JP5358296B2 - 荷電粒子線装置 - Google Patents

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本発明は荷電粒子線装置に係り、特に、試料から荷電粒子源側に発生した信号粒子と、試料内で散乱して透過した信号粒子と、試料内で散乱せずに透過した信号粒子を区別し検出して、高コントラストな試料像を得るのに好適な荷電粒子線装置に関する。
走査電子顕微鏡に代表される荷電粒子線装置では、細く収束された荷電粒子線を試料上で走査して試料から所望の情報(例えば試料像)を得る。このような荷電粒子線装置の多くは、半導体デバイスの評価や不良解析に用いられている。半導体デバイスは年々微細化と多層構造化が進み、多層構造化したデバイスの不良を解析するために、デバイスを薄膜化して評価する手法が重要になっている。薄膜試料の観察には、通常、試料を透過した透過信号を用いるが、試料内で散乱して透過した透過信号(暗視野信号)は、試料の原子番号コントラストが強く反映されるため、デバイスの不良解析に有効であることが知られている。
図5、および図6を用いて従来の透過信号粒子検出法を説明する。大形試料が観察できる試料ステージを搭載した荷電粒子線装置では、図5に示すように、試料ステージ16は
、対物レンズ20の下方に配置され、試料14はこの試料ステージに搭載する。薄膜試料14を透過した信号粒子(18a,18b)は、試料ステージ16に設けられた透過信号粒子の通過孔161を通過して、試料ステージの下方に設けられた透過信号検出器17で検出されるが、このとき、透過信号粒子の内、ステージの通過孔161を通過した信号粒子18aのみが透過信号検出器17に検出される。また、試料ステージ16と透過信号検出器17との間に絞り19を設け、透過信号検出器17で検出される透過信号粒子18aの散乱角を制限している。一方、対物レンズ20で発生する収束磁場は、対物レンズ下面よりも上部(電子源側)に形成されるため、試料14の表面から発生した二次信号粒子11は、対物レンズ下部に設けられた二次信号検出器13で発生する電界130に吸引され
、二次信号検出器13に検出される。
また、非特許文献1には、図6に示すように、薄膜試料14の直下を金属部で塞ぐ試料台150を用い、透過信号粒子(18a,18b)が試料下部の金属部に衝突することによって発生した二次信号粒子12を対物レンズ下部に配置した二次信号検出器13で検出し、試料14の透過像を得る方法が開示されている。この場合においても、対物レンズ磁界は対物レンズ下面よりも上部(電子源側)に発生するため、試料14の表面から発生した二次信号粒子11は、対物レンズ下部の二次信号検出器13の電界130に吸引されて検出される。
「二次電子検出器を用いたSTEM像の検察」(医生物走査電顕 vol.11,15−16 (1982))
上記した従来技術では、いずれも次のような問題がある。
図5に示す従来技術では、試料を透過した信号粒子を検出するための透過信号検出器17が試料ステージ16よりも下方に配置されるため、試料14と透過信号検出器17の距離が長くなり、試料内で散乱した透過信号粒子(18b:暗視野信号)を検出するために非常に大きな検出面を有する透過信号検出器が必要となる。また、透過信号粒子(18a,18b)は、試料ステージの通過孔161を通過後に検出されるため、試料で散乱した透過信号粒子(18b)を検出するには、試料ステージに設けた透過信号粒子の通過孔161を十分に大きくする必要がある。しかし、この結果、ステージを支えるベース160の強度が低下してステージ耐振性能が低下する問題が生じるため、ステージ耐振性が維持される実用的な通過孔161では、散乱して透過した信号粒子18bは、図5に示されるように、通過孔161の内壁に衝突して検出することができない。
図6に示す従来技術は、本来、図5に示される透過信号検出器17を用いないで、より簡便に透過信号検出器17と同等の透過信号像(STEM像)を得ることを目的として考案されたものである。通常の走査電子顕微鏡には、試料から発生した二次信号を検出するための二次信号検出器13が対物レンズ下部に備えている。したがって、この二次信号検出器13で透過信号が検出できれば、高価な透過信号検出器17を設けなくとも、安価な構成でSTEM像の観察が可能になる。このために、図6の従来技術では、試料下部を金属部で塞いで試料を透過した信号粒子を衝突させ、この衝突によって発生する二次信号粒子を対物レンズ下部の二次信号検出器13で検出している。しかし、この場合、対物レンズの磁界が対物レンズ下面よりも上方(電子源側)に発生するため、試料上では対物レンズ磁界の漏洩が極めて小さい。したがって、試料表面から発生したエネルギーの低い二次信号粒子は、二次信号検出器13の吸引電界に引き寄せられて、二次信号検出器13に検出されてしまう。したがって、二次信号検出器13に検出される信号は、透過信号と二次信号の加算されたものになってしまう。この結果、本来、透過信号のみに含まれる微小なコントラストが、透過信号と同時に検出される二次信号のコントラストに乱されるため、高コントラストなSTEM像を得ることが困難となる。
