JP5170439B2 - 固体レーザ発振器 - Google Patents

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Description

この発明は、共振器内部波長変換方式の固体レーザ発振器に係り、特に、第3高調波レーザ光による光学部品への負荷を低減させた固体レーザ発振器に関する。
従前より様々な物品の加工に用いる固体レーザ発振器は広く普及しており、このような固体レーザ発振器で用いるレーザとしては、Nd:YAGレーザ等が知られている。Nd:YAGレーザは近赤外波長領域のレーザであり、鉄やアルミ等の加工に適している一方で、近赤外波長領域の吸収率が低い銅などの加工にはあまり適していない。
このため、β−BaB24(BBO)、LiB35(LBO)、KTiOPO4(KTP)、LiNbO3、等の非線形光学結晶を用いてNd:YAGレーザの波長を変換し、加工対象となる物質に適した波長の高調波を発生させるという技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
非線形光学結晶で波長変換されたレーザ光のうち、基本となる波長の1/2の波長を持つレーザ光を第2高調波レーザ光(SHG:Second harmonic generation)、1/3の波長を持つレーザ光を第3高調波レーザ光(THG:Third harmonic generation)と呼ぶ。Nd:YAGレーザの第2高調波レーザ光は波長が532nmであり、Nd:YAGレーザの第3高調波レーザ光は、波長が355nmである。第3高調波レーザ光は、基本波レーザ光、第2高調波レーザ光と比べて幅広い物質の加工に適している。
このような第2高調波、第3高調波を得るための非線形光学結晶を用いた波長変換方式としては、内部波長変換方式(共振器内部波長変換方式)と、外部波長変換方式(多段集光器外部波長変換方式)とがある。
共振器内部波長変換方式は、共振器内部に非線形光学結晶を設置する方式である。共振器内部波長変換方式は多段集光器外部波長変換方式と比べてレーザ光の変換効率は高く、マルチモード時には10%以上の変換効率で基本波レーザ光から第2高調波レーザ光へ変換することも可能である。その一方で、多段集光器型共振器を用いることが不可能であるため高出力が得られにくく、第2高調波レーザ光で最大100W程度である。
多段集光器外部波長変換方式は、多段集光器外部に非線形光学結晶を設置する方式である。外部波長変換方式は、多段集光器を用いることができるため高出力が可能となり、第2高調波レーザ光で200W以上の出力を得ることも可能である。その一方で、変換効率が低く、マルチモード時でも第2高調波へ変換できるのは5%程度である。
従来の共振器内部波長変換方式の固体レーザ発振器の一例が図3に示されている。同図において、10は固体レーザ発振器、11は第1の平面ミラー(基本波反射)、12はQスイッチ、13は固体レーザ媒質、14は光分離用平面ミラー(基本波透過、第2高調波反射)、15はレンズ(基本波透過、第2高調波透過)、16は光分離用平面ミラー(基本波反射、第2高調波反射、第3高調波透過)、17aは第3高調波用非線形光学結晶、17bは第2高調波用非線形光学結晶、18は第2の平面ミラー(基本波反射、第2高調波反射、第3高調波反射)である。
この例において基本波レーザ光、第1の平面ミラー11と第2の平面ミラー18との間で共振する。具体的には、固体レーザ媒質13にて発生した基本波レーザ光は、Qスイッチ12a、固体レーザ媒質13、Qスイッチ12bを透過することで増幅され、光分離用平面ミラー14を透過し、レンズ15aを介して、光路に対して45°の角度に設けられた光分離用平面ミラー16にて反射されることで90°曲げられる。90°曲げられた基本波レーザ光は、第3高調波用非線形光学結晶17aを透過し、レンズ15bを介して第2高調波用非線形光学結晶17bに入射し、その一部が第2高調波に波長変換される。第2高調波用非線形光学結晶17bを出た基本波レーザ光は、第2の平面ミラー18にて折り返され、第2高調波用非線形光学結晶17bを透過しその一部が第2高調波に変換され、レンズ15bを介して第3高調波用非線形光学結晶17aに入射し、光分離用平面ミラー16にて反射されることで90°曲げられる。90°曲げられた基本波レーザ光は、レンズ15aを介して光分離用平面ミラー14、Qスイッチ12b、固体レーザ媒質13、Qスイッチ12aを透過し、第1の平面ミラー11にて反射される。
