JP5353798B2 - 波長変換装置及びこれを用いた波長変換レーザ装置 - Google Patents

波長変換装置及びこれを用いた波長変換レーザ装置 Download PDF

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本発明は、波長変換結晶により波長変換を行う波長変換装置、及びこれを用いた波長変換レーザ装置に関し、特に、波長変換装置の汚染を低減できるようにした外部波長変換型UVレーザ装置に関する。
従来の波長変換装置では、クリーンエア、酸素ガス、または不活性ガスを充填した結晶密閉セルの内部に波長変換結晶を配置し、さらにクリスタルシフタを用いて結晶密封セルを移動する構成としていた。結晶密封セルの内部には外気に含まれる粉塵がないため、発生した紫外レーザ光と当該粉塵とが反応して汚損物質が結晶端面に付着するのを防ぐことができる。また、クリスタルシフタを用いて結晶密封セルを移動し、結晶の劣化していない部位を使用することで、メンテナンス周期を長くしていた。(特許文献1)
特開2005−122094号公報(図3)
従来の波長変換紫外線(Ultra Violet:UV)レーザ装置では、波長変換結晶を結晶密閉セル内で保護することで、波長変換結晶端面の汚損を回避する。しかしながら、結晶密閉セルの出射ウインドウの外側では、出射されるUVレーザ光と外気に含まれる粉塵とが反応して汚損物質が生成される。汚損物質は一般にシリコンと酸素の化合物であることが多く、出射ウインドウの外側、特に出射ウインドウのレーザ光通過部に集中的に発生してレンズのように盛り上がって堆積する。このため、レーザ光の透過波面に影響を与え、例えばレーザ光のビームモード形状が崩れたり、または発散角が変化してしまう。その結果、ビーム品質の低下を招き、加工不良の原因となる問題があった。
特に、出射ビームのビーム径が小さくかつ高出力のUVレーザ装置では、このような問題が顕著であり、所定の値以上のビーム強度で出射した場合に汚損が発生する。これに対して従来の波長変換レーザ装置では、結晶密閉セル内の波長変換結晶と出射ウインドウとを、結晶密封セルの筐体の長手方向の両端部に設置することでビーム径を広げ、出射ウインドウの外面の汚損を低減していた。(特許文献1)
しかしながら、次の理由により、汚損を十分に低減することは困難であった。すなわち、一般に結晶密封セルに入射するビーム径は100マイクロメートル程度であるが、出射ウインドウにおける汚損を防ぐには数ミリメートル程度までビーム径を拡大する必要がある。ところが結晶密封セル内で何ら積極的なビーム径拡大を行なわない従来技術では、必然的に結晶密封セルを長くしなければならず、波長変換レーザ装置全体の大きさに依る制約のため、長くするには限界がある。したがって、出射ウインドウの汚損を低減するのは困難であった。
この発明に係る波長変換装置は、所定のビーム径で入射する基本波レーザ光を3倍波以上の高調波レーザ光に波長変換する波長変換結晶と、変換された高調波レーザ光のビーム径を所望の大きさに拡大するビーム径拡大手段とを備え、ビーム径拡大手段は、複数の反射ミラーから構成され、複数のミラーにより折り返し光路を形成するものである。
この発明によれば、結晶密封セルの内部でレーザ光の光径を拡大することができるため、出射ウインドウの外面への汚損物質の付着を防止できるという効果を奏する。
以下この発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における波長変換レーザ装置を示す図である。図1において、固体レーザ発振器で構成されるレーザ発振器1が周波数ωの基本波レーザ光L0を出力する。出力された基本波レーザ光L0は波長変換装置である結晶密封セル2において高周波レーザ光である3倍波レーザ光L4が生成され、波長変換されたレーザ光として、結晶密封セル2から出力される。