一方、高コントラストで高分解能なSTEM像を得るには、試料を散乱して透過した信号粒子(暗視野信号粒子)と試料を散乱しないで透過した信号粒子(明視野信号粒子)とを区別して検出することが望ましい。なぜなら、明視野信号粒子と暗視野信号粒子とは、コントラストが互いに反転した情報を有するため、これらの信号が加算されると、コントラストの相殺が起こるからである。図3に、試料表面から発生した二次信号像(a)と、試料内を散乱せずに透過した信号像(明視野信号像)(b)と、試料内を散乱して透過し
た信号像(暗視野信号像)(c)とを比較して示す。図3より、明視野信号像(b)と暗
視野信号像(c)とは、コントラストが反転していることがわかる。図6に示す従来技術においては、明視野信号粒子(18a)と暗視野信号粒子(18b)とが、全て試料下部の金属部に衝突して二次信号粒子12を発生させるため、二次信号検出器13に検出される信号情報は、両者が加算されたものになる。よって、上記説明の如く、コントラストが相殺されるため、高コントラストなSTEM像が得られない問題があった。
本発明の目的は、試料を散乱して透過した暗視野透過信号粒子と、その他の粒子を分離して検出するのに好適な荷電粒子線装置の提供にある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、第1に、荷電粒子線装置において、試料を透過した荷電粒子の衝突によって、二次荷電粒子を放出する透過信号変換部材を備え、当該透過信号変換部材に、試料内で散乱しない透過荷電粒子が通過できる大きさの開口を備えた。また、第2に、試料を透過した荷電粒子の衝突によって発光するシンチレータと、該シンチレータから発生した光を検出する位置に光を電気信号に変換する手段を設けるとともに、シンチレータに、試料内で散乱しない透過荷電粒子が通過できる大きさの開口を備えた。
以上のような構成によれば、暗視野透過信号粒子と明視野透過信号粒子を分離し、少なくとも暗視野透過像を効率良く検出することが可能になる。
また、第3に、本発明では、試料を透過した荷電粒子の衝突によって二次荷電粒子を放出する透過信号変換部材と、当該透過信号変換部材から放出された二次荷電粒子を吸引して検出する検出器を備え、一次荷電粒子を集束するための対物レンズを、試料側に向かって集束磁場を漏洩するように構成した。
このような構成によれば、試料表面から放出される二次荷電粒子が、対物レンズの集束作用により集束され、試料を透過した暗視野透過信号粒子に基づく信号への混入を防止することができる。
本発明のより具体的な態様、或いは他の構成については、以下の発明の実施の形態の欄でより詳細に説明する。
本発明によれば、試料表面から発生した二次信号粒子と、試料内で散乱して透過した暗視野透過信号粒子と、試料内を散乱しないで透過した明視野透過信号粒子とをそれぞれ分離して検出できるため、アプリケーションに応じた最適なコントラストの試料像を観察することができる効果がある。
本発明の一例である走査電子顕微鏡の概略構成図。 本発明の基本部分の概略構成図。 試料表面から発生した二次信号像(a)と、試料内を散乱しないで透過した明視野信号像(b)と、試料内を散乱して透過した暗視野信号像(c)の比較。 試料表面から発生した高エネルギー二次信号(反射信号粒子)の混入を防止する試料台の実施例。 大形試料ステージを有する荷電粒子線装置において、透過信号粒子を検出する従来技術の概略構成図。 透過信号粒子を検出する従来技術の概略構成図。 暗視野信号の検出散乱角を制御する実施例を示す図。 検出散乱角の下限を変化させたときの暗視野像の変化を示した図。 異なる材質に対する透過電子の信号強度と散乱角の関係を模式的に示した図。 暗視野信号を増幅する実施例を示す図。 透過信号変換部材の形状の一例を示す図。 透過信号変換部材の形状の他の例を示す図。 透過信号変換部材を一次荷電粒子線に対して水平に配置した例を示す図。 STEMを用いたカーボンナノチューブの観察例を示す図。 絞りに正の電圧を印加した例を説明するための図。 明視野透過信号粒子に基づく二次粒子の検出を抑止する例を示す図。 金属触媒の分散状態をSTEMで観察した例を示す図。 過信号変換部材の開口部に、ファラデーカップを備えた例を示す図。 筒状構造に正の電圧を印加して二次信号粒子の検出を抑止する例を示す図。
以下図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
以下に本発明の具体的な構成、及び具体的効果を、図面を交えて説明する。
本発明実施例では、まず、暗視野透過信号粒子を検出するため、図2に示すように、薄膜試料14の下部に中央に孔の開いた透過信号変換部材15(荷電粒子の衝突で二次信号粒子を発生させる部材で、一般に金属を用いる)を設けた。薄膜試料14を散乱せずに透過した明視野信号粒子18aはこの孔を通過するため、透過信号変換部材には衝突しない
。一方、試料を散乱して透過した暗視野信号粒子18bは、透過信号変換部材に衝突して二次信号粒子12を発生する。この二次信号粒子12は、対物レンズ下方に配置した二次信号検出器13の電界に吸引されて、二次信号検出器13に検出される。よって、二次信号検出器13の信号は、図3(c)に示すような暗視野信号像となる。
