上述の電源装置では、電圧変換動作を停止しているコンバータの電圧変換動作を開始する際に、例えば電気的なノイズにより供給電圧検出部からの検出値と実際の電圧との偏差が一時期的に大きくなったときなど装置に何らかの異常が生じるとコンバータに過大な電流が流れることがある。こうした過大な電流は、コンバータの保護の観点から好ましくないため、抑制されることが望ましい。
本発明の電源装置は、昇圧コンバータのゲート遮断を解除する際に昇圧コンバータに過大な電流が流れることを抑制することを主目的とする。また、本発明の電源装置は、昇圧コンバータをゲート遮断する所定のゲート遮断条件が成立しているときにより適正に昇圧コンバータに過大な電流が流れることを抑制することを主目的とする。
本発明の電源装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の電源装置は、
充放電可能な第1バッテリと、該第1バッテリの電力を昇圧して高電圧系に供給する第1昇圧コンバータと、充放電可能な第2バッテリと、該第2バッテリの電力を昇圧して前記高電圧系に供給する第2昇圧コンバータと、前記高電圧系の電圧が該高電圧系に要求される目標電圧となるよう前記第1昇圧コンバータを制御すると共に前記第2昇圧コンバータのゲート遮断と該ゲート遮断の解除とを実行するゲート信号を送信する第1処理手段と、前記ゲート信号として前記ゲート遮断を実行する信号を受信したときには前記第2バッテリの端子間電圧を前記高電圧系の電圧で除した電圧比で前記第2バッテリの電力が昇圧されるよう前記第2昇圧コンバータを制御するためのゲート遮断時制御信号を送信すると共に前記ゲート信号として前記ゲート遮断の解除を実行する信号を受信したときには前記第1バッテリの充放電電力に対する前記第2バッテリの充放電電力の割合が予め設定された所定割合になるよう前記第2昇圧コンバータを制御するためのゲート遮断解除時制御信号を送信する第2処理手段と、前記ゲート信号と前記ゲート遮断時制御信号と前記ゲート遮断解除時制御信号とを受信可能であると共に前記ゲート信号として前記ゲート遮断を実行する信号を受信したときには前記ゲート信号を前記第2昇圧コンバータに出力し前記ゲート信号として前記ゲート遮断の解除を実行する信号を受信したときには前記受信したゲート遮断時制御信号または前記受信したゲート遮断解除時制御信号を前記第2昇圧コンバータに出力する第3処理手段と、を備える電源装置において、
前記第2処理手段は、前記ゲート信号として前記ゲート遮断を実行する信号を受信している最中に前記第2昇圧コンバータの電流が該第2昇圧コンバータに許容できる電流範囲の上限として予め設定された第1電流を超えたときには、前記第2昇圧コンバータの電流が前記第1電流より小さい第2電流となるよう前記第2昇圧コンバータを制御するための信号を前記ゲート遮断時制御信号として送信する手段である、
ことを特徴とする。
この本発明の第1の電源装置では、第2処理手段がゲート信号としてゲート遮断を実行する信号を受信したときには、第2処理手段が第2バッテリの端子間電圧を高電圧系の電圧で除した電圧比で第2バッテリの電力が昇圧されるよう第2昇圧コンバータを制御するためのゲート遮断時制御信号を送信し、第2処理手段がゲート信号としてゲート遮断の解除を実行する信号が受信されたときには、第2処理手段が第1バッテリの充放電電力に対する第2バッテリの充放電電力の割合が予め設定された所定割合になるよう第2昇圧コンバータを制御するためのゲート遮断解除時制御信号を送信する。そして、第3処理手段がゲート信号としてゲート遮断の解除を実行する信号を受信したときには、受信したゲート遮断時制御信号または受信したゲート遮断解除時制御信号を第2昇圧コンバータに出力する。したがって、ゲート遮断時制御信号またはゲート遮断解除時制御信号を用いて第2昇圧コンバータを制御することができる。これにより、例えば、第1処理手段と第3処理手段との間の通信遅延時間より第1処理手段と第2処理手段との間の通信遅延時間のほうが長く、第3処理手段によりゲート信号としてゲート遮断の解除を実行する信号が受信されたタイミングより第2処理手段によりゲート信号としてゲート遮断の解除を実行する信号が受信されたタイミングが遅い場合でも、第2昇圧コンバータを制御するための信号が出力されないことにより第2昇圧コンバータを適正に制御できない不都合を回避することができる。そして、第2処理手段は、ゲート信号としてゲート遮断を実行する信号を受信している最中に第2昇圧コンバータの電流が第2昇圧コンバータに許容できる電流範囲の上限として予め設定された第1電流を超えたときには、第2昇圧コンバータの電流が第1電流より小さい第2電流となるよう第2昇圧コンバータを制御するための信号をゲート遮断時制御信号として送信する。ゲート遮断時制御信号を受信した第3処理手段は、ゲート遮断の解除を実行する信号を受信しているときには受信したゲート遮断時制御信号を第2昇圧コンバータに出力するから、第2昇圧コンバータの電流が第1電流より小さい第2電流となるよう第2昇圧コンバータを制御することができる。この結果、第2昇圧コンバータの電流を第1電流未満にすることができ、第2昇圧コンバータのゲート遮断を解除する際に第2昇圧コンバータに過大な電流が流れるのを抑制することができる。
