請求項1に記載の発明は、筺体状の本体内に、貯蔵物を収容する貯蔵部が配置された収納室と、前記収納室の下方に位置する機械室を設け、前記収納室に、前記貯蔵部の外周面に面した循環風路を形成する断熱壁体を設け、また、前記本体の一面に、前記機械室が面した開口と該開口を閉塞する閉塞板を設け、さらに、前記機械室の天井部に、両端が前記循環風路に連通し、かつその底面を前記機械室に面する開口部とした冷却室と、該冷却室の開口部を閉塞する断熱蓋を設け、また、前記機械室内に、ヒートポンプ装置を搭載し、かつ前記開口より挿入、引き出し可能なユニット台と、前記収納室と機械室を断熱する断熱区画壁を設け、
前記断熱蓋は、前記断熱区画壁と当接するように延出した水平部と、高位縁と、前記水平部と前記高位縁の間を前記貯蔵室の底面の傾斜と略平行の空間を形成するように傾斜した面と、を具備し、
前記ヒートポンプ装置を、圧縮機、放熱器、および前記圧縮機の上方に配置された冷却器と冷却用送風機を具備する構成とし、さらに、前記圧縮機と冷却器の間に、前記冷却室の断熱蓋を設け、この断熱蓋により、前記ユニット台の機械室内への配置状態において前記冷却室底面の開口部を閉塞し、かつ前記冷却室内に前記冷却器と冷却用送風機が位置するようにし、
前記断熱蓋の高位縁を、前記冷却室内の高位側に配置された冷却器または冷却用送風機よりも高い位置とし、前記機械室に面したヒートポンプ装置の装着、取り出しを行なうための開口を、前記本体における前記断熱蓋の高位縁が対向する面に設け、さらに、前記開口の高さを、前記断熱蓋の高位縁よりも高い位置となるように設定し、
さらに前記断熱蓋に、該断熱蓋の厚さ方向に窪み、かつ前記冷却器の結露水を受ける水受け皿部を設けたものである。
かかることにより、貯蔵物の冷却貯蔵のための熱源をヒートポンプ装置とするため、保冷米びつ装置が、環境温度に変化が生じる場所に設置された場合であっても、安定して貯蔵物を冷却することができる。また、前記ヒートポンプ装置は、圧縮機と、冷却器および冷却用送風機を積層構造としているため、設置に要する面積が小さいコンパクトな構成とすることができ、比較的小型の保冷米びつ装置への組み込みも容易となり、組み立て性、メンテナンス性に優れた構成とすることができる。
また、前記ヒートポンプ装置は、ユニット台に搭載され、ユニット台の挿入、引き出しによって前記機械室への装着、機械室からの取り出しが行なえるため、保冷米びつ装置とは独立して組み立て、点検等が可能となり、その結果、組み立ておよびメンテナンス等の作業を容易とすることができる。特に、組み立てに際しては、溶接、冷媒ガス封入作業が伴う冷凍サイクル装置を予め完成させ、本体に組み込むことができるため、保冷米びつ装置の組み立てが容易となる。
さらに、前記冷却室と循環風路が直結した構成となり、冷却器により冷却された冷気を効率よく循環させることができる。
また、冷風の循環風路を形成する冷却器の水受け皿と、冷却室用の断熱蓋を一つの構造体で構成することができ、部品点数およびコスト、組み立て工数の削減が可能となるものである。
また、かかる構成とすることにより、ユニット台の装着、引き出しを前記開口から行なうことができ、また、前記ユニット台の装着操作で、前記断熱蓋による冷却室の閉塞が可能となり、また、前記ユニット台の引き出し操作で前記冷却室を開口することが可能となる。したがって、前記ユニット台の装着、引き出し操作において、前記冷却器あるいは冷却用送風機の冷却室との引っかかりを避けるために、ユニット台を持ち上げるような操作が伴うこともなく、単純な水平移動でヒートポンプ装置の取り出し、装着が可能となり、メンテナンス等の作業性を向上することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記米びつ本体の一面に、前記放熱器が面する吸入開口部を設け、さらに、前記機械室内に、前記放熱器の放熱作用を促進する放熱用送風機を設け、また、前記本体における前記吸入開口部を設けた面と異なる面に、前記機械室内に開口する排出開口部を設け、少なくとも前記排出開口部に、外側に所定の寸法で突出するダクト部を設けたものである。
かかる構成によれば、前記ダクト部により、米びつ本体と室内壁面等との密着を規制し、放熱器の放熱風路を確保することができる。また、前記機械室内で発生する騒音の前記排出開口部からの漏出を、前記ダクト部によって緩和することができ、静寂性を向上することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記貯蔵部の底面および該底面に対向する冷却室の底面をそれぞれ同一方向の傾斜面としたものである。
かかる構成とすることにより、前記貯蔵部内の貯蔵物を円滑に排出させるための傾斜面に沿って前記冷却室を傾斜させ、これに伴い前記機械室内に高さが異なる空間を形成することができる。その結果、この高さの異なりを利用して前記圧縮機と冷却器と冷却用送風機の積層構造を収容することができ、限られたスペースの合理的な活用が可能となる。
特に、前記冷却器または冷却用送風機の一方を、前記傾斜面の高位側に配置することにより、前記冷却室内における傾斜を有効に利用した冷却器と冷却用送風機の配置が可能となり、ヒートポンプ装置の高さ方向寸法を、前記貯蔵部の底面の傾斜に沿わせることができ、ヒートポンプ装置をよりコンパクトに構成することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記米びつ本体における機械室の天井高さが高い空間部が臨む面に前記開口を設け、さらに、前記ユニット台における放熱器と圧縮機の間に、前記冷却器の結露水を蒸発させる蒸発装置を設けたものである。
かかる構成によれば、前記閉塞板を取り外すことにより、前記ユニット台を引き出すことなく蒸発装置等のメンテナンスが可能となり、メンテナンス、サービス性の向上をはかることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、前記断熱蓋に、前記冷却室の一側面を形成する側壁部を設け、さらに、前記米びつ本体における前記側壁部が面する側面に前記開口を設け、前記ユニット台における前記開口と対向する位置に、少なくとも前記圧縮機の運転を制御する制御装置を設けたものである。
