JP5358921B2 - 静電吸引式インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

静電吸引式インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

本発明は静電吸引式インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に関し、詳しくは、インクジェットヘッドのノズル板に対向するように対向電極が配置され、インクジェットヘッドと対向電極との間に電界を形成するようにした、例えばプリンタ、ファクシミリ等に適用される静電吸引方式インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置に使用されるインクジェットヘッドは種々存在するが、その中の一つに、圧電材料を使用したオンデマンド方式のインクジェットヘッドがある。
このようなインクジェットヘッドとして、例えば特許文献1には、図14に示すインクジェットヘッドが開示されている。このインクジェットヘッド100は、ノズル板101に設けられたノズル102に通じるインクが充填される吐出キャビティ104とインクの充填されないダミーキャビティ105とを圧電材料からなる駆動壁106を介して交互に並設し、吐出キャビティ104内及びダミーキャビティ105内の両側の駆動壁106の壁面にそれぞれ駆動用電極107を設けた圧力発生体103を備えた構成となっている。
このインクジェットヘッド100は、駆動用電極107に図示しない駆動用電源から駆動電圧を印加することにより駆動壁106を変形させ、吐出キャビティ104内のインクに吐出エネルギーを付与し、インク滴をノズル102から吐出させ、ノズル板101に対向する記録媒体200に着弾させる。
ところが、例えば記録の高精細化を図るために吐出するインク滴を小液滴化しようとすると、以下のような問題がある。
一般に、物体のスケールが小さくなると、粘性力等の表面力が、慣性力や重力等の体積力と比較して相対的に大きくなることが知られているが、かかるインクジェットヘッドを有するインクジェット記録装置では、小液滴化により影響を増す空気の粘性力への対応がなされていないので、インク滴が小さくなればなるほど速度の減速が早く、所定の距離離れた記録媒体に到達できないか、到達しても着弾位置精度が悪くなってしまう。
このような問題を解決するには、ノズルからインク滴を吐出する際の吐出エネルギーを大きくする必要があるが、インク滴の小液滴化と吐出エネルギーの増大化とは相反する課題であり、現実的には極めて困難である。
一方、小液滴化への対策の一つとして、帯電した液滴を電界により記録媒体に向かって加速する静電吸引方式のインクジェット記録装置が、例えば特許文献2に開示されている。
特開2004−314312号公報 特開2005−136151号公報
導電性インクを使用するインクジェットヘッドでは、駆動用電極に印加される電圧による導通を防ぐため、インクと接する電極表面に絶縁体の保護膜を塗布する必要がある。
しかし、静電吸引方式のインクジェットヘッドでは、導電性インクと対向電極との間に放電が生じた際に、ノズルに形成されたインクメニスカスを通してキャビティ内に電流が流れ込み、保護膜が絶縁破壊することにより駆動用電極と導通してしまう可能性が高いという問題がある。
一方、例えばダミーキャビティ内の電極を個別に電圧が印加される個別電極とし、吐出キャビティ内の電極を共通電極として、この共通電極を接地すれば、インクは共通電極と接することになるため、導電性インクを使用する場合でも、かかる導通の危険性を回避することができる。
ところが、この場合でも、ノズル板と対向電極との間で放電が生じた際に、ノズル板が絶縁破壊することにより、個別電極に電流が流れ込んでしまう危険性があることがわかった。
また、共通電極を接地するには、電流が共通電極を通して駆動基板に流れ込まないようにするため、共通電極と駆動基板との間でアースに落とす必要がある。更に安全を確保するには、一定以上の電流が駆動基板側に流れないようにしなくてはならない。従って、共通電極と駆動基板との間に保護回路を介設しなくてはならない問題がある。
そこで、本発明は、放電発生時に駆動壁の壁面に形成された駆動用電極に電流が流れ込む危険性を低減することのできる静電吸引方式インクジェットヘッド及びこれを備えたインクジェット記録装置を提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