こうした本発明の第1の電源装置において、前記第2処理手段は、前記第2昇圧コンバータの電流が前記第1電流を超えてから予め設定された所定時間を経過しても前記第2昇圧コンバータの電流が前記第1電流を超えているときには、前記第2バッテリの端子間電圧を前記高電圧系の電圧で除した電圧比で前記第2バッテリの電力が昇圧されるよう前記第2昇圧コンバータを制御するための信号を前記ゲート遮断時制御信号として送信する手段であるものとすることもできる。第2昇圧コンバータの電流が第1電流を超えてから予め設定された所定時間を経過しても第2昇圧コンバータの電流が第1電流を超えているときには、第2処理手段は、第2バッテリの端子間電圧を高電圧系の電圧で除した電圧比で第2バッテリの電力が昇圧されるよう第2昇圧コンバータを制御するための信号をゲート遮断時制御信号として送信する。ゲート遮断時制御信号を受信した第3処理手段は、ゲート遮断の解除を実行する信号を受信しているときには受信したゲート遮断時制御信号を第2昇圧コンバータに出力するから、第2バッテリの端子間電圧を高電圧系の電圧で除した電圧比で第2バッテリの電力が昇圧されるよう第2昇圧コンバータを制御することができる。第2昇圧コンバータの電流が第1電流以上となって第2昇圧コンバータの電流が第1電流より小さい第2電流となるよう第2昇圧コンバータを制御してから所定時間を経過しても第2昇圧コンバータの電流が第1電流以上の状態であるときには、何らかの要因で制御が適正に実行されていないと考えられるが、第2バッテリの端子間電圧を前記高電圧系の電圧で除した電圧比で第2バッテリの電力が昇圧されるよう第2昇圧コンバータを制御することにより、より適正に第2昇圧コンバータを制御することができる。
本発明の第2の電源装置は、
充放電可能な第1バッテリと、前記第1バッテリの電力を昇圧して高電圧系に供給する第1昇圧コンバータと、充放電可能な第2バッテリと、前記第2バッテリの電力を昇圧して前記高電圧系に供給する第2昇圧コンバータと、前記第2昇圧コンバータのゲート遮断する所定のゲート遮断条件が成立したときには前記第2昇圧コンバータをゲート遮断した状態で前記検出された高電圧系の電圧が該高電圧系に要求される目標電圧になるよう前記第1昇圧コンバータと前記第2昇圧コンバータとを制御する制御手段と、を備える電源装置において、
前記制御手段は、前記第2昇圧コンバータをゲート遮断している最中に前記第2昇圧コンバータの電流が前記第2昇圧コンバータに許容できる電流範囲の上限として予め設定された第1電流を超えたときには前記第2昇圧コンバータの電流が前記第1電流より小さい第2電流となるよう前記第2昇圧コンバータを制御し、前記第2昇圧コンバータ電流が前記第1電流を超えてから予め設定された所定時間が経過しても前記第2昇圧コンバータの電流が前記第1電流を超えているときには前記第2バッテリの端子間電圧を前記高電圧系の電圧で除した電圧比で前記第2バッテリの電圧が昇圧されるよう前記第2昇圧コンバータを制御する手段である
ことを特徴とする。
この本発明の第2の電源装置では、第2昇圧コンバータをゲート遮断している最中に第2昇圧コンバータの電流が第2昇圧コンバータに許容できる電流範囲の上限として予め設定された第1電流を超えたときには第2昇圧コンバータの電流が前記第1電流より小さい第2電流となるよう前記第2昇圧コンバータを制御する。これにより、第2昇圧コンバータに第1電流を超える電流が流れるのが抑制され、第2昇圧コンバータに過大な電流が流れるのを抑制することができる。そして、第2昇圧コンバータ電流が第1電流を超えてから予め設定された所定時間が経過しても第2昇圧コンバータの電流が第1電流を超えているときには第2バッテリの端子間電圧を高電圧系の電圧で除した電圧比で第2バッテリの電圧が昇圧されるよう第2昇圧コンバータを制御する。第2昇圧コンバータ電流が第1電流を超えて所定時間が経過しても第2昇圧コンバータの電流が第1電流以上の状態が継続しているときには、何らかの要因で制御が適正に実行されていないと考えられる。この場合、第2バッテリの端子間電圧を高電圧系の電圧で除した電圧比で第2バッテリの電圧が昇圧されるよう第2昇圧コンバータを制御することにより、より適正に制御することができる。