JP5358173B2 - 電磁波シールドフィルム - Google Patents

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本発明は、一般に電磁波シールドフィルムに関するものであり、より特定的には、湿式工程を含まずに容易に製造することができ、かつ、干渉斑(レインボウ)が発生せず、視認性に優れる電磁波シールドフィルムに関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、放電セルの内部でHe+Ne又はNe+Xeガスの放電により発生する波長147nmの紫外線が、赤(R)、緑(G)、青(B)の蛍光体を励起するとき発生する発光現象を利用した自発光型ディスプレイである。高輝度、高効率、広視野角を有し、50インチ以上の大型画面のディスプレイ装置にも展開が進んでいる。
PDPの放電セルからは、RGBの可視光線以外にも、近赤外線(NIR)、Neプラズマ発光、紫外線(UV)、プラズマ点火に必要な駆動回路信号に同期した数MHz〜数GHz帯の電磁波等の、本来ディスプレイに不要とされる電磁波も同時に輻射される。ここでNIRはワイヤレスリモコンの誤動作を、Neプラズマ発光はディスプレイの色再現性の低下を、UVは視力の低下等の悪影響を、数MHz〜数GHz帯の電磁波は人体への悪影響や精密機器の誤作動を引き起こす可能性がある。このため、PDPの前面には、有害な各種輻射電磁波をカットするためのシールドフィルムが装着される。
上記各種輻射電磁波のうち数MHz〜数GHz帯の電磁波を遮蔽するための電磁波シールドフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の透明樹脂からなる基材フィルム上に導電性の高い金属を格子状に配列した導電性メッシュを形成したもの等が挙げられる。
このような電磁波シールドフィルムを製造する方法としては、例えば、基材フィルム上に銅箔を貼合し、フォトリソグラフィーやスクリーン印刷法によってメッシュ状にレジスト膜を形成した後、メッシュ以外の部分(開口部)をエッチングにより除去する方法(例えば、特許文献1);基材フィルム上にグラビア印刷やオフセット印刷法を用いてメッシュ状に触媒を印刷した後、該触媒を核として無電解めっきを行う方法(例えば、特許文献2)等が提案されている。しかしながら、これらの方法はエッチングや無電解めっき等の湿式工程を含むことから、製造が煩雑となり高コストであるという問題があった。
これに対して、本願出願人らは、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含有する透明多孔質層を備えた透明樹脂基材の該透明多孔質層面に、表面が酸化銀で被覆された銀粒子、バインダー及び溶媒を含む導電性ペーストを幾何学パターンにスクリーン印刷する電磁波シールド材の製造方法を提案した(特許文献3)。この方法は、エッチングや無電解めっき等の湿式プロセスを含まないため簡便であり、また、基材フィルムの耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性等を全く考慮する必要が無い点でも有利であった。しかしながら、このような方法により製造された電磁波シールドフィルムでは、該透明多孔質層において干渉斑が発生して視認性の点で劣ることがあるという問題があった。
特開2004−95829号公報 特開2007−96049号公報 特開2007−142334号公報
本発明は、上記現状に鑑み、湿式工程を含まずに容易に製造することができ、かつ、干渉斑が発生せず、視認性に優れる電磁波シールドフィルムを提供することを目的とする。
本発明は、スクリーン印刷法で導電性ペーストを印刷して導電性メッシュを形成してなる電磁波シールドフィルムであって、透明樹脂からなる基材フィルム層、前記基材フィルム層からブリードアウトしてくるオリゴマー成分や不純物を透過させないためのオリゴマー拡散防止層、前記導電性ペーストのにじみを防止するための、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種が、オルガノポリシロキサンを含むマトリクス樹脂中に分散されてなる印刷受容層及び前記印刷受容層の上にスクリーン印刷法で印刷された導電性ペーストを焼成することによって形成された導電性メッシュ層がこの順に積層されてなり、前記印刷受容層の表面の粗さが中心線平均粗さ0.10〜0.50μm、最大粗さ1.0〜5.0μmであることを特徴とする。
以下に本発明を詳述する。
