値V1よりも小さい第2の基準値より大きい場合は、スタータモータ駆動によるバッテリの電圧降下が僅かであるとして、他のECUへのバッテリの診断中断指示を取り下げることができる。この手順を図9を用いて説明する。なお、スタータモータを駆動するまでの手順は、図7または図8で説明した手順と同じである。図9では、スタータモータを駆動するまでの手順には図7で説明した手順を使用してその説明を省略する。
図7で説明した手順により、ステップ703でスタータモータを駆動すると、ステップ901においてバッテリからスタータモータに流れる電流の、最高突入電流RCを検出する。最高突入電流RCの検出は、図1に示した電流計1Aによって行うことができる。次のステップ902では、演算により、検出された最高突入電流RCの値からバッテリ電圧PbVの推定値PbVEを演算によって求める。
バッテリ電圧PbVの推定値PbVEを演算によって求めると、ステップ903においてこの推定値PbVEが第1の基準値V1よりも小さい第2の基準値より大きいか否かを判定する。そして、PbVE<V2の場合はこのルーチンを終了するが、PbVE≧V2の場合はスタータモータ駆動によるバッテリの電圧降下が僅かであるとして、ステップ904に進み、他のECUへのバッテリの診断中断指示を取り下げる指示、即ち、バッテリの診断を実行する指示を出力する。この場合は、中断時間TSの値を0にしてこのルーチンを終了する。
ところで、エコラン用のエンジン停止状態の解除時に、エコランECUから出力されるバッテリ診断の中断指示時間の基準値Kは、エンジンの運転環境パラメータによって補正することが望ましい。エンジンの運転環境パラメータとは、例えば、バッテリ液温度、外気温度、スタータ駆動時の最高突入電流値、エンジン始動までのスタータモータの回転数、スタータモータ回転中のバッテリ電圧などである。基準値Kはこれらの運転環境パラメータのできるだけ多くに基づいて補正することが望ましい。
運転環境パラメータを用いた基準値Kの補正の例を列挙すると以下のようになる。
(1)バッテリ液温度が高いほど短く、低いほど長くなるように補正する。
(2)外気温度が高いほど短く、低いほど長くなるように補正する。
(3)スタータ駆動時の最高突入電流値が大きいほど長く、小さいほど短くなるように補正する。
(4)スタータモータの駆動回数(使用回数)が多いほど長く、少ないほど短くなるように補正する。
(5)スタータモータ回転中のバッテリ電圧が高いほど短く、低いほど長くなるように補正する。
(1)バッテリ液温度が高いほど短く、低いほど長くなるように補正する。
(2)外気温度が高いほど短く、低いほど長くなるように補正する。
(3)スタータ駆動時の最高突入電流値が大きいほど長く、小さいほど短くなるように補正する。
(4)スタータモータの駆動回数(使用回数)が多いほど長く、少ないほど短くなるように補正する。
(5)スタータモータ回転中のバッテリ電圧が高いほど短く、低いほど長くなるように補正する。
図10は以上のような運転環境パラメータを用いたバッテリ診断の中断時間Kの補正処理の手順の一例を示すフローチャートである。ステップ1001では、前述のようなエンジンの運転環境パラメータ(例えば、バッテリ液温度、外気温度、スタータ駆動時の最高突入電流値、スタータモータの駆動回数(使用回数)、スタータモータ回転中のバッテリ電圧)を読み込む。
ステップ1002では、バッテリ液温度に応じたバッテリ診断の中断指示時間の基準値K(図には中断時間Kと略記)の補正値HBTを演算する。ステップ1003では外気温度に応じたバッテリ診断の中断指示時間の基準値Kの補正値HATを演算する。ステップ1004ではスタータ駆動時の最高突入電流値に応じたバッテリ診断の中断指示時間の基準値Kの補正値HRCを演算する。ステップ1005ではスタータモータの駆動回数(使用回数)に応じたバッテリ診断の中断指示時間の基準値Kの補正値HRPMを演算する。ステップ1006ではスタータモータ回転中のバッテリ電圧に応じたバッテリ診断の中断指示時間の基準値Kの補正値HBVを演算する。
以上のようにして、エンジンの運転環境パラメータに基づいたバッテリ診断の中断指示時間の基準値Kの補正値HBT、HAT、HRC、HRPM、及びHBVを演算した後は、これら全ての補正値に基づいてバッテリ診断の中断指示時間の基準値Kを式、K=K×HBT×HAT×HRC×HRPM×HBVによって補正する。補正値HBT、HAT、HRC、HRPM、及びHBVは全てその値が「1」前後の数である。なお、この実施例では全ての補正値をバッテリ診断の中断指示時間の基準値Kに乗算しているが、ステップ1002からステップ1006のうち、演算しないエンジンの運転環境パラメータについては、その値を「1」とすれば良い。
以上説明した実施例では、前述のように、エコラン解除時のエンジン始動時に、バッテリ電圧が低い時には他のECUがバッテリの診断を行わせないようにするバッテリ診断の中断時間を設けることにより、バッテリの誤診断が行われないようにしたエコランECUの動作、及び他のECUの動作をフローチャートと波形図を用いて説明した。ところが、バッテリ電圧が低い状態のエコラン解除時のエンジン始動時であっても、他のECUにバッテリ診断の中断時間を設ける以外にも、他のECUがバッテリの異常を診断することなくエンジンを始動させることができる。この方法について以下に説明する。
