JP6335113B2 - 偏向器 - Google Patents

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Description

本発明は、電気光学結晶に駆動電圧を印加することにより光の進行方向を変化させる光偏向器に関する。
光偏向器は、プリンタ、ディスプレイ、医療機器、顕微鏡など様々な分野で用いられている。このうち光偏向器を用いる医療機器については、近年光干渉断層計(Optical coherence tomography : OCT)が広く診断で使用されている。OCTの干渉による画像取得にはいくつかの手法がある。このうち、入射する波長を連続的に変化させるSwept-source(SS)-OCTについてはその動作原理から高速なデータ取得が可能であると期待されている。SS-OCTによる検査時間は入射する波長の変化の速さ(波長掃引速度)が現在律速となっており、掃引速度の高速化により検査時間を短縮することができ患者負担の軽減につながると期待されている。
また、光偏向器を用いる顕微鏡については、レーザを用いる蛍光顕微鏡が生化学の分野で研究に広く用いられている。レーザを用いる蛍光顕微鏡は光偏向器により2次元に励起光となるレーザを掃引することで試料中の蛍光物質を励起し、試料からの蛍光を得ることで画像を取得する。画像の取得時間は、レーザの掃引速度が律速の一つとなっており、掃引速度の高速化に伴う画像取得時間の短縮により、より高速な生体現象の観察が可能になると期待されている。
電気光学効果により屈折率を変化させることで光の偏向が可能な電気光学結晶タンタル酸ニオブ酸カリウム(KTa1-xNbxO3:KTN)を用いた光偏向器は、光の方向を機械的に変えるガルバノミラーやMEMSミラーと比較すると高速に動作すると期待されている。KTNは電気光学効果が大きい物質として知られている。特許文献1には、KTNの電気光学効果を用いた光強度変調器等が開示されている。KTNは電圧印加により内部に屈折率分布が生じ、KTNに入射した光は屈折率分布により結晶内部を透過すに伴い連続的に偏向する。すなわち偏向角はKTNを透過するにつれ蓄積されるため、KTNは原理上結晶内部に光が曲がるための空間を必要とする。
KTNを偏向動作させるためには、KTN結晶に制御電圧を加える必要がある。例えば、一定の期間内で光をスキャンするような応用の場合には、交流信号が印加される。さらに、KTN結晶において高速に偏向動作を行うためには、駆動電圧を印加する前に、バースト電圧を印加して、KTN結晶中への電子の注入、およびトラップへの電子の捕獲を行うことが好ましい。
図1は、一般的なKTN結晶200の駆動方法の一例を説明するための図である。
図1において、バースト電圧は正の定電圧と負の定電圧とを一定時間ずつ印加し、その電圧の振幅201は、正負ともに同じV´=400Vとし、正と負の電圧印加時間202の合計t´は例えば5msecとした。駆動電圧の振幅203は、V=400Vのサイン波で継続時間を30msecとした場合、バースト電圧と駆動電圧を繰り返し印加することで、十分な偏向角の振れ幅を維持できる。
図1に示したように、駆動電圧の前にバースト電圧を印加することによって、バースト電圧を印加中に結晶中への電子の注入、及びトラップへの電子の捕獲が行われる。駆動電圧印加期間204中には電子の注入をしなくても、トラップに捕獲された電子により電界の傾斜が発生し、その結果、電気光学効果による屈折率の傾斜が生じるため、駆動電圧を高速化しても広角な光偏向を実現することが可能となる。
ここで、電気光学結晶を用いた偏向器において、光が曲がるための空間を確保するため、図2に示すように、大きな電気光学結晶が用いられる。図2の偏向器1000は、電極101,102と、KTN112とを備える。KTN112のYZ面には、対向する2つの電極1001,1002が配置される。電極1002は接地され、電極間には電圧vが印加される。
また、特許文献2に開示の電気光学素子1000は、図3に示すように、偏向角が大きくなるに従い電極間距離が大きくなるように電極が設けられた構造となっている。電気光学素子1000は、内部に生じる電界の大きさに応じて屈折率分布が変化することによって入射されたレーザ光を走査する光学素子13,23と、該光学素子13,23の対向する2つの面にそれぞれ配置された第1電極11,21及び第2電極12,22とを備え、光学素子13,23が射出端面20bから入射端面10aに向かって第1電極11,21と前記第2電極12,22との間の電極間距離Q,Pが連続的または段階的に小さくなるようになっている。なお、図3は特許文献2の図1と同一である。
