JP2014084809A - 水力発電システム - Google Patents

水力発電システム Download PDF

Info

Publication number
JP2014084809A
JP2014084809A JP2012235114A JP2012235114A JP2014084809A JP 2014084809 A JP2014084809 A JP 2014084809A JP 2012235114 A JP2012235114 A JP 2012235114A JP 2012235114 A JP2012235114 A JP 2012235114A JP 2014084809 A JP2014084809 A JP 2014084809A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
gate
power generation
intake
hydroelectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012235114A
Other languages
English (en)
Inventor
Taira Mimura
平 三村
Shigeto Fujiki
繁登 藤木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MATSUMOTO TEKKOSHO KK
Matsumoto Iron Works Co Ltd
Original Assignee
MATSUMOTO TEKKOSHO KK
Matsumoto Iron Works Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MATSUMOTO TEKKOSHO KK, Matsumoto Iron Works Co Ltd filed Critical MATSUMOTO TEKKOSHO KK
Priority to JP2012235114A priority Critical patent/JP2014084809A/ja
Publication of JP2014084809A publication Critical patent/JP2014084809A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/20Hydro energy

Landscapes

  • Hydraulic Turbines (AREA)
  • Control Of Water Turbines (AREA)

Abstract

【課題】簡単かつ廉価な構成によって、機器故障などの異常時においても通常の動作時と同様の用水路の流水状態を維持でき、増水時等においても溢水などの異常が発生しないように水位を制御できる小規模の水力発電システムを提案すること。
【解決手段】水力発電システム1において、取水ゲート7が取水位置7Aの状態で、水力発電装置5に流水が取り込まれ、発電動作が行われる。機器故障などの異常時に、取水ゲート7が放水位置7Bに切り替わり、水力発電装置5への取水が止まる。この状態では、落差工3と水力発電装置5の間を通る迂回水路である落下水路10が開く。落差工3から導水函6に導かれた流水は取水ゲート7のゲート開口部7bから落下水路10に自然落下して下流側に流れ、水力発電装置が流水の障害物となることがない。
【選択図】図2

