JP2010278289A - レーザ発振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の小型化を実現し、複数段階の波長変換を高い変換効率で高出力のレーザ光を得、さらに各段階の波長変換により得られたレーザ光を適切に取り出して活用できるレーザ発振装置を提供する。
【解決手段】レーザダイオードにより出力されミラー11を透過して入射された励起光によりYAG結晶22を励起し、Qスイッチ23によりパルス発振させて波長1μm帯レーザ光を生成する第1レーザ共振器と、第1レーザ共振器内の波長変換結晶42により波長1μm帯レーザ光を互いに波長の異なる波長2μm帯第1レーザ光と波長2μm帯第2レーザ光とに変換する第1波長変換共振器と、第1波長変換共振器内に配置された波長変換結晶102により波長2μm帯第1レーザ光を互いに波長の異なる波長3μm帯レーザ光と波長4μm帯レーザ光とに変換して出力する第2波長変換共振器と、波長2μm帯第2レーザ光を共振させて出力する第2レーザ共振器とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】レーザダイオードにより出力されミラー11を透過して入射された励起光によりYAG結晶22を励起し、Qスイッチ23によりパルス発振させて波長1μm帯レーザ光を生成する第1レーザ共振器と、第1レーザ共振器内の波長変換結晶42により波長1μm帯レーザ光を互いに波長の異なる波長2μm帯第1レーザ光と波長2μm帯第2レーザ光とに変換する第1波長変換共振器と、第1波長変換共振器内に配置された波長変換結晶102により波長2μm帯第1レーザ光を互いに波長の異なる波長3μm帯レーザ光と波長4μm帯レーザ光とに変換して出力する第2波長変換共振器と、波長2μm帯第2レーザ光を共振させて出力する第2レーザ共振器とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数の非線形光学結晶により2段波長変換を行って所定の波長帯のレーザ光を出力するレーザ発振装置に関する。
従来から、波長1μm帯の赤外レーザからOPO(光パラメトリック発振)を利用して複数の非線形光学結晶による2段波長変換を行い、波長3μm帯及び波長4μm帯の赤外レーザを得るレーザ発振装置が知られている。このOPOは、波長λpの励起光から波長λsと波長λiとの2つの波長を発生する現象であり、これら波長λs、波長λiの関係は、以下に示す(1)式で表される。
1/λp=(1+λs)+(1/λi) …(1)
ここで、一般のOPOによって生じる光のうち短波長の光はシグナル光(波長λs)と呼ばれており、長波長の光はアイドラ光(波長λi)と呼ばれている。これらのシグナル光及びアイドラ光の各波長の組み合わせは、OPOに用いる光学結晶の励起光に対する設置角度や温度、及びミラーの特性等に依存し、(1)を満たす限りにおいてかなりの自由度で波長選択が可能である。
ここで、一般のOPOによって生じる光のうち短波長の光はシグナル光(波長λs)と呼ばれており、長波長の光はアイドラ光(波長λi)と呼ばれている。これらのシグナル光及びアイドラ光の各波長の組み合わせは、OPOに用いる光学結晶の励起光に対する設置角度や温度、及びミラーの特性等に依存し、(1)を満たす限りにおいてかなりの自由度で波長選択が可能である。
上述したように、波長1μm帯の赤外レーザから波長3μm帯及び波長4μm帯の赤外レーザを得る場合においては、2段階の波長変換を行う必要がある。例えば第1段目のOPOで波長2μm帯のレーザ光を発振して出力し、第2段目のOPOで波長2μm帯のレーザ光を励起光として波長3μm帯及び波長4μm帯のレーザ光を発振する。
図2は、従来のレーザ発振装置の構成例を示すブロック図である。このレーザ発振装置は、図2に示すように、波長1μm帯の赤外レーザを発生させるためにNd:YAGレーザを発振し、波長変換用の非線形光学結晶としてKTP(KTiOPO4)及びZGP(ZnGeP2)を用いて2段階の波長変換を行うものである。