かかる構成によれば、前記閉塞板を取り外すことにより、前記ユニット台を引き出すことなく制御装置等のメンテナンスが可能となり、メンテナンス、サービス性の向上をはかることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明において、前記断熱蓋と前記断熱区画壁を一体化し、前記断熱区画壁を前記ユニット台に取り付けたものである。
かかることにより、前記断熱蓋を前記ユニット台へ安定して固定することができる。したがって、組み立て当初から断熱蓋と冷却器、冷却用送風機の位置関係を安定させ、その状態を保って前記冷却室内へ組み込むことが可能となり、組み立ての品質を安定させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における保冷米びつ装置の前扉を開放した状態の斜視図である。図2は、同実施の形態1における保冷米びつ装置の内部構造を示す側面断面図である。図3は、同実施の形態1における保冷米びつ装置の内部構造を示す前扉を取去った状態の背面からの分解斜視図である。図4は、同実施の形態1における保冷米びつ装置の冷凍サイクル装置の組み込み状態を示す前扉と前面板と天板と背面板を取去った状態の背面分解斜視図である。
図1乃至図4において、筐体形状に形成された米びつ本体1は、上面に、白米(貯蔵物)を投入する投入口3と、この投入口3を閉塞する天板を兼ねた蓋2を具備し、前面に、白米の残量の目視のための残量確認窓4、および白米の取り出しのための計量操作レバー12aをそれぞれ具備した前面板を兼ねるパネル部5と、パネル部5を閉塞する開閉可能な前扉6を具備し、背面には、背面板(本発明の閉塞板に相当)15が着脱可能に取り付けられ、また、底部には、米びつ本体1の移動を容易にするキャスター7を具備している。
また、米びつ本体1の内部は、発泡性の断熱材等からなる断熱区画壁8により、収納室9の下部空間が、収納室9側と、背面が開放された機械室30側に断熱区画されている。そして、収納室9には、投入口3に開口した矩形の米びつ(本発明の貯蔵部に相当)10と、米びつ10内の白米を所定量に計量し、米受け容器11に排出する計量操作部12等が設けられている。この米びつ10の配置により、機械室30の上部は覆われた構成となっている。
さらに、米びつ10は、米びつ本体1の内面と所定間隔あけて配置され、また、米びつ10の周囲は、その間隔を利用して収納室9と機械室30に区画する断熱区画壁8と連続する左右の断熱壁体13と、前後の断熱壁体14によって囲われている。これらの断熱壁体13、14についても、断熱区画壁8と同様に、発泡性の断熱材等によって形成されている。
左右の断熱壁体13は、図2乃至図4に示す如く米びつ10を左右より挟んで設けられ、前後の断熱壁体14は、パネル部5の内面と、米びつ本体1を形成する背面板15の内面にそれぞれ設けられている。そして、背面板15を米びつ本体1の背面に取り付けるこ
とにより、米びつ10は断熱壁体13、14によって囲われた構成となり、また、機械室30の開放面も閉塞される。したがって、必要に応じて蓋2に断熱機能を付加することにより、米びつ10の周囲をより確実な断熱構造とすることができる。
ここで、パネル部5側の断熱壁体14と米びつ10の間には、米びつ10の前面が面する空間部(本発明の循環風路に相当)16が形成されている。また、左右の断熱壁体13の背面側には、図2乃至図4に示す如く、左右の断熱壁体13の間隔を利用して米びつ10の背面が面する吹出し風路(本発明の循環風路に相当)17が上下方向に延びて形成され、さらに、左右の断熱壁体13の上部に、吹出し風路17と連通する流入口18を設けている。したがって、吹出し風路17は、背面板15が装着されると、断熱状態の風路となる。
さらに、左右の断熱壁体13の内面には、図3に示す如く一方が流入口18と連通し、他方がパネル部5側の空間部16に開口した空洞部(本発明の循環風路に相当)19が設けられ、この空洞部19の形成によって米びつ10の左右面が空洞部19内に面している。
また、米びつ10の上部には、通気孔20が全周に亘って設けられている。したがって、米びつ10の内部は、左右に位置する通気孔20を介して空洞部19と連通し、前後に位置する通気孔20を介してパネル部5側の空間部16と吹出し風路17にそれぞれ連通している。
さらに、米びつ10の底面は、白米の排出が円滑となるよう漏斗状に形成されている。したがって、米びつ10の底面は、少なくとも傾斜した一面を有している。
そして、米びつ10における底面(機械室30の天井面)には、左右の断熱壁体13の間隔を利用して、一方が吹出し風路17と連通し、他方に断熱区画壁8を介して収納室9(計量操作部12)側に開口する吸込み口21を形成した冷却室(空間)22が形成されている。この冷却室22は、機械室30に面した左右の断熱壁体13の間隔空間(以下、説明の便宜上開口部と称す)23を具備し、この開口部23に、成型可能な断熱材等からなる断熱蓋24を取り付けることにより、閉塞された冷却室22が形成される。
また、断熱蓋24は、機械室30の天面に、米びつ10の底面の傾斜と略平行に傾斜した面を形成する形に形成され、開口部23へは着脱可能に取り付けられる。したがって、断熱蓋24が取り付けられた冷却室22は閉塞状態となり、冷却室22内の冷気が漏れないように構成され、また、機械室30の空間は、米びつ本体1の背面側が高く、吸込み口21に向けて低くなる空間に形成されている。
さらに、冷却室22の開口部23は、吸込み口21から吹出し風路17に亘って延出しているため、断熱蓋24は、吸込み口21側に、断熱区画壁8と当接するように延出した水平部24aを有し、吹出し風路17側に、上方へ延出し、背面板15の断熱壁体14の下端と当接して吹出し風路17の背壁の一部を形成する立ち上り部24b(高位縁)を設け、水平部24aと立ち上がり部24bの間を、前述の如く米びつ10の底面の傾斜と略平行の空間を形成するように傾斜した面を具備した構成としている。
したがって、断熱蓋24は、水平方向の移動が可能であり、この水平方向の移動によって、冷却室22の開放と閉塞を行なうことができる。ここで、立ち上がり部24bと断熱壁体14の当接部において、相互に段差(図示せず)を設け、この段差の当接により立ち上がり部24bと断熱壁体14の当接部における吹出し風路17のシール性を確保するように構成してもよい。