特許文献3に記載された電磁波シールドフィルムにおいては、導電性ペーストを焼成するための加熱に起因する基材フィルム層からのオリゴマーのブリードアウトを防止する目的のオリゴマー拡散防止層や、導電性ペーストのスクリーン印刷性を向上させたりする目的の印刷受容層等の複数の層を積層する必要がある。本願発明者らは、鋭意検討の結果、干渉斑が発生する原因が、このような複数の透明層を積層したことにあることを見出した。透明性の高い材料を層状に形成した場合、各層の屈折率差に起因して界面での光反射が生じる。この光反射に起因して、各層には虹状の干渉斑が生じてしまうものと考えられる。
本発明者らは、更に鋭意検討の結果、電磁波シールドフィルムを構成する印刷受容層の表面の粗さを一定の範囲とすることにより、干渉斑の発生を効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。これは印刷受容層の表面が適度に荒れることにより、透過する光を適度に拡散させることができるためと考えられる。
本発明の電磁波シールドフィルムは、少なくとも、透明樹脂からなる基材フィルム層、オリゴマー拡散防止層、印刷受容層及び導電性メッシュ層がこの順に積層された電磁波シールドフィルムであって、前記印刷受容層の表面の粗さが中心線平均粗さ0.10〜0.50μm、最大粗さ1.0〜5.0μmである。上記表面の粗さを有する層は印刷受容層の1層のみであってもよいが、全ての層で上記表面粗さを有することが好ましい。
上記中心線平均粗さが0.10μm未満であると、充分な干渉斑の抑制効果が得られず、0.50μmを超えると、導電性メッシュが断線して充分な電磁波シールド効果が得られないことがある。中心線平均粗さの好ましい下限は0.15μm、好ましい上限は0.40μmである。上記最大粗さが1.0μm未満であると、充分な干渉斑の抑制効果が得られず、5.0μmを超えると、導電性メッシュが断線して充分な電磁波シールド効果が得られないことがある。最大粗さの好ましい下限は1.5μm、好ましい上限は4.0μmである。
上記表面の粗さを有する層を形成する方法としては、印刷受容層を形成する際に、この層に、フィラーを含有させる方法、エンボス加工により凹凸を賦型する方法、サンドプラスト処理を施す等の物理的方法、エッチング処理を施す等の化学的方法により凹凸を付与する方法が考えられる。
なかでも、上記印刷受容層中にフィラーを含有させる方法が好適である。これにより、印刷受容層の表面に上記表面粗さが付与される。ひいては、干渉斑を効果的に抑制することができる。
上記フィラーとしては特に限定されず、例えば、クレー、カオリン等のシリカ−アルミナ系粘土鉱物;タルク等のシリカ−マグネシウム類;ケイ酸カルシウム;シリカ;アルミナ;炭酸カルシウム等が挙げられる。なかでもシリカが好適である。
上記印刷受容層中にフィラーを含有させる方法を採用する場合、上記フィラーの平均粒子径の好ましい下限は0.5μm、好ましい上限は4.0μmである。この範囲外であると、所望の表面粗さが得られないことがある。より好ましい下限は1.0μm、より好ましい上限は3.5μmである。なお、フィラーの平均粒子径は、光散乱法、コールター法(電気抵抗法)等で測定することができる。特に後者は、細孔に電流を流し、その細孔の中を通過する粒子の体積に比例して電気抵抗が変化することを検出するものであり、フィラーの形状、色、屈折率に影響されない測定方法である。
この発明の好ましい実施態様によれば、オリゴマー拡散防止層も、平均粒子径0.5〜4.0μmのフィラーを含有する。
上記オリゴマー拡散防止層中にフィラーを含有させる方法を採用する場合において、上記フィラーがシリカである場合好ましい下限は0.5重量%、好ましい上限は10重量%である。0.5重量%未満であると、所望の表面粗さが得られないことがあり、10重量%を超えると、オリゴマー拡散防止層の透明性に影響を与えることがある。
上記基材フィルムは、本発明の電磁波シールドフィルムに必要な強度や腰を付与するものである。
上記基材フィルム層を構成する透明樹脂としては、耐熱性が高く透明であるものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂;シリコーン樹脂;環状ポリオレフィン樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリイミド樹脂等が挙げられる。なかでも、透明性、コスト、耐久性、耐熱性等の観点から総合的に判断すると、ポリエステル樹脂、特にPET又はPENが好適である。
ここで透明樹脂からなる基材フィルム層における透明性とは、PDPの表示部の用途に用いられ得る程度の透明性であれば特に限定されない。通常、JIS K7105で測定した全光線透過率が85〜90%程度、及び、JIS K7105で測定したヘイズ値が0.1〜3%程度であることを意味する。