国際特許公開2006-137408 特開2008-122572
図2および図3に示した従来の偏向器は、yz座標系に電極が設けられた電気光学結晶が用いられている。この偏向器では、電気光学結晶への印加する電界が大きくなるに従い偏向角が大きくなっている。しかし、偏向角が大きくなると、電圧も大きくなり、結果として消費電力が増大し得るという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、電圧を印加する電極間の距離を出射側で大きくすることなく光を偏向することができる偏向器を提供することにある。
上記の課題を解決するための本発明は、入射光を所定の角度に偏向する出射光として出射する電気光学結晶と、前記電気光学結晶表面において前記入射光と出射光とのなす面に平行な前記電気光学結晶表面の少なくとも一面に配置され、前記電気光学結晶に電圧を印加する複数の印加用電極とを備え、前記電気光学結晶表面において、入射方向および前記入射方向に垂直な方向の各々に沿ってマトリクス状に設けられた電極群からなる電極アレイをさらに備え、前記複数の印加用電極は、前記電極アレイの前記電極群のうち、前記偏向される光線の経路に沿って、電圧の印加されない電極を挟むように設けられた複数の一対電極からなる、偏向器である
本発明は、電子注入用のバースト電圧を印加する電子注入用電極をさらに備えるようにしてもよい。
本発明は、前記電気光学結晶の少なくとも一方の面に、当該電気光学結晶よりも屈折率の低い材料を有するクラッド層をさらに備えるようにしてもよい。
前記電極アレイ中の前記電極は、入射光の波長に対して透明であるようにしてもよい。
前記電気光学結晶の厚さは、前記複数の印加用電極間の間隔の1/10以下となるように設定してもよい。
本発明によれば、電圧を印加する電極間の距離を出射側で大きくことなく光を偏向することができる。
一般的なKTN結晶の駆動方法の一例を説明するための図である。 従来の電気光学結晶を用いた偏向器を説明するための図である。 偏向角が大きくなるに従い電極間距離が大きくなるようにした従来の偏向器を説明するための図である。 第1実施形態の偏向器の構成例を示す図である。 第1実施形態の偏向器内のビームの大きさを従来のものと関連付けて説明するための図である。 第1実施形態の偏向器において、KTNの厚みと電界強度との関係の一例を示す図である。 第2実施形態の偏向器の構成例を示す図である。 第2実施形態の変形例に係る偏向器の構成例を示す図である。 第3実施形態の偏向器の構成例を示す図である。 第4実施形態の偏向器の構成例を示す図である。 第5実施形態の偏向器の構成例を示す図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の一実施形態における偏向器100について図面を参照して説明する。
図4は、第1実施形態の偏向器100の構成例を示す図であって、(a)は偏向方向と垂直となる方向から見た図、(b)は光の入射方向から見た図、を示す。なお、以下の説明において、偏向方向はX方向に相当し、光の入射方向(光線方向)はY方向に相当する。
図4(a)および(b)に示すように、偏向器100は、電極101,102と、KTN112とを備える。KTN112の上面には、対向する2つの電極101,102が所定の距離(図4(b)の例では、h)離れて配置される。電極102は接地され、電極101,102間には電圧vが印加されるように構成される。
この偏向器100では、KTN112によって、入射光d1は所定の角度に偏向する出射光d2として出射される。つまり、入射光d1は、Y方向に伝搬したのち、印加電圧vに応じて偏向し、出射光d2として出射される。例えば、印加電圧vが正の場合、光は、図4(a)に示すように、GND方向に偏向される。
この偏向器100内の光は、図5(a)に示すように、例えば0.8(X方向)×0.08(Z方向)mmφからなるビーム(光線)bとして与えられる。
一方、従来のこの偏向器1000内の光は、図5(b)に示すように、0.8mmφからなるビームb100として与えられる。
すなわち、本実施形態の偏向器100において、ビームbは、従来のものよりもZ方向の径が小さくなる。