また、断熱蓋24の底面(内面)には、その厚さ方向に窪んだ水受け皿部25が設けられている。そして、水受け皿部25における最も低位となる箇所には、後述するドレンホース38(図2)が接続されるドレン口26(図4)を設けている。また、断熱蓋24の一側には、後述する配管34cおよび冷却用送風機37のリード線(図示せず)を引き回すための凹部27aが設けられ、水平部24aには、後述する放熱器32からの配管34bを引き回すための凹部27bが設けられている。
その結果、断熱蓋24による冷却室22の閉塞状態において、凹部27aは、該断熱蓋24の側面と図4中右の断熱壁体13との当接によって閉塞され、また、凹部27bは、該断熱蓋24の水平部24aと断熱区画壁8との当接によって閉塞されるため、これらの凹部27a、27bから冷却室22内の冷気が機械室30へ漏れることはない。なお、必要に応じて、各配管34b、34cとの隙間を埋めるように各凹部27a、27bにウレタンフォーム等の柔軟性を有するシール材(図示せず)を封入することも可能で、かかることにより、より確実に冷気の漏れを防止することができる。
機械室30は、背面板15を取り外すことによって背面に開口しており、その機械室30内には、圧縮機31、放熱器32、減圧装置(図示せず)、および冷却器33を具備した冷凍サイクル装置(本発明のヒートポンプ装置に相当)35、およびこの冷凍サイクル装置35の運転を制御する制御装置42が配置され、圧縮機31、放熱器32、減圧装置、および冷却器33は、図4に示す如く配管34a、34b、34cにより、圧縮機31からの冷媒がこれらを循環するように接続されている。
そして、放熱器32には、該放熱器32の放熱作用を促進させる放熱用送風機36が適宜手段によって取り付けられ、また、冷却器33には、該冷却器33の冷却作用を促進させる冷却用送風機37が適宜手段によって取り付けられている。なお、必要に応じて冷却用送風機37は、冷却器33に隣接して配置する構成とすることもできる。
ここで、冷却器33と冷却用送風機37は、圧縮機31の上方に位置し、その通風方向が米びつ10の底面と略平行になるように若干傾斜しており、また、圧縮機31との間には、前述の断熱蓋24が配置されている。この冷却器33と冷却用送風機37の傾斜した取り付けにより、本実施の形態1においては、冷却用送風機37が上位に位置しているが、断熱蓋24の立ち上り部24bよりも低い配置関係となっている。
冷凍サイクル装置35および制御装置42は、ユニット台35aに搭載された状態で機械室30内に配置されており、また、ユニット台35aは、米びつ本体1の背面より機械室30内から取出し可能に装着されている。なお、制御装置42は、必要に応じて米びつ本体1側に固定し、コネクタ(図示せず)を介しての配線分離可能な構成としてユニット台35aに搭載した冷凍サイクル装置35と分離する構成とすることも可能である。
具体的には、ユニット台35aは、機械室30の底面を形成するように、その幅寸法および奥行き寸法が設定され、米びつ本体1の背面から装着、引出し可能なように配置されている。そして、圧縮機31と放熱器32がユニット台35a上に固定され、冷却器33は、配管34b、34cによって支持された状態で前述の如く圧縮機31の上方に配置されている。
換言すると、冷却器33は、米びつ装置の必要とする冷却能力が小さい関係上、銅管等で形成される配管34b、34cによって十分支持できる小型かつ軽量の構成となっている。
さらに、冷却器33と冷却用送風機37は、ユニット台35aが正規の状態で機械室30内に配置されると、冷却室22内に位置するようにその高さ、前後等の位置が設定されている。
また、断熱蓋24は、前述の一側に設けた凹部27aと、吸込み口21の一辺を形成する水平部24aに設けた凹部27bに配管34b、34cを位置させることにより、この配管34b、34cによって挟持された状態にあり、しかも、配管34b、34c自身の可撓性によって比較的安定して挟持されている。
上述の挟持により、この断熱蓋24も、ユニット台35aが正規の状態で機械室30内に配置されると、断熱区画壁8と水平部24aの当接によって吸込み口26を形成すると同時に、冷却室22の開口部23を閉塞し、立ち上がり部24bによる吹出し風路17の背壁の一部を形成するようにその位置が設定されている。
しかも、断熱蓋24の立ち上がり部24bが最高位にあり、冷却器33と冷却用送風機37の配置を、米びつ10の底面の傾斜に沿う高低差をもった配置としていることに加えて、米びつ本体1の背面が開放されていることから、断熱蓋24は立ち上がり部24bを含めて支障なく水平移動が可能であり、この断熱蓋24の水平移動によって、冷却室22の形成(開口部23の閉塞)と、冷却器33、冷却用送風機37の冷却室22内への配置が同時に行なえるものである。
また、米びつ本体1の側面には、ユニット台35aが正規の位置に装着されたときに放熱器32が対向する開口(本発明の吸入開口部に相当)1aが設けられている。
したがって、放熱器32は、図3に示す如く、放熱用送風機36の送風方向における放熱器32の一部が、機械室30に面する図中左側の断熱壁体13の厚さt方向の投影面内に位置し、機械室30内のスペースの有効化をはかった取り付け構成となっている。
さらに、機械室30内には、断熱蓋24の水受け皿部25に接続されたドレンホース38と、ドレンホース38からのドレン水を受ける蒸発皿(本発明の蒸発装置に相当)39と、下部がこの蒸発皿39内のドレン水に浸漬した吸水シート40が設けられている。この蒸発皿39と吸水シート40は、図3に示す如く、放熱器32と熱交換した温風が通過する位置に配置されており、前記温風によってドレン水の蒸発が促進されるように構成されている。また、必要に応じて周知の如く、冷凍サイクル装置35の高圧側の配管34aと蒸発皿39を熱交換させるようにしてもよい。
これらのドレンホース38、蒸発皿39、吸水シート40は、冷凍サイクル装置35に付随して設けられているもので、ユニット台35aの機械室30からの引出し、機械室30への装着に伴い冷凍サイクル装置35と一体となって移動するが、蒸発皿39は、ユニット台35aに載置されているため、吸水シート40の交換等に応じて任意に移動させることができる。
