JP2017096110A - 極低落差工用閉水路型水力発電装置 - Google Patents

極低落差工用閉水路型水力発電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】用水路の極低落差工に閉水路型水力発電機を設置する。
【解決手段】用水路底に基礎鋼板を配置し、当該基礎鋼板に固定した架台から水路側壁に内側から突っ張り材を配置することで、水路底を保護すると同時に、水路側壁の転倒荷重を軽減させる。ユニット化された閉水路型水力発電機を回転自在な架台に組みつけて、導水路と閉水路取水口とをつなぐ水路連結具部分で切り離す方向に回転させることで、流水路の切り換えと閉水路型水力発電機の流水域からの離脱を同時に行うことができることを特徴とした水力発電装置。
【選択図】図1

Description

本発明は用水路の極低落差工に設置可能な閉水路型水力発電装置に関する。
これまで用水路に設置されてきた水力発電装置用の基礎は、水路の側壁に荷重がかからないように、水路外側の地面にコンクリートなどで建設されていた。
これまで、用水路に設置する水力発電装置は、越水を防止するため、流水域から退避させる機能を併せ持つことが要求されてきた。
JP2005-320883のように水力発電装置を組み立て式として水路に挿入し、分解やクレーンで吊揚げする方法も提案されていたが、災害時などでは、退避時間がかかり、越水を回避できるかどうか問題であった。
これまで、前述のように、水路外側に基礎を設置する場合に発生する土地利用に関する問題や、水力発電機の流水域からの退避時間などの問題から、落差工に水力発電機を設置する場合はバイパス水路を新設することが一般的であった。
これまで用水路に設置されてきた水力発電装置に使用される水量は、水路管理者が設置した水位計から用水路流水量を推定して用いることが多かった。しかし、用水路の水位は用水路勾配や排水能力によって変化してしまうため、水力発電機運転中の使用水量として使用しても、その信頼性と時間差が問題となっていた。
水力発電装置が設置された上流側の水位は、水路の上流側貯水能力に大きく依存しており、水力発電装置の使用水量変動や水力発電機内のゴミ停滞など運転状況によって、時間差を伴って変化する。したがって、上流側に水位計を設置して、越水事故を防止することはできるかもしれない。また下流側に水位計を設置することで、水力発電機の通過水量は推定できるかもしれない。しかし、水力発電機の随時使用水量や有効落差を把握することは困難であり、用水路管理上や水力発電機の運転保守管理上に問題があった。
極低落差工に設置される水力発電機の多くは生活圏近郊の用水路であり、ビニール袋やビニール紐など粉砕、排除しにくいゴミが用水路に入り易く、このようなゴミがゴミスクリーンや水力発電機内部に停滞することにより、大幅な運転効率の低下や保守管理費の増加を招くという問題があった。
また、水力発電用としてゴミスクリーンを新設する場合は、設置コスト及びゴミ処理、保守管理など追加費用が発生するという問題があった。
従来の閉水路型水力発電機が設置可能とされてきた落差は3m程度であり、これに満たない極低落差工では排水口側にドラフトチューブを設置するスペースが確保できないこともあり、単純な排水口としての機能しか装備することができなくなる問題があった。
閉水路型水力発電機は、排水口側から空気がランナー翼部に流入すると、翼性能が大幅に低下してしまう問題があった。
農業用水路では一般的に水量が非灌漑期には、灌漑期の半分程度に減少することから、灌漑期の水量に合わせてランナーや排水口の位置を決めると、極低落差工では、非灌漑期に上流側の取水口からや下流側の排水口からランナー翼面部に空気が流入してしまい、結果として発電停止や大幅な性能低下につながる問題を抱えていた。
極低落差工に設置される水車として、いわゆる開水路型のものも提案されているが、タービンの理論的な効率限界として知られるBetzの限界値は59%であり、一般的な流体機械として多くの実績を持つ大型風車では総合発電効率が30%程度であることからも示されるとおり、開水路型タービンも同様に総合発電効率の上位値は30%程度になる。実際に提案されている開水路型の水力発電装置では10%程度にとどまっている例も多くある。
閉水路内での理論的なエネルギー変換効率は100%であり、従来機の統計的な値として、用いられている閉水路型反動水力発電機の総合発電効率70%という値が得られている。このように開水路型と閉水路型をと比較すると大差があり、開水路型水力発電装置は採算性が悪く設備費がかけられないという問題があった。
極低落差工に水力発電機を設置して、従来から導入されてきた中規模水力発電所のように総合発電効率70%程度で運転するためには、閉水路反動型水力発電装置が必要である。しかし、極低落差工に従来型の閉水路反動型水力発電機を設置しようとすると、ランナー翼面部への空気流入を回避するためのスペースが十分確保できず、効率の低下や運転が停止しやすくなるという問題があった。
