JP5355231B2 - 取水ゲート自動制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、水力発電用の水を水力発電所に導入するために設けられる導水路に対して複数の取水口から導水する場合に、それぞれの取水口に設けられた取水ゲートの開度を制御するために有用な取水ゲート自動制御システムに関する。
水力発電に利用する水を得るためには、河川 や池、湖沼などに取水口を設けて導水路に導水するが、より効率よく取水するために、えん堤 やダムを設ける場合が多い。そして、それぞれの取水口には、取水量を調節する取水ゲートが設けられ、この取水ゲートの開度を取水ゲート自動制御盤により制御して適切な取水を行うようにしている。
このような取水ゲートは、従来、ゲート1門に対して、1つの自動制御盤を設けて開度制御を行っており、例えば、図7に示されるように、2ヶ所の取水口4,5から導水路1に導水する場合においては、導水路1の合流後の水路水位を水路水位計9で検出し、この水路水位計9で検出された導水路1の水位情報を取水ゲート6,7毎に設けられた自動制御盤101,102に入力し、それぞれの自動制御盤101,102によって、導水路の水位情報に基づき、認可最大取水量を超過しないように水位を流量に換算して夫々の取水ゲート6,7の開度を制御するようにしていた。
尚、このような取水ゲートについては、ゲートを目標開度値に対応する位置へ正確に駆動させるために、種々の制御方法が提案されている(特許文献1,2等参照)。
特開2003−147751号公報 特開2006−4154号公報
しかしながら、それぞれの自動制御盤は、水路水位計からの水位情報を取得して導水路の水位が基準水位となるように対応する取水ゲートを個別に制御するようにしており、また、それぞれの取水口から取り入れた取水は水路水位計に到達するまでにタイムラグがあることから、取水ゲートの開度を目標開度に正確に一致させる制御を行った場合においても、複数の取水口からの取水が導水路内で合流すると、図8に示されるように、水路水位(水路流量)がハンチングを起こす不都合がある。
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、導水路に複数の取水口から取り入れた水を合流させる場合において、ハンチングを起こさずに基準水位(基準水量)を得ることが可能な取水ゲート自動制御システムを提供することを主たる課題としている。
上記課題を達成するために、本発明に係る取水ゲート自動制御システムは、水力発電用の水を水力発電所に導入するために設けられる導水路に、河川を流れる水を導水する複数の取水口を連通させ、それぞれの前記取水口に設けられる取水ゲートの開度を制御して前記導水路の水路水位を調節するシステムであって、前記取水口を備えたダムに対してダム水位を検出するダム水位計と、前記複数の取水口からの取水を合流させた後の前記導水路の水位を検出する水路水位計と、それぞれの取水ゲートの開度を検出する取水ゲート開度計と、これらダム水位計、水路水位計、及び取水ゲート開度計からの検出信号を少なくとも受信すると共にそれぞれの前記取水ゲートの開度を統括制御する取水ゲート自動制御盤とを備え、前記ダム水位計が設けられたダムの取水口に対しては、前記ダム水位計により検出されたダム水位とこの取水口に設けられた取水ゲートの開度を検出する取水ゲート開度計により検出された当該取水ゲートの開度とに基づき算出される取水量が第1の目標取水量となるように取水ゲートの開度を制御し、それ以外の取水口に対しては、前記水路水位計により検出された前記導水路の水位から得られる水路流量と前記ダム水位計が設けられたダムの取水口の前記算出された取水量との差が第2の目標取水量となるように取水ゲートの開度を制御することを特徴としている。
したがって、ダム水位計が設けられたダムの取水口に設けられた取水ゲートは、ダム水位計により検出されたダム水位と取水ゲート開度計により検出された取水ゲートの開度とに基づき算出される取水量が第1の目標取水量となるように制御され、また、ダム水位計が設けられたダムの取水口以外の取水口に設けられた取水ゲートは、水路水位計により検出された導水路の水位から得られる水路流量と前記ダム水位計が設けられたダムの取水口の前記算出された取水量との差が第2の目標取水量となるように制御されるので、互いに干渉し合わない制御形態をとることによってそれぞれの取水ゲートを制御することが可能となる。このため、複数の取水口から導水する場合においてもハンチングを防ぐことが可能となる。
