JP4382067B2 - 回路パターン検査装置 - Google Patents
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Description
即ち、本発明の請求項1に記載の第1の発明は、欠陥検出モードと、当該欠陥検出モードで取得される画像情報よりも高分解能の画像情報が取得可能なレビューモードで動作することが可能な走査電子顕微鏡を用いた回路パターン検査装置であって、被検査試料を保持する試料台と、一次電子線を発生する電子銃と、前記電子銃から発生した一次電子線を前記被検査試料に集束して照射する対物レンズと、前記欠陥検出モードでの装置動作時に、前記一次電子線照射により前記被検査試料から発生する二次電子を検出する第1の検出器と、前記レビューモードでの装置動作時に、前記一次電子線照射により前記被検査試料から発生する二次電子を検出し、かつ前記一次電子線の光軸を介して前記第1の検出器に対向配置された第2の検出器と、前記発生する二次電子を前記第1の検出器または前記第2の検出器へ導くExB偏向器と、前記欠陥検出モードでの動作時と前記レビューモードでの動作時とで、該ExB偏向器による前記二次電子の偏向方向を切り替える制御手段とを備えたことを特徴とする回路パターン検査装置である。
また、本発明の請求項2に記載の第2の発明は、請求項1に記載の回路パターン検査装置において、前記ExB偏向器に電位および電流を供給する制御電源を備え、前記二次電子の偏向方向の切換を、該制御電源からExB偏向器に供給する電位および電流の極性を逆にすることにより実行することを特徴とする回路パターン検査装置である。
また、本発明の請求項3に記載の第3の発明は、請求項1または2に記載の回路パターン検査装置において、前記第1の検出器または第2の検出器の出力信号を表示するモニタを有し、前記制御手段は、前記欠陥検出モードでの動作時と前記レビューモードでの動作時とで前記モニタで表示する前記出力信号を切り換えることを特徴とする回路パターン検査装置である。
本発明の第1の実施例を図1と図2により説明する。図1および図2は本発明の構成図である。
検査装置は大別して電子光学系101,試料室102,制御部104,画像処理部105より構成されている。
電子光学系101は電子源1,電子線引き出し電極2,コンデンサレンズ4,ブランキング用偏向器17,走査偏向器8,絞り5,対物レンズ7により構成されている。
図1では、コンデンサレンズ4を電磁レンズで構成したが、図2のように静電レンズで構成しても良い、静電レンズは例えば3枚の電極から構成され、両側の電極はグランド電位とし中央の電極に正または負の電圧を印加する、いわゆるアインツェルレンズが最適であるが、特にアインツェルレンズでなくとも同様である。静電レンズを使用することで電子光学系を小型化できる。
図1に戻って、試料室102は、ステージ24,光学式試料高さ測定器29,レーザ測長器またはリニアスケールを用いたステージ位置測定器31により構成されている。
画像処理部105は、画像記憶部18,19,演算部20,欠陥判定部21より構成されている。取り込まれた電子線画像は、モニタ22に表示される。検査装置各部の動作命令および動作条件は、制御部104から入出力される。予め制御部104に電子線発生時の加速電圧,電子線偏向幅,偏向速度,試料台移動速度,検出器の信号取り込みタイミング等々の条件が入力されている。また、光学式試料高さ測定器29の信号やステージ位置測定器31の信号から補正信号を生成し、電子線6が常に正しい位置に照射されるよう対物レンズ電源7や走査信号発生器13に補正信号を送る。
まず、ウェハをロードした後、光学顕微鏡により粗いアライメントを実施する。これは,電子線走査画像では走査範囲が狭く、ローディング時の機械的な位置決めだけではアライメントマークが電子線の走査範囲内に入らない可能性があるからである。そこで、視野の広い低倍率の光学顕微鏡によりおよそ数十μmの精度でアライメントを行う。