請求項1記載の発明は、両面に駆動用電極が形成された圧電材料からなる駆動壁と、一対の前記駆動壁の間を囲む壁部及び当該壁部と一対の前記駆動壁とによって画成された空洞からなるキャビティとが交互に配置された圧力発生体と、
前記圧力発生体における前記キャビティが開口する面に接合された絶縁材料からなるノズル板とを備えると共に、前記ノズル板にはノズルが前記キャビティに連通するように設けられ、前記ノズル板に対向して配置される対向電極との間に電界を形成することにより前記ノズルから吐出されるインクを加速吸引する静電吸引式インクジェットヘッドにおいて、
前記インクは導電性インクであり、
前記キャビティは、前記インクを吐出する吐出キャビティと、前記インクを吐出しないダミーキャビティとが前記駆動壁を介して交互に配置されており、
前記ノズルは、前記吐出キャビティにのみ連通するように設けられており、
前記吐出キャビティ内の壁面にのみ、前記駆動用電極とは別の接地されたアース電極が設けられており、
前記アース電極が設けられた前記キャビティ内における前記駆動用電極の前記ノズル板側の先端と前記ノズルとの最短距離をA、前記アース電極の前記ノズル板側の先端と前記ノズルとの最短距離をBとしたとき、A>Bの条件を満たしていることを特徴とする静電吸引式インクジェットヘッドである。
請求項2記載の発明は、前記駆動用電極の前記ノズル板側の先端は、該ノズル板から離隔していることを特徴とする請求項1記載の静電吸引式インクジェットヘッドである。
請求項記載の発明は、前記アース電極は、前記圧力発生体における前記キャビティが開口する面まで延在していることを特徴とする請求項1又は2記載の静電吸引式インクジェットヘッドである。
請求項記載の発明は、請求項1、2又は3記載の静電吸引式インクジェットヘッドと、
前記静電吸引式インクジェットヘッドの前記ノズル板との間に記録媒体とを挟んで対向するように配置された対向電極と、
前記静電吸引式インクジェットヘッドと前記対向電極との間に電圧を印加することにより電界を形成する電源とを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置である。
本発明によれば、放電発生時に駆動壁の壁面に形成された駆動用電極に電流が流れ込む危険性を低減することのできる静電吸引方式インクジェットヘッド及びこれを備えたインクジェット記録装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係るインクジェット記録装置の一例を示す概略図であり、インクジェットヘッドを断面で示している。
インクジェット記録装置は、インク滴を吐出するノズル12が複数設けられたノズル板11を有する静電吸引方式のインクジェットヘッド10Aと、対向電極20とを有している。この対向電極20は、インクジェットヘッド10Aのノズル板11との間に記録媒体30を挟んでノズル板11から1mm〜3mm程度の距離をおいて対向するように配置されている。
対向電極20には電源21が負電圧を印加可能に接続されている。
インクジェットヘッド10Aは、内部にインクが充填されてノズル12から記録媒体30に向けてインク滴を吐出させるキャビティ14が、圧電材料からなる駆動壁15を介して並設された圧力発生体13を有している。
このインクジェットヘッド10Aには、インクに導電性インクが用いられる。導電性インクとしては、例えば水性インクが挙げられる。
ノズル板11は、この圧力発生体13における各キャビティ14が開口する面に接合されており、該ノズル板11に形成された複数のノズル12の各々は、圧力発生体13における各キャビティ14に対応して設けられ、各キャビティ14内を外部と連通させている。
このノズル板11は絶縁材料で形成されている。絶縁材料としては、例えばポリイミド等の合成樹脂の他、ガラス等が挙げられる。ノズル板11の厚みは、50〜200μmが好ましい。
圧力発生体13の駆動壁15を構成するための圧電材料としては、電圧を加えることにより変形を生じる公知の圧電材料を用いることができるが、特にチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が好ましい。
図2は、図1のA−A’線に沿う断面図である。同図に示すように、各駆動壁15は、分極処理された2つの圧電材料15a、15bを、それぞれの分極方向が互いに反対方向となるように重ね合わせて接着剤によって接合することにより形成されている。なお、図中、13aは各キャビティ14の上方を塞いでいる上部基板、13bは各キャビティ14の下方を塞いでいる下部基板である。