この結果、より適正に第2昇圧コンバータに過大な電流が流れるのを抑制することができる。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の第1実施例としての電源装置20の構成の概略を示す構成図である。第1実施例の電源装置は、図示するように、充放電可能な二次電池としてのマスタバッテリ30と、マスタバッテリ30からの電力を昇圧して高電圧系に供給するマスタ昇圧コンバータ32と、マスタ昇圧コンバータ32の高電圧系の電圧を平滑する平滑コンデンサ33aと、マスタ昇圧コンバータ32のマスタバッテリ30側の電圧を平滑する平滑コンデンサ33bと、充放電可能な二次電池としてのスレーブバッテリ40と、スレーブバッテリ40からの電力を昇圧して高電圧系に供給するスレーブ昇圧コンバータ42と、スレーブ昇圧コンバータ42のスレーブバッテリ40側の電圧を平滑する平滑コンデンサ43と、マスタ昇圧コンバータ32のゲート遮断を実行するマスタシャットダウン実行信号とマスタ昇圧コンバータ32のゲート遮断の解除を実行するマスタシャットダウン解除実行信号とスレーブ昇圧コンバータ42のゲート遮断を実行するスレーブシャットダウン実行信号とスレーブ昇圧コンバータ42のゲート遮断の解除を実行するスレーブシャットダウン解除実行信号とマスタ昇圧コンバータ32およびスレーブ昇圧コンバータ42をそれぞれ制御するためのマスタPWM信号およびスレーブPWM信号とをマスタ昇圧コンバータ32やスレーブ昇圧コンバータ42に送信するコンバータ用電子制御ユニット(以下、コンバータECUという)46と、を備える。実施例の電源装置20は、例えば、走行用の動力を出力可能なエンジンと走行用の動力を出力可能なモータとが搭載されたハイブリッド自動車に搭載され、こうしたハイブリッド自動車に搭載される場合、高電圧系には、モータとこのモータを駆動するためのインバータとが含まれるものとする。
マスタ昇圧コンバータ32は、2つのトランジスタT11,T12とトランジスタT11,T12に逆方向に並列接続された2つのダイオードD11,D12とリアクトルL1とから構成されている。2つのトランジスタT11,T12は、それぞれ高電圧系の正極側と負極側とに接続されており、その中間点にリアクトルL1が接続されている。また、リアクトルL1と高電圧系の負極側とにそれぞれマスタバッテリ30の正極側と負極側とが接続されている。したがって、トランジスタT11,T12をオンオフ制御することによりマスタバッテリ30の直流電力をその電圧を昇圧して高電圧系に供給したり高電圧系に作用している直流電圧を降圧してマスタバッテリ30を充電したりすることができる。図示していないが、トランジスタT11,T12には、コンバータECU46と遅延時間Tdmの通信の遅れをもって信号をやりとり可能なマスタゲート遮断回路が取り付けられている。マスタゲート遮断回路は、マスタシャットダウン実行信号を受信したときにはマスタシャットダウン実行信号をトランジスタT11,T12に出力してトランジスタT11,T12をゲート遮断し、マスタシャットダウン解除実行信号を受信したときにはトランジスタT11,T12のゲート遮断を解除してマスタPWM信号をトランジスタT11,T12のゲートに出力する。したがって、マスタシャットダウン解除実行信号を受信したときには、マスタ昇圧コンバータ32をマスタPWM信号を用いて制御することができる。
スレーブ昇圧コンバータ42もマスタ昇圧コンバータ32と同様に2つのトランジスタT21,T22と2つのダイオードD21,D22とリアクトルL2とから構成されており、トランジスタT21,T22をオンオフ制御することによりスレーブバッテリ40の直流電力をその電圧を昇圧して高電圧系に供給したり高電圧系に作用している直流電圧を降圧してスレーブバッテリ40を充電したりすることができる。トランジスタT21,T22には、コンバータECU46と遅延時間Td1の通信の遅れをもって信号をやりとり可能なスレーブゲート遮断回路が取り付けられている。スレーブゲート遮断回路は、マスタゲート遮断回路と同様に、スレーブシャットダウン実行信号を受信したときにはスレーブシャットダウン実行信号をトランジスタT21,T22に出力してトランジスタT21,T22をゲート遮断し、スレーブシャットダウン解除実行信号を受信したときにはトランジスタT21,T22のゲート遮断を解除してスレーブPWM信号をトランジスタT21,T22のゲートに出力する。したがって、スレーブ昇圧コンバータ42のゲート遮断を解除するスレーブシャットダウン実行信号を受信したときには、スレーブ昇圧コンバータ42をスレーブPWM信号を用いて制御することができる。