また、背面板15には、機械室30に開口した排気口(本発明の排出開口部に相当)15aと、一端が排気口15aに連通した排気ダクト(本発明のダクト部に相当)41が設けられ、この排気口15aと排気ダクト41は、閉塞された機械室30内の温風の排出経路を構成している。特に、排気ダクト41は、排気口15aを通過する気流の方向を規制するように、その先端が排気口15aから外れた位置に開口している。
さらに、排気ダクト41は、米びつ本体1から突出しているため、米びつ装置が設置される部屋の壁面42との間隔を維持するスペーサーの機能も有している。
そして、冷凍サイクル装置35、および制御装置42等を搭載したユニット台35aの所定位置への配置後、必要に応じてユニット台35aを米びつ本体1に固定し、背面板15を米びつ本体1へ取り付けることにより、機械室30側の組み立てが終了する。
次に、保冷米びつ装置における貯蔵物(白米)の冷却貯蔵を行う動作について説明する。
図2および図3において、圧縮機31および放熱用送風機36、冷却用送風機37を運転することにより、冷凍サイクルが形成される。したがって、放熱器32では、矢印Xで示す如く気流効果を得ながら放熱作用が行われ、冷却器33側では、矢印Yで示す如く気流効果を得ながら冷却(吸熱)作用が行われる。
ここで、機械室30においては、矢印Xで示す如く米びつ本体1の開口1aから吸込まれた外気が、放熱器32と熱交換した温風となり、吸水シート40を介して蒸発皿39内のドレン水の蒸発を促し、排気口15aを介して排気ダクト41から米びつ本体1の外へ排出される。
また、排気ダクト41は、機械室30内の温風を排出する機能に加えて、米びつ本体1と設置される部屋の壁面42との間隔を維持するスペーサーの機能も有している。したがって、壁面42に米びつ本体1が密着して設置されることに伴い、機械室30内の温風の排出が阻害され、不都合が生じることもない。
また、冷凍サイクル装置35は、圧縮機31を含めて可動部が多いため、様々な運転音が発生するが、排気ダクト41を、その先端が排気口15aから外れた位置に開口するように設けたことにより、排気口15aから漏れ出る音をこの排気ダクト41で反射、吸収することができ、その結果、外部へ漏れ出る音を抑制することができる。
一方、断熱区画壁8で区画された収納室9側では、冷却室22内の冷却器33により冷却された冷気が、図2、図3の矢印Yで示す如く冷却用送風機37によって吹出し風路17から左右の断熱壁体13の流入口18へ流入する。このとき、一部の冷気は、米びつ10の上部に設けられた通気孔20から米びつ10内に流入する。
そして、左右の断熱壁体13の流入口18へ流入した冷気は、空洞部19を通過し、パネル部5側の空間部16から冷却室22の吸込み口21へと流れるが、空洞部19を通過する際に、一部の冷気は、図3に示す如く、米びつ10の上部に設けた通気孔20から米びつ10内へ流入し、パネル部5側の空間部16に開口する通気孔20より空間部16へ流出し、冷却室22の吸込み口21へと流れる。
上述の如く、冷却室22、吹出し風路17、空洞部19、空間部16と冷気を循環させることにより、米びつ10は、表面から冷却されることになり、米びつ10内の白米(貯蔵物)を合理的に冷却することができる。
なお、米びつ10の過冷却を防止するために、周知の如く検出温度により冷凍サイクル装置35を断続運転させ、白米の保管温度を調節することもできる。
また、上述の冷却動作に伴い、冷却室22内の冷却用送風機37は、その送風方向が米びつ10の底面の傾斜と略平行となるように、断熱蓋24に傾斜して設けられているため、圧力損失を抑えた送風が行なえ、送風効率の低下、送風音の増加を抑制することができる。
さらに、冷却器33に結露したドレン水は、断熱蓋24の水受け皿部25で受けられ、ドレン口26からドレンホース38を介して蒸発皿39へ導かれ、吸水シート40に滲み込み、放熱器32からの温風により蒸発が促され、放熱に伴う温風と共に排気ダクト41から外部へ排出される。したがって、ドレン水の処理も支障なく行なうことができる。
また、冷凍サイクル装置35は、予め圧縮機31、放熱器32、減圧装置、冷却器33等を、配管34a、34b、34cによって接続し、さらに冷凍サイクル装置35と制御装置42の配線接続を行なった完成状態とし、これらをユニット台35aに搭載したユニット構造物(以下、ユニットと称す)としているため、背面板15を除いた状態の米びつ装置と独立した組み立てが可能となり、放熱器32、冷却器33等を個別に米びつ本体1内へ組み込み、溶接するといった作業が不要となり、組み立て作業性を大幅に改善することができる。
そして、冷凍サイクル装置35の機械室30内への組み込みも、ユニット台35aを本体1の背面より水平方向へ移動することによって行なうことができ、さらに、ユニット台35aの水平移動に伴い、冷却器33、冷却用送風機37を冷却室22内へ配置し、同時に断熱蓋24によって冷却室22を閉塞することができる。
換言すると、冷凍サイクル装置35を組み込む機械室30の開放面を、米びつ本体1の背面に設けたことにより、米びつ10の底面、すなわち冷却室22の底面の傾斜において、高い位置まで伸びる空間(広い面積)側から冷凍サイクル装置35(ユニット)の挿入、装着が可能となり、しかも冷却室22の底面も、パネル部5側が低位となるように傾斜しているため、開放面側から冷却室22の底面に形成した開口部23の位置確認も容易となる。
また、冷却器33および冷却用送風機37の冷却室22内への配置作業も、断熱蓋24による開口部23の閉塞を確認することにより完了するため、容易であり、しかも、前記開放面(本体1の背面)側からの目視確認が可能となり、より確実に作業を行なうことができる。
なお、前記ユニットの機械室30内への配置状態において、必要に応じて放熱器32を、米びつ本体1の側面に沿って位置させ、ねじ止め等の適宜手段で開口1aに面して固定し、また、ユニット台35aについても適宜周知の手段を用いて米びつ本体1の底面に固定することにより、圧縮機31等の振動に起因したユニット台35a等からの振動音を抑制することができる。
そして、背面板15を本体1に取り付けることにより、ユニットの本体1への組み込みと吹出し風路17の形成を完了する。
また、制御装置42が冷凍サイクル装置35と分離している場合は、ユニットの機械室30内への装着と並行して配線接続を行なうことができる。かかる構成は、米びつ装置の運転制御機能を制御装置42が具備している場合、あるいは冷凍サイクル装置35の制御装置と米びつ装置の制御装置が分離している場合に適している。
