JP5180235B2 - 波長変換レーザ及び画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基本波の波長変換を行い、基本波とは波長の異なる変換波を出力する波長変換レーザ及び波長変換レーザを備える画像表示装置に関するものである。
従来、波長変換素子の非線形光学現象を用いて、基本波を、第2高調波(Second Harmonic)、和周波又は差周波等の変換波に波長変換する波長変換レーザがある。
図17は、従来の波長変換レーザの構成を示す概略図である。従来の波長変換レーザは、例えば図17に示すように、基本波レーザ光源301と、基本波レーザ光源301から出射された基本波レーザ光を集光するレンズ302と、集光した基本波レーザ光の第2高調波を発生させる波長変換素子303と、基本波レーザ光と高調波レーザ光とを分離するダイクロイックミラー304とを備える。
波長変換素子303は、非線形光学結晶からなり、基本波と変換波との位相が整合するように、結晶の方位や分極反転構造等を適切に調節することにより、基本波の波長変換を行う。特に、分極反転構造を用いた波長変換素子は、擬似位相整合によって低パワーでも高効率の波長変換を行うことができ、設計によって様々な波長変換を行うことができる。分極反転構造とは、非線形光学結晶の自発分極を周期的に反転させた領域が設けられた構造からなる。
基本波を第2高調波に変換する変換効率ηは、波長変換素子の相互作用長をLとし、基本波のパワーをPとし、波長変換素子でのビーム断面積をAとし、位相整合条件からのずれをΔkとすると、下記の(1)式で表される。
η∝LP/A×sinc(ΔkL/2)・・・(1)
また、相互作用長に対し適切な集光条件とした場合、変換効率ηは、下記の(2)式で表される。
η∝LP×sinc(ΔkL/2)・・・(2)
上記の(2)式より、変換効率を高めるためには相互作用長を長くするか、基本波のパワーを増加させると良いこととなる。しかし、位相整合条件からのずれに対する許容幅が相互作用長に反比例する関係となるため、相互作用長を長くすると、温度調整及び基本波の条件が厳密となってしまう。また、基本波のパワーの増加は、波長変換素子の端面破壊や、光吸収で生じる発熱による変換効率の低下を導いてしまう。
例えば、特許文献1においては、入射したレーザ光を互いに同一の直線上にない複数の光路に導光する導光手段と、複数の光路に配設された波長変換手段と、波長変換手段により波長が変換されたレーザ光を取り出すレーザ光取り出し手段とを備えることで、光損傷を与えずに高効率に波長変換を行う波長変換装置が提案されている。
また、例えば、特許文献2においては、入射基本波レーザビーム経路に順次配置された複数の波長変換素子と、複数の波長変換素子を通過するレーザビームを収束させる複数の集光手段と、複数の波長変換素子で波長変換されたレーザビームの経路を変更するビームスプリッタとを備えることで、高効率な波長変換が可能な波長変換レーザ装置が提案されている。
さらに、例えば、特許文献3においては、分極反転素子の入射端から入射し波長変換を施され他端に達した光を、分極反転素子の他端に配置した反射体で反射させ、当該分極反転素子に光路を変えて再入射させ、再び分極反転素子内を進行させて波長変換を行うことで、波長変換効率を高めた波長変換素子が提案されている。
特開2004−125943号公報 特開平11−44897号公報 特開2006−208629号公報
上記の従来の提案では、波長変換素子の相互作用長が短くとも高い変換効率が得られる。しかし、出力するビームが複数のビームとなっているため、これら複数のビームの取りまとめに複数の光学部品が必要となる。また、上記の従来の提案では、変換波の実効的な光源面積が大きくなり、変換波を集光するのが困難となる。その他にも、上記の従来の提案では、波長変換素子の必要な面積が大きくなり、コスト増につながるという課題がある。また、波長変換レーザでは、複数の光学部品を用いるため、製品化には部品の調整を緩和することが求められている。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、安定して高い変換効率を得ることができるとともに、小型化することができる波長変換レーザ及び画像表示装置を提供することを目的としている。
本発明の一局面に係る波長変換レーザは、基本波を出射する光源と、前記光源から出射した前記基本波を、前記基本波と波長の異なる変換波に変換する波長変換素子とを備え、前記波長変換素子の光軸方向の両端側に位置し、前記基本波を反射することにより、前記波長変換素子内において前記基本波を複数回通過させる一対の基本波反射面のうちの少なくとも一方の基本波反射面は、前記変換波を透過させ、前記一対の基本波反射面は、前記基本波を前記波長変換素子内で交差させ、前記基本波の交差点と異なる箇所に複数の集光点を形成する。
この構成によれば、一対の基本波反射面によって、波長変換素子内において基本波が複数回通過し、基本波が波長変換素子内で交差し、基本波の交差点と異なる箇所に複数の集光点が形成される。
本発明によれば、波長変換素子内において基本波が複数回通過し、かつ基本波の交差点と異なる箇所に複数の集光点が形成されるので、安定して高い変換効率を得ることができ、複数のビームとなって出射される変換波の光源面積を小さくすることができ、その結果、装置全体を小型化することができる。
本発明の実施の形態1における波長変換素子の外観形状を示す概略図である。 図2(A)は、本発明の実施の形態1における波長変換レーザの構成を示す概略上面図であり、図2(B)は、本発明の実施の形態1の波長変換レーザの構成を示す概略側面図である。 実施の形態1における温度調整機器の構成を示す図である。 本発明の実施の形態2における波長変換素子の外観形状を示す概略図である。 図5(A)は、本発明の実施の形態2における波長変換レーザの構成を示す概略上面図であり、図5(B)は、本発明の実施の形態2における波長変換レーザの構成を示す概略側面図である。 図5(A)及び図5(B)に示す波長変換レーザに接続されるマルチモード光ファイバーの構成を示す図である。 本発明の実施の形態3における波長変換レーザの構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態4における波長変換レーザの構成を示す概略上面図である。 本発明の実施の形態5における波長変換レーザの構成を示す概略上面図である。 図10(A)は、本発明の実施の形態6における波長変換レーザの構成を示す概略上面図であり、図10(B)は、本発明の実施の形態6における波長変換レーザの構成を示す概略側面図である。 図11(A)は、本発明の実施の形態7における波長変換レーザの構成を示す概略上面図であり、図11(B)は、本発明の実施の形態7における波長変換レーザの構成を示す概略側面図である。 図12(A)は、本発明の実施の形態8における波長変換レーザの構成を示す概略上面図であり、図12(B)は、本発明の実施の形態8における波長変換レーザの構成を示す概略側面図である。 図12(A)及び図12(B)に示す波長変換レーザを用いた画像表示装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態9における波長変換レーザの構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態10における波長変換素子の外観形状を示す概略図である。 図16(A)は、本発明の実施の形態10における波長変換レーザの構成を示す概略上面図であり、図16(B)は、本発明の実施の形態10における波長変換レーザの構成を示す概略側面図である。 従来の波長変換レーザの構成を示す概略図である。
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における波長変換素子10の外観形状を示す概略図である。波長変換素子10は、分極反転周期構造を有するMgO:LiNbO結晶からなる。波長変換素子10の形状は、長さが例えば10mm、幅と厚みとがそれぞれ例えば1mmのロッド型となっている。波長変換素子10は、基本波を、基本波と波長の異なる変換波に変換する。波長変換素子10の長手方向の一方の端面12には、基本波が入射する基本波入射口11が形成されている。ロッド型の波長変換素子10の長手方向の両端面には、基本波入射口11を除いて、基本波を反射する基本波反射コートが形成されている。
また、基本波入射口11が形成されていない長手方向の他方の端面13は、基本波を反射する基本波反射コートと共に変換波を透過する変換波透過コートが形成されており、変換波の出力面となっている。また、端面12には、変換波を反射する変換波反射コートが形成されており、波長変換素子10では、変換波の出力面は長手方向の端面13のみとしている。
基本波入射口11は、端面12の中心から横方向の端部にずれた位置に形成され、径の大きさは例えば100μmであり、基本波に対するAR(Anti−Reflective)コートが形成されている。基本波入射口11を有する一方の端面12は、図1の縦方向に湾曲した凸型シリンドリカル形状を有する。他方の端面13は、図1の横方向に湾曲した凸型シリンドリカル形状を有する。両端面12,13の曲率半径は、例えば13mmである。
波長変換素子10の側面は、屈折率が波長変換素子10よりも低い樹脂クラッド14で被覆され、樹脂クラッド14を介して波長変換素子10はホルダへの固定と温度調整とが行われる。樹脂クラッド14は、波長変換素子10の端面12,13を除いた面を被覆している。
図2(A)は、本発明の実施の形態1における波長変換レーザの構成を示す概略上面図であり、図2(B)は、本発明の実施の形態1における波長変換レーザの構成を示す概略側面図である。図2(A)及び図2(B)では、基本波と変換波との光路を示している。図2(A)及び図2(B)は、ロッド形状の波長変換素子10の上面図及び側面図である。
波長変換レーザ100は、基本波レーザ光源1、集光レンズ2、波長変換素子10及び樹脂クラッド14を備える。
基本波レーザ光源1を出射した基本波は、集光レンズ2により基本波入射口11内に収まるように集光され、波長変換素子10に入射される。入射した基本波は、波長変換素子10の長手方向に進行し、波長変換が行われる。基本波は、端面13により反射され、波長変換素子10内を再度進行する。得られた変換波は、端面13から出射される。基本波入射口11はロッド中心軸からずれた位置に形成されており、端面13は、基本波入射口11のロッド中心軸に対するずれ方向に曲率を有している。そのため、基本波は、上面から見た横方向に傾いて反射し、基本波入射口11に帰還しないようになっている。