次に結晶密封セル2の構成を説明する。結晶密封セル2には、長手方向の一端部に結晶密封セル2の内部と外部とを分離しつつ基本波レーザ光L0を通過させる入射ウインドウ3が設けられる。一方、長手方向の他端部には結晶密封セル2の内部と外部とを分離しつつ3倍波レーザ光L4を通過させる出射ウインドウ4が設けられる。結晶密封セル2内には、クリーンエア、酸素ガス、または不活性ガスのいずれかが充填され、気密状態が保たれる。これにより、結晶密封セル2へ外部から粉塵等が混入するのを防ぎ、結晶密封セル2内部に設けた後述の波長変換結晶や出射ウインドウ3内面等の光学部品の汚損によるレーザ特性の劣化を防止する。
結晶密封セル2内部には、レーザ光が通過または反射する順に、第1の波長変換結晶である第二次高調波発生(Second harmonic generation:SHG)結晶5、第2の波長変換結晶である第三次高調波発生(Third harmonic generation:THG)結晶6、分光ミラー7、及びビーム径拡大手段であるビーム径拡大部8が配置される。また、分光ミラー7で反射されるレーザ光を吸収する減衰手段であるダンパー9が設けられる。SHG結晶5及びTHG結晶6は入射ウインドウ3の近傍に設けられ、ビーム径拡大部8は出射ウインドウ4の近傍に設けられる。SHG結晶5とTHG結晶6には、それぞれの入射端面と反射端面の双方に、不要な反射を抑圧するための誘電体多層膜からなる無反射コーティングがされている。
次に、実施の形態1における波長変換レーザ装置の動作を説明する。図1において、Nd:YAGレーザやNd:YVO4レーザ等の固体レーザ発振器で構成されるレーザ発振器1では、内部でレーザ発振がなされ、周波数ωの基本波レーザ光L0を出力する。出力された基本波レーザ光L0は、結晶密封セル2の一端部に設けられた入射ウインドウ3を通って結晶密封セル2に入射される。このときの基本波レーザ光L0の光径をr0とする。
結晶密封セル2に入射した基本波レーザ光L0は、SHG結晶5に入射される。SHG結晶5は、入射された基本波レーザ光L0の一部を透過するとともに、残りの一部を、2倍の周波数の第二次高調波である2倍波レーザ光L1に波長変換する。従って、SHG結晶5から出力された第1の混合レーザ光M1には、基本波レーザ光L0と2倍波レーザ光L1が含まれる。次に、第1の混合レーザ光M1はTHG結晶6に入射される。THG結晶6は、入射された第1の混合レーザ光M1の一部を透過するとともに、残りの一部である基本波レーザ光L0と2倍波レーザ光L1を、基本波レーザ光の3倍の周波数の第三次高調波である3倍波レーザ光L2に波長変換して出力する。
出力された第2の混合レーザ光M2には、基本波レーザ光L0、2倍波レーザ光L1、及び3倍波レーザ光L2が含まれる。次に、第2の混合レーザ光M2は、分光ミラー7で分光される。すなわち、第2の混合レーザ光M2に含まれる基本波レーザ光L0成分と2倍波レーザ光L1成分は反射され、3倍波レーザ光L2だけが分光ミラー7を透過する。分光ミラー7で反射された基本波レーザ光L0成分と2倍波レーザ光L1成分は、ダンパー9で吸収され、熱エネルギーに変換される。すなわち、これらの成分は減衰する。
一方、分光ミラー7を透過した3倍波レーザ光L2は、ビーム径拡大部8でビーム径が拡大される。ビーム径拡大部8の構成の例を図2(a)に示す。図2(a)において、ビーム径拡大部8は2枚のレンズから構成され、破線矢印はビーム径が広がる様子を模式的に表している。
一般にレーザ光は進んだ距離に比例して光径が広がるため、結晶密封セル2の入射時の光径をr0とすれば、ビーム径拡大部8に入射する3倍波レーザ光L2の光径r1は、r1>r0となる。次に、3倍波レーザ光L2は、凹レンズ10により拡大光L31にされ、凸レンズ11に入射される。凸レンズ11に入射する拡大光L31の光径をr2とすれば、r2>>r1となる。