バッテリ電圧が低い状態のエコラン解除時のエンジン始動時に、他のECUにバッテリ診断の中断時間を設けずにエンジンを始動する方法としては、スタータモータによるエンジンの駆動時に、バッテリの急激な電圧低下を招かない方法でスタータモータを緩駆動する方法がある。図11はこのようなバッテリの電圧状態に応じてスタータモータを緩駆動する手順を示すフローチャートである。
ステップ1101ではエコラン条件解除か否かを判定し、解除でない場合はこのルーチンを終了するが、エコラン条件解除の場合はステップ1102に進み、バッテリ電圧PbVを検出する。続くステップ1103では、バッテリ電圧PbVが第1の基準値V1以下か否かを判定し、PbV>V1の場合はステップ1106に進んでスタータモータを通常通り駆動してこのルーチンを終了する。
一方、ステップ1104でPbV≦V1の場合はステップ1104に進む。ステップ1104では、バッテリ電圧PbVに応じたスタータモータの駆動パターンを、図1には図示していないメモリから読み出し、ステップ1105でこの読み出した駆動パターンに従ってスタータモータを駆動してこのルーチンを終了する。
ここで言うバッテリの急激な電圧低下を招かないスタータモータの緩駆動方法は、スタータモータに徐々に電流を流すことにより、バッテリ電圧がスタータモータの起動によって急激に電圧降下しないようにする方法である。なお、バッテリ電圧PbVに応じたスタータモータの駆動パターンは、バッテリ電圧が低いほど、スタータモータに流す電流を緩やかに増加させるようなパターンである。
以上本発明のエンジンの自動停止始動制御装置の基本的な動作を、フローチャートを用いて説明したが、次に、本発明のエンジン制御装置の動作により各部分の動作を、波形図を用いて時間の推移と共に更に詳しく説明する。
図12は、エコランECUによって行われるバッテリ診断の中断指示処理の第1の実施例における各部分の状態の時間的経過を示す波形図である。第1の実施例は、図2から図4で説明した実施例に対応する。図12には、バッテリ電圧PbVの推移、スタータモータ電圧の推移、エコランモードの推移、エンジンの状態の推移、他のECU(エコランECU以外のECU)によるバッテリ診断処理1(図2,3の処理)、及びバッテリ診断処理2(図4により基準値Kが小さくなった状態)が示されている。エコラン解除時のバッテリ電圧PbVはこの実施例では、バッテリ診断を中断させる第1の基準値V1よりも低い10(V)程度であるとする。
時刻t1においてエコランによるエンジン停止が解除され、エンジンの始動要求が行われ、同時にバッテリ電圧PbVが読み込まれる(PbV<V1)。エンジンの始動要求が行われると、これまでの制御ではエコランモードが「3」から「4」になり、スタータモータが駆動される。一方、この実施例では、エンジンの始動要求が行われた時点でバッテリ電圧PbVがV1より低いので、エコランモードを「3」から「4」に直ちに移行させず、エコランモードが「4」になってスタータモータが駆動される時刻t2までの間に、プレエコランモード4(図のエコランモードには「3.5」で示す)を設定し、プレエコランモード4を含めて時刻t5までの間をバッテリ診断処理を非実行とした。この時刻t5が図2のステップ207でTS=Kとなった時刻である。
時刻t1の後の時刻2でスタータモータがONされると、スタータモータへの突入電流によりバッテリ電圧PbVは一時的に8V程度まで急激に低下し、その後は徐々に回復する。スタータモータが駆動される時刻t2でエコランモードが「4」になる。この後の時刻t4でスタータモータがOFFされるが、エンジンが完全に始動していない状態ではエコランモードは「4」のままである。エコランモードはエンジンが完全に始動した時刻t5において「1」になり、バッテリの診断処理の実行が開始される。
なお、エコラン解除時のバッテリ電圧PbVが第1の基準値V1よりも低いが、第1の基準値V1に近い場合は、図4の特性図で説明したように中断時間の基準値Kが小さくなり、図12にバッテリ診断処理2で示すように、バッテリ診断処理の実行開始時間が時刻t3となる。
図13は、エコラン解除時のバッテリ診断の中断指示処理における各部分の状態の推移の第2の実施例を示すものである。第2の実施例は図2から図4で説明した実施例の変形例であり、図2から図4には示されていない。図13に示す実施例には、バッテリ電圧PbVの推移、スタータモータ電圧の推移、エコランモードの推移、エンジンの状態の推移、電圧降下信号1の推移、他のECU(図には他のECUと記載)によるバッテリ診断処理1(図2,3の処理)、及びバッテリ電圧PbVが高い場合の電圧降下信号2の推移とバッテリ診断処理2が示されている。