次に電子光学系の条件設定を実施する。検査するウェハのパターンの種類により電子ビームの照射エネルギーや画素サイズ(画像の最小要素),ビーム電流等を設定する。パターンの材質に依り最適な電子ビームの照射エネルギーが異なる。通常、導電性材料では高分解能が得られるように数keV以上の高目のエネルギーとし、絶縁物を含むパターンでは帯電防止のために1.5keV以下に設定すると良い。
次に特に注目したい欠陥サイズに応じた画素サイズを設定する。無意味に画素サイズを小さくすると検査所要時間が増大してしまう。次にビーム電流を設定する。デフォルトの値は装置固有に存在するが、特に帯電しやすいウェハでは小さめの電流に設定すると良い。又、検出したい欠陥のコントラストが大きいことが予めわかっていれば、電流を小さめにして電子ビームをより小さく絞り高感度の検査ができる。
次に、検査するウェハの電子線による画像を表示させ、焦点や非点収差の補正を実施する。これは画像を取り込んで計算機上またはそれ専用の画像処理装置を用いて自動で実施することも可能である。
以上の設定が終了したらつぎに電子ビームによる画像の精アライメントを実施する。これによりステージの座標系とウェハの座標系が正確に一致し、ステージの座標をレーザ測長機等により計測することでウェハ上の所望の位置を検査することが可能となる。
次に、画像処理条件の設定を行う。この条件は、画像処理装置が、隣接する同一パターンの二つの画像を比較するときに、欠陥であるか否かを判断する閾値である。この閾値を低く設定すると欠陥検出感度は向上するが欠陥でない部分を欠陥と見なしてしまう可能性が大きくなる。一方、閾値を上げると検出感度は低下していく。
図3において、明るさ閾値とは、二つの画像の輝度信号の差の閾値である。電子ビームによる画像は光学顕微鏡画像に比べてざらつきが大きい(すなわち画像のSN比が悪い)。したがって、比較している検査対象物が同じもので、平均的な明るさが同一でも、画素毎に見るとやや明暗のばらつきが存在する。したがって明暗差の閾値を設け、画像を比較してその閾値より大きく明暗の差が生じた場所のみを欠陥として検出することで画像のざらつきを欠陥と認識しないようにしている。
又、位置ズレ閾値とは、比較する二枚の画像の位置あわせの不完全さを欠陥と誤認識しないようにする為に設ける。画像の位置ズレがここで設定した閾値程度は存在すると見做してそれ以上の差が生じた場合のみを欠陥とする。
フィルタ種類とは、取得した画像に施すフィルタであり、検出した画像のざらつきを軽減したりエッジを強調するために存在する。これはパターンの種類や検出したい欠陥に応じて最適なものを試行錯誤で選択する。
次に、試し検査で検出された座標の画像を観察する。これがレビューである。すでにその部分の画像はメモリに記憶されているので、まずその画像を制御用ワークステーションのディスプレーや画像表示専用のディスプレー等に表示し目視でどのような欠陥が検出されたかを観察する。ここでかなり大きな欠陥については目視により簡単に欠陥の形状や種類とが判明する。しかし、装置の性能限界に近い微細な欠陥や、コントラストの小さい欠陥は、目視では充分に明確に判定できない場合が多い。そこで、電子光学系の条件をレビューの条件に切り替えて高分解能の像を表示する。これにより、試し検査で検出した欠陥が、真の欠陥であるかまた検出したかった欠陥であるかを容易に判別できる。その結果から、画像処理のパラメータを再設定し、再びレビューすることを繰り返すことで検出したい欠陥を確実に検出できる条件を見いだすことができる。
高分解能のレビュー条件が存在しない従来の装置では、大電流の電子ビームにより画像を形成するように設計されており、長時間観察すると試料に電子ビームが大量に照射され,試料が破壊したり帯電により画像を観察できなくなったりする。また、欠陥の有無を確認するのが目的であり、目視観察により欠陥の詳細を判断するには分解能が不十分である。そのため、このレビューと画像処理パラメータ設定において試行錯誤を繰り返さざるを得ず多大な時間を要していた。ところが本発明によれば、レビュー画面の質が良いために画像処理パラメータの選択の良否が正確に判断でき、試行錯誤の回数が格段に減少した。これにより有人作業の時間が大幅に短縮され、総合的な装置稼働効率も向上した。