Description

本発明は、農業用水路等の用水路の落差工に設置される小規模の水力発電システムに関する。
水力発電システムとして、農業用水路等の用水路に設けた落差工に設置される小規模の水力発電システムが提案されている。このような水力発電システムは、用水路の障害物にならないように設置することが必要である。また、農業用水路の落差工に設置する場合には、灌漑期および非灌漑期を通じて定められた一定量の水を継続して流すことが必要である。さらに、配電線の停電、水力発電装置の水車、発電機などの機器の故障、または、急な豪雨等による増水などといった異常時においても、農業用水の断水、減水あるいは用水路天端からの溢水等の弊害が発生しないようにする必要がある。
農業用水路に設置される小規模の水力発電システムとしては、特許文献1において提案されている農業用水路等の落差工に設置する水力発電装置がある。この水力発電装置では、異常時に、自動的に水車のガイドベーンを全開にして、流水を下流側に流すための流路を確保している。
特開2005−320883号公報
ここで、上記の特許文献1に開示の水力発電装置では、異常時においても、水力発電装置の内部を通る流路に沿って水が流れる。ガイドベーンを全開状態にすることで流路抵抗は小さくなるものの、水力発電装置が水流の障害になっていることに変わりはない。また、ガイドベーンを全開状態に切り替えるための駆動装置を配置する必要があり、構成が複雑化し、製造コストの上昇を招くおそれがある。さらに、水力発電装置の水車、発電機などの機器の異常時には、水車の入口弁などを閉じる等の操作を行って、装置内部の水を払う必要がある。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、簡単かつ廉価な構成によって、機器故障などの異常時においても障害物とならずに用水路の流水状態を維持でき、増水時等においても溢水などの異常が発生しないように水位を制御できる小規模の水力発電システムを提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の水力発電システムは、
用水路に設置した落差工と、
前記落差工に対して、当該落差工の自然落水範囲以上の距離だけ、下流側に後退した位置に設置された水力発電装置と、
前記落差工から前記水力発電装置の水車室に流水を導くために、前記落差工および前記水力発電装置の間に架け渡された導水函と、
前記導水函の底部に配置され、前記水車室へ取水を行う取水位置および取水を停止する放水位置に切り替え可能な取水ゲートと、
を有し、
前記取水ゲートが前記放水位置に切り替わると、当該取水ゲートのゲート開口部から前記落差工と前記水力発電装置の間に落下して前記落差工の下流側の放水路に流れる迂回水路が形成されることを特徴としている。
本発明の水力発電システムにおいては、機器故障などの異常時に、取水ゲートが放水位置に切り替わり、水力発電装置への取水が止まる。この状態では、落差工と水力発電装置の間を通る迂回水路が開く。落差工から導水函に導かれた流水は取水ゲートのゲート開口部から迂回水路に自然落下して下流側に流れる。すなわち、水力発電装置を迂回して下流側に流れるので、水力発電装置が流水の障害物となることがない。
また、取水ゲートは水車の入口弁としても機能する。すなわち、取水ゲートを開くと(取水位置に切り替えると)、水力発電装置の取水が止まり、放水状態になる。この結果、水力発電装置内の水が下流側に流れ出し、内部の水が払い出された状態になる。よって、入口弁を省略でき、その分、製造コストを下げることができるので経済的である。また、水が払い出された状態で、水力発電装置の構成機器の保守点検作業を効率良く行うことができる。
さらに、迂回水路は水力発電装置を経由しない流路であるので、水が速やかに通過する。よって、増水時等において、上昇した水位を効率良く低下させることができる。
本発明において、前記取水ゲートは、前記導水函の底面に沿う状態に起立した前記取水位置から垂直に垂れ下がる状態に倒伏した前記放水位置までの間を回動可能な起伏式取水ゲートである。
取水を停止して放水状態に切り替える場合は、機器故障、増水等の異常発生時である。したがって、取水ゲートを取水位置から放水位置に切り替える動作は最も高い動作信頼度が要求される。起伏式取水ゲートは、取水位置から放水位置への切り替え時に、垂直に垂れ下げる状態に倒伏する。起伏式取水ゲートには、この倒伏方向に、導水函を流れる水の重量が加わる。よって、起伏式取水ゲートの倒伏方向への回動には水の重力も加わるので、確実に行うことができるという利点がある。また、このために、大きな駆動容量の駆動機構を起伏式取水ゲートに付設する必要がないので、設備の簡素化、コスト低減化に有利である。
本発明においては、前記導水函に流入する塵芥を除去するためのスクリーンが、45°未満の取付角度で取り付けられている。