時刻t1においてエコランによるエンジン停止が解除され、エンジンの始動要求が行われ、同時にバッテリ電圧PbVが読み込まれる(PbV<V1)。エンジンの始動要求が行われると、この第2の実施例の制御ではエコランモードが「3」から「4」になるが、バッテリ電圧PbVがV1より低いのでスタータモータは駆動されない。一方、時刻t1エンジンの始動要求が行われた時点でバッテリ電圧PbVがV1より低いので、第2の実施例では、電圧降下信号1がローレベルLからハイレベルHになる。
第2の実施例では、電圧降下信号1がハイレベルHになると、他のECUにおいてバッテリ診断処理1が非実行になる。時刻t1の後の時刻2でスタータモータがONされると、スタータモータへの突入電流によりバッテリ電圧PbVは一時的に8V程度まで急激に低下し、その後は徐々に回復する。この後の時刻t3で電圧降下信号1がローレベルLになると、他のECUにおいてバッテリ診断処理1が非実行から実行になる。
この後、時刻t4でスタータモータがOFFされるが、エンジンが完全に始動していない状態ではエコランモードは「4」のままである。エコランモードはエンジンが完全に始動した時刻t5において「1」になる。
一方、時刻t1において検出したバッテリ電圧PbVの値が図13に点線で示すように高く、電圧V1より大きい場合は、電圧降下信号2はローレベルLからハイレベルHにならない。電圧降下信号1がハイレベルHにならないと、他のECUにおけるバッテリ診断処理2に示すように、バッテリ診断処理は非実行にならない。
図14はエコラン解除時のバッテリ診断の中断指示処理における各部分の状態の推移の第3の実施例を示す波形図である。第3の実施例には、バッテリ電圧PbVの推移、スタータモータ電圧の推移、エコランモードの推移、エンジンの状態の推移、電圧降下信号の推移、及び他のECU(図には他のECUと記載)によるバッテリ診断処理の推移が示されている。
時刻t1においてエコランによるエンジン停止が解除され、エンジンの始動要求が行われ、同時にバッテリ電圧PbVが読み込まれる(PbV<V1)。エンジンの始動要求が行われると、バッテリ電圧PbVがV1より低いのでこの第3の実施例の制御ではエコランモードは「3」のままである。一方、第3の実施例では、時刻t1でエンジンの始動要求が行われた時点で、電圧降下信号がローレベルLからハイレベルHになる。
第3の実施例では、電圧降下信号がハイレベルHになると、他のECUにおいてバッテリ診断処理が非実行になる。時刻t1の後の時刻2でスタータモータがONされると、スタータモータへの突入電流によりバッテリ電圧PbVは一時的に8V程度まで急激に低下し、その後は徐々に回復する。この後の時刻t3で電圧降下信号がローレベルLになると、他のECUにおいてバッテリ診断処理が非実行から実行になる。
この後、時刻t4でスタータモータがOFFされるが、エンジンが完全に始動していない状態ではエコランモードは「4」のままである。エコランモードはエンジンが完全に始動した時刻t5において「1」になる。
一方、時刻t1において検出したバッテリ電圧PbVの値が図14に太線で示すように高く、電圧V1より小さいが電圧V1に近い場合は、電圧降下信号がハイレベルHからローレベルLになる時刻が時刻t3よりも前になり、他のECUにおけるバッテリ診断処理が非実行から実行に変わる時間が早まる。
図15はエコラン解除時のバッテリ診断の中断指示処理における各部分の状態の推移の第4の実施例を示すものである。第4の実施例はエコラン用のエンジン停止条件の解除時に、バッテリの診断を一定時間中断させる指示が、他のECUに届くまでの間、スタータの駆動を遅延させるものであり、前述の図7の制御手順に対応する。第4の実施例には、バッテリ電圧PbVの推移、スタータモータ電圧の推移、エコランモードの推移、エンジンの状態の推移、バッテリ診断処理中断指示、全ECUからの中断指示の受領通知、及び他のECU(図には他のECUと記載)によるバッテリ診断処理1とバッテリ診断処理2の推移が示されている。
時刻t1においてエコランによるエンジン停止が解除され、エンジンの始動要求が行われ、同時にバッテリ電圧PbVが読み込まれる(PbV<V1)。エンジンの始動要求が行われると、第4の実施例の制御ではエコランモードが「3」から「4」になる。しかしながら、この時点ではバッテリ電圧PbVがV1より低いので、スタータモータは駆動されず、エコランECUからその他のECUに対してバッテリ診断処理の中断指示が出力される。
エコランECUからその他のECUに対してバッテリ診断処理の中断指示が出力されると、他のECUは、この中断指示を受信した時点において、図15にバッテリ診断処理1で示すように、バッテリ診断処理が非実行にし、バッテリ診断処理を中断した旨をエコランECUに返信する。エコランECUは、エコランECU以外の各ECUからのバッテリ診断処理の中断完了の通知を、時刻t2において全て受領したとすると、時刻t2においてスタータモータの駆動電圧をONにする。この時刻t1から時刻t2までが、スタータモータの待機時間である。