コンバータECU46は、CPU46a,CPU46bを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU46a,CPU46bの他に、図示しないが、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポートおよび通信ポートなどを備える。コンバータECU46には、マスタバッテリ30やスレーブバッテリ40の端子間の電圧を検出する電圧センサ35a,電圧センサ45aからのマスタバッテリ電圧Vbm,スレーブバッテリ電圧Vbsや平滑コンデンサ33a,33b,43の電圧を検出する電圧センサ35b,35c,45cから高電圧系電圧VH,マスタ電圧Vm,スレーブ電圧Vs、電流センサ45dからのスレーブ電流Isなどが入力されている。コンバータECU46は、電圧センサ35a,電圧センサ45aからのマスタバッテリ電圧Vbm,スレーブバッテリ電圧Vbsや図示しない電流センサからのマスタバッテリ30やスレーブバッテリ40の充放電電流に基づいて、マスタバッテリ30とスレーブバッテリ40とを管理している。例えば、マスタバッテリ30,スレーブバッテリ40の各蓄電量をそれぞれ充放電電流等に基づいて演算したり、これらのセンサからの信号に基づいてマスタバッテリ30やスレーブバッテリ40の異常を判定したりしている。CPU46aとCPU46bとは、遅延時間Tdm,Td1より長い遅延時間Td2をもつ通信により互いに処理に必要な各種信号をやりとりしており、CPU46aからはマスタ昇圧コンバータ32を制御するためのマスタ側PWM信号とマスタシャットダウン実行信号とマスタシャットダウン解除実行信号とがマスタゲート遮断回路へ送信されると共にスレーブシャットダウン実行信号とスレーブシャットダウン解除実行信号とがスレーブゲート遮断回路へ送信され、CPU46bからはスレーブ昇圧コンバータ42を制御するためのスレーブ側PWM信号がスレーブゲート遮断回路へ送信されている。
次に、実施例の電源装置20の動作について説明する。電源装置20は、基本的には、コンバータECU46により実行される以下に説明する制御によって高電圧系に電力を供給する。コンバータECU46のCPU46aでは、電圧センサ35bにより検出される高電圧系電圧VHが高電圧系の目標とされる電圧としての目標電圧VH*となるよう設定されたデューティ比のマスタPWM信号とマスタシャットダウン解除実行信号とをマスタゲート遮断回路に送信する。マスタPWM信号とマスタシャットダウン解除実行信号とを受信したマスタゲート遮断回路は、受信したマスタPWM信号をマスタ昇圧コンバータ32に出力する。こうした処理により、マスタ昇圧コンバータ32のゲート遮断を解除した状態で高電圧系電圧VHが目標電圧VH*になるようマスタ昇圧コンバータ32を制御することができる。また、コンバータECU46のCPU46aは、マスタバッテリ30からの放電電力とスレーブバッテリ40からの放電電力とが所定割合Rref(例えば、1:1や1:2など)となるよう設定されたスレーブ側要求電力に基づいて設定された電流指令Is*をCPU46bに送信すると共にスレーブシャットダウン解除実行信号をスレーブゲート遮断回路に送信する。電流指令Is*を受信したCPU46bは、スレーブ電流Isが電流指令Is*となるようにスレーブ昇圧コンバータ42のデューティ比を設定すると共に設定したデューティ比のスレーブPWM信号をスレーブゲート遮断回路に送信する。スレーブシャットダウン解除実行信号とスレーブPWM信号とを受信したスレーブゲート遮断回路は、受信したスレーブPWM信号をスレーブ昇圧コンバータ42に出力する。こうした処理により、マスタバッテリ30からの放電電力とスレーブバッテリ40からの放電電力とを所定割合Rrefにするようスレーブ昇圧コンバータ42を制御することができる。これにより、マスタバッテリ30からの放電電力とスレーブバッテリ40からの放電電力とを所定割合Rrefにしながら高電圧系電圧VHを目標電圧VH*に昇圧することができる。
