JP2014182619A - 投影型静電容量方式タッチパネル用フイルム - Google Patents

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Abstract

【課題】大きなスクリーン版が1つあれば、47インチ、32インチ、42インチ、横長タッチパネル等のいずれのタッチスクリーンフイルムも作ることができる投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムを提供する。
【解決手段】投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムは、X軸方向に並んで延びる複数の電極配線1xのパターンが形成された透明電極フイルム2とY軸方向に並んで延びる複数の電極配線1yのパターンが形成された透明電極フイルム3との2枚のフイルムがX軸方向とY軸方向が直交するように、少なくとも一隅(P)を揃えて重ね合わされてなる。複数個の出力端子用電極配線5の全てを、電極配線1xの並びの真ん中より、上記1隅(P)の側に偏らせて設けている。
【選択図】図2

Description

本発明は、一般に投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムに関するものであり、より特定的には、47インチ、42インチ、32インチ用タッチパネル、横長タッチパネル等の種々のサイズのタッチパネルに使用できるように改良された投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムに関する。
タッチパネルとは、画面に直接触れることにより、コンピュータの操作が行える装置のことをいう。スマートフォン、携帯ゲーム機、カーナビ、切符販売機、銀行ATMなどさまざまなシーンで利用されている。
タッチパネルには、表示の視認性を筆頭に、位置検出の精度、操作の反応速度、表面の耐久性、導入コストなど、さまざまな要素が求められ、タッチ操作の検出方式によって特徴は大きく違ってくる。
図6に示す投影型静電容量方式タッチパネルは表面型より小さな画面サイズに用いられる場合が多く、昨今では携帯機器において注目度が非常に高い。内部構造については、演算処理ICを搭載した基板層の上に、特定のパターンで大量に並べた透明電極の層を配置し、表面にはガラスやプラスチックなどのカバー(誘電体)を重ねている。表面に指を近づけると複数の電極間の静電容量が同時に変化するが、この電流量の比率を測定することで、高精度に位置を特定することができる。
図7は、投影型静電容量方式タッチパネルフイルムの断面図を示す。X軸方向に並んで延びる電極配線のパターンが形成された透明電極フイルムとY軸方向に並んで延びる電極配線のパターンが形成された透明電極フイルムとを備え、これらの2枚のフイルムがX軸方向とY軸方向が直交するように重ね合わされてなる。
図8(A)は、従来の例えば42インチスクリーンパネルの平面図である。図8(B)は、B部拡大図である。図8(C)は、C部拡大図である。投影型静電容量方式タッチパネル用フイルム1は、X軸方向に並んで延びる複数の電極配線1xのパターンが形成された透明電極フイルムとY軸方向に並んで延びる複数の電極配線1yのパターンが形成された透明電極フイルムとの2枚のフイルムがX軸方向とY軸方向が直交するように、四隅を揃えて重ね合わされてなる。なお、図面では、作図の関係上、電極配線1x、1y等の密度は粗く描かれている。
それぞれの透明電極フイルムの上に、電極配線1x、1y、連結配線91x、91y、接続用電極配線6,10、出力端子用電極配線5,9がスクリーン印刷を経て形成されている。連結配線91x、91yは、電極配線1x、1yのパターンの端に設けられており、隣り合う電極配線1x、1yを9本ずつ束ねて1つの電極とするものである。接続用電極配線6,10は、各々の連結配線91x、91yから延びるものである。複数個の出力端子用電極配線5,9は、接続用電極配線6,10の各々からさらにX軸又はY軸に向かって延びて形成され、フレキシブルプリント配線基板(以下FPC基板と略す)4,8に出力するためのものである。複数個の出力端子用電極配線5、9はそれぞれ、電極配線1x、1yの並びの真ん中に設けられている。複数個の出力端子用電極配線5,9はコネクタを介してFPC基板4,8に電気的接続され、このFPC基板4、8はコネクタを介して変換基板7,11に電気的接続され、変換基板7,11は図示しないコントローラに電気的接続されている。
これらの電極配線1x、1y、連結配線91x、91y、接続用電極配線6,10、出力端子用電極配線5,9は、透明基材層の上に、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含有する透明多孔質層の上に幾何学パターンにスクリーン印刷された導電性ペーストを焼成することによって形成される。
そして、32インチ、47インチのスクリーンパネルに用いるタッチスクリーンフイルムを作る場合には、それぞれの大きさに応じたスクリーン版を準備して、スクリーン印刷を行わねばならなかった。
しかしながら、スクリーン版は高価なものであり、32インチ、42インチ、47インチのそれぞれのタッチパネル用として、それぞれのスクリーン版を準備するのは経済的に不利であるという問題点があった
