JP2013120650A - 走査電子顕微鏡および二次電子検出方法 - Google Patents

走査電子顕微鏡および二次電子検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構造で、低角度反射電子または高角度反射電子に由来する二次電子を弁別して検出することを可能にする。
【解決手段】本発明に係る走査電子顕微鏡は、試料電圧源36を備え、試料13の表面の観察画像を取得するときには、試料電圧源36から試料13に対し、例えば300Vの正極電圧を印加して、試料13に一次電子線2を照射する。このとき、試料13の表面からは二次電子33および反射電子31が放出されるが、二次電子33は、印加された正極電圧のために試料13に引き戻され、試料13からは、実質的に反射電子31だけが放出される。また、反射電子31のうち高角度反射電子31aは、対物レンズ12の中を通ってその上部へ到達する。従って、二次電子検出器22では、低角度反射電子31bが対物レンズなどに衝突したときに放出される二次電子32、すなわち、低角度反射電子31bに由来する二次電子32だけが検出される。
【選択図】図2

Description

本発明は、試料に照射した一次電子線の反射電子に由来する二次電子を検出し、その二次電子の検出信号に基づき試料表面の観察画像を取得する走査電子顕微鏡、および、そのとき用いられる二次電子検出方法に関する。
走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)において、観察対象の試料に電子線を照射すると、試料表面からは二次電子が放出され、また、照射電子の一部が反射されて放出され、反射電子となる。このとき、二次電子のエネルギーは、高々50eV程度であるが、反射電子は、照射電子線のエネルギーと同程度のエネルギー(1keV〜20keV程度)を有している。
試料表面で発生する反射電子は、その反射角度(試料表面となす角度)によって、反射電子が有する情報が異なることが知られている。一般に、試料表面に対して高角度(垂直に近い角度:例えば、80〜90度)をなす反射電子は、試料表面部の物質の組成情報を含み、試料表面に対して低角度(例えば、80度未満の角度)をなす反射電子は、試料表面の凹凸情報を含んでいる。
そこで、一部の走査電子顕微鏡では、高角度の反射電子と低角度の反射角を弁別して検出することが行われている。その場合、反射電子の反射角の弁別は、セミインレンズ型やインレンズ型の対物レンズでは比較的容易に実現できるが、アウトレンズ型の対物レンズでは、原理的には可能ではあるものの、実際には様々な問題点がある。
例えば、セミインレンズ型の対物レンズでは、試料表面で発生した二次電子や反射電子は、対物レンズの漏れ磁場によって集束され、対物レンズ内に引き込まれる。この場合、二次電子は、そのまま対物レンズ上方に設置された二次電子検出器によって検出される。また、反射電子は、対物レンズ内に設置された制御電極によって二次電子に変換され、対物レンズ上方の二次電子検出器によって検出される。ここで、二次電子と、反射電子から変換された二次電子と、を選択的に検出する場合は、反射電子と二次電子のエネルギーの違いを利用し、前記の制御電極に正または負の電圧を印加することによって、いずれか一方の二次電子を検出することができる。
さらに、セミインレンズ型の対物レンズでは、反射電子が放出される角度の違いのために生じる異なる軌道上に、それぞれ制御電極および二次電子検出器を設置することで、反射電子の角度弁別を行うことができる。また、インレンズ型の対物レンズにおいても、同様の原理で反射電子の角度弁別を行うことができる。
一方、アウトレンズ型の対物レンズでは、二次電子や低角度の反射電子を対物レンズ内に吸い上げることができないので、一般には、対物レンズの下に反射電子検出器を設置して、反射電子を直接検出することが行われている。
例えば、特許文献1には、対物レンズと試料との間に、その中心に開口部(照射電子線を通過させるための開口部)を有する円板状の半導体検出器を設けるとともに、その半導体検出器のすぐ下側に、大きさを変えることが可能な開口部を有する反射電子遮蔽用の可変絞り体を設け、可変絞り体の大きさを変えたときの反射電子の検出量の違いから、半導体検出器に入射する特定の角度の反射電子の量を算出する例が開示されている。
また、特許文献2には、対物レンズと試料との間に、シンチレータ方式の反射電子検出器を設け、さらに、シンチレータ検出面に反射電子制限用の絞り板を設け、絞り板の大きさと形状を変えることにより、高角度の反射電子と低角度の反射電子を弁別する例が開示されている。
また、特許文献3には、対物レンズよりも電子源側に、二次電子変換板、反射電子開き角制限絞り、二次電子検出器などを設置し、反射電子を検出することで試料表面の凹凸量を測定する技術が開示されている。
特開2008−153090号公報 特開2002−042711号公報 特開2003−157790号公報
しかしながら、例えば、特許文献1〜3に示されているような構造を有する対物レンズにおいて、高角度の反射電子と低角度の反射電子とを弁別しようとすると、それぞれ次のような問題がある。
例えば、特許文献1の例の場合、半導体検出器の特性上、低加速の反射電子では極めて小さな検出信号しか得られないので、低加速の反射電子の検出には適していない。また、試料表面に対して低角度の反射電子を検出しようとすると、半導体検出器の形状を大きくする必要があり、物理的な制限やコストの面で実用的でなかった。
