JP2001272704A - 波長変換装置およびその波長変換装置を備えたレーザ装置 - Google Patents

波長変換装置およびその波長変換装置を備えたレーザ装置

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JP2001272704A
JP2001272704A JP2000087169A JP2000087169A JP2001272704A JP 2001272704 A JP2001272704 A JP 2001272704A JP 2000087169 A JP2000087169 A JP 2000087169A JP 2000087169 A JP2000087169 A JP 2000087169A JP 2001272704 A JP2001272704 A JP 2001272704A
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harmonic
harmonic light
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nonlinear optical
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JP2000087169A
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Shuntaro Watabe
俊太郎 渡部
Takashi Suganuma
崇 菅沼
Toru Suzuki
徹 鈴木
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長変換時の変換効率を向上させることがで
きる波長変換装置を提供すること。 【解決手段】 LBO20は、基本波光を基に第2高調
波光を生成して、この第2高調波光および基本波光を出
力する。凹面鏡110においては基本波光と第2高調波
光とによる色収差は発生しない。BBO30では、基本
波光と第2高調波光との和周波混合により第3高調波光
を生成して、この第3高調波光、基本波光および第2高
調波光を出力する。凹面鏡120においては基本波光と
第3高調波光とによる色収差は発生しない。BBO40
では、基本波光と第3高調波光との和周波混合により第
4高調波光を生成して、この第4高調波光、基本波光、
第2高調波光および第3高調波光を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基本波光を基に非
線形光学素子を用いて効率良く波長変換して、高次波長
のレーザ光を生成する波長変換装置およびその波長変換
装置を備えたレーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体製造装置に用いられる露
光装置の光源は、微細加工を可能とすべく短波長化され
ている。この露光用光源の高出力化、短波長化について
は種々の研究がなされており、例えば波長変換手段によ
って短波長化するシステム(または装置あるいは方法)
が提案されている。
【0003】図12は、このようなシステムの構成を示
す構成図である。
【0004】このシステムは、チタンサファイア(Ti
3+:AlO3=Ti:S)レーザ1と、非線形光学素
子としての、燐酸二水素カリウム(KH2PO4=KD
P)2、および2つのβ−バリウム・ボレート(β−B
aB2O4=BBO)3、4と、2つのミラー5a、5
bとから構成されている。
【0005】このシステムは、「Ti:S」1からレー
ザ発振されたレーザ光を基本波ω(たとえば波長772
nm)の基本波光とし、この基本波光がKDP2に入射
されると、KDP2は、基本波光を基に第2高調波2ω
(波長386nm)の第2高調波光を生成し、この生成
した第2高調波光および残存する基本波光を出力する。
これら各光はBBO3に入射される。
【0006】BBO3では、入射した基本波光と第2高
調波光との和周波混合により第3高調波3ω(波長25
7nm)の第3高調波光を生成し、この生成した第3高
調波光、残存する第2高調波および基本波光を出力す
る。これら各光は2つのミラー5a、5bを介してBB
O4に入射される。
【0007】BBO4では、入射した3つの光のうち、
基本波光と第3高調波光との和周波混合により第4高調
波4ω(波長193nm)の第4高調波光を生成し、こ
の生成した第4高調波光、残存する第3高調波光、第2
高調波光および基本波光を出力する。
【0008】そして、これらn次の高調波光をたとえば
分散プリズム(図示せず)によって波長分散することに
より、第4高調波光のみを得ることが可能となる。
【0009】なお、BBO3は、基本波光の偏光方向に
対し垂直な偏光方向の高調波光を入射する「タイプ II
」(の角度位相整合法により高調波光を生成する結
晶)になっている。
【0010】一方、BBO4は、基本波光の偏光方向と
平行(同一)な偏光方向の高調波光を入射する「タイプ
I 」(の角度位相整合法により高調波光を生成する結
晶)になっている。
【0011】このように和周波混合によりn次の第n高
調波光を生成する装置としては、上記装置以外に、「OP
TICS LETTERS / Vol.24,No.17 / September 1,1999,pp1
230-1232」に記載されたものが知られている。
【0012】上記図12に示したシステムでは、第2高
調波発生素子(SHG)としてKDPを用いているが、
第2高調波発生素子として、やはり非線形光学素子とし
てのリチウム・トリボレート(LiB3O5=LBO)
を用いても、上記同様にして、第4高調波光を得ること
ができる。
【0013】図13は、第2高調波発生素子としてLB
Oを用いたシステムの構成を示す構成図である。
【0014】このシステムは、「Ti:S」レーザ10
と、非線形光学素子としてのLBO20および2つのB
BO30、40から構成された波長変換部50と、分散
プリズム60とから構成されている。
【0015】このシステムも、図13に示したシステム
と同様に、「Ti:S」レーザ10が波長変換部50へ
基本波光(レーザ光)を出射すると、LBO20によっ
て、この基本波(ω)光を基に第2高調波(2ω)光を
生成し、この生成された第2高調波光および残存する基
本波光を出力し、BBO30によって、基本波光と第2
高調波光との和周波混合により第3高調波(3ω)光を
生成し、この生成した第3高調波光、残存する基本波光
および第2高調波光を出力し、さらにBBO40によっ
て、基本波光と第3高調波光との和周波混合により第4
高調波(4ω)光を生成し、この生成した第4高調波
光、残存する基本波光および第2及び第3高調波光を出
力する。
【0016】ここで、たとえば基本波光が波長772n
mの場合は、第2高調波光は波長が368nmとなり、
第3高調波光は波長が257nmとなり、第4高調波光
は波長が193nmとなる。
【0017】これら基本波光および第2〜第4高調波光
は分散プリズム60によって波長分散されるので、波長
193nmの第4高調波光のみを得ることが可能とな
る。
【0018】ところで、波長変換部50は、原理的には
図13に示した構成であるが、実際には図14に示すよ
うに、各非線形光学素子に対する入射光が入射する方向
における所定位置にそれぞれ集光レンズ71、72、7
3が配置された構成になっている。
【0019】これら集光レンズ71〜73は、一般的に
非線形光学素子においてはエネルギー密度が高くないと
波長が変換されないため(或いは変換効率が悪いた
め)、光を集光することにより光のエネルギー密度を高
めるために用いられる。つまり、非線形光学素子(結
晶)への入射光パワー密度が高いほど変換効率が高くな
るので、入射光を集光レンズにより集光して非線形光学
素子へ入射させるようにしている。
【0020】ここで、波長変換部50における上記各非
線形光学素子に対する入射光または出射光の偏光方向に
ついて、図15を参照して説明する。
【0021】図15に示すように、LBO20の結晶構
成が「タイプ I 」、BBO30の結晶構成が「タイプ
II 」、BBO40の結晶構成が「タイプ I 」の場合、
基本波(ω)光がS偏光であれば、第2高調波(2ω)
光はP偏光、第3高調波(3ω)光はS偏光、第4高調
波(4ω)光はP偏光となる。ここで、P偏光を光軸に
対し水平方向の偏光、S偏光を光軸に対し垂直方向の偏
光とする。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
14に示した従来の波長変換部50では、下記のような