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、大きな1つのスクリーン版があれば、47インチ、32インチ、42インチ用タッチパネル、横長タッチパネル等の種々のサイズのタッチパネルを製造することができる投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムを提供することを目的とする。
本発明に係る投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムは、X軸方向に並んで延びる複数の電極配線のパターンが形成された透明電極フイルムとY軸方向に並んで延びる複数の電極配線のパターンが形成された透明電極フイルムとの2枚のフイルムが上記X軸方向と上記Y軸方向が直交するように、少なくとも1隅を揃えて重ね合わされてなる投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムであって、それぞれの透明電極フイルム上に下記(a)、(b)及び(c)がスクリーン印刷を経て形成されている。
(a) 上記電極配線のパターンの端に設けられた、隣り合う上記電極配線を複数本ずつ束ねて1つの電極とする連結配線。
(b) 上記透明電極フイルムの端縁に設けられた、フレキシブルプリント配線基板に出力するための、複数個の出力端子用電極配線。
(c) 上記連結配線の各々と対応する上記出力端子用電極配線の各々とを接続する接続用電極配線。
上記複数個の出力端子用電極配線の全てを、上記電極配線の並びの真ん中より、上記1隅の側に偏らせて設けたことを特徴とする。
この発明によれば、上記複数個の出力端子用電極配線の全てを、上記電極配線の並びの真ん中より、上記1隅の側に偏らせて設けているので、37インチ用タッチパネル用にも42インチ用のパネル、横長タッチパネル等の種々のサイズのタッチパネルにも切断して使える。
上記透明電極フイルムは、透明基材層と、上記透明基材層の上に設けられた、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含有する透明多孔質層と、を備え、上記電極配線のパターン、上記連結配線、上記出力端子用電極配線及び上記接続用電極配線は、上記透明多孔質層の上にスクリーン印刷された導電性ペーストを加熱処理して形成されているのが好ましい。
上記記導電性ペーストは、有機バインダー樹脂、平均粒径系が5nm以上5μm以下の球状の銀である導電粉末及び有機溶剤を含むのが好ましい。
上記導電粉末の含有量は、上記導電性ペーストの全体量の50〜95質量%であり、上記有機バインダー樹脂は、水酸基を有するポリエステル樹脂、ブロックポリイソシアネート、アクリル樹脂を含む熱硬化性樹脂、可塑剤及びカップリング剤からなる。
有機バインダー樹脂が、水酸基を有するポリエステル樹脂、ブロックポリイソシアネート、アクリル樹脂を含む熱硬化性樹脂、可塑剤及びカップリング剤からなるので、導電性ペーストを加熱処理すると、有機バインダー樹脂が3次元硬化し、焼散せずに残り、銀粒子を互いに融着させたまま、透明多孔質層の面上に密着性よく留まり、剥がれない。
透明性樹脂基材の基材樹脂としては、耐熱性が高く、透明であり、該基材上に該透明多孔質層を形成し得るものであれば特に限定はない。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂;シリコーン樹脂;環状ポリオレフィン樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂などが例示される。上記のうち、透明性、コスト、耐久性、耐熱性等の観点から総合的に判断すると、ポリエステル樹脂、特にPET又はPENが好ましく採用される。
ここで透明性樹脂基材における透明性とは、PDP、CRT等の表示部の用途に用いられ得る程度の透明性であれば特に限定されない。通常、JIS K7105で測定した全光線透過率が85〜90%程度、及びJIS K7105で測定したヘイズ値が0.1〜3%程度である。
透明性樹脂基材の形態は、PDP、CRT等の表示部に用い得る形態、即ち、フィルム状、シート状、平板状等が採用される。かかる形態は、上記の基材樹脂から公知の方法により製造することができる。
上記透明多孔質層は、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含有する。
ここで、酸化物セラミックスとしては、チタニア、アルミナ、マグネシア、ベリリア、ジルコニア、シリカ等の単純酸化物、シリカ、ホルステライト、ステアタイト、ワラステナイト、ジルコン、ムライト、コージライト、スポジェメン等のケイ酸塩、チタン酸アルミニウム、スピネル、アパタイト、チタン酸バリウム、PZT、PLZT、フェライト、ニオブ酸リチウム等の複酸化物が例示できる。
非酸化物セラミックスとしては、窒化ケイ素、サイアロン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化タングステン等の炭化物、アモルファス炭素、黒鉛、ダイヤモンド、単結晶サファイヤ等の炭素が例示できる。その他、ホウ化物・硫化物・ケイ化物が例示できる。
金属としては、金、銀、鉄、銅、ニッケル等が例示できる。
これらのうち少なくとも1つを原料として用いればよく、より好ましいのはシリカ、チタニア、アルミナであり、その他成分や配合は特に制限はない。