拡大光L31は、凸レンズ11により平行な3倍波レーザ光L4にコリメートされて、ビーム径拡大部8から出力される。このときの3倍波レーザ光L4の光径はr2である。ビーム径拡大部8から出力された3倍波レーザ光L4は、出射ウインドウ4から、波長変換された高調波レーザ光として出力される。
以上述べたように、実施の形態1における波長変換レーザ装置では、結晶密封セル2内の他端部の近傍に設けたビーム径拡大部8によって、結晶密封セル2内でレーザ光の光径を拡大することができる。これにより、ビーム強度は低減されるので、高出力のUVレーザであっても出射ウインドウの外面の汚損防止を実現できる。
なお、本発明の発明者らは、実施の形態1の構成を例えば3倍波レーザ光L4の波長が355ナノメートルのUVレーザ光に適用した場合、出射ウインドウ4における平均ビーム強度を40W/cm2以下とすれば、長期間にわたる使用でも、出射ウインドウ4の外部に汚損の発生はないことを見出した。しかしながら、本発明で用いるレーザ光の波長や平均ビーム強度は、何ら具体的な数値に限定されるものではない。
また、実施の形態1では、ビーム径拡大部8を出射ウインドウ4の近傍に設けるものとして説明したが、これは必ずしも必要ではない。ビーム径拡大部8は積極的にレーザ光のビーム径を拡大するので、十分なビーム径を確保できれば、波長変換結晶の近傍に設けてもよい。このような構成により結晶密封セル2に必要な長手方向のスペースを小さくできるので、結晶密封セル2の筐体の大きさを小さくすることができ、波長変換レーザ装置を小型化することができる。
また、実施の形態1では、ビーム径拡大部8は凹レンズ10と凸レンズ11から構成されるものとして説明したが、これは必ずしも必要ではなく、例えば2枚の凸レンズ12及び11から構成されるものとしてもよい。この場合のビーム径拡大部8の構成の例を図2(b)に示す。図2(b)に示すように、ビーム径拡大部8に入射した3倍波レーザ光L2は、凸レンズ12によって焦点に集光された後、拡大光L32となる。拡大光L32は、図2(a)と同様に凸レンズ11により平行な3倍波レーザ光L4にされて、ビーム径拡大部8から出力される。このような構成により、上記に述べたのと同様に、ビーム強度を低減し出射ウインドウの外面の汚損防止を実現できる効果を得ることができる。
実施の形態2.
次に実施の形態2について説明する。図3は、実施の形態2における波長変換レーザ装置を示す図である。図3において、図1と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。図3において、結晶密封セル2内には、第1の反射ミラー13及び第2の反射ミラー14が配置される。第2の反射ミラー14は結晶密封セル2の入射ウインドウ3近傍に設けられ、第1の反射ミラー13は結晶密封セル2の出射ウインドウ4近傍に設けられる。これらの反射ミラーにより、レーザ光の折り返し光路が形成される。なお、図3における破線はビーム径が広がる様子を模式的に表している。
次に、実施の形態2における波長変換レーザ装置の動作を説明する。実施の形態1と同様に、結晶密封セル2に入射した基本波レーザ光L0は、SHG結晶5及びTHG結晶6により波長変換され、第2の混合レーザ光M2が出力される。出力された第2の混合レーザ光M2は、結晶密封セル2の内部を長手方向に進み、他端部の近傍に設けられた第1の反射ミラー13で反射される。一般にレーザ光は進んだ距離に比例して光径が広がるため、第1の反射ミラー13におけるレーザ光の光径r1は、r1>r0となる。
実施の形態2において、第1の反射ミラー13は分光ミラーで構成される。すなわち、第1の反射ミラー13では、第2の混合レーザ光M2に含まれる基本波レーザ光L0成分と2倍波レーザ光L1成分は透過し、3倍波レーザ光だけが反射して、3倍波レーザ光L3となる。透過した基本波レーザ光L0成分と2倍波レーザ光L1成分は、ダンパー9で吸収され、熱エネルギーに変換される。