問題点があった。
【0023】(1)色収差による波長変換効率の低下 集光レンズ72において基本波光と第2高調波光のそれ
ぞれの焦点距離が異なり(つまり色収差)、また、集光
レンズ73において基本波光と第3高調波光のそれぞれ
の焦点距離が異なるため(つまり色収差)、前記各集光
レンズにおいて両者の光を同等に集光することが困難で
ある。
【0024】このため非線形光学素子(結晶)において
エネルギー密度を高くすることができないので、第2高
調波光から第3高調波光への波長変換、および第3高調
波光から第4高調波光への波長変換の変換効率が低下す
る。
【0025】(2)第2高調波光から第3高調波光への
波長変換の効率低下 非線形光学素子としての「タイプ II 」のBBO30
は、「タイプ I 」のBBO40と比較して非線形光学
係数が小さいため、第2高調波光から第3高調波光への
波長変換の変換効率が低い。一般的に、非線形光学係数
が大きい程、波長変換効率は向上する。
【0026】(3)第3高調波光から第4高調波光への
波長変換の効率低下 BBO30においてウォークオフ(Walk off)
による出射角のズレが発生し、この出射角のズレに起因
して基本波光と第3高調波光とを同一点に集光させるこ
とができない。このため、上記(1)と同様に、エネル
ギー密度を高くすることができないので、その分、第3
高調波光から第4高調波光への波長変換の変換効率が低
下する。
【0027】(4)第4高調波光のビームが縦長 非線形光学素子である結晶中の光軸に対し、縦方向(S
偏光方向)の波長の光に対しては許容角度が広く、一
方、横方向(P偏光方向)の波長の光に対しては許容角
度が狭いため、波長変換する際に、横方向はシビアな調
整が必要であり、一方、縦方向はラフな調整で良い。こ
のため、ラフな調整で良い縦方向(S偏光方向)の波長
の光の方が変換され易く、その結果、第4高調波光のビ
ームプロファイルが縦長になり易い。なお、BBO「タ
イプ II 」に比べてBBO「タイプI 」の結晶では特に
波長変換後のビームプロファイルが縦長になり易い。
【0028】すなわち、図15に示すように、S偏光方
向を有する基本波光とP偏光方向を有する第2高調波光
との和周波混合により第3高調波光が生成されるとき
は、生成される第3高調波光の偏光方向はS偏光方向と
なる。このとき、第3高調波光のビームが縦長のビーム
プロファイルになる。
【0029】さらに基本波光(S偏光)と第3高調波光
(S偏光)との和周波混合により第4高調波光が生成さ
れるときに、BBO「タイプ II 」を用いた波長変換で
は第3高調波光は縦長ビームにはならず、BBO「タイ
プ I 」で第4高調波光が縦長になる一方、BBO「タ
イプ I 」を用いると第3高調波光が縦長、第4高調波
光は特に縦長となる。
【0030】そこで、本発明は、波長変換時の変換効率
を向上させることができる波長変換装置を提供すること
を第1の解決課題とする。
【0031】また、本発明は、波長変換時の変換効率を
向上させ、しかも所望の第4高調波光のビームを約円形
状にすることができる波長変換装置を提供することを第
2の解決課題とする。
【0032】さらに、本発明は、波長変換時の変換効率
の向上、又は、波長変換時の変換効率を向上させると共
に所望の第4高調波光のビームを約円形状にすることに
より、効率良く短波長のレーザ光を出力することができ
るレーザ装置を提供することを第3の解決課題とする。
【0033】
【課題を解決するための手段、作用および効果】上記第
1の解決課題を達成するため、第1の発明では、(n−
1)個(nは2以上の整数)の非線形光学素子を有し、
入射した基本波光を基に前記非線形光学素子によってn
次の高調波光を生成する波長変換装置において、前記
(n−1)個の非線形光学素子のうち少なくとも1つ以
上の非線形光学素子の出力側に配置され、当該非線形光
学素子によって生成された高調波光および前記基本波光
を反射させて次段の非線形光学素子へ集光させる凹面鏡
を具備したことを特徴とする。
【0034】また、第2の発明では、第1の発明におい
て、前記凹面鏡は、(n−1)次までの各高調波光それ
ぞれを生成する非線形光学素子の出力側に配置されてい
ることを特徴とする。
【0035】次に、第1及び第2発明を図1を参照して
説明する。
【0036】基本波光がLBO20(非線形光学素子)
に入射すると、LBO20は、基本波光を基に第2高調
波光を生成して、この生成した第2高調波光および残存
する基本波光を出力する。これら各光は、凹面鏡110
を介してBBO30(非線形光学素子)に入射される。
凹面鏡110においては、基本波光と第2高調波光とに
よる色収差は発生しない。
【0037】BBO30では、入射した基本波光と第2
高調波光との和周波混合により第3高調波光を生成し
て、この生成した第3高調波光、残存する基本波光およ
び第2高調波光を出力する。これら基本波光および各高
調波光は、凹面鏡120を介してBBO40(非線形光
学素子)に入射される。凹面鏡120においては、基本
波光と第3高調波光とによる色収差は発生しない。
【0038】BBO40では、入射した基本波光および
各高調波光のうち、基本波光と第3高調波光との和周波
混合により第4高調波光を生成して、この生成した第4
高調波光、残存する基本波光、第2高調波光および第3
高調波光を出力する。
【0039】以上説明したように、第1の発明および第
2の発明によれば、凹面鏡によって色収差が生じないよ
うにしているので、基本波光から第4高調波光へ効率良
く波長変換することができる。
【0040】次に、上記第1の解決課題を達成するた
め、第3の発明では、(n−1)個(nは2以上の整
数)の非線形光学素子を有し、入射した基本波光を基に
前記非線形光学素子によってn次の高調波光を生成する
波長変換装置において、前記(n−1)個の非線形光学
素子のうち少なくとも1つ以上の非線形光学素子の出力
側に配置され、当該非線形光学素子によって生成された
高調波光および前記基本波光による色収差を除去する色
消しレンズを具備したことを特徴とする。
【0041】また、第4の発明では、第3の発明におい
て、前記色消しレンズは、(n−1)次までの各高調波
光それぞれを生成する非線形光学素子の出力側に配置さ
れていることを特徴とする。
【0042】第3及び第4発明を図2を参照して説明す
る。
【0043】基本波光と第2高調波光をBBO30へ集
光させるときに、色消しレンズ210によってこれらの
光による色収差を除去し、また、基本波と第3高調波光
をBBO40へ集光させるときに、色消しレンズ220
によってこれらの光による色収差を除去する。
【0044】以上説明したように、第3の発明および第
4の発明によれば、上記第1の発明と同様に、色消しレ
ンズによって色収差を除去するようにしているので、基
本波光から第4高調波光へ効率良く波長変換することが
できる。
【0045】次に、上記第1の解決課題を達成するた
め、第5の発明では、入射した基本波光を基にn(nは
2以上の整数)次の高調波光を生成する波長変換装置に
おいて、前記基本波光、又は、前記基本波光および該基
本波光と同一の偏光方向を有する高調波光が入射したと
きに、第2高調波光または和周波混合により生成される
高調波光であって、当該基本波光の偏光方向に対し所定
の角度異なる偏光方向を有する高調波光を生成する(n
−1)個の非線形光学素子と、前記(n−1)個の非線
形光学素子のうち少なくとも1つ以上の非線形光学素子
によって生成された高調波光を、前記基本波光と同一の
偏光方向とすべく回転させて出力する旋光子とを具備し
たことを特徴とする。
【0046】第5の発明を図4を参照して説明する。
【0047】LBO20の結晶構成が「タイプ I 」、
BBO330(非線形光学素子)の結晶構成が「タイプ
I 」、BBO40の結晶構成が「タイプ I 」の場合、
LBO20によってS偏光の基本波光からP偏光の第2
高調波光が生成されるものの、このP偏光の第2高調波
光は旋光子310Aによって90度回転されるので、基
本波光および第2高調波光は共に、BBO330に入射
する時点でS偏光になっている。
【0048】また、BBO330によって基本波光と第
2高調波光との和周波混合によりP偏光の第3高調波光
が生成されるものの、このP偏光の第3高調波光は、旋
光子320Aによって90度回転されるので、基本波光
および第3高調波光は共に、BBO40に入射する時点
でS偏光になっている。
【0049】そして、BBO40によって基本波光と第
3高調波光との和周波混合によりP偏光の第4高調波光
が生成される。最終的に、基本波光はS偏光、第2高調
