JP5081268B2 - 電動圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、電動機により駆動されるインペラを備える電動圧縮機に関する。そして、該電動圧縮機は、例えば、燃料電池システムに備えられて、カソード側電極に供給される酸化剤ガスとしての空気を圧縮するために使用される。
電動機のロータにより回転駆動される回転軸と、回転軸を回転可能に支持するハウジングと、回転軸と一体に回転するインペラとを備える電動圧縮機において、ハウジングに回転可能に支持されるベアリング軸と前記ロータとから構成される前記回転軸が、インペラと共にテンション軸により一体に結合されるものは知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−257165号公報
電動圧縮機の回転軸が、ベアリング軸と電動機のロータとから構成され、該ベアリング軸および該ロータが、インペラと共に、それら部材に挿通されるテンション軸により一体に結合される場合、軽量化の観点からテンション軸の外径を小さくすることが好ましい。しかしながら、該外径がほぼ一様なテンション軸は、製造時に曲がりや撓みが発生し易くなって、その扱いに手間がかかり、生産性を低下させる原因になる。そこで、テンション軸を、その外径が軸方向で異なる軸とすることにより、その剛性が高められるので、製造時でのテンション軸の直線性の維持が容易になる。
一方、外径が異なる軸部を有するテンション軸において、大径部が回転軸のロータに挿入されている部分であると、回転軸の回転速度の制御応答性を高めるためにその慣性モーメントの増加を抑制することが望ましいロータにおいては、外径が大きくなっている分、ロータを構成する界磁または電機子の径方向幅が制限されて、電動機の発生トルクの減少を招来する。
また、テンション軸において、軸方向でロータよりもインペラ寄りに挿入されている部分の外径が小さいと、テンション軸によるインペラの支持剛性も小さくなるので、高速で回転するインペラの振れまたは振動を抑制する効果が低下する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電動圧縮機においてインペラおよび回転軸を締結するテンション軸の生産性の向上を図ること、電動機のロータの慣性モーメントの増加を防止しながら該ロータの径方向幅の増加を図ること、およびテンション軸によるインペラの振れまたは振動の抑制効果の向上を図ることを目的とする。
そして、本発明は、さらに、ロータとステータとの間の径方向クリアランスの維持効果の向上を図ることを目的とする。
請求項1記載の発明は、電動機(7)のロータ(8)により回転駆動される回転軸(20)と、前記回転軸(20)を回転可能に支持するハウジング(2)と、前記回転軸(20)と一体に回転するインペラ(10)と、前記インペラ(10)と前記回転軸(20)とを一体に締結する締結部材(30)とを備える電動圧縮機において、前記回転軸(20)は、前記ロータ(8)と、前記ハウジング(2)に軸受(41,46,51)を介して支持される前側ベアリング軸(21)および後側ベアリング軸(22)とを備え、前記締結部材(30)は、前方から順次配列された前記インペラ(10)、前記前側ベアリング軸(21)、前記ロータ(8)および前記後側ベアリング軸(22)を挿通しているテンション軸(31)と、いずれも前記テンション軸(31,131)に一体に設けられて前記インペラ(10)、前記前側ベアリング軸(21)、前記ロータ(8)および前記後側ベアリング軸(22)を前方から締め付ける前側締付部(32)および後方から締め付ける後側締付部(33)とを備え、前記テンション軸(31,131)において、前記前側ベアリング軸(21)に挿入されている前側ベアリング軸挿入部(31b,131b)の外径は、前記ロータ(8)に挿入されているロータ挿入部(31c,131c)の外径よりも大きい電動圧縮機である。
これによれば、テンション軸が、ロータ挿入部よりも大径の前側ベアリング軸挿入部とを有するので、前側ベアリング軸挿入部の剛性が増大し、前側ベアリング軸挿入部の外径がロータ挿入部の外径と同じ場合に比べて、製造時でのテンション軸の直線性の維持が容易になり、テンション軸の生産性が向上する。
しかも、ロータ挿入部の外径が前側ベアリング軸挿入部の外径よりも小さい分、電動機のロータの慣性モーメントの増加を防止しながら該ロータの径方向幅を増加させることができ、ロータが界磁である場合に磁束密度を増加できる。
また、軸方向で前側ベアリング軸に隣接するインペラに対する、テンション軸による支持剛性の寄与分が増加するので、インペラの振れまたは振動の抑制効果を向上させることができ、圧縮効率の向上が可能になる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電動圧縮機において、前記電動機(7)は、前記ロータ(8)の径方向外方に配置されるステータ(9)を備え、前記前側ベアリング軸(21)および前記後側ベアリング軸(22)は、径方向で前記テンション軸(31)との間に筒状空間を形成する筒状部(21a,22a)と、前記筒状部(21a,22a)から径方向内方に延びている内向きフランジ部(21b,22b)とを有し、前記各内向きフランジ部(21b,22b)の内周面は、前記テンション軸(31,131)を支持する支持面(21b1,22b1)であるものである。
