JP5353569B2 - ターボ機械 - Google Patents
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Description
具体的には、特許文献1〜3に示すように、シャフトの一端から当該シャフトの回転軸に重ねて突出されたボルトが設置されており、当該ボルトをインペラの中央を貫通させてその先端を露出させ、この露出されたボルトの先端にナットを嵌合することによってインペラを固定している。
このような不安定な形状を有するため、シャフトやインペラ等の軸系の回転における危険速度が低下する。
したがって、本発明によれば、軸受によって軸支されるシャフトと、該シャフトの一端から該シャフトの回転軸に重ねて突出されるボルト及び該ボルトに嵌合されるナットによって上記シャフトの一端側に固定されるインペラとを備えるターボ機械において、軸系の危険速度を上昇させることが可能となる。
なお、以下の説明においては、本発明のターボ機械の一例として、ターボブロワを挙げて説明する。
そして、図1に示すように、本実施形態のターボブロワS1は、ケーシング1と、インペラ2と、モータ3と、シャフト4と、軸受5と、ハーメチックコネクタ6と、水冷ジャケット7とを備えている。
このケーシング1の内部には、図1に示すように、インペラ2を収容するインペラ収容空間K1やモータ3を収容するモータ収容空間K2が設けられている。また、ケーシング1は、気体を吸入するための吸入口1aや、気体を排出するための吐出口までなだらかに拡張するスクロール流路1bを備えている。そして、インペラ収容空間K1は、吸入口1aとスクロール流路1bとの間に配置されており、気体の流路の一部とされている。
このモータ3は、かご型の導電材料(コイル)が内蔵されたモータロータ3aと、このモータロータ3aを囲んで配置されるモータステータ3bとを備えている。そして、不図示の駆動装置からモータステータ3bに電力が供給されることによってモータロータ3aが回転する。
なお、図1に示すように、軸受5として、シャフト4のインペラ2寄りを軸支するインペラ側軸受5aと、シャフト4の地面寄りを軸支する地面側軸受5bとが設けられている。そして、地面側軸受5bは、ケーシング1に対して摺動可能とされており、予圧バネ8によって上方に付勢されている。このように地面側軸受5bが予圧バネ8によって付勢されることによって、軸受が最適に予圧され、回転時に軸受5(5a、5b)内部の玉の挙動を適正な状態に保つことが出来る。
なお、本実施形態のターボブロワS1は、レーザ発振装置に搭載され、外気の流入が許されない環境において気体を圧送することを想定している。このため、ハーメチックコネクタ6を用いている。ただし、インペラ収容空間K1及びモータ収容空間K2を封じきる必要がない場合には、ハーメチックコネクタ6に替えて通常のコネクタを用いることができる。
ナット11は、上記当接面2aに当接された状態でボルト10に嵌合される。このため、本実施形態のターボブロワS1においては、ナット11がインペラ2の内部に配置されている。
この結果、本実施形態のターボブロワS1においては、ナット11がインペラ2の最大外径部位2bよりも軸受5から離間する方向に配置されている。
なお、インペラ2の最大外径部位2bとは、羽根を除いてインペラ2を回転軸方向から見た場合の最外周を含む回転軸方向の部位である。
そして、本実施形態のターボブロワS1においては、ボルト10として、テンションボルトを用いている。
さらに、本実施形態のターボブロワS1においては、上記設置面4aを含むシャフト4の一端部4bがシャフト4の他の部位と比較して小径とされており、さらにインペラ2の底部には、当該一端部4bが嵌合可能な穴2cが形成されている。この穴2cは、インペラ2の裏面(モータ3側の面)に開口し、貫通孔13に連通している。また、穴2cの内径は、貫通孔13の内径よりも大きく設定されている。
また、設置面4aは、シャフト4(一端部4b)の端面であり、シャフト4の中心軸(回転軸L)に対して略垂直であると共に、中心軸方向から見て略円形である。
より詳細には、上記駆動信号によってモータ3が回転され、この回転動力がシャフト4を介してインペラ2に伝達されることによってインペラ2が回転駆動される。
この結果、吸入口1aからインペラ収容空間K1に気体が吸入され、当該気体が回転駆動されるインペラ2によってスクロール流路1b側に圧送される。
なお、図4において、実線で示すMode1が本実施形態のターボブロワS1における1次危険速度を示し、実線で示すMode2が本実施形態のターボブロワS1における2次危険速度を示し、実線で示すMode3が本実施形態のターボブロワS1における3次危険速度を示し、実線で示すMode4が本実施形態のターボブロワS1における4次危険速度を示し、破線で示すMode1が従来のターボブロワにおける1次危険速度を示し、破線で示すMode2が従来のターボブロワにおける2次危険速度を示し、破線で示すMode3が従来のターボブロワにおける3次危険速度を示し、破線で示すMode4が従来のターボブロワにおける4次危険速度を示している。