ここで、ダム水位計が設けられたダムの取水口に設けられた取水ゲートのより具体的な制御態様としては、前記算出された取水量が前記第1の目標取水量以下である場合に全開制御を行い、ダム水位が所定値以上である場合に全閉制御を行い、前記算出された取水量が前記第1の目標取水量より大きく、又は、ダム水位が前記所定値より小さい場合に取水量を一定にする制御を行うようにしてもよい。
また、ダム水位計が設けられたダムの取水口以外の取水口に設けられた取水ゲートのより具体的な制御態様としては、前記水路水位計により検出された前記導水路の水位から得られる水路流量と前記ダム水位計が設けられたダムの取水口の前記算出された取水量との差が前記第2の目標取水量より少ない場合に全開制御を行い、前記第2の目標取水量以上である場合に水路水位を一定にする一定制御を行うようにしてもよい。
そして、これらの取水ゲートの制御において、各制御の切り替えは、制御間のハンチングを防止するために、条件が成立してから設定時間経過後に切り替えるようにするとよい。
以上述べたように、本発明に係る取水ゲート自動制御システムは、ダム水位計が設けられたダムの取水口に対しては、ダム水位計により検出されたダム水位と取水ゲート開度計により検出された取水ゲートの開度とに基づき算出される取水量が第1の目標取水量となるように取水ゲートの開度が制御され、それ以外の取水口に対しては、水路水位計により検出された導水路の水位から得られる水路流量とダム水位計が設けられたダムの取水口の前記算出された取水量との差が第2の目標取水量となるように取水ゲートの開度を制御するようにしたので、互いに干渉し合わない制御を行うことが可能となり、導水路で合流させた後の水路水位(水路流量)のハンチングを防ぐことが可能となる。
この結果、各取水ゲートが頻繁に動作することがなくなり、機器への負担を低減することが可能になると共に、機器の取替えやメンテナンスの周期を長くすることができ、これらに要する費用を低減することが可能となる。
また、複数の取水ゲートを制御するに当たり、それぞれの取水ゲートの開度を1つの取水ゲート自動制御盤によって統括するようにしたので、取水ゲート毎に自動制御盤が不要となり、小スペース化を図ることが可能となる。しかも、自動制御盤を1つにしたので、複数ゲートの状況監視を同一場所で行え、また、諸データの記録をまとめて行えるため、業務の効率化を図ることも可能となる。
図1は、本発明に係る取水ゲート自動制御システムの全体構成例を示す図である。 図2は、取水施設を表す概略構成図であり、(a)はその平面図、(b)は(a)のA−A線における断面図である。 図3は、本発明に係る取水ゲート自動制御システムの制御構成例を示す図である。 図4は、取水ゲート自動制御盤による河川Aの取水口に設けられた取水ゲートの制御動作例を示すフローチャートである。 図5は、取水ゲート自動制御盤による河川Bの取水口に設けられた取水ゲートの制御動作例を示すフローチャートである。 図6は、本発明に係る取水ゲート自動制御システムを用いた場合の導水路の水路水位(水路流量)の変化を説明する特性線図である。 図7は、従来の取水ゲート自動制御システムの全体構成を示す図である。 図8は、従来の取水ゲート自動制御システムを用いた場合の導水路の水路水位(水路流量)の変化を説明する特性線図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を用いて説明する。