次に、第1の反射ミラー13で反射した3倍波レーザ光L3は、再び結晶密封セル2内で長手方向(ただしTHG結晶6からの出力時とは略反対の方向)に進み、一端部の近傍に設けられた第2の反射ミラー14で反射される。第2の反射ミラー14におけるレーザ光の光径r2は、レーザ光が進んだ分だけ光径が広がるため、r2>r1となる。さらに、第2の反射ミラー14で反射された3倍波レーザ光L4は、再び結晶密封セル2内で長手方向(ただしTHG結晶6からの出力時とは略同一の方向)に進み、結晶密封セル2の他端部に設けられた出射ウインドウ4を通って結晶密封セル2から出射される。上述と同様にして、結晶密封セル2から出射される3倍波レーザ光L4の光径r3は、r3>r2となる。
以上述べたように、実施の形態2における波長変換レーザ装置では、結晶密封セル2内の他端部に設けた第1の反射ミラー13と一端部に設けた第2の反射ミラー14によって、結晶密封セル2内でレーザ光の折り返し光路を形成することができる。これにより、結晶密封セル2の出射ウインドウ4から出射される3倍波レーザ光L4の光径がr3に拡大され、ビーム強度は低減されるので、高出力のUVレーザであっても出射ウインドウ4の外面の汚損防止を実現できる。
なお、実施の形態2では、レーザ光の光径を拡大するために第1の反射ミラー13及び第2の反射ミラー14を用いたことにより、レンズを用いる場合と比較してUVレーザ光による劣化を抑えることができる。すなわち、レンズの場合は入射面と出射面の両側にコーティングがあるため、UVレーザ光の照射により2面のコーティングが劣化する。一方、ミラーの場合は反射面のみにコーティングが設けられるため、紫外線劣化の対象となるコーティングは1面のみである。従って、UVレーザ光の照射に対しては、相対的にレンズよりも反射ミラーの方が劣化の影響を低く抑えることができるので、例えば実施の形態1と比較して波長変換レーザ装置の長寿命化を図ることができるという効果を得ることができる。
また、実施の形態2では、第1の反射ミラー13を分光ミラーであるものとして説明したが、これは必ずしも必要ではなく、例えば、第2の反射ミラー14を分光ミラーとしてもよいし、または第1の反射ミラー13及び第2の反射ミラー14の双方を分光ミラーとしてもよい。すなわち、第1の反射ミラー13または第2の反射ミラー14のいずれかまたは双方において、第2の混合レーザ光M2から、基本波レーザ光L0成分と2倍波レーザ光L1成分とを分光する機能を備えていればよい。
また、実施の形態2では、第1の反射ミラー13を分光ミラーであるものとして説明したが、これは必ずしも必要ではない。例えば、第1の反射ミラー13を全反射ミラーとし、実施の形態1のように光路の途中で分光ミラー7を設けて、基本波レーザ光L0成分と2倍波レーザ光L1成分を分光する構成としてもよい。そして、分光した基本波レーザ光L0成分と2倍波レーザ光L1成分は、ダンパー9により吸収して熱エネルギーに変換することができる。このような構成により、ミラーを安価な全反射ミラーとすることができる。
また、実施の形態2では、第1の反射ミラー13と第2の反射ミラー14の2枚のミラーで折り返し光路を形成するものとして説明したが、これは必ずしも必要ではない。例えば、3つ以上のミラーを用いて折り返し光路を形成してもよく、この場合には、レーザ光の光路が長くなる分、ビーム径を拡大することができるので、ビーム強度をさらに低減し、出射ウインドウ4の外面の汚損防止を実現できる。
また、実施の形態2では、入射ウインドウ3を結晶密封セル2の長手方向の一端部に設け、第1の反射ミラー13と第2の反射ミラー14で長手方向に折り返し光路を形成するものとして説明したが、これは必ずしも必要ではない。例えば、入射ウインドウ3を長手方向に垂直な側部に設け、入射した基本波レーザ光L0を反射ミラーやプリズム等で略90度曲げることで、長手方向に略平行なレーザ光としてもよい。また、出射ウインドウ4を長手方向に垂直な側部に設け、波長変換された高調波レーザ光L4を反射ミラーやプリズム等で略90度曲げることで、出射ウインドウ4から出射する構成としてもよい。すなわち、少なくとも結晶密封セル2の長手方向の長さ以上の光路を形成すればよく、この場合でも、本発明と同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