第2高調波レーザ光は、基本波レーザ光が第2高調波用非線形光学結晶17bを透過した際に、基本波レーザ光の一部が波長変換されることによって発生し、光分離用平面ミラー14と第2の平面ミラー18との間で共振する。具体的には、第2高調波用非線形光学結晶17bにて発生した第2高調波レーザ光は、第2の平面ミラー18にて折り返され、第2高調波用非線形光学結晶17bを透過し、レンズ15bを介して第3高調波用非線形光学結晶17aに入射する。この際、基本波レーザ光と第2高調波レーザ光とが第3高調波用非線形光学結晶17aに入射することにより、その一部が第3高調波レーザ光に波長変換される。第3高調波用非線形光学結晶17aを出た第2高調波レーザ光は、光路に対して45°の角度に設けられた光分離用平面ミラー16にて反射されることで90°曲げられ、レンズ15aを介して光分離用平面ミラー14にて折り返される。
第3高調波レーザ光は、基本波レーザ光と第2高調波レーザ光とが第3高調波用非線形光学結晶17aに入射することにより、その一部が第3高調波レーザ光に波長変換されることで発生し、第3高調波を透過する光分離用平面ミラー16にて共振器の外へ取り出される。具体的には、第3高調波用非線形光学結晶17aを出た第3高調波レーザ光は、レンズ15bを介して第2高調波用非線形光学結晶17bを透過し、第2の平面ミラー18にて折り返され、第2高調波用非線形光学結晶17bを透過し、レンズ15bを介して第3高調波用非線形光学結晶17aを透過し、第3高調波レーザ光のみを透過する光分離用平面ミラー16にて共振器の外へ取り出される。
また出願人は、先にこれらの2つの方式のメリットを兼ね備えた共振器内部波長変換方式を提案している(特許文献2参照)。この共振器内部波長変換方式の固体レーザ発振器によれば、多段集光器接続によって高出力化が可能となり、内部波長変換方式であるが故の高い変換効率も得られる。
特開平11−284269号公報 特開2006−156677号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載された固体レーザ発振器では、発生した第3高調波が第2高調波用非線形光学結晶などの光学部品を透過、もしくは反射することによって光学部品が損耗し、光学部品の寿命が短くなる要因になっている。
また、第3高調波が透過、もしくは反射する光学部品については、第3高調波を透過させるための誘電体多層膜を設ける必要があるが、誘電体多層膜が設けられることで各光学部品の耐久性が落ち、コストもかかる。
ここで、光学部品の劣化は第3高調波取出用の光分離用平面ミラー(図3においては符号16)についても例外ではなく、第3高調波レーザ光を透過させて基本波レーザ光及び第2高調波レーザ光から分離するための平面ミラーは損耗が激しい。
一般的に、ほとんどの光学部品にはARコート(Anti Reflection)と言われる反射防止膜が設けられているが、特定の波長のレーザをほぼ100%反射させるための誘電体多層膜は、必要とされる反射率がARコートよりも高く、反射を高めるためにはより多くの膜数が必要となる。また、設ける誘電体多層膜を増やすほどに光学部品のコストは上がり、部品寿命は短くなる。
本願はこのような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、共振器内部の光学部品への負荷を低減させて、光学部品の長期使用を可能とし、かつ安定なレーザ発振器を提供することにある。