波光はS偏光、第3高調波光はS偏光および第4高調波
光はP偏光となっている。
【0050】以上説明したように、第5の発明によれ
ば、上記第1の発明と同様の作用効果を得ることができ
る。
【0051】また、第5の発明では、第3高調波光を生
成する非線形光学素子として、「タイプ II 」のものと
比較して非線形光学係数が大きい「タイプ I 」のもの
を使用することが可能となり、この「タイプ I 」の非
線形光学素子を用いた場合には、第2高調波光から第3
高調波光への波長変換の変換効率を向上させることがで
きる。
【0052】次に、上記第1の解決課題を達成するた
め、第6の発明では、第5の発明において、前記旋光子
から出力された高調波光を反射させて次段の非線形光学
素子へ集光させる凹面鏡を、更に具備したことを特徴と
する。
【0053】また、第8の発明では、第5の発明におい
て、前記旋光子は、(n−1)次までの各高調波光それ
ぞれを生成する非線形光学素子の出力側に配置され、当
該非線形光学素子によって生成された高調波光を、前記
基本波光と同一の偏光方向とすべく回転させて出力する
ことを特徴とする。
【0054】さらに、第9の発明では、第7の発明にお
いて、前記凹面鏡は、(n−1)次までの各高調波光そ
れぞれを生成する非線形光学素子の出力側に配置された
前記旋光子の出力側に配置され、当該旋光子から出力さ
れた高調波光を反射させて次段の非線形光学素子へ集光
させることを特徴とする。
【0055】第6、第8及び第9の発明を図3を参照し
て説明する。
【0056】基本波光(S偏光)がLBO20に入射す
ると、LBO20は、基本波光を基に第2高調波光(P
偏光)を生成して、この生成した第2高調波光および残
存する基本波光を出力する。これら各光は、λ/2板3
10を透過し、凹面鏡110に反射してBBO330に
入射される。
【0057】このとき、P偏光の第2高調波光のみの偏
光方向がλ/2板310によって90度回転され、第2
高調波光はS偏光となる。また凹面鏡110において
は、S偏光の基本波光とS偏光となった第2高調波光と
による色収差は発生しない。
【0058】BBO330では、入射した基本波光(S
偏光)と第2高調波光(S偏光)との和周波混合により
偏光方向がP偏光の第3高調波光を生成して、この生成
した第3高調波光(P偏光)、残存する基本波光(S偏
光)および第2高調波光(S偏光)を出力する。これら
基本波光および各高調波光は、λ/2板320を透過
し、凹面鏡1120に反射してBBO40に入射され
る。
【0059】このとき、P偏光の第3高調波光のみの偏
光方向がλ/2板320によって90度回転され、第3
高調波光はS偏光となる。また凹面鏡120において
は、S偏光の基本波光とS偏光となった第3高調波光と
による色収差は発生しない。
【0060】BBO40では、入射した基本波光(S偏
光)および各高調波光(S偏光)のうち、基本波光と第
3高調波光との和周波混合により偏光方向がP偏光の第
4高調波光を生成して、この生成した第4高調波光、残
存する基本波光、第2高調波光および第3高調波光を出
力する。これによって、基本波光から第4高調波光へ波
長変換されたことになる。
【0061】以上説明したように、第6の発明、第8の
発明及び第9の発明によれば、上記第5の発明と同様の
作用効果を得ることができる。
【0062】次に、上記第1の解決課題を達成するた
め、第7の発明では、第5の発明において、前記旋光子
は、第2高調波光を生成する非線形光学素子によって生
成された第2高調波光を、前記基本波光と同一の偏光方
向とすべく回転させて出力することを特徴とする。
【0063】第7の発明に係る波長変換装置では、第5
の発明に係る波長変換装置の構成において、λ/2板3
10および凹面鏡110のみを配置する一方、λ/2板
320および凹面鏡120に代替して集光レンズまたは
色消しレンズを配置した構成になっている。
【0064】この第7の発明によれば、第3高調波光を
生成する非線形光学素子として、「タイプ II 」のもの
と比較して非線形光学係数が大きい「タイプ I 」のも
のを使用することが可能となり、この「タイプ I 」の
非線形光学素子を用いた場合には、第2高調波光から第
3高調波光への波長変換の変換効率を向上させることが
できる。
【0065】次に、上記第1の解決課題を達成するた
め、第10の発明では、入射した基本波光を基にn(n
は4以上の整数)次の高調波を生成する波長変換装置に
おいて、前記基本波光、又は、前記基本波光および該基
本波光と同一の偏光方向を有する高調波光が入射したと
きに、第2高調波光または和周波混合により生成される
高調波光であって、当該基本波光の偏光方向に対し所定
の角度異なる偏光方向を有する高調波光を生成する(n
−1)個の非線形光学素子と、前記各非線形光学素子の
うちの第3高調波光を生成する第3高調波用非線形光学
素子から出力された当該第3高調波光および前記基本波
光を分離させる第1の光学手段と、該第1の光学手段に
より分離された第3高調波光を前記基本波光と同一の偏
光方向とすべく回転させる旋光子と、前記第1の光学手
段により分離された基本波光と、前記旋光子により回転
された第3高調波光とを、第4高調波光を生成する第4
高調波用非線形光学素子へ集光させる第2の光学手段と
を具備したことを特徴とする。
【0066】また、第11の発明では、第10の発明に
おいて、第2高調波光を生成する第2高調波用非線形光
学素子によって生成された第2高調波光を前記基本波光
と同一の偏光方向とすべく回転させると共に、該回転さ
れた第2高調波光を前記第3高調波用非線形光学素子へ
出力する第3の光学手段を、更に具備したことを特徴と
する。
【0067】次に、第10及び第11の発明を図5を参
照して説明する。
【0068】LBO20によってS偏光の基本波光から
P偏光の第2高調波光が生成されるものの、このP偏光
の第2高調波光はλ/2板310によって90度回転さ
れるので、基本波光および第2高調波光は共に、凹面鏡
110に反射してBBO330に入射する時点でS偏光
になっている。ここでは、λ/2板310および凹面鏡
110で第3の光学手段が構成されている。
【0069】BBO330から出力された第3高調波光
および基本波光は、全反射鏡430で全反射してビーム
スプリッタ410(第1の光学手段)に入射する。
【0070】ビームスプリッタ410においては、基本
波光は透過するものの、第3高調波光は全反射する。こ
の透過した基本波光は、集光レンズ480を透過し、B
BO40で集光されるようにビームスプリッタ420を
透過する。一方、ビームスプリッタ410で全反射した
P偏光の第3高調波光は、全反射鏡440、450を介
してλ/2板460(旋光子)に入射する。
【0071】λ/2板460では、入射したP偏光の第
3高調波光を、基本波光の偏光方向と同一のS偏光に変
換すべく90度回転させると共に、該S偏光の第3高調
波光を出力する。この第3高調波光(S偏光)は、集光
レンズ470を通過した後、ビームスプリッタ420
(第2の光学手段)に入射して全反射する。
【0072】ビームスプリッタ420からは、透過した
基本波光(S偏光)と反射した第3高調波光(S偏光)
とが出射されていることになる。このことは、BBO3
30におけるウォークオフ(Walk off)による
基本波光と第3高調波光との出射角度差が修正されるこ
とを意味する。したがって、基本波光と第3高調波光と
が、それぞれ独立して(別々に)BBO40における同
一点に集光される。
【0073】BBO40では、基本波光(S偏光)と第
3高調波光(S偏光)との和周波混合によりP偏光の第
4高調波光を生成して出射する。
【0074】以上説明したように、第10の発明および
第11の発明によれば、上記第5の発明と同様の作用効
果を得ることができる。
【0075】また、第10の発明および第11の発明で
は、第3高調波光を生成する非線形光学素子においてウ
ォークオフによる出射角のズレが発生して、基本波光と
第3高調波光とが同一点に集光されないような事象が発
生したとしても、当該ウォークオフによる基本波光と第
3高調波光との出射角度差を修正すると共に、当該各光
を別々にして第4高調波光を生成する非線形光学素子へ
集光させているので、基本波光と第3高調波光とによる
色収差の影響を除去することができる。
【0076】したがって、ウォークオフを修正し、同一
点に集光することで、第3高調波光から第4高調波光へ
の波長変換の変換効率を向上させることができる。
【0077】次に、上記第2の解決課題を達成するた
め、第12の発明では、第10または第11の発明にお
いて、前記第1の光学手段と前記旋光子との間に配置さ