端面13と端面12とに反射コートが形成され、また波長変換素子10の側面に樹脂クラッド14が被覆されている。したがって、基本波は、端面13と端面12とで反射するとともに、側面の樹脂クラッド14でも全反射するので、波長変換素子10内を長手方向に繰り返し往復する。この往復時に、基本波の集光点が形成されるように、端面12と端面13とは凹面(シリンドリカル)ミラーとして機能する。
波長変換素子10内を往復する基本波は、波長変換素子10内で交差し、集光レンズ2による集光点の他に、端面12と端面13との曲率による集光点Pbを形成する。このとき、基本波の交差点Paと異なる箇所に複数の集光点Pbが形成されることとなる。実施の形態1では、端面12と端面13とにシリンドリカル面を用いているため、ビームの径方向で異なる集光点Pbを形成する。
変換波は、端面12と波長変換素子10の側面とで反射され、端面13に導かれる。変換波は、端面13から複数のビームの光束として出射される。端面13は、1辺が例えば1mmの矩形形状であり、非常に小さな出射口となっている。また、端面13のシリンドリカル形状は、変換波に対し凸レンズとして働き、上面から見た横方向に広がる光束の拡がり角を抑えて出射する。
なお、本実施の形態1において、波長変換素子10の端面12,13が、一対の基本波反射面の一例に相当し、樹脂クラッド14が、反射部の一例に相当する。
本実施の形態1では、波長変換素子10は、長手方向の両側に基本波反射面を有し、少なくとも一方の基本波反射面が変換波を透過し、基本波が波長変換素子10内で交差し、交差点と異なる箇所で集光点が形成される。これにより、変換効率を高めながら、複数のビームとなって出射される変換波の光源面積を1箇所にまとめて小さくすることができ、また、波長変換素子10の必要な面積を小さくすることができる。一対の基本波反射面間を往復する基本波が波長変換素子10内を複数回通過し、かつ往復する基本波が複数の集光点を有することから、変換効率は、波長変換素子内を1回だけ基本波が通過する構成に対し、数倍もの値となる。
ここで、基本波が波長変換素子10内を複数回通過するだけで、集光しない場合、回折の効果で基本波のビーム径が拡がり、パワー密度が低下することから、変換効率の上昇はわずかとなる。しかし、本実施の形態1では、波長変換素子10内を通過するビームが集光点を有しているので、基本波のパワー密度が低下せず、変換効率を大きく増加させることができる。また、基本波が基本波反射面間を往復するとき、少なくとも一方の基本波反射面から変換波が出力される。そのため、波長変換の相互作用長は、波長変換素子10の1往復以下となり、相互作用長が長くなるという問題も生じない。
本実施の形態1では、波長変換素子10内で長手方向に往復する基本波を交差させ、基本波が通過する波長変換素子10の幅と厚み方向の面積とを小さくしている。基本波が通過する波長変換素子10の部位が変換波の発生源となるが、波長変換素子10の幅と厚み方向の断面積とを小さくすることで、光源面積を減らすことができる。変換波の出射する断面積も小さくまとまっているため、複数ビームを簡易な光学部品で制御することができる。
本実施の形態1では、波長変換素子10内に基本波の交差点と集光点とを有するが、このとき、基本波の交差点と集光点とが集中する構成では、基本波のパワー密度が高くなり過ぎ、波長変換素子10へのダメージや光吸収が生じ、交差点及び集光点での波長変換が滞るという問題が生じる。本実施の形態1では、基本波の交差点と異なる箇所に複数の集光点を有することで、パワー密度が高く、かつ波長変換が強く行われる箇所を分散させることができ、安定して高い変換効率を得ることができる。なお、本実施の形態1の基本波の交差点とは、反射による交点は除き、基本波の光路が空間中で重なりをもつ点のことを指す。
実施の形態1では、波長変換素子10内に入射した基本波の一部が基本波入射口11から出射するが、基本波レーザ光源1に基本波が戻らないように、光アイソレータなどを用いることが好ましい。また、基本波入射口11の周りには、波長変換素子10から出射する基本波を吸収する遮光カバーを用いることが好ましい。
実施の形態1は、波長変換素子10の長手方向の一対の基本波反射面に加え、波長変換素子10の側面を用いて基本波を反射させることにより、基本波を波長変換素子10内に折り返す好ましい形態である。通常、基本波が通過する波長変換素子10の幅と厚み方向の面積とは、基本波の往復回数が増えると大きくなり、大きくなった面積分の基本波は出力として取り込めなくなる。
しかしながら、本実施の形態1では、波長変換素子10の側面に樹脂クラッド(反射部)14が形成され、基本波を波長変換素子10の内部に反射させることで、基本波が波長変換素子10内を通過する面積を一定範囲に保ち続けることができる。また、波長変換素子10の側面において基本波を反射させることで、基本波が通過する面積を限定し、変換波の光源面積を定めることで、出射する変換波を容易に制御することができる。また、波長変換素子10の側面において基本波を反射させることで、波長変換素子10を通過する基本波の強度分布を平均化し、基本波のパワー密度が高い場所を分散させることができる。波長変換素子10の側面は、基本波と共に変換波を反射することが好ましい。変換波を一定面積の出力側の端面13に導くことができるとともに、変換波の強度を均一化することができる。
本実施の形態1は、波長変換素子10の側面を波長変換素子10よりも屈折率が低い材料で被覆している好ましい形態である。波長変換素子10よりも屈折率が低い材料で被覆することにより、波長変換素子10の側面で基本波及び変換波を全反射させ、基本波及び変換波を波長変換素子10内に折り返すことができる。また、波長変換素子10の保護層及び保温層として被覆部(反射部)を用いることができる。特に、被覆部は、変形及び加工が可能な樹脂材料が好ましい。波長変換素子10である非線形結晶は、硬くてもろく、衝撃などで破損する場合があるが、樹脂材料で被覆することで、振動や変形に対しても強くなる。また、樹脂材料の加工により、波長変換素子10を保持する保持部との接合が容易となる。樹脂材料には、例えば、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂及び熱可塑性樹脂などを用いることができる。
樹脂クラッド14は、波長変換素子10の温度を一定に調整する温度調整機器と接合されている。図3は、実施の形態1における温度調整機器の構成を示す図である。温度調整機器15は、金属ホルダ16、ペルチェ素子17及び放熱フィン18を備える。
金属ホルダ16は、例えば、矩形状の金属材料で形成され、波長変換素子10及び樹脂クラッド14を保持する。金属ホルダ16は、樹脂クラッド14の側面全周を被覆している。ペルチェ素子17は、冷却面が金属ホルダ16の一側面に接合されており、金属ホルダ16から熱を吸収する。放熱フィン18は、ペルチェ素子17の発熱面側に配置されており、ペルチェ素子17から熱を放出する。波長変換素子10から発生する熱は、樹脂クラッド14及び金属ホルダ16に伝達し、金属ホルダ16は、ペルチェ素子17によって冷却される。さらに、放熱フィン18によって、ペルチェ素子17から発生する熱が放出される。
本実施の形態1は、波長変換素子10を被覆する反射部(樹脂クラッド14)に温度調整機器15が接続されている好ましい形態である。波長変換素子10に直接温度調整機器15を接続した場合、波長変換素子10と温度調整機器15との接続部で反射面間を往復する基本波を吸収し、温度調整機能が精確に動作しない場合がある。一方、本実施の形態1では、基本波及び変換波を全反射する反射部(樹脂クラッド14)と温度調整機器15とを接続することで、温度調整機器15への基本波及び変換波の吸収を除去し、精確な温度制御を行うことができる。また、反射部(樹脂クラッド14)は、波長変換素子10の側面全周を覆っており、波長変換素子10全体を一定の温度で保持する役割も果たす。
基本波レーザ光源1は、1064nmの波長を発振し直線偏光性を有するファイバーレーザで構成される。波長変換レーザ100では、波長変換素子10へ入射する基本波の偏光方向PDは、図2(B)の側面図の上下方向としている。基本波の偏光方向PDは、分極反転が形成されるMgO:LiNbO結晶のz軸方向と一致し、効率よく波長変換を行うことができる。
波長変換素子10の光軸に垂直な面の断面形状は、前記した偏光方向PDに平行な辺と垂直な辺とを有する矩形形状である。本実施の形態1は、波長変換素子10の光軸に垂直な面の断面形状が矩形形状であり、少なくとも一辺が波長変換素子10に入射する基本波の偏光方向PDと平行であり、波長変換素子10の側面で基本波を反射する好ましい形態である。
本実施の形態1では、波長変換素子10の側面の反射を用いて、基本波を波長変換素子10内に折り返すが、このとき、偏光方向が変化すると、変換効率が低下するという問題がある。本実施の形態1では、偏光方向に対し、反射する側面が平行もしくは垂直であるため、偏光方向の変化をなくし、側面の反射を用いても、効率のよい波長変換を行うことができる。非線形光学結晶は、光学軸を有するため、波長変換を行うには偏光方向を光学軸に合わせる必要がある。
実施の形態1は、波長変換素子10の端面が基本波反射面となり、端面が凸型形状となっている好ましい形態である。また、実施の形態1は、一対の基本波反射面が、波長変換素子10の光軸方向の両端面に形成され、波長変換素子10の両端面のうちの少なくとも一方は、凸型形状となっている好ましい形態である。
波長変換素子10は、長手方向の両端面に基本波反射面を有し、両端面は、軸が互いに垂直となる凸型シリンドリカル形状である。波長変換素子10の端面が基本波反射面を兼ねることにより、波長変換素子10と基本波反射面との調整工程を省くことができる。従来、基本波が非線形光学結晶を複数回通過する場合、調整軸が多くなることが課題となる場合がある。しかしながら、本実施の形態1では、調整軸数を減らし、波長変換素子10内に集光する基本波が複数回通過する構成をコンパクトに実現することができる。