図1において、本発明に係る取水ゲート自動制御システムの全体構成が示されている。この取水ゲート自動制御システムは、水力発電用の水を水力発電所に導入するために設けられる導水路1に、河川を流れる水を導水する第1及び第2の取水施設2,3の取水口(第1の取水口4、第2の取水口5)を連通させ(この例においては、第1の取水口4と第2の取水口5とを約450m離して導水路1に連通させ)、それぞれの取水口4,5に設けられる取水ゲート(第1の取水ゲート6、第2の取水ゲート7)の開度を制御して導水路1に導入される水の合流後の水路水位(水路流量)を調節するもので、第1の取水施設2にはダムの水位を検出するダム水位計8を設け、導水路1には、それぞれの取水口4,5から導入された水の合流後(この例では、合流点から約50mm下流側)の水位を検出する水路水位計9を設け、これらダム水位計8と水路水位計9からの検出信号を第2の取水施設側に設けられた取水ゲート自動制御盤10に入力して、それぞれの取水ゲート6,7の開度を統括的に自動制御するようにしている。
より具体的には、第1の取水施設2は、図2に示されるように、河川Aの水を堰き止めるために流路の横断方向に取水えん堤11を設け、この取水えん堤11に上流から流され堆積する砂礫をえん堤の下流側へ排出するための排砂ゲート12が設けられている。また、このえん堤11の脇に、取水口敷13を介して導水路1に通じる取水口4を設置し、この取水口4に設けられた取水ゲート6の開度制御により取水量を調整して導水路1に導水するようにしている。
なお、15は、取水口4の流入部分(この例では、取水口敷13の上部)において、河川内を流下してくる流木や落ち葉等の塵芥が導水路1に流入することを防止するためのスクリーンであり、このスクリーン15により塵芥を留め、導水路1への流入を防止するようにしている。
この例において、導水路1は、この河川Aのダムの上流より河川Aの下方を通ってこの取水口4と連通し、この取水口4からの取水を、上流に設けられた第2の取水施設3を介して取り込まれた河川Bからの取水と合流させている。
第2の取水施設3は、河川Bを横断する取水えん堤16に取水口5を設置し、この取水口5に設けられた取水ゲート7の開度制御により取水量を調整して導水路1に導水するようにしている。
尚、それぞれの取水口4,5に設けられる取水ゲート6,7は、スルースゲート、ローラゲート、ストニーゲートなどが利用可能であり、後述する取水ゲート自動制御盤10によって開度が電動で制御される。
図3において、本制御システムの具体的な制御構成例が示され、第1の取水施設2には、排砂ゲート機側操作盤21と取水ゲート機側操作盤22とが相互に各種データや制御信号を送受信可能に接続して設けられ、また、これら排砂ゲート機側操作盤21と取水ゲート機側操作盤22は各種表示部や操作部が設けられた所内盤23に接続されている。
排砂ゲート機側操作盤21は、排砂ゲート12の開度を駆動制御する操作盤であり、排砂ゲート12の開度を検出する排砂ゲート開度計24からの検出信号、ダム水位を検出する前記ダム水位計8からの検出信号などが入力されるようになっている。また、取水ゲート機側操作盤22は、第1の取水ゲート6の開度を駆動制御する操作盤であり、第1の取水ゲート6の開度を検出する取水ゲート開度計25からの検出信号、導水路1の合流点より下流側の水路水位を検出する前記水路水位計9からの検出信号などが入力されるようになっている。
また、第2の取水施設3には、取水ゲート自動制御盤10と取水ゲート機側操作盤26とが相互に各種データや制御信号を送受信可能に接続して設けられ、また、これら取水ゲート自動制御盤10と取水ゲート機側操作盤26は各種表示部や操作部が設けられた所内盤27に接続されている。
取水ゲート機側操作盤26は、第2の取水ゲート7の開度を駆動制御する操作盤であり、取水ゲート自動制御盤10には、第2の取水ゲート7の開度を検出する取水ゲート開度計28からの検出信号などが入力されるようになっている。
前記排砂ゲート機側操作盤21によって受信した排砂ゲート開度計24やダム水位計8からの検出データは、取水ゲート機側操作盤22を経由して保安器29,30を介して取水ゲート自動制御盤10へ送られ、また、取水ゲート機側操作盤22によって受信した取水ゲート開度計25や水路水位計9からの検出データも、保安器29,30を介して取水ゲート自動制御盤10へ送られる。
そして、取水ゲート自動制御盤10は、これらの入力された各種データに基づき、それぞれの取水ゲート6,7や排砂ゲート12の開度を演算し、その開度を得るための制御信号を、排砂ゲート機側操作盤21に対しては、保安器30,29、取水ゲート機側操作盤22を介して伝送し、第1の取水施設2の取水ゲート機側操作盤22に対しては、保安器30,29を介して伝送し、第2の取水施設3の取水ゲート機側操作盤26に対しては、直接伝送する。