次に、本発明のポイントとなるレビュー条件と、欠陥検出検査条件の仕様,相違点と特徴について説明する。
欠陥検出検査条件とレビュー条件の性能を比較したものが図5である。
欠陥検出検査条件は、ウェハ全面の検査を実用的な時間で実行するために非常に高速な画像取得が可能である。すなわち画素サイズ0.1μmで100μm角を画像形成する時間は20msec以下となっている。高速画像取得のためにステージは連続的に移動しており電子ビームはそのほぼ直交方向に走査されるようになっている。さらに高速にかつ検査に耐え得るSN比の画像形成を実現するためにビーム電流を20 nA以上得られるように設計した。具体的には、まず電子源から得られる電流密度を0.2 mA/sr以上とした。さらにレンズの絞りを高分解能SEMと比較して大きいものを用い、電子源からの電子ビームの取り込み角α(すなわち、電子源から広い角度を持って放出する電子ビームのうち試料に照射される電子ビームの開き角)を6 mrad以上とした。画像の最小単位である画素サイズは、検出したい最小の欠陥サイズと同等とした。現状では問題となる最小の欠陥はほぼ0.05μmであることから画素サイズは0.05μm以上とした。ここでの0.05μm以上という意味はウエハによっては0.05μmより大きな欠陥サイズを見る場合も有るため画素サイズは0.05μmより大きく設定出来るようにしてあることを示すために記載した。又、被検査ウェハの工程によっては二次電子の発生量が小さく一回の電子ビーム走査だけでは充分な明るさが得られない場合がある。その場合には電子ビームを複数回走査して得られた画像を加算することも可能である。ただし検査時間が遅くなる問題があるため加算回数は少ないほど良い。又、画像形成範囲は極力大きい方が良い為50μm以上とし、100μmを標準とした。
次に具体的に、欠陥検出検査条件とレビュー条件をどのようにして切り替えるかを説明する。
最初に電子光学系の構成要素とその動作の詳細について、図1を用いて説明する。電子源1には、電界放出電子源、特に拡散補給型の熱電界放出電子源が好ましく、タングステンチップにジルコニウム及び酸素とからなる被覆層を設けた、所謂Zr/O/W型電子源を用いた。この電子源は長時間安定な電子放出が可能である。しかも引出電圧を変えることで放射角電流密度を0.001mA/sr〜1mA/srの範囲で自由に設定できる。ただし電流密度を大きくすると放出電子のエネルギー幅も増大するので色収差が増大する。検査時には電子ビーム電流を20nA以上得る必要があった。そこで電子源1からの放出電子ビームの放射角電流密度は0.2〜1mA/Srの範囲で用いる。電子ビーム6は引出電極2に電圧を印加することで電子源1から引き出される。電子ビーム6の加速は電子源1に高圧の負の電位を印加することでなされる。加速電圧を10kVまたはそれ以上を設定できるようにした。これは大電流電子ビームを使用するために上述した電子ビームのエネルギー幅増大による色収差を抑制するためと,大電流電子ビームが電子の相互作用で広がってしまい絞れなくなる現象(クーロン効果)を抑制するためである。電子線6は約10kVに相当するエネルギーでステージ24の方向に進み、コンデンサレンズ4で収束され、さらに対物レンズ7により細く絞られステージ24の上に搭載された被検査基板10(ウェハあるいはチップ等)に照射される。偏向領域を50μm角以上とし周辺部においても歪みのない画像を取得するために、対物レンズ7と被検査基板10の距離(動作距離)を25mmとした。その結果、対物レンズ7の焦点距離は約30mmと長くなっている。