さらに、メンテナンス等の都合で、ユニット(冷凍サイクル装置35)を機械室30から取り出す場合は、手順を逆にし、行なえばよいものである。
すなわち、背面板15を取り外し、必要に応じて制御装置42の配線を分離し、ユニット台35aを本体1から水平方向に引き出すことにより、断熱蓋24は、冷却室22から
水平移動で分離し、冷凍サイクル装置35を分解することなくユニット台35aごと機械室30から取り出すことができる。
かかるユニット台35aの水平方向への引出し操作は、限られた容積の機械室30において、その天井(冷却室22の底面)を、パネル部5側が低く、背面側が高くなる傾斜面とすることにより行なえるもので、しかもその傾斜面も、米びつ10内の白米(貯蔵物)の排出を円滑にするために形成した底面の傾斜を利用して形成したものであり、冷却器33および冷却用送風機37を圧縮機31の上方に配置した構成による冷凍サイクル装置35のコンパクト化に伴って冷凍サイクル装置35の合理的な装着、取り出しを可能にしつつ、貯蔵物の収容量を確保した構成を得ることができるものである。
上述の如く、本実施の形態1の保冷米びつ装置は、冷凍サイクル装置35を熱源としながらも、熱源をペルチェ方式とする構成と同等の収納容積を維持する米びつ本体1とし、さらに、運転の静寂性を向上すると共に冷却性能の安定化をはかり、また、組み立て、および保守・点検の作業性に優れた保冷米びつ装置を提供することができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における保冷米びつ装置の冷凍サイクル装置の組み込み状態を示す前扉と前面板と天板と背面板を取去った状態の背面分解斜視図である。本実施の形態2においては、先の実施の形態1と相違する内容を主体に説明し、先の実施の形態1と同様の構成要件については、同一の符号を付して説明する。また、保冷米びつ装置の断面構造等については、先の実施の形態1の図1乃至図3を援用する。
先の実施の形態1においては、断熱蓋24の冷凍サイクル装置35への取り付けを、配管34b、34cの可撓性を利用して配管34b、34cに挟持する構成としていたが、本実施の形態2においては、実施の形態1に加えて図5に示す如く、左右の断熱壁体13の下部を若干延長し、その延長部分に、前後方向に延びる一対の係合溝13aを設け、また断熱蓋24の両側に、水平方向に突出し、係合溝13aと係合する係合突起24cを設けた構成が先の実施の形態1と相違する。
したがって、冷凍サイクル装置35およびユニット台35a等からなるユニットを機械室30に装着する場合は、ユニット台35aを水平方向に移動することにより、まず、断熱蓋24の係合突起24cと左右の断熱壁体13に設けた係合溝13aの係合が始まり、さらにユニット台35aの水平移動を続けることにより、冷凍サイクル装置35とともに断熱蓋24も係合突起24cと係合溝13aの係合状態を保ちながら前面方向へ移動する。
そして、最後にユニット台35aが所定位置に到達することにより、冷凍サイクル装置35は所定位置に配置され、放熱器32は、米びつ本体1に設けられた開口1aと対向し、冷却器33と冷却用送風機37は、冷却室22内の所定位置に配置され、また、断熱蓋24は、その水平部24aが断熱区画壁8と当接して吸込み口21を形成し、両側が左右の断熱壁体13と当接し、さらに、立ち上がり部24bが吹出し風路17の背壁の一部を形成した時点で冷却室22の閉塞、すなわち冷却室22の形成が完了する。
そして、必要に応じてユニット台35a等を米びつ本体1へ固定し、断熱壁体14を具備した背面板15を取り付けることにより、ユニットの米びつ本体1への組み込みと吹出し風路17の形成が終了する。
なお、米びつ10内の白米(貯蔵物)を冷却する動作については、実施の形態1と同様に行なわれる。
本実施の形態2においては、実施の形態1と一部の作用効果が相違し、上述の如く断熱蓋24が、断熱蓋24に設けた係合突起24cと断熱壁体13に設けた係合溝13aの係合によって案内され、冷却室22へ到達するため、大幅な位置ずれが伴う閉塞となることがなく、しかも、断熱壁体13に支持された状態での冷却室22の閉塞となるため、断熱蓋24による冷却室22の閉塞状態が安定し、冷却器33と断熱蓋24の水受け皿部25との位置関係も安定したものとなる。また、閉塞のための操作も、ユニット台35aの装着操作と一連の操作となるため、合理的な作業で行なうことができる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3における保冷米びつ装置の冷凍サイクル装置の組み込み状態を示す前扉と前面板と天板と背面板を取去った状態の背面分解斜視図である。本実施の形態3においては、先の実施の形態1、2と相違する内容を主体に説明し、先の実施の形態1と同様の構成要件については、同一の符号を付して説明する。また、保冷米びつ装置の断面構造等については、先の実施の形態1の図1乃至図3を援用する。
先の実施の形態1、2においては、米びつ本体1内を収納室9側と機械室30側に区画する断熱区画壁8と断熱蓋24を別体とした構成であったが、本実施の形態3においては、断熱蓋24dを一体に設けた断熱区画壁8aを、ユニット台35aに取り付け、ユニット台35aの装着、引出し操作に伴って米びつ本体1内の収納室9と機械室30の断熱区画と、収納室9と機械室30の連通を可能とした構成としている。
したがって、米びつ本体1側においても、その側面に断熱材製の区画壁8bを設け、断熱区画壁8aの当接(嵌合)により、収納室9側と機械室30側の断熱区画が形成される構成としている。なお、断熱区画壁8aのユニット台35aへの固定は、適宜手段にて行なわれるものである。
また、冷却器33および冷却用送風機37と断熱蓋24dの位置関係は、実施の形態1、2と同様に、断熱蓋24cの側面に設けた凹部27aと水平部24aに設けた凹部27bに配管34b、34cが嵌り込んでいることからその位置が保たれている。
上記構成において、冷凍サイクル装置35およびユニット台35a等からなるユニットを機械室30に装着する場合は、ユニット台35aを水平方向に移動することにより、冷凍サイクル装置35と、断熱区画壁8aと、断熱蓋24dを同時に移動させることができる。