時刻2でスタータモータがONされると、スタータモータへの突入電流によりバッテリ電圧PbVは一時的に8V程度まで急激に低下し、その後は徐々に回復する。この後の時刻t4でスタータモータはOFFされるが、エンジンが完全に始動していない状態ではエコランモードは「4」のままである。エコランモードはエンジンが完全に始動した時刻t5において「1」になる。第4の実施例では、エコランモードが「4」から「1」になった時点で、他のECUにおいてバッテリ診断処理が非実行から実行になる。
なお、第4の実施例では、エコランモードが「4」になった後のバッテリ電圧を監視し、バッテリ電圧の状態に応じて他のECUにおけるバッテリ診断処理の中断時間を演算させ、バッテリ診断処理を非実行から実行に戻すタイミングを、エコランモードが「4」から「1」になる時刻t5の前の時刻t4にすることができる。この処理を図15にバッテリ診断処理2として示す。時刻t4は、スタータモータ駆動後の電圧の回復が早いほど早くなる。
以上の実施例において、エコランECUは、エコラン解除時にバッテリ電圧が第1の基準値V1以下の時に、他のECUに対してバッテリ診断中断指示を出力してバッテリの診断処理を中断させていたが、エコラン解除時のバッテリ電圧が第1の基準値V1以下であっても、スタータモータ駆動時にバッテリからスタータモータに流れる最高突入電流の値が小さく、バッテリの電圧低下の程度も小さいと推定される場合は、他のECUに対して出力したバッテリ診断中断指示を取り下げることができる。これは図9で説明した手順に相当する。この実施例を図16を用いて説明する。
図16(a)は、前回のスタータモータ駆動時の最高突入電流の検出処理を示すものである。この実施例では、エコランによるエンジンの停止か解除されてスタータモータが駆動される毎に、図1に示した電流検出センサ1Aによりバッテリ電流値を検出し、スタータモータ駆動時の最高突入電流を記憶しておく。また、バッテリ電圧センサ1Vによりスタータモータ駆動前後のバッテリの降下電圧値も記憶しておく。この結果、図16(b)に示すような、突入電流値に対するバッテリの降下電圧値のマップが出来上がる。また、このマップに、スタータモータ駆動前のバッテリ電圧を加えると、図16(c)に示すようなマップが出来上がる。
この結果、エコランによるエンジンの停止か解除されてスタータモータが駆動される毎に、スタータモータ駆動前の電圧値と、その電圧値に対応するスタータモータ駆動時の最高突入電流とから、図16(c)に示すマップを参照すれば、今回のスタータモータ駆動後のバッテリの降下電圧値を推定することができる。
この実施例の方法によれば、エコランによるエンジンの停止か解除されてスタータモータが駆動される前に、現在のバッテリの電圧状態と前回のスタータモータ駆動時における最高突入電流から、今回のスタータモータ駆動後のバッテリ電圧の推定値PbVEを演算により求めることができるので、今回のエコラン解除によるエンジンの始動時に,他のECUに対して、バッテリ診断の中断を指示するかしないかの判断をすることができる。
ところで、以上説明した制御においては、エコランECUから出力されるバッテリの診断中断指示における中断指示時間(基準値Kの値)が、エンジンの運転環境パラメータによって補正されることが望ましい。このエンジンの運転環境パラメータは、例えば、バッテリ液温度、外気温度、スタータ駆動時の最高突入電流値、スタータモータの駆動回数(使用回数)、スタータモータ回転中のバッテリ電圧などである。
まず、バッテリ液温度に応じたバッテリ診断中断時間の長短について、図17を用いて説明する。図17に示す実施例には、バッテリ温度の3つの状態、バッテリ電圧PbVの推移、スタータモータ電圧の推移、エコランモードの推移、エコランECUから他のECUに出力されるバッテリ診断中断信号の推移が示されている。
時刻t1においてエコランによるエンジン停止が解除され、エンジンの始動要求が行われると、バッテリ電圧PbVと、バッテリ液温度が読み込まれる(PbV<V1)。このとき、エコランモードが「3」から「4」になるが、バッテリ電圧PbVがV1より低いのでスタータモータは駆動されない。一方、時刻t1エンジンの始動要求が行われた時点でバッテリ電圧PbVがV1より低いので、エコランECUから他のECUに、ハイレベルHのバッテリ診断中断信号が出力される。
時刻t1の後の時刻2でスタータモータがONされると、スタータモータへの突入電流によりバッテリ電圧PbVは一時的に8V程度まで急激に低下し、その後は徐々に回復する。このとき、バッテリ液温度が実線A2で示すように高い場合は、バッテリ電圧PbVの回復は、実線で示すように早い。従って、この場合は、バッテリ診断中断信号を時刻t2からの時間が短い時刻t3CにおいてローレベルLとすることができる。
一方、バッテリ液温度が破線A1で示すように少し低い場合は、バッテリ電圧PbVの回復は、破線で示すように少しゆっくりとなる。従って、この場合は、バッテリ診断中断信号を時刻t2からの時間が少し長い時刻t3BにおいてローレベルLとすることができる。また、バッテリ液温度が点線A0で示すように低い場合は、バッテリ電圧PbVの回復は、点線で示すようにかなりゆっくりとなる。従って、この場合は、バッテリ診断中断信号を時刻t2からの時間が長い時刻t3AにおいてローレベルLとすることができる。