また、波長変換素子10内を基本波が往復するため、基本波が波長変換素子10を通過する際に透過する面がなく、光学的な損失を排除することができる。波長変換素子10の凸型形状の端面は、反射する基本波に対し凹面ミラーとして働き、波長変換素子10内に集光点を作成することができる。また、基本波を反射し、変換波を透過する波長変換素子10の凸型形状の端面は、変換波に対して凸レンズとして働き、出射する変換波の拡がり角を抑えることができる。なお、波長変換素子10の両端面のうちの一方のみに凸型の基本波反射面が形成されている構成でもよい。また、凸型形状は、球面形状ではなく非球面形状としてもよい。
本実施の形態1は、基本波反射面を有する波長変換素子10の両端面のうちの少なくとも一方が凸型シリンドリカル形状となっている好ましい形態である。基本波反射面をシリンドリカル面とすることで、波長変換素子10内で形成される集光点をビームの径方向に異ならせ、基本波のパワー密度の集中を回避することができる。また、凸面をシリンドリカル形状とすることで、球面形状にするよりも調整軸を1軸減らすことができ、調整工程を容易にすることができる。波長変換素子10の端面の加工も1軸加工ですむため、製造コストの低減が可能となる。
特に、断面が矩形形状の波長変換素子10の場合、シリンドリカル面の軸方向は、矩形形状の断面の辺と一致していることが好ましい。シリンドリカル面の軸方向と矩形形状の断面の辺とを一致させることで、基本波が波長変換素子10の側面を反射するときの偏光方向の回転をなくすことができる。
波長変換素子10は、波長変換素子10の両端面が凸型シリンドリカル形状の基本波反射面であり、シリンドリカル形状の軸が互いに直交する好ましい形態である。集光力を有する2つの反射面の軸を互いに直交させることで、波長変換素子10内で形成される集光点を互いに直交する方向に異ならせる。また、シリンドリカル形状の軸が互いに直交することで、波長変換素子10の調整軸を2軸独立に扱うことができ、調整を容易にする。また、各1軸ずつ加工すればよいので、調整を含め製造コストの低減が可能である。
特に、シリンドリカル面の曲率半径を2面とも、波長変換素子長以上とすることが好ましい。曲率半径を上記の条件とすることで、ビームの集光特性を確保しながら、ビームを往復させることができる。特に、図2(B)の波長変換レーザ100の側面図で示すように、光軸と基本波入射口11との位置ずれが小さい径方向の光路は、安定共振条件となり、往復数が増してもビーム径を一定範囲に納めることができる。
波長変換素子10は、厚み及び幅がそれぞれ1mm以下である好ましい形態である。波長変換素子10の厚み及び幅は、変換波の光源面積に相当し、光源面積を1mm×1mmの範囲内とすることで、十分に小さな範囲に変換波をまとめることができる。本実施の形態1では、複数の変換波ビームが出力されるが、複数の変換波ビームを小さな範囲にまとめることで、変換波ビームが複数であることを考慮せずに、ビーム整形及び伝播などの制御を各光学部品で行うことができる。
基本波レーザ光源1には、ファイバーレーザの他、半導体レーザ及び固体レーザなど各種レーザ光源を用いることができる。集光レンズ2は、基本波レーザ光を基本波入射口11から基本波反射面に入射させるために用いられる。基本波レーザ光を1対の基本波反射面に入射させるため、本実施の形態1では各種光学部品を用いることができる。また、波長変換素子10には、各種非線形材料を用いることができる。例えば、波長変換素子10には、LBO、KTP、あるいは分極反転周期構造を有するLiNbO又はLiTaOが用いられる。
本実施の形態1では、波長変換素子10内で基本波が交差し、交差点と異なる箇所に複数の集光点が形成されるように、基本波反射面に集光力のある曲面が用いられる。また、基本波反射面に入射するビームを集光させることでも、実施の形態1のような集光点を形成することができる。実施の形態1では、基本波反射面に凸型シリンドリカル面を用い、交差点と異なる箇所に複数の集光点を形成し、波長変換素子10の側面による反射とシリンドリカル面による反射とを用いて基本波を交差させている。
基本波入射口11は、一対の基本波反射面間に基本波を入射させることが可能であればよく、形状は特に限定されない。本実施の形態1では、端面12の反射コートの形成時に円状にマスキングすることによって、基本波入射口11のみ基本波透過面としている。その他にも、基本波反射面の一部を加工して基本波入射口11とすることができる。実施の形態1では、基本波入射口11は、波長変換素子10の端面12の中心から横方向に大きくずれるとともに、縦方向にわずかにずれた位置に形成されているが、基本波入射口11が形成される位置は特に限定されない。
なお、本実施の形態1では、変換波の出力面を波長変換素子10の一方の端面のみとしているが、両端面から変換波を出力するように、端面12に変換波に対する透過コートを施してもかまわない。
また、波長変換素子10内で基本波が初めに集光する集光点のビーム形状は、楕円形状であることが好ましい。本実施の形態1では、集光レンズ2のレンズパワーにより、波長変換素子10内で基本波が初めに集光される。このとき、集光レンズ2によって、基本波のNA(開口数)は2つの軸方向に実効的に異なることとなり、楕円ビームとして波長変換素子10に入射する。特に、初めの集光点は、変換が進んでおらず基本波のパワーが高いため、パワー密度が高くなりやすい。そのため、波長変換素子10内で基本波が初めに集光する集光点のビーム形状を楕円形状とすることで、初めの集光点でのパワー密度の集中を回避することができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における波長変換素子20の外観形状を示す概略図である。図5(A)は、本発明の実施の形態2における波長変換レーザの構成を示す概略上面図であり、図5(B)は、本発明の実施の形態2における波長変換レーザの構成を示す概略側面図である。なお、実施の形態2において、実施の形態1と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
波長変換レーザ101は、基本波レーザ光源1、集光レンズ2、波長変換素子20及び樹脂クラッド14を備える。
波長変換素子20は、分極反転周期構造を有するLiTaO結晶からなる。波長変換素子20の形状は、長さが例えば10mm、幅と厚みとがそれぞれ例えば0.8mmのロッド型となっている。波長変換素子20は、基本波を、基本波と波長の異なる変換波に変換する。波長変換素子20の長手方向の一方の端面22には、基本波が入射する基本波入射口21が形成されている。ロッド型の波長変換素子20の長手方向の両端面には、基本波入射口21を除いて、基本波を反射する基本波反射コートが形成されている。
また、基本波入射口21が形成されていない長手方向の他方の端面23は、基本波を反射する基本波反射コートと共に変換波を透過する変換波透過コートが形成されており、変換波の出力面となっている。また、端面22には、変換波を反射する変換波反射コートが形成されており、波長変換素子20では、変換波の出力面は長手方向の端面23のみとしている。
基本波入射口21は、端面22の中心から横方向の端部にずれた位置に形成され、径の大きさは例えば90μmであり、基本波に対するARコートが形成されている。基本波入射口21を有する一方の端面22は、図4の横方向に湾曲した凸型シリンドリカル形状を有する。他方の端面23は、凸型の球面形状を有する。端面22の曲率半径は、例えば8mmであり、端面23の曲率半径は、例えば12mmである。
なお、本実施の形態2において、波長変換素子20の端面22,23が、一対の基本波反射面の一例に相当し、樹脂クラッド14が、反射部の一例に相当する。
基本波レーザ光源1を出射した基本波は、集光レンズ2により基本波入射口21内に収まるように集光され、波長変換素子20に入射される。入射した基本波は、波長変換素子20の長手方向に進行し、波長変換が行われる。基本波は、端面23により反射され、波長変換素子20内を再度進行する。得られた変換波は、端面23から出射される。端面22と端面23とは、基本波に対して凹面ミラーとして作用し、基本波は、端面22と端面23との間を複数の集光点を形成しながら往復する。往復する基本波は、波長変換素子20内で交差するが、交差点と異なる箇所に複数の集光点を形成する。
また、シリンドリカル面により、ビームの径方向に異なる集光点が形成され、波長変換素子20の厚み方向の集光点は端面22付近に形成される。また、集光レンズ2によっても、交差点と異なる箇所に集光点が形成される。変換波は、端面23から複数のビームとなって出射されるが、端面23の範囲でまとまった光束として扱うことができる。また、端面23は、変換波に対し凸レンズとして働き、変換波の拡がり角を抑える。
本実施の形態2では、波長変換素子20は、長手方向の両側に基本波反射面を有し、少なくとも一方の基本波反射面が変換波を透過し、基本波が波長変換素子20内で交差し、交差点と異なる箇所で集光点が形成される。これにより、変換効率を高めながら、複数のビームとなって出射される変換波の光源面積を1箇所にまとめて小さくすることができ、また、波長変換素子20の必要な面積を小さくすることができる。
本実施の形態2では、波長変換素子20の端面に基本波反射面を有し、波長変換素子20の端面が凸型形状となっている好ましい形態である。波長変換素子20の端面に凸型形状の基本波反射面を有することで、波長変換素子20内を往復する基本波を交差させ、基本波の集光点を波長変換素子20内に作成することができる。本実施の形態2では、波長変換素子20の端面を基本波に対する凹面ミラーとすることで、基本波を交差させるとともに集光させることができる。
波長変換レーザ101は、一対の基本波反射面のうちの一方がシリンドリカル面であり、他方が球面である好ましい形態である。このとき、シリンドリカル面の曲率の方向が、面中心に対して基本波入射口21が形成されている方向と一致していることが好ましい。実施の形態2では、端面22の中心に対し横方向にずれた位置に基本波入射口21が形成され、端面22は横方向に曲率を有するシリンドリカル面となっている。2つの端面が有する横方向の曲率により、基本波は波長変換素子20内を複数回通過し、波長変換素子20内で基本波が交差する。
また、波長変換素子20の両端面のうちの一方のみをシリンドリカル面とすることで、端面22の曲率中心から基本波入射口21が形成されている位置に向かう方向に直交する方向でのビームの回折をなくし、一対の基本波反射面を基本波が往復する間にビーム径が拡がることを防止することができる。特に、球面の曲率半径を波長変換素子長よりも大きくすることで、シリンドリカルレンズのレンズパワーがない方向で安定共振条件となり、往復数が増えてもビーム径が一定に保たれ、変換効率を高めることができる。