なお、本実施形態のターボブロワS1における軸受5のバネ定数は、2.E+05である。このバネ定数で見ると、本実施形態のターボブロワS1では、定格速度、さらには定格速度の25%増に至るまでの全速度域が、危険速度を跨がない。したがって、本実施形態のターボブロワS1は、安定的に駆動することが可能となる。
また、図4に示すように、仮に軸受5のバネ定数が1.E+05である場合であっても、定格速度に至るまでの全速度域で危険速度を跨ぐことがない。このため、本実施形態のターボブロワS1によれば、軸受5のバネ定数が小さい場合でも採用が可能である。
これに対して、本実施形態のターボブロワS1においては、ナット11がインペラ2の最大外径部位2bよりも軸受5から離間する方向に配置されている。このため、インペラ2の最大外径部位2bの内部の肉厚を従来のターボブロワと同様に確保することができ、インペラ2の耐えうる応力を従来のターボブロワと同程度に確保することができる。
なお、図5において、横軸が軸受側の締結位置(すなわちボルト10の設置面4aの位置)を示し、縦軸が定格運転と1次危険速度との離調率を示している。
これらの点A〜点Hから分かるように、設置面4aを軸受5側に近づけるに連れて離調率が上昇、すなわち危険速度が上昇していることが分かる。また、設置面4aが最大外径部位2bよりも軸受5寄りに位置する場合(点G及び点H)には、確実に離調率を上昇させることができる。
そして、本実施形態のターボブロワS1においては、設置面4aが最大外径部位2bよりも軸受5寄りに位置する構成を採用しているため、確実に危険速度の上昇を図ることができる。
また、点Jから分かるように、(c)に示すように、ボルト10の先端10aをインペラ2の内部に配置することによって、さらに離調率が上昇、すなわちさらに危険速度が上昇することが分かる。なお、点Jは、本実施形態のターボブロワS1の結果である。
また、点Kは、ナット11及びボルト10の先端10aをインペラ2の内部に配置した状態で設置面4aをさらに軸受5に近づけた結果を示す。そして、点Jと点Kとの関係、及び点Gと点Hとの関係から分かるように、ナット11及びボルト10の先端10aをインペラ2の内部に配置した状態であっても、ナット11を外部に配置した(a)の構成と同様に離調率が変化することが分かる。
点L及び点Mは、(d)に示すように、インペラ2の底部の突出量dを変化させた場合の結果を示し、点Lが本来10mmの突出量が8mmの場合、点Mが本来10mmの突出量が6mmの場合の結果である。なお、本結果を得る際に、突出量の変化に応じて軸受5の位置も(c)に示すように変化させた。そして、点L及び点Mから分かるように、突出量dを小さくすることによって離調率が上昇、すなわち危険速度が上昇することが分かる。ただし、インペラ2の底部の突出は、本来インペラの耐えうる応力を高めるために形成されているものである。このため、インペラ2の底部の突出量dは、インペラの剛性と危険速度とのバランスを考慮して設定する必要がある。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明のターボ機械として、例えばターボポンプ等を用いることも可能である。
Claims (1)
- 軸受によって軸支されるシャフトと、該シャフトの一端から該シャフトの回転軸に重ねて突出されるボルト及び該ボルトに嵌合されるナットによって前記シャフトの一端側に固定されるインペラとを備えるターボ機械であって、
前記インペラの内部にナットの当接面が形成され、前記ナットの全体が前記インペラの内部に配置されており、
前記回転軸方向において、前記ナットが、前記インペラの最大外径部位よりも前記軸受から離間する方向に配置されており、
前記ボルトの前記ナット側の先端が前記インペラの内部に位置し、
前記シャフトにおける前記ボルトの設置面が、前記インペラの最大外径部位よりも前記軸受寄りに配置されており、
前記ボルトが、テンションボルトであり、
前記シャフトに対する前記インペラの位置決めを行うインロー構造を有する
ことを特徴とするターボ機械。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009201524A JP5353569B2 (ja) | 2009-09-01 | 2009-09-01 | ターボ機械 |
Publications (2)
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Family Applications (1)
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JP2009201524A Active JP5353569B2 (ja) | 2009-09-01 | 2009-09-01 | ターボ機械 |
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