この後、時刻t4でスタータモータがOFFされるが、エンジンが完全に始動していない状態ではエコランモードは「4」のままである。エコランモードはエンジンが完全に始動した時刻t5において「1」になる。以上のようにこの実施例では、バッテリ診断の中断指示時間を、バッテリ液温度が高いほど短く、低いほど長くなるように補正することができる。
同様に、スタータモータの駆動後のバッテリ電圧PbVの回復は、図18(a)に示すように、外気温度が高いほど早く、低いほど長い。また、図18(b)に示すように、スタータモータの駆動後のバッテリ電圧PbVの回復は、スタータ駆動時の最高突入電流値が大きいほど遅く、小さいほど早い。更に、図18(c)に示すように、スタータモータの駆動後のバッテリ電圧PbVの回復は、エンジン始動までのスタータモータの回転数が多いほど遅く、少ないほど早い。更にまた、図18(d)に示すように、スタータモータ回転中の、バッテリ電圧が高いほどスタータモータの駆動後のバッテリ電圧PbVの回復が早く、バッテリ電圧が低いほどスタータモータの駆動後のバッテリ電圧PbVの回復が遅い。
以上のことから、バッテリ診断の中断指示時間は、外気温度が高いほど短く、低いほど長くなるように補正し、スタータ駆動時の最高突入電流値が大きいほど長く、小さいほど短くなるように補正し、スタータモータの駆動回数(使用回数)が多いほど長く、少ないほど短くなるように補正し、スタータモータ回転中の前記バッテリ電圧が高いほど短く、低いほど長くなるように補正すれば良い。この補正方法については、その一例を、既に図10において、中断時間Kの補正として説明したが、補正方法はこの図10で説明した方法に限定されるものではない。
図19は、スタータモータ駆動後のバッテリ電圧の復活に応じてバッテリ診断処理の中断時間の長短を変更する実施例を説明するものであり、図14で説明した実施例の変形例である。図19には、バッテリ電圧PbVの推移、スタータモータ電圧の推移、エコランモードの推移、エコランECUから出力されるバッテリ診断の中断通知信号の推移、及び他のECUによるバッテリ診断処理1,2の推移が示されている。
時刻t1においてエコランによるエンジン停止が解除され、エンジンの始動要求が行われ、同時にバッテリ電圧PbVが読み込まれる(PbV<V1)。エンジンの始動要求が行われると、バッテリ電圧PbVがV1より低いのでこの実施例の制御ではエコランモードは「3」から「4」に変化し、エコランECUからバッテリ診断の中断信号が出力されて他のECUに通知されるが、スタータモータはまだONにはならない。
時刻t1においてエコランECUによりバッテリ診断の中断信号がONされ、他のECUに通知されると、他のECUは、バッテリの診断処理1に示すように、直ちにバッテリの診断処理を中断(非実行)することができる。また、他のECUは、バッテリの診断処理2に示すように、エコランECUからのバッテリ診断の中断信号(ON)を受信してからバッテリ診断の中断準備を行い、準備が完了してからバッテリの診断処理を中断(非実行)することができる。この場合は、バッテリの診断処理の中断は、時刻t1より後の時刻T1となる。
時刻t1の後の時刻2でスタータモータがONされると、スタータモータへの突入電流によりバッテリ電圧PbVは一時的に8V程度まで急激に低下し、その後は徐々に回復する。時刻t2は、他のECUの全てからバッテリ診断処理の中断準備が完了した通知が送信されてきたタイミングとすることができる。よって、時刻t2は時刻T1より後のタイミングである。
この実施例では、スタータモータの駆動電圧がONになってからバッテリ電圧が監視される。そして、時刻T2においてバッテリ電圧が閾値V0以上にまで回復したことを検出すると、この閾値V0以上の状態が時間T0以上継続したか否かを判定する。時刻T3においてバッテリ電圧PbVの閾値V0以上の状態が時間T0以上継続したことが確認された場合には、低電圧の恐れがないために、エコランECUはバッテリ診断の中断信号をOFFして他のECUにバッテリ診断の中断解除を通知する。
時刻T3においてエコランECUからバッテリ診断の中断信号がOFFされ,他のECUに通知されると、他のECUは、バッテリの診断処理1に示すように、直ちにバッテリの診断処理を開始(実行)することができる。また、他のECUは、バッテリの診断処理2に示すように、エコランECUからのバッテリ診断の中断信号(OFF)を受信してからバッテリ診断の実行準備を行い、準備が完了してからバッテリの診断処理を実行することができる。この場合は、バッテリの診断処理の実行は、時刻T3より後の時刻t3となる。
この後、時刻t4でスタータモータがOFFされるが、エンジンが完全に始動していない状態ではエコランモードは「4」のままである。エコランモードはエンジンが完全に始動した時刻t5において「1」になる。このような制御により、バッテリ診断処理1ではスタータモータの駆動電圧がONの時のバッテリ電圧の推移により、バッテリ診断処理の中断解除を的確かつりアルタイムに実施することができる。また、バッテリ診断処理2ではスタータモータの駆動電圧がONの時のバッテリ電圧の推移により、他のECUからのバッテリ診断の中断準備完了通知から、バッテリが低電圧状態から復帰するまでの間、バッテリ診断処理の中断を的確かつりアルタイムに実施することができる。