特許文献2の例の場合、シンチレータ方式の検出器は、半導体検出器よりも幅広い加速電圧で使用可能な特性を有するため、低加速の反射電子の検出にも適用可能になる。しかしながら、検出器の形状上の問題は、特許文献1の場合と同じであり、試料表面に対して低角度の反射電子を検出しようとすると、検出器の形状を大きくする必要があり、物理的な制限やコストの面で実用的でなかった。
特許文献3に記載の例では、光軸上を対物レンズよりも上に上がってくるのは、高角度の反射電子であるので、低角度の反射電子を検出するのは困難である。従って、この例では、低角度反射電子検出用の検出器が、別途、対物レンズの下方に設けられる構造となっており、反射電子検出の配置構造が複雑なものとなっている。
以上のように、従来のアウトレンズ型の対物レンズでは、とくに低角度反射電子を弁別して検出することが、物理的な大きさや実用的なコスト面で大きな問題であった。
そこで、本発明は、簡単な構造で、とくに低角度反射電子に由来する二次電子を弁別して検出することが可能な走査電子顕微鏡および二次電子検出方法を提供することを目的とする。
本発明に係る走査電子顕微鏡は、一次電子線を放出する電子源と、観察対象の試料を載置する試料台と、前記一次電子線を走査のために偏向させる偏向器と、前記一次電子線を前記試料の表面上に収束させる対物レンズと、前記対物レンズと前記試料台との間の空間の外周部に配設された二次電子検出器と、前記二次電子検出器の検出信号に基づき生成された前記試料表面の観察画像を表示する表示装置と、前記試料台に載置された前記試料に印加する試料電圧源と、を備え、前記試料電圧源から前記試料に対し、前記一次電子線の照射によって前記試料から放出される二次電子のエネルギーよりも高く、かつ、前記一次電子線の照射によって前記試料から放出される反射電子のエネルギーよりも低い電子エネルギーに相当する正極電圧を印加し、前記電子源から放出される前記一次電子線を前記試料に照射し、前記一次電子線の照射によって前記試料の表面から放出される反射電子が前記対物レンズを含む前記試料の周辺部材に衝突したとき、前記周辺部材から放出される二次電子を、前記二次電子検出器で検出することを特徴とする。
前記したように、一次電子線を試料に照射すると、試料の表面からは二次電子と反射電子が放出されるが、本発明に係る走査電子顕微鏡では、その試料には、二次電子が有するエネルギーよりも高く、反射電子が有するエネルギーよりも低い電子エネルギーに相当する正極電圧が印加されているので、試料の表面から放出される二次電子は、その正極電圧によって試料に引き戻される。従って、試料からは、実質的に、反射電子しか放出されないことになる。
また、試料から放出された反射電子のうち、試料の表面に対して高角度(垂直に近い角度)で放出された反射電子は、対物レンズの中を通って対物レンズの上部まで到達する。従って、反射電子のうち、対物レンズなどの周辺部材に衝突する反射電子は、低角度反射電子を多く含む。よって、二次電子検出器は、低角度反射電子に由来する二次電子を主に検出することになる。
本発明によれば、簡単な構造で、とくに低角度反射電子に由来する二次電子を弁別して検出することが可能な走査電子顕微鏡を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る走査電子顕微鏡の概略構成の例を示した図。 本発明の第1の実施形態に係る走査電子顕微鏡における低角反射電子に由来する二次電子の検出構造および原理を模式的に示した図。 本発明の第1の実施形態に係る走査電子顕微鏡を用い、(a)試料に300Vを印加したときに取得された試料の表面の観察画像の例、(b)試料に0Vを印加したときに取得された試料13の表面の観察画像の例(比較例)、を示した図。 本発明の第2の実施形態に係る走査電子顕微鏡における低角反射電子に由来する二次電子の検出構造および原理を模式的に示した図。 本発明の第3の実施形態に係る走査電子顕微鏡における高角反射電子に由来する二次電子の検出構造および原理を模式的に示した図。 本発明の実施形態の第1の変形例に係る走査電子顕微鏡における反射電子に由来する二次電子の検出構造および原理を模式的に示した図であり、(a)は、変形前の例、(b)は、変形後の例。 本発明の実施形態の第2の変形例に係る走査電子顕微鏡における反射電子に由来する二次電子の検出構造および原理を模式的に示した図であり、(a)は、変形前の例、(b)は、変形後の例。 本発明の実施形態の第3の変形例に係る走査電子顕微鏡における反射電子に由来する二次電子の検出構造および原理を模式的に示した図であり、(a)は、変形前の例、(b)は、変形後の例。 本発明の実施形態の第4の変形例に係る走査電子顕微鏡における反射電子に由来する二次電子の検出構造および原理を模式的に示した図。 本発明の第1の実施形態をセミインレンズ型の対物レンズに適用した場合における反射電子に由来する二次電子の検出構造および原理を模式的に示した図。 本発明の第1の実施形態をインレンズ型の対物レンズに適用した場合における反射電子に由来する二次電子の検出構造および原理を模式的に示した図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る走査電子顕微鏡の概略構成の例を示した図である。図1に示すように、走査電子顕微鏡100において、電子源1と第一電極3との間に印加される引き出し電圧V1によって電子源1から引き出された一次電子線2は、第二電極4に印加される加速電圧Vaccによって加速され、後段の電磁レンズ系(第一集束レンズ6など)に進入する。このとき、引き出し電圧V1および加速電圧Vaccは、高電圧制御回路14で制御される。