小規模の水力発電装置にとって、上流から流れてくる塵芥などは最も厄介な代物である。塵芥を除去するために、通常は、取水口の前面にバースクリーンなどのスクリーンを置いて塵芥を捕捉し、捕捉された塵芥は人力でスクリーンから除去される。一般的にはスクリーンの取付角度(傾斜角度)は70°程度である。本発明では、保守の容易さを考慮して、45°未満の緩い傾斜角度にしている。例えば、25°の取付角度としている。取付角度がきついと、塵芥がスクリーンに張り付いてしまう傾向があり、人力での除去作業が大変になる。本発明によれば、スクリーンの取付角度が緩いので、スクリーンからの塵芥の除去作業が容易になる。また、流水のスクリーン流入面積も増やすことができる。
本発明において、前記落差工が設置されている用水路の部位には、前記導水函に水を集める集水位置および集水を止める放水位置に切り替え可能な集水ゲートが配置される。
この場合には、用水路の上流地域での豪雨等による増水時などにおいて、前記落差工における取水位が予め定めた設定値を超えると、前記集水ゲートおよび前記取水ゲートが、それぞれ、前記放水位置に切り替わるように構成される。これにより、用水路水位の異常上昇を確実に防止でき、また、上昇した水位を迅速に低下させることができる。
本発明において、停電発生および前記水力発電装置の異常発生を検出する異常検出装置、および、異常発生時に電力供給を行う制御用蓄電池を有し、前記取水ゲートおよび前記集水ゲートのうちの少なくとも一方は、前記異常検出装置によって異常が検出されると、前記放水位置に切り替わる。
駆動電力が遮断された場合においても、制御用蓄電池から電力が供給されるので、停電時における水力発電装置の機器故障に対処することができる。
この場合、本発明では、前記取水ゲートは、前記導水函の底面に沿う状態に起立した前記取水位置から垂直に垂れ下がる状態に倒伏した前記放水位置までの間を回動可能な起伏式取水ゲートであり、前記異常検出装置によって異常が検出されると、前記取水ゲートは前記放水位置に切り替わる。
このように、異常発生時には、取水ゲートを強制的に倒伏させることにより、異常発生に対して、迅速に対応することができる。
次に、本発明の水力発電システムは、
用水路に設置した落差工、および、前記落差工に設置された水力発電装置を有し、
前記水力発電装置は、前記落差工に対して水流方向の上流側の取水位置および下流側の放水位置に移動可能であり、
前記取水位置は、前記水力発電装置の水車室に前記落差工から直接に取水可能な位置であり、前記放水位置は、前記落差工に対して、当該落差工の自然落水範囲以上の距離だけ、下流側に後退した位置であることを特徴としている。
水力発電装置を放水位置まで後退させると、水力発電装置が水路流水の障害物となることが確実に回避される。例えば、用水路の底に配置した走行レールに沿って水力発電装置を移動可能にしておき、走行レールに沿って水力発電装置を、移動機構により、あるいは、人力により、移動させることができる。
この場合においても、前記水力発電装置の水車室に流入する塵芥を除去するためのスクリーンが、45°未満の取付角度で取り付けられていることが望ましい。
また、前記落差工が設置されている農業用水路の部位には、前記水力発電装置に水を集める集水位置および集水を止める放水位置に切り替え可能な集水ゲートが配置されていることが望ましい。
さらに、前記水力発電装置を移動させる移動機構を有し、当該移動機構は、前記落差工における取水位が予め定めた設定値を超えると、前記集水ゲートは前記放水位置に切り替わり、前記水力発電装置は前記移動機構によって前記放水位置に切り替わることが望ましい。
また、停電発生および前記水力発電装置の異常発生を検出する異常検出装置、および、異常発生時に電力供給を行う制御用蓄電池を有し、前記集水ゲートおよび前記水力発電装置のうちの少なくとも一方は、前記異常検出装置によって異常が検出されると、前記放水位置に切り替えられることが望ましい。
さらに、前記異常検出装置によって異常が検出されると、前記移動機構は、前記水力発電装置を前記放水位置に移動させることが望ましい。
本発明を適用した水力発電システムの一例を示す全体構成図である。 図1の水力発電システムの概略平面図、概略側面図、および下流側から見た場合の概略端面図である。 図1の水力発電システムの灌漑期および非灌漑期の状態を示す説明図である。 図1の水力発電システムの水力発電装置の主要部分を示す概略構成図である。 図1の水力発電システムの起伏式取水ゲートの動作を示す説明図である。 図1の水力発電システムの起伏式取水ゲートに代えてスライド式取水ゲートを配置した場合の説明図である。 図1の水力発電システムにチロリアン取水方式を採用した場合の説明図である。 本発明を適用した水力発電システムの別の例を示す説明図である。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した水力発電システムの実施の形態を説明する。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る水力発電システムを示す全体構成図である。図2(a)〜(c)は、それぞれ、図1の水力発電システムの概略平面図、概略側面図、および下流側から見た場合の概略端面図である。