以上説明した実施例では、バッテリ電圧が低い状態で、エコラン解除によってエンジンが始動された場合に、他のECUのバッテリ診断を中断させて、他のECUがバッテリ異常を検出しないようにしていた。一方、ここでは、上述のような状況で、他のECUがバッテリ異常を検出しないようにするために、本発明のエンジン制御装置が行うことができる別の制御について説明する。この実施例は前述の図11で説明した制御に対応する。
この制御は、エコラン解除によってエンジンが始動される時に、バッテリ電圧が基準値以下である場合は、スタータモータをバッテリの急激な電圧低下を招かない方法で駆動するものであり、その制御の詳細を図20に示す。図20(a)はエコラン解除時にバッテリ電圧が低い時のスタータモータの駆動方法の一例を示ものである。図20(a)には、バッテリ電圧PbVの推移、スタータモータ電圧の推移、エコランモードの推移、エン準の状態の推移が示されている。
時刻t1においてエコランによるエンジン停止が解除され、エンジンの始動要求が行われ、同時にバッテリ電圧PbVが読み込まれる(PbV<V1)。エンジンの始動要求が行われると、バッテリ電圧PbVがV1より低いのでこの実施例の制御ではエコランモードが「3」と「4」の間の「3.5(プレエコランモード4)」にされる。このプレエコランモード4では、スタータモータ電圧がバッテリ電圧PbV(この時は10V)にはされず、その中間の値にされる。この結果、スタータモータは低い電圧によってゆっくりと,例えば、1rpm程度で回転させられる。
このようなスタータモータの駆動方法により、バッテリからスタータモータに対しては突入電流は流れない。すると、バッテリ電圧PbVは基準値V1以下の低い状態であっても、この低い状態から僅かしか電圧が低下せず、この状態で他のECUによりバッテリ診断が実行されても、他のECUがバッテリの診断処理によってバッテリを異常と判断することがなくなる。時刻t1から所定時間が経過した時刻t2からはスタータモータ電圧をONにし、スタータモータにバッテリ電圧PbVを印加するが、この状態ではスタータモータはある程度回転しているので、バッテリからスタータモータに対しては突入電流は流れない。よって、この状態で他のECUがバッテリ診断を実行しても、バッテリを異常と判断しない。
この後、時刻t3でスタータモータがOFFされるが、エンジンが完全に始動していない状態ではエコランモードは「4」のままである。エコランモードはエンジンが完全に始動した時刻t4において「1」になる。このような制御により、エンジン始動時にバッテリ電圧が基準値V1以下であっても、エコラン解除によってエンジンが始動される時にスタータモータが緩駆動されるので、この電圧からのバッテリ電圧の大きな低下がなく、他のECUのバッテリ診断で、バッテリが異常と診断されないのである。
図20(b)は図20(a)で説明したエコラン解除時にバッテリ電圧が低い時のスタータモータの駆動方法の変形例を示ものである。図20(b)にも、バッテリ電圧PbVの推移、スタータモータ電圧の推移、エコランモードの推移、エン準の状態の推移が示されている。
図20(b)に示す制御が図20(a)で説明した制御と異なる点は、時刻t1においてエコランによるエンジン停止が解除され、エンジンの始動要求が行われ、同時にバッテリ電圧PbVが読み込まれた(PbV<V1)後のプレエコランモード4において、スタータモータに印加する電圧を、時刻t1で検出したバッテリ電圧PbVの値によって変えている点のみである。すなわち、時刻t1で検出したバッテリ電圧PbVの値が大きいほど、スタータモータに印加する電圧を大きくしている点が図20(a)で説明した実施例と異なる。
よって、この実施例でも、エンジン始動時にバッテリ電圧が基準値V1以下であっても、エコラン解除によってエンジンが始動される時にスタータモータが緩駆動されるので、この電圧からのバッテリ電圧の大きな低下がなく、他のECUのバッテリ診断で、バッテリが異常と診断されない。
なお、前述のように、以上説明したバッテリの異常診断の構成及び異常診断の方法を、そのまま、アクチュエータの異常診断の構成及び異常診断の方法と、センサ系の異常診断の構成及び異常診断の方法に適用することができる。
1 鉛バッテリ
1A 電流計
1V 電圧計
4 補機
5 オルタネータ
6 エンジン
7 スタータモータ
9 EFI−ECU
10 エコランECU
11 補機用ECU
1A 電流計
1V 電圧計
4 補機
5 オルタネータ
6 エンジン
7 スタータモータ
9 EFI−ECU
10 エコランECU
11 補機用ECU
Claims (20)
- 所定のエコラン用のエンジン停止条件の成立時にエンジンを停止させ、前記エンジン停止条件の解除時に、バッテリに駆動されるスタータモータによってエンジンを始動させるエコラン制御手段と、他の電子機器の制御手段とを備えるエンジンの自動停止始動制御装置において、