また、波長変換素子20の両端面のうちの一方を球面の代わりにシリンドリカル面とすることで、調整及び加工の軸が減り、レーザ作製のコストの低減が可能となる。特に、シリンドリカル面と球面との曲率半径の合計が、基本波反射面間の距離の1.8〜2.2倍となることが好ましい。この条件のとき、波長変換素子20の側面の反射がなくとも、基本波反射面間における5回以上の基本波の往復が可能となる。シリンドリカル面と球面との曲率半径が、上記の条件を満たさない場合、基本波反射面間における基本波の往復が数回で停止する場合がある。
図6は、図5(A)及び図5(B)に示す波長変換レーザ101に接続されるマルチモード光ファイバー210の構成を示す図である。マルチモード光ファイバー210は、径が例えば0.8mmである純粋石英からなるコア211と、F添加石英からなるクラッド212とを備える。マルチモード光ファイバー210は、波長変換レーザ101から得られた光を伝送するのに用いられる。コア211は、波長変換レーザ101からの変換波を伝搬させる。クラッド212は、コア211を被覆し、変換波をコア211の内部に反射させる。
波長変換素子20とコア211とは直接接続され、波長変換素子20の端面23から出射する変換波がコア211に伝送される。波長変換素子20から出射した変換波は、クラッド212によって反射されながら、コア211によって伝搬される。マルチモード光ファイバー210のコア211の接続面は、基本波を反射するとともに変換波を透過するコーティングがなされている。
波長変換素子20は、厚み及び幅がそれぞれ例えば0.8mmの矩形形状であり、複数のビームからなる変換波が端面23から小さな面積内に収まって出射される。波長変換素子20の端面の径は、光ファイバーのコア径と同程度である。そのため、変換波は複数ビームからなるが、波長変換レーザ101とマルチモード光ファイバー210とを直接接続することができる。また、端面23は凸型形状を有するため、変換波が集光され、マルチモード光ファイバー210への結合効率を高めることができる。
本実施の形態2は、基本波を反射するとともに変換波を透過する基本波反射面が波長変換素子20の端面23に形成され、波長変換素子20の端面23がマルチモード光ファイバー210と接続される好ましい形態である。本実施の形態2の波長変換レーザ101は、複数の変換波ビームを出力することから、取り扱いが課題となる場合がある。しかしながら、複数の変換波を一つの光束として直接マルチモード光ファイバー210に出射することにより、様々な場所へ変換波を容易に伝送することができる。また、波長変換素子20の厚み及び幅が1mm以下であるため、屈曲可能なコア径を有するマルチモード光ファイバー210へ複数の変換波ビームを直接接合させることができる。
波長変換素子20の端面23は、基本波を反射させるとともに変換波を透過させ、凸型形状を有する好ましい形態である。このような波長変換素子20の端面23を用いることで、本実施の形態2の波長変換レーザ101では、波長変換素子20内において、基本波を往復させるとともに交差させ、さらに基本波の集光点を複数個所に設けることが可能となる。また、波長変換素子20の端面23は、出力する複数の変換波ビームを集光するレンズとして機能し、光ファイバーなどの光学部品への結合効率を高めることができる。特に、波長変換レーザ101をマルチモード光ファイバー210に直接接合する場合、波長変換素子20の端面23を凸型形状とすることで、偏芯があったとしても、結合効率を高めることができる。
本実施の形態2は、波長変換レーザ101からの基本波を反射するとともに変換波を透過するコーティングがマルチモード光ファイバー210の端面に施されている好ましい形態である。波長変換レーザ101とマルチモード光ファイバー210とを直接接合した場合、変換波と、波長変換素子20の端面23から漏れ出す基本波との分離が課題となる場合がある。そこで、コア211の端面のコーティングによって、波長変換レーザ101からの基本波と変換波とを分離し、変換波のみを伝送させる。また、クラッド212は、波長変換レーザ101から漏れ出す基本波が外部に出力されるのを遮断する役割を果たす。
なお、マルチモード光ファイバー210のコア211及びクラッド212としては、石英タイプの他、柔軟性が高い有機樹脂材料を用いることもできる。また、コア211の断面形状は、円形状だけでなく、矩形形状としてもよい。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3における波長変換レーザ102の構成を示す概略図である。なお、実施の形態3において、実施の形態1,2と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
波長変換レーザ102は、ランダム偏光基本波レーザ光源39、集光レンズ2、波長変換素子30及び樹脂クラッド14を備える。
波長変換素子30は、分極反転周期構造を有するMgO:LiNbO結晶(PPMgLN)からなり、結晶軸が互いに直交する第1の波長変換素子35と第2の波長変換素子36とを含む。第1の波長変換素子35と第2の波長変換素子36とは接合されている。図7において、左側に位置する第1の波長変換素子35は、結晶のz軸が図7の上向きであるPPMgLN↑からなり、右側に位置する第2の波長変換素子36は、結晶のz軸が図7の奥行方向であるPPMgLN←からなる。第1の波長変換素子35と第2の波長変換素子36とは、オプティカルコンタクトされている。
波長変換素子30の形状は、長さが例えば16mmであり、径が例えば1mmである円筒型となっている。波長変換素子30は、基本波を、基本波と波長の異なる変換波に変換する。波長変換素子30の長手方向の一方の端面32には、基本波が入射する基本波入射口31が形成されている。円筒型の波長変換素子30の両端面32,33には、基本波入射口31を除いて、基本波を反射する基本波反射コートが形成されている。
端面33には、基本波反射コートとともに、変換波を透過する変換波透過コートが形成されており、端面33は、変換波の出力面となっている。基本波入射口31は、円筒状の端面32の円弧近くにあり、径の大きさは例えば100μmであり、基本波に対するARコートが形成されている。基本波入射口31を有する一方の端面32は、平面形状となっている。長手方向の他方の端面33は、凸型の球面形状を有する。球面形状の端面33の曲率半径は、例えば10mmである。
なお、本実施の形態3において、波長変換素子30の端面32,33が、一対の基本波反射面の一例に相当し、樹脂クラッド14が、反射部の一例に相当する。
ランダム偏光基本波レーザ光源39は、ランダム偏光の基本波を出射する。ランダム偏光基本波レーザ光源39から出射した基本波は、集光レンズ2により基本波入射口31内に収まるように集光され、波長変換素子30に入射される。基本波は、波長変換素子30の円筒の軸に対して、傾いて入射されている。入射した基本波は、波長変換素子30の長手方向に進行し、PPMgLNのz軸方向と一致する偏光成分について、第1の波長変換素子35と第2の波長変換素子36とでそれぞれ波長変換が行われる。
基本波は、球面形状の端面33で反射された後、平面状の端面32、端面33及び波長変換素子30の側面で反射され、波長変換素子30間を長手方向に往復する。基本波が球面形状の端面33と波長変換素子30の側面とで反射することにより、基本波は波長変換素子30内で交差することとなる。球面形状の端面33は、基本波に対し凹面ミラーとして働き、往復する基本波が交差する交差点以外に、複数の集光点が形成される。
端面32と波長変換素子30の側面とは、変換波も反射する。波長変換された変換波は、端面33より出射される。基本波の偏光方向は、波長変換素子30の円筒側面及び端面33の反射により変化する。波長変換素子30は、結晶軸が互いに直交する2つの非線形材料(第1の波長変換素子35及び第2の波長変換素子36)を用いるため、偏光方向に関わらず、波長変換を行う。また、波長変換素子30は、基本波が基本波反射面間を往復する間に、偏光方向が変化しても、波長変換を行うことができる。
本実施の形態3は、波長変換素子30が結晶軸の直交する2つの部位(第1の波長変換素子35及び第2の波長変換素子36)で構成される好ましい形態である。波長変換素子が一対の基本波反射面を有し、基本波が波長変換素子を複数回通過するが、通過を繰り返すうちに、基本波の偏光方向が変わる場合がある。しかしながら、本実施の形態3では、基本波の偏光方向が、基本波反射面を往復する間に変化したとしても、常に波長変換を行うことができる。
特に、曲面での反射を用いる本実施の形態3の構成では、偏光が変化する場合があるため、有効である。また、ランダム偏光を出射する基本波レーザ光源を用いる場合、結晶軸が互いに直交する第1の波長変換素子35及び第2の波長変換素子36は、変換効率を高めるために必須な構成となる。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4における波長変換レーザ103の構成を示す概略上面図である。なお、実施の形態4において、実施の形態1〜3と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
波長変換レーザ103は、基本波レーザ光源1、集光レンズ2及び波長変換素子40を備える。
波長変換素子40は、分極反転周期構造を有するMgO:LiNbO結晶からなる。波長変換素子40の形状は、長さが例えば10mmであり、幅と厚みとがそれぞれ例えば0.8mmであるロッド型となっている。波長変換素子40は、分極反転周期の異なる2種類の波長変換素子(第1の波長変換素子45及び第2の波長変換素子46)を含む。端面42を有する第1の波長変換素子45の分極反転周期は、2倍波を発生させる2倍波発生周期であり、端面43を有する第2の波長変換素子46の分極反転周期は、3倍波を発生させる3倍波発生周期である。第1の波長変換素子45の分極反転周期は、基本波の2倍波を発生する擬似位相整合条件となるように設計されている。第2の波長変換素子46の分極反転周期は、基本波と2倍波との和周波である3倍波を発生する擬似位相整合条件となるように設計されている。
波長変換素子40は、基本波を、基本波と波長の異なる変換波(2倍波及び3倍波)に変換する。波長変換素子40の長手方向の一方の端面42には、基本波が入射する基本波入射口21が形成されている。