続いて、スレーブバッテリ40に一時期的な異常が判定されたときなどスレーブ昇圧コンバータ42を一時的にゲート遮断するスレーブシャットダウン条件が成立したときの動作について説明する。スレーブシャットダウン条件が成立してスレーブシャットダウン指令がコンバータECU46のCPU46aに送信されると、スレーブシャットダウン指令を受信したCPU46aは、スレーブシャットダウン実行信号をスレーブゲート遮断回路に送信すると共にスレーブシャットダウン信号をCPU46bに送信する処理を実行する。スレーブシャットダウン実行信号を受信したスレーブゲート遮断回路は、スレーブシャットダウン信号をスレーブ昇圧コンバータ42に出力してトランジスタT21,T22のゲート遮断(トランジスタT21,T22を共にオフすること)を実行する。スレーブシャットダウン信号を受信したCPU46bは、電圧センサ45cからのスレーブバッテリ電圧Vbsを電圧センサ35bからの高電圧系電圧VHで除した電圧比Rvに基づくデューティ比のスレーブPWM信号をスレーブゲート遮断回路に送信する。今、スレーブ昇圧コンバータ42がゲート遮断されているから、スレーブPWM信号が送信されてもトランジスタT21,T22がスイッチングされることはない。こうした処理により、スレーブ昇圧コンバータ42をゲート遮断することができる。なお、スレーブシャットダウン指令は、実施例の電源装置20がハイブリッド自動車に搭載される場合、例えば、ハイブリッド自動車全体の駆動制御を司る電子制御ユニットから入力されるものとする。
こうしてスレーブ昇圧コンバータ42をゲート遮断しているときに、スレーブバッテリ40が正常な状態に復帰したときなどスレーブ昇圧コンバータ42のゲート遮断を解除するスレーブシャットダウン解除条件が成立したときの動作について説明する。スレーブシャットダウン解除条件が成立してスレーブシャットダウン解除指令がコンバータECU46のCPU46aに入力されると、スレーブシャットダウン解除指令を受信したCPU46aは、スレーブシャットダウン解除実行信号をスレーブゲート遮断回路に送信し、スレーブシャットダウン解除信号をCPU46bに送信する。ここで、CPU46aとスレーブゲート遮断回路との間の通信の遅延時間Td1よりCPU46aとCPU46bとの間の通信による遅延時間Td2が長いため、スレーブシャットダウン解除実行信号がスレーブゲート遮断回路で受信された後にスレーブシャットダウン解除信号がCPU46bで受信される。スレーブシャットダウン解除実行信号を受信したスレーブゲート遮断回路は、スレーブ昇圧コンバータ42のゲート遮断を解除してCPU46bからのスレーブPWM信号をトランジスタT21,T22のゲートに印加する。このとき、CPU46bからは、電圧比Rvに基づくデューティ比のスレーブPWM信号が送信されているから、スレーブ昇圧コンバータ42は、電圧比Rvでスレーブバッテリ40の電力が昇圧されるようフィードフォワード制御されることになる。その後、シャットダウン解除信号がCPU46bで受信されると、CPU46bは、スレーブ電流Isが上述した電流指令Is*となるようスレーブ昇圧コンバータ42のデューティ比を設定すると共に設定したデューティ比のスレーブPWM信号をスレーブゲート遮断回路に送信する。こうした処理により、スレーブ昇圧コンバータ42は、スレーブ電流Isが電流指令Is*となるよう設定されたデューティ比のスレーブPWM信号でフィードバック制御されることになる。図2は、スレーブ昇圧コンバータ42の実際のシャットダウン(ゲート遮断)状態,CPU46bでのスレーブ昇圧コンバータ42で認識しているシャットダウンの状態,電圧センサ45aからの高電圧系電圧VH,電流センサ45dからのスレーブ電流Is,スレーブPWM信号のデューティ比(スレーブデューティ)の時間変化の一例を示す説明図である。こうした制御により、スレーブ昇圧コンバータ42のゲート遮断を解除して高電圧系電圧VHを目標電圧VH*に昇圧することができる。なお、スレーブシャットダウン指令は、実施例の電源装置20がハイブリッド自動車に搭載される場合、例えば、ハイブリッド自動車全体の駆動制御を司る電子制御ユニットから入力されるものとする。
コンバータECU46のCPU46bは、スレーブシャットダウン信号を受信して電圧比Rvに基づくデューティ比のスレーブPWM信号が送信している最中に電流センサ45dにより検出されスレーブ電流Isがスレーブ昇圧コンバータ42に許容される電流範囲の上限である所定電流Iref1(例えば、500Aなど)を超えたときには、スレーブシャットダウン解除信号を受信するまでスレーブ電流Isが所定電流Iref1より小さい予め定めた電流指令値Iref2(例えば、0Aなど)となるよう設定されたデューティ比のスレーブPWM信号をゲート遮断回路に送信する。これにより、スレーブ電流Isが電流指令値Iref2となるようスレーブ昇圧コンバータ42をフィードバック制御することができる。こうした制御を行なうのは、以下の理由に基づく。スレーブ昇圧コンバータ42のゲート遮断が解除されてからシャットダウン解除信号が受信されるまでは、電圧比Rv(Vbs/VH)に基づくデューティ比のスレーブPWM信号でスレーブ昇圧コンバータ42がフィードフォワード制御されているが、電気的なノイズで一時的に電圧センサ35b,45aでの検出値と実際の電圧値との偏差が大きくなったときなど何らかの要因でスレーブ電流Isが所定電流Iref1を超えることがある。