前記エコラン用のエンジン停止条件の成立でエンジンが停止されている時に、前記エコラン制御手段が前記バッテリ電圧を検出し、前記エコラン用のエンジン停止条件の解除時に、前記バッテリ電圧が第1の基準値以下である場合は、前記バッテリ及びバッテリ関連機器の診断を一定時間中断させる指示を前記他の電子機器の制御手段に出力するバッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段を設けたことを特徴とするエンジンの自動停止始動制御装置。 - 請求項1に記載のエンジンの自動停止始動制御装置において、
前記バッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段から出力されるバッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示における中断指示時間が、前記バッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段により前記エコラン用のエンジン停止条件の解除時に検出された前記バッテリの電圧状態によって変更されることを特徴とするエンジンの自動停止始動制御装置。 - 請求項1に記載のエンジンの自動停止始動制御装置において、
前記バッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段から出力されるバッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示における中断指示時間が、前記バッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段により前記スタータモータの駆動後に検出された前記バッテリの電圧回復状態によって変更されることを特徴とするエンジンの自動停止始動制御装置。 - 請求項1に記載のエンジンの自動停止始動制御装置において、
前記バッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段は、前記エコラン用のエンジン停止条件の解除時に、前記バッテリ及びバッテリ関連機器の診断を一定時間中断させる指示が前記他の電子機器の制御手段に届くまでの間、前記エコラン制御手段にスタータの駆動を所定時間遅延させることを特徴とするエンジンの自動停止始動制御装置。 - 請求項4に記載のエンジンの自動停止始動制御装置において、
前記バッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段が、前記エコラン制御手段に延期させるスタータの駆動までの所定時間が、前記バッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段により前記エコラン用のエンジン停止条件の解除時に検出された前記バッテリの電圧状態によって変更されることを特徴とするエンジンの自動停止始動制御装置。 - 請求項4に記載のエンジンの自動停止始動制御装置において、
前記バッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段は、前記エコラン制御手段によって前記スタータモータが駆動された時に前記バッテリから前記スタータモータに流れる最高突入電流を検出し、この最高突入電流値から前記スタータモータ駆動直後の前記バッテリの電圧値を演算によって求め、前記バッテリの演算電圧値が前記第1の基準値よりも小さい第2の基準値より大きい場合は、前記他の電子機器の制御手段への前記バッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示を取り下げることを特徴とするエンジンの自動停止始動制御装置。 - 請求項1から6の何れか1項に記載のエンジンの自動停止始動制御装置において、
前記バッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段から出力されるバッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示における中断指示時間が、前記エンジンの運転環境パラメータによって補正されることを特徴とするエンジンの自動停止始動制御装置。 - 請求項7に記載のエンジンの自動停止始動制御装置において、
前記エンジンの運転環境パラメータが、バッテリ液温度、外気温度、前記スタータ駆動時の最高突入電流値、前記エンジン始動までのスタータ使用状況、前記スタータモータ回転中の前記バッテリ電圧の少なくとも1つであることを特徴とするエンジンの自動停止始動制御装置。 - 請求項8に記載のエンジンの自動停止始動制御装置において、
前記中断指示時間は、前記バッテリ液温度が高いほど短く、低いほど長くなるように補正されることを特徴とするエンジンの自動停止始動制御装置。 - 請求項8に記載のエンジンの自動停止始動制御装置において、