本発明の他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
上記の目的を達成するために、本発明の固体レーザ発振器は、共振用の第1の平面ミラーと第2の平面ミラーとの間で波長変換を行うものである。
第1の平面ミラーと第2の平面ミラーとの間の光路上には、基本波レーザ光を発生させる固体レーザ媒質と、前記基本波レーザ光が透過することで第2高調波レーザ光を発生させる第2高調波用非線形光学結晶と、前記基本波レーザ光と第2高調波レーザ光とが透過することで第3高調波レーザ光を発生させる第3高調波用非線形光学結晶と、前記基本波レーザ光と第2高調波レーザ光とを透過し、第3高調波レーザ光を反射する光分離用平面ミラーと、が配置されている。
前記光分離用平面ミラーは、前記第3高調波用非線形光学結晶の両側に設けられ、第3高調波用非線形光学結晶と、固体レーザ媒質及び第2高調波用非線形光学結晶とを隔てている。
前記第3高調波レーザ光は、第3高調波用非線形光学結晶の両側に設けられた光分離用平面ミラーのいずれか一方によって共振器の外に取り出される。
このような構成によれば、第3高調波レーザ光は固体レーザ媒質、第2高調波発生用非線形光学結晶、第1の平面ミラー、第2の平面ミラーなどに触れずに固体レーザ発振器の外へ取り出されるため、これらの光学部品にかかる負荷が減少し光学部品の長期使用が可能となる。
また、第3高調波レーザ光の取出に用いる光分離用平面ミラーについても、第3高調波レーザ光を反射させることで取り出しているため、第3高調波レーザ光を透過させて取り出す場合と比べて、光分離用平面ミラーの損耗も抑えられる。このため、従来の固体レーザ発振器と比べて光学部品の寿命が延び、コストも抑えられる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1の平面ミラーと前記第2の平面ミラーとの間の光路上には、第1の平面ミラー、固体レーザ媒質、光分離用平面ミラー、第3高調波用非線形光学結晶、光分離用平面ミラー、第2高調波用非線形光学結晶、第2平面ミラーの順に各光学部品が配置されているようにしてもよい。
前記固体レーザ媒質と前記第2の平面ミラーとの間には、前記第3高調波用非線形光学結晶を挟むように一対のレンズが配置され、レンズと第3高調波用非線形光学結晶との間の間隔は、前記レンズの焦点距離と等しくなるように構成してもよい。
このような構成によれば、レンズの共焦点位置に第3高調波用非線形光学結晶を配置することにより、レーザ光の励起強度が小さい場合には結晶内ビーム径も小さくなり、レーザ光の励起強度が大きい場合には結晶内ビーム径も大きくなる。このため、第3高調波用非線形光学結晶内のエネルギー密度は励起強度によらずほぼ一定に保たれ、高出力化に伴う非線形光学結晶の破壊や劣化が防止され、また、レーザ光の高い安定性も実現される。
以上、本発明の固体レーザ発振器によれば、第3高調波レーザ光は固体レーザ媒質、第2高調波発生用非線形光学結晶、第1の平面ミラー、第2の平面ミラーなどに触れずに固体レーザ発振器の外へ取り出されるため、これらの光学部品にかかる負荷が減少し光学部品の長期使用が可能となる。
また、第3高調波レーザ光の取出に用いる光分離用平面ミラーについても、第3高調波レーザ光を反射させることで取り出しているため、第3高調波レーザ光を透過させて取り出す場合と比べて、光分離用平面ミラーの損耗も抑えられる。このため、従来の固体レーザ発振器と比べて光学部品の寿命が延び、コストも抑えられる。
以下において、この発明に係る固体レーザ発振器の実施の一形態を添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述で限定されるものではない。