れ、前記第1の光学手段により分離された第3高調波光
のビームを当該偏光方向に拡大すると共に、該ビームが
拡大された第3高調波光を前記旋光子へ出力するビーム
拡大手段を、更に具備したことを特徴とする。
【0078】次に、第12の発明を図7及び図8を参照
して説明する。
【0079】この第12の発明に係る波長変換装置は、
第10または第11の発明に係る波長変換装置の構成に
おいて、全反射鏡440と全反射鏡450との間にビー
ムエキスパンダ510(ビーム拡大手段)を配置した構
成になっている。
【0080】全反射鏡440に反射したP偏光の第3高
調波光がビームエキスパンダ510に入射すると、ビー
ムエキスパンダ510は、当該第3高調波光のビームを
横方向(P偏光方向)に拡大する。
【0081】このようにして拡大された第3高調波光
(P偏光)は、全反射鏡450を介してλ/2板460
に入射し、このλ/2板460によって基本波光(S偏
光)と同一の偏光方向に変換されるべく90度回転され
出力される。このようにしてS偏光となった第3高調波
光が、集光レンズ470を経てビームスプリッタ420
に反射してBBO40に集光する。
【0082】一方、ビームスプリッタ410を透過した
基本波光(S偏光)は、集光レンズ480を経てビーム
スプリッタ420を透過してBBO40に集光する。
【0083】BBO40では、ビームが横方向(P偏光
方向)に拡大された第3高調波光と基本波光とにより和
周波混合して第4高調波光を生成して、出射する。
【0084】ここで、図7に示すBBO40におけるB
−B方向から見た基本波光および第3高調波光のビーム
プロファイルの一例を図8に示す。この図8から明らか
なように、第3高調波光のビームが横方向(P偏光方
向)に拡大されているので、波長変換される範囲(基本
波光と第3高調波光とが重なる範囲)、すなわち和周波
混合により生成される第4高調波光のビームを円に近い
ビームプロファイルにすることができる。
【0085】以上説明したように、第12の発明によれ
ば、第10の発明と同様の作用効果を得ることができ
る。
【0086】また、第12の発明では、ビーム拡大手段
によって、第1の光学手段により分離された第3高調波
光のビームを横方向(P偏光方向)に拡大すると共に、
旋光子によって当該第3高調波光を基本波光(S偏光)
と同一の偏光方向に変換し、さらに、第3高調波光と該
基本波光とを別々に第4高調波光を生成する非線形光学
素子へ集光させるようにしているので、基本波光と第3
高調波光との和周波混合により生成される第4高調波光
のビームを円に近いビームプロファイルにすることがで
きる。
【0087】次に、上記第1又は第2の解決課題を達成
するため、第13の発明では、第5乃至第12の発明の
うちの何れかの発明において、前記非線形光学素子は、
入射した基本波光の偏光方向に対し90度異なる偏光方
向を有する高調波光を生成して出力することを特徴す
る。
【0088】この第13の発明では、第2高調波光を生
成する非線形光学素子、第3高調波光を生成する非線形
光学素子、および第4高調波光を生成する非線形光学素
子は、それぞれ基本波光の偏光方向と平行(同一)な偏
光方向の高調波光を入射するタイプ I(の角度位相整合
法により高調波光を生成する結晶)となっている。
【0089】次に、上記第3の解決課題を達成するた
め、第14の発明に係るレーザ装置は、基本波光として
のレーザ光をレーザ発振するレーザ光発振手段と、該レ
ーザ発振手段からレーザ発振された基本波光に基づいて
高調波光を生成する請求項1乃至12のうちの何れかの
請求項記載の波長変換装置とを具備したことを特徴とす
る。
【0090】第14の発明を、図1乃至図3、図5、図
7及び図10を参照して説明する。
【0091】レーザ装置600は、ネオジム活性イオ
ン:セリウム添加フッ化イットリウム・リチウム(YL
F)レーザ610と、チタンサファイア(Ti:S)レ
ーザ620と、波長変換装置630と、プリズム640
とから構成されている。
【0092】YLFレーザ610及びTi:Sレーザ6
20は、励起源によってレーザ媒質が励起されることに
より基本波光としてのレーザ光をレーザ発振する。ここ
では、YLFレーザ610及びTi:Sレーザ620に
よってレーザ光発振手段が構成されている。
【0093】波長変換装置630は、図1に示した波長
変換装置100、図2に示した波長変換装置200、図
3に示した波長変換装置300、図5に示した波長変換
装置400、および図7に示した波長変換装置500の
うちの、何れかの波長変換装置であり、入射した基本波
光からn次の高調波光たとえば第4高調波光に波長変換
する。
【0094】プリズム640は、分散プリズムであり、
基本波光、第2高調波光、第3高調波光、第4高調波光
を、それぞれの波長に応じた進行方向へ分散させる。
【0095】以上説明したように、第14の発明によれ
ば、波長変換時の変換効率の向上、又は、波長変換時の
変換効率を向上させると共に所望の第4高調波光のビー
ムを約円形状にすることにより、効率良く短波長のレー
ザ光を出力することができるレーザ装置を提供すること
ができる。
【0096】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1乃至図
11の添付図面を参照して説明する。
【0097】なお、図1乃至図8及び図10において、
ωは基本波光、2ωは第2高調波光、3ωは第3高調波
光、および4ωは第4高調波光をそれぞれ示している。
【0098】また以降の説明において、基本波光(S偏
光)、第n高調波光(S偏光またはP偏光)と表記され
ていた場合は、その光は括弧内のS偏光またはP偏光の
偏光方向を有していることを示している。例えば、基本
波光(S偏光)と表記されている場合は、基本波光はS
偏光であることを示し、また、第3高調波光(P偏光)
と表記されている場合は、第3高調波光はP偏光である
ことを示している。
【0099】[第1の実施の形態]この実施形態では、
上記「発明が解決しようとする課題」の欄に記載した主
として問題点(1)を解決するようにした装置を想定し
ている。
【0100】図1は、本実施形態に係る波長変換装置1
00の構成を示す構成図である。
【0101】この波長変換装置100は、図14に示し
た従来の波長変換部50の構成において、集光レンズ7
2、73を削除し、凹面鏡110、120を追加した構
成になっている。なお、同図において、図14に示した
構成要素と同一の機能を果たす部分には同一符号を付し
ている。
【0102】この実施形態においても、従来と同様に、
LBO20は「タイプ I 」で第2高調波光を生成する
ものであり、BBO30は「タイプ II 」で第3高調波
光を生成するものであり、BBO40は「タイプ I 」
で第4高調波光を生成するものである。
【0103】凹面鏡110はLBO20とBBO30と
の間に配置され、一方、凹面鏡120はBBO30とB
BO40との間に配置されている。
【0104】これら凹面鏡110、120は色収差を無
くすために用いている。すなわち、図14に示した従来
の構成の如く、前段の非線形光学素子(結晶)から出力
された各波長の光を、集光レンズを介して、第3高調波
光用結晶であるBBO30あるいは第4高調波光用結晶
であるBBO40へ集光させる場合には、複数の波長の
光が混在するため、前記集光レンズでは色収差が生じ
る。そこで、集光レンズに代替して、色収差を発生させ
ない凹面鏡110、120を採用している。
【0105】係る構成の波長変換装置100による波長
変換について説明する。
【0106】図1に示すように、基本波光がLBO20
に入射すると、LBO20は、基本波光を基に第2高調
波光を生成して、この生成した第2高調波光および残存
する基本波光を出力する。これら各光は、凹面鏡110
を介してBBO30に入射される。凹面鏡110におい
ては、基本波光と第2高調波光とによる色収差は発生し
ない。
【0107】BBO30では、入射した基本波光と第2
高調波光との和周波混合により第3高調波光を生成し
て、この生成した第3高調波光、残存する基本波光およ
び第2高調波光を出力する。これら基本波光および各高
調波光は、凹面鏡120を介してBBO40に入射され
る。凹面鏡120においては、基本波光と第3高調波光
とによる色収差は発生しない。
【0108】BBO40では、入射した基本波光および
各高調波光のうち、基本波光と第3高調波光との和周波
混合により第4高調波光を生成して、この生成した第4
高調波光、残存する基本波光、第2高調波光および第3
高調波光を出力する。
【0109】ここで、上記基本波光および各高調波光の