水力発電システム1は、農業用水路2に設置した落差工3と、農業用水路2における落差工3の下流側の放水路4に設置された水力発電装置5とを備えている。水力発電装置5は、落差工3の自然落水範囲以上の距離W(図2(c)参照)だけ、水流方向Aの下流側に後退した位置に設置されている。また、落差工3から水力発電装置5に流水を導くために、落差工3から水力発電装置5に向けて、略水平に、導水函6が架け渡されている。導水函6は、上流側の端が上流側に開口していると共に、上方に開口している溝形断面の函である。
導水函6において、落差工3の端から水力発電装置5までの間の底面部分は、取水ゲート7となっている。取水ゲート7は、導水函6を流れる水を水力発電装置5に取水する取水位置と、取水を停止する放水位置に切り替え可能である。本例の取水ゲート7は起伏式取水ゲートである。図2(c)から分かるように、取水ゲート7は、矩形のゲート開口部7bを開閉する矩形の扉7aを備えている。扉7aは、その水流方向Aの下流側の縁端部を回動中心として、導水函6の底面に沿う状態に起立した水平な取水位置7Aから垂直に垂れ下がる状態に倒伏した放水位置7Bまでの間を回動可能である。扉7aはチェーン式の巻き上げ装置8によって開閉される。巻き上げ装置8は、水力発電装置5の上端に水平に配置されている保守架台9に搭載されている。
取水ゲート7のゲート開口部7bが封鎖されている取水位置7Aの状態では、導水函6に導入された水流は水力発電装置5に取り込まれる。取り込まれた水流が水力発電装置5内を落下して内部の水車5aが回転駆動される。回転駆動する水車5aにより発電機5bが回転駆動して発電動作が行われる。発電電流は不図示の配電線を経由して所定の場所に送電される。
これに対し、取水ゲート7のゲート開口部7bが開放される放水位置7Bの状態では、導水函6に導入された水流は、ゲート開口部7bから自然落下する。図2(c)から分かるように、ゲート開口部7bの下側には落下水路10が形成されている。落下水路10は、落差工3の立壁端面3bと、これに対峙している水力発電装置5の矩形筒状の装置筐体5cの端面5dとの間に形成されており、その水流方向Aの幅は、落差工3からの流水の自然落下範囲以上の距離Wとなっている。水力発電装置5の装置筐体5cの川底部分は前後左右に開口しており、落下水路10は下流側の放水路4に繋がっている。したがって、流水は、ゲート開口部7bから落下水路10を落下して下流側の放水路4に至る迂回水路を流れる。すなわち、水力発電装置5を迂回して下流側に流れる。
導水函6には、当該導水函6に流入する水流から塵芥を除去するためのスクリーン11、例えば、バースクリーンが取り付けられている。スクリーン11は、導水函6の底面の上流側の端から下流側に向かって、水平な底面に対して上方に45°未満傾斜した取付角度で、当該導水函6に取り付けられている。例えば、25°前後の取付角度で取り付けられている。
落差工3が設置されている農業用水路2の部位には、導水函6に水を集めるための集水ゲート12が取り付けられている。集水ゲート12は起伏式集水ゲートであり、下端を回転中心として回動可能な矩形輪郭の集水板12aを備えている。集水板12aは、農業用水路2の一方の側壁2aから導水函6の側板6aまでの間に架け渡されている。集水板12aは、農業用水路2の側壁2aの天面に設置されたチェーン式の巻き上げ装置13によって回動する。
ここで、図3(a)は集水ゲート12が集水位置の状態にある場合を示す説明図であり、図3(b)は集水ゲート12が放水位置の状態にある場合を示す説明図である。図3(a)に示すように、集水ゲート12は、その集水板12aが垂直に起立した集水位置12Aの状態では、上流側から落差工3に流れ込む水が堰き止められて、導水函6の側に集められる。農業用水路2の場合には、非灌漑期においては、流水量が少ないので(図2(c)に示すように、低い水位L1となるので)、集水ゲート12により集水が行われる。
これに対して、図3(b)に示すように、集水板12aが下流側に水平に倒伏した放水位置12Bの状態では、上流側から落差工3に流れ込む水の一部のみが導水函6に導入されて水力発電装置5に取水され、残りの水は落差工3から下流側の放水路4に自然落下して流れ込む。農業用水路2の場合には、灌漑期においては、流水量が多いので(図2(c)に示すように、高い水位L2となるので)、集水ゲート12は放水位置の状態とされる。
次に、保守架台9にはコントロールボックス14が設置されている。コントロールボックス14内には制御盤15および制御用蓄電池16が配置されている。制御盤15には、水力発電装置5の水車5aを駆動制御する水車制御部15a、発電機5bを駆動制御する発電機制御部15b、停電発生および水力発電装置5の異常発生を検出する異常検出部15c、取水位検出部15d、異常発生時に各部の制御を司る異常時制御部15e等が含まれている。