スレーブ電流Isが所定電流Iref1を超えた状態が継続することは、スレーブ昇圧コンバータ42の保護に観点から望ましくないため、スレーブ電流Isが所定電流Iref1を超えたときにはスレーブ電流Isが電流指令値Iref2となるようスレーブ昇圧コンバータ42をフィードバック制御するのである。図3は、電圧センサ35b,45aでの検出値と実際の電圧値との偏差が大きい場合のスレーブ昇圧コンバータ42の実際のシャットダウン(ゲート遮断)状態,CPU46bで認識しているスレーブ昇圧コンバータ42のシャットダウンの状態,高電圧系電圧VH,スレーブ電流Is,スレーブPWM信号のデューティ比(スレーブデューティ),Is超過フラグの時間変化の一例を示す説明図である。こうした制御により、スレーブ電流Isが所定電流Iref1を超えたときには、スレーブ電流Isを所定電流Iref1より小さくすることができ、スレーブ昇圧コンバータ42に過大な電流が流れるのを抑制することができ、スレーブ昇圧コンバータ42の保護を図ることができる。
また、コンバータECU46のCPU46bは、スレーブ電流Isが所定電流Iref1を超えてスレーブ電流Isが電流指令値Iref2となるよう設定されたデューティ比のスレーブPWM信号をスレーブゲート遮断回路に送信する処理を開始してから予め設定された所定時間Trefを経過してもスレーブ電流Isが所定電流Iref1以下にならないときには、電圧比Rv(Vbs/VH)に基づくデューティ比のスレーブPWM信号をゲート遮断回路に送信する。これにより、電圧比Rv(Vbs/VH)に基づくデューティ比のスレーブPWM信号でスレーブ昇圧コンバータ42がフィードフォワード制御される。ここで、所定時間Trefは、CPU46aとCPU46bとの間の通信遅れ時間Td2または通信遅れ時間Td2より若干短い時間として設定されるものとした。ここで、電圧比Rv(Vbs/VH)に基づくデューティ比のスレーブPWM信号でスレーブ昇圧コンバータ42をフィードフォワード制御するのは、以下の理由に基づく。スレーブ電流Isが所定電流Iref1超えてスレーブ電流Isが電流指令値Iref2となるスレーブ昇圧コンバータ42を制御してもスレーブ電流Isが所定電流Iref1未満にならないときには、電気的なノイズなどで一時期的に実際のスレーブ電流Isと電流センサ45dから検出値との間の偏差が大きくなっていると考えられる。この場合に、スレーブ昇圧コンバータ42のフィードバック制御を継続すると、フィードバック制御の際の積分項が増大する不都合が生じることがある。こうした不都合を回避するために、電圧比Rv(Vbs/VH)に基づくデューティ比のスレーブPWM信号でスレーブ昇圧コンバータ42をフィードフォワード制御するのである。このように、スレーブ電流Isが所定電流Iref1超えてから所定時間Trefを経過してもスレーブ電流Isが所定電流Iref1以下にならないときには、電圧比Rv(Vbs/VH)に基づくデューティ比のスレーブPWM信号でスレーブ昇圧コンバータ42をフィードフォワード制御することにより、より適正に制御を行なうことができる。
以上説明した第1実施例の電源装置20によれば、CPU46bがスレーブシャットダウン信号を受信している最中に電流センサ45dにより検出されたスレーブ電流Isが所定電流Iref1を超えたときには、スレーブ電流Isが電流指令値Iref2となるよう設定されたデューティ比のスレーブPWM信号をスレーブゲート遮断回路に送信することにより、スレーブ電流Isが電流指令値Iref2となるようスレーブ昇圧コンバータ42をフィードバック制御することができ、スレーブ昇圧コンバータ42のゲート遮断を解除する際のスレーブ昇圧コンバータ42に過大な電流が流れるのを抑制することができる。また、このとき、スレーブ電流Isが所定電流Iref1を超えてから所定時間Trefを経過してもスレーブ電流Isが所定電流Iref1以下にならないときには、電圧比Rv(Vbs/VH)に基づくデューティ比のスレーブPWM信号をスレーブゲート遮断回路に送信することにより、スレーブ昇圧コンバータ42をより適正に制御することができる。
続いて、本発明の第2実施例としての電源装置120について説明する。実施例の電源装置120は、図1に例示した電源装置20の、コンバータECU46に代えて電子制御ユニット50を備えている点やマスタゲート遮断回路およびスレーブゲート遮断回路を備えていない点を除いて、同一の構成となっている。したがって、第2実施例の電源装置120については、第1実施例の電源装置20と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