図2に示す従来のレーザ発振装置は、集光レンズ1、レーザ共振器2、集光レンズ3、波長変換共振器4、ミラー5,6、集光レンズ7、ファイバアンプ8、集光レンズ9、及び波長変換共振器10により構成されている。ここで、レーザ共振器2は、波長1μm帯全反射ミラー21、YAG結晶22、Qスイッチ23、ブリュスタウィンドウ24、及び波長1μm帯出力ミラー25により構成されている。また、1段目の波長変換共振器4は、波長2μm帯全反射ミラー41、波長変換結晶42、及び波長2μm帯出力ミラー43により構成されている。さらに、2段目の波長変換共振器10は、波長3・4μm帯全反射ミラー101、波長変換結晶102、及び波長3・4μm帯出力ミラー103により構成されている。
次に、図2に示す従来のレーザ発振装置の作用について述べる。まず、レーザダイオード(LD)等の励起光源により出力された励起光が集光レンズ1を介してレーザ共振器2に入射される。入射された励起光は、レーザ共振器2においてYAG結晶22のような固体レーザ媒質を励起して波長1μm帯の赤外レーザ光を出力し、さらにQスイッチ23のオン/オフによりパルス発振される。波長変換を行うレーザ光は、ある程度の強度を必要とするため、Qスイッチ23により得られるジャイアントパルスがレーザ光の強度強化に寄与しうる。また、ブリュスタウィンドウ24は、光軸に対してブリュスタ角の角度で配置され、Qスイッチ23におけるパルス発振に適した直線偏光を生成する。
波長1μm帯全反射ミラー21は、波長1μm帯のレーザ光に対して全反射である。また、波長1μm帯出力ミラー25は、波長1μm帯のレーザ光に対して部分反射である。波長1μm帯の赤外レーザ光は、レーザ共振器2の波長1μm帯全反射ミラー21と波長1μm帯出力ミラー25との間で共振状態となり、一部が波長1μm帯出力ミラー25から出力される。
レーザ共振器2により出力された波長1μm帯のレーザ光は、集光レンズ3を介して波長変換共振器4に入射される。波長変換共振器4は、KTP結晶を波長変換結晶42として利用し、波長1μm帯のレーザ光を励起光として、互いに異なる波長を有する2つのレーザ光(シグナル光、アイドラ光)を発生させる。これらのレーザ光は、いずれも波長2μm帯のレーザ光である。ここでは、シグナル光を波長2μm帯の第1レーザ光と呼び、アイドラ光を波長2μm帯の第2レーザ光と呼ぶことにする。波長2μm帯の第1レーザ光及び第2レーザ光は、波長変換共振器4の波長2μm帯全反射ミラー41と波長2μm帯出力ミラー43との間で発振し、一部が波長2μm帯出力ミラー43から出力される。
波長変換共振器4により出力された波長2μm帯の第1レーザ光及び第2レーザ光は、ミラー5に対して入射される。このミラー5は、波長2μm帯の第1レーザ光を反射させるとともに、波長2μm帯の第2レーザ光を透過させるミラーである。したがって、ミラー5により波長2μm帯の第2レーザ光は取り出され、様々な用途に利用される。一方、ミラー5により反射された波長2μm帯の第1レーザ光は、ミラー6及び集光レンズ7を介してファイバアンプ8に入射される。
ファイバアンプ8は、波長2μm帯の第1レーザ光を増幅して出力する。ファイバアンプ8により出力された波長2μm帯の第1レーザ光は、集光レンズ9を介して波長変換共振器10に入射される。
波長変換共振器10は、ZGP結晶を波長変換結晶102として利用し、波長2μm帯の第1レーザ光を励起光として、波長3μm帯のレーザ光と波長4μm帯のレーザ光とを発生させる。波長3μm帯及び波長4μm帯のレーザ光は、波長変換共振器10の波長3・4μm帯全反射ミラー101と波長3・4μm帯出力ミラー103との間で発振し、一部が波長3・4μm帯出力ミラー103から出力される。