被検査基板10には高圧電源25により負の電圧を印加するための負電圧印加手段がある。この高圧電源25を調節することにより被検査基板10への電子線照射エネルギーを最適な値に調節することが容易となる。例えばこの電圧を-9.5kVとし、電子ビームの加速電圧が10kVであれば試料への照射エネルギーは500eVとなる。
画像形成には、電子ビーム6は一次元のみ走査し走査方向と直交する方向にステージ24を連続的に移動する方法を採用した。
画像形成のための信号検出は以下のように行われる。すなわち、試料10に照射された電子ビーム6により二次電子が発生する。この二次電子は試料10に印加された電位により急激に加速されるために検出器9に直接引き込むことは非常に困難である。そこで被検査基板10と検出器9の間に電界と磁界を組み合わせた偏向器たとえばExB偏向器14と加速された二次電子を低速の二次電子に変換する変換電極11を設ける。
ExB偏向器14は電界と磁界が直交した偏向器であり、上部からExB偏向器14へ入射してくる一次電子ビーム6に対しては、磁界による偏向作用と電界による偏向作用とが逆方向でキャンセルするようになっており、下部からExB偏向器14へ入射してくる二次電子に対しては磁界による偏向作用と電界による偏向作用とが加算されるようになっている偏向器である。
二次電子は、このExB偏向器14により偏向を受けた後、変換電極11に照射される。そして変換電極11から発生する二次電子を検出器9により検出する。検出器9には、10nA以上の大電流高速検出を実現するためにPIN型半導体検出器を用いた。ここで検出された二次電子信号はプリアンプ12により増幅され、検出回路30によりAD変換され、二次電子信号から得られた、試料の二次元像に対応するデータを記憶する画像記憶部18または19に送られる。ステージ24の移動により被検査基板10を移動し、電子源1である電界放出陰極からの電子ビーム6を被検査基板10に照射し放出された二次電子信号を用いて比較検査を実行する。
次に、電流密度を下げることで収差が低減できる理由を説明する。図7は電子源から放出される電子の放射角あたりの電流密度とそのビームのエネルギ−のばらつきの半値幅(エネルギ−幅と呼ぶことにする)を示したものである。エネルギ−幅は電子光学系のレンズの色収差の原因となり、その関係は数1のようにエネルギ−幅と色収差が比例する。そのためエネルギ−幅が1/2になれば色収差も1/2になる。欠陥検出検査条件では放射角電流密度は0.1 mA/sr〜1 mA/srで使用し,レビュー時では0.001〜0.01 mA/srで使用する。これによりビーム電流は、欠陥検出検査時は約100nAで、レビュー時は約5nA以下となり、エネルギー幅は図7より1/3になり色収差も1/3になる。その結果ビーム径も1/3程度になり分解能が向上する。
以上ではビーム電流を減少させることでレビュー時に高分解能の画像を形成する手法について説明した。一方、ビーム電流を減少させると、検出器で検出できる信号が非常に減少する。したがって、検出系の増幅率が欠陥検出検査時と同一であると入力信号が検出回路30の最小ビット以下になってしまい、電子ビームを複数回試料上に走査して画像の加算を実施しても良好な画像が得られないことになってしまう。
そこで、プリアンプからADコンバータヘ入力するまでの回路をもう一式用意した。すなわち、図1における検出回路30の中に信号経路を2系統設けるものである。その構成を図15に示す。欠陥検出検査時には検出器9からの信号が低ゲインアンプ301を経由してA/Dコンバータ304へ直接入力する。一方、レビュー時にはビーム電流値が減少するので検出器9からの信号が低下する。その分だけゲインの高い高ゲインアンプ302の方に信号経路を切り替えるようにする。さらに高域カットフィルタ303を経由してADコンバータ304に入力する。欠陥検出検査時とレビュー時の信号波形の模式図である図16を用いて、この回路の動作を説明する。
以上で分解能を向上する3つの方法とビーム電流を減じたことで発生する問題を解決する方法を説明した。本実施例では分解能を向上するために、主にコンデンサレンズの励磁条件を変化させる第3の方法を用い、電子源から引きだす電流値を可変する第1の方法を補助的に用いることとした。以下に具体的な数値例を示す。