各駆動壁15におけるキャビティ14内に臨む両壁面には、図示しない駆動基板から供給される駆動電圧によって駆動壁15を挟んで電界を形成するための駆動用電極16、16が密着形成されている。
なお、駆動壁15に密着形成される駆動用電極には、個別に電圧が印加される個別電極と、共通に電圧が印加される共通電極とがあり、駆動壁15の両面を個別電極とする場合と、いずれか一方の面を共通電極とする場合とがあるが、本発明はそのいずれでもよく、本発明における駆動用電極には個別電極と共通電極とを含むものとする。
かかるインクジェットヘッド10Aは、各キャビティ14内の駆動用電極16に、図示しない駆動基板から駆動電圧を印加し、駆動壁15の両面の駆動用電極16、16の間に電界を形成すると、圧電材料からなる駆動壁15がせん断変形作用によってくの字状に変形する。この駆動壁15の変形によりキャビティ14の容積が変化し、内部に充填されたインクに吐出エネルギーが付与され、ノズル12からインク滴を飛翔させる。飛翔したインク滴は、インクジェットヘッド10と対向電極20との間に形成される電界の作用を受けて、対向電極20上に配置されている記録媒体30上に着弾する。
このとき、インクジェットヘッド10Aはアース電位にすることが好ましい。インクジェットヘッド10Aと対向電極20との間に形成される電界は、記録媒体30に対して垂直に形成されていればよく、液滴を静電吸引力によって加速させるのに十分な電界を形成することができればよい。
また、各キャビティ14内には、それぞれ駆動用電極16とは別の接地されたアース電極17が設けられている。各アース電極17は、ここでは上部基板13aの壁面に、キャビティ14の長さ方向と平行に密着形成されている。その幅は、キャビティ14内における上部基板13aの壁面の幅の40〜60%程度の細幅状とされている。このため、アース電極17は上部基板13aに隣接する両駆動壁15の壁面には接しておらず、従って、各駆動用電極16とは電気的に離間している。
なお、アース電極17は、各キャビティ14内における駆動壁15の壁面に接する少なくとも1つの壁面にあればよいので、下部基板13bの壁面でもよく、また、上部基板13a及び下部基板13bの両方の壁面に形成する態様も可能である。
これら駆動用電極16、アース電極17を形成するための金属には、Ni、Co、Cu、Al等を用いることができるが、電気抵抗の面からはAlやCuを用いることが好ましく、腐食や強度、コストの面からはNiを用いることが好ましい。更に、例えばAlの上にAuを積層した積層構造とすることもできる。
これら駆動用電極16及びアース電極17の形成方法としては、蒸着法、スパッタリング法、めっき法、CVD法の真空装置を用いた方法等が挙げられるが、めっき法によるものが好ましく、特に無電解めっきにより形成することが好ましい。無電解めっきによれば、均一且つピンホールフリーの金属被膜を形成することができる。めっき膜の厚みは0.5μm〜5μmの範囲が好ましい。
アース電極17を形成するには、公知の例えば感光性レジストを用いた露光・現像等によるパターニンク技術を用い、予め上部基板13aの表面に各キャビティ14に対応するピッチで細幅状にパターニングすればよい。このアース電極17の表面には絶縁性の保護膜は形成されていない。
図3は、一つのキャビティ14の内部を示している。ここで、キャビティ14内における駆動用電極16のノズル板11側の先端16aとノズル12(ノズル12のキャビティ14側の開口中心)との最短距離をA、アース電極17のノズル板11側の先端17aとノズル12(ノズル12のキャビティ14側の開口中心)との最短距離をBとしたとき、A>Bの条件を満たしている。すなわち、駆動用電極16の先端16aは、アース電極17の先端17aよりもノズル12から離間している。このため、各キャビティ14内に臨む駆動壁15の両壁面のうち、ノズル板11と接合する端面13c側には、駆動用電極16が形成されずに圧電材料が露出する領域15cが存在している。
これにより、インクジェットヘッド10Aと対向電極20との間で放電が起こって、電流がノズル12から導電性インクを伝ってキャビティ14内に侵入した場合でも、放電による電流は駆動用電極16よりもアース電極17側に流れ込み易くなり、駆動用電極16側に電流が流れ込む危険性を低減することができる。また、駆動用電極16はノズル板11から離隔するため、駆動用電極16に駆動電圧を印加する際に形成される電界によって、対向電極20によるインク滴の加速電界が干渉を受けることを低減することができ、インク滴を吐出する際の安定性を向上させることができる。