以上のようにして、従来のレーザ発振装置は、波長3μm帯及び波長4μm帯の赤外レーザ光を得ることができる。ここで、波長変換後の出力レベルは、励起光の強さと各波長変換共振器における波長の変換効率とによって決定される。例えば、波長変換共振器4における波長変換の変換効率が25%程度であり、波長変換共振器10における波長変換効率が20%程度であるとすると、2段の波長変換を行うことにより変換効率がその積となるため、導入された波長1μm帯のレーザ光から波長4μm帯のレーザ光を得る場合の全体の変換効率は、5%程度になってしまう。
波長1μm帯出力ミラー25は、上述したようにレーザ共振器2内部で共振しているレーザ光の一部を外部に出力するため、出力されたレーザ光の強度はレーザ共振器2内部のレーザ光に比して弱いものとなる。そこで、波長変換の際の変換効率を高める方法として、共振器内(イントラキャビティ)波長変換が知られている。この方法は、1対のミラーからなるレーザ共振器内にNd:YAG等の固体レーザ媒質と非線形光学結晶素子とを配置した構造を採用することにより、レーザ共振器内の高いパワー密度を利用して波長変換を行い、高変換効率を実現するものである。
特許文献1には、所望の波長のレーザ光を得るための波長変換を行う場合に、変換効率を高めることで高出力のレーザ光を得る固体レーザ装置が記載されている。この固体レーザ装置は、イントラキャビティの構造を有しており、レーザ共振器内の強いレーザ光が非線形光学結晶を励起するため変換効率の高い波長変換を行うことができる。
図2に示す従来のレーザ発振装置は、上述したように各波長変換器における変換効率が低いため、2段の波長変換を行う場合に最終的に得られるレーザ光の強度が低く、実用的な強度のレーザ光を得るためには励起用の大型のレーザ光源が必要となる。さらに、ファイバアンプ8のような増幅手段も必要となるため、装置の大型化や高コスト化といった問題が生じる。
一方、特許文献1に記載の方法では、2段階の波長変換を行う際に、1段目の波長変換により得られたレーザ光を2段目の波長変換における励起光としてのみ使用しており、得られたレーザ光を他の用途に活用することができないという欠点を有する。したがって、この方法による固体レーザ装置は、特許文献2に記載の波長変換レーザ装置のように、波長変換により得られた波長の異なる複数のレーザ光を全て活用することができないという問題を有する。
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するもので、装置の小型化を実現するとともに、複数の非線形光学結晶により複数段階の波長変換を行い所定の波長帯のレーザ光を得る際に、高い変換効率で高出力のレーザ光を得られ、さらに各段階の波長変換により得られたレーザ光を適切に取り出して活用することができるレーザ発振装置を提供することを課題とする。
本発明に係るレーザ発振装置は、上記課題を解決するために、互いに対向配置された第1ミラー及び第2ミラーと、前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間に配置された固体レーザ媒質及びQスイッチとを有し、レーザダイオードにより出力され前記第1ミラーを透過して入射された励起光により前記固体レーザ媒質を励起し、前記Qスイッチによりパルス発振させて第1波長帯レーザ光を生成する第1レーザ共振器と、互いに対向配置された第3ミラー及び第4ミラーと、前記第3ミラーと前記第4ミラーとの間で且つ前記第1レーザ共振器内に配置された第1非線形光学結晶とを有し、第1非線形光学結晶により前記第1波長帯レーザ光を互いに波長の異なる第2波長帯レーザ光と第3波長帯レーザ光とに変換する第1波長変換共振器と、互いに対向配置された前記第2ミラー及び前記第4ミラーと、前記第2ミラーと前記第4ミラーとの間で且つ前記第1波長変換共振器内に配置された第2非線形光学結晶とを有し、前記第2非線形光学結晶により前記第2波長帯レーザ光を互いに波長の異なる第4波長帯レーザ光と第5波長帯レーザ光とに変換して出力する第2波長変換共振器と、前記第3ミラーと、前記第1非線形光学結晶と、前記第1非線形光学結晶と前記第2ミラーとの間に設けられ前記第3波長帯レーザ光を全反射させて方向転換させる方向転換用ミラーと、前記方向転換