ロッド型の波長変換素子40の長手方向の端面42には、基本波と2倍波とを反射する反射コートが形成されている。端面43には、基本波を反射する反射コートと、2倍波と3倍波とを透過する透過コートが形成されている。端面43からは、変換波である2倍波と3倍波とが出力される。基本波入射口21は、端面42の中心から横方向にずれた位置に形成され、径の大きさは例えば90μmであり、基本波に対するARコートが形成されている。端面42及び端面43の形状は、実施の形態2の端面22及び端面23と同じであり、基本波は、実施の形態2と同様に波長変換素子40内を往復する。そして、波長変換素子40は、内部で基本波を交差させ、基本波の交差点と異なる箇所に複数の集光点を形成する。
波長変換レーザ103は、2倍波と3倍波とを出力する波長変換レーザである。基本波入射口21から入射した基本波は、波長変換素子40の長手方向に進行する。第1の波長変換素子45を進行する基本波は、2倍波に変換される。第1の波長変換素子45で得られる2倍波は、基本波に帯同して第1の波長変換素子45を進行し、第2の波長変換素子46に入射する。第2の波長変換素子46に入射した基本波と2倍波とは、3倍波に変換される。得られた2倍波と3倍波とは、端面43から出力される。基本波は、球面形状の端面43で反射され、波長変換素子40内を再度進行する。
端面42と端面43とは、基本波に対して凹面ミラーとして作用し、基本波は、端面42と端面43との間を複数の集光点を形成しながら往復する。往復する基本波は、波長変換素子40内で交差するが、交差点と異なる箇所においても複数の集光点が形成される。基本波が第1の波長変換素子45を進行するときに2倍波が発生し、発生させた2倍波と共に基本波が第2の波長変換素子46を進行するときに3倍波が発生する。基本波は、波長変換素子40を複数回通過するが、2倍波と3倍波とが繰り返し発生する。
なお、本実施の形態4において、波長変換素子40の端面42,43が、一対の基本波反射面の一例に相当する。また、本実施の形態4において、波長変換素子40の側面を樹脂クラッドで被覆してもよい。
本実施の形態4は、一対の基本波反射面を基本波が往復する間に、位相整合周期が異なる複数の波長変換素子により、高次の変換波を発生させる好ましい形態である。従来、高次の変換波(3〜5倍波など)への波長変換は非常に効率が低く、複雑な構成が必要であった。これに対し、本実施の形態4では、波長変換素子40は、基本波及び変換波を複数回通過させるとともに、擬似位相整合周期により高次の変換波を発生させることで、効率のよい高次変換波の発生が可能となる。特に、本実施の形態4では、波長変換素子40は、複数の集光点を分散させることで、高次変換波が発生する場所を分散させ、高次変換波がもたらす光吸収による変換効率の劣化及び波長変換素子40へのダメージを低減させることができる。
本実施の形態4では、球面形状の端面43は、2倍波と3倍波とを透過させるが、2倍波を反射する反射コートを形成し、3倍波のみを透過させる構成とすることができる。波長変換素子40は、2倍波を一対の反射面間で繰り返し往復させることで、2倍波のパワーを大きくし、3倍波への変換効率をより向上させることができる。
(実施の形態5)
図9は、本発明の実施の形態5における波長変換レーザ104の構成を示す概略上面図である。なお、実施の形態5において、実施の形態1〜4と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
波長変換レーザ104は、基本波レーザ光源1、波長変換素子50、凹面ミラー53及びコリメートレンズ54を備える。
波長変換素子50は、分極反転周期構造を有するMgO:LiNbO結晶からなる。波長変換素子50の形状は、長さが例えば10mmであり、幅が例えば2mmであり、厚みが例えば1mmである直方体形状である。波長変換素子50の一方の端面52には、基本波と変換波とを反射する反射コートが形成され、波長変換素子50の長手方向の他方の端面51には、基本波と変換波とを透過する透過コートが形成されている。凹面ミラー53は、曲率半径が10mmの球面ミラーであり、基本波を反射する反射コートと変換波を透過する透過コートとが形成されている。凹面ミラー53は、変換波を出力する出力ミラーとなっている。端面52と凹面ミラー53とが波長変換素子50の長手方向にある一対の基本波反射面を構成する。
基本波レーザ光源1を出射した基本波は、コリメートレンズ54でコリメートされた後、凹面ミラー53で反射され、波長変換素子50に入射する。波長変換素子50に入射した基本波は、端面52、波長変換素子50の側面及び凹面ミラー53により反射され、波長変換素子50を複数回通過する。波長変換素子50を通過する基本波は、変換波に変換され、得られた変換波は凹面ミラー53から出力される。凹面ミラー53は、曲率により反射面を往復する基本波を集光させ、集光点を形成する。また、基本波は、波長変換素子50の幅方向の側面で反射することにより、波長変換素子50内を交差する。
なお、本実施の形態5において、波長変換素子50の端面52及び凹面ミラー53が、一対の基本波反射面の一例に相当する。また、本実施の形態5において、波長変換素子50の側面を樹脂クラッドで被覆してもよい。
本実施の形態5では、凹面ミラー53による反射と波長変換素子50の側面による反射とが用いられ、基本波が波長変換素子50内で交差し、交差点と異なる箇所に複数の集光点が形成される。このため、基本波及び変換波のパワー密度が高い場所を分散させながら、高い変換効率が得られると共に、複数のビームが出射される箇所を1箇所にまとめて小さくすることができる。
波長変換素子50では、曲率がない反射面である端面52の近傍に複数の集光点が形成される。端面52の基本波及び変換波を反射する反射コートは、波長変換素子50側からMgFとTiOとの9層の積層誘電体膜で形成され、積層誘電体膜の上に厚さ200nmのAlである金属膜が蒸着されて形成されている。
本実施の形態5は、一対の基本波反射面のうちの少なくとも一方が、基本波及び変換波を反射する反射膜を有し、複数の集光点が、反射膜の近傍に形成され、反射膜が、100nm以上の厚さの金属膜を含む好ましい形態である。波長変換素子50は、端面52の近傍に複数の集光点が形成され、端面52は基本波及び変換波を反射する100nm以上の厚さの金属膜を含む反射コートを有する。集光点では、強い光吸収が生じ、波長変換素子50に局所的な発熱が生じる。集光点の近くに形成される金属膜は、熱の伝達経路として機能し、局所的な波長変換素子50の温度上昇を低減する。波長変換素子50の温度上昇は、素子の破壊及び変換効率の低下をもたらす場合があるが、金属膜を含む反射コートにより回避することができる。
金属膜の厚さは、熱の伝達経路として機能するために、100nm以上必要となる。また、金属膜は、金属からなるヒートシンクと直接接続されていることが好ましい。ヒートシンクと直接接続することで、熱の伝達経路を確保することができる。
(実施の形態6)
図10(A)は、本発明の実施の形態6における波長変換レーザ105の構成を示す概略上面図であり、図10(B)は、本発明の実施の形態6における波長変換レーザ105の構成を示す概略側面図である。なお、実施の形態6において、実施の形態1〜5と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
波長変換レーザ105は、基本波レーザ光源1、集光レンズ2、波長変換素子60、シリンドリカルミラー62及び凹面ミラー63を備える。
波長変換素子60は、分極反転周期構造を有するMgO:LiNbO結晶からなる。波長変換素子60の形状は、長さが例えば25mmであり、幅が例えば4mmであり、厚みが例えば1mmである直方体形状である。波長変換素子60の長手方向の両端面には、基本波と変換波とに対するARコートが形成されている。
波長変換素子60は、基本波を、基本波と波長の異なる変換波に変換する。波長変換素子60の長手方向の一方の端面には、基本波が入射する基本波入射口61が形成されている。
波長変換素子60の長手方向の基本波レーザ光源1側の端面の近傍には、波長変換素子60の基本波入射口61の位置に応じて一部がカットされたシリンドリカルミラー62が配置されている。シリンドリカルミラー62は、基本波と変換波とを反射する反射コートを有する。シリンドリカルミラー62は、波長変換素子60の幅方向に曲率を有し、曲率半径は例えば20mmである。シリンドリカルミラー62は、波長変換素子60の幅方向の端部に形成された基本波入射口61に基本波が入射するように、基本波の入射光路となる部分がカットされている。
波長変換素子60の長手方向の他方の端面の近傍には、球面の凹面ミラー63が配置されている。凹面ミラー63は、曲率半径が例えば22mmであり、基本波を反射する反射コートと変換波を透過する透過コートとを有している。凹面ミラー63は、変換波を出力する出力ミラーとなっている。シリンドリカルミラー62と凹面ミラー63とで一対の基本波反射面が構成される。基本波反射面間の距離は、空気換算長で約21mmとしている。
基本波レーザ光源1を出射した基本波は、集光レンズ2により集光され、基本波入射口61から波長変換素子60に入射される。波長変換素子60に入射した基本波は、波長変換素子60内で集光された後、凹面ミラー63で反射され、波長変換素子60に再入射する。波長変換素子60を通過した基本波は、シリンドリカルミラー62によって反射され、波長変換素子60に再入射する。基本波は、シリンドリカルミラー62と凹面ミラー63との間を複数回往復し、波長変換素子60を通過するときに変換波に変換される。変換波は、凹面ミラー63から出力される。
凹面ミラー63及びシリンドリカルミラー62の屈折により、基本波は波長変換素子60内で交差する。集光レンズ2、凹面ミラー63及びシリンドリカルミラー62により、複数の集光点が形成される。シリンドリカルミラー62により、ビームの径方向に異なる集光点が形成される。このとき、波長変換素子60の厚み方向のビーム径は、安定共振条件となり、往復を繰り返しても一定のビーム径となる。集光レンズ2、凹面ミラー63及びシリンドリカルミラー62により、基本波の交差点と異なる箇所に複数の集光点が形成される。
なお、本実施の形態6において、シリンドリカルミラー62及び凹面ミラー63が、一対の基本波反射面の一例に相当する。また、本実施の形態6において、波長変換素子60の側面を樹脂クラッドで被覆してもよい。