そして、最後にユニット台35aが所定位置に到達することにより、断熱区画壁8aは、米びつ本体1側に設けた区画壁8bと当接して米びつ本体1内における収納室9と機械室30を断熱区画構成とし、また、本体1側に設けた区画壁8bと断熱蓋24dの水平部24aとの当接によって吸込み口21を形成し、さらに、断熱蓋24dは、前述の断熱区画壁8aによる断熱区画構成の形成、および吸込み口21の形成と同時に、左右の断熱壁体13と当接して冷却室22の開口部23の閉塞と、立ち上がり部24bによる吹出し風路17の背壁の一部を形成し、これによって冷却室22が形成される。
また、冷凍サイクル装置35についても所定位置に配置され、放熱器32は、米びつ本体1に設けられた開口1aと対向し、冷却器33と冷却用送風機37も、冷却室22内の所定位置に配置された状態となる。
そして、必要に応じてユニット台35a等を米びつ本体1へ固定し、断熱壁体14を具備した背面板15を取り付けることにより、ユニットの米びつ本体1への組み込みと、吹
出し風路17の形成が終了する。
なお、米びつ10内の白米(貯蔵物)を冷却する動作については、実施の形態1と同様に行なわれる。
本実施の形態3においては、実施の形態1と一部の作用効果が相違し、断熱蓋24dを断熱区画壁8aと一体化することにより、断熱蓋24dの位置が固定され、組み立て当初から断熱蓋24dと冷却器33、冷却用送風機37の位置関係を安定させ、その状態を保って米びつ本体1(冷却室22)内へ組み込むことが可能となり、組み立ての品質を安定させることができる。
また、断熱蓋24dの位置が固定されることに伴い、配管34b、34cとの接触を避けることも可能となり、配管34b、34cの振動が断熱蓋24dに伝達されることを抑制することができる。
さらに、必要に応じて冷却器33と冷却用送風機37をこの断熱蓋24dに載置する構成とすることも可能となり、その結果、断熱蓋24dと冷却器33、冷却用送風機37の配置関係における設計の自由度を増すことができる。
また、冷却室22の閉塞と、断熱区画壁8aによる収納室9と機械室30の区画作業を、ユニット台35aの装着操作と一連の動作で行なうことができ、作業の合理化をはかることができる。
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4における保冷米びつ装置の冷凍サイクル装置のユニット構成を示す斜視図である。図8は、同実施の形態4におけるユニット台と断熱区画壁と断熱蓋の組み立て構成を示す断面図である。本実施の形態4においては、先の実施の形態1乃至3と相違する内容を主体に説明し、先の実施の形態1乃至3と同様の構成要件については、同一の符号を付して説明する。また、保冷米びつ装置の米びつ本体構造については、先の実施の形態3の図6を援用し、保冷米びつ装置の断面構造等については、先の実施の形態1の図1乃至図3を援用する。
本実施の形態4は、図7に示す如く、ユニット台35aに搭載した冷凍サイクル装置35に、冷却器33の固定を行なう固定金具43を設けた構成が先の実施の形態1乃至3と相違する。
図7、図8において、ユニット台35aには、実施の形態1と同様に、冷凍サイクル装置35および制御装置42等が載置されている。さらに、ユニット台35aには、実施の形態3と同様に、米びつ本体1側の区画壁8bと分離した断熱区画壁8cが取り付けられ、また圧縮機31と冷却器33の間には、断熱蓋24が配置されている。
また、ユニット台35aには、断熱区画壁8cと断熱蓋24を一体化するための支持金具44が設けられている。この支持金具44は、金属製あるいは樹脂製の板材からなり、水平方向に延びる載置部44aと垂直方向に延びる立脚部44bを具備している。そして、載置部44aには、断熱蓋24が載置され、必要に応じて適宜手段にてこの載置部44aに固定されている。また、立脚部44bは、適宜手段にてユニット台35aに固定され、断熱区画壁8cは立脚部44bに取り付けられている。
さらに、この支持金具44には、前述の固定金具43が取り付けられている。本実施の形態4においては、図8に示す如く、固定金具43は断熱区画壁8cを介してねじ45等
の適宜手段にて支持金具44に固定されているが、支持金具44への取り付け構成は、この構成に限るものではなく、支持金具44と一体化する等、適宜構成を採用することができる。
また、固定金具43は、先端部に取り付け片43aが設けられており、この取り付け片43aは、冷却器33の端板33aと一体に設けられた当接片33bとねじ等の適宜手段にて固定されている。
したがって、冷却器33および冷却器33に固定された冷却用送風機37は、固定金具44に固定された状態にあり、断熱蓋24に載置された状態であればその状態を維持し、また断熱蓋24から所定間隔あけて配置された状態であればその状態を維持する。
上記構成において、冷凍サイクル装置35およびユニット台35a等からなるユニットを機械室30に装着する場合は、ユニット台35aを水平方向に移動することにより、先の実施の形態3と同様に、冷凍サイクル装置35と、断熱区画壁8cと、冷却室22の開口部23を閉塞する断熱蓋部24を同時に移動させることができる。
そして、最後にユニット台35aが所定位置に到達することにより、断熱区画壁8cは、米びつ本体1側に設けた区画壁8bと当接して米びつ本体1内における収納室9と機械室30を断熱区画構成とし、また、米びつ本体1側に設けた区画壁8bと断熱蓋24の水平部24aとの当接によって吸込み口21を形成し、さらに、断熱蓋24は、前述の断熱区画壁8cによる断熱区画構成の形成、および吸込み口21の形成と同時に、左右の断熱壁体13と当接して冷却室22の開口部23の閉塞と、立ち上がり部24bによる吹出し風路17の背壁の一部を形成し、これによって冷却室22が形成される。
また、冷凍サイクル装置35についても所定位置に配置され、放熱器32は、米びつ本体1に設けられた開口1aと対向し、冷却器33と冷却用送風機37も、冷却室22内の所定位置に配置された状態となる。
そして、必要に応じてユニット台35a等を米びつ本体1へ固定し、断熱壁体14を具備した背面板15を取り付けることにより、ユニットの本体1への組み込みと、吹出し風路17の形成が終了する。