一次電子線2は、まず、第一集束レンズ6によって集束され、次に、対物レンズ絞り8によって自身の試料照射電流が制限される。このとき、一次電子線2の中心を対物レンズ絞り8の孔中心へ通過させるために、電子線中心軸調節用アライナ5が設けられ、また、一次電子線2を対物レンズ絞り8上で走査するために、電子線中心調整用偏向器7が設けられている。このとき、第一集束レンズ6は、第一集束レンズ制御回路16によって制御され、電子線中心軸調節用アライナ5は、アライナ制御回路15によって制御される。
続いて、一次電子線2は、第二集束レンズ9によってさらに集束されるとともに、対物レンズ12によって細く絞られる。このとき、一次電子線2は、上段偏向コイル10および下段偏向コイル11によって、適宜、偏向させられ、一次電子線2の試料13の表面における照射点が二次元的に走査させられる。
ここで、第二集束レンズ9は、第二集束レンズ制御回路17によって制御され、上段偏向コイル10および下段偏向コイル11は、偏向制御回路18によって制御され、対物レンズ12は、対物レンズ制御回路19によって制御される。なお、本実施形態では、対物レンズ12は、アウトレンズ型であるとする。
ここで、試料13は、試料台制御回路23によって左右上下への微動や傾斜、回転などが制御可能な試料台34上に載置されるとともに、試料台34を介して試料電圧源36に接続され、試料電圧源36から数100V(例えば、300V)の正極電圧の印加を受ける。この正極電圧は、一次電子線2が試料13に照射されたとき、試料13の表面から放出される二次電子を再び試料13へ引き寄せるための電圧である。従って、本実施形態では、一次電子線2を照射したとき、試料13の表面からは、実質的に一次電子線2の反射電子しか放出されないことになる。
また、本実施形態では、対物レンズ12と試料13との間の空間の外周部に、二次電子検出器22が配設されており、その二次電子検出器22は、試料13の一次電子線2の照射点で反射され、放出された反射電子が対物レンズ12などの構造物に衝突して発生した二次電子を検出するものである。
二次電子検出器22は、検出した二次電子の量などを電気的な検出信号に変換し、増幅器21は、その検出信号を増幅して、信号制御回路20へ入力する。信号制御回路20は、入力された検出信号をビデオ信号などの表示画像データに変換し、コンピュータ24へ入力する。
ここで、コンピュータ24は、一般的なパーソナルコンピュータやワークステーションなどからなり、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)などからなる表示装置25、信号制御回路20から得られる表示画像データなどの画像データを処理する画像処理装置26、半導体メモリやハードディスク装置などからなり、画像処理装置26で処理する画像データやコンピュータ24による様々な処理結果のデータなどを記憶する記憶装置27、キーボードやマウスなどの入力装置28に接続されている。
そこで、コンピュータ24は、信号制御回路20から入力されるビデオ信号などの表示画像データを取得し、その取得した表示画像データをそのまま、あるいは、画像処理装置26で処理した表示画像データを表示装置25に表示する。こうして、表示装置25には、一次電子線2の反射電子に基づく試料13の表面の観察画像が表示される。
さらに、コンピュータ24には、高電圧制御回路14、アライナ制御回路15、第一集束レンズ制御回路16、第二集束レンズ制御回路17、偏向制御回路18、対物レンズ制御回路19、信号制御回路20および試料台制御回路23などの制御回路が接続されており、コンピュータ24は、試料13に一次電子線2を照射して、試料13の表面の観察画像を取得するときには、その観察条件などに応じて、これらの制御回路を適宜制御する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る走査電子顕微鏡100における低角反射電子に由来する二次電子の検出構造および原理を模式的に示した図である。図2に示すように、対物レンズ12によって細く収束された一次電子線2が試料13の表面に照射されると、その一次電子線2の照射箇所からは、いわゆる二次電子(Secondary Electron)33および反射電子(Back Scattered Electron)31が放出される。
前記したように、本実施形態では、アウトレンズ型の対物レンズ12と試料13との間の空間の外周部には、二次電子検出器22が配設され、また、試料台34の近くなどには、試料台34を介して試料13に数100V(例えば、300V)の正極電圧を印加する試料電圧源36が配設されている。
ここで、一次電子線2が試料13に照射されたとき、試料13に、例えば、300Vの正極電圧が印加されている場合には、試料13の表面から放出される二次電子33は、高々50eV程度のエネルギーしか有していないので、試料13に印加された正極電圧によって、再び試料13に引き戻される。