偏光方向は、図15に示した従来の如く、基本波光はS
偏光、第2高調波光はP偏光、第3高調波光はS偏光お
よび第4高調波光はP偏光となっている。
【0110】なお、上記実施形態では、基本波光と第2
高調波光とによる色収差と、基本波光と第3高調波光と
による色収差を同時に除去するようにしているが、これ
に限定されることなく、前者または後者の何れかの色収
差のみを除去するようにしても良い。
【0111】この場合、一方のみの色収差を除去するよ
うにした場合は、両者の色収差を除去する場合と比較し
て波長変換効率は低下するものの、図14に示した従来
の場合と比較して波長変換効率は向上する。しかし、波
長変換効率の観点からは、両者の色収差を除去するよう
にした方が好ましい。
【0112】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、凹面鏡によって色収差を発生させないようにしてい
るので、基本波光と第2高調波光とを同一点に集光させ
ることができると共に 基本波光と第3高調波光とを同
一点に集光させることができ、よって波長変換効率を向
上させることができる。
【0113】たとえばチタンサファイア(Ti:S)レ
ーザの波長772.4nmの基本波光から193nmの
第4高調波光に効率良く波長変換することができる。
【0114】[第2の実施の形態]この第2の実施形態
では、第1の実施形態と同様に、上記「発明が解決しよ
うとする課題」の欄に記載した主として問題点(1)を
解決するようにした装置を想定している。
【0115】図2は第2の実施形態に係る波長変換装置
200の構成を示す構成図である。
【0116】この波長変換装置200は、図14に示し
た従来の波長変換部50の構成において、集光レンズ7
2、73を削除し、色消しレンズ210、220を追加
した構成になっている。なお、同図において、図12に
示した構成要素と同一の機能を果たす部分には同一符号
を付している。
【0117】この第2の実施形態においても、従来と同
様に、LBO20は「タイプ I 」で第2高調波光を生
成するものであり、BBO30は「タイプ II 」で第3
高調波光を生成するものであり、BBO40は「タイプ
I 」で第4高調波光を生成するものである。
【0118】色消しレンズ210はLBO20とBBO
30との間に配置され、基本波光と第2高調波光とによ
る色収差を除去する。一方、色消しレンズ220はBB
O30とBBO40との間に配置され、基本波光と第3
高調波光とによる色収差を除去する。
【0119】係る構成の波長変換装置200は、基本的
には上記第1の実施形態と同様の波長変換動作を実施す
るものの、以下の点で第1の実施形態と異なっている。
【0120】すなわち、基本波光と第2高調波光をBB
O30へ集光させるときに、色消しレンズ210によっ
てこれらの光による色収差を除去し、また、基本波と第
3高調波光をBBO40へ集光させるときに、色消しレ
ンズ220によってこれらの光による色収差を除去す
る。
【0121】このように色消しレンズによって色収差を
除去するようにしているので、基本波光から第4高調波
光に効率良く波長変換することができる。
【0122】ここで、上記基本波光および各高調波光の
偏光方向は、上記第1の実施形態と同様の偏光方向にな
っている。
【0123】なお、上記第2の実施形態では、基本波光
と第2高調波光とによる色収差と、基本波光と第3高調
波光とによる色収差を同時に除去するようにしている
が、これに限定されることなく、上記第1の実施形態と
同様に前者または後者の何れかの色収差のみを除去する
ようにしても良い。
【0124】この場合も上記第1の実施形態と同様に、
一方のみの色収差を除去するようにした場合は、両者の
色収差を除去する場合と比較して波長変換効率は低下す
るものの、図14に示した従来の場合と比較して波長変
換効率は向上する。しかし波長変換効率の観点からは、
両者の色収差を除去するようにした方が好ましい。
【0125】以上説明したように、第2の実施形態によ
れば、上記第1の実施形態と同様の作用効果を得ること
ができる。
【0126】[第3の実施の形態]この第3の実施形態
では、上記「発明が解決しようとする課題」の欄に記載
した主として問題点(1)及び(2)を解決するように
した装置を想定している。
【0127】図3は第3の実施形態に係る波長変換装置
300の構成を示す構成図である。
【0128】この波長変換装置300は、図1に示した
第1の実施形態の波長変換装置100の構成において、
λ/2板310、320を追加し、BBO30をBBO
330に変更した構成になっている。なお、同図におい
て、図1に示した構成要素と同一の機能を果たす部分に
は同一符号を付している。
【0129】λ/2板310は、LBO20と凹面鏡1
10との間に配置され、入射した第2高調波光の偏光方
向を90度回転させて出射する。λ/2板320は、B
BO330と凹面鏡120との間に配置され、入射した
第3高調波光の偏光方向を90度回転させて出射する。
【0130】BBO330は、非線形光学素子であり、
BBO40と同様の機能を有している。したがって、こ
の実施形態では、LBO20は「タイプ I 」、BBO
330は「タイプ I 」、BBO40は「タイプ I 」と
なっている。
【0131】係る構成の波長変換装置300による波長
変換について説明する。
【0132】図3に示すように、基本波光(S偏光)が
LBO20に入射すると、LBO20は、基本波光を基
に第2高調波光(P偏光)を生成して、この生成した第
2高調波光および残存する基本波光を出力する。これら
各光は、λ/2板310を透過し、凹面鏡110に反射
してBBO330に入射される。
【0133】このとき、P偏光の第2高調波光のみの偏
光方向がλ/2板310によって90度回転され、第2
高調波光はS偏光となる。また凹面鏡110において
は、S偏光の基本波光とS偏光となった第2高調波光と
による色収差は発生しない。
【0134】ところで、BBO330では、入射した基
本波光(S偏光)と第2高調波光(S偏光)との和周波
混合により偏光方向がP偏光の第3高調波光を生成し
て、この生成した第3高調波光(P偏光)、残存する基
本波光(S偏光)および第2高調波光(S偏光)を出力
する。これら基本波光および各高調波光は、λ/2板3
20を透過し、凹面鏡1120に反射してBBO40に
入射される。
【0135】このとき、P偏光である第3高調波光のみ
の偏光方向がλ/2板320によって90度回転され、
第3高調波光はS偏光となる。また凹面鏡120におい
ては、S偏光である基本波光とS偏光となった第3高調
波光とによる色収差は発生しない。
【0136】BBO40では、入射した基本波光(S偏
光)および各高調波光(S偏光)のうち、基本波光と第
3高調波光との和周波混合により偏光方向がP偏光の第
4高調波光を生成して、この生成した第4高調波光、残
存する基本波光、第2高調波光および第3高調波光を出
力する。これによって、基本波光から第4高調波光へ波
長変換されたことになる。
【0137】ここで、上述した波長変換装置300にお
ける上記各非線形光学素子に対する入射光または出射光
の偏光方向について、図4を参照して説明する。
【0138】なお、図4において、旋光子310A、3
20Aはそれぞれ図3に示したλ/2板310、320
に対応する。
【0139】図4に示すように、LBO20の結晶構成
が「タイプ I 」、BBO330の結晶構成が「タイプ
I 」、BBO40の結晶構成が「タイプ I 」の場合、
上述したようにLBO20によってS偏光の基本波光か
らP偏光の第2高調波光が生成されるものの、このP偏
光の第2高調波光は旋光子310A(λ/2板310)
によって90度回転されるので、基本波光および第2高
調波光は共に、BBO330に入射する時点でS偏光に
なっている。
【0140】また、BBO330によって上述した和周
波混合によりP偏光の第3高調波光が生成されるもの
の、このP偏光の第3高調波光は、旋光子320A(λ
/2板320)によって90度回転されるので、基本波
光および第3高調波光(および図示しない第2高調波
光)は共に、BBO40に入射する時点でS偏光になっ
ている。
【0141】そして、BBO40によって上述した和周
波混合によりP偏光の第4高調波光が生成される。最終
的に、基本波光はS偏光、第2高調波光はS偏光、第3
高調波光はS偏光および第4高調波光はP偏光となって
いる。
【0142】なお、上記第3の実施形態では、第2高調
波光の偏光方向を90度回転させるλ/2板310と、
該第2高調波光を反射させる凹面鏡110との組み合わ