本実施の形態6では、基本波が波長変換素子60を複数回通過し、基本波が波長変換素子60内で交差し、交差点と異なる箇所に複数の集光点が形成される。このため、基本波及び変換波のパワー密度が高い場所を分散させながら高い変換効率が得られると共に、複数のビームが出射される箇所を1箇所にまとめて小さくすることができる。
また、本実施の形態6は、一対の基本波反射面の一方がシリンドリカル面であり、他方が球面である好ましい形態である。一方の基本波反射面にシリンドリカル面を用いることで、基本波反射面の両面に集光力を持たせながら、ビームの径方向で異なる集光点を作成できる。ビームの径方向で異なる集光点が作成されることで、基本波と変換波とのパワー密度が高まる点を分散させることができる。また、シリンドリカル面を用いることで、ビーム径の1方向に関して安定共振条件となり、基本波が往復してもビーム径が回折により拡がるのを防ぐことができる。ビーム径の拡がりを抑え、往復数が増したときの変換効率の低下を抑えることができる。
(実施の形態7)
図11(A)は、本発明の実施の形態7における波長変換レーザ106の構成を示す概略上面図であり、図11(B)は、本発明の実施の形態7における波長変換レーザ106の構成を示す概略側面図である。なお、実施の形態7において、実施の形態1〜6と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
波長変換レーザ106は、基本波レーザ光源1、集光レンズ2、波長変換素子60、シリンドリカルミラー62及び凹面ミラー73を備える。
波長変換レーザ106は、凹面ミラー73を除き、実施の形態6の波長変換レーザ105と同じ構成要素からなる。凹面ミラー73は、ミラー中央の径1mmの範囲のみに形成され、基本波を反射するとともに変換波を透過するコートが施された変換波透過部(透過領域)74と、変換波透過部74の外周部に形成され、基本波と変換波とを共に反射するコートが施された変換波反射部(反射領域)75とを備える。基本波が波長変換素子60内を通過することにより発生した変換波は、変換波透過部74のみから外部に出力される。
なお、本実施の形態7において、シリンドリカルミラー62及び凹面ミラー73が、一対の基本波反射面の一例に相当する。また、本実施の形態7において、波長変換素子60の側面を樹脂クラッドで被覆してもよい。
本実施の形態7は、基本波反射面の変換波を透過する部位が、基本波反射面の一部の領域のみであり、その他の領域では、基本波及び変換波を反射する好ましい形態である。本実施の形態7では、基本波反射面で変換波が反射される場合、基本波反射面は、変換波の光路を傾け、変換波は反射のたびに光路を変える。変換波が透過する透過部位を基本波反射面の一部の領域のみとすることで、変換波が透過部位に達したときのみ出力されることとなる。変換波は透過領域のみから出射されるため、複数の変換波ビームが透過領域によって限定された領域から出射することとなる。変換波の出射領域を限定することで、変換波の出射領域面積を非常に小さくし、複数の変換波ビームを細い一つの光束として取り扱えるようにすることができる。
(実施の形態8)
図12(A)は、本発明の実施の形態8における波長変換レーザ107の構成を示す概略上面図であり、図12(B)は、本発明の実施の形態8における波長変換レーザ107の構成を示す概略側面図である。実施の形態8において、実施の形態1〜7と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
波長変換レーザ107は、基本波レーザ光源1、集光レンズ2及び波長変換素子80を備える。
波長変換素子80は、分極反転周期構造を有するMgO:LiTaO結晶からなる。波長変換素子80の形状は、基本波が入射する端面82の面積よりも、変換波が出射する反対側の端面83の面積の方が小さくなっており、側面の断面形状が台形形状からなる柱状となっている。波長変換素子80の長さは、例えば10mmであり、端面82は、幅が例えば4mmであり、厚みが例えば2mmである矩形形状となっており、端面83は、幅が例えば1mmであり、厚みが例えば0.75mmである矩形形状となっている。
端面82は、凸型球面であり、曲率半径は例えば24mmであり、基本波入射口81を除き、基本波と変換波とを反射する反射コートが形成されている。端面83は、平面であり、基本波を反射する反射コート及び変換波を透過する透過コートが形成されている。波長変換素子80の側面は、基本波及び変換波を全反射する。基本波入射口81は、基本波を透過する透過コートが形成されており、径の大きさが例えば200μmであり、端面82の中央から幅方向に例えば1.2mmずれた位置に形成されている。球面形状の端面82と平面形状の端面83とが波長変換素子80の長手方向の一対の基本波反射面となっている。変換波は、端面83から複数のビームが重なった状態で出射される。
基本波レーザ光源1を出射した基本波は、集光レンズ2により基本波入射口81内に収まるように集光され、波長変換素子80に入射する。入射した基本波は、波長変換素子80の長手方向に進行し、波長変換素子80の側面、端面83及び端面82によって反射されることにより、端面82と端面83との間を往復する。往復する基本波は、複数個所で交差する。また、往復する基本波は、集光レンズ2と球面形状の端面82との集光力により、複数の集光点を形成する。
このとき、波長変換素子80は、基本波の交差点と異なる箇所に複数の集光点を形成する。波長変換素子80は、内部を進行する基本波から、変換波を発生させる。複数の変換波ビームは、平面形状の端面83から重なって出力される。出力される一方の端面83の面積が他方の端面82よりも小さいため、多くの変換波が、波長変換素子80の側面で反射された後に端面83から出射される。このようにして、重なって出力される変換波は、強度分布が平均化されて出力されることとなる。
なお、本実施の形態8において、波長変換素子80の端面82,83が、一対の基本波反射面の一例に相当する。また、本実施の形態8において、波長変換素子80の側面を樹脂クラッドで被覆してもよい。
本実施の形態8は、波長変換素子80の一方の端面83に基本波を反射するとともに変換波を透過するコートが形成され、当該端面83の面積が他方の端面82よりも小さい好ましい形態である。変換波を出射する端面83の面積が、基本波を入射する端面82よりも小さいため、複数の変換波は出射するときに重なって出力される。出力される変換波ビームは、重畳されることにより、強度分布が平均化される。出力されるビームの強度分布が平均化されているため、波長変換レーザ107は、加工や照明などの分野において、直接使用することが可能となる。また、変換波の出射面積が小さいため、変換波に用いる光学部品の小型化が可能となる。
図13は、図12(A)及び図12(B)に示す波長変換レーザ107を用いた画像表示装置200の構成を示す概略図である。画像表示装置200は、波長変換レーザ107、投影光学系85、空間変調素子86、投射光学系87及び表示面88を備える。
波長変換レーザ107の端面83から出力される変換波は、矩形形状であり、平均化された強度分布を有する。投影光学系85は、端面83から出射した変換波を空間変調素子86に拡大投影する。空間変調素子86は、端面83と相似な形状を有し、横と縦との比が4:3の矩形形状となっている。空間変調素子86は、例えば透過型液晶と偏光板とからなり、各色のレーザ光を変調し、2次元に変調したレーザ光を出射する。投射光学系87は、空間変調素子86によって変調されたレーザ光を表示面88に投影する。
本実施の形態8は、波長変換レーザ107における波長変換素子80の両端面のうちの変換波を透過する端面83の像が、変換波を変調する空間変調素子86に投影される好ましい形態である。本実施の形態8は、複数のビームからなる変換波を波長変換レーザ107の波長変換素子80の端面83の形状に応じて整形し、また、複数の変換波を重ねることで強度分布を平均化することができる。このような波長変換レーザ107の特徴をいかし、空間変調素子86に波長変換素子80の端面83の像を投影することで、効率よく変換波を用いることができる。ビーム整形するための光学部品が不要となるので、ビーム整形によるロスを抑え、必要な光学部品数を減らすことができる。なお、投影光学系85には、レンズの他、強度分布を整える拡散板などをさらに配してもよい。
画像表示装置200は、波長変換レーザと、波長変換レーザから出射した変換波を変調する変調素子とを有する好ましい形態である。波長変換レーザは、複数の波長変換光を出射しながら、小さい面積の端面から一定角度内で出射するため、変換波を変調素子に非常に効率よく導くことができる。このため、光利用効率が高い画像表示装置の実現が可能となる。光利用効率を高めることで、画像表示装置200全体の消費電力を低くすることができる。特に、光源の電力消費が大部分を占める対角30インチ以上の表示を行う画像表示装置に対して有効である。なお、変調素子は、透過型又は反射型の液晶素子などの空間光変調素子の他に、走査ミラーのように光をスキャンしてビームの表示される場所を変調する素子を含む。
画像表示装置200の応用例としては、プロジェクタ、液晶ディスプレイ及びヘッドアップディスプレイなどが挙げられる。
また、画像表示装置200は、実施の形態8における波長変換レーザ107を用いているが、本発明は特にこれに限定されず、波長変換レーザ107の替わりに、実施の形態1〜7に示す波長変換レーザ100〜106及び後述する実施の形態9,10に示す波長変換レーザ108,109を用いてもよい。
(実施の形態9)
図14は、本発明の実施の形態9における波長変換レーザ108の構成を示す概略図である。なお、実施の形態9において、実施の形態1〜8と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
波長変換レーザ108は、基本波レーザ光源1、集光レンズ2、波長変換素子10、樹脂クラッド14及び振動機構91を備える。
波長変換レーザ108は、実施の形態1で説明した波長変換レーザ100に、波長変換素子10をレーザ光の出射中に動作させる振動機構91を取り付けた構成である。振動機構91は、基本波入射口11への基本波の入射方向に交わる回転軸R1を中心として、波長変換素子10を横方向Y1に回転振動させる。振動機構91は、樹脂クラッド14に取り付けられている。振動機構91は、例えば電磁コイルからなり、変換波を出射する端面13を振幅0.2mm及び周波数200Hzで往復動作させる。