透明性樹脂基材上に透明多孔質層を形成する方法は、ウェットプロセス、ドライプロセスのいずれでもよく、特に制限はないが、生産性やコストの面からはウェットプロセスが好ましい。ウェットプロセスでは公知の手法によって基材上にコーティング(塗布)すればよい。コーティング方法としては、例えばグラビアコーティング、オフセットコーティング、コンマコーティング、ダイコーティング、スリットコーティング、スプレーコーティング、メッキ法、ゾル−ゲル法、LB膜法等が例示でき、特にゾル−ゲル法が好ましい。
ゾル−ゲル法での出発原料としては、シリカでは、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン等のテトラアルコキシシラン;メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等のオルガノアルコキシシラン;テトラクロロシラン、テトラブロモシラン等のテトラハロシラン等が例示される。また、アルミナでは、例えば、アルミニウムトリ−sec−ブトキシド等のトリアルコキシアルミニウム;アルミニウム(III)2,4−ペンタンジオネート等が挙げられる。上記出発原料は、触媒、水の存在下でゾル−ゲル反応を進行させるが、すでにゾル−ゲル反応が進んだこれらの加水分解物(反応中間体)を出発原料として用いても良い。また、必要に応じ、樹脂、界面活性剤等の他の成分を適宜添加しても良い。
また、上記出発原料を含むゾルに対して、酸化物セラミックスのフィラーを加えてゾル−ゲル反応させてもよい。この場合、該フィラーの含有量は、出発原料100重量部に対して、5〜100重量部程度であればよい。該フィラーの平均粒子径は、通常、10〜100nm程度であればよい。
なお、ドライプロセスとしては、例えばCVD、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等が例示できる。
透明性樹脂基材上に有する透明多孔質層の厚さは、0.05〜20μm程度、特に0.1〜5μm程度である。
また、該透明多孔質層は、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする微粒子の集合体(凝集体)からなり、該微粒子間に細孔を有している。該透明多孔質層の平均粒子径は10〜100nm程度であり、該細孔径は10〜100nm程度である。このような透明多孔質層を有しているため、後述する導電性ペーストとのマッチングが優れており、所望のパターン形成が可能となる。
透明多孔質層を有する透明性樹脂基材の形態は、フィルム状、シート状、平板状等である。フィルム状又はシート状の場合、透明多孔質層を有する透明性樹脂基材の厚さは、通常、25〜200μm程度、好ましくは40〜188μm程度であればよい。特に、PDP等のディスプレイ全面の電磁波シールド材として用いる場合、50〜125μm程度が好ましい。また、板状の場合は、その厚さは、通常、0.5〜5mm程度、好ましくは1〜3mm程度であればよい。
透明多孔質層を有する透明性樹脂基材の透明性は、通常、JIS K7105で測定した全光線透過率が85〜90%程度、及びJIS K7105で測定したヘイズ値が0.1〜3%程度である。
また、本発明で用いられる透明性樹脂基材には、上記の透明多孔質層とは反対面に、ハードコート層を設けてもよい。
ハードコート層としては、透明性を損なわないものであれば一般的な材料を用いればよく、特に制限はない。そのうち紫外線硬化型アクリレート樹脂が好ましい。その主成分としては、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の2官能基以上を有する紫外線硬化型のアクリレートであれば特に限定されるものではない。1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレートのような2官能性アクリレートやトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、PO変性グリセリントリアクリレート、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリアクリレートのような多官能アクリレート等の使用が好ましい。
また、紫外線硬化型アクリレート樹脂には、通常、光重合開始剤を添加して使用する。光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア 184 チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−1−フェニル−プロパン−1−オン等を添加することにより、充分な硬化被膜を得ることができる。その他、ベンゾイン、ベンゾイン誘導体、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン、チオキサントン誘導体、ベンジルジメチルケタール、α−アミノアルキルフェノン、モノアシルホスフィンオキサイド、ビスアシルホスフィンオキサイド、アルクルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセトフェノン、チタノセン化合物等の光重合開始剤も使用できる。