用水路では落差工の多くは極低落差工であり、特に落差が1m程度の場所が圧倒的に多く、従来の閉水路型反動水力発電機が限界としてきた落差3mを大きく下回っており、設置場所が限定されるという問題があった。
従来は、農業用水路のように大幅な水量変化や設置条件の制限から、非灌漑期に相当する水力発電機を2台設置することが選択され、設置スペースが不十分になることから、バイパス水路や複数の水門を新設する方法がとられていた。
そのため、発電コストが大幅に増加してしまい、用水路への水力発電装置導入促進の障害となっていた。
農業用水路では通常水量を用水路に設置されている水位計の実績値から算出しており、用水路に設置される水力発電機の運転で使用している水量として利用してきたが、ゴミ停滞状況を把握するためには時間がかることや、水力発電機運転中の随時使用水量および水頭を把握することができなかった。
用水路では、側道が設けられているケースも多く、用水路に石や砂が流れ込み、水力発電機に悪影響を与えることもあった。
JP 2005-320883 農業用水路等の落差工に設置する水力発電装置 特開2014-190165 水力発電装置
用水路の極低落差工で高効率な水力発電を行う。
用水路で従来のダム式水力発電所の効率として統計的に用いられている総合発電効率70%という値は、衝撃水車や反動水車の設置データから得られており、10m出頭未満の水頭域では反動水車に限られ、閉水路型である。
ここで、イメージしている極低落差工は従来機が設置困難であるといわれてきた3mに満たない場所で、いかに発電効率を上げて、発電コストを抑えることができるかという視点から考案され、水路構造強度問題、ゴミ問題に対処しながら、総合発電効率70%を目指し、用水路で多く点在する1m程度の極低落差工にまで設置可能な閉水路型水力発電装置技術を提供するものである。
まず、水力発電装置を設置するための基礎構造は、従来の水路外側にコンクリート基礎を設ける方法ではなく、水路の内側に設置し、水路の強度を上げる構造とした。
水力発電装置を設置するための基礎は、水路底に基礎鋼板を配置し、当該基礎鋼板と水力発電装置を支持するための架台とを組み付けて固定する。これによって、工場での組み立て基準と現場での組み立て基準とが同一基礎鋼板を使用することができるようになり、現場工事では工場品質を短時間で確実にて再現できるようになる。
さらに、基礎鋼板に組みつけられた水力発電装置を支持するための架台から、水路側壁に向かって内側から突っ張り材を配置することで、水路側壁の転倒荷重を補強するとともに、座屈荷重を回避することができる。
水力発電装置の重量による荷重は、基礎鋼板を介して、平坦な水路底に圧縮荷重として支持される。
発電効率の観点から不可欠な閉水路型水力発電装置は、取水口からランナー部を経由して排水口に至る水路を一体化してユニット化し、当該一体化されたユニットを水車架台で支持する。当該水車架台は導水路と取水口をつなぐ水路接続具の上方に設けられた回転軸に支持される。この回転軸は基礎鋼板に固定された架台に支持される。
水車架台は回転軸を中心に、取水口が下流側に移動する方向に回転させられ、導水路から取水口を離脱させることで、導水路からの流水路を水車側から水路側に切り換えると同時に、水力発電機は流水域から退避させられる。
さらに、この流水路切換時に、取水口の内側に設けられたゴミスクリーンに停滞したゴミは、取水口から逆流する水とともに水路に放出され下流に流される。
当該ゴミスクリーン下部にはゴミが分離しやすいように空気噴出口を備えている。これによって、高いゴミ処理効果が得られ、この自動化によって、発電稼働率の向上、保守管理コスト低減効果を得ることができる。
水車架台の回転駆動力を軽減するためにカウンターウェイトを設置する。これによって当該水車架台の重量バランスが調整され、比較的出力の低い空気圧アクチュエーターで駆動することが容易になる。駆動力が大きな油圧駆動アクチュエーターは作動油漏れによる汚染の懸念があり、電動アクチュエーターは災害時などに懸念される電源喪失時には不能になってしまい、水路から水力発電装置を退避させることができなくなる懸念がある。
空気圧アクチュエーターは空気圧貯蔵タンクを配置することで、常時は小型の空気圧ポンプで充填しすることができ、最大電力消費量も小さく抑えることができる。
電源喪失などの非常時には、制御機器用蓄電池を使用して微小電力で駆動可能な電磁弁を働かせて、貯蔵タンク内の空気残圧を利用して水車架台を回転させ、流水路を切り換えるとともに、一体化ユニット化された水力発電機を流水域から退避させることができる。