上記基材フィルム層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は50μm、好ましい上限は250μmである。50μm未満であると、あまりに薄いため折れやしわが発生するなど加工工程での取扱い性に不具合が生じることがあり、250μmを超えると、あまりに厚いため可とう性が低下して基材フィルムを連続加工する際の障害となる。より好ましい下限は75μm、より好ましい上限は125μmである。
下述するように導電性ペーストをスクリーン印刷法で形成されたメッシュは、大気中又は非酸化雰囲気下、より積極的には還元雰囲気下で焼成されて必要な導電性が得られる。このとき、表面抵抗は焼成温度が高く焼成時間が長いほど低くすることができるが、基材フィルムの耐熱性による限界がある。例えば、基材フィルム層としてPETからなるフィルムを選択した場合には、200℃程度が上限となる。しかしながら、焼成温度を200℃以下とした場合であっても、高温処理を施すことにより基材フィルム層中に存在するオリゴマー成分や不純物が表面にブリードアウトしてくることがあり、得られる電磁波シールドフィルムの透明性に悪影響を与えることがある。
上記オリゴマー拡散防止層は、このような基材フィルム層からのオリゴマー等のブリードアウトを防止する役割を有するものである。
上記オリゴマー拡散防止層としては、電磁波シールドフィルムの透明性を損なうことなく基材フィルム層からブリードアウトしてくるオリゴマー等を透過しない程度に緻密であるものであれば特に限定されないが、例えば、紫外線硬化型樹脂、熱硬化樹脂等を用い、これを架橋、硬化させたものが挙げられる。なかでも、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の2官能以上の紫外線硬化型アクリレートが好適である。
上記2官能以上の紫外線硬化型アクリレートとしては特に限定されず、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、PO変性グリセリントリアクリレート、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリアクリレート等が挙げられる。
なお、オリゴマーの拡散を防止する目的からは、上記紫外線硬化型アクリレートはより多官能のものであって、架橋度が高い硬化物を与えるものが好ましいが、あまりにも架橋度が高くなると、硬化時に内部応力が増加し、カールやクラックを引き起こす原因にもなる。オリゴマー拡散防止作用と内部応力の双方を加味して選択する必要がある。
上記紫外線硬化型アクリレート樹脂には、通常、光重合開始剤を添加して使用する。
上記光重合開始剤としては特に限定されず、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア 184 チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−1−フェニル−プロパン−1−オン等が挙げられる。
上記光重合開始剤としては、他にも、ベンゾイン、ベンゾイン誘導体、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン、チオキサントン誘導体、ベンジルジメチルケタール、α−アミノアルキルフェノン、モノアシルホスフィンオキサイド、ビスアシルホスフィンオキサイド、アルクルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセトフェノン、チタノセン化合物等も用いることができる。
これらの光重合開始剤の配合量としては、紫外線硬化型アクリレート樹脂100重量部に対して好ましい下限が1重量部、好ましい上限が10重量部である。1重量部未満であると、充分に重合が開始しないことがあり、10重量部を超えると、得られるオリゴマー拡散防止層の耐久性が低下することがある。
上記オリゴマー拡散防止層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は1.0μm、好ましい上限は10μmである。1.0μm未満であると、充分なオリゴマー拡散防止効果が得られないことがあり、10μmを超えると、加工工程中の熱や湿度で反りが発生しやすくなり、さらに高い温度が加わると黄変やクラックが発生しやすくなることがある。より好ましい下限は1.5μm、より好ましい上限は7.0μmである。