第2実施例の電源装置120では、マスタ昇圧コンバータ32およびスレーブ昇圧コンバータ42は、電子制御ユニット50により制御されている。電子制御ユニット50の図示しないCPUは、電圧センサ35a,電圧センサ45aからのマスタバッテリ電圧Vbm,スレーブバッテリ電圧Vbsや電圧センサ35b,35c,45cから高電圧系電圧VH,マスタ電圧Vm,スレーブ電圧Vs、電流センサ45dからのスレーブ電流Isなどが入力されている。電子制御ユニット50は、電圧センサ35a,電圧センサ45aからのマスタバッテリ電圧Vbm,スレーブバッテリ電圧Vbsや図示しない電流センサからのマスタバッテリ30やスレーブバッテリ40の充放電電流に基づいて、マスタバッテリ30とスレーブバッテリ40とを管理している。さらに、電子制御ユニット50は、デューティ比を用いてトランジスタT11,T12,T21,T22へのスイッチング制御信号を調整することにより、マスタ昇圧コンバータ32,スレーブ昇圧コンバータ42を制御している。
次に、第2実施例の電源装置120の基本的な動作について説明する。電子制御ユニット50では、基本的には、電圧センサ35bにより検出される高電圧系電圧VHが高電圧系の目標とされる電圧としての目標電圧VH*となるようマスタ昇圧コンバータ32を制御すると共にスレーブ電流Isがマスタバッテリ30からの放電電力とスレーブバッテリ40からの放電電力とが所定割合Rref(例えば、1:1や1:2など)となるよう設定されたスレーブ側要求電力に基づいて設定された電流指令Is*となるよう設定したデューティ比のスレーブPWM信号でスレーブ昇圧コンバータ42をフィードバック制御する。こうした制御により、マスタバッテリ30からの放電電力とスレーブバッテリ40からの放電電力とを所定割合Rrefにしながら高電圧系電圧VHを目標電圧VH*に昇圧することができる。
スレーブバッテリ40の蓄電量が所定蓄電量以下となったときやスレーブバッテリ40の異常が判定されたときなどスレーブ昇圧コンバータ42をゲート遮断するスレーブシャットダウン条件が成立したときには、電子制御ユニット50では、高電圧系電圧VHが上述の目標電圧VH*となるようマスタ昇圧コンバータ32を制御すると共にスレーブ昇圧コンバータ42のトランジスタT21,T22をゲート遮断する。こうした制御により、スレーブ昇圧コンバータ42をシャットダウン(ゲート遮断)した状態で高電圧系電圧VHを目標電圧VH*に昇圧することができる。
こうしてスレーブ昇圧コンバータ42をゲート遮断している最中に電流センサ45dにより検出されスレーブ電流Isがスレーブ昇圧コンバータ42が故障に至ることが推定される電流値の下限より若干小さい所定電流Iref1(例えば、500Aなど)以上となったときには、何らかの異常によりスレーブ昇圧コンバータ42に過大な電流が流れていると判断して、スレーブ昇圧コンバータ42のシャットダウン解除するための解除指令がなされるまでスレーブ電流Isが予め定めた電流指令値Iref2(例えば、0Aなど)となるよう設定されたデューティ比のスレーブPWM信号でスレーブ昇圧コンバータ42をフィードバック制御する。こうした制御により、スレーブ電流Isを小さくすることができ、スレーブ昇圧コンバータ42に過大な電流が流れるのを抑制することができる。
スレーブ電流Isが所定電流Iref1を超えてから予め設定された所定時間Trefを経過してもスレーブ電流Isが所定電流Iref1を超えているときには、電流センサ45dからの検出値に一時的にノイズが乗っているなど何らかの要因で電流センサ45dからの検出値と実際の電流値との偏差が大きくなっているためフィードバック制御を継続することが適正ではないと判断して、電圧比Rv(Vbs/VH)に基づくデューティ比のスレーブPWM信号でスレーブ昇圧コンバータ42をフィードフォワード制御する。ここで、所定時間Trefは、各種センサ等が正常でスレーブ電流Isが電流指令値Iref2となるようスレーブ昇圧コンバータ42を適正にフィードバック制御可能な場合に、スレーブ電流Isが所定電流Iref1を超えたときから、スレーブ電流Isが電流指令値Iref2となるようスレーブ昇圧コンバータ42をフィードバック制御する制御によりスレーブ電流Isが十分低くなり所定電流Iref1を超えなくなると推定される時間として設定されるものとした。図4は、スレーブ昇圧コンバータ42の実際のシャットダウン(ゲート遮断)の状態,電子制御ユニット50で認識しているシャットダウンの状態,電圧センサ45aからの高電圧系電圧VH,電流センサ45dからのスレーブ電流Is,スレーブPWM信号のデューティ比(スレーブデューティ),スレーブ電流Isが所定電流Iref1を超えてスレーブ電流Isが電流指令値Iref2となるようスレーブ昇圧コンバータ42をフィードバック制御しているときに値1になるIs超過フラグの時間変化の一例を示す説明図である。こうした制御により、スレーブ昇圧コンバータ42をフィードバック制御する際の積分項の増大により制御が不安定になるのを抑制することができる。