欠陥検出検査時は、電子源からの放射角電流密度を0.5mA/srとして、光学系の倍率を1倍、ビーム電流は100nAとした。この時の画像の分解能は0.08μm程度であった。この時のライン・アンド・スペース パターンの画像のラインプロファイルを図10に示す。
レビューでは、コンデンサレンズ電流値を増大させ、倍率を0.2とした。さらに、電子銃の高圧電源を制御し、電子源からの放射角電流密度を0.1mA/srに下げた。その結果、ビーム電流は500pAに減少したので検出系のプリアンプのゲインを200倍に切り替え、周波数特性を約1/10にするフィルタを通過するようにした。電子ビームの走査速度は欠陥検出検査時の約1/10とした。さらにSN比の劣化を補償するために画像加算を64回実施するようにした。この時の画像の分解能は0.02μm程度であった。このときの画像のラインプロファイルを図10に重ねて示す。レビュー時のラインプロファイルの立上りが鋭くなっており、しかも振幅も大きくなっているのがわかる。このことから明らかに分解能が向上し、細かい物体まで観察可能であることが確認できる。
(実施例2)
実施例1では、レビュー時と欠陥検出検査時で同一の検出器を用いていた。しかし、レビュー時には検出信号が激減するために電流の減少した割合だけプリアンプ12のゲインを200〜1000倍にする必要がある。さらに、周波数特性が欠陥検出検査時の様に高いままゲインだけを増倍すると回路が発振したり、回路のノイズ振幅が平均信号量より大きくなってしまう問題がある。そのために高周波をカットする回路を付加する必要があり、回路が複雑となる。その結果、欠陥検出検査時の検出信号にノイズが混入したり周波数特性が劣化したりする可能性がある。それを解決するために、本実施例ではレビュー時専用の検出器を設けることにした。その構成図を図11に示す。欠陥検出検査用検出器9の電子ビームの光軸に関してほぼ対称な位置にレビュー用の検出器を設けた。この検出器は通常の走査電子顕微鏡に用いられているもので、シンチレータ52と光電子増倍管51で構成されている。応答特性はDC〜20MHzである。試料10から放出された二次電子はExB偏向器14により欠陥検出検査時には欠陥検出検査用検出器9の方向に、レビュー時にはレビュー用検出器の方向に偏向される。この二次電子は、それぞれの検出器に対面した変換電極に照射され、それによって放出された二次電子を検出する。シンチレータ52の前面にはプラスの高電圧を電源53により印加し、二次電子を加速して衝突させ、光に変換する。その光を光電子増倍管51により増倍して検出する。二次電子の偏向方向の切り替えはExB偏向器14の制御電源31の極性を逆(印加電圧と偏向コイル電流の極性を反対にする)にすることで達成される。これに連動していずれか一方の検出器からの信号をメモリ18経由でモニタ22に表示する。これらの切り替えは制御部104が行う。
欠陥の種類によってはレビューの条件を適切なものにしないと検出した欠陥コントラストが消滅してしまう場合がある。例えば、導通孔の導通不良欠陥のなかには複数回ビームを照射しているうちに欠陥のコントラストが消えてしまうような場合がある。したがって,そのような欠陥をレビューするときは画像の加算回数を制限する必要がある。加算回数が制限されるため、SN比の良好な画像を得るためにはビーム電流を大きめにする必要がある。また欠陥の種類によっては、欠陥検出検査時の大電流ビームではリターディング電界(検査ウェハに印加される電子ビーム減速用の電界)が強い方が欠陥部のコントラストが大きいが、小電流時にはリターディング電界を弱くする方がコントラストが強調されるものも存在する。以下では、導通不良欠陥をレビューする場合の条件設定方法を一例として説明する。
本発明の第4の実施例としてレビュー用の電子光学系を欠陥検出検査用の電子光学系から独立のものにした。これを図12により説明する。図12は本実施例の構成図である。