各駆動用電極16をノズル板11と接合する端面13cから離間するように形成するには、金属被膜を形成する際、領域15cに相当する部位の駆動壁15の壁面に、予めドライフィルムを貼着するか、レジストを形成しておき、金属被膜を形成した後に除去することで、駆動用電極16を駆動壁15の壁面に部分的に形成する方法を採用することができる。
また、各キャビティ14内のアース電極17は、上記関係を満足するように各駆動用電極16よりもノズル板11側に突出して設けられていればよいが、駆動用電極16側に電流が流れ込む危険性をより一層低減するため、特に圧力発生体13におけるキャビティ14が開口する面まで延在していることが好ましい。
また、アース電極17は、ノズル板11側に向けて同一幅に形成するものに限らず、駆動用電極16から電気的に離間していれば、図4に示すように、先端17aに行くに従って面積を拡大することにより拡開部17bを有する形状としてもよい。駆動用電極16が形成される駆動壁15には、ノズル板11側に、駆動用電極16が形成されない領域15cが存在するため、拡開部17bは、図示するように、両隣の駆動壁15の各領域15cに接する幅で形成されていてもよく、また、先端17aがノズル板11に接するように、キャビティ14が開口する面まで延在していてもよい。
更に、アース電極17は、以上のように各キャビティ14内に独立して設けるものに限らず、図5に示すインクジェットヘッド10Bのように、キャビティ14の上方及び又は下方を塞ぐように設けられる基板(上部基板13a、下部基板13b)に、キャビティ14の長さ方向と直交する方向に沿って、全てのキャビティ14に亘る1本の帯状に形成してもよい。なお、図5では上部基板13aにアース電極17を形成している。図5において、図1と同一符号の部位は同一構成の部位を示している。また、ここでは、対向電極20及び記録媒体30は図示省略している。
この1本の帯状のアース電極17は、上部基板13aにおけるノズル板11側に近接し、各キャビティ14内の駆動用電極16が形成されない領域15cに隣接するように位置し、各駆動用電極16に対して電気的に離間している。従って、上記同様、A>Bの条件は満足する。また、このアース電極17をノズル板11に接するような幅に形成し、キャビティ14が開口する面まで延在させることも好ましい。
このようなアース電極17によれば、例えば上部基板13aに1本だけ形成すればよいため、アース電極17の形成がより容易となり、また、接地用の接続も、例えばヘッドの側方においてアース電極17と1箇所で接続すれば済むため、接続構造も簡易化できる利点がある。
各駆動用電極16のノズル板11側の先端16aの形状は、ノズル板11側に尖っている部分が形成されないように、図6(A)のようにノズル板11と平行とするか、図6(B)のようにノズル板11側に凸となるように湾曲させることが好ましい。
以上の実施形態では、インクジェットヘッド10Aは、圧力発生体13に形成された全てのキャビティ14内にインクが充填され、各キャビティ14に連通するノズル12からインク滴が吐出されるものを例示したが、キャビティがインクを吐出する吐出キャビティとインクを吐出しないダミーキャビティとに分かれているものでもよい。
図7は、圧力発生体13に形成されたキャビティ14が、インク(導電性インク)を吐出する吐出キャビティ14Aとインクを吐出しないダミーキャビティ14Bとに分かれているインクジェットヘッド10Cを示している。図7において、図1と同一符号の部位は同一構成の部位を示している。ここでも、対向電極20及び記録媒体30は図示省略している。
このインクジェットヘッド10Cでは、吐出キャビティ14Aとダミーキャビティ14Bとが駆動壁15を介して交互に配置されている。ノズル板11にはダミーキャビティ14Bに連通するノズルは設けられておらず、アース電極17は、各吐出キャビティ14A内にのみ、該吐出キャビティ14の長さ方向に沿って平行に設けられ、ダミーキャビティ14B内には設けられていない。このアース電極17も、駆動壁15に設けられた駆動用電極16に対して上述の通りの条件を満たすように上部基板13aに形成されている。
このため、対向電極20との間で放電が発生した場合、放電による電流は、通常、吐出キャビティ14Aに連通するように設けられたノズル12を通って該吐出キャビティ14A内に侵入するが、侵入した電流は駆動用電極16よりもアース電極17側に流れ込み易くなり、駆動用電極16側に電流が流れ込む危険性を低減できる。