試料表面から発生した二次信号粒子が対物レンズ下方の二次信号検出器13に検出されるのを回避するために、本発明では、図2に示すように、磁極が試料側を見込む形状の対物レンズ20を設けた。この対物レンズでは、励磁コイル202の励磁によって、磁極から発生する磁力線201が試料側に存在するため、光軸上の磁界分布200が試料表面上で比較的大きな値となる。
そのため、試料表面から発生した二次信号粒子11は、対物レンズ磁界で強く収束されて対物レンズの上方(電子源側)に進行するため、対物レンズ下方に配置した二次信号検出器13にほとんど検出されない。対物レンズ20の上方に進行した二次信号粒子11は
、対物レンズ上方に配置された直交電磁界装置22によって、二次信号検出器9の方向に偏向されて、二次信号検出器9で検出される。
このような対物レンズは、内側の磁極と外側の磁極で形成するギャップ(このギャップから磁界が漏洩して、レンズ磁界を形成する)が試料側を見込んで設けられており、内側の磁極下部より試料台21側に、対物レンズ磁界の最大集束磁場が位置するように形成されている。
一方、図2に示すような対物レンズでは、対物レンズ下面から離れるにつれてレンズ磁界が急速に弱まり、透過電子変換部材の位置ではレンズ磁界が非常に弱くなっている。したがって、透過電子変換部材から発生した二次信号粒子は、対物レンズ磁界の影響をほとんど受けずに、対物レンズ下方の二次信号検出器13の吸引電界に吸い寄せられて、二次信号検出器13で検出することができる。よって、図2に示す特徴的構成によれば、試料表面から発生した二次信号粒子と暗視野信号粒子を、それぞれ、明視野信号粒子と分離して検出することができる。
更に図2に示すような対物レンズは、対物レンズ直下では強い集束磁場を形成し、対物レンズを離れると急速に集束磁場が弱くなるため、強い集束磁場内に配置される試料直下に、透過信号変換部材15を配置しても、透過信号変換部材15で発生する二次荷電粒子を高効率に二次信号検出器13に導くことができる。
本実施例の構成においては、試料表面上のレンズ磁界強度が弱すぎると、試料表面から発生した二次信号粒子がレンズ磁界に十分収束されなくなり、その一部が、透過信号変換部材15から発生する二次信号粒子と混じって検出されてしまう。一方、透過信号変換部材15における磁界強度が強すぎると、透過信号変換部材15から発生した二次信号粒子が、対物レンズ磁界に収束されて、これを検出するための二次信号検出器13に効率良く検出されなくなる。このような状況を実験的に検討した結果、光軸上のレンズ磁界ピーク値に対して20%以上の磁界強度の位置に試料表面を配置し、同ピーク値に対して20%以下の位置に透過信号変換部材15を配置すれば、試料表面から発生する二次信号粒子と透過信号変換部材15から発生する二次信号粒子とを効果的に分離し、かつ、透過信号変換部材15から発生する二次信号粒子を効率良く検出できることを見出した。
以上のような対物レンズの構造と、透過信号変換部材15の配置によれば、磁極から発生する磁界がワーキングディスタンスの増大につれて急速に減衰するため、透過信号変換部材を比較的短いワーキングディスタンスに配置することができ、試料を走査する一次荷電粒子線のプローブサイズを小さくするとともに、高効率な暗視野信号の検出が可能になるため、暗視野像の分解能を向上させることができる。
仮に、試料と透過信号変換部材をインレンズ形の対物レンズに配置したとすれば、高分解能なプローブは得られるものの、試料下方にも強い磁界が存在するので、透過信号変換部材からの信号を効率良く検出することができず、本実施例の効果は得られない。
暗視野信号粒子のみを検出するための他の手段として、図2の透過信号変換部材15を
、荷電粒子の衝突で発光するシンチレータで構成することもできる。この場合には、対物レンズ下方の二次信号検出器13の代わりに、光を直接検出して電気信号に変換するホトマルチプライアを設ける。この方法は、暗視野透過信号粒子を二次信号粒子に変換する代わりに、光信号に変換することに対応する。
暗視野透過信号粒子と分離された明視野透過信号粒子を検出するために、試料ステージのベース160の下方に絞り19と透過信号検出器17とを設けた。試料ステージのベース160の通過孔161を通過した明視野透過信号粒子18aは、絞り19によって、さらに最適な明視野信号粒子18cのみに選別されて、透過信号検出器17に検出される。したがって、本発明の特徴的構成によれば、試料表面から発生する二次信号粒子11,暗視野信号粒子18b、および、最適コントラスト条件に選別された明視野信号粒子18cを、それぞれ分離して同時に検出することが可能になる。図3に示す各画像は、このようにして検出した信号の画像である。
図1は、本発明の一例である走査電子顕微鏡の概略構成図である。陰極1と第一陽極2に印加される電圧(図に記載していない)により陰極1から放出された一次荷電粒子線3は第二陽極4に印加される電圧Vacc(図に記載していない)に加速されて後段のレンズ系に進行する。この一次荷電粒子線3は、第一集束レンズ5でいったん収束され、対物レンズ絞り6でビームの照射角を制限されて、2段の偏向コイル7および8で試料14上を二次元的に走査される。
