JP2019518984A - 周波数変換レーザのための小型かつ効果的なビームアブソーバ - Google Patents

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    • G02F1/353Frequency conversion, i.e. wherein a light beam is generated with frequency components different from those of the incident light beams

Abstract

光ビーム分離・吸収部材は、第1面に入射する第1光ビームおよび第2光ビームを受光するミラーを含んでいる。ミラーは、第1光ビームを透過させるとともに、第2光ビームを反射する。ビームアブソーバは、ミラーを透過した第1光ビームを受光し、ミラーを透過した後の第1光ビームの第1部分を吸収する。ビームアブソーバは、第1光ビームの第2部分を散乱させる。ビームアブソーバおよびミラーは、散乱光の少なくとも一部がミラーの第2面に入射するように配置されている。第1光ビームと第2光ビームとの分離を促進するために、ミラーの第2面に入射する散乱光に対するミラーの光透過率は、ミラーの第1面に入射する第1光ビームの光透過率に比べて低くともよい。

Description

本発明は、例えば周波数変換レーザデバイス(frequency converted laser devices)における光を吸収するために用いられるビームアブソーバの構造に関する。本発明は、紫外光を生成するために可視光に対する非線形周波数変換を使用するデバイスにおいて、当該可視光を吸収するために用いられてよい。
非線形周波数変換(Nonlinear Frequency Conversion,NLFC)は、レーザデバイスを用いて特定の波長を発生させるために広く使用されている光学技術である。NLFCデバイスでは、基本波長を有する光が、NLFCデバイスコンポーネントに入射する。当該コンポーネントは、基本波長を有する光の一部または全体を、変換後波長を有する光へと変換する。この技術の一般的なバリエーションは、基本波長を有する光であって、周波数が2倍化される対象となる光を使用する。その結果、基本波長の半分(1/2)の変換後波長が得られる。このプロセスは、第2次高調波発生(second harmonic generation,SHG)として知られている。NLFCプロセスは、基本波長を有する光の全体を変換するわけではない。その結果、(i)変換後波長を有する光と、(ii)NLFCコンポーネントから出射される基本波長を有する光とが、空間的に重なり合ってしまう。
NLFCデバイスに関する多くの用途では、変換波後長を有する光のみが必要とされている。そのため、NLFCコンポーネントから出射される、基本波長を有する光の一部または全体は、除去される必要がある。このことは、2つのビーム(基本ビームおよび変換後ビーム)を空間的に分離し、その後基本ビームを吸収することにより、達成されうる。
周波数2倍化(Frequency-doubling)デバイスは、基本ビームおよび変換後ビームの偏光特性に応じて、カテゴライズ可能である。「タイプI(タイプ1)」SHGでは、NLFCデバイスから出射される直線偏光した変換後ビームは、直線偏光した基本ビームに対して直交する偏光を有している。US特許No.8,559,471(MaO,2013年10月15日発行)において示されているように、偏光におけるこの90°の変化は、ブルースター正反射(鏡面反射)(Brewster mirror reflection)を用いて基本ビームと反射ビームとを分離するために活用されてよい。Tangtrongbenechasil et al.[Japanese Journal of Applied Physics 47, 2137, (2008)]において説明されているように、変換後ビームに対して高い反射率を有し、かつ、基本ビームの大部分を透過させるミラーは、デバイス内において、ブルースター角に方向付けられている。
レーザ光の吸収は、ビームアブソーバを用いて実現されてよい。当該ビームアブソーバでは、キャビティは光を捕捉するように設計されている。光は、当該キャビティの内部に向けられる。一部のレーザ光は、ビームアブソーバと衝突することで反射または散乱させられ、当該ビームアブソーバから漏出する可能性がある。散乱光のこのような漏出を低減するために設計されたビームアブソーバの例が、見出されている。例えば、US特許No.8,047,663(Pang et al.,2011年11月1日発行)では、ビームアブソーバは、吸収チャンバにおいて終端するテーパ状のらせんとして形成されている。しかしながら、このようなデザインには、製造が比較的難しく、かつ、単純なキャビティに比べて大型となってしまうという不利益がある。
日本国特許出願No.2005337715A(Toshiyasu et al., 2005年12月8日公開)には、組み合わせ式の波長リジェクションミラーおよびビームアブソーバが示されている。当該構成では、光吸収性を有するよう構成されたケーシング内に、波長リジェクションミラーが含まれている。
本発明は、例えばNLFCデバイスにおいて使用される光分離・吸収部材(light separating and absorbing element)を提供する。公知技術とは異なり、本発明は、波長分離に関して高い性能を提供し、かつ、分離プロセスにおける散乱光を最小化する(特に、第1光に対する吸収率が高く、かつ、第2光に対する反射率が高い)という、小型デバイス向けの要求を満たす。
NLFCデバイスでは、光源から出射される第1光(任意に1つ以上の光学部材によって影響を受ける)は、NLFCコンポーネント内を伝播する。そして、第1光は、NLFCプロセスによって部分的に第2光へと変換される。当該第2光は、第1光の波長とは異なる波長を有している。NLFCコンポーネントから出射される第1光および第2光は、(i)互いに近接している場合もあるし、(ii)あるいは部分的または全体的に空間的に重なり合っている場合もある。その結果、第2光のビーム純度が低下する。このことは、多くの用途において容認されない。本発明は、第2光と同時に発生する第1光のパワーを低減するための手段を提供する。これにより、第2光の純度を高めることができる。
本発明の一態様において、合成ビーム(combined beam)は、第1光ビームおよび第2光ビームを含んでいる。合成ビームは、光ビーム分離・吸収部材に入射する。光ビーム分離・吸収部材は、第1ミラーとビームアブソーバとを備えている。第1ミラーは、(i)第1光ビームに対しては当該第1ミラーの反射率が低く、かつ、(ii)第2光ビームに対しては当該第1ミラーの反射率が高くなるように、構成されてよい。第1光ビームに対しての第1ミラーの透過率が高いことが好ましい。本明細書では、第1ミラーによって反射された第2光ビームの一部は、反射後第2光ビーム(反射された第2光ビーム)と称される。透過後第1光ビーム(透過された第1光ビーム)は、ビームアブソーバに入射する。ビームアブソーバは、(i)透過後第1光ビームの一部を吸収するとともに、(ii)当該光の一部を、散乱光として反射および散乱させる。本明細書における散乱光は、最初は透過後第1光ビームに含まれていた光であって、かつ、ビームアブソーバによって少なくとも1回以上反射および散乱させられた光である。ビームアブソーバから漏出し、かつ、反射後第2光ビームとほぼ同じ方向かつほぼ同じ空間位置に伝播しうる、あらゆる散乱光が、第1ミラーに入射するように、ビームアブソーバおよびミラーは、互いに相対的に配置されてよい。当該構成は、ビームアブソーバからの散乱光の漏出を低減する場合に有益である。それゆえ、NLFCデバイスから漏出する散乱光の量を低減できる。
本発明の別の態様において、第1ミラーは、第1光ビームがブルースター角に近い入射角で第1ミラーに入射するように、構成されてもよい。当該ビームに含まれる直線偏光は、第1ミラーにおいて大部分がp型である。そして、第1ミラーの反射率は、(i)第1光ビームに対しては高い透過率をもたらし、かつ、(ii)第2光ビームに対しては高い反射率をもたらすように、設定されてよい。例えば、第1ミラーは、マルチレイヤ(多層)コーティングを含んでいてよい。マルチレイヤコーティングによれば、ビームに対する選択性を高めることができる。すなわち、(i)反射後第2光ビームのパワーの減少を抑制しつつ、(ii)反射後第2光ビームとほぼ同方向に伝播する、第1ミラーによって反射される第1光ビームの量を大きく減少させることができる。当該構成は、第1光ビームと第2光ビームとが、互いに直交する直線偏光を有している場合に、特に好適である。
本発明の別の態様において、ビームアブソーバは、第1ミラーに入射する散乱光が当該第1ミラーを通過しない確率が比較的高くなるように、構成されてよい。このことは、
(i)第1ミラーに入射する散乱光が少なくとも1つの入射角で入射し、かつ、(ii)第1ミラーに対する直線偏光が、第1光ビームに対する第1ミラーの反射率に比べて、散乱光に対してより高い反射率を有する確率が比較的高くなるように、ビームアブソーバを構成することによって、実現されうる。例えば、ビームアブソーバの形状は、ビームアブソーバ表面において少なくとも1回散乱させられた、第1光ビームに由来する光が、大きい入射角で第1ミラーに入射する確率が比較的高くなるように、設定されてよい。代替的または付加的に、ビームアブソーバの表面は、第1ミラーに入射する散乱光が、p偏光に対するs偏光の、ある偏光比率(すなわち、p型のパワーによって除算されたs型のパワー)を有するように構成されてよい。当該偏光比率は、第1ミラーに入射する第1光ビームに関しての偏光比率よりも高い。これにより、好ましいことに、散乱光が第1ミラーを通過してビームアブソーバから漏出する確率を低減できる。特に、これにより、好ましいことに、散乱光(仮に散乱光が第1ミラーを通過した場合には、当該散乱光は反射後第2光ビームとほぼ同じ方向に伝播しうる)が、第1ミラーを通過する可能性を低減できる。