即ち、各種検出データを第2の取水施設3に設けられた取水ゲート自動制御盤10に集約し、ここで、各種ゲートの開度を演算し、それぞれの操作盤21,22,26へ対応するゲートを制御するための制御信号を送信するようになっている。
図4及び5において、取水ゲート自動制御盤10による第1の取水ゲート6と第2の取水ゲート7の制御動作例がフローチャートとして示され、以下、このフローチャートに基づき、各取水施設の取水ゲートの制御動作例を説明する。
まず、取水ゲート自動制御盤10による河川Aの取水口4に設けられた第1の取水ゲート6の制御について説明すると、図4に示されるように、取水ゲート自動制御盤10は、次の4つの条件(1)〜(4)を満たして取水ゲート6の自動制御が可能であるか否かを判定する(ステップS1)。
(1)河川Aのダム水位、水路水位データが正常
(2)取水口ゲート開度データが正常
(3)取水口ゲート故障が動作していないこと
(4)取水口ゲートの動力電源がONしていること
この判定において、いずれかの条件が不成立であると判定された場合には、所内盤23のタッチパネルの“取水口制御不可”の表示部を点灯させ、取水ゲート6の自動制御をロックする(ステップS2)。これに対して、上記の全ての条件が成立していると判定された場合には、タッチパネルの“取水口制御不可”の表示部を消灯させ、自動制御を投入する(ステップS3)。
自動制御が投入されると、取水ゲート自動制御盤10は、ダム水位計8によって検出されたダム水位を取得する(ステップS4)。ここで、ダム水位計8によるダム水位は、データをサンプリングタイム毎に蓄積し、その平均値を算出して用いる。たとえば、サンプリングタイムを5秒とし、データ蓄積数を7個として、30秒間の平均値を用いるとよい。
そして、河川Aからの取水量を、ダム水位計8により検出されたダム水位と取水ゲート開度計25により検出された取水ゲート6のゲート開度とに基づき算出する(ステップS5)。この取水量は、ダム水位と取水ゲートのゲート開度が分かれば、ダムに固有の特性線から一義的に決定される。
その後、取水ゲート自動制御盤10は、自動制御開始時の条件を判定する(ステップS6)。この判定は、自動制御投入直後において、取水ゲート6が全開時であるか、全閉時であるか、それ以外の状態であるか否かを判定するもので、自動制御開始直後において、取水ゲート6が全開時であると判定された場合においては、ステップS7へ進み、河川Aからの取水量が、基準取水量(第1の目標取水量であり、例えば、0.8m3/s)以下であるか否かを判定する。
そして、河川Aからの取水量が基準取水量(0.8m3/s)以下であると判定された場合には、全開制御(取水ゲートを自動全開(20cm)まで上昇させる制御)を維持し、その後、河川Aからの取水量が基準取水量(0.8m3/s)以下であり続ける限り、全開制御を継続させる(ステップS9)。これに対して、河川Aの取水量が基準取水量(0.8m3/s)より大きいと判定された場合には、設定時間(60秒)経過後に後述するステップS11の取水量を一定にする制御へ移行する(ステップS10)。
また、ステップS7において、河川Aからの取水量が基準取水量(0.8m3/s)より多いと判定された場合には、取水量を一定にする制御が行われる(ステップS11)。
この取水量一定制御は、取水量が目標取水量の0.8m3/sとなるように開度を調節する制御であり、具体的には、ダム水位と目標取水量とから4点補間法により目標開度(MHK)を計算し、目標開度と現在開度(SGK)とから次式(1)により今回の操作量(sda)を設定する制御を行うものである。
sda=MGK−SGK ・・・(1)
その後、ダム水位が変動しているか否かを判定し(ステップS12)、変動していないと判定された場合には、取水量一定制御を維持し、変動していると判定された場合には、ダム水位が上昇しているのか低下しているのかを判定する(ステップS13)。そして、ダム水位が上昇していると判定された場合には、ダム水位がダム洪水水位である60cm以上であるか否かを判定し(ステップS14)、ダム水位がダム洪水水位(60cm)以上であると判定された場合には、流木等の異物が導水路1に流入することを防ぐために、設定時間(60秒)経過後に後述するステップS21の全閉制御運転へ移行させ(ステップS15)、ダム水位がダム洪水水位(60cm)未満であれば、ステップS11の取水量を一定とする制御を継続させる(ステップS16)。