次に実施の形態3について説明する。図4は、実施の形態3における波長変換レーザ装置を示す図である。図4において、図3と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。結晶密封セル2には、入射ウインドウ3が設けられた長手方向の一端部に出射ウインドウ4が設けられる。また、結晶密封セル2内には、第1の反射ミラー13及び第2の反射ミラー14の代わりに、第1の分光プリズム15及び第2の分光プリズム16が配置される。第1の分光プリズム15及び第2の分光プリズム16にはコーティングを施さず、例えばペランブロッカプリズムやブリュースタープリズム等で構成される。
次に、実施の形態3における波長変換レーザ装置の動作を説明する。実施の形態1と同様に、レーザ発振器1から結晶密封セル2に入射された基本波レーザ光L0は、SHG結晶5及びTHG結晶6により波長変換され、第2の混合レーザ光M2が出力される。
出力された第2の混合レーザ光M2は、結晶密封セル2の内部を長手方向に進み、第1の分光プリズム15により光軸が略90度曲げられて第2の混合レーザ光M3となり、第2の分光プリズム16へ進む。そして、第2の混合レーザ光M3は、第2の分光プリズム16により光軸がさらに略90度曲げられて、3倍波レーザ光L4となり、結晶密封セル2の一端部に設けられた出射ウインドウ4へ進む。
ここで、第2の分光プリズム16から出射されるレーザ光には、3倍波レーザ光L4の他に、2倍波レーザ光L1成分及び基本波レーザ光L0成分も含まれる。2倍波レーザ光L1成分及び基本波レーザ光L0成分は、3倍波レーザ光L4よりも周波数が低いため、第2の分光プリズム16から出射される方向が3倍波レーザ光L4と異なる。そこで、出射ウインドウ4を3倍波レーザ光L4が出力される方向に設けることで、第2の分光プリズム16の出力から、2倍波レーザ光L1成分と基本波レーザ光L0成分を分光することができる。これにより、出射ウインドウ4から出射されるレーザ光は3倍波レーザ光L4だけとなる。なお、分光された2倍波レーザ光L1成分及び基本波レーザ光L0成分は、ダンパー9により吸収されて熱エネルギーに変換される。
実施の形態3においても、実施の形態2と同様に、結晶密封セル2内でレーザ光の折り返し光路を形成することができる。これにより、3倍波レーザ光L4のビーム強度を低減し、高出力のUVレーザであっても出射ウインドウ4の外面の汚損防止を実現できる。さらに、第1の分光プリズム15及び第2の分光プリズム16にコーティングを施さないため、UVレーザ光の照射によるコーティングの劣化を抑圧し、波長変換レーザ装置を長寿命化することができる。また、第1の分光プリズム15及び第2の分光プリズム16により折り返し光路を形成するのに加えて分光も行うことができるため、光学部材の数を減らすことができる。
なお、上記実施の形態では、SHG結晶5とTHG結晶6を用いて3倍波レーザ光L2に波長変換するものとして説明したが、これは必ずしも必要ではなく、例えば4倍波レーザ光や、それ以上の高調波に変換する波長変換結晶を用いてもよい。この場合であっても、本発明と同様の効果を得ることができることは言うまでもない。
なお、上記実施の形態における構成を組合せることで、さらに出射ウインドウ4における3倍波レーザ光L4のビーム径を拡大してもよい。例えば実施の形態3における第1の分光プリズム15及び第2の分光プリズム16により折り返し光路を形成し、さらに実施の形態1におけるビーム径拡大部8を出射ウインドウ4の近傍に設けてもよい。この場合の構成を図5に示す。図5に示すように、折り返し光路によりビームが拡大された3倍波レーザ光L4を、ビーム径拡大部8によりさらにビームが拡大された3倍波レーザ光L5とすることができる。このように、複数にわたる実施の形態の構成を併せて適用することで、さらに出射ウインドウ4における3倍波レーザ光のビーム径を拡大することができ、高出力のUVレーザであっても出射ウインドウの外面の汚損防止を実現できる。