せと、第3高調波光の偏光方向を90度回転させるλ/
2板320と、該第3高調波光を反射させる凹面鏡12
0との組み合わせの、2通りの組み合わせを採用してい
るが、これに限定されることなく、λ/2板310およ
び凹面鏡110のみを配置する一方、λ/2板320お
よび凹面鏡120に代替して集光レンズまたは色消しレ
ンズを配置しても良い。
【0143】この場合は、上述した「発明が解決しよう
とする課題」の欄に記載した主として問題点(2)のみ
を解決することができる。
【0144】すなわち、非線形光学係数が「タイプ II
」と比較して大きい「タイプ I 」を有しているBBO
330が配置され、また、その「タイプ I 」用に適用
されるべく第2高調波光の偏光方向をP偏光から基本波
光の偏光方向と同一のS偏光に変換するλ/2板310
が配置され、さらに基本波光(S偏光)と第2高調波光
(S偏光)とによる色収差を発生させない凹面鏡110
が配置されているので、第2高調波光から第3高調波光
への波長変換の変換効率を向上させることができる。
【0145】以上説明したように、第3の実施形態によ
れば、上記第1の実施形態と同様の作用効果を得ること
ができる。
【0146】また、第3の実施形態によれば、第3高調
波光を生成するBBO330は、「タイプ II 」のもの
と比較して非線形光学係数が大きい「タイプ I 」のも
のを使用しているので、第2高調波光から第3高調波光
への波長変換の変換効率を向上させることができる。
【0147】[第4の実施の形態]この第4の実施形態
では、上記「発明が解決しようとする課題」の欄に記載
した主として問題点(1)〜(3)を解決するようにし
た装置を想定している。
【0148】図5は第4の実施形態に係る波長変換装置
400の構成を示す構成図である。
【0149】この波長変換装置400は、図3に示した
第3の実施形態の波長変換装置300の構成において、
λ/2板320および凹面鏡120を削除し、コリメー
トレンズ340と、ビームスプリッタ410、420
と、全反射鏡430、440、450と、λ/2板46
0と、集光レンズ470、480とを追加した構成にな
っている。これら追加した各構成要素は、BBO330
とBBO40との間に配置されている。なお、同図にお
いて、図3に示した構成要素と同一の機能を果たす部分
には同一符号を付している。
【0150】コリメートレンズ340は入射した入射光
を平行光にして出射する。
【0151】ビームスプリッタ410、420は、基本
波光は透過させるものの、第3高調波光については全反
射させる光学特性となるように設定されている。
【0152】全反射鏡430、440、450は入射光
を全反射させるものであり、λ/2板460は、上記λ
/2板320と同様に、第3高調波光を90度回転させ
る旋光子である。集光レンズ470、480は入射光を
集光させる。
【0153】係る構成の波長変換装置400による波長
変換について説明する。
【0154】BBO330によって第3高調波光(P偏
光)を生成する処理までは、図3に示した第3の実施形
態と同様の波長変換動作が実施されるので、ここでは、
その変換動作の説明は省略する。
【0155】ところで、BBO330から出射された基
本波光(S偏光)および第2高調波光(S偏光)、およ
び第3高調波光波(P偏光)は、コリメートレンズ34
0にて平行光とされた後、全反射鏡430で全反射して
ビームスプリッタ410に入射する。
【0156】ビームスプリッタ410においては、基本
波光は透過するものの、第3高調波光は全反射する。こ
の透過した基本波光は、集光レンズ480を透過し、B
BO40で集光されるようにビームスプリッタ420を
透過する。一方、ビームスプリッタ410で全反射した
P偏光の第3高調波光は、全反射鏡440、450を介
してλ/2板460に入射する。
【0157】λ/2板460では、入射したP偏光の第
3高調波光を、基本波光の偏光方向と同一のS偏光に変
換すべく90度回転させると共に、該S偏光の第3高調
波光を出力る。この第3高調波光(S偏光)は、集光レ
ンズ470を通過した後、ビームスプリッタ420に入
射して全反射する。
【0158】ビームスプリッタ420からは、透過した
基本波光(S偏光)と反射した第3高調波光(S偏光)
とが出射されていることになる。このことは、BBO3
30におけるウォークオフ(Walk off)による
基本波光と第3高調波光との出射角度差が修正されるこ
とを意味する。したがって、基本波光と第3高調波光と
が、それぞれ独立して(別々に)BBO40における同
一点に集光される。
【0159】すなわち、基本波光および第3高調波光は
それぞれ異なるビーム形状、ビーム広がりを有している
ので、基本波光および第3高調波光をそれぞれ異なる焦
点距離のレンズで集光することで、BBO40の結晶で
のビームマッチングを最適にしている。
【0160】BBO40では、基本波光(S偏光)と第
3高調波光(S偏光)との和周波混合によりP偏光の第
4高調波光を生成して出射する。なお、BBO40にお
いては、ビームスプリッタ420からの基本波光および
第3高調波光がそれぞれ同一点に集光している。
【0161】ここで、図5に示すBBO40におけるA
−A方向から見た基本波光および第3高調波光のビーム
プロファイルの一例を図6に示す。
【0162】図6から明らかなように、基本波光に比べ
第3高調波光のビームが縦長であり、しかも波長変換さ
れる範囲(基本波光と第3高調波光とが重なる範囲)が
縦長であるため、和周波混合により生成される第4高調
波光のビームも縦長のビームプロファイルになる。
【0163】以上説明したように、第4の実施形態によ
れば、上記第1の実施形態と同様の作用効果を得ること
ができる。
【0164】また、第4の実施形態では、凹面鏡110
によって、基本波光および第2高調波光による色収差を
発生させないようにしているので、第2高調波光から第
3高調波光への波長変換の変換効率を向上させることが
できる。
【0165】また、第4の実施形態では、仮にBBO3
30においてウォークオフによる出射角のズレが発生し
て、基本波光と第3高調波光とが同一点に集光されない
ような事象が発生したとしても、当該ウォークオフによ
る基本波光と第3高調波光との出射角度差を修正すると
共に、当該各光を別々にしてBBO40へ集光させてい
るので、基本波光と第3高調波光とによる色収差の影響
を除去することができる。
【0166】したがって、ウォークオフを修正し、同一
点に集光することで、第3高調波光から第4高調波光へ
の波長変換の変換効率を向上させることができる。
【0167】さらには、第4の実施形態では、上述した
ように第2高調波光から第3高調波光への波長変換、お
よび第3高調波光から第4高調波光への波長変換の変換
効率を向上させることができるので、従来の場合と比較
して、大幅に波長変換効率を向上させることができる。
【0168】[第5の実施の形態]この第5の実施形態
では、上記「発明が解決しようとする課題」の欄に記載
した問題点(1)〜(4)の全てを解決するようにした
装置を想定している。
【0169】図7は第5の実施形態に係る波長変換装置
500の構成を示す構成図である。
【0170】この波長変換装置500は、図5に示した
第4の実施形態の波長変換装置400の構成において、
ビームエキスパンダ510を追加した構成になってい
る。なお、同図において、図5に示した構成要素と同一
の機能を果たす部分には同一符号を付している。
【0171】ビームエキスパンダ510は、全反射鏡4
40と全反射鏡450との間に配置され、入射した光の
ビームを横方向(つまりP偏光方向)にエキスパンド
(拡大)する。
【0172】第5の実施形態では、基本的には上記第4
の実施形態と同様の波長変換動作を実施するものの、ビ
ームエキスパンダ510によって第3高調波光のビーム
を横方向(P偏光方向)に拡大する点で第4の実施形態
と異なっている。
【0173】すなわち、全反射鏡440に反射したP偏
光の第3高調波光がビームエキスパンダ510に入射す
ると、ビームエキスパンダ510は、当該第3高調波光
のビームを横方向(P偏光方向)に拡大する。
【0174】このようにしてビームが拡大された第3高
調波光(P偏光)は、全反射鏡450を介してλ/2板
460に入射し、このλ/2板460によって基本波光
(S偏光)と同一の偏光方向に変換されるべく90度回
転され出力される。このようにしてS偏光となった第3
高調波光が、集光レンズ470を経てビームスプリッタ
420に反射してBBO40に集光する。
【0175】一方、ビームスプリッタ410を透過した