また、閉水路型水力発電機にとってガイドベーン部におけるゴミ停滞は、発電効率を下げるばかりでなく、閉水路奥に位置するガイドベーンに停滞するゴミの処理が容易ではないという問題があった。
ガイドベーンは10m水頭付近までは極端な制御を行わない限り、キャビテーション問題を軽視することができ、本発明のように3mに満たない極低落差工では、片持ち支持のガイドベーンを設置することが容易になる。ガイドベーンを片持ち支持構造にすることで閉水路とガイドベーンの先端に隙間を設けることができるようになり、この隙間から停滞したゴミが流出しやすくなる効果を得ることができる。
閉水路型水力発電装置を農業用水路に設置する場合には非灌漑期に水量が半減することから、ランナー部に空気が流入し、大幅な効率低下を招きやすくなる。
ランナー部への空気流入は水位が下がった上流側の取水口から、あるいは下流側の排水口から流入しやすくなる。
取水口からの空気流入は水車使用水量を調整し、上流側の水位を上昇させて対応することも可能であるが、下流側の水位は水路の排水能力に依存するため、水力発電機では調整することができない。
極低落差工において、下流側からの空気流入を避けるために非灌漑期の水位付近まで排水口先端を伸ばして水路底に近づけると、灌漑期には水量が倍増するため、排出口と水路底との隙間が不足する状態が発生することになり、十分な排水ができなくなる。その結果として排水口内部の圧力が上昇して、水車使用水量低下、有効水頭減少を招き、発電量が低下することになる。
本発明では、排水口の出口部材を水量変化に応じて開放方向への動きを自在にすることで、灌漑期における水車使用流量の増加に対して排水口の出口部材は解放方向に開いて対応し、非灌漑期には水量の減少に対しては、閉じる状態になり、排水口部からの空気流入を防止している。
水力発電装置の使用水量を調整し上流側の水位を高くして運転しようとすると、上流側水位は用水路の貯水能力の影響を受けるため、上流側に水位計を設置するだけでは、水力発電装置の使用水量を計測することは困難で、ゴミ停滞や水力発電機の異常を検知するまでに時間を要してしまう。
本発明では、水力発電装置の上流側と下流側に水位計を設置して、随時水力発電機使用水量と有効水頭を計測しながら運転することで、ゴミ停滞状況や運転異常をいち早く検出することができる。
ここで得られる、水力発電機の使用水量と有効水頭情報は信頼性の高い水力発電装置の運転時性能評価材料となり、水力発電所としての長期性能を管理する上で重要なデータとなる。
上流側の水位を用水路許容水位付近に保持して継続運転することは同時に、水車の有効水頭を上げる方向に移行することにつながり、発電量の増加につながる。既存の水路側壁高さに余裕がある場合は、許容水位付近まで水位を上げて運転することで、有効落差を稼ぎ出すことができる。例として、1.0mの落差工に水力発電装置を設置する場合の水頭比率を試算する。水路上流側の許容水位が1.2m、灌漑期通常水位が0.9m、非灌漑期は半減するとすると、水頭比率は灌漑期で(落差+(許容水位ー灌漑期水位))/落差=130%となり、水位が半減する非灌漑期の水頭比率は(落差+(許容水位ー灌漑期水位/2))/落差=175%となり、上流側の水位を上げることで、水頭を稼ぎ出すことができることがわかる。
本発明では、水位計を上流側および下流側に設置することで、水力発電機の使用水量や有効水頭など運転状況を随時監視しながら、上流側水位を許容水位付近まで上げて自動運転を行うことが可能になり、前述のように水頭を稼ぎ出すことを可能にしている。
さらに、用水路上流側の水路側壁の嵩上げによって許容水位を上げることができれば、その分、有効水頭の増加へとつなげることができる。
用水路に流れ込む石や砂は水力発電機の回転部に衝突して被害を及ぼしたり、シール部などに侵入して悪影響を与える危険性がある。本発明ではこのような石や砂による悪影響を軽減するために、導水部に沈砂槽を設け、当該沈砂槽に排出扉を設けている。
以上の説明のとおり、本発明は用水路の極低落差工に設置する水力発電機を有効に利用するために、基礎工事方法、水路利用方法、ゴミ処理方法、水力発電機構造、品質、運転制御方法および運転管理方法についての技術を提案するもので、次のような効果がある。
(A)用水路の極低落差工において、高効率な発電を随時遠隔監視のもと継続的な自動運転を行うことができる。
(B)基礎鋼板によって、バイパス水路および水門の新設工事を排除することができ、発電コスト低減効果がある。
(C)基礎鋼板に固定した架台から水路側壁に内側から突っ張り材を配置することで用水路の側壁に掛かる転倒荷重を軽減できる。
(D)基礎鋼板によって、水車組立基準を工場と現場で同一化することができ、現場において工場組立品質をすばやく再現できる。
(E)基礎鋼板によって、水力発電機支持材の荷重が平坦化され、水路底への集中荷重を回避できる。