用ミラーにより全反射された前記第3波長帯レーザ光を元の方向に部分反射させることにより前記第3ミラーとの間で前記第3波長帯レーザ光を共振させて出力させる第5ミラーとを有する第2レーザ共振器とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、装置の小型化を実現するとともに、複数の非線形光学結晶により複数段階の波長変換を行い所定の波長帯のレーザ光を得る際に、高い変換効率で高出力のレーザ光を得られ、さらに各段階の波長変換により得られたレーザ光を適切に取り出して活用することができる。
以下、本発明のレーザ発振装置の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1のレーザ発振装置の構成を示す図である。図1を参照して、レーザ発振装置の構成を説明する。本実施例のレーザ発振装置は、図2で説明した従来のレーザ発振装置と同様に、波長1μm帯の赤外レーザを発生させるためにNd:YAGレーザを発振し、波長変換用の非線形光学結晶としてKTP(KTiOPO4)及びZGP(ZnGeP2)を用いて2段階の波長変換を行うものである。図1に示す本実施例のレーザ発振装置は、集光レンズ1、ミラー11,12,13,14,15,16、YAG結晶22、Qスイッチ23、ブリュスタウィンドウ24、波長変換結晶42、及び波長変換結晶102により構成されている。
ミラー11,15、YAG結晶22、Qスイッチ23、及びブリュスタウィンドウ24により構成されるレーザ共振器は、本発明の第1レーザ共振器に対応し、レーザダイオードにより出力され集光レンズ1で集光されミラー11を透過して入射された励起光により固体レーザ媒質であるYAG結晶22を励起し、Qスイッチ23によりパルス発振させて波長1μm帯レーザ光を生成する。ブリュスタウィンドウ24は、光軸に対してブリュスタ角の角度で配置され、Qスイッチ23におけるパルス発振に適した直線偏光を生成する。
ここで、ミラー11は、本発明の第1ミラーに対応する。また、ミラー15は、本発明の第2ミラーに対応する。ミラー11とミラー15とは、互いに対向配置されており、波長1μm帯レーザ光を共振させる。また、YAG結晶22、Qスイッチ23、及びブリュスタウィンドウ24は、図1に示すように、ミラー11とミラー15との間に配置されている。また、波長1μm帯レーザ光は、本発明の第1波長帯レーザ光に対応する。
次に、ミラー12,16、及び波長変換結晶42により構成される波長変換共振器は、本発明の第1波長変換共振器に対応し、波長変換結晶42により波長1μm帯レーザ光を互いに波長の異なる波長2μm帯第1レーザ光と波長2μm帯第2レーザ光とに変換する。
ここで、ミラー12は、本発明の第3ミラーに対応する。また、ミラー16は、本発明の第4ミラーに対応する。ミラー12とミラー16とは、互いに対向配置されており、波長2μm帯第1レーザ光を共振させる。また、波長変換結晶42は、本発明の第1非線形光学結晶に対応し、図1に示すようにミラー12とミラー16との間で且つ第1レーザ共振器内に配置されている。この波長変換結晶42は、KTP結晶を利用した光パラメトリック発振器であり、パルス発振した波長1μm帯レーザ光を波長変換する。
また、波長2μm帯第1レーザ光は、本発明の第2波長帯レーザ光に対応する。さらに、波長2μm帯第2レーザ光は、本発明の第3波長帯レーザ光に対応する。また、ミラー12は、第1レーザ共振器内で且つミラー11と波長変換結晶42との間に配置され、波長1μm帯レーザ光を透過させるとともに、波長2μm帯第1レーザ光及び波長2μm帯第2レーザ光を全反射させる。
次に、ミラー15,16、及び波長変換結晶102により構成される波長変換共振器は、本発明の第2波長変換共振器に対応し、波長変換結晶102により波長2μm帯第1レーザ光を互いに波長の異なる波長3μm帯レーザ光と波長4μm帯レーザ光とに変換して出力する。