以上説明した第2実施例の電源装置120によれば、スレーブ昇圧コンバータ42をゲート遮断している最中にスレーブ電流Isが所定電流Iref1を超えたときには、スレーブ電流Isが電流指令値Iref2となるようスレーブ昇圧コンバータ42をフィードバック制御し、スレーブ電流Isが所定電流Iref1を超えてから予め設定された所定時間Tdを経過してもスレーブ電流Isが所定電流Iref1を超えているときには、電圧比Rv(Vbs/VH)に基づくデューティ比のスレーブPWM信号でスレーブ昇圧コンバータ42をフィードフォワード制御する。こうした制御により、スレーブ昇圧コンバータ42のシャットダウンを解除する際に、スレーブ昇圧コンバータ42に過大な電流が流れるのを抑制することができる。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。第1実施例では、マスタバッテリ30が「第1バッテリ」に相当し、マスタ昇圧コンバータ32が「第1昇圧コンバータ」に相当し、スレーブバッテリ40が「第2バッテリ」に相当し、スレーブ昇圧コンバータ42が「第2昇圧コンバータ」に相当し、電圧センサ35bにより検出される高電圧系電圧VHが目標電圧VH*となるよう設定されたデューティ比のマスタPWM信号を送信すると共にスレーブシャットダウン指令を受信したときにはスレーブシャットダウン実行信号とスレーブシャットダウン信号とを送信しスレーブシャットダウン解除指令を受信したときにはスレーブシャットダウン解除実行信号とスレーブシャットダウン解除信号とを送信するコンバータECU46のCPU46aと受信したマスタPWM信号をマスタ昇圧コンバータ32に出力するスレーブゲート遮断回路とが「第1処理手段」に相当し、スレーブシャットダウン信号を受信したときに電圧センサ45bからのスレーブバッテリ電圧Vbsを電圧センサ35bからの高電圧系電圧VHで除した電圧比Rvに基づくデューティ比のスレーブPWM信号をスレーブゲート遮断回路に送信しシャットダウン解除信号を受信したときにスレーブ電流Isが電流指令Is*となるようスレーブ昇圧コンバータ42のデューティ比を設定すると共に設定したデューティ比のスレーブPWM信号をスレーブゲート遮断回路に送信しスレーブシャットダウン信号を受信している最中に電流センサ45dにより検出されスレーブ電流Isが所定電流Iref1を超えたときにはスレーブ電流Isが所定電流Iref1より小さい予め定めた電流指令値Iref2となるよう設定されたデューティ比のスレーブPWM信号をゲート遮断回路に送信するコンバータECU46のCPU46bが「第2処理手段」に相当し、スレーブシャットダウン実行信号を受信したときにはスレーブシャットダウン実行信号をトランジスタT21,T22に出力しスレーブシャットダウン解除実行信号を受信したときにはトランジスタT21,T22のゲート遮断を解除してスレーブPWM信号をトランジスタT21,T22のゲートに出力するスレーブゲート遮断回路が「第3処理手段」に相当する。
第2実施例では、マスタバッテリ30が「第1バッテリ」に相当し、マスタ昇圧コンバータ32が「第1昇圧コンバータ」に相当し、スレーブバッテリ40が「第2バッテリ」に相当し、スレーブ昇圧コンバータ42が「第2昇圧コンバータ」に相当し、スレーブ昇圧コンバータ42をゲート遮断するスレーブシャットダウン条件が成立したときには電子制御ユニット50では、高電圧系電圧VHが上述の目標電圧VH*となるようマスタ昇圧コンバータ32を制御すると共にスレーブ昇圧コンバータ42のトランジスタT21,T22をゲート遮断すると共にスレーブ昇圧コンバータ42をゲート遮断している最中にスレーブ電流Isが所定電流Iref1を超えたときにはスレーブ電流Isが電流指令値Iref2となるようスレーブ昇圧コンバータ42をフィードバック制御してスレーブ電流Isが所定電流Iref1を超えてから予め設定された所定時間Tdを経過してもスレーブ電流Isが所定電流Iref1を超えているときには、電圧比Rv(Vbs/VH)に基づくデューティ比のスレーブPWM信号でスレーブ昇圧コンバータ42をフィードフォワード制御する電子制御ユニット50が「制御手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。