本発明の固体レーザ発振器の第1の実施形態が図1に示されている。同図において、100は固体レーザ発振器、101は第1の平面ミラー(基本波反射)、102はQスイッチ、103は固体レーザ媒質、104は光分離用平面ミラー(基本波透過、第2高調波反射)、105はレンズ、106は光分離用平面ミラー(基本波透過、第2高調波透過、第3高調波反射)、107aは第3高調波用非線形光学結晶、107bは第2高調波用非線形光学結晶、108は第2の平面ミラー(基本波反射、第2高調波反射)、109は平面ミラー(第3高調波反射)である。
図1の例では、これらの光学部品は、第1の平面ミラー101と第2の平面ミラー108とを結ぶ光路上に、第1の平面ミラー側から、第1の平面ミラー101、Qスイッチ102a、固体レーザ媒質103、Qスイッチ102b、光分離用平面ミラー104、レンズ105a、光分離用平面ミラー106a、第3高調波用非線形光学結晶107a、レンズ105b、光分離用平面ミラー106b、第2高調波用非線形光学結晶107b、第2の平面ミラーの順で配置されている。ここで、光分離用平面ミラー106a,106bは、第1の平面ミラー101と第2の平面ミラー108とを結ぶ光路に対して45°の角度で配置され、光分離用平面ミラー106bで反射された第3高調波レーザ光は、90°に折れ曲がったレーザ光に対して直交するように設けられた平面ミラー109にて反射されて元の光路に戻る。また、光分離用平面ミラー106aで反射された第3高調波レーザ光は、固体レーザ発振器の外に取り出される。
平面ミラーにはそれぞれ反射する波長、透過する波長に対応する誘電体多層膜が設けられている。具体的には、第1の平面ミラー101には、基本波レーザ光を反射する誘電体多層膜が設けられている。光分離用平面ミラー104には、基本波レーザ光を透過する誘電体多層膜と、第2高調波レーザ光を反射する誘電体多層膜が設けられている。光分離用平面ミラー106a,106bには、基本波レーザ光を透過する誘電体多層膜と、第2高調波レーザ光を透過する誘電体多層膜と、第3高調波レーザ光を反射する誘電体多層膜とが設けられている。第2の平面ミラー108には、基本波レーザ光を反射する誘電体多層膜と、第2高調波レーザ光を反射する誘電体多層膜が設けられている。平面ミラー109には、第3高調波レーザ光を反射する誘電体多層膜が設けられている。
Qスイッチは102、レーザの損失を調整して増幅させるための装置であり、図1の例においては、固体レーザ媒質103の両側に1つずつ設けられている。固体レーザ媒質103にて発生した基本波レーザ光は、Qスイッチ102を通すことで増幅される。
固体レーザ媒質103としては、Nd:YAG、YAG、ルビーなどがある。これらの固体レーザ媒質103を光源(図示せず)を用いて励起させることで、固体レーザ媒質103から基本波レーザ光が発生する。
レンズ105a及びレンズ105bは、第3高調波用非線形光学結晶107aを挟むように配置され、共に、第3高調波用非線形光学結晶107aに焦点を合わせるように設置されている。また、レンズ105aには、基本波レーザ光を透過する誘電体多層膜と、第2高調波レーザ光を透過する誘電体多層膜とが設けられ、レンズ105bには、基本波レーザ光を透過する誘電体多層膜と、第2高調波レーザ光を透過する誘電体多層膜と、第3高調波レーザ光を透過する誘電体多層膜とが設けられている。
第2高調波用非線形光学結晶は、基本波レーザ光が透過することで、基本波レーザ光の一部を基本波レーザ光の2倍の波長である第2高調波レーザ光に変換させる。
第3高調波用非線形光学結晶は、基本波レーザ光と第2高調波レーザ光とが透過することで、これらのレーザ光の一部を基本波レーザ光の3倍の波長である第3高調波レーザ光に変換させる。
同図の例において、固体レーザ発振器100から第3高調波レーザ光を取り出す流れを詳細に説明する。固体レーザ媒質103で発生した基本波レーザ光は、Qスイッチ102aを通過して第1の平面ミラー101で折り返され、Qスイッチ102a、固体レーザ媒質103、Qスイッチ102bを通過する間に増幅され、光分離用平面ミラー104、光分離用平面ミラー106a,106bを透過し、レンズ105a、105bを介して第2高調波用非線形光学結晶107bに入射する。固体レーザ媒質103にて発生する基本波レーザ光は、例えば、Nd:YAGレーザであれば波長1064nmのレーザ光である。