本例の異常時制御部15eは制御用蓄電池16によって駆動し、異常検出部15cによって停電、水力発電装置5の構成機器の故障等の異常が検出されたときに、集水ゲート12および取水ゲート7を、それぞれ、放水位置12A、7Aに切り替える制御動作を実行する。また、取水位検出部15dによって、落差工3における取水位が予め定めた設定値を超えた異常上昇水位になると、集水ゲート12および取水ゲート7を、それぞれ、放水位置12B、7Bに切り替える制御動作を実行する。これらの一方のみを放水位置に切り替える制御動作を行うことも可能である。また、これらの制御動作においては、異常時制御部15eは、集水ゲート12および取水ゲート7を放水位置12B、7Bに切り替える動作を行わせる。なお、通常動作時における集水ゲート12、取水ゲート7の動作速度(第1速度)よりも速い動作速度(第2速度)で、集水ゲート12および取水ゲート7を放水位置12B、7Bに切り替える動作を行わせることも可能である。
図4は水力発電装置5の一例を示す概略構成図である。水力発電装置5は、矩形筒状の装置筐体5cの内部に、上側から同軸状に、発電機5bおよび水車5aがこの順序で配置されている。導水函6から水力発電装置5に取り込まれる水は、矢印で示すように、装置筐体5cの上半部分に形成されている水槽5eに流れ込み、ここから下側の水車5aに流下して、水車5aを回転駆動する。水車5aを通過して流れ落ちた水は、下流側にL状に湾曲して延びるドラフト管5fを通って下流側の放水路4に流れ出す。
水槽5eの中心に配置されている発電機5bは円筒状ケース5gに内蔵されている。水車5aの回転軸と発電機5bの入力軸の間は、ベルト・プーリー式の回転力伝達機構5hを介して連結されている。
(動作説明)
以下に、上記構成の水力発電システム1の動作を纏めて説明する。まず、水力発電装置5に水を集める集水ゲート12は、原則として、非灌漑期には集水位置12Aに切り替えられる。すなわち、図3(a)に示すように、集水板12aが起立して水力発電装置5に集水する。また、集水ゲート12は、原則として、灌漑期には放水位置12Bに切り替えられ、図3(b)に示すように、集水板12aが倒伏してゲート開放状態になる。
次に、図5を参照して説明すると、水力発電装置5の運転状態においては、取水ゲート7が取水位置7Aにセットされ、その扉7aが起立してゲート開口部7bを封鎖している。導水函6に流れ込んだ水は、水力発電装置5に取り込まれて、その水槽5eに流れ込み、ここから水車5aを取って落下し、ドラフト管5fを通って流れて、下流側の放水路4に抜ける。水槽5eから放水路4に向かう水流は、水車5aおよび発電機5bを回して発電動作を行わせる。導水函6によって取水口から水槽までの水路が規定されており、この途中に狭い水路、管路あるいは入口弁等がないので、水流損失なく効率的に発電動作が行われる。
水力発電装置5の運転を停止するには、取水ゲート7を放水位置7Bに切り替える。これにより、取水ゲート7の扉7aが倒伏してゲート開口部7bが開放される。導水函6に流れ込んだ水は、水力発電装置5に取り込まれることなく、ゲート開口部7bから落下水路10に落下し、放水路4に抜ける。同時に、水槽5eおよび水車5a内の水も抜け、水車5a、発電機5bは停止する。
このように、水車5aの運転・停止を司るのは、取水ゲート7のみであり、水槽5eの取水口に入口弁等を配置して切り替え動作を行う必要がない。換言すると、取水ゲート7は、水力発電装置5の運転停止状態において水流を迂回させることにより、入口弁としても機能する。よって、水力発電装置5の簡素化・コンパクト化を達成できる。
次に、配電線の停電、水車等の機器故障の異常時には、異常が制御盤15の異常検出部15cによって検出される。異常を検出すると、異常検出部15cは異常制御信号を出力する。異常制御信号が出力されると、取水ゲート7は、強制的に、放水位置7Bに切り替わる。この場合には、扉7aが起立状態から倒伏状態に回動する。これにより、速やかに、水流が水力発電装置5を迂回する状態が形成されて、その運転が停止する。なお、扉7aを倒伏させる操作を、バックアップ手段として、手動操作により行うことができるようにしてもよい。また、異常を検出した場合に、通常の動作速度よりも速い速度で、扉7aを起立状態から倒伏状態に回動させることも可能である。
また、農業用水路2の上流側での豪雨等によって水位が異常に上昇した場合、すなわち、設定水位を超えた場合には、取水位検出部15dによって、水位の異常上昇が検出される。この場合にも異常制御信号が出力される。異常検出信号によって、集水ゲート12および取水ゲート7は、強制的に、放水位置12B、7Bに切り替わる。この場合にも、集水板12a、扉7aが起立状態から倒伏状態に回動する。これにより、速やかに、全水流が落差工3を介して下流側に流れ、水位の上昇が迅速に抑制される。なお、集水ゲート12および取水ゲート7の一方のみを放水位置に切り替えることも可能である。また、この場合にも、通常の動作速度よりも速い速度で、集水板12a、扉7aを起立状態から倒伏状態に回動させることも可能である。