基本波光(S偏光)は、集光レンズ480を経てビーム
スプリッタ420を透過してBBO40に集光する。
【0176】BBO40では、ビームが横方向(P偏光
方向)に拡大された第3高調波光と基本波光とにより和
周波混合して第4高調波光を生成して、出射する。
【0177】ここで、図7に示すBBO40におけるB
−B方向から見た基本波光および第3高調波光のビーム
プロファイルの一例を図8に示す。
【0178】図8から明らかなように、第3高調波光の
ビームが横方向(P偏光方向)に拡大されているので、
波長変換される範囲(基本波光と第3高調波光とが重な
る範囲)、すなわち和周波混合により生成される第4高
調波光のビームを円に近いビームプロファイルにするこ
とができる。
【0179】因みに、図6に示す第3高調波光のビーム
プロファイルと図8に示す第3高調波光のビームプロフ
ァイルとを比較して明らかなように、横方向(P偏光方
向)に拡大された第3高調波光の方が、円に近づいてい
るのが分かる。
【0180】ここで、ビームエキスパンダ510の構成
例を図9に示す。
【0181】ビームエキスパンダ510は、図9(a)
に示すように、全反射鏡440側にプリズム511が配
置され、全反射鏡450側にプリズム512が配置され
た構成になっている。また、プリズム511の入射面お
よび出射面には、第3高調波光(P偏光)に対しての反
射防止膜511a、511bがコーティングされてい
る。同様に、プリズム512の入射面および出射面に
は、第3高調波光(P偏光)に対しての反射防止膜51
2a、512bがコーティングされている。
【0182】全反射鏡440からの第3高調波光のビー
ムは、プリズム511およびプリズム512を経てP偏
光方向に拡大される。
【0183】また、他のビームエキスパンダ510とし
ては、図9(b)に示すように、全反射鏡440側にシ
リンドリカル凹レンズ513が配置され、全反射鏡45
0側にシリンドリカル凸レンズ514が配置された構成
になっている。
【0184】この場合も、上記同様に、全反射鏡440
からの第3高調波光のビームは、シリンドリカル凹レン
ズ513およびシリンドリカル凸レンズ514を経てP
偏光方向に拡大される。
【0185】さらに他のビームエキスパンダ510は、
図9(c)に示すように、全反射鏡440側にシリンド
リカル凸レンズ515が配置され、全反射鏡450側に
シリンドリカル凸レンズ515が配置された構成になっ
ている。
【0186】この場合も、上記同様に、全反射鏡440
からの第3高調波光のビームは、シリンドリカル凸レン
ズ515およびシリンドリカル凸レンズ516を経てP
偏光方向に拡大される。
【0187】以上説明したように、第5の実施形態によ
れば、上記第4の実施形態と同様の作用効果を得ること
ができる。
【0188】また、第5の実施形態では、ビームエキス
パンダ510によって、ビームスプリッタ410により
分離された第3高調波光のビームを横方向(P偏光方
向)に拡大すると共に、λ/2板460によって当該第
3高調波光を基本波光(S偏光)と同一の偏光方向に変
換した後、該基本波光とは別にBBO40へ集光させる
ようにしているので、基本波光と第3高調波光との和周
波混合により生成される第4高調波光のビームを円に近
いビームプロファイルにすることができる。
【0189】[第6の実施の形態]次に、本発明に係る
レーザ装置について説明する。
【0190】この波長変換装置では、入射される基本波
光はレーザ光であれば良く、狭帯域化されたレーザ光で
なくても良い。また、基本波光としてのレーザ光を発振
させるためのレーザ媒質は、気体、固体、液体(色素)
のうちの何れの媒質であっても良い。
【0191】ここでは、レーザ媒質として固体である場
合のレーザ装置(いわゆる固体レーザ装置)について説
明する。
【0192】図10は第6の実施形態に係るレーザ装置
600の構成を示す構成図である。
【0193】レーザ装置600は、ネオジム活性イオ
ン:セリウム添加フッ化イットリウム・リチウム(YL
F)レーザ610と、チタンサファイア(Ti:S)レ
ーザ620と、波長変換装置630と、プリズム640
とから構成されている。
【0194】YLFレーザ610及びTi:Sレーザ6
20は、詳細については後述するが、励起源によってレ
ーザ媒質が励起されることにより基本波光としてのレー
ザ光をレーザ発振する。
【0195】波長変換装置630は、図1に示した第1
の実施形態の波長変換装置100、図2に示した第2の
実施形態の波長変換装置200、図3に示した第3の実
施形態の波長変換装置300、図5に示した第4の実施
形態の波長変換装置400、および図7に示した第5の
実施形態の波長変換装置500のうちの、何れかの波長
変換装置であり、入射した基本波光からn次の高調波光
たとえば第4高調波光に波長変換する。
【0196】プリズム640は、分散プリズムであり、
基本波光、第2高調波光、第3高調波光、第4高調波光
を、それぞれの波長に応じた進行方向へ分散させる。
【0197】なお、図10には図示していないが、プリ
ズム640から出射された波長の異なる各光のうち、例
えば第4高調波光のみを透過させる光学部品たとえばレ
ンズを配置することによって、当該第4高調波光のみを
得ることができる。
【0198】次に、YLFレーザ610及びTi:Sレ
ーザ620を図11を参照して説明する。なお、図11
において、点線の左側がYLFレーザ610の構成を示
しており、一方、点線の右側がTi:Sレーザ620の
構成を示している。
【0199】ミラーM1とアウトプットカプラ(O・
C)611とで構成される光共振器間に、レーザ媒質と
してのチタンサファイア(Ti3+:Al2O3)(以
下、「Ti:S」という。)612と、波長選択素子と
してのグレーティング(いわゆる斜入射型の回折格子)
613とが配置されている。また、「Ti:S」612
とグレーティング613は、ミラーM1とミラー(同調
ミラー)M2とで構成される光共振器間にも配置されて
いる。
【0200】励起源としてのネオジム活性イオン:セリ
ウム添加フッ化イットリウム・リチウム(以下、「N
d:YLF」という。)621からレーザ光を出射する
と、このレーザ光は、ミラー622およびミラー623
に反射して、レンズ624およびミラーM1を通過して
「Ti:S」612へ照射される。
【0201】このようにして「Nd:YLF」レーザ6
21からのレーザ光が「Ti:S」612に照射される
と、「Ti:S」612は光励起して光を発生する。こ
の光は、グレーティング613に入射し、一部の光は回
折され、その他の光は反射する。
【0202】グレーティング613によって回折された
光(回折光)は、ミラーM2で全反射して、グレーティ
ング613および「Ti:S」612を経て、ミラーM
1に入射する。そして、ミラーM1とミラーM2間で光
が共振することにより、回折角に応じた所望の波長λ1
(選択波長)の光が選択される。
【0203】一方、ミラーM2に入射した所望の波長λ
1以外の不所望の波長λ2の光はグレーティング613
には戻らず外部へ漏れる。この波長λ2の光を検出した
フォトダイオード632からの出力信号が増幅器635
を介してコンピュータ633に入力されると、コンピュ
ータ633は、受信した信号に基づいて、フォトダイオ
ード632により検出される光(不所望の波長λ2の
光)の光量が最小となるように、ピエゾ素子634への
印加電圧を制御する。
【0204】そして、印加された印加電圧に応じてピエ
ゾ素子634が伸縮するのに伴ってアウトプットカプラ
611が移動して、ミラーM1とアウトプットカプラ6
11とで構成される光共振器の共振器長が、上記所望の
波長λ1の整数倍の距離に設定される。この結果、当該
光共振器には定在波が形成されることになり、シングル
モードでレーザ発振される。
【0205】このようにしてレーザ発振されたレーザ光
は、基本波光として波長変換装置630へ出射される。
【0206】以上説明したように、第6の実施形態によ
れば、グレーティング613で回折した回折光を反射さ
せるミラーM2で反射する所望の波長以外の波長(不所
望の波長)の光をフォトダイオード632で検出し、こ
の検出した光の光量が最小となるように、光共振器の共
振器長を制御して、確実にシングルモードでレーザ発振
させると共に、波長変換装置によって、安定したシング
ルモードでレーザ発振されたレーザ光(つまり基本波
光)から第4高調波光を効率良く得ることができる。
【0207】すなわち、波長変換時の変換効率の向上、
又は、波長変換時の変換効率を向上させると共に所望の
第4高調波光のビームを約円形状にすることにより、効