ミラー15とミラー16とは、互いに対向配置されており、波長3μm帯レーザ光と波長4μm帯レーザ光とを共振させる。また、波長変換結晶102は、本発明の第2非線形光学結晶に対応し、図1に示すようにミラー15とミラー16との間で且つ第1波長変換共振器内に配置されている。この波長変換結晶102は、ZGP結晶を利用した光パラメトリック発振器であり、波長2μm帯第1レーザ光を波長変換する。
また、波長3μm帯レーザ光は、本発明の第4波長帯レーザ光に対応する。さらに、波長4μm帯レーザ光は、本発明の第5波長帯レーザ光に対応する。また、ミラー16は、波長2μm帯第1レーザ光を全反射させるとともに、波長3μm帯レーザ光及び波長4μm帯レーザ光を部分反射させる。
ミラー12,13,14、及び波長変換結晶42により構成されるレーザ共振器は、本発明の第2レーザ共振器に対応する。ここで、ミラー13は、本発明の方向転換用ミラーに対応し、波長変換結晶42とミラー15との間に設けられ、波長2μm帯第2レーザ光を全反射させて方向転換させる。また、ミラー13は、波長1μm帯レーザ光と波長2μm帯第1レーザ光とを透過させる。
さらに、ミラー14は、本発明の第5ミラーに対応し、ミラー13により全反射された波長2μm帯第2レーザ光を元の方向に部分反射させることによりミラー12との間で波長2μm帯第2レーザ光を共振させるとともに、その一部を出力させる。
ミラー15は、第1波長変換共振器内で且つミラー13と波長変換結晶102との間に配置され、波長2μm帯第1レーザ光を透過させるとともに、波長1μm帯レーザ光、波長3μm帯レーザ光、及び波長4μm帯レーザ光を全反射させる。ここで詳述すると、図2で説明した従来のレーザ発振装置におけるレーザ共振器2の波長1μm帯出力ミラー25は、波長1μm帯レーザ光を出力する必要があったため、波長1μm帯レーザ光を部分反射し、一部を出力するミラーである必要があった。これに対し、本実施例のレーザ発振装置におけるミラー15は、第1レーザ共振器の外部に波長1μm帯レーザ光を出力する必要が無いため、波長1μm帯レーザ光を全反射させるという特徴を有する。
次に、上述のように構成された本実施の形態の作用を説明する。まず、レーザダイオード(LD)等の励起光源により出力された励起光が集光レンズ1を介して第1レーザ共振器に入射される。ミラー11を全透過して入射された励起光は、ミラー11とミラー15との間で構成された第1レーザ共振器において固体レーザ媒質(YAG結晶22)を励起して波長1μm帯レーザ光を発生し、さらにQスイッチ23のオン/オフによりパルス発振される。また、ブリュスタウィンドウ24は、Qスイッチ23におけるパルス発振に適した直線偏光を生成する。
この波長1μm帯レーザ光は、ミラー11とミラー15とにより全反射され、第1レーザ共振器内で共振状態となる。出力が増加した波長1μm帯レーザ光は、第1波長変換共振器の波長変換結晶42により、互いに波長の異なる波長2μm帯第1レーザ光と波長2μm帯第2レーザ光とに変換される。図2で説明した従来のレーザ発振装置と異なり、本実施例のレーザ発振装置は、波長変換結晶42を第1レーザ共振器内に有するイントラキャビティ構造を備えているため、強度の強い波長1μm帯レーザ光に対して変換効率の高い波長変換を行うことになる。
波長2μm帯第1レーザ光は、ミラー12とミラー16とにより全反射され、第1波長変換共振器内で共振状態となる。一方、波長2μm帯第2レーザ光は、第2レーザ共振器内で共振状態となる。すなわち、波長2μm帯第2レーザ光は、ミラー13を介してミラー12とミラー14との間で反射されることにより共振状態となり、一部がミラー14から出力される。
次に、波長2μm帯第1レーザ光は、第2波長変換共振器の波長変換結晶102により、互いに波長の異なる波長3μm帯レーザ光と波長4μm帯レーザ光とに変換される。図2で説明した従来のレーザ発振装置と異なり、本実施例のレーザ発振装置は、波長変換結晶102を第1波長変換共振器内に備えているため、強度の強い波長2μm帯第1レーザ光に対して変換効率の高い波長変換を行うことになる。