上記基材フィルム層上にオリゴマー拡散防止層を形成する方法としては特に限定されず、例えば、グラビアコーティング、オフセットコーティング、コンマコーティング、ダイコーティング、スリットコーティング、スプレーコーティング等の一般的な塗布方法を用いることができる。
上記印刷受容層は、スクリーン印刷法で導電性ペーストを印刷して良好なメッシュを形成する役割を有するものである。
上記印刷受容層としては、例えば、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種がマトリクス樹脂中に分散されてなるもの等が挙げられる。このような印刷受容層は多孔質なものとなり、印刷時に導電性ペーストが印刷受容層表面に転写されると同時に、速やかに溶媒成分が吸収されることでペーストのにじみを抑えることができる。
上記酸化物セラミックスとしては特に限定されず、例えば、チタニア、アルミナ、マグネシア、ベリリア、ジルコニア、シリカ等の単純酸化物;シリカ、ホルステライト、ステアタイト、ワラステナイト、ジルコン、ムライト、コージライト、スポジェメン等のケイ酸塩;チタン酸アルミニウム、スピネル、アパタイト、チタン酸バリウム、PZT、PLZT、フェライト、ニオブ酸リチウム等の複酸化物等が挙げられる。
上記非酸化物セラミックスとしては特に限定されず、例えば、窒化ケイ素、サイアロン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物;炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化タングステン等の炭化物;アモルファス炭素、黒鉛、ダイヤモンド、単結晶サファイヤ等の炭素等;ホウ化物、硫化物、ケイ化物等が挙げられる。
上記金属としては特に限定されず、例えば、金、銀、鉄、銅、ニッケル等が挙げられる。なかでも、シリカ、チタニア、アルミナ等が好適である。
上記酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス又は金属の平均粒子径の好ましい下限は10nm、好ましい上限は100nmである。10nm未満であると、均一に酸化物セラミックス等を分散させることができないことがあり、100nmを超えると、導電性ペーストをスクリーン印刷したときに、にじみ等を生ずることがある。より好ましい下限は15nm、より好ましい上限は70nmである。
上記印刷受容層は、例えばオルガノポリシロキサン等をマトリクス材料として形成することができる。
上記印刷受容層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は0.5μm、好ましい上限は2.5μmである。0.5μm未満であると、導電性ペーストをスクリーン印刷したときに、にじみ等が発生することがあり、2.5μmを超えると、印刷受容層自体にクラックが発生することがある。より好ましい下限は0.8μm、より好ましい上限は1.4μmである。
上記オリゴマー拡散防止層上に印刷受容層を形成する方法としては特に限定されず、ゾル−ゲル法等のウェットプロセスの他、CVD、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等のドライプロセスのいずれでもよい。なかでも、生産性やコストの面からはゾル−ゲル法が好ましい。
ウェットプロセスでは公知の手法によってオリゴマー拡散防止層上にコーティングすればよい。コーティング方法としては、例えばグラビアコーティング、オフセットコーティング、コンマコーティング、ダイコーティング、スリットコーティング、スプレーコーティング、ゾル−ゲル法、LB膜法等が例示でき、特にゾル−ゲル法が好適である。
上記ゾル−ゲル法での出発原料としては、シリカでは、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン等のテトラアルコキシシラン;メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等のオルガノアルコキシシラン;テトラクロロシラン、テトラブロモシラン等のテトラハロシラン等が例示される。また、アルミナでは、例えば、アルミニウムトリ−sec−ブトキシド等のトリアルコキシアルミニウム;アルミニウム(III)2,4−ペンタンジオネート等が挙げられる。上記出発原料は、触媒、水の存在下でゾル−ゲル反応を進行させるが、すでにゾル−ゲル反応が進んだこれらの加水分解物(反応中間体)を出発原料として用いても良い。また、必要に応じ、樹脂、界面活性剤等の他の成分を適宜添加してもよい。
上記導電性メッシュ層は、導電性の高い金属を格子状に配列した層であり、数MHz〜数GHz帯の電磁波を遮蔽する役割を有する。