基本波レーザ光が第2高調波用非線形光学結晶107bに入射することにより、基本波レーザ光の一部が第2高調波レーザ光に波長変換される。第2高調波レーザ光は、例えば、Nd:YAGレーザの第2高調波であれば、波長532nmである。
第2高調波用非線形光学結晶107bを通過した基本波レーザ光、及び第2高調波レーザ光は、第2の平面ミラー108にて折り返され、第2高調波用非線形光学結晶107bを通過し、再度基本波レーザ光の一部が第2高調波レーザ光に波長変換される。次いで、光分離用平面ミラー106bを透過し、レンズ105bを介して、第3高調波用非線形光学結晶107aに入射する。
第3高調波用非線形光学結晶107aを透過した第2高調波レーザ光は、レンズ105aを介して光分離用平面ミラー104にて反射され、光分離用平面ミラー104と第2の平面ミラー108にとの間で共振する。
第3高調波は、基本波レーザ光と第2高調波レーザ光とが第3高調波用非線形光学結晶107aに入射し、入射したレーザ光の一部が波長変換されることによって発生する。第3高調波レーザ光は、例えば、Nd:YAGレーザの第3高調波であれば、波長355nmである。
第3高調波用非線形光学結晶107aにて発生した第3高調波レーザ光は、光分離用平面ミラー106a側、即ちこの図では左方向に発生したものは、光路と45°の角度で配置された光分離用平面ミラー106aによって外部に取り出される。また、レンズ105b側、即ちこの図では右方向に発生した第3高調波レーザ光は、レンズ105bを介して、光路と45°の角度で配置された光分離用平面ミラー106bで反射され、平面ミラー109にて折り返される。ここで、平面ミラー109を、平面ミラー109に向かって進む第3高調波レーザ光と、平面ミラー109に反射して折り返された第3高調波レーザ光との位相が重なるような位置に配置することにより、高出力の第3高調波を取り出しやすくなる。平面ミラー109にて反射された第3高調波は、再度レンズ105bを介して、第3高調波用非線形光学結晶107aを通過し、光分離用平面ミラー106aによって固体レーザ共振器100の外に取り出される。
このような図1の構成によれば、第3高調波レーザ光が固体レーザ媒質103、第2高調波用非線形光学結晶107b、第1の平面ミラー101、第2の平面ミラー108を透過、もしくは反射することなく固体レーザ発振器の外に取り出されるため、これらの光学部品の負荷が減少し、光学部品の長期使用が可能となり、光学部品に関するコストも抑えられる。
また、共振器内部に非線形光学結晶を配置する共振器内部波長変換方式を採用したことにより、光学部品の損耗を抑えながらも、高出力の第3高調波レーザ光を得ることが可能となる。特に、平面ミラー109にて第3高調波レーザ光の位相を調整することで、第3高調波が固体レーザ発振器の外に取り出される際の取出効率が高くなり、従来の固体レーザ発振器と同等の第3高調波レーザ光の取出効率、及び変換効率が得られる。
また、レンズ105a,105bを適切な位置に配置したことにより、第3高調波用非線形光学結晶内においてレーザ光のエネルギーが減少しにくくなり、第3高調波レーザ光の高出力化が容易となる。
更に、第3高調波レーザ光を取り出すための光分離用平面ミラー106a,106bについても、第3高調波レーザ光を透過させず反射させることで取り出すため、透過で取り出す場合と比べて平面ミラーの負荷が減る。
即ち、光分離用平面ミラー106bにて基本波レーザ光及び第2高調波レーザ光と、第3高調波レーザ光とを分離して共振させることで、3つの波長のレーザ光が集光して透過、または反射する場合と比べて光学部品への負荷が軽減される。これにより、各光学部品の寿命が延び、長期使用が可能となるものである。
本発明の固体レーザ発振器の第2の実施形態が図2に示されている。同図において、符号101〜108は図1と同様であり、110は光分離用平面ミラー(基本波透過、第2高調波透過、第3高調波反射)である。