これらの光重合開始剤の配合割合は、紫外線硬化型アクリレート樹脂100重量部に対し1〜10重量部が好ましい。1重量部未満では充分に重合が開始せず、また、10重量部を超えると場合によっては耐久性が低下するからである。
なお、上記の紫外線硬化型アクリレート樹脂中には、その透明性を損なわない程度で第三成分(UV吸収剤、フィラー等)を含ませてもよく特に制限はない。
透明性樹脂基材にハードコート層を形成する方法は、一般的な塗布方法を用いればよく、特に制限はない。
透明性樹脂基材にハードコート層を設けることにより、後述する焼成時に、基材樹脂からのオリゴマーの析出による白化や黄変を抑制することができ、これにより本発明の電磁波シールド材は高い透明性が確保される。また、電磁波シールド材の製造工程中でのキズ防止も可能となる。
本発明で用いられる導電性ペーストは、有機バインダー樹脂、平均粒径系が5nm以上5μm以下の球状の銀である導電粉末及び有機溶媒を含む。この導電粉末は、粒径が異なる2種類の銀粒子を含むのが好ましい。
平均粒径系が5nm以上5μm以下の球状の銀である導電粉末を用いると、銀粒子を互いに融着させたまま、透明多孔質層の面上に密着性よく留まり、剥がれない。ひいては、透明多孔質層に印刷された細線の断線が防止される。
上記導電粉末の含有量は、上記導電性ペーストの全体量の50〜95質量%である。この範囲を選ぶことにより、焼成後、残存有機バインダー樹脂中において、銀粒子を互いに融着させたまま、透明多孔質層の面上に密着性よく留まらせることができる。導電粉末は互いにくっつき合い、電気的接続され、導電性は損なわれない。
導電性ペーストに含まれる有機バインダー樹脂としては、透明多孔質層と密着性がよく、透明多孔質層を侵さないもので、水酸基を有するポリエステル樹脂、ブロックポリイソシアネート、アクリル樹脂を含む熱硬化性樹脂である。
これらは、導電性ペーストの焼成時に、化学反応を起こし、3次元化網目高分子が形成され、銀粒子を互いに固くつなぎ止めることが見出された。本発明は、これらの知見に基づいて完成した。
ここでいうポリエステルは、その構成成分であるジカルボン酸成分やジオール成分にいろいろな成分をランダムに共縮重合させることにより、結晶性、融点、あるいは軟化点、ガラス転移点、溶剤に対する溶解性、機械的性質などを自由に変化させる事が出来る。ポリエステルは、分子末端に反応基(ヒドロキシル基、カルボキシル基)を持っているので、イソシアネートプレポリマーやメラミン樹脂などを併用すると、接着性、耐熱性を向上する事が出来る。
ブロックポリイソシアネートは、硬化前に反応させないために、遊離のイソシアネートをイミダゾール類、オキシム類、フェノール等でブロックしたもので、特に限定はなく使用することができる。
アクリル樹脂を含む熱硬化性樹脂には、いくつかのタイプがある。水酸基、カルボキシル基、エポキシ基などの側鎖官能基を有するアクリル樹脂をアミノ樹脂で架橋したもの、グリシジル基含有アクリル共重合体を脂肪族二塩基酸(ドデカン二酸)で架橋したもの、水酸基含有アクリル共重合体をブロックイソシアネートあるいはメチロール化メラミンで架橋したもの、カルボキシル基含有アクリル共重合体をエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートあるいはβ−ヒドロキシアルキルアミドで架橋したもの、アルコキシル基≡Si−ORにより湿気(水分)による架橋したもの、いずれも好ましく使用できる。
有機バインダー樹脂(単に「バインダー」とも称する)の使用量は、球状銀粒子100重量部に対して1.0〜20重量%程度、好ましくは3〜10重量%程度であればよい。有機バインダー樹脂量が1.0質量%未満の場合、硬化後の導電性ペースト(銀の細線)の膜質が脆くなり、また、十分な3次元構造をとることができず銀粒子同士をつなぎとめる効果が低くなるため、所望する導電性を得ることができない。また、20質量%を超えると、銀粒子間に硬化性の樹脂が過剰に介在することにより、粒子の接触性又は焼結性を阻害することになり、所望の導電性を得ることができない。
また、導電性ペーストに含まれる溶媒(又は「溶剤」とも称する)としては、銀粒子及びバインダーと反応を起こさず、これらを良好に分散するものであれば特に限定されるものではない。例えば、スクリーン印刷用の導電性ペーストとして調合される場合は、比較的高沸点(例えば、沸点約100〜300℃)のものが選択されることが多い。
例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールノルマルブチルエーテル等のグリコールのエーテル類;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(酢酸カルビトール)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールのエーテルエステル類、テルピネオールなどの有機溶剤が使用される。溶媒の使用量は、球状銀粒子100重量部に対して1〜30重量部程度、好ましくは3〜20重量程度であればよい。