本発明の別の態様において、第1ミラーは、当該第1ミラーに入射する散乱光が、当該第1ミラーを通過しない可能性が比較的高くなるように、構成されてよい。このことは、散乱光に対して高い反射率を有するように、第1ミラーを構成することによって、実現されうる。その結果、散乱光をビームアブソーバの内部へと再び戻すように当該散乱光を反射できるので、ビームアブソーバから漏出する散乱光を低減できる。第1ミラー第2面の反射率は、マルチレイヤコーティングを用いて設定されてよい。本態様は、散乱光がビームアブソーバから漏出する確率を低減するための、別の機会をもたらす。
本発明の別の態様において、ビームアブソーバと第1ミラーとは、オプティカルコンタクトするように(光学接合されているように)設けられてもよい(すなわち、互いに物理的に接触していてもよい)。その結果、これらのコンポーネントがオプティカルコンタクトしている範囲内において、ビームアブソーバと第1ミラーとの間における光の伝播を防止できる。これにより、ビームアブソーバから漏出しうる散乱光の一部または全体を、より確実に、第1ミラーに最初に入射させることができる。このことは、ビームアブソーバからの散乱光の漏出を低減する場合に、有益である。散乱光は、第1ミラーによって、ビームアブソーバの内部へと戻されるように反射されうるためである。さらなる利点は、各コンポーネント間の物理的なスペースを削減することにより、光ビーム分離・吸収部材の物理的なサイズが最小化されることである。別の利点は、好ましいことに、光ビーム分離・吸収部材の製造を簡略化および低コスト化できることである。ビームアブソーバは、第1ミラーを支持するように構成されてよいためである。
本発明の別の態様は、反射後第2光ビームと同様の方向への散乱光の伝播を低減するために、角度選択性遮光部材を使用する。遮光デバイスは、(i)反射後第2光ビームを遮ることなく通過させ、かつ、(ii)反射後第2光ビームと同様の方向および空間位置に存在していない光を遮断するように、構成されている。光シールドは、NLFCデバイス内における散乱光(光ビーム分離・吸収部材によって散乱させられた光のみならず、当該デバイス内に存在する他のコンポーネントによって散乱させられた光も)を、低減する場合に有益である。
本発明の効果には、以下の事項が含まれうるが、これらに限定されない。
・第1光を第2光から効果的に分離しかつ吸収することによる、効果的なビーム分離。
・ビーム吸収・分離部材を通過する第2光についての高い透過効率(例えば、95%よりも高い透過率)。
・最小限のコンポーネントを使用し、かつ、安価な材料を使用可能であることによる、低コスト設計。
・ビーム吸収・分離部材内のコンポーネントの構成による、小型の構成(フォーマット)。
・角度および位置を選択可能な遮光デバイスによる、NLFCデバイス内における散乱光の前方への伝播の低減。
・NLFCデバイスは、周波数変換後光ビームの高いパワー比率を有する、周波数変換後光ビーム(第2光)を出射する。当該パワー比率は、基本光ビーム(第1光)のパワーによって除算された、周波数変換後光ビームのパワーの比率である。
本発明は、小型のNLFC装置を実現するために特に有益である。当該NLFC装置は、第1光を発生させるためにレーザダイオードを使用するタイプ1SHGにより、深紫外線(波長270nm未満)を生成する。これらの特性を有する波長分離部材に対する需要が存在する。なぜなら、深紫外スペクトル領域における光源に対する需要が増加しているためである。第1光と第2光とを分離することは、これらのデバイスの機能にとって重要である。
前述した目的または関連する目的を達成するために、本発明は、以下において十分に説明され、特に特許請求の範囲において特定された構成を含んでいる。以下の記載および添付の図面は、本発明の所定の例示的な実施形態を詳細に開示する。但し、これらの実施形態は、本発明の原則が採用されうる様々な手法のうちの一部を示しているにすぎない。図面と組み合わせて考慮されることで、本発明についての以下の詳細な説明から、本発明の他の目的、利点、および新規な構成が明らかになるであろう。
例示的な光ビーム分離・吸収部材に入射する合成ビームを示す。 入射角θで第1ミラー表面に入射する合成ビームを示す。 例示的なDBRミラーの反射率を示す。 ビームアブソーバの内面形状の例示的な構成、および、当該ビームアブソーバ内における光線の軌跡を示す。 例示的な第1ミラーに関して、入射角に対する透過率の依存性を示す。 ビームアブソーバ上面とビームアブソーバ下面との間の角度がθである場合を示す。 図6の例示的なビームアブソーバの構成についての、別視点からの図を示す。 ある表面性状を有する、ビームアブソーバの内面を示す。 第1ミラーの第2面における付加的なコーティングを示す。 第1ミラーの第2面に対して好適な例示的なコーティングの透過特性を概略的に示す。 ビームアブソーバと第1ミラーとが完全にオプティカルコンタクトしている構成の概略図を示す。 ビームアブソーバと第1ミラーとが完全にオプティカルコンタクトしている構成の2つの斜視図を示す。 放熱のために冷却部材がどのようにビームアブソーバに配置されるかを示す。 散乱光の一部または全てを遮断するために、開口および光トンネルを備えた遮光部材がどのように構成されうるかを示す。 図14の一部が抽出された図であり、光トンネルの構成と角度許容範囲との間の関係を示す。 散乱光の一部または全てを遮断するために、2つ以上の開口を備えた遮光部材がどのように構成されうるかを示す。 図16の一部が抽出された図であり、光トンネルの幾何学的構成と角度許容範囲との間の関係を示す。 光分離・吸収部材を含んだ例示的なNLFCデバイスを示す。 光分離・吸収部材および遮光部材を含んだ例示的なNLFCデバイスを示す。 例えば図16に示された2層の光シールドに関し、アスペクト比(w/l)に対し、どのようにアクセプタンス角(θ)が変化するかを示す。
1.光分離・吸収部材(光分離・吸収素子)
2.合成ビーム
2a.前方伝播ビーム(前進伝播ビーム)
3.第1光
3a.透過後第1光(透過された第1光)
3b.反射後第1光(反射された第1光)
4.第2光
4a.反射後第2光(反射された第2光)
5.第1ミラー
5a.第1ミラー第1面
5b.第1ミラー第2面
6.ビームアブソーバ
6a.ビームアブソーバ上面(ビームアブソーバ頂面)
6b.ビームアブソーバ下面(ビームアブソーバ底面)
7.散乱光
7a.混合散乱光
8.不透明な遮蔽材料
9.光トンネル
10.ビームアブソーバの内面
11.第2面にコーティングを有するミラー
12.冷却部材(冷却素子)
13.レーザダイオード
14.光学部材(光学素子)
15.NLFC部材(例:β−BBO)
16.フィルタ
17.レーザ光
18.出力ビーム
19.デバイスハウジング
NLFC装置は、(i)光を出射する光源、(ii)NLFCコンポーネント、(iii)NLFCコンポーネントに光が入射する前に、当該光に作用する1つ以上の任意の光学部材、および、(iv)ビーム分離・吸収部材を含んでいてもよい。本明細書では、NLFCコンポーネントに入射する光は、第1光ビームと称される。第1光ビームは、NLFCコンポーネントに入射する。当該NLFCコンポーネントは、第1光ビームの一部または全てを、第2光ビームへと変換する。NLFCコンポーネントから出射されて伝播する第2光のパワーは、当該コンポーネントから出射されて伝播する第1項のパワーに比べて、十分に小さい(例:大きさとして、最大で6桁分まで小さい)場合がある。そこで、パワーの大部分が第2光ビームに由来する出力ビームを得るために、2つの光ビームをフィルタあるいは分離することが、多くの場合必要となる。
本発明は、2つの光ビーム(例:第1光ビームおよび第2光ビーム)を含む合成ビームから1つのビームを分離するための、小型かつ効果的なビーム分離・吸収部材を提供する。本発明は、2つの直交した偏光を分離することに特に適する。この効果的な分離は、分離ステージと、第1光ビーム(すなわち透過後の光ビーム)を、効果的に吸収するための手段と、を含んでいる。当該分離ステージでは、(i)第1光ビームに対する高い透過率(光透過率)、および、(ii)第2光ビームに対する高い反射率(光反射率)が、用いられる。
本発明の第1の態様では、分離対象となる2つの光ビームが、第1ミラーに入射する。第1光は、第1ミラーを十分に透過してもよい。第2光は、当該ミラーによって十分反射されてもよい。第1光ビームの透過率(すなわち、ミラーに入射する光のパワーによって除算された、当該ミラーを通過した透過光のパワーの比率)は、好ましくは50%よりも高く、より好ましくは90%よりも高く、さらに好ましくは99%よりも高い。第2光ビームの反射率は、好ましくは50%よりも高く、より好ましくは90%よりも高く、さらに好ましくは99%よりも高い。
第1ミラーによって反射された第2光ビームの一部は、反射後第2光ビームとして伝播する。ビームアブソーバは、ミラーを透過した第1光ビーム(透過後第1光ビーム)の一部が当該ビームアブソーバに入射するように、第1ミラーの近傍に配置されてもよい。ビームアブソーバは、アルミニウム、亜鉛合金、黒鉛、鋼、またはステンレス鋼等の材料から製作されていてもよい。ビームアブソーバは、当該ビームアブソーバに入射する透過後第1光ビームの一部を吸収する。ビームアブソーバは、好ましくは透過後第1光ビームの少なくとも50%を吸収し、より好ましくは透過後第1光ビームの90%よりも多くを吸収し、さらに好ましくは透過後第1光ビームの99%よりも多くを吸収する。ビームアブソーバによって吸収されなかった第1光の一部は、散乱光として散乱させられてよい。散乱光は、透過後第1光ビームに由来する光であって、かつ、ビームアブソーバによって少なくとも1回反射または散乱させられた光である。ビームアブソーバから漏出し、かつ、反射後第2光とほぼ同じ方向および空間位置に伝搬しうるあらゆる散乱光が、第1ミラーに入射するように、ビームアブソーバと第1ミラーとは、互いに相対的に配置されていてもよい。この場合、有益なことに、第1ミラーは、散乱光の一部をビームアブソーバ内へと戻すように反射する。このような反射がなければ、当該散乱光の一部は、反射後第2光ビームとほぼ同じ方向に伝搬しうる。