波長3μm帯レーザ光と波長4μm帯レーザ光は、ミラー15とミラー16とにより全反射され、第2波長変換共振器内で共振状態となり、ミラー16から一部が出力される。
以上のようにして、本実施例のレーザ発振装置は、波長2μm帯第2レーザ光、波長3μm帯レーザ光、及び波長4μm帯レーザ光を得ることができる。
上述のとおり、本発明の実施例1の形態に係るレーザ発振装置によれば、装置の小型化を実現するとともに、複数の非線形光学結晶により複数段階の波長変換を行い所定の波長帯のレーザ光を得る際に、高い変換効率で高出力のレーザ光を得られ、さらに各段階の波長変換により得られたレーザ光を適切に取り出して活用することができる。
すなわち、本実施例のレーザ発振装置は、波長1μm帯レーザ光を増幅する手段や、波長2μm帯レーザ光を増幅する手段を用いる必要が無いため、装置の小型化に寄与しうるという利点を有する。例えば、図2に示す従来のレーザ発振装置は、波長変換共振器4の波長2μm帯出力ミラー43からレーザ光が出力される際にレーザ強度が落ちてしまうため、波長変換共振器10に入射される手前に増幅手段であるファイバアンプ8を必要としている。しかしながら、本実施例のレーザ発振装置は、波長変換結晶102を第1波長変換共振器内に備えているため、図2に示す従来のレーザ発振装置のようなファイバアンプ8が不要であり、装置の小型化、低コスト化に貢献しうる。
また、各波長変換共振器において高い変換効率で波長変換を行い、高出力のレーザ光を得ることができる。波長変換結晶42が第1レーザ共振器内に備えられた構成(イントラキャビティ)であるため、第1レーザ共振器内の強度の強い波長1μm帯レーザ光に対して波長変換を行うことができ、第1波長変換共振器における波長変換の変換効率は、例えば40%といった高い値となる。また、波長変換結晶102が第1波長変換共振器内に備えられた構成(イントラキャビティ)であるため、第1波長変換共振器内の強度の強い波長2μm帯第1レーザ光に対して波長変換を行うことができ、第2波長変換共振器における波長変換の変換効率は、例えば60%といった高い値となる。2段の波長変換を行う際の変換効率はその積となるため、導入された波長1μm帯のレーザ光から波長4μm帯のレーザ光を得る場合の全体の変換効率は、従来のレーザ発振装置に比して格段に良いものとなる。したがって、励起用の大型のレーザ光源といったものも不要となり、装置の小型化や低コスト化に貢献しうる。
さらに、本実施例のレーザ発振装置は、第2レーザ共振器を備えることにより、波長2μm帯第2レーザ光を取り出すことができるため、波長2μm帯第2レーザ光、波長3μm帯レーザ光、及び波長4μm帯レーザ光を得ることができ、各段階の波長変換により得られたレーザ光を活用することができるという利点を有する。
本発明に係るレーザ発振装置は、レーザ光の波長を変換して複数波長の赤外レーザ光を出力するレーザ発振装置に利用可能である。
1 集光レンズ
2 レーザ共振器
3 集光レンズ
4 波長変換共振器
5,6 ミラー
7 集光レンズ
8 ファイバアンプ
9 集光レンズ
10 波長変換共振器
11,12,13,14,15,16 ミラー
21 波長1μm帯全反射ミラー
22 YAG結晶
23 Qスイッチ
24 ブリュスタウィンドウ
2 レーザ共振器
3 集光レンズ
4 波長変換共振器
5,6 ミラー
7 集光レンズ
8 ファイバアンプ
9 集光レンズ
10 波長変換共振器
11,12,13,14,15,16 ミラー
21 波長1μm帯全反射ミラー
22 YAG結晶
23 Qスイッチ
24 ブリュスタウィンドウ
Claims (5)
- 互いに対向配置された第1ミラー及び第2ミラーと、前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間に配置された固体レーザ媒質及びQスイッチとを有し、レーザダイオードにより出力され前記第1ミラーを透過して入射された励起光により前記固体レーザ媒質を励起し、前記Qスイッチによりパルス発振させて第1波長帯レーザ光を生成する第1レーザ共振器と、