試料表面の一次荷電粒子線照射点から発生した二次信号粒子11は対物レンズ20の発生する磁界に巻き上げられて、対物レンズ上方(電子源側)に進行する。この二次信号粒子11は、直交電磁界発生装置22で一次荷電粒子線3と軌道分離されて、二次信号粒子検出器9に検出される。
一方、試料台21に固定された薄膜試料14を透過した透過信号粒子の内、試料内で散乱した暗視野透過信号粒子(図2:18b)は、試料14下方に設けた透過信号変換部材15に照射される。透過信号変換部材は、荷電粒子の衝突によって二次信号粒子を発生する材料(一般には金属)で構成しているため、透過信号の衝突により、衝突した信号量に比例した二次信号粒子を発生する。透過信号変換部材15から発生した二次信号粒子12は、対物レンズ20の下方に配置された二次信号検出器13で検出される。透過信号変換部材15には、試料内を散乱しないで透過した信号粒子(図2:18a、明視野信号粒子)が通過できる開口を設けている。
したがって、透過信号変換部材15から発生する二次信号粒子12は、暗視野信号粒子の情報のみを有している。また、透過信号変換部材15の開口を通過した明視野透過信号粒子18aは、試料ステージ16の開口を通過して、試料ステージ16下方に設けられた透過信号検出器17で検出される。試料ステージ16と透過信号検出器との間には絞り19が配置されており、試料ステージ16を通過した透過信号粒子の内、最適なコントラストが得られる明視野透過信号粒子のみが選択されて、透過信号検出器17に検出される。絞り19は孔径の異なる複数の開口を有し、これらの開口を真空外から切り替えることが可能である。
また、以上のような本実施例の構成では、試料を対物レンズの強磁界中に配置するため
、同様に試料を対物レンズ磁界中に配置するインレンズ式の対物レンズを採用した荷電粒子線と同等の高い分解能が得られ、かつインレンズ式の対物レンズでは実現が困難な大形試料用のステージを採用することができる。
透過信号変換部材は、同様の形状を有するシンチレータ(荷電粒子の衝突で発光する材料)で構成することもできる。このとき、暗視野信号粒子の情報は、このシンチレータで光に変換される。この場合には、透過信号変換部材から発光した光を見込む位置に、光を電気信号に変換する手段(例えば、ホトマルチプライア)を設ける。
図4に、本発明の目的に適した試料台に関する実施例を示す。試料表面から発生したエネルギーの低い二次信号粒子11は、ほとんどが対物レンズ磁界に収束されて対物レンズ上方に進行するが、エネルギーが高く、かつ、試料表面から浅い角度で発生した反射信号粒子111は、対物レンズの上方に進行しない。このような信号粒子の一部は対物レンズ下方の二次信号検出器13に検出されて、暗視野透過信号情報の質を低下させる。これを避けるために、本実施例では、図4に示すように、試料台の薄膜試料搭載部に円筒状の壁211を設け、試料表面から浅い角度で発生した高エネルギーの反射信号粒子111を円筒状の壁211で遮断した。
以上のような本発明実施例の構成によれば、試料表面から発生する信号粒子と試料を散乱せずに透過した明視野透過信号粒子と試料を散乱して透過した暗視野透過信号粒子とを分離して検出することにより、目的に応じた高コントラストな画像を得ることが可能になる。
高コントラストな暗視野像を得るには、試料に応じた検出散乱角の制御が重要となるが
、大形試料の観察が可能な走査形電子顕微鏡では、透過形電子顕微鏡のように試料よりも下方に収束レンズを配置することができない。そのため、暗視野信号の散乱角の制御(最適化)ができない問題があった。
本実施例では、試料を散乱して透過した暗視野透過信号粒子と、その他の粒子を分離して検出するとともに、暗視野信号の検出散乱角を試料に応じて制御するのに好適な荷電粒子線装置について説明する。
また、観察材料が固定的であり検出散乱角が一定条件で使用する場合には、暗視野信号をきわめて高い効率で検出するに好適な荷電粒子線装置について説明する。
本実施例によれば、第1に、荷電粒子線装置において、試料を透過した荷電粒子の衝突によって二次荷電粒子を放出する透過信号変換部材を備え、透過信号変換部材に、透過荷電粒子が通過できる大きさの開口を備えるとともに、当該開口部に0或いは正の電圧を印加する電源を備えた。
第2に、試料を透過した荷電粒子の衝突によって二次荷電粒子を放出する透過信号変換部材を備え、当該透過信号変換部材は、透過荷電粒子線が通過するための開口を有する2枚の電極を備え、当該2枚の電極間の二次荷電粒子を検出する検出器を備えた。
以上のような構成によれば、暗視野透過信号粒子と明視野透過信号粒子を分離し、暗視野信号の検出散乱角の制御、および暗視野信号の高効率検出が可能になる。以下に本実施例について、図面を用いて説明する。
図7に、暗視野信号の検出散乱角を制御する実施例を示す。本実施例では、開口部に絶縁物152で電気的に絶縁した電極151が配置されており、電源から正の電圧Vcが印加される。この電源は、0から所定の正電圧の範囲の電圧が印加可能な電源である。