また、導電性ペーストに添加する可塑剤としては、ジ−n−オクチルフタレート(DOP)、ジ−n−ブチルフタレート(DBP)等のフタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、リン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、クエン酸エステル類、エポキシ類、グリコール類及びポリエステル類等が用いられるが、用いる有機バインダー樹脂の組成に合わせて最適なものを選択すればよく特に限定されない。可塑剤を使用する場合は、その使用量は、有機バインダー樹脂全体量に対して1.0〜15質量%程度であればよく、好適な可塑性が付与される。可塑剤量が1.0質量%未満の場合、バインダーに十分な可塑性を与えることができず、15質量%を越えると導電性ペースト保存安定性を阻害し、また、過剰な可塑剤がバインダーの硬化性を阻害するため好ましくない。
導電性ペーストの製造は、アクリル樹脂を含むバインダー樹脂に、銀粉末を加え、攪拌混合した後に混練して高粘度の導電性ペーストを作る。混練は、ロールミル、ライカイ機、ボールミル、遊星ミル、自公転式混合機からなる群より選ばれる1つ若しくは複合された方法による。上記導電性ペーストに水酸基を有するポリエステル樹脂、ブロックポリイソシアネート化合物、可塑剤及びカップリング剤を混合する。この混合は、ロールミル、ライカイ機、ボールミル、遊星ミル、自公転式混合機からなる群より選ばれる1つ若しくは複合された方法による。
また、導電性ペーストは、スクリーン印刷に適した粘度及びチキソトロピー性に調製されてスクリーン印刷に供される。粘度及びチキソトロピー性の調製は、銀粒子の粒径、バインダーの種類、溶媒の種類等に応じて適宜選択することができる。例えば、導電性ペーストの粘度は、通常、10〜10000dPa・s程度であれば良く、チキソトロピーインデックスは1.5〜4.0程度の範囲で適宜選択すればよい。
スクリーン印刷の方法は特に限定はなく、公知の方法を用いて行うことができる。印刷に用いるスクリーン版は、電磁波を効果的に遮蔽でき、かつ十分な透視性が確保できる程度の導電部が形成されるようなパターン、特に、格子状、網目状などの連続した幾何学パターンを有するものが用いられる。例えば、直径11〜23μmのステンレスワイヤで織られた360〜700メッシュのステンレス紗に、線幅10〜30μm程度、模様ピッチ200〜400μm程度の格子状パターンを設けたスクリーン版が挙げられる。
スクリーン印刷では、微細な粒子状酸化銀を含む導電性ペーストを用いているため、パターンにムラの発生がほとんどない。また、該導電性ペーストと透明多孔質層とのマッチングがよいため、透明多孔質層上に形成されたパターンの細線に、断線や滲みがほとんど発生しない。
一般に、スクリーン印刷されるパターンの線幅は、原理上、スクリーン版の線幅より少し太くなる傾向があるが、線間隔のズレやパターンの歪みがほとんど発生せず、スクリーン版のパターンに対しほぼ忠実なパターンが透明多孔質層上に再現されることとなる。少し太くなる傾向を嫌う場合、スクリーン版のスリット幅を、透明多孔質層に形成される所望の線幅よりも小さく設定すればよく、当業者であればかかる設定は容易に行うことができる。
続いて、スクリーン印刷された電磁波シールド材を、130〜200℃程度(特に、160〜180℃程度)の低温で加熱処理(焼成)して、透明多孔質層に格子状パターンの導電部を形成する。上述したように、特定の導電性ペーストを用いているため、比較的低温の加熱条件でも容易に金属銀粒子の融着が起こり、連続した金属銀の塗膜を形成することができる。加熱処理では、例えば、外部加熱方式(蒸気又は電気加熱熱風、赤外線ヒーター、ヒートロール等)、内部加熱方式(誘導加熱、高周波加熱、抵抗加熱等)等が採用される。加熱時間は、通常、5分〜120分程度、好ましくは10分〜40分程度である。
なお、上記加熱処理(焼成)を多段階で行っても良い。例えば、第一段階として50〜60℃で10〜20分程度加熱処理した後、引き続き、第二段階として160〜180℃で10分〜40分程度加熱処理することも可能である。多段階にすることで、先に溶媒を揮発させることで、さらに滲みを抑制することができる。
このように、上記の導電性ペーストを用いると、低温且つ短時間で銀塗膜を形成することができるため、熱による透明性樹脂基材への悪影響を回避できる。即ち、熱により透明性樹脂基材からのオリゴマー析出によって該基材が白化したり、熱により基材が黄変したりすることを抑制できる。
また、透明性樹脂基材の透明多孔質層と反対面にハードコート層を有する場合、焼成時に基材樹脂の白化や黄変がさらに抑制される。
さらに、本発明では、上記で得られた格子状パターンの導電部が形成された透明性樹脂基材の透明多孔質層上に、酸化物セラミックス前駆体及び/又は透明性樹脂と溶媒とを含むオーバーコート液を塗布、乾燥してオーバーコート層を形成する。
オーバーコート液には、酸化物セラミックス前駆体及び透明性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の材料を主成分として含有する。該材料は、透明性、密着性等の特性を有するものであれば特に限定はない。
酸化物セラミックス前駆体とは、ゾル−ゲル法等により透明な酸化物セラミックスを形成できる前駆体(化合物)であればよく、例えば、シリカ前駆体(テトラメトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、オルガノアルコキシシラン、テトラハロシラン等)、チタニア前駆体(テトラアルコキシチタン、オルガノアルコキシチタン、テトラハロチタン等)、アルミナ前駆体(トリアルコキシアルミニウム、オルガノアルコキシアルミニウム、トリハロアルミニウム等)、マグネシア前駆体、ベリリア前駆体、ジルコニア前駆体(テトラアルコキシジルコニウム、オルガノアルコキシジルコニウム、テトラハロジルコニウム等)などが挙げられる。