このように、本発明の一態様は、ビーム分離・吸収部材である。例示的な実施形態において、当該部材は、第1光ビームおよび第2光ビームを受光するミラーを含んでいる。当該ミラーは、第1光ビームを透過させるとともに、第2光ビームを反射する。当該部材は、ビームアブソーバをさらに含んでいてもよい。ビームアブソーバは、ミラーを透過した第1光ビームを受光する。そして、ビームアブソーバは、第1光ビームがミラーを透過した後に、当該第1光ビームの一部を吸収する。ビームアブソーバは、第1光ビームの第2部分を、散乱光として散乱させてよい。散乱光の少なくとも一部がミラーに入射するように、ビームアブソーバとミラーとは、互いに相対的に配置されていてもよい。第1光ビームおよび第2光ビームは、ミラーの第1面に入射しうる。そして、散乱光は、ミラーの第2面に入射しうる。当該第2面は、ミラーの第1面とは反対側に位置する。一般的に、ミラーの第2面における散乱光に対する当該ミラーの光透過率は、当該ミラーの第1面に入射する第1光の光透過率と比べて低い。これにより、第1光ビームと第2光ビームとの分離を促進できる。
図1には、本発明の例示的な実施形態が示されている。図1は、光分離・吸収部材1に入射する合成ビーム2を示す。合成ビーム2は、第1光ビーム3および第2光ビーム4を含む。当該第2光ビームは、第1光ビーム3と空間的に重なり合っていてもよい。合成ビーム2は、第1ミラー5の第1面5aに入射する。第1面5aは、第1光ビーム3に対して高い透過率を有し、かつ、第2光ビーム4に対して高い反射率を有するように構成されていてもよい。第1面5aを透過した第1光ビームの一部は、第1ミラー5に含まれる1つ以上の材料(物質)(当該光に対して十分に透明であることが好ましい)、および、第2面5bを通過して伝播する。第2面5bは、当該光に対して十分に高い透過率を有していることが好ましい。このように、第1光ビーム3は、透過後第1光ビーム3aとして、第1ミラー5をほぼ透過する。第1光ビーム3の一部は、第1ミラーの第1面5aおよび第2面5bのうちの1つまたは両方によって、1つ以上のビームとして反射されうる。当該ビームは、総称的に、反射後第1光ビーム3bと称される。
第2光ビーム4は、反射後第2光ビーム4aとして、第1ミラー5によってほぼ反射される。前方伝播ビーム2a(ビーム4aおよびビーム3bの合成ビームである)において、反射後第1光ビーム3bのパワーによって除算された反射後第2光ビーム4aのパワーの比率は、合成ビーム2における第2光ビーム4と第1光ビーム3とにおける同等の比率に対して、十分に高い。好ましくは、(透過後第1光ビーム3aのパワー/第1光ビーム3のパワー)という比率は、0.99よりも高い。同様に、好ましくは、(反射後第2光ビーム4aのパワー/第2光ビーム4のパワー)という比率は、0.99よりも高い。
透過後第1光3aが第1ミラー5を通過した後にビームアブソーバ6に入射するように、ビームアブソーバ6は、第1ミラー5に対して相対的に配置されていてよい。ビームアブソーバ6は、透過後第1光ビームの多くを吸収するように構成されている。ビームアブソーバ6は、好ましくは入射光の90%よりも多くを吸収し、より好ましくは入射光の99%よりも多くを吸収する。これにより、透過後第1光ビームの大部分は、ビームアブソーバ6との接触時に吸収される。ビームアブソーバ6によって吸収されなかった透過後第1光3aに由来するいかなる光もが、散乱光7として、ビームアブソーバの表面によって反射または散乱させられうる(透過後第1光3aの反射成分または散乱成分は、総称的に散乱光7として呼称されている。当該散乱光は、正反射(鏡面反射)成分および非正反射成分を含みうると理解されてよい)。前方伝播ビーム2aが続いて照射される光学部材に入射しうるいかなる散乱光7もが、第1ミラー5の第2面5bに入射するように、ビームアブソーバ6は、第1ミラー5に対して相対的に配置されることが好ましい。加えて、前方伝播ビーム2aの経路に沿って、直接的に、または、別の光路を介して、最終的にはNLFCデバイスから出射され伝播しうるいかなる散乱光7もが、第1ミラー5の第2面5bに入射するように、ビームアブソーバ6は、第1ミラー5に対して相対的に配置されることがさらに好ましい。
第1光ビーム3をほぼ透過させ、かつ、第2光ビーム4をほぼ反射させることにより、光分離・吸収部材1は、前方伝播ビーム2aを供給できる。当該前方伝播ビーム2aは、合成ビーム2と比べて、第2光ビームの純度について改善されている。本態様は、単純な手段によって2つの光ビームを効果的に分離できるので、有益である。光分離・吸収部材に対して単純なコンポーネントを使用することにより、こうしたデバイスのコストおよび複雑性を最低限度に維持できる。有益なことに、前方伝播ビーム2aにおける透過後第1光3aの比率は、前方伝播ビーム2aに寄与しうる散乱光7を最小化することにより、低減される。さらに有益なことに、ビームアブソーバ6を第1ミラー5の近傍に配置することで、光分離・吸収部材1がコンパクト化される。
例示的な実施形態では、第1光ビームは、第1偏光を有していてよい。また、第2光ビームは、第1偏光とは異なる第2偏光を有していてよい。ミラーは、(i)第2偏光に比べて第1偏光に対して高い光透過率を有し、かつ、(ii)第1偏光に比べて第2偏光に対して高い光反射率を有するように、構成されていてよい。第1光ビーム3と第2光ビーム4とがほぼ直交する偏光を有している場合、ミラーは、当該偏光に基づいて各ビームの分離効率を向上させるように構成されていてもよい。例えば、50%よりも多い比率の第1光ビーム3が、好ましくは90%よりも多い比率の第1光ビーム3が、より好ましくは99%よりも多い比率の第1光ビーム3が、第1偏光方向に直線偏光している場合を考える。この場合、第1ミラー5は、第1光ビーム3における第1偏光方向が、第1ミラー5に対してp型に偏光するように、構成されていてよい。このようにすれば、第1光ビーム3の大部分(好ましくは90%よりも多く、より好ましくは99%よりも多く)に当該第1ミラー5を透過させるように、第1ミラー5を方向付けできる。
図2には、偏光に基づく改良された分離手法が示されている。図2は、第1光ビーム3と第2光ビーム4とを含んでおり、かつ、第1入射角θで第1ミラー5に入射する合成ビーム2を示す。第1ミラー5において、p型偏光を有する第1光ビーム3に対して低い反射率(R)を得るためには、ブルースター角とほぼ等しい入射角を使用することが有益である。ブルースター角は、以下の式から決定されてよい。
Figure 2019518984

θBRは、ブルースター角である。nPpropは、第1光ビームが第1ミラー5の第1面5aに入射する前の時点における、媒質中における当該第1光ビームの屈折率である。ntransは、第1光ビームが第1ミラー第1面5aを通過して伝播(進行)した後の時点における、媒質中における当該第1光ビームの屈折率である。合成ビーム2が初期状態において空気中またはガス中を伝播している場合、nPprop≒1.0である。
ブルースター角条件が満たされている場合、p偏光ビームの反射率は、0に近くなる(R≒0となる)。このため、反射後第1光ビーム3bのパワーは、第1光ビームのパワーに比べてきわめて十分に低い。
第2光ビームに対しての前方伝播ビーム2aの純度は、当該前方伝播ビーム2aとほぼ同方向に伝搬する散乱光の低減によって、さらに保証される。本発明のこの態様は、有益である。ブルースター角インターフェースは、光学システムにおいて比較的単純かつ安価なコンポーネントであるためである。このため、より高価なコンポーネント(例:偏光子)に比べ、本実施形態に対し商業的な利点をもたらすことができる。また、ブルースター角インターフェースは、光学コーティングにダメージを及ぼしうる高パワーのビームに起因するダメージに対して、ロバスト性を有する。
さらなる態様において、(例えば、タイプ1SHGの結果として)第1光ビーム3と第2光ビーム4とが偏光および波長について分離されている場合、第1ミラー5は、ブルースター角に方向付けられるとともに、第2光ビーム4の反射を最大化するためのコーティングを有していてもよい。例えば、分布ブラッグリフレクタ(distributed Bragg reflector,DRB)コーティングは、特定の波長について、界面において99%よりも高い反射率をもたらしうる。このため、第1光ビーム3におけるp偏光は、ブルースター角を利用して第1ミラーを透過できる。そして、第2波長のs偏光を含んだ第2光ビーム4は、高い反射係数によって反射されうる。
図3は、入射角(angle of incidence)=56°である場合についての、190〜460nmの波長範囲におけるDRBミラーの反射率の例を示す。図示の通り、λ=220nm付近の波長においてs偏光の反射率が高く、λ=330nm付近の波長においてp偏光の反射率が低い。このような高反射率のコーティングは、有益である。当該コーティングによれば、波長分離・吸収部材1における第2光ビーム4の光学ロス(光学損失)の最小化を保証できるためである。このことは、特に重要である。多くの場合、NLFCデバイスにおいて生成された第2光ビームは、第1光ビームに比べてパワーが何桁も(many orders)小さく、それゆえロスがきわめて望ましくないためである。
例示的な実施形態において、第1光ビームは、第1入射角でミラーの第1面に入射してよい。ビームアブソーバは、散乱光の少なくとも一部が、第1入射角とは異なる第2入射角でミラーの第2面に入射するように構成されていてよい。散乱光に対するミラーの光透過率は、第2入射角において、第1入射角の場合に比べて低くともよい。
特に、第2入射角の方向は、ミラーによって反射された第2光ビームの伝搬方向とほぼ同じであってよい。これにより、ミラーは散乱光を透過させない。このような構成がなければ、当該散乱光は、反射後第2光ビームと重なり合いうる。反射後第2光ビームと重なり合いうる散乱光は、当該第2反射後光ビームの光路上の任意の後続する点において、当該第2反射後光ビ−ムと空間的に同じ位置に存在する散乱光の任意の成分を含むものとして定義される。