このインクジェットヘッド10Cは、ダミーキャビティ14Bに対応するノズル12が設けられないため、ダミーキャビティ14B内に臨む各駆動用電極16は、そのノズル板11側の先端の位置を、必ずしも図示するように吐出キャビティ14A内に臨む各駆動用電極16と合わせる必要はない。
なお、対向電極20との間で発生した放電によって、ノズル板11が絶縁破壊する危険性が懸念される場合は、図8に示すように、各ダミーキャビティ14B内にもそれぞれ吐出キャビティ14A内と同様の条件で駆動用電極16及びアース電極17を形成したインクジェットヘッド10Dとすることが好ましい。また、もちろん、図5に示すインクジェットヘッド10Bのように、アース電極17を1本の帯状に形成することも可能である。
図7に示すインクジェットヘッド10C及び図8に示すインクジェットヘッド10Dにおいて、各駆動用電極16は、吐出キャビティ14A内又はダミーキャビティ14B内に面するいずれか一方を個別電極とし、他方を共通電極とすることができるが、本発明によれば、アース電極17によって駆動壁15に形成される駆動用電極側への電流の流れ込みを防止することができるので、仮に共通電極を接地電極としても、駆動基板との間でアースに落とす必要はなく、また、共通電極と駆動基板との間に保護回路等を介設する必要もない。
以上の各実施形態ではインクに導電性インクを使用したが、インクに非導電性インクを使用する場合に好ましいインクジェットヘッドの一例を図9及び図10に示す。図9は、インクジェットヘッド10Eの一つのキャビティ14の内部を示す部分斜視図、図10は、図9中のキャビティ14内をノズル板11と対向する方向から見た断面図である。図1と同一符号の部位は同一構成を示している。
このインクジェットヘッド10Eは、図1と同様に全てのキャビティ14に連通するようにノズル12が設けられ、該ノズルからインクを吐出するようにした態様であり、全てのキャビティ14内に、該キャビティ14の長さ方向に沿って平行にアース電極17が設けられている。
非導電性インクとしては、例えば油性インクが挙げられる。
このような非導電性インクを使用する場合、導電性インクを使用する場合のように、放電による電流がノズル12に形成されるインクメニスカスを通してキャビティ14内に流れ込むとは限らず、絶縁性のノズル板11が絶縁破壊することによりキャビティ14内に侵入する可能性がある。このため、このインクジェットヘッド10Eの各キャビティ14内における駆動用電極16とアース電極17のそれぞれのノズル板11側の先端16a、17aは、駆動用電極16のノズル板11側の先端16aの任意の点からアース電極17のノズル板17側の先端17aに最短距離で向かう直線が、該直線を含み且つノズル板11に対して垂直方向に沿う平面とアース電極17の表面との交線に対して、60°以下の角度をなすように配置されている。
すなわち、図9及び図10に示す例では、キャビティ14内の一方の駆動用電極16の上部基板13a側の先端16a1について見た場合、この先端16a1からアース電極17のノズル板17側の先端17aに最短距離で向かう直線L1が、該直線L1を含み且つノズル板11に対して垂直方向に沿う平面P1とアース電極17の表面との交線Paに対してなす角度a1は、60°以下の角度をなしており、また、駆動用電極16の下部基板13b側の先端16a2について見た場合、この先端16a2からアース電極17のノズル板17側の先端17aに最短距離で向かう直線L2が、該直線L2を含み且つノズル板11に対して垂直方向に沿う平面P2とアース電極17の表面との交線Paに対してなす角度a2は、60°以下の角度をなしている。
図9及び図10では、駆動用電極16の先端16a及びアース電極17の先端17aの各形状は、ノズル板11の面に対して平行となるように形成されているため、上記各直線L1、L2のうちの直線L2が交線Paに対して60°以下の角度をなすように駆動用電極16の先端16a及びアース電極17の先端17aの各位置を配置すれば、駆動用電極16の先端16aの他の任意の点についても同様に60°以下の角度となる。
これらの角度がいずれも60°以下であることにより、対向電極20との間で放電が発生し、ノズル板11が絶縁破壊することによりキャビティ14内に電流が流れ込んだとしても、アース電極17側に流れ込み易くなり、各駆動用電極16は空気又は圧電材料によって電流から保護され、駆動用電極16側に電流が流れ込む危険性を低減することができる。