これらの酸化物セラミックス前駆体は、通常、公知の方法により加水分解するなどして、シリカゾル、チタニアゾル、アルミナゾル、マグネシアゾル、ベリリアゾル、ジルコニアゾルなどのゾル状物に変換させて用いられる。
酸化物セラミックス前駆体として、テトラメトキシシランが好適である。
また、透明性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、シリコーン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂及びウレタン樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。該材料は、これらからなる群から選ばれる少なくとも1種を選択することができる。
透明性樹脂として、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂が好適である。
また、オーバーコート液に含まれる溶媒は、例えば、水、アルコール類、芳香族炭化水素、エチレングリコールのエーテルエステル類、プロピレングリコールのエーテルエステル類、ケトン類、テルピネオール等が挙げられ、これらからなる群から選ばれる少なくとも1種を選択することができる。
オーバーコート液に含まれる酸化物セラミックス前駆体及び透明性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の材料の使用量は、溶媒100重量部に対して通常0.5〜30重量部程度、好ましくは0.5〜5.0重量部程度であればよい。
オーバーコート液には、上記の酸化物セラミックス前駆体及び/又は透明性樹脂及び溶媒以外に、必要に応じて、アンチブロッキング材や、界面活性剤、触媒等を添加してもよい。
好ましいオーバーコート液としては、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂及びシリカ前駆体を含むもの(例えば、商品名「コンポセランAC601」、荒川化学工業株式会社等)、ポリビニルアルコール樹脂を含むもの(商品名「ゴーセファイマーZ100」、日本合成化学工業株式会社)等が例示される。
オーバーコート液を塗布する方法は、例えば、グラビアコーティング、オフセットコーティング、コンマコーティング、ダイコーティング、スリットコーティング、スプレーコーティング、メッキ法、ゾル−ゲル法、LB膜法、CVD、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の方法を採用すればよい。塗布量は、乾燥後に形成されるオーバーコート層の厚さが0.01〜20μm程度、好ましくは0.1〜10μm程度になるように調整すればよい。
オーバーコート液が塗布された透明性樹脂基材は、続いて乾燥工程に供される。乾燥条件は、通常、80〜150℃の温度で、1〜10分間程度乾燥すればよい。
この様にして形成されるオーバーコート層は、本発明の電磁波シールド材に高い耐久性を付与する。オーバーコート層を有する本発明の電磁波シールド材は、オーバーコート層を有しない電磁波シールド材と比べて、耐環境性、耐熱性、耐光性、耐湿性、耐擦傷性等に優れている。
本電磁波シールド材は、オーバーコート層自体は絶縁性であるが、膜厚が小さいため、オーバーコート層の上から電極端子を設置する際に層を貫通させて或いは層を剥離するなどして下部の導電部(銀の細線)に電極を接触させて、アースを取ることも可能である。電極端子の設置方法などによっては、アースをとれない場合も想定されるが、その場合はオーバーコート層の未形成部を設けてもよい。
以上のようにして、電磁波シールド材が製造される。本発明の電磁波シールド材は、高い開口率を有し、例えば75%以上、特に80〜95%程度となる。そのため、高い透視性が達成される。
また、導電部の格子状又は網目状パターンの線幅(W)は、通常、10〜30μm程度、好ましくは15〜20μm程度である。線幅が約10μm未満である幾何学パターンは、その作製が困難となる傾向にあり、30μmを越えるとパターンが目に付きやすくなる傾向にあるため好ましくない。
なお、印刷される格子状又は網目状パターンの線の間隔(ピッチ)(P)は、上記の開口率及び線幅を満たす範囲で適宜選択することができる。通常、200〜400μm程度の範囲であればよい。
細線の厚み(透明多孔質層面から垂直方向の細線の最大高さ)は、線幅等によって変動し得るが、通常約1μm以上であり、特に1〜30μm程度である。
さらに、透明多孔質層上に形成された導電性パターンは、実質的にその大部分が銀粒子からなり、かつ、この銀粒子が直接融着し結合した高純度の銀の塊となる。このため、より低く且つ安定な抵抗値を有している。
更に、上述したように、オーバーコート層を有する場合には、耐環境性、耐熱性、耐光性、耐湿性、耐擦傷性等に優れている。具体的には、高温かつ高湿度下で用いても、透明性の劣化が起こりにくく、高い透明性及び透視性が保持される。