図4に示されるように、本発明のさらなる態様では、第1ミラー面に入射する散乱光7の大部分が、第1ミラー5において、当該第1ミラー5における第1光ビームの入射角とは異なる入射角を有するように、ビームアブソーバ6が構成されていてよい。当該構成は、例えば、(i)ビームアブソーバの内部形状、および/または、(ii)ビームアブソーバ内の1つ以上の材料、および、(iii)当該材料の表面性状(面肌)、のうちの少なくとも1つの構成を通じて実現されてよい。追加コンポーネントを設ける必要なく、ビームアブソーバからの散乱光の漏出を低減できるので、本発明の当該態様は有益である。
第1ミラー5は、第1入射角で第1ミラー5に入射する第1光ビーム3をほぼ透過させるように構成されていてよい。当該構成の望ましくない影響は、当該入射角(同じ入射角)で第1ミラー5に入射する散乱光7もが、第1ミラー5をほぼ透過しうることである。そこで、本発明の当該態様では、第1ミラーに入射する散乱光7の多くの部分が、第1ミラー5において、第1入射角とは異なる入射角を有するように、ビームアブソーバが構成されている。散乱光の上記部分(一部)は、好ましくは20%よりも多く、より好ましくは50%よりも多く、さらに好ましくは90%よりも多い。
さらに、第1入射角とは異なる入射角で第1ミラーに入射する散乱光の透過率が、第1入射角に等しい入射角の散乱光の透過率に比べて低くなるように、第1ミラーが構成されていてよい。図5は、例示的な第1ミラーについての、入射角に対する透過率の依存性を示す。この透過率は、いずれの方向(例:ミラーの第1面5aへの入射方向または第2面5bへの入射方向)においてミラーを通過して伝播する光についても同じである。プロットは、異なる入射角でミラーを通過するs型偏光およびp型偏光を有する光の透過率を示す。本例は、UVヒューズド(溶着)シリカ基板上に堆積されたDBRミラーについての例であり、約440nmの波長の場合に当てはまる(例1においてより詳細に説明する)。但し、本明細書では、本例は、適切に構成された第1ミラーの一般的な構成を説明するために導入されている。第1ミラーに入射する第1光ビーム3は、ブルースター角にほぼ等しい第1入射角(本例の場合、約56°)を有する。第1光ビームにおいて、第1ミラー5を通過するp偏光の透過率は、非常に高い。このことは、ビームアブソーバに向けて第1光ビームを効果的に透過させるために有益である。
ビームアブソーバは、第1ミラーに入射する散乱光の大部分が、第1入射角とは異なる入射角を有するように、構成されている。図5に示される反射特性を有するように構成された第1ミラーと関連して、第1ミラーを通過する散乱光の透過率は、低いことが好ましい。ミラーを通過する光の透過率は、第1入射角とは異なる角度において、当該第1入射角に等しい入射角の場合に比べて低いためである。
第1ミラーを透過する散乱光についての上記の好ましい低い透過率によれば、好ましいことに、散乱光の多くの部分を第1ミラーにおいて反射させることができる。それゆえ、散乱光の多くの部分をビームアブソーバ6内に留めることができる。例えば、入射角80°では、約60%のp偏光が透過する。これに対し、約56°の入射角では、99%のp偏光が透過する。
好適な例において、ビームアブソーバの1つ以上の面において、散乱光がほぼ正反射方向に散乱または反射される(つまり、反射角または散乱角が入射角のほぼ20°以内の範囲に収まる)ことが保証されるように、ビームアブソーバの形状が設定されていてよい。当該反射光は、最終的には、第1入射角よりも大きい入射角で第1ミラーに入射する。多くの場合、ビームアブソーバ内のコーティングが劣化すると、ほぼ正反射方向における反射および散乱は、特に関連性が高くなりうる。
例えば、ビームアブソーバの第1面は、当該ビームアブソーバの第2面に対して、鋭角を成すように角度付けられていてよい(曲げられていてよい)。図6および図7には、例示的なビームアブソーバの形状が示されている。図6は、例示的な構成を示す。当該構成において、合成ビーム2と第1ミラー5との間における第1入射角は、θ=56°である。また、ビームアブソーバ上面(第1面)6aとビームアブソーバ下面(第2面)との間の角度は、θ=16°である。図7は、図6のビームアブソーバ6および第1ミラー5の構成についての、別視点からの図を示す。図示のように、ビームアブソーバ6の内部形状は、断面において、正方形または矩形である。そして、下面6bは、上面6aに向けて上方向に角度付けられている。
図4を再び参照する。図4は、図6および図7と類似のビームアブソーバの形状を示す。図4は、当該ビームアブソーバ内における単一の光線の軌跡を示す。当該軌跡は、光線軌跡シミュレータによって算出されたものである。トレースされた複数の光線によれば、ビームアブソーバ内の内面の当該構成に関し、散乱光7のうちの40%がミラーに76°の角度で入射し、残りの60%が36°から68°までの入射角でほぼ均等に分離されていることが示されている。図5を再び参照すると、ブルースター角(56°)と比較すると、上記全ての入射角において透過率が低下していることが理解できるであろう。特に、76°では、透過率は、ブルースター角における透過率の約70%にすぎない。
図6および図7は、製造が比較的容易であるという利点を有するビームアブソーバ6の内部形状に関し、実施可能なオプションを1つのみ示している。但し、ビームアブソーバ6の内部形状についての多くの実施可能な構成が、本発明の当該態様を実現できるであろう。
このように、上述の構成は、第1ミラーを通過する第1光ビームに対して好ましい高い透過率をもたらすとともに、当該ミラーを通過する散乱光7に対して好ましい低い透過率をもたらす。
また、ビーム分離は、偏光に基づいてさらに改善されてもよい。例示的な実施形態において、第1光ビームは、第1偏光を有するミラーの第1面に入射してよい。ビームアブソーバは、(i)散乱光の少なくとも一部が、第1偏光とは異なる第2偏光を有するミラーの第2面に入射し、かつ、(ii)第1偏光の場合に比べ、第2偏光において散乱光に対するミラーの透過率が低くなるように、構成されていてよい。例えば、ビームアブソーバは、ある表面性状を有していてよい。当該表面性状は、同表面性状に入射する光の比率を、第1偏光と第2偏光とで変化させる。
例えば図8に示されるように、本発明の当該さらなる態様において、ビームアブソーバ6の内面10は、第1ミラー5に入射する散乱光7の比率が、平均した場合に、第1ミラーに入射する第1光ビームの等価的な比率とは異なる、ある光の比率の値を有するように構成されていてもよい。当該比率の値は、光の全パワーによって除算された、s型直線偏光を有する光の比率の値である。
ビームアブソーバ6の内面10は、第1偏光比率(すなわち、光の全パワーによって除算された、s型偏光を有する光のパワーの比率)を有する入射光(内面に入射する光)が、当該第1偏光比率とは異なるある偏光比率を有する散乱光として散乱させられるように、構成されていてもよい。例えば、内面10の一部または全体は、偏光比率の変化を生じさせるテクスチャ(性状)を有するように構成されていてもよい。図8は、この例を示す。図8では、ビームアブソーバ6の内面は、ある表面性状を有するように、概略的に図示されている。入射光の波長に近い寸法、または、当該波長よりも短い寸法を有する構成を備えた表面性状(例:粗さ)は、入射光と散乱光とで、偏光比率を変化させるために特に有効である。
本例において、第1光ビーム3は、第1ミラー5に対しほぼp型に偏光しており、かつ、ビームアブソーバ6の内面10は、上記態様に応じて構成されている。この場合、第1ミラー5に入射する散乱光は、第1ミラーにおいて、全パワーによって除算されたs型偏光のある偏光比率を有する。当該偏光比率は、第1ミラーに入射する第1光ビームの等価的な比率に比べて高い。ビームアブソーバ6の内面10における複数回の散乱イベントは、第1ミラーに入射する散乱光7におけるs偏光成分を増加させうる。例えば、第1光ビーム3が、全パワーの1%以下のs偏光成分を有している場合を考える。この場合、ビームアブソーバ内面10における散乱は、第1ミラーに入射する散乱光7について、全パワーによって除算されたs偏光を、1%よりも大きい値に増加させる。好ましくは、当該比率は、第1ミラーに入射する散乱光7のパワーの約50%まで増加する。
第1ミラー5は、s型偏光の比率の変化に起因して、第1ミラーに入射する散乱光の透過率が、当該第1ミラーを通過する第1光ビームの透過率よりも低くなるように、構成されていてよい。例えば、p偏光に比べてs偏光に対してより高い反射率を有するように構成されたミラーは、本例に対して好適である。(上述の態様についての説明にて導入されているように)図5に示される透過特性を有するミラーは、好適な例である。第1光ビーム3の大部分がp偏光している場合、図5に示される特性を有する第1ミラーに対する透過率は、約56°の入射角において非常に高くなる。これに対し、第1ミラーに入射するより高いs型偏光成分を有する散乱光は、第1ミラーにおいて、散乱光のほぼ全ての入射角について、透過率がきわめて小さくなる。それゆえ、s偏光は、より捕捉され易くなり、最終的にはビームアブソーバ6内において吸収される。そして、好ましいことに、当該反射後第2光ビームとほぼ同じ方向で、反射後第2光ビームとほぼ同じ空間位置へと伝搬する散乱光を、少なくすることができる。
高い散乱性を実現するためには、ビームアブソーバの内面10が、(i)粗いまたはその他の性質を有する表面性状によって、または、(ii)散乱コーティングの含有によって、固有の高い散乱性を有していることが必要とされる。好適な表面の例は、(i)アルミニウム、鋼、またはステンレス鋼の表面に形成された陽極酸化層(anodized layer)(当該陽極酸化層内に色素を随意に含んでもよい)、(ii)シリコン、(iii)グラファイトコーティング、および、(iv)吸収性ガラス(すなわち、光の一部または全てを吸収するガラス)を含む。