このように非導電性インクを使用する場合でも、キャビティ14を、インク(非導電性インク)を吐出する吐出キャビティ14Aとインクを吐出しないダミーキャビティ14Bとに分けて構成してもよい。この場合でも、駆動電極16とアース電極17は、吐出キャビティ14A及びダミーキャビティ14Bの双方に、インクジェットヘッド10Eと同様の条件で設けられる。また、この場合に各駆動壁15に形成される駆動用電極16も、吐出キャビティ14A内又はダミーキャビティ14B内に面するいずれか一方を個別電極とし、他方を共通電極とすることができる。
また、非導電性インクを使用するインクジェットヘッドにおいても、アース電極17は、図5に示すインクジェットヘッド10Bのように、1本の帯状に形成する態様でもよい。
図11は、非導電性インクを使用するインクジェットヘッド10Fにおいて、アース電極17を1本の帯状に形成した態様の一つのキャビティ14の内部を示す部分斜視図である。
図9と同様に、キャビティ14内の一方の駆動用電極16の上部基板13a側の先端16a1について見た場合、この先端16a1から1本の帯状のアース電極17のノズル板17側の先端17aに最短距離で向かう直線L1が、該直線L1を含み且つノズル板11に対して垂直方向に沿う平面P1(上部基板13aの壁面)とアース電極17の表面との交線Pa(上部基板13aと駆動壁15との境界線)に対してなす角度a1は、60°以下(ここでは駆動用電極16が駆動壁15の高さ一杯に形成されているため0°となる。)であり、また、駆動用電極16の下部基板13b側の先端16a2について見た場合、この先端16a2からアース電極17のノズル板17側の先端17aに最短距離で向かう直線L2が、該直線L2を含み且つノズル板11に対して垂直方向に沿う平面P2(駆動壁15の壁面)とアース電極17の表面との交線Paに対してなす角度a2も、60°以下の角度をなすように、アース電極17及び駆動用電極16が形成される。
以下、本発明の効果を実施例によって例証する。
(1)導電性インクの場合
<インクジェット記録装置の構成>
・インクジェットヘッドの構成
圧電材料としてPZTを使用し、以下の構成からなる静電吸引方式のインクジェットヘッドNo.1〜22を作成した。
各キャビティは全てインクを吐出する吐出キャビティとし、インクには導電性インク(水性ダミーインク)を使用した。各部位の寸法は図12に示す部位である。
キャビティ
幅(Lb):80μm
深さ(La):200μm
本数:256本
駆動壁
幅:80μm
ノズル板
材質:ポリイミド
厚さ:80μm
ノズル数:256ノズル
駆動用電極
使用金属:Al
厚さ:0.5μm
幅(Le):200μm
アース電極
使用金属:Al
厚さ:0.5μm
幅(Lf):40μm
なお、アース電極は、キャビティの長さ方向に沿って平行な細幅状にキャビティ毎に形成した。また、各駆動用電極及び各アース電極の先端形状はいずれもノズル板の面に対して平行となるように形成した。
各インクジェットヘッドにおいて、駆動用電極の先端からノズル板までの距離(Ld)とアース電極の先端からノズル板までの距離(Lc)、及び、駆動用電極のノズル板側の先端とノズルとの最短距離(A)とアース電極のノズル板側の先端とノズルとの最短距離(B)は、表1に示す通りである。
以上のインクジェットヘッドNo.1〜22を用いて、ノズル板と対向電極との間の距離が2.3mmとなるように設置してインクジェット記録装置を構成し、インクジェットヘッドと対向電極との間に2kVの電圧を印加するようにした。
<放電の評価方法>
図13に示すように、インクジェットヘッドの駆動用電極と駆動基板との間に電流計を介設した。駆動用電極に電流が流れ込んだ場合、電流計によって検出されるため、この電流計による電流検出の有無により放電発生時の駆動用電極への電流の流れ込みを確認した。
評価は、発生した放電の頻度に対して駆動用電極に電流が流れ込む割合を観察することにより、以下の基準により行った。
○:常にアース電極に放電する
△:80%以上アース電極に放電する
×:80%以上駆動用電極に放電する
Figure 0005358921
表1の結果から、A>Bの条件を満たしている場合には、放電による電流の駆動用電極への流れ込みが発生しないことがわかる。
(2)非導電性インクの場合
上記インクジェットヘッドNo.1〜22と同一構成からなるインクジェットヘッドNo.23〜44に、インクとして非導電性インク(油性ダミーインク)を使用して、上記同様に放電を評価した。