また、ステップS13において、ダム水位が低下していると判定された場合には、ダム水位が取水再開水位である15cm以下であるか否かを判定し(ステップS17)、ダム水位が取水再開水位(15cm)以下であると判定された場合には、設定時間(60秒)経過後にステップS8の全開制御運転へ切り替え(ステップS18)、ダム水位が取水再開水位(15cm)より高い場合には、ステップS11の取水量を一定とする制御を継続させる(ステップS19)。
以上の制御に対して、ステップS6において、自動制御開始直後において、取水ゲート6が全閉時であると判定された場合においては、ステップS20へ進み、河川Aのダム水位が取水再開水位(15cm)以下であり、且つ、河川Bの取入取水量が河川Aの全開運転開始時の河川Bからの取水量(例えば、2m3/s)以下であるか否かを判定し、河川Aのダム水位と河川Bの取入取水量がこの条件を満たしていると判定された場合には、前記ステップS8以降の全開制御へ移行させ、河川Aのダム水位と河川Bの取入取水量がこの条件を満たしていないと判定された場合には、ステップS21へ進み、取水ゲート6を全閉(0cm)まで下降させる全閉制御を行う。
その後、ダム水位が取水再開水位(15cm)以下であり、且つ、河川Bの取入取水量が河川Aの全開運転開始時の河川Bからの取水量(2m3/s)以下であるか否かを判定し(ステップS22)、ダム水位と河川Bの取入取水量がこの条件を満たしていないと判定された場合には、全閉制御を継続させる。これに対して、ダム水位と河川Bの取入取水量がこの条件を満たしていると判定された場合には、設定時間(60秒)経過後に、ステップS11の取水量を一定にする制御へ移行する(ステップS23)。
また、ステップS6において、自動開始直後において、取水ゲートが全開時および全閉時以外であると判定された場合においては、ステップS24へ進み、ダム水位が、ダム洪水水位である例えば60cm以上であるか否かを判定し、ダム水位がダム洪水水位(60cm)以上であると判定された場合には、前記ステップS21以降の制御へ移行し、ダム水位がダム洪水水位(60cm)未満であると判定された場合には、ステップS11以降の制御を行う。
したがって、以上の制御をまとめると、自動制御の運転方式の選択は、以下のように行われる。
1.取水ゲートが全開時である場合
河川A取水量≦基準取水量(0.8m3/s)であれば、全開運転制御が選択され、河川A取水量>基準取水量(0.8m3/s)であれば、取水量一定運転制御が選択される。
2.取水ゲートが全閉時である場合
ダム水位≦取水再開水位設定であり、且つ、河川B取入取水量≦河川Aの全開運転開始時の河川B取水量である場合に、全開運転が選択される。
3.取水ゲートが全開でも全閉でもない場合
ダム水位<洪水水位設定であれば、取水量一定運転が選択され、ダム水位≧洪水水位設定であれば、全閉運転が選択される。
また、運転方式の切替えは、以下のように行われる。
1.全開運転から取水量一定運転への切り替え
河川A取水量>基準取水量(0.8m3/s)であれば、設定時間継続後に、運転方式が取水量一定運転へ切り替えられる。
2.取水量一定運転から全開運転への切り替え
Aダム水位≦取水再開水位設定値(15cm)であれば、設定時間継続後、運転方式が全開運転に切り替えられる。
3.取水量一定運転から全閉運転への切り替え
Aダム水位≧洪水水位設定値(60cm)であれば、設定時間継続後、運転方式が全閉運転に切り替えられる。
4.全閉運転から取水量一定運転への切り替え
ダム水位≦取水再開水位設定で、且つ、河川B取入取水量≦河川Aの全開運転開始時の河川B取水量であれば、設定時間継続後、運転方式が取水量一定運転へ切り替えられる。
したがって、上述の取水ゲート制御によれば、導水路1の水位を考慮せずに、ダム水位と取水ゲート開度計25により検出された当該取水ゲートの開度とに基づき算出される取水量が目標取水量である0.8m3/sとなるように取水ゲートの開度が制御されるので、導水路の水位に変動が生じた場合においても、所定の目標取水量が得られるように取水ゲートの開度が制御される。