また、実施の形態においてレーザ発振器1は固体レーザ発振器で構成されるものとして説明したが、これは必ずしも必要ではなく、用途に応じて半導体レーザ発振器やガスレーザ発振器を用いて構成されていてもよい。このような構成であっても、本発明と同様な効果を得ることができることは言うまでもない。
また、実施の形態においてレーザ発振器1と結晶密封セル2は別体で構成されるものとして説明したが、これは必ずしも必要ではなく、レーザ発振器1と結晶密封セルが空間的に分離されていれば一体に構成されていてもよい。一体に構成されていても、本発明と同様な効果を得ることができることは言うまでもない。
この発明の実施の形態1における波長変換レーザ装置を示す図である。 この発明の実施の形態1におけるビーム径拡大部8の構成の例を示す図である。 この発明の実施の形態2における波長変換レーザ装置を示す図である。 この発明の実施の形態3における波長変換レーザ装置を示す図である。 この発明の実施の形態1と3とを組み合わせた場合の波長変換レーザ装置を示す図である。
1 レーザ発振器
2 結晶密封セル
3 入射ウインドウ
4 出射ウインドウ
5 SHG結晶
6 THG結晶
7 分光ミラー
8 ビーム径拡大部
9 ダンパー
10 凹レンズ
11、12 凸レンズ
13 第1の反射ミラー
14 第2の反射ミラー
15 第1の分光プリズム
16 第2の分光プリズム

Claims (19)

  1. 所定のビーム径で入射する基本波レーザ光を3倍波以上の高調波レーザ光に波長変換する波長変換結晶と、
    変換された高調波レーザ光のビーム径を所望の大きさに拡大するビーム径拡大手段とを備え、
    前記ビーム径拡大手段は、
    複数の反射ミラーから構成され、
    前記複数のミラーにより折り返し光路を形成することを特徴とする波長変換装置。
  2. 所定のビーム径で入射する基本波レーザ光を3倍波以上の高調波レーザ光に波長変換する波長変換結晶と、
    変換された高調波レーザ光のビーム径を所望の大きさに拡大するビーム径拡大手段とを備え、
    前記ビーム径拡大手段は、
    複数のプリズムから構成され、
    前記複数のプリズムにより折り返し光路を形成することを特徴とする波長変換装置。
  3. 所定のビーム径で入射する基本波レーザ光を高調波レーザ光に波長変換する波長変換結晶と、
    変換された高調波レーザ光のビーム径を所望の大きさに拡大するビーム径拡大手段と、を備え、
    前記波長変換結晶は、
    基本波レーザ光を2倍波レーザ光に変換する第1の波長変換結晶と、
    基本波レーザ光と2倍波レーザ光を3倍波レーザ光に変換する第2の波長変換結晶とからなることを特徴とする波長変換装置。
  4. 所定のビーム径で入射する基本波レーザ光を高調波レーザ光に波長変換する波長変換結晶と、
    変換された高調波レーザ光の平均ビーム強度が40W/cm 以下となるように、前記変換された高調波レーザ光のビーム径を拡大するビーム径拡大手段と、
    を備えることを特徴とする波長変換装置。
  5. 前記波長変換結晶は、
    基本波レーザ光を2倍波レーザ光に変換する第1の波長変換結晶と、
    基本波レーザ光と2倍波レーザ光を3倍波レーザ光に変換する第2の波長変換結晶と
    からなることを特徴とする請求項1、2または4に記載の波長変換装置。
  6. 前記ビーム径拡大手段は、
    複数のレンズから構成されることを特徴とする請求項3または4に記載の波長変換装置。