図2の例では、これらの光学部品は、第1の平面ミラー101と第2の平面ミラー108とを結ぶ光路上に、第1の平面ミラー側から、第1の平面ミラー101、Qスイッチ102a、固体レーザ媒質103、Qスイッチ102b、光分離用平面ミラー104、レンズ105a、光分離用平面ミラー106a、第3高調波用非線形光学結晶107a、光分離用ミラー110、レンズ105b、第2高調波用非線形光学結晶107b、第2の平面ミラーの順で配置されている。ここで、光分離用平面ミラー106aは第1の平面ミラー101と第2の平面ミラー108とを結ぶ光路に対して45°の角度で設置され、光分離用平面ミラー106aで折り曲げられた第3高調波レーザ光は、固体レーザ発振器の外に取り出される。
図2の例において、固体レーザ発振器100から第3高調波レーザ光を取り出す流れを詳細に説明する。固体レーザ媒質103で発生した基本波レーザ光は、Qスイッチ102aを通過して第1の平面ミラー101で反射され、Qスイッチ102a、固体レーザ媒質103、Qスイッチ102bを通過する間に増幅される。基本波レーザ光は、次いで、光分離用平面ミラー104、光分離用平面ミラー106a,110を透過し、レンズ105a、105bを介して第2高調波用非線形光学結晶107bに入射し、基本波レーザ光の一部が第2高調波レーザ光に変換されることで、第2高調波が発生する。
第2高調波用非線形光学結晶107bを通過した基本波レーザ光、及び第2高調波レーザ光は、第2の平面ミラー108にて反射され、第2高調波用非線形光学結晶107bを通過し、再度基本波レーザ光の一部が第2高調波レーザ光に波長変換され、光分離用平面ミラー110を透過し、レンズ105bを介して、第3高調波用非線形光学結晶107aに入射する。基本波レーザ光と第2高調波レーザ光とが第3高調波用非線形光学結晶107aに入射することによって、入射したそれらレーザ光の一部が第3高調波レーザ光に変換されることで、第3高調波が発生する。
第3高調波用非線形光学結晶107aにて発生した第3高調波レーザ光は、光分離用平面ミラー106a側、即ちこの図では左向きに発生したものは、光分離用平面ミラー106aにて外部に取り出される。また、光分離用平面ミラー110側、即ちこの図では右向きに発生したものは、光分離用平面ミラー110にて反射され、再度第3高調波用非線形光学結晶107aを通過して、光分離用平面ミラー106aによって外部に取り出される。
このような構成を採用することにより、第3高調波レーザ光が固体レーザ媒質103、第2高調波用非線形光学結晶107b、第1の平面ミラー101、第2の平面ミラー108を透過、もしくは反射されることなく固体レーザ発振器の外に取り出されるため、これらの光学部品の負荷が減少して光学部品の長期使用が可能となる。また、ミラー等に設ける透過誘電体多層膜の数も少なくて済むためコストも安価となる。加えて、図1の例よりも平面ミラーによる反射が1回少ないため、第3高調波レーザ光のエネルギーのロスが少ないものとなる。
更に、図1の例と同様に、第3高調波レーザ光を取り出すための光分離用平面ミラー106a,106bについても、第3高調波レーザ光を透過させず反射させることで取り出すため、透過で取り出す場合と比べて平面ミラーの負荷が減る。
即ち、光分離用平面ミラー110にて基本波レーザ光及び第2高調波レーザ光と、第3高調波レーザ光とを分離して共振させることで、3つの波長のレーザ光が集光して透過、または反射する場合と比べて光学部品への負荷が軽減される。これにより、各光学部品の寿命が延び、長期使用が可能となるものである。
以上述べたように、本発明の固体レーザ発振器によれば、第3高調波レーザ光は固体レーザ媒質、第2高調波発生用非線形光学結晶、第1の平面ミラー、第2の平面ミラーなどに触れずに固体レーザ発振器の外へ取り出されるため、これらの光学部品にかかる負荷が減少し光学部品の長期使用が可能となる。