次に、取水ゲート自動制御盤10による河川Bの取水口5に設けられた取水ゲート7の制御について説明する。
まず、取水ゲート自動制御盤10は、次の3つの条件(1)〜(3)を満たして取水ゲート7の自動制御が可能であるか否かを判定する(ステップS31)。
(1)会流池水位、水路水位データが正常
(2)水路入口ゲート開度データが正常
(3)水路入口ゲート故障が動作していないこと
この判定において、いずれかの条件が不成立であると判定された場合には、所内盤27のタッチパネルの“取水口制御不可”の表示部を点灯させ、取水ゲート6の自動制御をロックする(ステップS32)。これに対して、上記の全ての条件が成立していると判定された場合には、タッチパネルの“取水口制御不可”の表示部を消灯させ、自動制御を投入する(ステップS33)。
自動制御が投入されると、取水ゲート自動制御盤10は、水路水位計9によって検出された導水路1の水位を取得する(ステップS34)。ここで、水路水位計9による導水路の水位は、データをサンプリングタイム毎に蓄積し、その平均値を算出して用いる。たとえば、サンプリングタイムを5秒とし、データ蓄積数を7個として、30秒間の平均値を用いるとよい。
そして、水路水位計9によって検出された水路水位から導水路1の合流点より下流側での水路流量を算出し、この水路流量と河川Aからの前記ステップS5で算出された取水量(河川A取水量)とから、河川Bからの取入取水量を、水路流量−河川Aの取水量として算出する(ステップS35)。
その後、河川Bからの取入取水量が河川Bの水路基準流量(第2の目標取水量であり、例えば、3m3/s)より少ないか否かを判定し(ステップS36)、河川B取入取水量<河川B水路基準流量であると判定された場合には、取水ゲート7を自動全開(140cm)まで上昇させる全開制御を行う(ステップS37)。この全開制御は、河川Bの取入取水量が河川Bの基準取水量以上(河川B取入取水量≧河川B水路基準流量)となるまで継続し(ステップS38)、河川B取入取水量≧河川B水路基準流量となった場合には、設定時間(10秒)経過後に後述する水路水位一定制御へ移行する(ステップS39)。
また、ステップS36において、河川Bからの取入取水量が河川Bからの基準取水量以上(河川B取入取水量≧河川B水路基準流量)であると判定された場合には、目標取水量を3.0m3/sとする水路水位一定制御が行われる(ステップS40)。この水路水位一定制御は、河川Bからの取入取水量が全開移行流量(例えば、2.9m3/s)を下回るまで行われ(ステップS41)、河川B取入取水量<全開移行流量になった場合には、設定時間(例えば、60秒)経過後に全開制御運転へ移行する(ステップS42)。
ここで、ステップS40の水路水位一定制御における制御流量は、例えば、今回の制御流量をdQ[m2/s],水路基準流量をSQS[m2/s],水路水位流量をSQ[m2/s]とすると、dQ=K3*(SQS−SQ)として算出する。
そして、取水ゲートの操作量daを次式により算出する。
Figure 0005355231
したがって、以上の制御をまとめると、自動制御の運転方式の選択は、河川B取入取水量<河川B水路基準流量であれば、全開制御が選択され、河川B取入取水量≧河川B水路基準流量であれば、水路水位一定制御が選択される。
また、運転方式の切替えは、以下のように行われる。
1.全開運転から水路水位一定運転への切り替え
全開運転中に河川Bの取入取水量が河川Bの水路基準流量以上となった場合、設定時間継続後、運転方式を水路水位一定運転へ切り替える。
2.水路水位一定運転から全開運転への切り替え
水路水位一定運転中に吉井川取水量が全開移行流量未満となった場合、設定時間継続後、運転方式を水路水位一定運転から全開運転へ切り替える。
したがって、上述の取水ゲート制御によれば、水路水位計9によって検出された水路水位から算出した導水路の合流点よりも下流側の水路流量と、河川Aからの取水量との差を河川Bからの取入取水量とし、この河川Bからの取入取水量が基準取水量(第2の目標取水量)である3m3/sとなるように取水ゲート7の開度が制御される。