ここで、2つの電極101,102の間の電界強度Eは、後述する電子注入を考慮しない場合、E=V/dで表される(式(1))。なお、dは電極間の距離を表すので、図4の例では、d=hとなる。
KTN112は、2次の電気光学効果であるKerr効果により内部に屈折率変化が生じる。この屈折率変化は、下記式(2)で表される。
上記式(2)において、nは結晶の屈折率、gは電気光学定数、εは真空の誘電率、εは結晶の比誘電率、Eは電界強度、を示す。
KTN112は、電極101,102との接触をオーミック接触にすることで内部へ電子注入ができる。オーミック接触とさせるための電極材料として、KTN112側から順に、Ti/Pt/Auが用いられる。結晶内部に注入された電荷と外部から印加される電界とにより、電界分布が形成されることで、結晶中に屈折率分布を生ずる。
陰極をx = 0とする位置xでの電界をE(x)、電子密度分布をN(x)、誘電率をε、電気素量をeとすると、ガウスの法則は、x>0において、下記式(3)で表される。
KTN112中に電子が密度Nで一様に分布していると仮定し、結晶厚(z方向結晶長さ)をdとし、電圧Vを印加すると、Vは、下記式(4)で表される。
上記式(4)において、E(x)は、下記式(5)のように求められる。
この電界分布とKerr効果の式とから、結晶中の屈折率変化は下記式(6)で表される。
以上が、注入電子による電界分布と電気光学効果による屈折率変化によって結晶内に生じる屈折率分布である。この屈折率分布による偏向角は、結晶内を伝搬するに伴い蓄積される。また、結晶出射端での屈折による偏向により位置xでの偏向角は、下記式(7)で表される。
上記式(7)において、LはX方向すなわち光線方向の結晶長さを示す。
電子注入を考慮していない場合の偏向器100について再度図4を参照して説明する。例えば、電極101,102間に例えば電圧v=20vを印加した場合、図3(b)に示した位置P(電極間の中心でかつ電極面からみてKTN結晶の最深位置)での電界強度は、KTN112の厚みに応じて、図6に示すような値をとる。
この図6に示す関係から、KTN112の結晶厚(Z方向の結晶長さ)が100μm以下、即ち電極間の距離の例えば1/10以下(所定値以下)の厚みである場合、電界強度Eは、図3に示したものと同様に、E=V/dで表される。
前述の図5において、2つの偏向器100,1000の電極間隔はともに、1mmである。図5(b)では、偏向器1000のビーム径は円形で0.8mmである。偏向方向はx方向である。
一般に、X方向のビーム径がZ方向よりも大きいほうがレンズでより小さく集光することができるので、ビーム偏向の結果としての解像点数を増やすことができる。このことから、X方向のビーム径を小さくするのは好ましくない。
この観点から、本実施形態の偏向器100では、KTN112の結晶の厚みは、2つの電極間の1/10以下になるように設定している。例えば図5(a)の偏向器100においては、X方向のビーム径を0.8mmに設定する一方、Z方向に関しては、KTN112の結晶厚を100μmとしたため、ビーム径を80μm程度に設定している。
以上説明したように、本実施形態の偏向器100によれば、電極101,102は、XおよびY平面上に配置されるので、電極間の距離を出射側で大きくことなく光を偏向することができる。
<第2実施形態>
図7は、本実施形態の偏向器100Aの構成例を示す図であって、(a)は偏向方向と垂直となる方向から見た図、(b)は光の入射方向から見た図、を示す。なお、本実施形態の以下の説明では、特に記述しない限り、第1実施形態の説明で用いた符号等をそのまま用いる。
第1実施形態の偏向器100は、2つの電極が設けられていたが、変更することができる。本実施形態の偏向器100Aは、第1実施形態のものと同様のビーム偏向を実現するものであるが、KTN112上には、XY平面においてマトリクス状に配置された複数の電極からなる電極アレイ190が備えられる。
電極アレイ190は、入射光d1と出射光d2とのなす面に平行なKTN112表面の少なくとも一面に配置され、KTN112に電圧を印加する複数の印加用電極、すなわち、電極対115a,115bを有する(図7では、電極対の位置を黒塗りで示してある)。
KTN112の結晶の厚みは、2つの電極115a,115b間の1/10以下になるように設定されている。この場合、KTN結晶内の電界強度Eは、図4に示したものと同様に、E=V/dで表される。これは、電子注入の有無にかかわらずに成立する関係である。