  7. 前記複数のレンズは、
    1枚の凹レンズと1枚の凸レンズであることを特徴とする請求項に記載の波長変換装置。
  8. 前記複数のレンズは、
    2枚の凸レンズであることを特徴とする請求項に記載の波長変換装置。
  9. 前記ビーム径拡大手段は、
    複数の反射ミラーから構成され、
    前記複数のミラーにより折り返し光路を形成することを特徴とする請求項3または4に記載の波変換装置。
  10. 前記ビーム径拡大手段は、
    複数のプリズムから構成され、
    前記複数のプリズムにより折り返し光路を形成することを特徴とする請求項3または4に記載の波長変換装置。
  11. 前記複数のプリズムは、ペランブロッカプリズムまたはブリュースタープリズムであることを特徴とする、請求項2または10に記載の波長変換装置。
  12. 前記波長変換装置は、さらに、
    前記波長変換結晶とビーム径拡大手段とを内部に収め密封する筐体と、
    筐体の内部と外部を分離するとともに基本波レーザ光が入射される入射ウインドウと、
    筐体の内部と外部を分離するとともに高調波レーザ光が出射される出射ウインドウと、を備えることを特徴とする請求項1乃至に記載の波長変換装置。
  13. 前記入射ウインドウは前記筐体の長手方向の一端部に設けられ、
    前記出射ウインドウは前記筐体の長手方向の一端部又は他端部に設けられる、
    ことを特徴とする請求項12に記載の波長変換装置。
  14. 前記波長変換装置は、さらに
    前記高調波レーザ光から不要波を分光する分光手段と、
    分光した前記不要波を減衰させる減衰手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至に記載の波長変換装置。
  15. 前記分光手段は分光ミラーであることを特徴とする、請求項14に記載の波長変換装置。
  16. 所定のビーム径の基本波レーザ光を出射するレーザ発振器と、
    前記基本波レーザ光を3倍波以上の高調波レーザ光に波長変換する波長変換結晶と、
    変換された高調波レーザ光のビーム径を所望の大きさに拡大するビーム径拡大手段とを備え、
    前記ビーム径拡大手段は、
    複数の反射ミラーから構成され、
    前記複数のミラーにより折り返し光路を形成することを特徴とする波長変換レーザ装置。
  17. 所定のビーム径の基本波レーザ光を出射するレーザ発振器と、
    前記基本波レーザ光を3倍波以上の高調波レーザ光に波長変換する波長変換結晶と、
    変換された高調波レーザ光のビーム径を所望の大きさに拡大するビーム径拡大手段とを備え、
    前記ビーム径拡大手段は、
    複数のプリズムから構成され、
    前記複数のプリズムにより折り返し光路を形成することを特徴とする波長変換レーザ装置。
  18. 所定のビーム径の基本波レーザ光を出射するレーザ発振器と、
    前記基本波レーザ光を高調波レーザ光に波長変換する波長変換結晶と、
    変換された高調波レーザ光のビーム径を所望の大きさに拡大するビーム径拡大手段と、
    を備え、
    前記波長変換結晶は、
    基本波レーザ光を2倍波レーザ光に変換する第1の波長変換結晶と、
    基本波レーザ光と2倍波レーザ光を3倍波レーザ光に変換する第2の波長変換結晶とからなることを特徴とする波長変換レーザ装置。
  19. 所定のビーム径の基本波レーザ光を出射するレーザ発振器と、
    前記基本波レーザ光を高調波レーザ光に波長変換する波長変換結晶と、
    変換された高調波レーザ光の平均ビーム強度が40W/cm 以下となるように、前記変換された高調波レーザ光のビーム径を拡大するビーム径拡大手段と、
    を備えることを特徴とする波長変換レーザ装置。
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