透過信号変換部材15に暗視野透過信号粒子18bが衝突すると二次信号粒子12aが発生するが、電極151の付近で発生した二次信号粒子12bは電極151に印加された正電圧に吸い寄せられるために、二次信号検出器13に検出されない。電極151の電圧を高くすると、電極151を中心としてより広い領域の二次信号粒子が電極151に吸い寄せられることになる。すなわち、電極151の正電圧を制御することにより、二次信号検出器13に検出される暗視野信号の検出散乱角の下限が制御されることになる。したがって、電極151の電圧を徐々に上昇していくと、暗視野像のコントラストとしては、例えば、図8の(a),(b),(c)のように変化していく。そのため、オペレータは暗視野像を見ながら、電極151の電圧を調整して最適なコントラストを得ることができる。
暗視野信号の検出においては、試料の材質(観察対象)に応じて、検出散乱角(特に内角)の最適化が極めて重要であることが知られている。この理由を図8、および図9を用いて説明する。図9は、異なる材質(原子番号,試料の厚さなど)に対する透過電子の信号強度と散乱角の関係を模式的に示した図である。図において、グラフAとグラフBは、それぞれ軽い元素(あるいは薄い試料)と重い元素(あるいは厚い試料)の場合を表している。試料の厚さがほぼ均一であれば、グラフAとグラフBとはそれぞれ原子番号の違いに依存するものとなる。図9において、θ1以上の散乱角の暗視野信号を検出した場合には、グラフAの信号総和(ハッチングした領域)がBよりも大きくなり、暗視野像としてはBよりもAの領域が明るいコントラストとなる。一方、検出散乱角の下限をθ2とすると、より重い元素Bの信号総和がAの信号総和よりも大きくなるため、暗視野像としてはBのほうがAの領域よりも明るいコントラストとなる。このように、試料の材質できまる検出散乱角と透過信号強度の関係に対して、適切な検出散乱角を選択することにより、目的に適したコントラストの暗視野像を得ることが可能になる。
図8は、軽い元素(炭素)と重い元素(白金微粒子)で構成される触媒試料に対して検出散乱角の下限を変化させたときの暗視野像の変化を示したものである。図8において、検出散乱角が小さい条件(a)では、軽い元素(炭素)のコントラストが強すぎて重い元素(白金)がよく見えない画像になっているが、検出散乱角が大きい条件(c)では、炭素の信号量が押えられて白金微粒子のコントラストがより鮮明になっている。
本発明実施例によれば、電極151の電圧を調整することで、容易に検出散乱角が最適化された、暗視野像検出が可能になる。なお、電極151の電圧を調整する代わりに、異なる電圧を印加するための開口径の異なる複数の電極を、透過信号変換部材15の電子線通過開口内に配置し、検出散乱角度に応じて、各電極への電圧を印加するようにしても良い。
図10に暗視野信号を増幅する実施例を示す。試料台21は、そのまま透過信号変換部材として機能し、多重散乱が発生しやすいように、電子線通過開口を有する2枚の電極が電子線光軸方向に積層されるような、二重構造になっている。
また、二次信号検出器13と対向する位置に絶縁物211を介して電極212が配置され、負の電圧が印加できるようになっている。薄膜試料14を透過後、透過信号変換部材15の開口を通過せずに衝突した散乱角の大きな暗視野透過信号粒子18bは、上下2重構造になっている透過信号変換部材15内で複数回反射(多重散乱)し、衝突の度に二次信号粒子を発生させて信号電子を増幅する。この二次信号粒子は、電極212に印加された負の電圧によって二次信号検出器13の方向に偏向されるため、効率よく二次信号検出器13で検出される。
また、二次信号検出器13側に荷電粒子が通過できるメッシュ状の電極213を配置して正の電圧を印加している。本実施例の場合、メッシュ状の電極213と、負電圧を印加する電極211の両方を利用して、二次電子を検出器側に導いているが、これに限られることはなく、いずれか一方であっても良い。一次電子線の軸ずれを許容できるのであれば
、二次信号検出器13が発生する電界のみで、二次電子を検出器側に吸引するようにしても良い。
図11に、透過信号変換部材15の形状の一例を示す。透過信号変換部材15は、一次荷電粒子線3に対して傾斜して配置されており、一次荷電粒子線3から透過信号変換部材の開口を見たときにちょうど円形になるように、透過信号変換部材単体で見た開口部の形状は楕円形になっている。また、開口部に配置される電極151も同様に楕円形になっている。
図12は、透過信号変換部材の形状に関する他の実施例を示している。図12では、変換部材中心部に同心円状に複数の導体パターンを形成して、各々の導体パターンのそれぞれに正の電圧を印加できるようにしている。本実施例では、図示していないが、画像のコントラストを確認しならが、内側のリングパターンから外側のパターンの順に、あるいはその逆に正の電圧を印加できるようになっている。正電圧が印加された領域からは二次信号粒子は脱出できないため、正電圧が印加されるリングパターンが外側に広がるほど、制限される散乱角の内角が大きくなり、より重い元素の観察に適した状態になる。
図13は、透過信号変換部材15を一次荷電粒子線3に対して水平に配置した実施例である。この実施例の場合、透過信号変換部材の開口や開口部に配置する電極の形状を円形にすることができ、透過信号の検出散乱角制御精度が向上される。