図9に示されるように、本発明の別の態様では、第1ミラー5の第2面5bは、ビーム吸収・分離部材の有効性をさらに向上させるように、構成されていてもよい。例えば、第2面は、ミラーの第2面に入射する散乱光の透過率を低減させるように構成されたコーティング11を含んでいてもよい。コーティング11が第1ミラーの第2面5bに含まれている場合、当該コーティングがミラー第2面に入射する散乱光7の透過率を低減させるように構成されていることにより、第1ミラーを通過する散乱光7の透過率を低減できる。コーティング11は、散乱光の偏光または入射角の少なくとも一方の影響に応じて、当該散乱光の透過率を低減させるように構成されていてよい。
好適なコーティングは、第1光ビームの偏光および第1入射角に等しい入射角について、第1ビーム3に対する高い透過率(第1面5aに関しては、例えば好ましくは99%よりも高い透過率)を有しうる。また、当該好適なコーティングは、第1ミラーにおいて、(i)第1入射角とは異なる入射角、および/または、(ii)第1光ビームの偏光とは異なる偏光、の散乱光7に対し、低い透過率を有しうる。好ましくは、多層光学コーティングが構成されてよい。第2面5bにコーティング11を適用することの利点は、当該コーティング11は、第1ミラー5の第1面5aとは異なり、第2ビームを反射する機能を必ずしも有していなくともよいという点にある。従って、コーティング11の設計は、第1表面の構成に比べて制限が少ない。それゆえ、コーティング11は、散乱光7に対してより好ましい低透過率を提供するように設計されうる。
第2面5bにコーティング11を使用することは、SHGデバイスの例に対して特に高い関連性を有する。当該SHGデバイスの例では、基本光(第1光ビーム)は、400〜600nmの範囲の波長を含んでおり、周波数変換後の光(第2光ビーム)は、200〜300nmの範囲の波長を含んでいる。この場合、第1ミラー面は、200〜300nmの範囲内に波長を有する光に対して高い反射率を有しているとともに、400〜600nmの範囲内に波長を光に対して高い透過率を有している必要がある。波長200〜300nmに対して高い反射率を有するミラーを提供するために好適な光学材料は、比較的少数である(さらに、波長200〜240nmに関しては、特に少数である)。このため、散乱光7の最も低い透過率を提供できるとは限らない材料および設計を使用することが必要となる。例えば、波長200〜240nmに対して高い反射率を有するミラーは、高耐久性フッ化物材料のマルチレイヤを用いて製作される場合がある。しかし、クラッキング発生前の表面に堆積されうる上記高耐久性フッ化物材料の全体の厚さは、小さい。それゆえ、散乱光7に対する低透過率を提供しうる複雑な多層ミラーを製作できない場合がある。これに対し、第2面5bにおけるコーティング11は、400〜600nmの範囲の波長に対する機能を有してさえいればよい。それゆえ、当該コーティング11は、第1光ビームに対し非常に高い透過率を提供し、かつ、(例えば、散乱光の偏光および当該散乱光の入射角のうちの少なくとも一方に基づき)散乱光に対し低い透過率を有するように、設計されてよい。図10は、第1光ビームの波長に対する、このようなコーティングの透過特性の例を概略的に示す。当該コーティングは、第1入射角が56°である場合に好適でありうる。図10におけるコーティングの特性は、非常に好ましいことに留意されたい。但し、より不完全な透過、または、より不完全な透過に対応する角度範囲も、なお有効であり、これらも本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
別の例において、コーティング11は、第1ミラー5の第2面5bを通過する第1ビーム3に対して高い透過率を提供できるように構成されてもよい。
別の例において、本開示の全体を通じて説明されている第1面の構成と第2面の構成とは、互いに置き換えられてもよい。その結果、本明細書において第1面に対して説明された構成は、第2面について適用される。その逆も然りである。
本発明のさらなる態様において、第1ミラー5とビームアブソーバ6とは、少なくとも部分的に互いにオプティカルコンタクトしていてもよい(すなわち、互いに物理的に接触していてもよい)。その結果、これらのコンポーネントが物理的に接触している領域内において、ビームアブソーバと第1ミラーとの間にて、光ビーム分離・吸収部材から漏出する散乱光の伝搬を低減または抑制できる。ビームアブソーバと第1ミラーとは、部分的にオプティカルコンタクトしていてもよい。この場合、ビームアブソーバの開口の全体ではないが一部が、第1ミラーとオプティカルコンタクトする。あるいは、ビームアブソーバと第1ミラーとは、全体的にオプティカルコンタクトしていてもよい。この場合、ビームアブソーバの開口は、全体的に、第1ミラーとのオプティカルコンタクトによって封止される。図11および図12には、当該態様の例が示されている。図11および図12の例では、第1ミラーは、ビームアブソーバに対して完全にオプティカルコンタクトしている。当該構成は、ビームアブソーバから漏出可能な散乱光7を最小化する。ビームアブソーバから漏出しうる全ての散乱光7は、第1ミラー5に入射し、当該ビームアブソーバの内部へと戻されるように反射されうるためである。
当該態様は、デバイスの小型化に有益である。ビームアブソーバと第1ミラーとは、当該ビームアブソーバと当該第1ミラーとが物理的に接触するための最小限のスペースのみを必要とするためである。別の利点は、光分離・吸収部材の製作時に、第1ミラーに対する機械的なサポート(支持)を提供するように、ビームアブソーバを構成できることである。その結果、追加コンポーネントを設ける必要性をさらに低減できる。本態様のさらなる利点は、特に、ビームアブソーバの表面に入射する光のパワーが高い場合には、当該ビームアブソーバの表面が時間経過に伴い劣化(分解)しうることが知られていることである。劣化する表面の例は、アルミニウムまたは鋼の表面に施された、グラファイトコーティングまたは陽極酸化コーティングを含む。第1ミラーとビームアブソーバとが完全にオプティカルコンタクトしている場合、当該第1ミラーは、NLFCデバイス内の他のコンポーネントの汚染を防止しうる。ビームアブソーバの劣化に起因して放出される任意のガスまたは粒子は、第1ミラーによってビームアブソーバ内に封止されるためである。
図13には、本発明のさらなる態様が示されている。図13では、冷却部材12が、放熱のためにビームアブソーバ6上に設けられている。NLFCデバイスにおいて使用されるレーザ源は、高い光パワーを有する光を出射できる。特に、連続波(continuous wave,cw)モードにおいてレーザ源が駆動される場合には、ビームアブソーバ内において発生する熱は、無視できるものではなく、能動的(積極的)な取扱いを要する。例えば、少なくとも1Wの光パワーが、ビームアブソーバに入射しうる。
ビームアブソーバ6の表面積を増加させるために冷却部材12を追加することにより、
表面積が小さく形成された(例えば円筒状または直方体状の)ビームアブソーバに比べ、より効果的に放熱を行うことが可能となる。本態様は、本発明の上述の態様(ビームアブソーバの内部形状の構成)と組み合わせた場合に、特に効果的である。冷却フィンの追加は、ビームアブソーバの全体的な外形(profile)の増大を必要としないためである。その結果、物理的なサイズを最低限に維持できる。このような冷却の利点は、ビームアブソーバにおいて必要とされる場合には、本発明の任意の態様に付与されてもよい。
本発明の別の態様は、角度選択性の(角度選択可能な)1つ以上の遮光部材(遮光素子)を用いる。当該遮光部材は、ミラーによって反射された第2光ビームを含む前方伝播ビームとほぼ同じ方向で、ほぼ同じ位置に伝搬する散乱光の一部または全てを遮断するように構成されている。図14の例を参照して、本態様が導入されている。混合散乱光7aは、(i)光ビーム分離・吸収部材内から、あるいは、(ii)第1光ビームまたは合成ビーム2を受光した任意のコンポーネントから、出射されうる。角度選択性遮光部材は、(i)前方伝播ビーム2aを遮断せずに通過させるとともに、(ii)前方伝播ビーム4aとは方向および空間位置の両方が類似していない散乱光を遮断できる(好ましくは吸収できる)ように構成されている。好ましくは、NLFCデバイスからの散乱光の光学的な出射をもたらしうるあらゆる散乱光が、角度選択性遮光部材によって遮断される。
図14には、角度選択性遮光部材の例が示されている。図14では、角度選択性遮光部材は、散乱光を遮断する不透明材料によって構成された遮光層8を備えている。そして、同じく不透明材料によって構成された光トンネル9は、前方伝播ビーム2が遮断されずに通過できるように構成された光路を規定する。光トンネル9の角度許容範囲(angular acceptance)、すなわちΦは、トンネルの幅wに対する長さlのアスペクト比に応じて制御されうる。図15には、この点が示されている。図15に示されるように、トンネルの壁部(壁面)が前方伝播ビーム2aと平行であるように角度付けられている場合には、Φは、以下の通り定義される。
Figure 2019518984

図16には、さらなる例示的な角度選択性遮光部材が示されている。図16では、光シールドは、不透明材料によって構成された2つの(または3つ以上の)層8を備える。当該8のそれぞれは、前方伝播ビームを遮断せずに通過させる開口を有している。遮光層8を分離する(離間させる)ことにより、光シールドの角度許容範囲についての選択性を、さらに高めることができる。トンネルの壁部を無くすことにより、トンネル内において散乱する混合散乱光7aが生じる可能性を低減できるので、本例は有益である。
光トンネルの場合と同様に、角度許容範囲Φは、開口の幅wに対する層間の間隔lとのアスペクト比によって制御されうる。例えば、各遮光層(当該遮光層は、前方伝播ビームまたは混合散乱光7aを、遮断する、または、迂回させる)間に光学部材が設けられていない2層の光シールドを考える。そして、各開口は、当該開口の中心を通るように前方伝播ビーム2aを通過させるように配置されているものとする。この場合、Φは、以下の通り定義される。