波長変換素子10は、内部を進行する基本波から変換波を発生させるが、基本波反射面間の片道のみの光路で発生する変換波の量は、ビーム強度と位相整合条件からのずれとに基づいて決まる。波長変換素子10が微動することにより、時間により基本波の各光路の角度が変化し、位相整合条件からのずれ量が変化する。出射端面13からは、各光路で発生した変換波の複数のビームが重畳されて出力されている。
出射される変換波の強度分布は、各光路で発生する変換波の量が変化するため、時間により変化することとなる。時間により出射される変換波の強度分布が変化することで、時間により出射される変換波の干渉条件も変化することとなる。これは、時間により干渉パターンが変化することを意味し、時間積分することにより干渉ノイズを平均化し、干渉ノイズを低減することができる。特に、ディスプレイ及び照明の分野で問題となるスペックルノイズを低減することができる。また、変換波の強度分布は変化するが、各光路が変換効率を補償する関係にあるため、変換波の合計出力は大きく変化しない。
本実施の形態9は、変換波の出射中に波長変換素子10を振動させる好ましい形態である。変換波の出射中に波長変換素子10を微動させることで、出力される変換波の干渉ノイズを低減することができる。本実施の形態9では、複数のビームからなる変換波を重畳して出力するが、この変換波の強度分布を時間的に変化させることで、干渉ノイズを低減することができる。本実施の形態9では、各基本波光路の変換効率の低下を補償しているため、変換波の強度分布は変化するが、合計出力は大きく変化することはない。
(実施の形態10)
図15は、本発明の実施の形態10における波長変換素子110の外観形状を示す概略図である。図16(A)は、本発明の実施の形態10における波長変換レーザ109の構成を示す概略上面図であり、図16(B)は、本発明の実施の形態10における波長変換レーザ109の構成を示す概略側面図である。なお、実施の形態10において、実施の形態1〜9と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
波長変換レーザ109は、基本波レーザ光源1、波長変換素子110、樹脂クラッド114、金属ホルダ115及び集光レンズ117を備える。波長変換素子110は、基本波を、基本波と波長の異なる変換波に変換する。波長変換素子110の長手方向の一方の端面112には、基本波が入射する基本波入射口111が形成されている。
波長変換素子110は、分極反転周期構造を有するMgO:LiNbO結晶からなる。波長変換素子110は、長さが例えば10mmであり、幅が例えば5mmであり、厚みが例えば20μmの平板形状となっている。波長変換素子110の厚み方向は、樹脂クラッド114で覆われており、波長変換素子110はマルチモードのスラブ型の光導波路として機能する。波長変換素子110の長手方向の両端面には、基本波入射口111を除いて、基本波を反射する反射コートが形成されている。
また、基本波入射口111が形成されていない端面113は、基本波を反射する反射コートと共に変換波を透過する透過コートが形成されており、変換波の出力面となっている。また、基本波が入射する端面112は、変換波を反射する反射コートが形成されており、波長変換レーザ109では、出力面は端面13のみとしている。基本波入射口111は、平面形状の端面112の中心から横方向にずれた位置に形成されている。基本波入射口111の大きさは、例えば100μm×20μmである。基本波入射口111には、基本波に対するARコートが形成されている。
基本波入射口111を有する一方の端面112は、平面形状を有する。他方の端面113は、図15の横方向に湾曲した凸型シリンドリカル形状を有する。端面113の曲率半径は、例えば200mmである。波長変換素子110は、樹脂クラッド114を介して金属ホルダ115に固定され、金属ホルダ115によって放熱される。集光レンズ117は、基本波入射口111に基本波が入るように集光している。
波長変換素子110は、スラブ型の光導波路として基本波を導波し、端面112と端面113とで反射させることで繰り返し往復しながら光路を変化させ、基本波の集光点を形成するとともに基本波を交差させる。波長変換素子110内で基本波から変換された変換波は、端面113から出射される。
なお、本実施の形態10において、波長変換素子110の端面112,113が、一対の基本波反射面の一例に相当する。
波長変換レーザ109は、波長変換素子110が、側面において基本波及び変換波を全反射させるスラブ型の光導波路である好ましい形態である。すなわち、本実施の形態10は、波長変換素子110が、所定の厚みを有する平板形状であり、樹脂クラッド114が、平板形状の波長変換素子110の互いに対向する2つの最大面積面に形成される好ましい形態である。波長変換素子110をスラブ型の光導波路とすることで、厚み方向の基本波のビームの拡がりを抑え、基本波が波長変換素子110内において反射を繰り返しても高い光強度を維持することができる。
これにより、基本波のどの光路でも、波長変換効率を高めることができる。特に、本実施の形態10では、波長変換素子110は、マルチモードのスラブ型の光導波路の機能を有することが好ましい。本実施の形態10では、波長変換素子110に入射した基本波の多くが反射を繰り返す間に変換されるため、波長変換素子110のビーム結合効率を高めることが重要となる。このため、波長変換素子110は、ビーム結合効率を高めやすいマルチモードの光導波路の機能を有することがよい。またマルチモードの光導波路の機能を有することで、モードによる位相整合条件の違いから、波長変換素子110の温度許容幅を拡げることができる。
波長変換素子110と金属ホルダ115との間の樹脂クラッド114の厚みは、例えば5μmである。金属ホルダ115と波長変換素子110との間に形成される樹脂クラッド114は、10μm以下であることが好ましい。樹脂クラッド114を薄くすることで、熱抵抗を下げ、波長変換素子110から発生した熱を金属ホルダ115によって放熱することができる。特に、ハイパワーの基本波及び変換波を用いる時、より効果的に波長変換素子110の熱を逃がすことができる。波長変換素子110の温度許容幅が広い場合は、特にペルチェ素子などで温度制御する必要はなく、金属ホルダ115の放熱機構のみあればよい。
なお、本発明は、上記実施の形態1〜10に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。当然、本発明の各実施の形態1〜10を組み合わせて用いることもできる。
なお、本実施の形態1〜10において、波長変換素子内に形成される基本波の複数の集光点のうち一部が、基本波の交差点と重なりを有していても構わない。ほとんどの基本波の複数の集光点が、基本波の交差点と一致していなければよい。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面に係る波長変換レーザは、基本波を出射する光源と、前記光源から出射した前記基本波を、前記基本波と波長の異なる変換波に変換する波長変換素子とを備え、前記波長変換素子の光軸方向の両端側に位置し、前記基本波を反射することにより、前記波長変換素子内において前記基本波を複数回通過させる一対の基本波反射面のうちの少なくとも一方の基本波反射面は、前記変換波を透過させ、前記一対の基本波反射面は、前記基本波を前記波長変換素子内で交差させ、前記基本波の交差点と異なる箇所に複数の集光点を形成する。
この構成によれば、一対の基本波反射面によって、波長変換素子内において基本波が複数回通過し、基本波が波長変換素子内で交差し、基本波の交差点と異なる箇所に複数の集光点が形成される。
したがって、波長変換素子内において基本波が複数回通過し、かつ基本波の交差点と異なる箇所に複数の集光点が形成されるので、安定して高い変換効率を得ることができ、複数のビームとなって出射される変換波の光源面積を小さくすることができ、その結果、装置全体を小型化することができる。
また、上記の波長変換レーザにおいて、前記波長変換素子の側面は、前記基本波を前記波長変換素子の内部に反射することが好ましい。
この構成によれば、波長変換素子の側面によって、基本波が波長変換素子の内部に反射されるので、基本波が波長変換素子内を通過する面積を一定範囲に保ち続けることができる。また、波長変換素子を通過する基本波の強度分布を平均化し、基本波のパワー密度が高い場所を分散させることができる。
また、上記の波長変換レーザにおいて、前記波長変換素子よりも屈折率が低い材料で形成され、前記波長変換素子の側面を被覆する反射部をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、波長変換素子よりも屈折率が低い材料で形成される反射部によって、波長変換素子の側面を被覆するので、波長変換素子の側面で基本波及び変換波を全反射させ、基本波及び変換波を波長変換素子内に折り返すことができる。
また、上記の波長変換レーザにおいて、前記反射部を介して前記波長変換素子の温度を調整する温度調整機器をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、反射部を介して波長変換素子の温度が調整されるので、温度調整機器への基本波及び変換波の吸収を除去し、精確な温度制御を行うことができる。
また、上記の波長変換レーザにおいて、前記波長変換素子の光軸に交わる断面の形状は、矩形形状であり、前記基本波の偏光方向は、前記断面の一辺と平行であることが好ましい。
この構成によれば、偏光方向に対し、基本波が反射する波長変換素子の側面が平行もしくは垂直であるので、反射による偏光方向の変化をなくし、効率のよい波長変換を行うことができる。
また、上記の波長変換レーザにおいて、前記一対の基本波反射面は、前記波長変換素子の光軸方向の両端面に形成され、前記波長変換素子の両端面のうちの少なくとも一方は、凸型形状となっていることが好ましい。
この構成によれば、波長変換素子の凸型形状の端面は、反射する基本波に対し凹面ミラーとして働き、波長変換素子内に集光点を作成することができる。また、基本波を反射し、変換波を透過する波長変換素子の凸型形状の端面は、変換波に対して凸レンズとして働き、出射する変換波の拡がり角を抑えることができる。
また、上記の波長変換レーザにおいて、前記波長変換素子の両端面のうちの少なくとも一方は、凸型シリンドリカル形状となっていることが好ましい。
この構成によれば、波長変換素子内で形成される集光点をビームの径方向に異ならせ、基本波のパワー密度の集中を回避することができる。