一方、反射電子31は、そのエネルギーが一次電子線2と同程度、すなわち1keV〜20keV程度であるため、試料13に印加された正極電圧が、300V程度では、試料13に引き戻されることなく、試料13の表面で反射されたように振舞う。従って、反射電子31は、試料13の表面のミクロな凹凸形状によって、様々な方向に反射されるが、その反射電子31の軌跡は、おおむね直線状となる。
ここで、反射電子31のうち、試料13のマクロな表面に対し、高角度(略垂直)に放出される高角度反射電子31aは、図2に示すように、一次電子線2の照射路を逆に辿るようにして、対物レンズ12よりも上部まで放出される。一方、試料13のマクロな表面に対し、低角度で反射した低角度反射電子31bは、対物レンズ12など試料13の周辺の構造物に衝突して、その衝突箇所から二次電子32を放出させる。なお、このように反射電子31の衝突によって放出された二次電子は、しばしばSE3と呼ばれる。
このように低角度反射電子31bが衝突することによって対物レンズ12などの構造物から放出される、反射電子に由来する二次電子32(SE3)は、試料13から放出される二次電子33と同様に高々50eV程度のエネルギーしか有していない。そのため、このような二次電子32(SE3)は、放出箇所の近くを浮遊するような軌跡を描いて放出され、次いで、二次電子検出器22のコレクタ電圧によって二次電子検出器22へ引き寄せられる。
また、本実施形態では、試料13には、例えば、300Vの正極電圧が印加されているために、一次電子線2が照射されたとき、試料13から放出される二次電子33は、その300Vの正極電圧を有する試料13に引き戻されるので、実質的には、二次電子検出器22では検出されないことになる。
従って、本実施形態では、二次電子検出器22は、低角度反射電子31bが対物レンズ12などの構造物に衝突したときにその構造物から放出される二次電子32(SE3)、すなわち、低角度反射電子31bに由来する二次電子32(SE3)を検出する検出器ということができる。
よって、表示装置25には、低角度反射電子31bに由来する二次電子32(SE3)の検出信号に基づき生成された試料13の表面の観察画像が表示されることになる。その結果、その観察画像は、後記するように、いわゆる低角度反射電子が有する観察対象表面の凹凸情報が鮮明に表現されたものとなる。
なお、本実施形態では、高角度反射電子31aと低角度反射電子31bとを、特定の反射角で切り分けているわけではなく、単に、反射電子31のうち、対物レンズ12の中を上部へ通過していったものを高角度反射電子31aとし、そうでないものを低角度反射電子31bとしている。そして、反射電子31のうち、対物レンズ12などに衝突するような反射電子31は、低角度反射電子31bを多く含む、といって間違いない。
ここで、試料13が接地された場合について補記しておく。試料13が接地された場合、例えば、試料電圧源36から試料13に接地電圧(0V)が印加された場合には、試料13に一次電子線2が照射されたときに試料13の表面から放出される二次電子33は、放出箇所の近くを浮遊するような軌跡を描いて放出されるものの、試料13に引き戻されることはほとんどなくなり、二次電子検出器22のコレクタ電圧によって、二次電子検出器22へ引き寄せられる(図2の破線で示した二次電子33の放出軌跡を参照)。
従って、試料13が接地されている状態で、試料13に一次電子線2が照射されたときには、二次電子検出器22は、試料13の表面から放出される二次電子33と、低角度反射電子31bが対物レンズ12などの構造物に衝突して放出される二次電子32(つまり、低角度反射電子31bに由来する二次電子32:SE3)と、を併せて検出する。
なお、二次電子検出器22がこのような二種類の二次電子32,33を検出する検出の仕方は、従来の一般的な走査電子顕微鏡で用いられている二次電子の検出の仕方と同じである。
このことは、従来の一般的なアウトレンズ型対物レンズを有する走査電子顕微鏡の構造に、試料電圧源36を追加し、試料電圧源36から試料13へ300V程度の正極電圧を印加するようにすれば、従来構造の二次電子検出器をそのまま用いることによって、本実施形態における低角度反射電子31bに由来する二次電子を検出する二次電子検出器22を実現することができることを意味する。言い換えれば、本実施形態に係る走査電子顕微鏡100は、極めて簡単な構造により実現することができる。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る走査電子顕微鏡100を用い、(a)試料13に300Vを印加したときに取得された試料13の表面の観察画像の例、(b)試料13に0Vを印加したときに取得された試料13の表面の観察画像の例(比較例)を示した図である。
図3に示されている通り、本発明の第1の実施形態に従って、試料13に300Vを印加したときに取得された試料13の表面の観察画像(a)のほうが、従来の一般的な走査電子顕微鏡に相当する、試料13に0Vを印加したしたときに取得された試料13の表面の観察画像(b)よりも、凹凸情報がより鮮明に表現されている。
すなわち、試料13に300Vが印加された場合、二次電子検出器22では、主に、低角度反射電子31bに由来する二次電子32(SE3)が検出されることになる。その結果、二次電子検出器22の検出信号に基づき生成された観察画像(a)では、いわゆる低角度反射電子が有する観察対象表面の凹凸情報が、より鮮明に表現されたものとなっている。