以上説明したように、本例の水力発電システム1では、農業用水路2の落差工3に設置した二組の起伏式ゲート(7、12)を制御することにより、水力発電装置5自体が水路の障害物とならないようにできる。また、農業用水を常に一定量、確保することができる。さらに、配電線の停電、水車・発電機等の機器故障の異常時でも、農業用水の断水、減水または用水路天端からの溢水等の支障が発生することを確実に回避できる。
(取水ゲートの別の例)
上記の実施の形態では、取水ゲート7として起伏式ゲートを採用している。この代わりに、スライド式(水平開閉式)取水ゲートを用いることもできる。
図6は、スライド式取水ゲート70を備えた水力発電システム1Aを示す全体構成図である。基本構成は上記の水力発電システム1と同一であるので、対応する部位には同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
スライド式取水ゲート70は、導水函6の底面部分に取り付けられており、当該底面部分に沿った方向にスライド可能なスライド扉70aを備えている。スライド扉70aを閉じると取水位置70Aの状態になり、スライド扉70aを開けるとゲート開口部70bが開き放水位置70Bの状態に切り替わる。スライド式取水ゲート70の切り替えの運用は、上記の起伏式ゲート7の場合と同様である。なお、図6の例では、発電機5bが水車5aに対して同軸ではなく、側方に離れた位置に配置された構成となっている。
(取水方式の別の例)
上記の実施の形態では、水力発電装置5の設置場所が全農業用水路の中流部に位置し、比較的塵芥が少ない場合を想定して、一般的な取水形式を採用している。塵芥の多い上流部に水力発電装置5を設置する場合には、チロリアン取水方式を採用することが望ましい場合がある。
図7は、チロリアン取水方式を採用した場合の取水部分を示す説明図である。この図に示す水力発電システム1Bの全体構成は上記の水力発電システム1と同一である。この場合には、用水路底面の幅全体に亘ってバースクリーン11Aが配置され、この下側に集水ダクト(函)6Aが配置される。集水ダクト6Aにおける一方の端部の底面部分に、取水ゲート7(あるいは図6に示す取水ゲート70)が取り付けられる。
[実施の形態2]
次に、図8は、本発明を適用した実施の形態2に係る水力発電システムを示す説明図である。水力発電システム1Cの全体的な構成は、上記の水力発電システム1と同様であるので、対応する箇所には同一の符号を付し、それらの説明は省略する。異なる点は、移動式の水力発電装置50が備わっていることである。
すなわち、水力発電システム1Cは、農業用水路2に設置した落差工3と、落差工3に設置された水力発電装置50とを備えている。水力発電装置50は、落差工3に対して水流方向Aの上流側の取水位置50Aから下流側の放水位置50Bまでの間を移動可能である。
水力発電装置50の取水位置50Aは、図8(a)に示すように、当該水力発電装置50の水車5aの水槽5eに、落差工3から直接に取水可能な位置である。放水位置50Bは、図8(b)に示すように、落差工3に対して、当該落差工3の自然落水範囲以上の距離Wだけ、下流側に後退した位置である。
水力発電装置50の装置筐体の下端、例えば、四隅には、4本の筐体支柱51を備えている。これらの筐体支柱51の下端には走行輪52が取り付けられている。農業用水路2の放水路4の川底には、2条の走行レール53が設置されており、左右の走行輪52は左右の走行レール53に沿って水流方向Aの前後に転動可能となっている。
水力発電装置50には不図示の移動機構が付設されている。コントロールボックス内の制御盤(図示せず)からの指令に基づき、移動機構は、水力発電装置50を取水位置50Aおよび放水位置50Bのいずれかに移動させる。
取水位置50Aにおいては、水力発電装置50に取水されて発電動作が行われる。放水位置50Bでは、水力発電装置50が障害物とならずに、全水流が下流側に流れる。簡素な構成によって、水力発電システムを構築できる。
1、1A、1B、1C 水力発電システム
2 農業用水路
3 落差工
4 放水路
5 水力発電装置
5a 水車
5b 発電機
5c 筐体
5d 筐体の端面
5e 水槽
5f ドラフト管
5g 円筒状ケース
5h 回転力伝達機構
6 導水函
6a 側板
6A 集水ダクト
7 取水ゲート
7A 取水位置
7B 放水位置
7a 扉
7b ゲート開口部
8 巻き上げ装置
9 保守架台
10 落下水路
11、11A スクリーン
12 集水ゲート
12A 集水位置
12B 放水位置
12a 集水板
13 巻き上げ装置
14 コントロールボックス
15 制御盤
15a 水車制御部
15b 発電機制御部
15c 異常検出部
15d 取水位検出部
15e 異常時制御部
16 制御用蓄電池
50 水力発電装置
50A 取水位置
50B 放水位置
51 支柱
52 走行輪
53 走行レール
70 スライド式取水ゲート
70a スライド扉
70b ゲート開口部