Figure 2019518984

なお、図17に示されるように、θは、光シールドの平坦面(plane)に対する前方伝播ビームの角度である。
光シールドは、第1光ビーム3、合成ビーム2、または透過後第1光ビーム3aを受光した、NLFCデバイス内の任意の部材から生じる散乱光を制限できる。このため、本発明の当該態様は、有益である。特に、ビームアブソーバから生じ、前方伝播ビームとほぼ同じ方向および空間位置内へと向かう散乱光の漏出を、第1ミラーによって低減するという要求と組み合わせた場合には、角度選択性遮光部材は、多大な利点をもたらす。この場合、角度選択性遮光部材は、散乱光についての角度選択性をもたらす。このことは、ビームアブソーバから直接的に漏出したより少量の散乱光が、光シールドを通過して(past)伝播しうることを意味する。それゆえ、このことは、ビームアブソーバを第1ミラーに対して相対的にどのように配置するかを制御する態様と組み合わせた場合には、NLFCデバイスから出射される混合散乱光7aをさらに低減できる多大な可能性を有している。
以下の各例は、上述の光ビーム分離・吸収部材を含んだ非線形周波数変換(NLFC)デバイスの例示的な実施形態を示す。一般的に、例示的な実施形態において、NLFCデバイスは、光源と、NLFCコンポーネントと、光ビーム分離・吸収部材とを含んでいてもよい。光源は、第1光ビームを出射する。NLFCコンポーネントは、第1光ビームの一部を、第2光ビームへと変換する。第1光ビームと第2光ビームとは、異なる波長を有する(すなわち、NLFCコンポーネントは、周波数変換プロセスを実行し、第1光ビームの一部を第2光ビームへと変換する)。光ビーム分離・吸収部材は、任意の実施形態に係るものであってよい。第1光ビームと第2光ビームとは、光ビーム分離・吸収部材に入射する。光ビーム分離・吸収部材から発せられた前方伝播ビームでは、当該光ビーム分離・吸収部材に入射する第1光ビームに比べて、当該1光ビームのパワーが低減されている。
(例1:ビーム分離・吸収部材を備えたNLFCデバイス)
図18には、例1として、ビーム分離・吸収部材を備えた例示的なNLFCデバイスが示されている。図18に示されるように、レーザ光17は、レーザ13から出射されている。レーザ13は、400nmから600nmまでの範囲にピーク波長を有する光を出射してよい。レーザ13は、AlInGaN材料を含むレーザダイオードであってよい。本例に関し、レーザ13は、約440nmの波長を有するレーザ光を発するように構成されたAlInGaN材料を含むレーザダイオードである。レーザ光17は、1つ以上の光学部材14(例:1つ以上のレンズ)を通過して伝播(進行)する。当該光学部材14は、レーザ光がNLFC部材15に向けて伝播している場合に、当該レーザ光の少なくとも1つの平面において当該レーザ光が集束するように、当該レーザ光を集束させる。NLFC部材15は、レーザ光17を周波数変換するように構成されている。本例では、NLFC部材15は、レーザ光17に対してSHGをもたらすように構成されている。レーザ光17は、SHGプロセスにおける基本光である。レーザ光17の一部が、変換後光へと変換される。当該変換後光は、基本光の半分(1/2)の波長に等しい波長を有する(すなわち、変換後光の波長は、約220nmである)。波長λ≒440nmのレーザ光17に対し、NLFC部材15の好適な選択肢は、位相整合式のタイプ1SHGのために構成された、BaB(β−BBO)である。なお、本開示の全体に亘り、波長は、真空中を伝播する光の波長を指す。
図18の拡大図の部分に示されるように、NLFC部材15内において周波数変換されなかったレーザ光17は、第1光ビーム3として、当該NLFC部材の外部へと伝播する。変換後光は、第2光ビーム4として、当該NLFC部材の外部へと伝播する。合成ビーム2は、第1光ビーム3と第2光ビーム4とを含む。
バルクのβ−BBOにおけるSHGに関し、多くの場合、変換後光のパワーは、基本光のパワーに比べて顕著に小さい。例えば、基本波長が440nmであり(基本光のパワーをP440nmとする)、変換後波長が220nmであり(変換後光のパワーをP220nmとする)、P440nm≒1Wであるとする。この場合、標準的な値は、
220nm/P440nm≒10−4
である。
波長220nmのレーザ光の多くの用途において、基本波長に対する変換後波長のパワーの比率、すなわちP220nm/P440nmは、1よりも十分に大きい必要がある。P220nm/P440nmは、好ましくは10よりも大きく、より好ましくは10よりも大きく、さらに好ましくは10よりも大きい必要がある。従って、β−BBOのNLFC部材15から出射される合成ビーム2において、比率P220nm/P440nmを、およそ10倍まで顕著に増加させる必要がある。このことは、合成ビーム2にフィルタリングステージ(フィルタ段)を適用することにより実現される。
出力を生成するためにNLFC部材を使用する場合のみならず、さらに多くの光源を設ける必要がある場合には、システムの物理的なサイズをできるだけ小型化する必要がある。従って、光学コンポーネントを小型化することは、サイズまたは重量の仕様を満たすこための、産業上の一般的な要求である。本例は、コンパクトかつ高効率な波長分離をフィルタリングプロセスの一部として使用することにより、どのようにこれらの全ての要求が満たされるかを示している。フィルタリングプロセスにおける第1部材は、光ビーム分離・吸収部材1であってよい。前方伝播ビーム2aに対しての後続するフィルタリングは、分離フィルタ16によって実行されてよい。そのため、結果として得られる出力ビーム18は、所望のパワー比率P220nm/P440nmを有する。
光ビーム分離・吸収部材1は、合成ビーム2がNLFC部材から出射された後に、当該合成ビーム2に対して作用する。光ビーム分離・吸収部材は、任意の実施形態に係る第1ミラー5およびビームアブソーバ6を有する。必要に応じ、光学部材(例:レンズ)が、NLFC部材と光ビーム分離・吸収部材との間の光路に配置されてもよい。レンズをこの位置に設けないことの利点は、NLFC部材から出射される合成ビームが、発散することである。当該発散は、ビームアブソーバ内において、散乱光の散乱角に好ましい影響を及ぼしうる。
上述の通り、合成ビームは、第1光ビームおよび第2光ビームを含んでいる。第1光ビームは、ほぼまたは全体的に、単一の偏光から成る。一般的には、第1光ビームにおけるパワーの少なくとも99%が、同一の偏光を有している。第2光ビームは、第1光ビームの偏光と直交する単一の偏光から、ほぼまたは全体的に成る(一般的には、パワーの少なくとも99%が、同一の偏光を有している)。
第1ミラー5は、第1面5aと第2面5bとを有する、薄い平行なプレートを含んでいる。プレートの厚さ(つまり、第1面と第2面との間の距離)は、0.01mmから10mmまでであってよく、好ましくは約1mmであってよい。合成ビーム2は、第1光ビームの大部分の偏光が第1面に対するp偏光となるように、ブルースター角にほぼ等しい入射角θで、第1面5aに入射する。第1ミラー5は、第1ミラー第1面における、p型偏光に対するブルースター型反射を助成する材料を含んでいる。本例において、第1ミラーはUVヒューズドシリカを含んでおり、ブルースター角は約56°である。第1ミラーに対して含有させることが好適な他の材料には、シリカ、シリコン、PMMA、フルオロポリマー、および他のプラスチックが含まれる。
第1ミラーの第1面5aは、(i)s偏光した第2光ビーム(λ≒220nm)に対して50%よりも高い反射率(好ましくは99%よりも高い反射率)を提供し、かつ、(ii)p偏光した第1光ビーム(λ≒440nm)に対して90%よりも高い透過率(好ましくは99.9%よりも高い透過率)を提供するために、コーティングを有するように構成されている。本例において、第1面5aは、高耐久性フッ化物材料の積層マルチレイヤを含んでいる。例えば、当該材料には、フッ化ランタン(LaF)およびフッ化マグネシウム(MgF)が含まれる。但し、同様の反射特性を実現するために、これらの材料に加えて、または、これらの材料に替えて、他の好適な材料が使用されてもよい。
図18では、本例について具体的に示されている。図18では、第1ミラー5の第2面5bは、上述のコーティングを含んでいない。図5におけるプロットは、本例の第1ミラーを通過するλ≒440nmの光の一般的な透過率を示す。図3は、上記波長を有する光についての、入射角=56°における挙動(振る舞い)を示す。別のバリエーションでは、第1ミラーの第2面5bは、上述のコーティングを含んでいてもよい。このことは有益である。例えば、第2面5bは、第1ミラー第1面5aのコーティングに比べ、s偏光した散乱光に対してより高い反射率をもたらすように構成されてもよいためである。あるいは、第2面5bは、小さい角度のブルースター角を除いた入射角に対し、高い反射率をもたらすように構成されてもよいためである。第2面は、λ≒220nmの光については、反射する必要はない。このため、第2面のコーティングについては、材料および設計の選択に関し、設計および製造の自由度が高い。例えば、第2面のコーティングは、SiOおよびSiのマルチレイヤを含んでいてもよい。
ビームアブソーバ6は、ハウジングを備えている。当該ハウジングは、入射した透過後第1光ビーム3aを受光するためのキャビティを有する。本例において、ビームアブソーバ6の内面10は、陽極酸化アルミニウム(アルマイト)の面である。当該陽極酸化コーティングは、透過後第1光ビーム3aの吸収を促進するために、黒色色素(ブラックダイ)を含んでいる。上記内面は、入射した透過後第1光ビーム3aの大部分を吸収するように構成されている。このため、透過後第1光ビームのパワーの大部分が、ビームアブソーバ内において、熱へと変換される。吸収されなかった光が、散乱光7である。第1ミラー5は、反射後第2ビーム4aとほぼ同じ方向および位置に伝播しうるあらゆる散乱光が、第1ミラーに入射するように、ビームアブソーバ6に対して配置されている。