一方、試料13に0Vが印加された場合(比較例:一般の走査電子顕微鏡に相当)、二次電子検出器22では、試料13の表面から放出された二次電子33に加えて、低角度反射電子31bに由来する二次電子32(SE3)が混合されて検出される。その結果、観察画像(b)では、いわゆる低角度反射電子が有する観察対象表面の凹凸情報が薄められたものとなっている。
以上、本発明の第1の実施形態によれば、従来の一般的なアウトレンズ型対物レンズを有する走査電子顕微鏡の構造に、試料電圧源36を追加する程度の簡単な構造で、低角度反射電子31bに由来する二次電子32を弁別して検出することが可能になっている。従って、その低角度反射電子31bに由来する二次電子32を検出する検出信号に基づき生成される試料13の表面の観察画像からは、試料13の表面の鮮明な凹凸情報を得ることができる。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る走査電子顕微鏡における低角反射電子に由来する二次電子の検出構造および原理を模式的に示した図である。第2の実施形態に係る走査電子顕微鏡の基本的な構成は、前記した第1の実施形態に係る走査電子顕微鏡100と同じであるが、この第2の実施形態では、図4に示すように、対物レンズ12と試料13との間に円板状の遮蔽板35が追加された点で、第1の実施形態と相違している。なお、以下の説明では、第1の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略している。
遮蔽板35は、例えば、炭素などの軽元素を主成分とする小円板などによって構成され、その遮蔽板35の中心部には、一次電子線2を通過させるための孔部(開口部)が設けられている。そして、遮蔽板35は、対物レンズ12と試料13との間に試料13の表面と略平行に、かつ、一次電子線2の照射路がその遮蔽板35の孔部を貫通するような位置に配設される。
従って、遮蔽板35は、一次電子線2を通過させるが、試料13からの反射電子31を吸収して、通過させずに遮蔽する。ただし、遮蔽板35は、試料13から放出される反射電子31のすべてを遮蔽するのではなく、高角度反射電子31aを遮蔽し、低角度反射電子31bについては、遮蔽しないようにする。そのため、遮蔽板35の大きさ(外形)は、遮蔽板35の外側を通過する反射電子31のかなりの部分が対物レンズ12に衝突可能になる大きさに定められる。
なお、遮蔽板35の材料として、炭素などの軽元素を用いるのは、遮蔽板35からさらに新たな反射電子や二次電子が放出されるのを低減することを意図したものである。また、遮蔽板35は、チャージアップを防止するために接地するのがよい。
以上のような構成において、試料電圧源36から試料13に、例えば、300Vの正極電圧が印加され、試料13に一次電子線2が照射されたときには、その表面からは、二次電子33および反射電子31が放出されるが、二次電子33は、試料13に印加された正極電圧によって試料13に引き戻される。また、反射電子31のうち、試料13の表面に高角度(略垂直)に放出される高角度反射電子31aは、一次電子線2の照射路を逆に辿って、対物レンズ12よりも上部に達するか、または、遮蔽板35に吸収される。一方、試料13の表面に対し、低角度で反射した低角度反射電子31bは、対物レンズ12などの構造物に衝突して、二次電子32を発生させ、放出させる。
従って、二次電子検出器22は、低角度反射電子31bが対物レンズ12などの構造物に衝突して、放出される二次電子32を主に検出することになる。
なお、本実施形態でも、高角度反射電子31aと低角度反射電子31bとを、特定の反射角で切り分けているわけではなく、反射電子31のうち、対物レンズ12の中を通過して上部に達したもの(図示省略)、および、遮蔽板35によって吸収、遮蔽されたものを高角度反射電子31aとし、遮蔽板35で遮蔽されず、対物レンズ12などに衝突したものを低角度反射電子31bとしている。
このような低角度反射電子31bを、図2に示した第1の実施形態における低角度反射電子31bと比較すると、本実施形態では、遮蔽板35で遮蔽された反射電子31が高角度反射電子31aに組み入れられているので、その分だけ、その低角度反射電子31bに含まれるいわゆる高角度反射電子の特徴を有する反射電子31の比率が減少していることになる。従って、本実施形態では、低角度反射電子31bは、いわゆる低角度反射電子が有する特徴をより一層顕著に有することになる。
従って、表示装置25に表示された試料13の表面の観察画像は、いわゆる低角度反射電子が有する観察対象表面の凹凸情報がさらに鮮明に表現されたものとなる。
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態に係る走査電子顕微鏡における高角反射電子に由来する二次電子の検出構造および原理を模式的に示した図である。第3の実施形態に係る走査電子顕微鏡の基本的な構成は、前記した第1の実施形態に係る走査電子顕微鏡100と同じであるが、この第3の実施形態では、図5に示すように、対物レンズ12と試料13との間に円筒状の遮蔽筒37が追加された点で、第1の実施形態と相違している。なお、以下の説明では、第1の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略している。
遮蔽筒37は、例えば、炭素などの軽元素を主成分とする、上底および下底のない小円筒によって構成される。そして、その遮蔽筒37は、対物レンズ12と試料13との間で、試料13の表面上の一次電子線2の照射点がすべてその小円筒内に含まれるような試料13の上部の位置に配設される。その場合、遮蔽筒37が試料13の上に直接載置されるとしてもよい。