なお、米びつ10内の白米(貯蔵物)を冷却する動作については、実施の形態1と同様に行なわれる。
本実施の形態4においては、実施の形態1と一部の作用効果が相違し、断熱蓋部24と断熱区画壁8cを、支持金具44を介して一体化することにより、断熱蓋24の位置が固定され、しかも、固定金具43に冷却器33を固定することにより、配管34b、34cの撓み等に伴って位置ずれを生じることもなく、冷却器33と断熱蓋24との配置関係を正確に維持することができる。
その結果、組み立て当初から断熱蓋24と冷却器33、冷却用送風機37の位置関係を安定させ、その状態を保って米びつ本体1(冷却室22)内へ組み込むことが可能となり、組み立ての品質を安定させることができる。
また、断熱蓋24の位置が固定されることに伴い、配管34b、34cとの接触を避けることも可能となり、配管34b、34cの振動が断熱蓋24に伝達されることを抑制することもできる。
さらに、必要に応じて冷却器33と冷却用送風機37をこの断熱蓋24に載置する構成とすることも可能となり、その結果、断熱蓋24と冷却器33、冷却用送風機37の配置関係における設計の自由度を増すことができる。
また、冷却室22の閉塞と、断熱区画壁8cによる収納室9と機械室30の区画作業を、ユニット台35aの装着操作と一連の動作で行なうことができ、作業の合理化をはかることができる。
(実施の形態5)
図9は、本発明の実施の形態5における保冷米びつ装置の内部構造を示す側面断面図である。図10は、同実施の形態5における保冷米びつ装置の冷凍サイクル装置の組み込み状態を示す前扉と天板を取去った状態の背面分解斜視図である。本実施の形態5においては、先の実施の形態1乃至4と相違する内容を主体に説明し、先の実施の形態1と同様の構成要件については、同一の符号を付して説明する。
図9、図10において、本実施の形態5は、背面板15を分割構成とした点が先の実施の形態1乃至4と相違する。
すなわち、背面板15は、上部板15bと下部板(本発明の閉塞板に相当)15cに分割され、通常上部板15bと下部板15cは、本体1にねじ止め等の適宜手段にて固定されており、メンテナンス時等の場合には、通常下部板15cが取外される。
また、冷却器33と冷却用送風機37は、先の実施の形態1と同様に圧縮機31の上方に位置し、その通風方向が米びつ10の底面と略平行になるように若干傾斜しており、さらに、圧縮機31との間には、断熱蓋24が配置されている。この冷却器33と冷却用送風機36の傾斜した取り付けにより、本実施の形態5においては、先の実施の形態1と同様に冷却用送風機37が上位に位置している。
したがって、断熱蓋24の立ち上がり部24bの先端を、冷却用送風機37よりも上位で、かつ上部板15bの断熱壁体14の下端と当接するように延出し、また、下部板15cを取り外したときに断熱蓋24の立ち上がり部24bが露出するように下部板15cの高さ寸法を設定することにより、下部板15cを取り外した場合に、冷凍装置35を機械室30からユニット台35aごと引き出すことができる。また、下部板15cを取り付ける前のユニット台35aの装着状態において、断熱蓋24の立ち上がり部24bにより吹出し風路17が形成される。
ここで、本実施の形態5においては、断熱蓋24の立ち上がり部24bと上部板15bの断熱壁体14との当接部14aを、相互に設けた段差の当接構造とし、立ち上がり部24bと断熱壁体14の当接部14aにおける吹出し風路17のシール性を確保するように構成している。
なお、冷凍サイクル装置35およびユニット台35a等からなるユニットは、断熱蓋24の立ち上がり部24bの先端が、冷却用送風機37よりも上位で、かつ上部板15aの断熱壁体14の下端と当接するように形成されていれば、実施の形態2乃至実施の形態4のいずれの構成でもよいもので、ここでは、実施の形態1のユニットを採用した構成として説明する。
上記構成において、冷凍サイクル装置35およびユニット台35a等からなるユニットを機械室30に装着する場合は、ユニット台35aを水平方向に移動することにより、先の実施の形態1と同様に、冷凍サイクル装置35と、冷却室22の開口部23を閉塞する
断熱蓋24を同時に移動させることができる。
そして、最後にユニット台35aが所定位置に到達することにより、断熱蓋24は、水平部24aと断熱区画壁8の当接によって吸込み口21を形成し、さらに、左右の断熱壁体13と当接して冷却室22の開口部23の閉塞と、立ち上がり部24bによる吹出し風路17の背壁の一部を形成し、これによって冷却室22と吹出し風路17が形成される。
また、冷凍サイクル装置35についても所定位置に配置され、放熱器32は、米びつ本体1に設けられた開口1aと対向し、冷却器33と冷却用送風機37も、冷却室22内の所定位置に配置された状態となる。
そして、必要に応じてユニット台35a等を米びつ本体1へ固定し、下部板15bを取り付けることにより、ユニットの米びつ本体1への組み込みが終了する。
なお、米びつ10内の白米(貯蔵物)を冷却する動作については、実施の形態1と同様に行なわれる。
本実施の形態4においては、実施の形態1の作用効果に加えて、背面板15を上部板15aと下部板15bの分割構成としたことにより、米びつ本体1側では吹出し風路17までの組み立てが可能となる。
したがって、米びつ装置の組み立てを、ユニット台35aに搭載した冷凍サイクル装置35側の組み立てと、米びつ10等を組み込む米びつ本体1側の組み立てを独立して行なうことができ、最後に、冷凍サイクル装置35等からなるユニットの機械室30への装着と、制御装置42関係の結線作業を行ない、下部板15bを取り付ける作業で保冷米びつ装置を完成させることができる。
このように、冷凍サイクル装置35側の組み立てと、米びつ本体1側の組み立てを独立して行なうことができるため、それぞれの側の組み立て、あるいは構成に不具合が発生しても個別に対応することができ、組み立て作業、あるいはメンテナンス等の補修作業等を容易とすることができる。
特に、蒸発皿39と吸水シート40等のメンテナンスについては、下部板15bを取り外すことにより、ユニット台35aを引き出すことなくメンテナンス作業が可能となり、メンテナンス、およびサービス性の向上をはかることができる。