(F)一体化されユニット化された閉水路型水力発電機の取水口を下流側に回転移動して、導水路から離脱させて、水流を切り換えると同時に、水力発電機を流水域から退避させることができる。

(G)一体化されユニット化された閉水路型水力発電機の取水口を下流側に回転して、導水路から離脱させて、水流を切り換える時、取水口の内側に設置されたゴミスクリーンに停滞したゴミが、閉水路側から逆流する水とともに、水路に放出され、さらに下流側に流されることでゴミが処理される。

(H)カウンターウェイトを装備した回転機構を空気圧タンクを配備した空気圧システムによって、空気圧アクチュエーターを駆動し、回転することは、災害時など電源喪失時でも空気圧タンクの残圧を利用して駆動することが可能であり、水力発電機を流水域から自動制御によって直ちに退避させることができる。

(I)ゴミスクリーン下部に取り付けられた空気噴出口から、空気を吹き出すことでゴミスクリーンに停滞したゴミを離脱しやすくする効果がある。

(J)ガイドベーンを片持ち支持構造にすることで、ガイドベーン先端と閉水路壁との間にゴミがすり抜ける隙間を設けることができるため、ガイドベーンにゴミが停滞することを抑制できる。

(K)排水口の出口構成部材を水量変化に応じて内側から外側に開放する方向に自在に動くようにすることで、排水容量を増加させることができ、下流側水位が低い時に、排水口からランナー部に空気が流入することを抑制することができる。

(L)水位計を水力発電機を設置する用水路の上流側と下流側に設置することで、水力発電機の使用水量および有効水頭を随時計測しながら自動制御運転を行うことができ、運転中の使用水量、有効水頭および発電量から、ゴミ停滞状況や運転異常がいち早く検出され、用水路の越水事故を未然に防ぐことができる。また、これらの運転情報は、水力発電機の性能評価材料として信頼性の高いデータになる。

(M)上流側の水位を用水路の許容水位付近まで上げた状態で運転を継続することで、水力発電機の有効水頭を稼ぎ出すことができ、発電量を増加することができる。

(N)水力発電装置を設置する場所よりも上流側の用水路側壁を嵩上げすることで、用水路の許容水位を上げることができ、水力発電機の有効水頭を稼ぎ出すことができ、発電量を増加することができる。