本実施例によれば、試料表面から発生した二次信号粒子と、試料内で散乱して透過した暗視野透過信号粒子と、試料内を散乱しないで透過した明視野透過信号粒子とをそれぞれ分離して検出できるとともに、暗視野透過信号粒子に対しては、その検出散乱角を制御できるため、アプリケーションに応じた最適なコントラストの試料像を観察することができる効果がある。
本実施例では、更に暗視野信号情報を高コントラストで観察するための構成について説明する。走査透過電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscope:STEM)は、薄膜試料を大きな散乱角度で透過した電子に基づいて暗視野像を形成する。暗視野像を検出するために配置される検出器は、散乱角度の大きな透過電子を選択的に検出するために、ほぼ電子線光軸に沿って試料を透過する電子が通過できるような開口を備えており
、このような透過電子を検出しないような構成となっている。
しかしながら、実際の測定では、暗視野信号を検出するための検出器に、明視野信号の明暗が逆になった信号(小さな角度で散乱した暗視野信号)が混入する場合がある。その例を、図14を用いて説明する。
図14は、STEMを用いた、カーボンナノチューブの観察例を示す図である。この内部試料には、試料生成時に添加したナノチューブを成長させるための金属触媒(この試料では鉄)を内包している。この試料における評価ポイントは、成長したカーボンナノチューブ自身の形状観察、およびナノチューブと触媒との分散状態の把握にある。
図14(a)は、試料表面から放出された二次電子に基づく二次電子像である。この二次電子像によれば、カーボンナノチューブの表面形状の観察が可能である。
図14(b)は、明視野信号像である。この図では、多層に成長したカーボンナノチューブの形状(外径・内径)は明瞭に観察できるが、金属触媒の分散状況は、多層に連なったカーボンナノチューブの回折コントラスト(矢印A、カーボンナノチューブの長手方向に対し、垂直方向の線状コントラスト)に埋もれてしまい、明瞭に区別できない。
図14(c)は暗視野信号像である。この図では、比較的大きい粒子(矢印A)なら明瞭に確認できるが、矢印Cのエリアでは図14(b)の明視野信号像の反転した情報が像上に現れていることがわかる。
この明視野信号像の反転した情報は、電子線通路近傍に設けられた光学素子に、透過電子等が衝突した際に発生する電子などが、真空室内で衝突を繰り返して、暗視野像検出器に到達するために発生するものと考えられる。ある一例をとって説明すると、図2に示す構成において、透過信号変換部材15を通過した明視野信号像を、観察するために設けた絞り19に、明視野透過信号粒子18aが衝突した際に、絞り19から発生する二次信号粒子が、試料室内壁やステージ160への衝突を繰り返して、二次信号検出器13に到達する可能性がある。到達した電子は明視野透過信号粒子の情報を持っている。
このため、観察する試料によっては、暗視野信号情報に明視野信号の反転した情報が重畳される場合がある。この現象は試料が軽元素であるほど、もともとの暗視野信号情報が少なくなるため目立ち、また、明視野信号像で回折コントラストが出やすい試料ほど重畳される明視野信号情報が増えるため目立つ傾向がある。
本実施例では、更に暗視野像のコントラストを高めるために、試料と、明視野信号粒子を検出するための検出器との間に配置される絞りに、正の電圧を印加する電源を設けた構成について説明する。またこのような絞りを二層構造にした例について説明する。
以上のような構成によれば、暗視野透過信号粒子と明視野信号粒子を分離し、暗視野信号像観察の際に、明視野信号(反転信号)の混入を防ぐことが可能になる。また、明視野信号と暗視野信号を同時にしかも高コントラストに観察することが可能になる。
更に、絞りを二層構造にすると、当該絞りに透過荷電粒子が衝突した際、絞りから発生した二次粒子は、絞りに吸収されるため、レンズ下方に二次信号検出器が配置されている場合においても、二次粒子が二次信号検出器に到達することを抑制することができる。
他にも透過信号変換部材の開口部に、ファラデーカップとして作用する筒状構造を備えることで、暗視野透過信号粒子と明視野透過信号粒子を分離し、暗視野信号像観察の際、明視野信号(反転信号)の混入を防ぐことができる。
以下に本実施例の具体的な構成、及び効果について、図面を交えて説明する。
図15は、絞り19に正の電圧を印加した例を説明するための図である。本実施例では、絞り19は電気的に鏡体部と絶縁されており、電源から正の電圧Vcが印加される。絞り19に明視野透過信号粒子18aが衝突すると二次信号粒子300aが発生するが、絞り19に印加された正電圧に吸い寄せられるために、他の部材(ステージ,試料室内壁など)に衝突せず、結果として、明視野透過信号粒子18a由来の信号粒子は二次信号検出器13に検出されることはない。
すなわち、二次信号検出器13は、薄膜試料14を大きな散乱角度で透過した暗視野透過信号粒子18bが透過信号変換部材15に衝突し、透過信号変換材15から発生した二次信号粒子12のみ検出し、暗視野信号像を観察することが可能である。