この偏向器100Aにおいて、入射光d1はY方向に伝搬したのち、電極対115a,115bのそれぞれに印加される電圧に応じて偏向していき、出射光d2として出射される。これにより、X方向に連続的に光を偏向させることができる。
ここで、本実施形態の偏向器100Aにおいて、図5で示したものと同様に、X方向のビーム径を0.8mm、Y方向のKTN結晶の長さを4mmとした場合、例えば100mradの偏向角を得るには、偏向のための空間を確保するために1.2mmの電極間距離(図7では、電極対115a,115b)が必要となる。
これに対して、従来の偏向器1000では、それぞれの電極間において偏向するための空間が確保されていればよいので、電極間距離は、0.805mm程度あれば十分である。つまり、ビーム径の0.8mmよりわずかにでも広ければ良い。この場合、KTN112の結晶の厚みは80μm程度になり、Z方向のビーム径は70μm程度になる。この電極間距離から偏向に必要な電圧を偏向角の式から計算すると、図7の例では754V、図1の例では1124vとなる。これは、本実施形態の偏向器100Aの構造が、従来のものよりも低電圧で光を偏向できることがわかる。
なお、本実施形態の偏向器100Aの構造は変更するようにしてもよい。
以上では、図7を参照して、同一の形状およびサイズの電極を配置する場合について説明したが、電極対115a,115bの形状および/またはサイズは、電極ごとに変えるようにしてもよい。
XおよびY方向の電極の長さは、偏向角の蓄積が小さい入射付近においてY方向に伸長するなど、同一でなくても良い。同様に、電極対の数も入射側で必要に応じて減少させるなど、光線方向および偏向方向について同数でなくてもよい。
上記の電極間距離は、隣り合う電極間の距離とする必要はない。例えば図8(a)および(b)は、隣り合う電極でなくとも、電圧が印加される正負の電極117a,117b間の間隔を0.805mmとなるように設定した偏向器100Bを示している。このようにしても、偏向器100Bは、図7に示したものと同様に、従来のものよりも低電圧で光を偏向できる。
<第3実施形態>
第3実施形態の偏向器100Cは電子注入用電極を備えている点が、上記各実施形態と異なる。
図9は、第3実施形態の偏向器100Cの構成例を示す図であって、(a)は偏向方向と垂直となる方向から見た図、(b)は入射方向から見た図、を示す。
図9に示すように、偏向器100Cは、光路に被らない位置に電子注入用電極118a,118bが配置される。
なお、電子注入用電極118a,118bは、複数の偏向用電極からなる電極アレイ190AとKTN112と同じ面に配置されているが、光路に被らない位置であれば、異なる面に配置するようにしてもよい。
この偏向器100Cでは、電子注入用電極118a,118b間に電圧を印加することによりKTN112内に電子を注入したのち、電極117a,117bに電圧を印加する。これにより、図7に示したものと同様に、光を偏向させることができる。つまり、本実施形態の偏向器100Cでは、図1に示したバースト電圧を電子注入用電極118a,118bから印加し、さらには駆動電圧を偏向用電極117a,117bに印加するようになっている。
このように構成しても、駆動電圧は上記実施形態と同様に印加されるため、上記実施形態と同様に従来のものよりも低電圧で光を偏向できる。
<第4実施形態>
第4実施形態の偏向器100Dは、KTNを保護するため、KTNの上下面を2つのクラッド層で挟む構造としている点に特徴がある。なお、この偏向器100Dの他の構造は、図4および図5で示したものと同様である。
図10は、KTN112が2つのクラッド層192,193で挟むように構成された偏向器100Dが示してある。なお、図10は、図5(a)に対応している。
図10の例では、KTN112の厚さは、例えば0.1mmと薄くなっている。一般に、KTNの結晶が薄すぎると、結晶が物理的に破壊されるおそれがあるが、図10の偏向器100Dでは、KTN112をクラッド層192,193で挟むことによって、KTN112が十分な強度を保つようにしている。
また、偏向器100Dの他の構造は、第1実施形態で示したものと同様であるので、偏向器100Dは、従来のものよりも低電圧で光を偏向できる。
KTN112において入射光が導波モードするために、クラッド層192,193は、KTN112より屈折率の低い材料を使用する必要がある。クラッド層192,193の材料としては、例えばKT(KTaO3)があり、これは接着剤によってKTN112と接着される。