(O)排出扉付きの沈砂槽を導水路の途中に設けることにより、用水路に入り込んだ石や砂による悪影響を軽減できる。
本発明の閉水路型水力発電装置の実施例(流水路切換前)を示した切開側面図である。 本発明の閉水路型水力発電装置の実施例(流水路切換後)を示した切開側面図である。 本発明の閉水路型水力発電装置の実施例(流水路切換前)の下流側から見た水路断面図である。
用水路の極低落差工に設置された本発明の閉水路型水力発電装置について、図面を参照して形態説明を行う。
図1.は水路(20)の極低落差工に本発明の閉水路型水力発電装置を設置した状態を示した切開側面図である。
図2.は回転軸(14)に支持された水車架台(12)を回転させて、導水路(3)の出口に設けられた水路連結具(4)から取水口(2)を切り離し、流水路を切り換えた状態を示した切開側面図である。
図3.は、図1.の状態を水力発電装置の下流側から見た水路断面図である。
導水路(3)の取水口(2)との間に、沈砂槽(21)が設けられ、沈砂槽(21)には、沈砂槽扉(22)と扉カウンターウェイト(24)を装備し、扉アクチュエータ(23)で自動開閉される。
水流(29)は導水路(3)から取水口(2)を経由して、閉水路型の水力発電機(1)の内部に入る。取水口(2)の内側にはゴミスクリーン(9)が設置され、ゴミスクリーン(9)の下部には空気噴出口(10)が設置されている。
ゴミスクリーン(9)を通り過ぎた水流(29)は片持ち支持のガイドベーン(6)を通過する。ガイドベーン(6)は肩持ち支持であるため先端は閉水路壁との間にゴミを通過させる隙間をもたせることができる。
水流(29)は、その後ランナー(5)に水力エネルギーを伝達する。ランナー(5)はこれを回転エネルギーに変換して、軸系装置(7)に伝達し、発電機(8)を駆動する。
ランナー(5)を通過した水流(29)は排水口(11)から水路(20)下流側に放出される。この時、排水口(11)外部の圧力が排水口(11)内部の圧力よりも低い場合は、排水口(11)は外側に開いて排水口内部の圧力を解放し、逆に排水口(11)外部の圧力が排水口(11)内部の圧力よりも高い場合には排水口(11)は閉じて空気がランナー(5)部に流入するのを防止する。
取水口(2)、ランナー(5)、排水口(11)を一体化されユニット化された閉水路型の水力発電機(1)は、水路連結具(4)の上部に設けられた回転軸(14)を中心に回転自在な水車架台(12)に組みつけられる。
水車架台(12)には、カウンターウェイト(16)が備えられ、水力発電機(1)との重量バランスを調整している。
回転軸(14)は、導水路架台(13)で支持され、導水路架台(13)は基礎鋼板(18)に組みつけられて固定される。
現場の据付け工事では、基礎鋼板(18)は先行して、水路底(30)の上に緩衝材(19)または接着剤を挟んで設置される。
基礎鋼板(18)は位置決め用のアンカーボルトで水路底(30)に組み付けることもできる。
基礎鋼板(18)に固定された導水路架台(13)には、水路(29)の両方の側壁に対して突っ張り材(15)を配置し、水路(29)の側壁に掛かる土圧などの転倒荷重を緩和する働きを持たせることができ、水路強度の補強につながる。
回転軸(14)で支持された水車架台(12)は空気圧アクチュエーター(17)によって、取水口(2)が下流側に移動する方向に回転させられ、図2.に示されるように、取水口(2)が導水路(3)側との出口に設けられた水路連結具(4)から切り離されることによって、流水路が切り換えられ、水流(29)は導水路(3)から水路(20)の下流側に直接放水される。
農業用水路の場合、上流側高水位(26a)および下流側高水位(26b)は灌漑期の通常水位に相当し、上流側低水位(27a)および下流側低水位(27b)は非灌漑期の通常水位に相当する。