次にレビュー用の電子光学系200について述べる。電子源201には欠陥検出検査用電子光学系と同様の拡散補給型の熱電界放出電子源であるZr/O/W型電子源を用いた。電流密度を大きくすると放出電子のエネルギー幅も増大し色収差が増大する。レビュー用電子光学系ではビーム電流は100pA以下で良いので放射角電流密度は0.05mA/Sr以下で用いることとした。これにより電子ビーム206のエネルギー幅は欠陥検出検査用電子光学系の場合に比べ約1/3〜1/4に減少し、色収差もそれだけ減少することになる。電子線206は引出電極202に電圧を印加することで電子源201から引き出される。電子線206の加速は電子源201に高圧の負の電位を印加することでなされる。レビュー用光学系200では加速電圧を500V〜10kVまで可変できるようにした。レビュー用光学系200では電流が小さくて良いため、上述のように色収差が小さくまたクーロン効果も無視できる。したがって、低い加速電圧で十分小さいビーム径を得られるので標準では加速電圧2kVに設定した。電子線206は2kVに相当するエネルギーで試料台24方向に進み、コンデンサレンズ204で収束され、さらに対物レンズ207により細く絞られステージ24の上に搭載された被検査基板10(ウェハあるいはチップ等)に照射される。対物レンズ207は被検査基板10に非常に接近させており、動作距離は5 mmとした。対物レンズ207の焦点距離は8mmである。これにより収差の小さい対物レンズを実現できた。分解能は殆ど色収差により決まっている。したがって欠陥検出検査用の対物レンズに比べて収差係数は約1/4で電子ビームのエネルギー幅が欠陥検出検査用光学系の約1/3であることから、分解能は約1/12となる。被検査基板10は欠陥検出検査用とレビュー用とで共通であり、したがって高圧電源25により負の電圧を印加できる。この高圧電源25を調節することにより被検査基板23への電子線照射エネルギーを最適な値に調節することができる。照射エネルギーを変えることによりコントラストの異なる画像が得られるため、欠陥が形状相違によるのか材質によるものであるか、または電気的な導通によるものなのかなどの情報を多角的に得ることができる。
画像形成には電子ビーム206を二次元に走査する。すなわちステージ24は固定とする。被検査基板10に照射された電子ビーム206により発生する二次電子は欠陥検出検査用光学系101と同様に被検査基板10に印加された電位により加速される。対物レンズ207が被検査基板10に約30mm以下と非常に接近しているために検出器209は対物レンズ207よりも上方に設けてあり、二次電子は対物レンズ207の中心を通過させる。欠陥検出検査用光学系101と比べて被検査基板10に印加する電位は低いため二次電子のエネルギーは弱いが検出器209に直接引き込むことはやはり困難である。そこで変換電極211に照射させ、そこから放出する二次電子を検出器209により検出する。検出器209には通常のSEMに使用されている、蛍光体と光電子増倍管を用いた検出器209を用いた。ここで検出された二次電子信号はプリアンプ212により増幅およびAD変換器230でAD変換され、画像観察用のモニタ22に表示するとともに必要に応じて画像ファイルとしてディスク等の外部記憶装置219に記憶させたりプリントアウトできるようになっている。
(実施例5)
第5の実施例は、第4の実施例のレビュー用電子光学系200の対物レンズ207の下磁路にX線検出器240を組み込み、電子ビーム照射により発生する特性X線を検出できるようにした。これによりEDX(Energy-Dispersive X-ray)分析が可能となり、レビュー時に欠陥の材質を特定することが可能となった。図13は中心に穴の空いたアニュラー型のX線検出器を組み込んだ場合の対物レンズ付近の図である。
(実施例6)