なお、図9及び図10と同様に、駆動用電極16のノズル板11側の先端16aのうちの一方の点16a2からアース電極17のノズル板11側の先端17aに最短距離で向かう直線L2が、この直線L2を含み且つノズル板11に対して垂直方向に沿う平面P2とアース電極17の表面との交線Paに対してなす角度a2は、表2に示す通りである。
各駆動用電極及び各アース電極の先端形状はいずれもノズル板の面に対して平行であるため、このa2が60°以下であれば、図9に示されるa1の角度も60°以下の条件を満たしていることになる。
Figure 0005358921
表2の結果から、a2の角度が60°以下である場合には、放電による電流の駆動用電極への流れ込みが発生しないことがわかる。
本発明に係るインクジェット記録装置の一例を示す概略図 図1のA−A’線に沿う断面図 キャビティの内部を示す部分斜視図 アース電極の先端側の形状の他の態様を示す断面図 別の態様に係るアース電極を有するインクジェットヘッドを示す概略図 (A)(B)は駆動用電極の先端形状を示す図1のB−B’線に沿う断面図 本発明に係るインクジェットヘッドの他の態様を示す概略図 本発明に係るインクジェットヘッドの更に他の態様を示す概略図 本発明に係るインクジェットヘッドの更に他の態様のキャビティの内部を示す部分斜視図 図9中のキャビティ内をノズル板と対向する方向から見た断面図 本発明に係るインクジェットヘッドの更に他の態様のキャビティの内部を示す部分斜視図 実施例における各部の寸法を示す斜視図 インクジェット記録装置の実験方法を示す概略図 従来のインクジェットヘッドの一例を示す概略図
符号の説明
10A〜10F:インクジェットヘッド
11:ノズル板
12:ノズル
13:圧力発生体
13a:上部基板
13b:下部基板
13c:端面
14:キャビティ
14A:吐出キャビティ
14B:ダミーキャビティ
15:駆動壁
15a、15b:圧電材料
15c:領域
16:駆動用電極
16a、16a1、16a2:先端
17:アース電極
17a:先端
20:対向電極
21:電源
30:記録媒体
P1、P2:平面
Pa:交線

Claims (4)

  1. 両面に駆動用電極が形成された圧電材料からなる駆動壁と、一対の前記駆動壁の間を囲む壁部及び当該壁部と一対の前記駆動壁とによって画成された空洞からなるキャビティとが交互に配置された圧力発生体と、
    前記圧力発生体における前記キャビティが開口する面に接合された絶縁材料からなるノズル板とを備えると共に、前記ノズル板にはノズルが前記キャビティに連通するように設けられ、前記ノズル板に対向して配置される対向電極との間に電界を形成することにより前記ノズルから吐出されるインクを加速吸引する静電吸引式インクジェットヘッドにおいて、
    前記インクは導電性インクであり、
    前記キャビティは、前記インクを吐出する吐出キャビティと、前記インクを吐出しないダミーキャビティとが前記駆動壁を介して交互に配置されており、
    前記ノズルは、前記吐出キャビティにのみ連通するように設けられており、
    前記吐出キャビティ内の壁面にのみ、前記駆動用電極とは別の接地されたアース電極が設けられており、
    前記アース電極が設けられた前記キャビティ内における前記駆動用電極の前記ノズル板側の先端と前記ノズルとの最短距離をA、前記アース電極の前記ノズル板側の先端と前記ノズルとの最短距離をBとしたとき、A>Bの条件を満たしていることを特徴とする静電吸引式インクジェットヘッド。
  2. 前記駆動用電極の前記ノズル板側の先端は、該ノズル板から離隔していることを特徴とする請求項1記載の静電吸引式インクジェットヘッド。
  3. 前記アース電極は、前記圧力発生体における前記キャビティが開口する面まで延在していることを特徴とする請求項1又は2記載の静電吸引式インクジェットヘッド。
  4. 請求項1、2又は3記載の静電吸引式インクジェットヘッドと、
    前記静電吸引式インクジェットヘッドの前記ノズル板との間に記録媒体とを挟んで対向するように配置された対向電極と、
    前記静電吸引式インクジェットヘッドと前記対向電極との間に電圧を印加することにより電界を形成する電源とを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
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