Claims (12)

  1. 用水路(2)に設置した落差工(3)と、
    前記落差工(3)に対して、当該落差工(3)の自然落水範囲以上の距離だけ、下流側に後退した位置に設置された水力発電装置(5)と、
    前記落差工(3)から前記水力発電装置(5)の水車室(5b)に流水を導くために、前記落差工(3)および前記水力発電装置(5)の間に架け渡された導水函(6)と、
    前記導水函(6)の底部に配置され、前記水車室(5b)へ取水を行う取水位置(7A)および取水を停止する放水位置(7B)に切り替え可能な取水ゲート(7)と、
    を有し、
    前記取水ゲート(7)が前記放水位置(7B)に切り替わると、当該取水ゲート(7)のゲート開口部(7b)から前記落差工(3)と前記水力発電装置(5)の間に自然落下して前記落差工(3)の下流側の放水路(4)に流れる迂回水路が形成されることを特徴とする水力発電システム(1、1A、1B)。
  2. 請求項1において、
    前記取水ゲート(7)は、前記導水函(6)の底面に沿う状態に起立した前記取水位置(7A)から垂直に垂れ下がる状態に倒伏した前記放水位置(7B)までの間を回動可能な起伏式取水ゲートである水力発電システム(1、1A、1B)。
  3. 請求項1または2において、
    前記導水函(6)に流入する塵芥を除去するためのスクリーン(11)が、45°未満の取付角度で取り付けられている水力発電システム(1、1A、1B)。
  4. 請求項1ないし3のうちのいずれか一つの項において、
    前記落差工(3)が設置されている用水路(2)の部位には、前記導水函(6)に水を集める集水位置(12A)および集水を止める放水位置(12B)に切り替え可能な集水ゲート(12)が配置されている水力発電システム(1、1A、1B)。
  5. 請求項4において、
    前記落差工(3)における取水位が予め定めた設定値を超えると、前記集水ゲート(12)および前記取水ゲート(7)のうちの少なくとも一方は、前記放水位置(12B、7B)に切り替わる水力発電システム(1、1A、1B)。
  6. 請求項1ないし5のうちのいずれか一つの項において、
    停電発生および前記水力発電装置の異常発生を検出する異常検出装置(15)、および、異常発生時に電力供給を行う制御用蓄電池(16)を有し、
    前記集水ゲート(12)および前記取水ゲートのうちの少なくとも一方は、前記異常検出装置(15)によって異常が検出されると、前記放水位置(12B、7B)に切り替わる水力発電システム(1、1A、1B)。
  7. 請求項6において、
    前記取水ゲート(7)は、前記導水函(6)の底面に沿う状態に起立した前記取水位置(7A)から垂直に垂れ下がる状態に倒伏した前記放水位置(7B)までの間を回動可能な起伏式取水ゲートであり、
    前記異常検出装置(15)によって異常が検出されると、前記取水ゲート(7)は前記放水位置(7B)に切り替わる水力発電システム(1、1A、1B)。
  8. 用水路(2)に設置した落差工(3)、および、前記落差工(3)に設置された水力発電装置(50)を有し、
    前記水力発電装置(50)は、前記落差工(3)に対して水流方向の上流側の取水位置(50A)および下流側の放水位置(50B)に移動可能であり、
    前記取水位置(50A)は、前記水力発電装置(50)の水車室(5b)に前記落差工(3)から直接に取水可能な位置であり、
    前記放水位置(50B)は、前記落差工(3)に対して、当該落差工の自然落水範囲以上の距離だけ、下流側に後退した位置であることを特徴とする水力発電システム(1C)。
  9. 請求項8において、
    前記水力発電装置(50)の水車室(5b)に流入する塵芥を除去するためのスクリーン(12)が、45°未満の取付角度で取り付けられている水力発電システム(1C)。
  10. 請求項8または9において、
    前記落差工(3)が設置されている用水路(2)の部位には、前記水力発電装置(50)に水を集める集水位置(12A)および集水を止める放水位置(12B)に切り替え可能な集水ゲートが配置されている水力発電システム(1C)。
  11. 請求項10において、
    前記水力発電装置(50)を移動させる移動機構を有し、
    前記落差工(3)における取水位が予め定めた設定値を超えると、前記集水ゲート(12)は前記放水位置(12B)に切り替わり、前記水力発電装置(50)は、前記移動機構によって、前記放水位置(50B)に切り替わる水力発電システム(1C)。
  12. 請求項11において、
    停電発生および前記水力発電装置(50)の異常発生を検出する異常検出装置(15)、および、異常発生時に電力供給を行う制御用蓄電池(16)を有し、
    前記集水ゲート(12)および前記水力発電装置(50)のうちの少なくとも一方は、前記異常検出装置(15)によって異常が検出されると、前記放水位置(12B、50B)に切り替わる水力発電システム(1C)。
JP2012235114A 2012-10-24 2012-10-24 水力発電システム Pending JP2014084809A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012235114A JP2014084809A (ja) 2012-10-24 2012-10-24 水力発電システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012235114A JP2014084809A (ja) 2012-10-24 2012-10-24 水力発電システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014084809A true JP2014084809A (ja) 2014-05-12