極低落差工で水力発電を行う場合、取水口(2)の水圧が低いため吸い込み面積は大きくなり、非灌漑期の通常水位となる上流側低水位(27a)付近では取水口(2)側から空気が流入しやすくなる。
また、排水口(11)側では非灌漑期の通常水位となる下流側低水位(27b)が低いため、排水口(11)から空気が流入しやすくなる。
上流側の水位は、水力発電機に装備された、ガイドベーン(6)、可変速型の発電機(8)などを調整することで水力発電機(1)の使用水量を調節することができ、増減することが可能である。しかし、下流側の水位は水路(20)の排水能力に依存するため、水力発電機(1)の使用水量を調節するだけでは変えることが困難である。
本発明では、排水口(11)からの空気流入防止策を提案しており、排水口(11)の出口部材として柔軟な板材を連続してまたは重ね合わせて配置し、水量変化に応じて開放方向への動きを自在にすることで、灌漑期における水車使用水量の増加に対応するとともに、非灌漑期における排水口(11)部からランナー(5)部への空気流入を防止している。
極低落差工の上流側水路側壁(25)を嵩上げして、許容水位を上げ、上流側の許容水位付近で水位を維持しながら水力発電機を運転することは、水力エネルギーを増加させることにつながる。水路の強度的な問題を伴わない程度のわずかな嵩上げであっても、落差工との比率分に相当する発電量の増加が期待できることになり、極低落差工では比較的大きな嵩上げ効果が得られる。
以上の実施形態は、あくまでも要部の一例を示すものであり、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく変更および修正が可能である。
本発明は、用水路に多く点在する落差1m付近までの極低落差工に設置可能で、従来の閉水路型水力発電機と同等程度の総合発電効率70%程度が期待できる極低落差用閉水路型水力発電装置に関するもので、従来機をそのまま使用することができないとされてきた落差3mに満たない極低落差工への設置を可能にし、用水路管理上の設置条件を満足しながら、高い総合発電効率を実現し、用水路における売電事業を可能にする技術を提供するものである。
本発明により、用水路に多く設置されている1m程度の極低落差工でも高い効率での随時遠隔監視運転が可能となり、水力発電装置設置場所が増加することから本発明の技術提供効果は大きい。
本発明によって、極低落差工で有効水頭を稼ぎ出す運転を行うことが可能になり、発電コストを下げる効果が生まれ、用水路での水力発電装置導入機会が拡大される。
本発明の流水路切換システムは災害時の電源喪失時にも自動的に動作するため、安全性が高く、多様な設置条件に対応が可能である。
また、系統連系を解列して、自立運転させることも可能になるため、設置場所近郊の地域非常用電源としても利用することができる。
1. 水力発電機
2. 取水口
3. 導水路
4. 水路連結具
5. ランナー
6. ガイドベーン
7. 軸系装置
8. 発電機
9. ゴミスクリーン
10. 空気噴出口
11. 排水口
12. 水車架台
13. 導水路架台
14. 回転軸
15. 突っ張り材
16. カウンターウェイト
17. アクチュエーター
18. 基礎鋼板
19. 緩衝材
20. 水路
21. 沈砂槽
22. 沈砂槽扉
23. 扉アクチュエータ
24. 扉カウンターウェイト
25. 上流側水路上端
26a. 上流側高水位
26b. 下流側高水位
27a 上流側低水位
27b. 下流側低水位
28a 上流側水位計
28b. 下流側水位計
29. 水流
30. 水路底

Claims (10)

  1. 用水路底に敷いた鋼板を水力発電装置の基礎材とすることを特徴とする水力発電装置。
  2. 請求項1において、水路底に設置された鋼板を基礎とし、当該基礎に固定された架台から、両側の水路側壁に対して、内側から突っ張り機能を持った躯体を配置することを特徴とする水力発電装置。
  3. 閉水路型水力発電装置の取水口、ガイドベーン、ランナー、排水口に至る発電用閉水路を一体化してユニット化する。
    当該一体化されユニット化された閉水路型水力発電装置を導水路と取水口をつなぐ水路連結具上方に位置する回転軸を中心に、回転自在な水車架台に組み付ける。
    当該水車架台にカウンターウェイトを設け、回転力の駆動源として圧縮空気を使用する。
    空気圧貯蔵タンクを併設する。
    当該回転軸を中心に回転自在な水車架台を、取水口が下流方向に移動するように、空気圧アクチュエーターを駆動して回転させ、取水口を導水路から切り離すことによって、流水路を切り換えると同時に、水力発電機を流水域から退避させることを特徴とする水力発電装置。
  4. 閉水路型水力発電装置の取水口部にゴミスクリーンを設置し、当該ゴミスクリーンの下部に圧縮空気の吐出口を設置することを特徴とする用水路用ゴミスクリーン。
  5. 片持ち支持構造を特徴とする閉水路型水力発電機用ガイドベーン。
  6. 農業用水路の極低落差工に設置される閉水路型水力発電機の排水口周りに外側にスカート状に開く柔軟素材を水路底方向に配置することを特徴とする水力発電装置。
  7. 水力発電機が設置される用水路の上流側および下流側の両側に水位計を設置して水力発電機の運転時の使用水量および水頭を随時計測することを特徴とする水力発電装置。
  8. 水力発電機の使用水量を調整しながら、水力発電機上流側水位を水路許容水位付近に維持して、運転を継続することを特徴とする水力発電制御方法。
  9. 水力発電装置を設置する用水路の上流部分の水路側壁を嵩上げすることを特徴とした用水路改良方法。
  10. 導水路に扉がついた沈砂槽を配置することを特徴とする水力発電装置。
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