また、上記の波長変換レーザにおいて、前記一対の基本波反射面のうちの一方は、シリンドリカル面を含み、他方は、球面を含むことが好ましい。
この構成によれば、波長変換素子の両端面のうちの一方をシリンドリカル面とすることで、ビームの回折をなくし、一対の基本波反射面を基本波が往復する間にビーム径が拡がることを防止することができる。
また、上記の波長変換レーザにおいて、前記一対の基本波反射面は、前記波長変換素子の光軸方向の両端面に形成され、前記波長変換素子の両端面のうち、前記基本波を反射するとともに前記変換波を透過する一方の端面の面積は、他方の端面よりも小さいことが好ましい。
この構成によれば、波長変換素子の両端面のうち、基本波を反射するとともに変換波を透過する一方の端面の面積が、他方の端面よりも小さいため、複数の変換波が重なって出力され、強度分布を平均化することができる。
また、上記の波長変換レーザにおいて、前記波長変換素子の厚み及び幅は、1mm以下であることが好ましい。
この構成によれば、波長変換素子の厚み及び幅を1mm以下とし、変換波の光源面積を1mm×1mmの範囲内とすることで、十分に小さな範囲に変換波をまとめることができる。
また、上記の波長変換レーザにおいて、前記波長変換素子は、所定の厚みを有する平板形状であり、前記反射部は、平板形状の前記波長変換素子の互いに対向する2つの最大面積面に形成されることが好ましい。
この構成によれば、厚み方向の基本波のビームの拡がりを抑え、基本波が波長変換素子内において反射を繰り返しても高い光強度を維持することができる。
また、上記の波長変換レーザにおいて、前記一対の基本波反射面は、前記波長変換素子の光軸方向の両端面に形成され、前記波長変換素子の両端面のうちの一方の端面は、基本波を反射するとともに変換波を透過し、前記変換波を伝搬させるマルチモード光ファイバーに接続されることが好ましい。
この構成によれば、波長変換素子から複数の変換波が出射されるが、複数の変換波を一つの光束として直接マルチモード光ファイバーに入射させることにより、様々な場所へ変換波を容易に伝送することができる。
また、上記の波長変換レーザにおいて、前記マルチモード光ファイバーにおける前記波長変換素子との接続端面は、基本波を反射するとともに変換波を透過することが好ましい。
この構成によれば、波長変換素子の端面から漏れ出した基本波と、変換波とを分離することができ、変換波のみを伝送させることができる。
また、上記の波長変換レーザにおいて、前記変換波を透過させる基本波反射面は、前記変換波を透過させる透過領域と、前記基本波及び前記変換波を共に反射させる反射領域とを含むことが好ましい。
この構成によれば、変換波は透過領域のみから出射されるため、複数の変換波ビームが透過領域によって限定された領域から出射することとなる。変換波の出射領域を限定することで、変換波の出射領域面積を非常に小さくし、複数の変換波ビームを細い一つの光束として取り扱えるようにすることができる。
また、上記の波長変換レーザにおいて、前記変換波の出射中に前記波長変換素子を振動させる振動機構をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、変換波の出射中に波長変換素子が振動されるので、出力される変換波の干渉ノイズを低減することができる。
また、上記の波長変換レーザにおいて、前記波長変換素子の両端面のうちの前記変換波を透過する端面の像は、前記変換波を変調する変調素子に投影されることが好ましい。
この構成によれば、複数の変換波を波長変換素子の端面の形状に応じて整形し、複数の変換波を重ねることで強度分布を平均化することができる。また、ビーム整形するための光学部品が不要となるので、ビーム整形によるロスを抑え、必要な光学部品数を減らすことができる。
また、上記の波長変換レーザにおいて、前記一対の基本波反射面のうちの少なくとも一方は、前記基本波及び前記変換波を反射する反射膜を有し、前記複数の集光点は、前記反射膜の近傍に形成され、前記反射膜は、100nm以上の厚さの金属膜を含むことが好ましい。
この構成によれば、100nm以上の厚さの金属膜は、熱の伝達経路として機能し、基本波が集光することによる局所的な波長変換素子の温度上昇を低減することができる。
本発明の他の局面に係る画像表示装置は、上記のいずれかに記載の波長変換レーザと、前記波長変換レーザから出射した変換波を変調する変調素子とを備える。
この画像表示装置においては、波長変換素子内において基本波が複数回通過し、かつ基本波の交差点と異なる箇所に複数の集光点が形成されるので、安定して高い変換効率を得ることができ、複数のビームとなって出射される変換波の光源面積を小さくすることができ、その結果、装置全体を小型化することができる。
なお、発明の詳細な説明の項においてなされた具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と次に記載する特許請求事項との範囲内で、種々変更して実施することができるものである。
本発明に係る波長変換レーザ及び画像表示装置は、安定して高い変換効率を得ることができるとともに、小型化することができ、基本波の波長変換を行い、基本波とは波長の異なる変換波を出力する波長変換レーザ及び波長変換レーザを備える画像表示装置として有用である。

Claims (18)

  1. 基本波を出射する光源と、
    前記光源から出射した前記基本波を、前記基本波と波長の異なる変換波に変換する波長変換素子とを備え、
    前記波長変換素子の光軸方向の両端側に位置し、前記基本波を反射することにより、前記波長変換素子内において前記基本波を複数回通過させる一対の基本波反射面のうちの少なくとも一方の基本波反射面は、前記変換波を透過させ、
    前記一対の基本波反射面は、前記基本波を前記波長変換素子内で交差させ、前記基本波の交差点と異なる箇所に複数の集光点を形成することを特徴とする波長変換レーザ。
  2. 前記波長変換素子の側面は、前記基本波を前記波長変換素子の内部に反射することを特徴とする請求項1記載の波長変換レーザ。
  3. 前記波長変換素子よりも屈折率が低い材料で形成され、前記波長変換素子の側面を被覆する反射部をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の波長変換レーザ。
  4. 前記反射部を介して前記波長変換素子の温度を調整する温度調整機器をさらに備えることを特徴とする請求項3記載の波長変換レーザ。
  5. 前記波長変換素子の光軸に交わる断面の形状は、矩形形状であり、
    前記基本波の偏光方向は、前記断面の一辺と平行であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の波長変換レーザ。
  6. 前記一対の基本波反射面は、前記波長変換素子の光軸方向の両端面に形成され、
    前記波長変換素子の両端面のうちの少なくとも一方は、凸型形状となっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の波長変換レーザ。
  7. 前記波長変換素子の両端面のうちの少なくとも一方は、凸型シリンドリカル形状となっていることを特徴とする請求項6記載の波長変換レーザ。
  8. 前記一対の基本波反射面のうちの一方は、シリンドリカル面を含み、他方は、球面を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の波長変換レーザ。
  9. 前記一対の基本波反射面は、前記波長変換素子の光軸方向の両端面に形成され、
    前記波長変換素子の両端面のうち、前記基本波を反射するとともに前記変換波を透過する一方の端面の面積は、他方の端面よりも小さいことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の波長変換レーザ。
  10. 前記波長変換素子の厚み及び幅は、1mm以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の波長変換レーザ。
  11. 前記波長変換素子は、所定の厚みを有する平板形状であり、
    前記反射部は、平板形状の前記波長変換素子の互いに対向する2つの最大面積面に形成されることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の波長変換レーザ。
  12. 前記一対の基本波反射面は、前記波長変換素子の光軸方向の両端面に形成され、
    前記波長変換素子の両端面のうちの一方の端面は、基本波を反射するとともに変換波を透過し、前記変換波を伝搬させるマルチモード光ファイバーに接続されることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の波長変換レーザ。
  13. 前記マルチモード光ファイバーにおける前記波長変換素子との接続端面は、基本波を反射するとともに変換波を透過することを特徴とする請求項12記載の波長変換レーザ。
  14. 前記変換波を透過させる基本波反射面は、前記変換波を透過させる透過領域と、前記基本波及び前記変換波を共に反射させる反射領域とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の波長変換レーザ。
  15. 前記変換波の出射中に前記波長変換素子を振動させる振動機構をさらに備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の波長変換レーザ。
  16. 前記波長変換素子の両端面のうちの前記変換波を透過する端面の像は、前記変換波を変調する変調素子に投影されることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の波長変換レーザ。
  17. 前記一対の基本波反射面のうちの少なくとも一方は、前記基本波及び前記変換波を反射する反射膜を有し、
    前記複数の集光点は、前記反射膜の近傍に形成され、
    前記反射膜は、100nm以上の厚さの金属膜を含むことを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の波長変換レーザ。
  18. 請求項1〜17のいずれかに記載の波長変換レーザと、
    前記波長変換レーザから出射した変換波を変調する変調素子とを備えることを特徴とする画像表示装置。
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