Family

ID=50788123

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012235114A Pending JP2014084809A (ja) 2012-10-24 2012-10-24 水力発電システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014084809A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015224559A (ja) * 2014-05-26 2015-12-14 株式会社大原鉄工所 水力発電装置
WO2019176780A1 (ja) * 2018-03-14 2019-09-19 Ntn株式会社 水車用ダクト
JP7449034B1 (ja) 2023-07-15 2024-03-13 納 長尾 水力発電システム

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59574A (ja) * 1982-06-26 1984-01-05 Katsuji Togashi 水車装置
JPS60122405A (ja) * 1984-11-16 1985-06-29 Hitachi Ltd 連接水系発電水量制御方式
JPH0465965U (ja) * 1990-10-08 1992-06-09
JP2005320883A (ja) * 2004-05-07 2005-11-17 Electric Power Dev Co Ltd 農業用水路等の落差工に設置する水力発電装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59574A (ja) * 1982-06-26 1984-01-05 Katsuji Togashi 水車装置
JPS60122405A (ja) * 1984-11-16 1985-06-29 Hitachi Ltd 連接水系発電水量制御方式
JPH0465965U (ja) * 1990-10-08 1992-06-09
JP2005320883A (ja) * 2004-05-07 2005-11-17 Electric Power Dev Co Ltd 農業用水路等の落差工に設置する水力発電装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015224559A (ja) * 2014-05-26 2015-12-14 株式会社大原鉄工所 水力発電装置
WO2019176780A1 (ja) * 2018-03-14 2019-09-19 Ntn株式会社 水車用ダクト
JP2019157775A (ja) * 2018-03-14 2019-09-19 Ntn株式会社 水車用ダクト
JP7449034B1 (ja) 2023-07-15 2024-03-13 納 長尾 水力発電システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5924993B2 (ja) 水車発電ユニット
CN215165354U (zh) 一种水利水闸处水体漂浮物自动清理装置
CN207959477U (zh) 一种包括多功能污水处理设备的分流井
JP2014084809A (ja) 水力発電システム
US9611607B2 (en) Hydro-electric power plant comprising a grating assembly for taking water into the turbine, which is designed to discharge floating debris stopped by the grating
KR20120013810A (ko) 수문 일체형 발전장치
CN114457890B (zh) 一种市政排水雨污分流处理装置
JP2014513777A5 (ja)
CN201389363Y (zh) 一种辐流池刮泥机
KR101439225B1 (ko) 수로 개폐형 협잡물 제진장치
JP4148519B2 (ja) 農業用水路等の落差工に設置する水力発電装置
CN217974706U (zh) 截流式雨污分流系统
CN111350170A (zh) 一种具有生态流量下泄功能的低水头坝鱼道
CN2880915Y (zh) 移动式自动格栅除污机
CN212224173U (zh) 过滤提升泵站
JP4358294B1 (ja) 自然河川発電システム
KR102275623B1 (ko) 하수관거 제어시스템
CN207960674U (zh) 一种矿山井下排水沟杂物清理器
KR101605196B1 (ko) 유속 및 유량 촉진형 제진기
CN112030891B (zh) 一种利用水压差发电的水利工程用机械闸门
JP4550004B2 (ja) ポンプゲートの扉門開閉方法及びポンプゲート
CN111535433B (zh) 一体化提升泵站
JP2017096110A (ja) 極低落差工用閉水路型水力発電装置
CN216156509U (zh) 一种水利工程用方便开关的智能安全闸门
JP2007211460A (ja) 水路におけるゲート及びそれを用いた異常水位時のバイパスゲート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140619

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150428

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160209