前記中断指示時間は、前記外気温度が高いほど短く、低いほど長くなるように補正されることを特徴とするエンジンの自動停止始動制御装置。 - 請求項8に記載のエンジンの自動停止始動制御装置において、
前記中断指示時間は、前記スタータ駆動時の最高突入電流値が大きいほど長く、小さいほど短くなるように補正されることを特徴とするエンジンの自動停止始動制御装置。 - 請求項8に記載のエンジンの自動停止始動制御装置において、
前記中断指示時間は、前記エンジン始動までのスタータモータの駆動回数が多いほど長く、少ないほど短くなるように補正されることを特徴とするエンジンの自動停止始動制御装置。 - 請求項8に記載のエンジンの自動停止始動制御装置において、
前記中断指示時間は、前記スタータモータ回転中の前記バッテリ電圧が高いほど短く、低いほど長くなるように補正されることを特徴とするエンジンの自動停止始動制御装置。 - 請求項1から13に記載のエンジンの自動停止始動制御装置において、
前記中断指示時間は、前記他の電子機器の制御手段が、前記バッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段からの中断指示を受け取って中断準備が完了した時点から、前記バッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段からの中断解除指示を受け取って中断解除が完了した時点までの時間であることを特徴とするエンジンの自動停止始動制御装置。 - 請求項1から14に記載のエンジンの自動停止始動制御装置において、
前記他の電子機器の制御手段は、前記バッテリ及びバッテリ関連機器の診断中断指示手段からの中断指示を受け取ると、通常の診断処理における前記バッテリ及びバッテリ関連機器の診断結果のみを無視するマスク処理を行うことを特徴とするエンジンの自動停止始動制御装置。 - 請求項1から14に記載のエンジンの自動停止始動制御装置において、
前記他の電子機器の制御手段は、前記バッテリ診断中断指示手段からの中断指示を受け取ると、通常の診断処理において前記バッテリの診断処理をスキップするスキップ処理を行うことを特徴とするエンジンの自動停止始動制御装置。 - 所定のエコラン用のエンジン停止条件の成立時にエンジンを停止させ、前記エンジン停止条件の解除時に、バッテリに駆動されるスタータモータによってエンジンを始動させるエコラン制御手段と、他の電子機器の制御手段とを備えるエンジンの自動停止始動制御装置において、
前記エコラン用のエンジン停止条件の成立でエンジンが停止されている時に、前記バッテリの出力電圧を検出し、前記エコラン用のエンジン停止条件の解除時に、前記バッテリ電圧が基準値以下である場合は、前記スタータモータを前記バッテリの急激な電圧低下を招かない方法で駆動するスタータモータの緩駆動手段を設けたことを特徴とするエンジンの自動停止始動制御装置。 - 請求項17に記載のエンジンの自動停止始動制御装置において、
前記スタータモータの緩駆動手段は、前記エコラン用のエンジン停止条件の解除時に検出した前記バッテリの電圧状態によって、前記スタータモータの駆動方法を変更することを特徴とするエンジンの自動停止始動制御装置。 - 所定のエコラン用のエンジン停止条件の成立時にエンジンを停止させ、前記エンジン停止条件の解除時に、バッテリに駆動されるスタータモータによってエンジンを始動させるエコラン制御手段と、他の電子機器の制御手段とを備えるエンジンの、前記エコラン制御手段によるエンジンの自動停止始動制御方法であって、
前記エコラン用のエンジン停止条件の成立でエンジンが停止されている時に、前記バッテリ電圧を検出するステップと、
前記エコラン用のエンジン停止条件の解除時に、前記バッテリ電圧が第1の基準値以下である場合は、前記バッテリ及びバッテリ関連機器の診断を一定時間中断させる指示を前記他の電子機器の制御手段に出力するステップと、を備えることを特徴とするエンジンの自動停止始動制御方法。 - 所定のエコラン用のエンジン停止条件の成立時にエンジンを停止させ、前記エンジン停止条件の解除時に、バッテリに駆動されるスタータモータによってエンジンを始動させるエコラン制御手段と、他の電子機器の制御手段とを備えるエンジンの、前記エコラン制御手段による自動停止始動制御方法であって、
前記エコラン用のエンジン停止条件の成立でエンジンが停止されている時に、前記バッテリの出力電圧を検出するステップと、
前記エコラン用のエンジン停止条件の解除時に、前記バッテリ電圧が基準値以下である場合は、前記スタータモータを前記バッテリの急激な電圧低下を招かない方法で駆動するステップと、を備えることを特徴とするエンジンの自動停止始動制御方法。
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- 2005-05-31 JP JP2005159011A patent/JP2006336483A/ja not_active Withdrawn
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