従って、本実施形態では、遮蔽筒37にについて、その高さおよび径または両者の比を適切に設定しておくことにより、低角度反射電子31bを遮蔽筒37に吸収、遮蔽させ、遮蔽筒37の上部の開口部から、主として高角度反射電子31aが放出されるようにすることができる。なお、このとき、遮蔽筒37は、チャージアップを防止するために接地するのがよい。
以上のような構成において、試料電圧源36から試料13に、例えば、300Vの正極電圧が印加され、試料13に一次電子線2が照射されたときには、その表面からは、二次電子33および反射電子31が放出されるが、二次電子33は、試料13に印加された正極電圧によって試料13に引き戻される。また、反射電子31のうち、試料13の表面に対し、低角度で反射した低角度反射電子31bは、遮蔽筒37に吸収される。一方、試料13の表面に対し、高角度で(略垂直に)反射した高角度反射電子31aは、対物レンズ12などの構造物に衝突して、二次電子32を発生させ、放出させる。
なお、本実施形態でも、高角度反射電子31aと低角度反射電子31bとを、特定の反射角で切り分けているわけではなく、反射電子31のうち、対物レンズ12の中を通過して上部に達したもの(図示省略)、および、遮蔽筒37によって吸収されず、対物レンズ12などに衝突したものを高角度反射電子31aとし、遮蔽筒37に吸収、遮蔽されたものを低角度反射電子31bとしている。
このような高角度反射電子31aを、図2に示した第1の実施形態における高角度反射電子31aと比較すると、本実施形態では、反射電子31のうち、その反射角が大きいものは、高角度反射電子31aに組み入れられ、また、反射角が小さいものは、遮蔽筒37に吸収される。従って、二次電子検出器22は、反射電子31のうち、その反射角が大きいものが対物レンズ12などの構造物に衝突して、放出させた二次電子32を主として検出することになる。
従って、このようにして検出された検出信号に基づき生成され、表示装置25に表示された試料13の表面の観察画像は、いわゆる高角度反射電子が有する観察対象の試料13の組成情報が強調して反映されたものとなる。
(実施形態の第1の変形例)
図6は、本発明の実施形態の第1の変形例に係る走査電子顕微鏡における反射電子に由来する二次電子の検出構造および原理を模式的に示した図であり、(a)は、変形前の例、(b)は、変形後の例である。なお、ここでいう変形前の例は、前記した第1の実施形態に係る走査電子顕微鏡100に相当する。
この第1の変形例のポイントは、対物レンズ12と試料13との間の距離d2を変形前(第1の実施形態)のときの距離d1よりも長くすることにある。すなわち、第1の実施形態において対物レンズ12の内部を通過した反射電子31(図6(a)における高角度反射電子31a)であっても、この変形例では、図6(b)に示すように、対物レンズ12に衝突する高角度反射電子31aとなる。
従って、第1の実施形態に係る走査電子顕微鏡100の構成でも、対物レンズ12と試料13との間の距離を長くするだけで、二次電子検出器22は、低角度反射電子31bだけでなく、高角度反射電子31aも検出できるようになる。
その場合、二次電子検出器22の検出信号に基づき生成され、表示装置25に表示される試料13の表面の観察画像は、観察対象の試料13の組成情報と凹凸情報とを併せ持つことになるので、そのそれぞれの特徴は、薄められることになる。しかしながら、これを逆にいえば、対物レンズ12と試料13との間の距離を適宜調節することにより、試料13の組成情報または凹凸情報の一方を強調するような観察画像を容易に、表示装置25に表示させることが可能になる。
また、本実施形態の変形例に対しても、前記第2、第3の実施形態に示された遮蔽板35または遮蔽筒37をそれぞれ適用することが可能である。そして、その適用により、観察対象の凹凸情報または組成情報をそれぞれ強調した試料13の表面の観察画像を、表示装置25に表示させることができる。
(実施形態の第2の変形例)
図7は、本発明の実施形態の第2の変形例に係る走査電子顕微鏡における反射電子に由来する二次電子の検出構造および原理を模式的に示した図であり、(a)は、変形前の例、(b)は、変形後の例である。なお、ここでいう変形前の例は、前記した第1の実施形態に係る走査電子顕微鏡100に相当する。
この第2の変形例のポイントは、試料電圧源36から試料13に印加する正極電圧VrをVr+Vbに高くすることにある。第1の実施形態では、例えば、Vr=300Vとしているが、この変形例では、そのVr(300V)にVb(例えば、Vb=200V)を加えた500Vを、試料13に印加するものとする。この場合、試料13の表面電圧が高くなるので、反射電子31の散乱角が広がる。その結果、第1の実施形態において対物レンズ12の内部を通過した反射電子31(図7(a)における高角度反射電子31a)であっても、この変形例では、図7(b)に示すように、対物レンズ12に衝突する高角度反射電子31aとなる。
従って、第1の実施形態に係る走査電子顕微鏡100の構成でも、試料13に印加する電圧を高くするだけで、二次電子検出器22は、低角度反射電子31bだけでなく、高角度反射電子31aも検出できるようになる。