本投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムは、さらに機能性フィルム等が積層されていてもよい。機能性フィルムとしては、フィルムの表面の光反射を防止する反射防止層が設けられた反射防止フィルム、着色や添加剤によって着色された着色フィルム、近赤外線を吸収又は反射する近赤外線遮蔽フィルム、指紋など汚染物質が表面に付着することを防止する防汚性フィルムなどが挙げられる。
本発明によれば、複数個の出力端子用電極配線の全てを、電極配線の並びの真ん中より、1隅の側に偏らせて設けているので、37インチ用タッチパネル用にも42インチ用のパネルにも横長タッチパネル等の種々のサイズのタッチパネルにも切断して使える。その結果、それぞれの大きさのスクリーン版を準備する必要がなく、経済的である。
(A)は、実施例1に係る投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムの平面図であり、(B)(C)は、それぞれ図1(A)及び図2におけるB部及びC部の拡大図である。 実施例1に係る投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムの分解斜視図である。 実施例1に係る投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムの作用効果を説明する図である。 図2におけるIV−IV線に沿う断面図である。 実施例2に係る投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムの平面図であり、(B)(C)は、それぞれ図5(A)及び図2におけるB部及びC部の拡大図である。 投影型静電容量方式のタッチパネルの動作を説明する図である。 投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムの断面図を示す。 従来の例えば42インチ用の投影型静電容量方式タッチパネルの平面図である。
大きな1つのスクリーン版があれば、47インチ、32インチ、42インチ用、横長タッチパネル等の種々のサイズのタッチパネルを製造することができる投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムを得るという目的を、複数個の出力端子用電極配線の全てを、電極配線の並びの真ん中より、1隅の側に偏らせて設けることによって実現した。以下、この発明の実施例を説明する。
図1(A)は、実施例に係る投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムの平面図であり、図2はその分解斜視図(変換基板7,11を取り付ける前)である。図1(B)(C)は、それぞれ図1(A)及び図2におけるB部及びC部の拡大図である。本タッチパネル用フイルム1は、投影型静電容量方式のものであり、電極の数が多く、正確な多点検出(マルチタッチ)を行えるのが特徴である。投影型静電容量方式タッチパネル用フイルム1は、47インチ用投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムの大きさであり、X軸方向に並んで延びる複数の電極配線1xのパターンが形成された透明電極フイルム2とY軸方向に並んで延びる複数の電極配線1yのパターンが形成された透明電極フイルム3との2枚のフイルムが上記X軸方向と上記Y軸方向が直交するように、少なくとも一隅(P)を揃えて重ね合わされてなる。
透明電極フイルム2の上に、電極配線1xのパターンに加えて、(a)上記電極配線1xのパターンの端に設けられた、隣り合う上記電極配線1xを9本ずつ束ねて1つの電極とする連結配線91x、(b)上記透明電極フイルム2の端縁に設けられた、FPC基板4に出力するための、X軸方向に向かって延びる複数個の出力端子用電極配線5、(c)連結配線91xの各々と対応する出力端子用電極配線5の各々とを接続する接続用電極配線6がスクリーン印刷を経て形成されている。
複数個の出力端子用電極配線5の全てを、電極配線1xの並びの真ん中より、上記1隅(A)の側に偏らせて設けている。複数個の出力端子用電極配線5はFPC基板4に電気的接続され、このFPC基板4はコネクタを介して変換基板7に電気的接続され、変換基板7は図示しないコントローラに電気的接続されている。
同様に、透明電極フイルム3の上に、電極配線1yのパターンに加えて、(a)電極配線1yのパターンの端に設けられた、隣り合う上記電極配線1yを9本ずつ束ねて1つの電極とする連結配線91y、(b)透明電極フイルム3の端縁に設けられた、FPC基板8に出力するための、Y軸方向に向かって延びる複数個の出力端子用電極配線9、(c)連結配線91xの各々と対応する出力端子用電極配線9の各々とを接続する接続用電極配線10がスクリーン印刷を経て形成されている。
複数個の出力端子用電極配線9の全てを、電極配線1yの並びの真ん中より、上記1隅(P)の側に偏らせて設けている。複数個の出力端子用電極配線9はFPC基板4に電気的接続され、このFPC基板9はコネクタを介して変換基板11に電気的接続され、変換基板11は図示しないコントローラに電気的接続されている。