図16に、明視野透過信号粒子18aに由来する二次信号粒子の検出を抑止する他の実施例を示す。本実施例では、透過信号検出器17の上方に備える絞りを、二重構造絞り303としている。薄膜試料を透過した透過信号粒子は、二重構造絞り303の下段絞り孔により、明視野透過信号粒子18aと絞りで最適化された明視野透過信号粒子18cに分けられる。このとき、絞りで最適化された明視野透過信号粒子18cは、透過信号検出器17に到達し検出され、明視野信号像として観察される。一方、明視野透過信号粒子18aは、二重構造絞り303内部で二次信号粒子300を発生させる。しかし、この二次信号粒子300は、絞り内部で衝突を繰り返すうちに減衰し、二重構造絞り303に吸収される。結果として、二次信号粒子300は、二次信号検出器13に検出されることはない
さらに、二重構造絞り303を鏡体部と絶縁させ、正の電圧Vcを印加することで、二重構造絞りによる吸収および、正電圧による二次信号粒子300の吸い寄せの効果により
、高効率で明視野透過信号粒子18a由来の二次信号粒子の検出を抑止することができる
以上のような本発明実施例の構成によれば、試料を透過した信号粒子のうち、暗視野透過信号粒子と明視野透過信号粒子を分離して暗視野信号のみを検出し、また明視野信号像と暗視野信号像を同時に観察することが可能になる。
暗視野信号像の観察は、図17(a)のように暗視野信号に明視野(反転)信号が混ざった像になり(矢印A)、金属触媒と回折コントラスト(明視野信号に由来する)の区別が困難であるため、触媒の分散状態の把握できない場合がある。
一方、本実施例の構成によれば、図17(b)のような組成差に応じた暗視野信号のみを検出した像を観察することで金属触媒の分散状態が容易に把握可能になる。
図18に他の実施例を示す。本実施例では、試料台21に備えた透過信号変換部材15中央の開口部にファラデーカップとして作用する筒状構造304を配している。この場合
、試料を透過した信号粒子のうち明視野透過信号粒子18aは、筒状構造304によって吸収され、その信号粒子が二次信号検出器13に検出されることはない。
この時、筒状構造304はファラデーカップとして作用させるために、深さと開口径のアスペクト比は10以上が望ましい。また、筒状構造304の開口部からの二次信号の発生を減少させるために、肉厚が薄いほうが望ましい。
上記実施例の構成においては、明視野透過信号粒子18aを筒状構造304で吸収させるために、明視野信号像観察が不可能である。しかしながら、図14,図17のような、軽元素内部に存在する重元素の分散状況の把握には、図14(a)の表面情報を持つ二次電子像と、図17(b)組成情報を持つ暗視野信号像を取得すれば評価自体は可能である。また、この場合、本実施例にある透過信号変換部材15と筒状構造304を備えた試料台で対応可能であり、比較的安価な評価システムを提供可能である。
また、図19のように、筒状構造304を試料台21に対して絶縁物152で絶縁し、筒状構造304に正の電圧Vcを印加することで、高効率で明視野透過信号粒子18a由来の二次信号粒子の検出を抑止できる。
さらに、上記構成においては、透過信号変換部材15に暗視野透過信号粒子18bが衝突すると二次信号粒子12aが発生するが、筒状構造304の付近で発生した二次信号粒子12bは筒状構造304に印加された正電圧に吸い寄せられるために、二次信号検出器13に検出されない。筒状構造304の電圧を高くすると、筒状構造304を中心としてより広い領域の二次信号粒子が筒状構造304に吸い寄せられることになる。すなわち、筒状構造304の正電圧を制御することにより、二次信号検出器13に検出される暗視野信号の検出散乱角の下限が制御されることになる。
本実施例の説明では、問題点を明視野信号の反転した情報の混入としたが、これは、言い換えると低散乱角度の暗視野信号であると言える。
本実施例によれば、試料表面から発生した二次信号粒子と、試料内で散乱して透過した暗視野透過信号粒子と、試料内を散乱しないで透過した明視野透過信号粒子とをそれぞれ分離して検出できるとともに、特に、結晶性の高い(回折コントラストの見えやすい)軽元素中に重元素含む試料の重元素の分散状態などを把握が容易に実施できる効果がある。
本実施例の説明では、主に走査透過電子顕微鏡を例にとって説明したが、これに限られることはなく、例えば収束イオンビーム装置に適用することも可能である。本発明は試料に荷電粒子を透過させて、その透過像を観察する装置全般に適用可能である。
1…陰極、2…第一陽極、3…一次荷電粒子線、4…第二陽極、5…第一集束レンズ、6…対物レンズ絞り、7,8…偏向コイル、9…対物レンズ上方に配置した二次信号粒子検出器、11…試料表面から発生する二次信号粒子、12…透過信号変換部材から発生する二次信号粒子、13…二次信号検出器、14…薄膜試料、15…透過信号変換部材、16…試料ステージ、17…透過信号検出器、18…透過信号粒子、18a…明視野透過信号粒子、18b…暗視野透過信号粒子、18c…絞りで最適化された明視野透過信号粒子、19…絞り、20…対物レンズ、21…試料台、22…直交電磁界発生装置、111…反射信号粒子、130…対物レンズ下方の二次信号検出器の吸引電界、150…試料台、160…試料ステージのベース、161…通過孔、200…対物レンズ磁界分布、201…対物レンズ磁極から発生する磁力線。