その場合、前記した第1の変形例の場合と同様に、その二次電子検出器22の検出信号に基づき生成され、表示装置25に表示される試料13の表面の観察画像は、観察対象の試料13の組成情報と凹凸情報とを併せ持つことになるので、そのそれぞれの特徴は、薄められることになる。しかしながら、これを逆にいえば、試料13に印加する正極電圧を適宜調節することにより、試料13の組成情報または凹凸情報の一方を強調するような観察画像を容易に、表示装置25に表示させることが可能になる。
また、本実施形態の変形例に対しても、前記第2、第3の実施形態に示された遮蔽板35または遮蔽筒37をそれぞれ適用することが可能である。そして、その適用により、観察対象の凹凸情報または組成情報をそれぞれ強調した試料13の表面の観察画像を、表示装置25に表示させることができる。
(実施形態の第3の変形例)
図8は、本発明の実施形態の第3の変形例に係る走査電子顕微鏡における反射電子に由来する二次電子の検出構造および原理を模式的に示した図であり、(a)は、変形前の例、(b)は、変形後の例である。なお、ここでいう変形前の例は、前記した第1の実施形態に係る走査電子顕微鏡100に相当する。
この第3の変形例のポイントは、試料台34を、例えば、二次電子検出器22が配設されている側へやや傾斜させることにある。第1の実施形態における説明では、記載を省略しているが、試料台34に載置された試料13は、通常、その試料13の表面が一次電子線2の照射軸に対して略垂直に配置される(図8(a)参照)。それに対し、この変形例では、図8(b)に示すように、試料台34は、その上面に載置された試料13の表面が一次電子線2の照射軸の垂直面に対し、やや傾斜するように試料13を保持する。
この場合、試料13の表面が一次電子線2の照射軸の垂直面に対して傾斜するので、一次電子線2は、試料13の表面に対して、垂直でない角度、例えば、85度の角度で入射する。従って、その高角度反射電子31aの多くは、一次電子線2の中心光軸と同じ方向に反射されることなく、対物レンズ12などの構造物に衝突する。それに対し、低角度反射電子31bの一部は、一次電子線2の照射軸に沿って、対物レンズ12の中を上部に通過することになる。従って、本変形例(図8(b)参照)では、二次電子検出器22は、第1の実施形態に比べると、高角度反射電子31aを多く検出し、低角度反射電子31bを少なく検出するようになる。
従って、その二次電子検出器22による検出信号に基づき生成される試料13の表面の観察画像は、高角度反射電子が有する観察対象の試料13の組成情報が強調して反映されたものとなる。
(実施形態の第4の変形例)
図9は、本発明の実施形態の第4の変形例に係る走査電子顕微鏡における反射電子に由来する二次電子の検出構造および原理を模式的に示した図である。本発明の第1の実施形態では、二次電子検出器22が1つしか配設されていないが(図2参照)、この第4の変形例では、図9に示すように、対物レンズ12と試料13との間の空間の外周部に複数の二次電子検出器22を配設するようにしたものである。
複数の二次電子検出器22を配設することにより、試料13の観察対象領域の全域にわたって均等に反射電子31に由来する二次電子32(SE3)を検出できるようになり、また、検出される信号の総量も増加するため、表示装置25に表示される観察画像の像質を向上させることができる。
(実施形態についての補足)
図10は、本発明の第1の実施形態をセミインレンズ型の対物レンズに適用した場合における反射電子に由来する二次電子の検出構造および原理を模式的に示した図、図11は、本発明の第1の実施形態をインレンズ型の対物レンズに適用した場合における反射電子に由来する二次電子の検出構造および原理を模式的に示した図である。
ここまでに説明してきた実施形態およびその変形例では、走査電子顕微鏡100の対物レンズ12は、アウトレンズ型であるものとしてきたが、その反射電子31の検出構造および原理の基本的な考え方は、セミインレンズ型対物レンズやインレンズ型対物レンズにも適用することができる。
例えば、図10に示すように、セミインレンズ型の対物レンズ38の場合でも、試料電圧源36から試料台34を介して試料13に、例えば、300Vの正極電圧が印加されているときには、一次電子線2の照射により、試料13の表面から放出される二次電子33は、試料13に引き戻される。また、一次電子線2照射により、試料13の表面から放出される反射電子31(多くは、低角度反射電子)は、対物レンズ38などに衝突して、対物レンズ38などから二次電子32(SE3)を放出させるので、二次電子検出器22は、反射電子31に由来する二次電子32(SE3)を検出する。
従って、その二次電子検出器22による検出信号に基づき生成される試料13の表面の観察画像は、低角度反射電子が有する観察対象の試料13の凹凸情報が強調して反映されたものとなる。
さらに、セミインレンズ型の対物レンズ38の場合でも、前記した第2、第3の実施形態における遮蔽板35または遮蔽筒37を適用することができるので、その場合には、観察対象の凹凸情報または組成情報をそれぞれ強調した試料13の表面の観察画像を、表示装置25に表示させることができる。
また、図11に示すように、インレンズ型の対物レンズ39の場合には、二次電子検出器22は、対物レンズ39の上部に配設されるが、試料電圧源36から試料台34を介して試料13に、例えば、300Vの正極電圧を印加されているときには、試料13の表面から放出される二次電子33は、試料13に引き戻される。従って、二次電子検出器22は、反射電子31(多くは、低角度反射電子)が対物レンズ39などに衝突して放出される二次電子32(SE3)を主に検出することになる。