また、第3高調波レーザ光の取出に用いる光分離用平面ミラーについても、第3高調波レーザ光を反射させることで取り出しているため、第3高調波レーザ光を透過させて取り出す場合と比べて、光分離用平面ミラーの損耗も抑えられる。このため、従来の固体レーザ発振器と比べて光学部品の寿命が延び、コストも抑えられる。
更に、レンズの共焦点位置に第3高調波用非線形光学結晶を配置することにより、レーザ光の励起強度が小さい場合には結晶内ビーム径も小さくなり、レーザ光の励起強度が大きい場合には結晶内ビーム径も大きくなる。このため、第3高調波用非線形光学結晶内のエネルギー密度は励起強度によらずほぼ一定に保たれ、高出力化に伴う非線形光学結晶の破壊や劣化が防止され、また、レーザ光の高い安定性も実現される。
このような固体レーザ発振器の具体的な用途としては、アニール、表面改質、露光等のエキシマレーザが使用されている分野において、エキシマレーザと同様に用いることが可能であると考えられる。
本発明の固体レーザ発振器の第1の実施形態を示す図である。 本発明の固体レーザ発振器の第2の実施形態を示す図である。 従来の固体レーザ発振器の一例を示す図である。
符号の説明
10 固体レーザ発振器
11 第1の平面ミラー(基本波反射)
12 Qスイッチ
13 固体レーザ媒質
14 光分離用平面ミラー(基本波透過、第2高調波反射)
15 レンズ
16 光分離用平面ミラー(基本波反射、第2高調波反射、第3高調波透過)
17a 第3高調波用非線形光学結晶
17b 第2高調波用非線形光学結晶
18 第2の平面ミラー(基本波反射、第2高調波反射、第3高調波反射)
100 固体レーザ発振器
101 第1の平面ミラー(基本波反射)
102 Qスイッチ
103 固体レーザ媒質
104 光分離用平面ミラー(基本波透過、第2高調波反射)
105 レンズ
106 光分離用平面ミラー(基本波透過、第2高調波透過、第3高調波反射)
107a 第3高調波用非線形光学結晶
107b 第2高調波用非線形光学結晶
108 第2の平面ミラー(基本波反射、第2高調波反射)
109 平面ミラー(第3高調波反射)
110 光分離用平面ミラー(基本波透過、第2高調波透過、第3高調波反射)

Claims (2)

  1. 共振用の第1の平面ミラーと第2の平面ミラーとの間で波長変換を行う固体レーザ発振器であって、
    第1の平面ミラーと第2の平面ミラーとの間の光路上には、
    基本波レーザ光を発生させる固体レーザ媒質と、
    前記基本波レーザ光が透過することで第2高調波レーザ光を発生させる第2高調波用非線形光学結晶と、
    前記基本波レーザ光と第2高調波レーザ光とが透過することで第3高調波レーザ光を発生させる第3高調波用非線形光学結晶と、
    前記基本波レーザ光と第2高調波レーザ光とを透過し、第3高調波レーザ光を反射する光分離用平面ミラーと、が配置され、
    前記光分離用平面ミラーは、前記第3高調波用非線形光学結晶の両側に設けられ、第3高調波用非線形光学結晶と、固体レーザ媒質及び第2高調波用非線形光学結晶とを隔てており、
    前記第3高調波レーザ光は、第3高調波用非線形光学結晶の両側に設けられた光分離用平面ミラーのいずれか一方によって共振器の外に取り出され
    前記第1の平面ミラーと前記第2の平面ミラーとの間の光路上には、第1の平面ミラー、固体レーザ媒質、光分離用平面ミラー、第3高調波用非線形光学結晶、光分離用平面ミラー、第2高調波用非線形光学結晶、第2平面ミラーの順に各光学部品が配置されている、ことを特徴とする固体レーザ発振器。
  2. 前記固体レーザ媒質と前記第2の平面ミラーとの間には、前記第3高調波用非線形光学結晶を挟むように一対のレンズが配置され、レンズと第3高調波用非線形光学結晶との間の間隔は、前記レンズの焦点距離と等しい、ことを特徴とする請求項1に記載の固体レーザ発振器。
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