Claims (12)

  1. 荷電粒子源と、当該荷電粒子源から放出される一次荷電粒子線を集束して試料上で走査する、対物レンズを含む荷電粒子光学系と、前記対物レンズの下方に配置された試料ステージと、前記対物レンズの上方に配置された第1の二次信号検出器と、前記対物レンズの下方に配置された第2の二次信号検出器と、を備えた荷電粒子線装置において、
    前記試料が載置される面と、前記試料を透過した荷電粒子の衝突によって二次荷電粒子を放出する透過信号変換部材とを有し、前記試料ステージの上に設けられる試料台を備え、
    前記透過信号変換部材は前記試料内で散乱しない透過荷電粒子が通過できる大きさの開口を有し
    前記試料ステージは前記透過信号変換部材の開口に対応する位置に開口を有し、
    前記透過信号変換部材の開口、および前記試料ステージの開口を通過した透過信号粒子を検出する透過信号粒子検出手段を備え、
    前記対物レンズ、前記透過信号変換部材の位置より強い集束磁場を前記試料位置に形成するように対物レンズの下方に配置される前記試料に向かって磁場を漏洩することにより、前記試料表面から発生した二次信号粒子が前記対物レンズの上方に進行して前記第1の二次信号検出器により検出され、および前記透過信号変換部材から放出された二次荷電粒子が前記第2の二次信号検出器の電界に吸引されて当該第2の二次信号検出器により検出されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項において、
    前記透過信号粒子検出器と前記透過信号変換部材との間に、前記透過信号粒子検出手段に到達する透過信号粒子の一部を遮断する絞りを配置したことを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項1において、
    前記試料を搭載する試料台の試料搭載部の周囲に壁を設けることを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項1において、
    前記透過信号変換部材の開口部に0或いは正の電圧を印加する電源を備えたことを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項4において、
    前記電源は、印加する電圧を調整することができる可変電源であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 請求項1において、
    前記透過信号変換部材を水平に配置したことを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 荷電粒子源と、当該荷電粒子源から放出される一次荷電粒子線を集束して試料上で走査する、対物レンズを含む荷電粒子光学系と、前記対物レンズの下方に配置された試料ステージと、前記対物レンズの前記荷電粒子源側に配置された第1の検出器と、前記試料の下方に配置された第2の検出器と、を備えた荷電粒子線装置において、
    前記試料が載置される面と前記試料を透過した荷電粒子の衝突によって二次荷電粒子を放出する透過信号変換部材とを有し、前記試料ステージの上に設けられる試料台を備え、
    前記透過信号変換部材は前記試料内で散乱しない透過荷電粒子が通過できる大きさの開口を有し
    前記試料ステージは前記透過信号変換部材の開口に対応する位置に開口を有し、
    前記透過信号変換部材の開口、および前記試料ステージの開口を通過した透過信号粒子を検出する透過信号粒子検出手段を備え、
    当該対物レンズ、前記試料から放出される二次荷電粒子が前記第1の検出器に向かい、前記透過信号変換部材から放出された信号粒子が前記第2の検出器に到達するのを妨げない磁場を発生することにより、前記試料表面から発生した二次信号粒子が前記第1の検出器により検出され、および前記透過信号変換部材から放出された二次荷電粒子が前記第2の検出器の電界に吸引されて当該第2の検出器により検出されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 請求項において、
    前記透過信号粒子検出器と前記透過信号変換部材との間に、前記透過信号粒子検出手段に到達する透過信号粒子の一部を遮断する絞りを配置したことを特徴とする荷電粒子線装置。
  9. 請求項において、
    前記試料を搭載する試料台の試料搭載部の周囲に壁を設けることを特徴とする荷電粒子線装置。
  10. 請求項において、
    前記透過信号変換部材の開口部に0或いは正の電圧を印加する電源を備えたことを特徴とする荷電粒子線装置。
  11. 請求項10において、
    前記電源は、印加する電圧を調整することができる可変電源であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  12. 請求項において、
    前記透過信号変換部材を水平に配置したことを特徴とする荷電粒子線装置。
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