率良く短波長のレーザ光を出力することができるレーザ
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1の実施形態に係る波長変換装置10
0の構成を示す構成図である。
【図2】図2は第2の実施形態に係る波長変換装置20
0の構成を示す構成図である。
【図3】図3は第3の実施形態に係る波長変換装置30
0の構成を示す構成図である。
【図4】図4は第3の実施形態における各非線形光学素
子に対する入射光または出射光の偏光方向を説明するた
めの図である。
【図5】図5は第4の実施形態に係る波長変換装置40
0の構成を示す構成図である。
【図6】図6は第4の実施形態での第3高調波光のビー
ムプロファイルを説明するための図である。
【図7】図7は第5の実施形態に係る波長変換装置50
0の構成を示す構成図である。
【図8】図8は第5の実施形態での第3高調波光のビー
ムプロファイルを説明するための図である。
【図9】図9は波長変換装置500に用いられるビーム
エキスパンダ510の構成例を示す図である。
【図10】図10は第6の実施形態に係るレーザ装置6
00の構成を示す構成図である。
【図11】図11はレーザ装置600に用いられるYL
Fレーザ及610びTi:Sレーザ620の構成を示す
構成図である。
【図12】図12は従来の波長変換システムの構成を示
す構成図である。
【図13】図13は従来の他の波長変換システムの構成
を示す構成図である。
【図14】図14は図13に示した従来の波長変換シス
テムの波長変換部の構成を示す構成図である。
【図15】図15は図14に示した従来の波長変換部に
おける各非線形光学素子に対する入射光または出射光の
偏光方向を説明するための図である。
【符号の説明】
20 LBO(タイプ I ) 30 BBO(タイプ II ) 40、330 BBO(タイプ I ) 71、470、480 集光レンズ 100、200、300、400、500 波長変換装
置 110、120 凹面鏡 210、220 色消しレンズ 310、320、460 λ/2板 410、420 ビームスプリッタ 430、440、450 全反射鏡 510 ビームエキスパンダ 600 レーザ装置
フロントページの続き Fターム(参考) 2K002 AA04 AB12 AB27 BA01 CA02 DA01 EA30 GA04 GA10 HA20

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(n−1)個(nは2以上の整数)の非線
    形光学素子を有し、入射した基本波光を基に前記非線形
    光学素子によってn次の高調波光を生成する波長変換装
    置において、 前記(n−1)個の非線形光学素子のうち少なくとも1
    つ以上の非線形光学素子の出力側に配置され、当該非線
    形光学素子によって生成された高調波光および前記基本
    波光を反射させて次段の非線形光学素子へ集光させる凹
    面鏡を具備したことを特徴とする波長変換装置。
  2. 【請求項2】前記凹面鏡は、 (n−1)次までの各高調波光それぞれを生成する非線
    形光学素子の出力側に配置されていることを特徴とする
    請求項2記載の波長変換装置。
  3. 【請求項3】(n−1)個(nは2以上の整数)の非線
    形光学素子を有し、入射した基本波光を基に前記非線形
    光学素子によってn次の高調波光を生成する波長変換装
    置において、 前記(n−1)個の非線形光学素子のうち少なくとも1
    つ以上の非線形光学素子の出力側に配置され、当該非線
    形光学素子によって生成された高調波光および前記基本
    波光による色収差を除去する色消しレンズを具備したこ
    とを特徴とする波長変換装置。
  4. 【請求項4】前記色消しレンズは、 (n−1)次までの各高調波光それぞれを生成する非線
    形光学素子の出力側に配置されていることを特徴とする
    請求項3記載の波長変換装置。
  5. 【請求項5】入射した基本波光を基にn(nは2以上の
    整数)次の高調波光を生成する波長変換装置において、 前記基本波光、又は、前記基本波光および該基本波光と
    同一の偏光方向を有する高調波光が入射したときに、第
    2高調波光または和周波混合により生成される高調波光
    であって、当該基本波光の偏光方向に対し所定の角度異
    なる偏光方向を有する高調波光を生成する(n−1)個
    の非線形光学素子と、 前記(n−1)個の非線形光学素子のうち少なくとも1
    つ以上の非線形光学素子によって生成された高調波光
    を、前記基本波光と同一の偏光方向とすべく回転させて
    出力する旋光子とを具備したことを特徴とする波長変換
    装置。
  6. 【請求項6】前記旋光子から出力された高調波光を反射
    させて次段の非線形光学素子へ集光させる凹面鏡を、更
    に具備したことを特徴とする請求項5記載の波長変換装
    置。
  7. 【請求項7】前記旋光子は、 第2高調波光を生成する非線形光学素子によって生成さ
    れた第2高調波光を、前記基本波光と同一の偏光方向と
    すべく回転させて出力することを特徴とする請求項5記
    載の波長変換装置。
  8. 【請求項8】前記旋光子は、 (n−1)次までの各高調波光それぞれを生成する非線
    形光学素子の出力側に配置され、当該非線形光学素子に
    よって生成された高調波光を、前記基本波光と同一の偏
    光方向とすべく回転させて出力することを特徴とする請
    求項5記載の波長変換装置。
  9. 【請求項9】前記凹面鏡は、 (n−1)次までの各高調波光それぞれを生成する非線
    形光学素子の出力側に配置された前記旋光子の出力側に
    配置され、当該旋光子から出力された高調波光を反射さ
    せて次段の非線形光学素子へ集光させることを特徴とす
    る請求項7記載の波長変換装置。
  10. 【請求項10】入射した基本波光を基にn(nは4以上
    の整数)次の高調波を生成する波長変換装置において、 前記基本波光、又は、前記基本波光および該基本波光と
    同一の偏光方向を有する高調波光が入射したときに、第
    2高調波光または和周波混合により生成される高調波光
    であって、当該基本波光の偏光方向に対し所定の角度異
    なる偏光方向を有する高調波光を生成する(n−1)個
    の非線形光学素子と、 前記各非線形光学素子のうちの第3高調波光を生成する
    第3高調波用非線形光学素子から出力された当該第3高
    調波光および前記基本波光を分離させる第1の光学手段
    と、 前記第1の光学手段により分離された第3高調波光を前
    記基本波光と同一の偏光方向とすべく回転させる旋光子
    と、 前記第1の光学手段により分離された基本波光と、前記
    旋光子により回転された第3高調波光とを、第4高調波
    光を生成する第4高調波用非線形光学素子へ集光させる
    第2の光学手段とを具備したことを特徴とする波長変換
    装置。
  11. 【請求項11】第2高調波光を生成する第2高調波用非
    線形光学素子によって生成された第2高調波光を前記基
    本波光と同一の偏光方向とすべく回転させると共に、該
    回転された第2高調波光を前記第3高調波用非線形光学
    素子へ出力する第3の光学手段を、更に具備したことを
    特徴とする請求項10記載の波長変換装置。
  12. 【請求項12】前記第1の光学手段と前記旋光子との間
    に配置され、前記第1の光学手段により分離された第3
    高調波光のビームを当該偏光方向に拡大すると共に、該
    ビームが拡大された第3高調波光を前記旋光子へ出力す
    るビーム拡大手段を、更に具備したことを特徴とする請
    求項10または11記載の波長変換装置。
  13. 【請求項13】前記非線形光学素子は、 入射した基本波光の偏光方向に対し90度異なる偏光方
    向を有する高調波光を生成して出力することを特徴する
    請求項5乃至12のうちの何れかの請求項記載の波長変
    換装置。
  14. 【請求項14】基本波光としてのレーザ光をレーザ発振
    するレーザ光発振手段と、 前記レーザ発振手段からレーザ発振された基本波光に基
    づいて高調波光を生成する請求項1乃至12のうちの何
    れかの請求項記載の波長変換装置とを具備したことを特
    徴とするレーザ装置。
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