ビーム分離・吸収部材は、合成ビームの光路に沿って測定された場合に、NLFC部材から10mmよりも短い距離に配置されていることが好ましく、当該NLFC部材から5mmよりも短い距離に配置されていることがさらに好ましい。(i)反射後第2光ビームに垂直な方向を向いており、かつ、当該反射後第2光ビームの光路に沿って測定された場合に、第1ミラーから20mm離間している平面において、(ii)反射後第2光ビームの中心から半径1mm以内の範囲において、当該平面に入射しうる散乱光が、第1ミラー第2面に入射することを保証するように、ビームアブソーバおよび第1ミラーが配置されることが好ましい。この場合、上記平面に入射しうる散乱光とは、第1ミラーを仮に通過した場合に上記平面に入射しうる光として定義される。より好ましくは、反射後第2光ビームの中心から半径2mm以内の範囲に入射しうる散乱光が、第1ミラー第2面に入射する。さらに好ましくは、反射後第2光ビームの中心から半径3mm以内の範囲に入射しうる散乱光が、第1ミラー第2面に入射する。最も好ましくは、反射後第2光ビームの経路または他の経路に沿って、いかなる散乱光もがビームアブソーバからNLFCデバイスへと漏出できないように、ビームアブソーバと第1ミラーとが配置される。
第1ミラーにおける第1光ビーム3の反射率が0.1%よりも小さい場合、前方伝播ビームに含まれる440nmの光のパワーは、以下の通り合成ビームに比べて低減される。
合成ビーム:P220nm/P440nm=10−4
前方伝播ビーム:P220nm/P440nm=10−1
任意ではあるが、第1ミラーは、ビームアブソーバとオプティカルコンタクトしていてもよい。この場合、ビームアブソーバ内のあらゆる散乱光が、当該ビームアブソーバから漏出する前に、当該散乱光を第1ミラーに必ず入射させるようにできる。
任意ではあるが、ビームアブソーバの内面は、(ビームアブソーバの内面において、少なくとも1回は散乱または反射した後に)第1ミラーに入射するあらゆる散乱光の平均的な偏光が、第1ミラーに入射する第1光ビームの偏光に比べ、十分に多くのs型偏光比率を含むように、さらに構成されていてもよい。第1ミラー第2面5bは、当該第1ミラー第2面に入射する上記散乱光のより多くの部分を反射させて戻すように、高反射率コーティングを有するように構成されてもよい。好適なコーティングは、マルチレイヤコーティングを含む。このように、光ビーム分離・吸収部材1から漏出する散乱光が低減される。
ビームアブソーバと第1ミラーとをオプティカルコンタクトさせることにより、上記システムにおける散乱光を効果的に低減できることに加え、これら2つの部材を収容するために必要なスペースおよびコンポーネントを最小化できる。
例1の構成に関し、前方伝播ビームにおける比率P220nm/P440nmは、さらなるフィルタリングステージ16によって、好ましい結果へと改善させられてよい。当該フィルタリングステージは、光ビーム分離・吸収部材から発せられた前方伝播ビームから、第1光ビームをフィルタリングする。
(例2:遮光部材を有するビーム分離・吸収部材を備えたNLFCデバイス)
図19には、ビーム分離・吸収部材を備えたNLFCデバイスの別の例が示されている。当該例では、角度選択性遮光部材を付加することにより、NLFCデバイス内の散乱光がさらに低減される。図19に示されるように、本例では、(i)第1ミラー5と不透明な遮断材料によって構成される遮光層8との間、または、(ii)光シールドの各層の間に、光学部材は存在していない。但し、必ずしもこの通りである必要はない。例えば、光シールドの2つの層は、フィルタ16または他のコンポーネント(例:ミラー)の側に位置していてもよい。あるいは、他の光学部材(例:フィルタおよび/またはミラー)は、前方伝播ビームが第1ミラーから遮光層へと伝播する場合に、当該前方伝播ビームに作用してもよい。
本例では、角度選択性遮光部材は、不透明な遮断材料によって構成される2つの遮光層8を備えている。当該2つの遮光層は、両側に陽極酸化コーティングを含むアルミニウム層である。NLFCデバイスは、好適なデバイスハウジング19内に収容されている。そして、不透明な遮断材料によって構成される遮光層8は、ハウジングの内部空間の片側を、反対側と完全に区切るように構成されている(一般的なハウジングのサイズは、約5〜50cmでありうるが、この範囲を逸脱してもよい)。本例では、光シールドは、ミラー5の後段、かつ、フィルタ16の前段に配置されている。そして、遮光層における開口は、前方伝播ビーム2aを遮ることなく、当該遮光層の片側から反対側へと通過させるためだけに、必要とされている。
遮光層における開口の幅、すなわちwは、ビーム2aを通過させるように、十分に広い必要がある。一般的に、この幅は、ビームのFWHMの1〜5倍であってよい。本例では、β−BBO型のNLFC部材内において、λ変換後≒220nmを生成するタイプ1SHGデバイスでは、当該NLFC部材から出射された直後において、ビームの幅は1mmよりも短い。このため、開口サイズの好適な範囲は、1〜5mmであってよい。
光シールドの層の分離は、当該光シールドに要求される角度許容範囲によって決定されてよい。当該角度許容範囲は、上述の式によって算出されてよい。例えば、光シールドが、θ=0°となるように配置されており(図17を参照)、かつ、(φ1+φ2)=10°という角度許容範囲を有している必要があるとする。この場合、アスペクト比は、約0.09である必要がある。w=2mmの場合には、l=23mmである。図20に示されるように、角度許容範囲は、アスペクト比w/lのみならず、θに応じても変化する。θ=60°の場合、(φ1+φ2)=10°に対しては、アスペクト比は、約0.33である必要がある。w=2mmの場合には、l=6mmである。このため、2層の光シールドに関し、θは、所定のアスペクト比w/lに応じたアクセプタンス角(受容角,取り込み角)の選択を補助するために使用されてもよい。あるいは、θは、光シールドに必要とされる全体スペースをより小型化または大型化するために(例:NLFC内において他のコンポーネントの周囲に遮光層を収容するために)、使用されてもよい。
このように、本発明の一態様は、光ビーム分離・吸収部材である。例示的な実施形態において、光ビーム分離・吸収部材は、ミラーとビームアブソーバとを備えていてもよい。ミラーは、第1光ビームおよび第2光ビームを受光する。そして、当該ミラーは、第1光ビームを透過させるとともに、第2光ビームを反射するように構成されている。ビームアブソーバは、ミラーを透過した第1光ビームを受光する。そして、当該ビームアブソーバは、ミラーを透過した後の第1光ビームの第1部分を吸収するように構成されている。ビームアブソーバは、第1光ビームの第2部分を散乱光として散乱させる。ビームアブソーバおよびミラーは、散乱光の少なくとも一部がミラーに入射するように互いに配置されている。光ビーム分離・吸収部材は、以下の各構成のうちの1つ以上を、個別に含んでいてもよいし、組み合わせて含んでいてもよい。
光ビーム分離・吸収部材の例示的な実施形態では、反射された第2光ビームと重なり合いうる散乱光の一部が、ミラーに入射するように、ビームアブソーバが配置されている。
光ビーム分離・吸収部材の例示的な実施形態では、上記第1光ビームは、第1偏光を有している。第2光ビームは、第1偏光とは異なる第2偏光を有している。ミラーは、第2偏光に比べ、第1偏光に対してより高い光透過率を有している。そして、当該ミラーは、第1偏光に比べ、第2偏光に対してより高い光反射率を有している。
光ビーム分離・吸収部材の例示的な実施形態では、第1光ビームがブルースター角でミラーに入射するように、ミラーが配置されている。
光ビーム分離・吸収部材の例示的な実施形態では、第1光ビームおよび第2光ビームは、ミラーの第1面に入射する。そして、ミラーの第1面は、第2光ビームを最大限に反射させるコーティングを有している。
光ビーム分離・吸収部材の例示的な実施形態では、第1光ビームおよび第2光ビームは、ミラーの第1面に入射する。散乱光は、ミラーの第1面とは反対側に位置する、ミラーの第2面に入射する。そして、ミラーの第2面に入射する散乱光に対してのミラーの光透過率は、ミラーの第1面に入射する第1光ビームの光透過率に比べて低い。
光ビーム分離・吸収部材の例示的な実施形態では、第1光ビームは、第1入射角で上記ミラーの第1面に入射する。ビームアブソーバは、散乱光の少なくとも一部が、第1入射角とは異なる第2入射角で上記ミラーの第2面に入射するように、構成されている。そして、散乱光に対してのミラーの光透過率は、第2入射角において、第1入射角の場合に比べて低い。
光ビーム分離・吸収部材の例示的な実施形態では、第2入射角は、ミラーによって反射された上記第2光ビームの伝播方向とほぼ同じ方向を向いている。その結果、散乱光が、反射された第2光ビームと重なり合う。
光ビーム分離・吸収部材の例示的な実施形態では、ビームアブソーバの1つ以上の面において正反射方向に散乱させられた散乱光の一部が、第1入射角とは異なる第2入射角で、ミラーの第2面に入射するように、当該ビームアブソーバが形成されている。そして、散乱光に対してのミラーの光透過率は、第2入射角において、第1入射角の場合に比べて低い。
光ビーム分離・吸収部材の例示的な実施形態では、ビームアブソーバの第1面は、ビームアブソーバの第2面に対して鋭角を成している。
光ビーム分離・吸収部材の例示的な実施形態では、第1光ビームは、第1偏光を有するミラーの第1面に入射する。ビームアブソーバは、第1偏光とは異なる第2偏光を有するミラーの第2面に、散乱光の少なくとも一部が入射するように、構成されている。そして、散乱光に対してのミラーの光透過率は、第2偏光において、第1偏光の場合に比べて低い。
光ビーム分離・吸収部材の例示的な実施形態では、ビームアブソーバは、ある表面性状を有する内面を備えている。この表面性状は、当該表面性状によって散乱させられる光の比率を、第1偏光と第2偏光とで変化させる。
光ビーム分離・吸収部材の例示的な実施形態では、ミラーの第2面は、ミラーの第2面に入射する散乱光の光透過率を低下させるコーティングを有している。