上記導電性メッシュ層を構成する金属としては、導電性の高いものであれば特に限定されず、例えば、銀、銅、白金、ニッケル、金、パラジウム、アルミニウム等が挙げられる。
上記導電性メッシュ層を構成する金属の格子は、幅10〜40μm、間隔200〜400μm程度であることが好ましい。このような幅、間隔の金属格子により、効率よく電磁波をシールドすることができる。より好ましくは、幅15〜25μm、間隔250〜350μm程度である。
上記導電性メッシュ面の表面抵抗は、1.0Ω/sq.以下あることが好ましい。
上記導電性メッシュ層は、導電性ペーストをスクリーン印刷法で印刷した後、焼成することにより形成される。
上記導電性ペーストとしては、例えば、導電性に優れる金属粒子、バインダー樹脂及び溶媒からなるものが挙げられる。なお、金属粒子として酸化被膜を有するものを用い、これを還元してもよい。
上記導電性ペーストに含まれる金属粒子の平均粒径の好ましい上限は2μmである。2μm以下の金属粒子を用いることにより、導電性ペーストのスクリーン通過が容易となり、印刷受容層に印刷された細線の断線や滲みが抑制されるとともに、より低い温度で焼成させるができる。より好ましい下限は200nm、より好ましい上限は500nmである。
上記導電性ペーストに含まれるバインダー樹脂としては、印刷受容層と密着性がよくこれを侵さないものであれば特に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂及びそれらの共重合樹脂等が挙げられる。
上記バインダー樹脂の含有量としては特に限定されないが、金属粒子100重量部に対して好ましい下限は1重量部、好ましい上限は20重量部であり、より好ましい下限は3重量部、より好ましい上限は10重量部である。
上記導電性ペーストに含まれる溶媒としては、金属粒子及びバインダー樹脂と反応を起こさず、これらを良好に分散するものであれば特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールノルマルブチルエーテル等のグリコールのエーテル類;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(酢酸カルビトール)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールのエーテルエステル類、テルピネオール等が挙げられる。
上記導電性ペーストは、必要に応じて、分散剤、可塑剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
上記導電性メッシュ層は、上記導電性ペーストを上記印刷受容層上にスクリーン印刷した後、焼成することにより得られる。
上記焼成温度としては、上記導電性ペーストのバインダー樹脂、及び、上記基材フィルム層、オリゴマー拡散防止層及び印刷受容層の耐熱性を考慮して決定されるが、通常は130〜200℃程度(特に、160〜180℃程度)の低温で行われる。加熱処理では、例えば、外部加熱方式(蒸気又は電気加熱熱風、赤外線ヒーター、ヒートロール等)、内部加熱方式(誘導加熱、高周波加熱、抵抗加熱等)等が採用される。加熱時間は、通常、5分〜120分程度、好ましくは10分〜40分程度である。なお、加熱処理(焼成)を多段階で行っても良い。例えば、第一段階として50〜60℃で10〜20分程度加熱処理した後、引き続き、第二段階として160〜180℃で10分〜40分程度加熱処理することも可能である。
本発明の電磁波シールドフィルムは、必要に応じて、上記導電性メッシュ層上にメッシュを保護するためのオーバーコート層等を有してもよい。
本発明の電磁波シールドフィルムは、通常、基材フィルム層側をガラス等に貼着して用いるが、該ガラスと基材フィルム層との間にもオリゴマー拡散防止層を有していてもよい。
本発明によれば、湿式工程を含まずに容易に製造することができ、かつ、干渉斑が発生せず視認性に優れる電磁波シールドフィルムを提供することができる。
図1(A)は、本発明に係る電磁波シールドフィルムの平面図であり、図1(B)は、図1(A)におけるB−B線に沿う断面図である。
電磁波シールドフィルム1は、透明樹脂からなる基材フィルム層2、オリゴマー拡散防止層3、印刷受容層4及び導電性メッシュ層5を含む。印刷受容層4の表面の粗さは中心線平均粗さ0.10〜0.50μm、最大粗さ1.0〜5.0μmにされている。このような表面粗さは、オリゴマー拡散防止層3及び印刷受容層4中にフィラー6を含ませることによって実現した。オリゴマー拡散防止層3及び印刷受容層4の双方に表面粗さが付与されるので、干渉斑を効果的に抑制することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