このため、第2の取水口5の取水ゲート7は、第1の取水口4の取水ゲート6の制御とは切り離して、異なる制御形態により目標とする河川Bからの取水量が得られるように取水ゲートの開度が制御される。
よって、第1の取水ゲート6は、ダム水位と取水ゲート6の開度とに基づき算出される取水量が0.8m3/sとなるように開度制御されるので、図6の実線で示されるような開度特性が得られ、また、第2の取水ゲート7は、導水路の水路水位から得られた水路流量から第1の取水ゲートからの取水量を引いた値が、3m3/sとなるように開度制御されるので、図6の一点鎖線に示されるような開度特性が得られ、結果として、導水路1の水路水位は、ハンチングをおこなさない破線で示す特性となる。
このように、上述の構成においては、第2の取水施設側に設けた取水ゲート自動制御盤10により、それぞれの取水ゲートを制御形態を異ならせて統括的に制御するようにしたので、導水路の水路水位(水路流量)のハンチングを抑制することが可能となる。このため、各取水ゲートが安定せずに頻繁に作動する不都合がなくなり、機器への負担を低減することが可能となり、また、1つの取水ゲート自動制御盤10により複数の取水ゲートを制御できるので、複数の取水ゲートの状況監視を、同一場所で行うことが可能となり、また、取水ゲート毎に自動制御盤の設置が不要となり、コストの低減、省スペース化も図ることが可能となる。
1 導水路
4,5 取水口(4:第1の取水口、5:第2の取水口)
6,7 取水ゲート(6:第1の取水ゲート、7:第2の取水ゲート)
8 ダム水位計
9 水路水位計
10 取水ゲート自動制御盤
25、28 取水ゲート開度計

Claims (4)

  1. 水力発電用の水を水力発電所に導入するために設けられる導水路に、河川を流れる水を導水する複数の取水口を連通させ、それぞれの前記取水口に設けられる取水ゲートの開度を制御して前記導水路の水路水位を調節する取水ゲート自動制御システムにおいて、
    前記取水口を備えたダムに対してダム水位を検出するダム水位計と、前記複数の取水口からの取水を合流させた後の前記導水路の水位を検出する水路水位計と、それぞれの取水ゲートの開度を検出する取水ゲート開度計と、これらダム水位計、水路水位計、及び取水ゲート開度計からの検出信号を少なくとも受信すると共にそれぞれの前記取水ゲートの開度を統括制御する取水ゲート自動制御盤とを備え、
    前記ダム水位計が設けられたダムの取水口に対しては、前記ダム水位計により検出されたダム水位とこの取水口に設けられた取水ゲートの開度を検出する取水ゲート開度計により検出された当該取水ゲートの開度とに基づき算出される取水量が第1の目標取水量となるように取水ゲートの開度を制御し、
    それ以外の取水口に対しては、前記水路水位計により検出された前記導水路の水位から得られる水路流量と前記ダム水位計が設けられたダムの取水口の前記算出された取水量との差が第2の目標取水量となるように取水ゲートの開度を制御することを特徴とする取水ゲート制御システム。
  2. 前記ダム水位計が設けられたダムの取水口に設けられた取水ゲートは、前記算出された取水量が前記第1の目標取水量以下である場合に全開制御を行い、ダム水位が所定値以上である場合に全閉制御を行い、前記算出された取水量が前記第1の目標取水量より大きく、又は、ダム水位が前記所定値より小さい場合に取水量を一定にする制御を行うことを特徴とする請求項1記載の取水ゲート制御システム。
  3. 前記ダム水位計が設けられたダムの取水口以外の取水口に設けられた取水ゲートは、前記水路水位計により検出された前記導水路の水位から得られる水路流量と前記ダム水位計が設けられたダムの取水口の前記算出された取水量との差が前記第2の目標取水量より少ない場合に全開制御を行い、前記第2の目標取水量以上である場合に水路水位を一定にする一定制御を行うことを特徴とする請求項1記載の取水ゲート制御システム。
  4. 前記取水ゲートの各制御間の切り替えは、条件が成立してから設定時間経過後に切り替えられることを特徴とする請求項3又は4記載の取水ゲート制御システム。
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