光ビーム分離・吸収部材の例示的な実施形態では、ミラーとビームアブソーバとが、少なくとも部分的に互いにオプティカルコンタクトしている(光学接着されている)。これにより、ミラーとビームアブソーバとの間において、光ビーム分離・吸収部材から出射される散乱光の伝搬を低減できる。
光ビーム分離・吸収部材の例示的な実施形態では、ミラーとビームアブソーバとが、全体的に互いにオプティカルコンタクトしている。
光ビーム分離・吸収部材の例示的な実施形態では、ビームアブソーバは、放熱のための冷却部材を有している。
光ビーム分離・吸収部材の例示的な実施形態では、当該光ビーム分離・吸収部材は、ミラーによって反射された第2光ビームとほぼ同じ方向に伝搬する、ビームアブソーバからの散乱光を遮断する遮光部材をさらに備えている。その結果、散乱光は、反射された第2光ビームと重なり合う。
光ビーム分離・吸収部材の例示的な実施形態では、遮光部材は、(i)散乱光を遮断する遮光層材料と、(ii)反射された第2光ビームを含む前進ビームが伝搬する光路を規定する光トンネルと、を含んでいる。
本発明の別の態様は、非線形周波数変換(non-linear frequency conversion,NLFC)デバイスである。例示的な実施形態において、NLFCデバイスは、(i)第1光ビームを出射する光源と、(ii)第1光ビームの一部を第2光ビームへと変換するNLFC部材と、(iii)任意の実施形態に係る光ビーム分離・吸収部材と、を備えていてもよい。なお、第1光ビームと第2光ビームとは、それぞれ異なる波長を有する。第1光ビームおよび第2光ビームは、光ビーム分離・吸収部材に入射する。光ビーム分離・吸収部材から出射された前進ビームでは、当該光ビーム分離・吸収部材に入射した第1光ビームに比べ、当該第1光ビームのパワーが低減されている。NLFCデバイスは、光ビーム分離・吸収部材から出射された前進ビームから、第1光ビームをフィルタリングするためのフィルタ部材をさらに備えていてもよい。
本発明は、所定の1つまたは複数の実施形態に関して図示および説明されているが、当業者であれば、本明細書および添付の図面を読んで理解すれば、等価的な置換および変更を着想するであろう。特に、上述の各部材(コンポーネント、アセンブリ、デバイス、構成等)によって実現される様々な機能に関し、これらの部材を説明するために使用される用語(「手段」(means)への言及を含む)は、特に明示されない限り、説明された部材の特定の機能を実現する任意の部材(つまり、機能的に等価である部材)に対応するものであると意図されている。このことは、例え当該任意の部材が、本明細書において、本発明の例示的な実施形態にて説明された機能を実現する開示された構造と、構造的に等価でない場合にも当てはまる。さらに、本発明の特定の構成は、1つまたは複数の実施形態についてのみ説明されているものの、所定または特定の用途に対して望ましく有益であるならば、当該構成は他の実施形態の1つまたは複数と組み合わせられてもよい。
(関連出願の相互参照)
本願は、2016年7月13日に出願されたUS特許出願No.15/208,980の優先権の利益を主張する。当該出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明に係る波長分離・吸収部材は、NLFCを使用する光源(例えば紫外光源)において使用されてよい。当該光源は、蛍光センサまたは吸収センサにおける光源として使用されてもよい。

Claims (20)

  1. 光ビーム分離・吸収部材であって、
    第1光ビームおよび第2光ビームを受光し、上記第1光ビームを透過させるとともに上記第2光ビームを反射するミラーと、
    上記ミラーを透過した上記第1光ビームを受光し、上記ミラーを透過した後の上記第1光ビームの第1部分を吸収するビームアブソーバと、を備えており、
    上記ビームアブソーバは、上記第1光ビームの第2部分を散乱光として散乱させ、
    上記ビームアブソーバおよび上記ミラーは、上記散乱光の少なくとも一部が上記ミラーに入射するように互いに配置されている、光ビーム分離・吸収部材。
  2. 反射された上記第2光ビームと重なり合いうる上記散乱光の一部が、上記ミラーに入射するように、上記ビームアブソーバが配置されている、請求項1に記載の光ビーム分離・吸収部材。
  3. 上記第1光ビームは、第1偏光を有しており、
    上記第2光ビームは、上記第1偏光とは異なる第2偏光を有しており、
    上記ミラーは、
    上記第2偏光に比べ、上記第1偏光に対してより高い光透過率を有しており、
    上記第1偏光に比べ、上記第2偏光に対してより高い光反射率を有している、請求項1または2に記載の光ビーム分離・吸収部材。
  4. 上記第1光ビームがブルースター角で上記ミラーに入射するように、上記ミラーが配置されている、請求項3に記載の光ビーム分離・吸収部材。
  5. 上記第1光ビームおよび上記第2光ビームは、上記ミラーの第1面に入射し、
    上記ミラーの上記第1面は、上記第2光ビームを最大限に反射させるコーティングを有している、請求項1から4のいずれか1項に記載の光ビーム分離・吸収部材。
  6. 上記第1光ビームおよび上記第2光ビームは、上記ミラーの第1面に入射し、
    上記散乱光は、上記ミラーの上記第1面とは反対側に位置する、上記ミラーの第2面に入射し、
    上記ミラーの上記第2面に入射する上記散乱光に対しての上記ミラーの光透過率は、上記ミラーの上記第1面に入射する上記第1光ビームの光透過率に比べて低い、請求項1から5のいずれか1項に記載の光ビーム分離・吸収部材。
  7. 上記第1光ビームは、第1入射角で上記ミラーの上記第1面に入射し、
    上記散乱光の少なくとも一部が、上記第1入射角とは異なる第2入射角で上記ミラーの上記第2面に入射するように、上記ビームアブソーバが構成されており、
    上記散乱光に対しての上記ミラーの光透過率は、上記第2入射角において、上記第1入射角の場合に比べて低い、請求項6に記載の光ビーム分離・吸収部材。
  8. 上記第2入射角は、上記ミラーによって反射された上記第2光ビームの伝播方向とほぼ同じ方向を向いており、
    上記散乱光は、反射された上記第2光ビームと重なり合う、請求項7に記載の光ビーム分離・吸収部材。
  9. 上記ビームアブソーバの1つ以上の面において正反射方向に散乱させられた上記散乱光の一部が、上記第1入射角とは異なる第2入射角で、上記ミラーの上記第2面に入射するように、上記ビームアブソーバが形成されており、
    上記散乱光に対しての上記ミラーの光透過率は、上記第2入射角において、上記第1入射角の場合に比べて低い、請求項7または8に記載の光ビーム分離・吸収部材。
  10. 上記ビームアブソーバの第1面は、上記ビームアブソーバの第2面に対して鋭角を成している、請求項9に記載の光ビーム分離・吸収部材。
  11. 上記第1光ビームは、第1偏光を有する上記ミラーの上記第1面に入射し、
    上記第1偏光とは異なる第2偏光を有する上記ミラーの上記第2面に、上記散乱光の少なくとも一部が入射するように、上記ビームアブソーバが構成されており、
    上記散乱光に対しての上記ミラーの光透過率は、上記第2偏光において、上記第1偏光の場合に比べて低い、請求項6から10のいずれか1項に記載の光ビーム分離・吸収部材。
  12. 上記ビームアブソーバは、ある表面性状を有する内面を備えており、
    上記表面性状は、上記表面性状によって散乱させられる光の比率を、上記第1偏光と上記第2偏光とで変化させる、請求項11に記載の光ビーム分離・吸収部材。
  13. 上記ミラーの上記第2面は、上記ミラーの上記第2面に入射する散乱光の光透過率を低下させるコーティングを有している、請求項6から12のいずれか1項に記載の光ビーム分離・吸収部材。
  14. 上記ミラーと上記ビームアブソーバとの間において、上記光ビーム分離・吸収部材から出射される散乱光の伝搬を低減するように、上記ミラーと上記ビームアブソーバとが少なくとも部分的に互いにオプティカルコンタクトしている、請求項1から13のいずれか1項に記載の光ビーム分離・吸収部材。
  15. 上記ミラーと上記ビームアブソーバとが全体的に互いにオプティカルコンタクトしている、請求項14に記載の光ビーム分離・吸収部材。
  16. 上記ビームアブソーバは、放熱のための冷却部材を有している、請求項1から15のいずれか1項に記載の光ビーム分離・吸収部材。
  17. 上記ミラーによって反射された上記第2光ビームとほぼ同じ方向に伝搬する、上記ビームアブソーバからの散乱光を遮断する遮光部材をさらに備えており、
    上記散乱光は、反射された上記第2光ビームと重なり合う、請求項1から16のいずれか1項に記載の光ビーム分離・吸収部材。
  18. 上記遮光部材は、
    上記散乱光を遮断する遮光層材料と、
    反射された上記第2光ビームを含む前進ビームが伝搬する光路を規定する光トンネルと、を含んでいる、請求項17に記載の光ビーム分離・吸収部材。
  19. 非線形周波数変換(non-linear frequency conversion,NLFC)デバイスであって、
    第1光ビームを出射する光源と、
    上記第1光ビームの一部を、上記第1光ビームの波長とは異なる波長を有する第2光ビームへと変換するNLFC部材と、
    請求項1から18のいずれか1項に記載の光ビーム分離・吸収部材と、を備えており、
    上記第1光ビームおよび上記第2光ビームは、上記光ビーム分離・吸収部材に入射し、
    上記光ビーム分離・吸収部材から出射された前進ビームでは、上記光ビーム分離・吸収部材に入射した上記第1光ビームに比べ、上記第1光ビームのパワーが低減されている、上記第1光ビームのパワーを有する、NLFCデバイス。
  20. 上記光ビーム分離・吸収部材から出射された上記前進ビームから、上記第1光ビームをフィルタリングするためのフィルタ部材をさらに備えた、請求項19に記載のNLFCデバイス。
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