なお、誘電体材料を、スピンコートによって塗布することでクラッド層192,193とKTN112とを接着することもできる。
<第5実施形態>
第5実施形態の偏向器100Eは、KTNを保護するため、KTNの下面にクラッド層を形成している点に特徴がある。なお、この偏向器100Eの他の構造は、図8で示したものと同様である。
図11は、KTN112の下面にクラッド層194が形成された偏向器100Eが示してある。なお、図11は、図8(b)に対応している。
図11の例では、KTN112の厚さは、例えば0.1mmと薄くなっている。このため、本実施形態の偏向器100Eでは、KTN112の下面を補強するために、クラッド層194を有する。
この場合、第4実施形態で説明したとおり、クラッド層194は、KTN112より屈折率の低い材料を使用する必要があるので、クラッド層194の材料としては、例えばKT(KTaO3)があり、これは接着剤によってKTN112と接着される。
なお、マトリクス状の偏向用電極上において、第4実施形態で説明したように、誘電体材料をスピンコートによって塗布するようにしてもよい。
なお、上記各実施形態および変形例は変更するようにしてもよい。例えば、第1〜第5実施形態および第2実施形態の変形例において、偏向用電極は、入射光の波長に対して透明な電極としてもよい。このようにすると、電極面において光が吸収されるような、KTN112の厚みよりもビーム径が大きくなる場合、または、何らかの原因によりビームがKTN112のX方向の中心部に入力されずに電極にかかってしまうような場合に、(電極による)ビームの光損失を防ぐことができて、有効である。
また、上記各実施形態および上記変形例において、電気光学結晶としてのKTN112の場合について説明したが、変更するようにすることができる。例えば、結晶の主成分が、周期律表Ia族とVa族から構成されており、Ia族はカリウムであり、Va族はニオブまたはタンタルの少なくとも1つを含むようにすることができ、さらに、添加不純物としてカリウムを除く周期律表Ia族、例えばリチウムまたはIIa族の1または複数種を含むもの(例えばKTLN)とすることもできる。
上記各実施形態および上記変形例において、KTN112の結晶厚(Z方向の結晶長さ)は、印加電圧用の電極間の距離の1/10以下の場合で説明したが、この1/10の値は、従来のものよりも低電圧で光を偏向できるという効果を奏するのであれば、変更することができる。
上記各実施形態および各実施形態の中で説明した変形例等は、すべての実施形態の偏向器と組み合わせて実施することができる。
100,100A〜100E 偏向器
112 KTN
101,102,117a,117b 電極
190 電極アレイ
192,193,194 クラッド層

Claims (5)

  1. 入射光を所定の角度に偏向する出射光として出射する電気光学結晶と、
    前記電気光学結晶表面において前記入射光と出射光とのなす面に平行な前記電気光学結晶表面の少なくとも一面に配置され、前記電気光学結晶に電圧を印加する複数の印加用電極とを備え、
    前記電気光学結晶表面において、入射方向および前記入射方向に垂直な方向の各々に沿ってマトリクス状に設けられた電極群からなる電極アレイをさらに備え、
    前記複数の印加用電極は、前記電極アレイの前記電極群のうち、前記偏向される光線の経路に沿って、電圧の印加されない電極を挟むように設けられた複数の一対電極からなることを特徴とする偏向器。
  2. 電子注入用のバースト電圧を印加する電子注入用電極をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の偏向器。
  3. 前記電気光学結晶の少なくとも一方の表面に、当該電気光学結晶よりも屈折率の低い材料を有するクラッド層をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の偏向器。
  4. 前記電極アレイ中の前記電極は、入射光の波長に対して透明であることを特徴とする請求項に記載の偏向器。
  5. 前記電気光学結晶の前記結晶表面に垂直な方向の厚さは、前記複数の印加用電極間の間隔の1/10以下となるように設定される請求項1ないしのいずれか1項に記載の偏向器。
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