本発明によれば、図1(A)と図3(A)を参照して、32インチ用の投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムを得るためには、切断線12に沿って、投影型静電容量方式タッチパネル用フイルム1をカットすればよい。また、42インチ用の投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムを得るためには、図1(A)と図3(B)を参照して、切断線13に沿って、投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムをカットすればよい。47インチ用に使用するときは、図1(A)と図3(C)を参照して、カットせずにそのまま用いるとよい。
いずれの場合にも、FPC基板4,8に入力するための出力端子用電極配線5,9は、タッチパネル用フイルム内に含まれる。結果として、47インチのタッチパネル用フイルムを製造する47インチ用のスクリーン版があれば、47インチ、32インチ、42インチのタッチパネル用フイルム、横長タッチパネル等の種々のサイズのタッチパネルのいずれをも製造することができ、経済的に優位に立つ。
図4は、図2におけるIV−IV線に沿う断面図である。
透明基材フイルム(PET)(100μm)14の上に、導電性ペーストインキのにじみ(線太り)を防止するためのインキ受容層である透明多孔質層15(1μm)が設けられている。透明多孔質層15の上に、導電性ペーストインキ(銀ペースト)をスクリーン印刷し、これを焼成することによって形成された電極配線1xが設けられている。電極配線1xの平面視形状は、ジグザグの形状を有している。電極配線1yの場合も同様である。
電極配線1x,1yのパターンの形成と同時に、電極配線1x,1yを端から9本ずつを束にして1つの電極として電気的接続する接続用電極配線6,10、該接続用電極配線6,10のそれぞれからX軸又はY軸に向かってさらに延びて形成された、FPC基板4,8に出力する複数個の出力端子用電極配線5,9もまた導電性ペーストインキをスクリーン印刷し、これを焼成することによって形成される。
図5(A)は実施例2に係る投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムの平面図であり、図5(B)(C)は、それぞれ図5(A)及び図2におけるB部及びC部の拡大図である。実施例2は、以下の点を除いて実施例1と同じである。実施例2では、端から順に隣り合う電極配線1x、1yを3本束ねて1つの電極とする第1の連結配線31x、31yと、隣り合う電極配線1x、1yを6本束ねて1つの電極とする第2の連結配線61x、61yと、さらに第1の連結配線31x、31yと第2の連結配線61x、61yとを接続し、9本の電極配線の束として1つの電極とする第3の連結配線91x、91yを備える。このような構成であっても相当の効果を奏する。
今回開示された実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、大きなスクリーン版が1つあれば、47インチ、32インチ、42インチ、横長タッチパネル等の種々のサイズのタッチパネルの投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムも製造することができ、経済的に優位に立てる。
1 投影型静電容量方式タッチパネル用フイルム
1x、1y 電極配線
2、3 透明電極フイルム
4、8 FPC基板
5、9 出力端子用電極配線
6 接続用電極配線
7 変換基板
10 接続用電極配線
11 変換基板
12,13 切断線
14 透明基材
15 透明多孔質層
31x、31y、61x、61y、91x、91y 連結配線

Claims (3)

  1. X軸方向に並んで延びる複数の電極配線のパターンが形成された透明電極フイルムとY軸方向に並んで延びる複数の電極配線のパターンが形成された透明電極フイルムとの2枚のフイルムが前記X軸方向と前記Y軸方向が直交するように、少なくとも1隅を揃えて重ね合わされてなる投影型静電容量方式タッチパネル用フイルムであって、
    それぞれの透明電極フイルム上に下記(a)、(b)及び(c)がスクリーン印刷を経て形成され、
    (a) 前記電極配線のパターンの端に設けられた、隣り合う前記電極配線を複数本ずつ束ねて1つの電極とする連結配線。
    (b) 前記透明電極フイルムの端縁に設けられた、フレキシブルプリント配線基板に出力するための、複数個の出力端子用電極配線。
    (c) 前記連結配線の各々と対応する前記出力端子用電極配線の各々とを接続する接続用電極配線。
    前記複数個の出力端子用電極配線の全てを、前記電極配線の並びの真ん中より、前記1隅の側に偏らせて設けたことを特徴とする投影型静電容量方式タッチパネル用フイルム。
  2. 前記透明電極フイルムは、透明基材層と、
    前記透明基材層の上に設けられた、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含有する透明多孔質層と、を備え、
    前記電極配線のパターン、前記連結配線、前記出力端子用電極配線及び前記接続用電極配線は、前記透明多孔質層の上にスクリーン印刷された導電性ペーストを加熱処理して形成されている、請求項1に記載の投影型静電容量方式タッチパネル用フイルム。
  3. 前記記導電性ペーストは、有機バインダー樹脂、平均粒径系が5nm以上5μm以下の球状の銀である導電粉末及び有機溶剤を含む、請求項1又は2に記載の投影型静電容量方式タッチパネル用フイルム。
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