また、機械室30に組み込む冷凍サイクル装置35等のユニット構成およびそれに関係する米びつ本体1の断熱区画構成を、実施の形態2乃至4の構成とすることにより、それぞれの実施の形態で説明したように、冷却室22内における冷却器33と冷却用送風機37の配置の安定化等の作用効果が期待できるものである。
(実施の形態6)
図11は、本発明の実施の形態6における保冷米びつ装置の内部構造を示す側面断面図である。図12は、同実施の形態6における保冷米びつ装置の冷凍サイクル装置の組み込み状態を示す分解斜視図である。本実施の形態6においては、先の実施の形態1乃至5と相違する内容を主体に説明し、先の実施の形態1と同様の構成要件については、同一の符号を付して説明する。なお、本体1の内部構成と、冷凍サイクル装置35およびユニット台35a等からなるユニットの構成は、実施の形態4の構成を基調としているもので、実施の形態4と同様の構成要件については、同一の符号を付して説明する。
図11、図12において、本実施の形態6は、冷凍サイクル装置35およびユニット台35a等からなるユニットを、米びつ本体1の側面から装着、引き出しできるように、米びつ本体1の側面に機械室30の開口部1bを設けた構成が、先の実施の形態1乃至5と相違する。
すなわち、米びつ本体1の側板の一部に開口部1bと、この開口部1bを閉塞する閉塞板1cを設け、通常閉塞板1cは、米びつ本体1にねじ止め等の適宜手段にて固定されており、メンテナンス時等の場合には、通常閉塞板1cが取り外される。
また、閉塞板1cが取り外された開口部1bは、その高さを前記ユニットの断熱蓋24の立ち上がり部24bの最高位が通過できるように設定され、さらに、図12中の右側の断熱壁体13は、冷却器33および冷却用送風機37の側面方向への引き出しが可能となるように、断熱蓋24の立ち上がり部24bの最高位の位置を基点に略水平に切り取られている。その結果、前記ユニットが装着されていない状態は、冷却室22における底面と、図11中の右側の断熱壁体13側の面が開放された構成となっている。
したがって、断熱蓋24の開口部1b側の側壁24eは、前記ユニットの装着状態において、図11中の右側の断熱壁体13と合致して冷却室22と吹出し風路17を形成するように、その形および肉厚等が設定されている。なお、冷却室22における底面と背面板15側は、先の実施の形態1乃至5と同様に、断熱蓋24とその立ち上がり部24bによって閉塞される。
ここで、冷凍サイクル装置35およびユニット台35a等からなるユニットは、断熱蓋24の側壁24eが、図11中の右側の断熱壁体13と合致して冷却室22と吹出し風路17を形成するように、その形および肉厚等が設定されていれば、実施の形態1乃至実施の形態3あるいは、実施の形態5のいずれかの構成を基調とする構成でもよい。
上記構成において、冷凍サイクル装置35およびユニット台35a等からなるユニットを機械室30に装着する場合は、ユニット台35aを、米びつ本体1の側面の開口部1cにおいて水平方向に移動することにより、先の実施の形態3乃至5と同様に、冷凍サイクル装置35と、収納室9と機械室30の断熱区画を構成する断熱区画壁8cと、冷却室22の開口部23を閉塞する断熱蓋部24を同時に移動させることができる。
そして、最後にユニット台35aが所定位置に到達することにより、断熱区画壁8cは、米びつ本体1側(図11中左奥)に設けた区画壁(図示せず)と図11中右手前に設けた区画壁8bにそれぞれ当接して米びつ本体1内における収納室9と機械室30の断熱区画構成を成立させ、また、米びつ本体1側に設けた区画壁8bと断熱蓋24の水平部24aとの当接によって吸込み口21を形成し、さらに、断熱蓋24は、前述の断熱区画壁8cの断熱区画構成の形成、および吸込み口21の形成と同時に、冷却室22の開口部23の閉塞と、立ち上がり部24bによる吹出し風路17の背壁の一部の形成と、その側壁24eによる図11中の右側の断熱壁体13との合致により、冷却室22を形成する。
また、冷凍サイクル装置35についても所定位置に配置され、放熱器32は、本体1に設けられた開口1aと対向し、冷却器33と冷却用送風機37も、冷却室22内の所定位置に配置された状態となる。
そして、必要に応じてユニット台35a等を米びつ本体1へ固定し、開口部1bに、閉塞板1cを取り付けることにより、ユニットの本体1への組み込みと、吹出し風路17の形成が終了する。
なお、米びつ10内の白米(貯蔵物)を冷却する動作については、実施の形態1乃至5と同様に行なわれる。
本実施の形態6においては、実施の形態4と一部の作用効果が相違し、米びつ本体1の側面に設けた開口部1bから冷凍サイクル装置35およびユニット台35a等を具備したユニットの米びつ本体1への装着、および米びつ本体1からの引き出しが行なえるため、米びつ本体1側では吹出し風路17までの組み立てが可能となる。
したがって、米びつ装置の組み立てを、ユニット台35aに搭載した冷凍サイクル装置35側の組み立てと、米びつ10等を組み込む米びつ本体1側の組み立てを独立して行なうことができ、最後に、冷凍サイクル装置35等からなるユニットの機械室30への装着と、制御装置42関係の結線作業を行ない、閉塞板1cを取り付ける作業で保冷米びつ装置を完成させることができる。
このように、冷凍サイクル装置35側の組み立てと、米びつ本体1側の組み立てを独立して行なうことができるため、それぞれの側の組み立て、あるいは構成に不具合が発生しても個別に対応することができ、組み立て作業、あるいはメンテナンス等の補修作業等を容易とすることができる。
特に、制御装置42等のメンテナンスについては、閉塞板1cを取り外すことにより、ユニット台35aを引き出すことなくメンテナンス作業が可能となり、メンテナンス、サービス性の向上をはかることができる。
なお、本実施の形態6においては、断熱蓋24と冷却器33および冷却用送風機37における配置の関係から、断熱蓋24の立ち上がり部24bの先端を最高位としたが、前記三者の配置構成において、断熱蓋24の立ち上がり部24bを必要としない構成の場合は、最高位に位置する冷却器33あるいは冷却用送風機37が通過可能な高さの開口部1bとすることができる。かかる場合は、背面板15の断熱壁体14の下端を延長し、吹出し風路17を形成した構成とし、断熱蓋24は、吹出し風路17と当接する冷却室22の底面と断熱壁体13の側壁を閉塞する構成とすることで、同様の作用効果が期待できる。