従って、その二次電子検出器22による検出信号に基づき生成される試料13の表面の観察画像は、低角度反射電子が有する観察対象の試料13の凹凸情報が強調して反映されたものとなる。
さらに、インレンズ型の対物レンズ39の場合でも、前記した第2、第3の実施形態における遮蔽板35または遮蔽筒37を適用することができるので、その場合には、観察対象の凹凸情報または組成情報をそれぞれ強調した試料13の表面の観察画像を、表示装置25に表示させることができる。
1 電子源
2 一次電子線
3 第一電極
4 第二電極
5 電子線中心軸調節用アライナ
6 第一集束レンズ
7 電子線中心調整用偏向器
9 第二集束レンズ
10 上段偏向コイル
11 下段偏向コイル
12 対物レンズ(アウトレンズ型)
13 試料
14 高電圧制御回路
15 アライナ制御回路
16 第一集束レンズ制御回路
17 第二集束レンズ制御回路
18 偏向制御回路
19 対物レンズ制御回路
20 信号制御回路
21 増幅器
22 二次電子検出器
23 試料台制御回路
24 コンピュータ
25 表示装置
26 画像処理装置
27 記憶装置
28 入力装置
31 反射電子
31a 高角度反射電子
31b 低角度反射電子
32,33 二次電子
34 試料台
35 遮蔽板
36 試料電圧源
37 遮蔽筒
38 対物レンズ(セミアウトレンズ型)
39 対物レンズ(インレンズ型)
100 走査電子顕微鏡

Claims (8)

  1. 一次電子線を放出する電子源と、観察対象の試料を載置する試料台と、前記一次電子線を走査のために偏向させる偏向器と、前記一次電子線を前記試料の表面上に収束させる対物レンズと、前記対物レンズと前記試料台との間の空間の外周部に配設された二次電子検出器と、前記二次電子検出器の検出信号に基づき生成された前記試料表面の観察画像を表示する表示装置と、前記試料台に載置された前記試料に印加する試料電圧源と、を備え、
    前記試料電圧源から前記試料に対し、前記一次電子線の照射によって前記試料から放出される二次電子のエネルギーよりも高く、かつ、前記一次電子線の照射によって前記試料から放出される反射電子のエネルギーよりも低い電子エネルギーに相当する正極電圧を印加し、
    前記電子源から放出される前記一次電子線を前記試料に照射し、
    前記一次電子線の照射によって前記試料の表面から放出される反射電子が前記対物レンズを含む前記試料の周辺部材に衝突したとき、前記周辺部材から放出される二次電子を、前記二次電子検出器で検出すること
    を特徴とする走査電子顕微鏡。
  2. 前記対物レンズの下方で、かつ、前記試料台に載置された試料の上方の位置には、中央部に前記一次電子線を通過させるための開口部を有するとともに、前記反射電子のうち、前記試料表面に対して垂直に近い角度をなして前記試料表面から放出される高角度反射電子の多くを吸収して、遮蔽する遮蔽板が、さらに、配設されていること
    を特徴とする請求項1に記載の走査電子顕微鏡。
  3. 前記遮蔽板は、軽元素を主成分とすること
    を特徴とする請求項2に記載の走査電子顕微鏡。
  4. 前記試料台に載置された試料の上方で、かつ、前記試料表面に略接する位置には、前記反射電子のうち、前記試料表面の垂直方向に対して傾斜した方向に放出される低角度反射電子の多くを吸収し、遮蔽する遮蔽筒が、さらに、配設されていること
    を特徴とする請求項1に記載の走査電子顕微鏡。
  5. 前記遮蔽筒は、軽元素を主成分とすること
    を特徴とする請求項4に記載の走査電子顕微鏡。
  6. 前記試料台は、その上面に載置した前記試料を、前記一次電子線の照射路の中心軸に垂直な面に対して傾斜させて保持すること
    を特徴とする請求項1に記載の走査電子顕微鏡。
  7. 前記二次電子検出器は、前記対物レンズと前記試料台との間の空間の外周部に、複数個配設されていること
    を特徴とする請求項1に記載の走査電子顕微鏡。
  8. 一次電子線を放出する電子源と、観察対象の試料を載置する試料台と、前記一次電子線を走査のために偏向させる偏向器と、前記一次電子線を前記試料の表面上に収束させる対物レンズと、前記対物レンズと前記試料台との間の空間の外周部に配設された二次電子検出器と、前記二次電子検出器の検出信号に基づき生成された前記試料表面の観察画像を表示する表示装置と、前記試料台に載置された前記試料に印加する試料電圧源と、を備えた走査電子顕微鏡における二次電子検出方法であって、
    前記試料電圧源から前記試料に対し、前記一次電子線の照射によって前記試料から放出される二次電子のエネルギーよりも高く、かつ、前記一次電子線の照射によって前記試料から放出される反射電子のエネルギーよりも低い電子エネルギーに相当する正極電圧を印加し、
    前記電子源から放出される前記一次電子線を前記試料に照射し、
    前記一次電子線の照射によって前記試料の表面から放出される反射電子が前記対物レンズを含む前記試料の周辺部材に衝突したとき、前記周辺部材から放出される二次電子を、前記二次電子検出器で検出すること
    を特徴とする二次電子検出方法。
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