互いに対向配置された第3ミラー及び第4ミラーと、前記第3ミラーと前記第4ミラーとの間で且つ前記第1レーザ共振器内に配置された第1非線形光学結晶とを有し、前記第1非線形光学結晶により前記第1波長帯レーザ光を互いに波長の異なる第2波長帯レーザ光と第3波長帯レーザ光とに変換する第1波長変換共振器と、
互いに対向配置された前記第2ミラー及び前記第4ミラーと、前記第2ミラーと前記第4ミラーとの間で且つ前記第1波長変換共振器内に配置された第2非線形光学結晶とを有し、前記第2非線形光学結晶により前記第2波長帯レーザ光を互いに波長の異なる第4波長帯レーザ光と第5波長帯レーザ光とに変換して出力する第2波長変換共振器と、
前記第3ミラーと、前記第1非線形光学結晶と、前記第1非線形光学結晶と前記第2ミラーとの間に設けられ前記第3波長帯レーザ光を全反射させて方向転換させる方向転換用ミラーと、前記方向転換用ミラーにより全反射された前記第3波長帯レーザ光を元の方向に部分反射させることにより前記第3ミラーとの間で前記第3波長帯レーザ光を共振させて出力させる第5ミラーとを有する第2レーザ共振器と、
を備えることを特徴とするレーザ発振装置。 - 前記第2ミラーは、前記第1波長変換共振器内で且つ前記方向転換用ミラーと前記第2非線形光学結晶との間に配置され、前記第2波長帯レーザ光を透過させるとともに、前記第1波長帯レーザ光、前記第4波長帯レーザ光、及び前記第5波長帯レーザ光を全反射させることを特徴とする請求項1記載のレーザ発振装置。
- 前記第3ミラーは、前記第1レーザ共振器内で且つ前記第1ミラーと前記第1非線形光学結晶との間に配置され、前記第1波長帯レーザ光を透過させるとともに前記第2波長帯レーザ光及び前記第3波長帯レーザ光を全反射させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のレーザ発振装置。
- 前記第4ミラーは、前記第2波長帯レーザ光を全反射させるとともに前記第4波長帯レーザ光及び前記第5波長帯レーザ光を部分反射させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のレーザ発振装置。
- 前記方向転換用ミラーは、前記第1波長帯レーザ光と前記第2波長帯レーザ光とを透過させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のレーザ発振装置。
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---|---|---|---|
JP2009130221A JP2010278289A (ja) | 2009-05-29 | 2009-05-29 | レーザ発振装置 |
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JP2009130221A JP2010278289A (ja) | 2009-05-29 | 2009-05-29 | レーザ発振装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102522680A (zh) * | 2011-12-23 | 2012-06-27 | 中国科学院光电研究院 | 一种布儒斯特窗片的设计方法 |
CN109510057A (zh) * | 2018-12-14 | 2019-03-22 | 山西大学 | 1μm波段高峰值功率纳秒脉冲激光的产生方法 |
WO2024048420A1 (ja) * | 2022-08-31 | 2024-03-07 | ソニーグループ株式会社 | レーザ素子 |
-
2009
- 2009-05-29 JP JP2009130221A patent/JP2010278289A/ja active Pending
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