電子ビームによる検査では、形状の欠陥だけでなく電気的な導通、非導通の検査が可能である。導通している部分は帯電せず、非導通部分のみが帯電することにより発生する二次電子のエネルギーや軌道が変化し、画像の明るさが異なるからである。これは、大電流電子ビームの照射により特に大きなコントラストとして発生する。ところがレビュー用電子光学系では電流が小さいために帯電の差が小さく、コントラスト差として現れにくい。そこで、二次電子のエネルギーのわずかな差でも高感度にフィルタリング可能な二次電子エネルギーフィルタを設けた。エネルギーフィルタは対物レンズの上に設けた。この分析器の図を図14に示す。半球状のメッシュ220が対物レンズ207上方に二次電子軌道を遮るように設けられている。メッシュ220の中央には一次電子ビーム206が通過する穴が開けられている。このメッシュ220には電源221により被検査基板10の電位よりも±20V程度の範囲の電位を与える。これにより被検査基板の帯電の状況を画像化することができる。二次電子は放出した場所の電位φを基準として約2eVをピークとするエネルギー分布を持っている。したがって、グランド電位から見た二次電子のエネルギーのピークは(−φ+2)eVとなる。例えば被検査基板10にリターディング電位が500V印加されているとすると、二次電子エネルギーのピークは502eVとなる。もし、一次ビーム照射位置が本来、基板10と導通すべき場所であるにも関わらずその部分だけパターン欠陥により非導通の場合にはその部分がマイナスに帯電する。するとそこから放出される二次電子のエネルギーは帯電した電圧だけ高いことになる。帯電電圧を5Vとすると、507eVである。そこでメッシュ220に-505Vを与えれば、帯電していない部分からの二次電子の大部分は上記メッシュ220を通過することはできない。したがって帯電している部分のみが明るく見えることになる。このようにしてわずかな帯電もコントラスト差として得ることができる。ここではマイナスに帯電する場合のみを説明したが実際の半導体においては電子ビーム照射による帯電のメカニズムは複雑であり、正に帯電する場合もある。その場合にはメッシュ220に与える電位をリターディング電位と同電位またはややプラスとすればよい。その場合は正に帯電するところが暗くその他の部分は明るくなる。
Claims (3)
- 欠陥検出モードと、当該欠陥検出モードで取得される画像情報よりも高分解能の画像情報が取得可能なレビューモードで動作することが可能な走査電子顕微鏡を用いた回路パターン検査装置であって、
被検査試料を保持する試料台と、
一次電子線を発生する電子銃と、
前記電子銃から発生した一次電子線を前記被検査試料に集束して照射する対物レンズと、
前記欠陥検出モードでの装置動作時に、前記一次電子線照射により前記被検査試料から発生する二次電子を検出する第1の検出器と、
前記レビューモードでの装置動作時に、前記一次電子線照射により前記被検査試料から発生する二次電子を検出し、かつ前記一次電子線の光軸を介して前記第1の検出器に対向配置された第2の検出器と、
前記発生する二次電子を前記第1の検出器または前記第2の検出器へ導くExB偏向器と、
前記欠陥検出モードでの動作時と前記レビューモードでの動作時とで、該ExB偏向器による前記二次電子の偏向方向を切り替える制御手段とを備えたことを特徴とする回路パターン検査装置。 - 請求項1に記載の回路パターン検査装置において、
前記ExB偏向器に電位および電流を供給する制御電源を備え、
前記二次電子の偏向方向の切換を、該制御電源からExB偏向器に供給する電位および電流の極性を逆にすることにより実行することを特徴とする回路パターン検査装置。 - 請求項1または2に記載の回路パターン検査装置において、
前記第1の検出器または第2の検出器の出力信号を表示するモニタを有し、
前記制御手段は、前記欠陥検出モードでの動作時と前記レビューモードでの動作時とで前記モニタで表示する前記出力信号を切り換えることを特徴とする回路パターン検査装置。
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