<基材フィルム>
厚さ100μm、幅300mmのPETフィルム(東洋紡績社製:A4300)を基材フィルムとして用いた。
<オリゴマー拡散防止層>
紫外線硬化型アクリレート(JSR社製:オプスターZ7531)100重量部に、コールター法で測定した平均粒子径が2.0μmであるシリカ粒子を0.20重量部、コールター法で測定した平均粒子径が1.2μmであるシリカ粒子を0.31重量部加えて均一に分散させてオリゴマー拡散防止層の出発原料液を得た。該原料液をグラビアコーターにより基材フィルムの上に塗工し、80℃の熱風乾燥炉の中を約1.5分間通過させることで該原料液中の有機溶媒成分を揮発させた後、高圧水銀ランプにより発生させた紫外線を照射することにより硬化させて、厚さ約2μmのオリゴマー拡散防止層を形成した。得られたオリゴマー拡散防止層の表面粗さは、中心線平均粗さ0.22μm、最大粗さ2.48μmであった。なお、表面粗さは、東京精密社製サーフコム575A(JIS B
0651−1976)により測定した。
<印刷受容層>
導電性インク用受容層コート剤(宇部日東化成社製:ハイセラテックIR−S220S)100重量部に、コールター法で測定した平均粒子径が2.0μmであるシリカ粒子を0.20重量部、コールター法で測定した平均粒子径が1.2μmであるシリカ粒子を0.31重量部加えて均一に分散させて出発原料液を得た。得られた出発原料液をオリゴマー拡散防止層上にグラビアコーターにより厚さ約1.0μm塗布し、印刷受容層を形成した。得られた印刷受容層の表面粗さは、中心線平均粗さ0.22μm、最大粗さ2.48μmであった。
<導電性メッシュ層>
銀粒子を含有する導電性ペースト(藤倉化成社製:ドータイトXA−9015)を用いて、スクリーン印刷後、形成したメッシュを180〜200℃に加熱されたヒートロールを通過させることで焼成して、線幅約20μm、間隔約300μm、高さ約8μmの導電性メッシュ層を形成した。
得られた電磁波シールドフィルムについて、三波長蛍光灯下で目視評価したところ、レインボウの発生は認められなかった。また、導電性メッシュに滲みや断線の発生も認められず、表面抵抗は、0.27Ω/sq.であり、電磁波シールフィルムとして好適に使用できることを確認した。
(比較例1)
オリゴマー拡散防止層、印刷受容層にシリカ粒子を添加しない以外は、実施例1と同様にして電磁波シールドフィルムを得た。印刷受容層の表面粗さは、中心線平均粗さ0.02μm、最大粗さ0.03μmであった。得られた電磁波シールドフィルムについて、三波長蛍光灯下で目視評価したところ、全面でレインボウの発生が認められ、視認性が著しく低下していた。なお、導電性メッシュに滲みや断線の発生は認められず、表面抵抗は、0.28Ω/sq.であった。
本発明によれば、湿式工程を含まずに容易に製造することができ、かつ、干渉斑が発生せず視認性に優れる電磁波シールドフィルムを提供することができる。
(A) 本発明に係る電磁波シールドフィルムの平面図である。 (B) 図1(A)におけるB−B線に沿う断面図である。
符号の説明
1 電磁波シールドフィルム
2 基材フィルム層
3 オリゴマー拡散防止層
4 印刷受容層
5 導電性メッシュ層
6 フィラー

Claims (3)

  1. スクリーン印刷法で導電性ペーストを印刷して導電性メッシュを形成してなる電磁波シールドフィルムであって、
    透明樹脂からなる基材フィルム層、
    前記基材フィルム層からブリードアウトしてくるオリゴマー成分や不純物を透過させないためのオリゴマー拡散防止層、
    前記導電性ペーストのにじみを防止するための、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種が、オルガノポリシロキサンを含むマトリクス樹脂中に分散されてなる印刷受容層及び
    前記印刷受容層の上にスクリーン印刷法で印刷された導電性ペーストを焼成することによって形成された導電性メッシュ層がこの順に積層されてなり、
    前記印刷受容層の表面の粗さが中心線平均粗さ0.10〜0.50μm、最大粗さ1.0〜5.0μmであることを特徴とする電磁波シールドフィルム。
  2. 前記印刷受容層は、平均粒子径0.5〜4.0μmのフィラーを含有することを特徴とする請求項1記載の電磁波シールドフィルム。
  3. オリゴマー拡散防止層は、平均粒子径0.5〜4.0μmのフィラーを含有することを特徴とする請求項2記載の電磁波シールドフィルム。
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