これによれば、テンション軸は、前側ベアリング軸および後側ベアリング軸により、軸方向でロータを挟む位置で支持されるので、テンション軸の振れまたは振動が抑制されて、ロータとステータとの間の径方向クリアランスの維持効果が向上し、電動機が発生するトルクの変動を抑制できる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の電動圧縮機において、前記支持面(21b1,22b1)は、前記前側ベアリング軸(21)および前記後側ベアリング軸(22)のそれぞれにおいて、軸方向で前記ロータ(8)寄りに位置するものである。
これによれば、各内向きフランジ部の支持面が軸方向でロータに近い位置でテンション軸を支持するので、テンション軸の振れまたは振動の抑制効果が向上し、ロータとステータとの間の径方向クリアランスの維持効果が向上する。
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の電動圧縮機において、前記前側ベアリング軸挿入部(31b)は、大径部(31b2)と、前記大径部(31b2)の外径よりも小さく、かつ前記ロータ挿入部(31c)の外径よりも大きい外径の小径部(31b1)とを有し、前記前側ベアリング軸挿入部(31b)は、前記小径部(31b1)において前記支持面(21b1)に支持されるものである。
これによれば、テンション軸と、インペラ、前側ベアリング軸、ロータおよび後側ベアリング軸とが互いに組み付けられる場合に、大径であることで剛性が高い前側ベアリング軸挿入部寄りでテンション軸を保持することにより、テンション軸の直線性が維持された状態で、インペラ、前側ベアリング軸、ロータおよび後側ベアリング軸を順次容易に挿入できる。
本発明によれば、テンション軸の生産性の向上、電動機のロータの慣性モーメントの増加を防止しながら該ロータの径方向幅の増加、およびテンション軸によるインペラの振れまたは振動の抑制効果の向上が可能になる。
さらに、本発明によれば、ロータとステータとの間の径方向クリアランスの維持効果の向上が可能になる。
本発明の第1実施形態である電動圧縮機の全体を示す断面図である。 図1の要部拡大図である。 本発明の第2実施形態を示し、図2に相当する図である。
以下、本発明の実施形態を図1〜図3を参照して説明する。
図1,図2は、本発明の第1実施形態を説明する図である。
図1に示される本発明の実施形態である電動圧縮機1は、機械としての車両に搭載される燃料電池システムに備えられて、酸化剤ガスとしての空気を供給する遠心式圧縮機である。
電動圧縮機1は、ハウジング2と、ハウジング2に収納される電動機7と、電動機7により回転駆動される回転軸20と、回転軸20をハウジング2に回転可能に支持するための軸受装置40と、回転軸20と一体に回転するインペラ10と、回転軸20とインペラ10とを一体に結合する締結部材30と、インペラ10の回転に起因して回転軸20に前方に向かって作用するスラスト力Faを減少させるキャンセルスラスト力Fbが後方に向かって作用するスラストキャンセラ機構60とを備える。
なお、本発明および実施形態において、軸方向は、回転軸20の回転中心線Lに平行な方向であるとし、径方向および周方向は、それぞれ回転中心線Lを中心とする径方向および周方向であるとする。また、便宜上、前後方向は軸方向に平行な方向であるとし、前方は、回転軸20または電動機7のロータ8に対して軸方向でインペラ10が位置する方向であるとする。
ハウジング2は、複数の羽根10aを有するインペラ10を収納すると共にインペラ10に吸入されて圧縮される気体としての空気が流れる給気流路11を形成するインペラハウジング3と、電動機7のロータ8およびステータ9を収納すると共にインペラハウジング3に結合されるモータハウジング4と、モータハウジング4に結合される端部ハウジング5とを備える。モータハウジング4は、軸方向で、インペラハウジング3と端部ハウジング5との間に配置される。
そして、インペラハウジング3、モータハウジング4および端部ハウジング5により、電動圧縮機1の内部空間6が形成される。
燃料電池システムの酸化剤ガス供給系統に連通する気体供給流路としての給気流路11は、インペラ10よりも上流に位置して空気を取り入れる入口流路12と、入口流路12からの空気がインペラ10により圧縮される圧縮流路13と、インペラ10よりも下流に位置してインペラ10により圧縮された加圧気体としての加圧空気が流通する出口流路とを有する。該出口流路は、圧縮流路13の下流に連なるディフューザ流路14と、ディフューザ流路14の下流に連なるスクロール流路15とから構成される。
インペラハウジング3は、入口流路12および圧縮流路13を形成する前部ハウジング3aと、該前部ハウジング3aにボルトB1により結合される後部ハウジング3bとを有する。ディフューザ流路14およびスクロール流路15の一部は、前部ハウジング3aおよび後部ハウジング3bの協働により形成される。
モータハウジング4は、円筒状の内側ハウジング4bと該内側ハウジング4bを囲む外側ハウジング4aとを有する。ロータ8およびステータ9は、内側ハウジング4bの径方向内方において主内部空間6aに収納される。この主内部空間6aは、モータハウジング4と後記仕切壁18と後記主端部壁5aとにより形成される。
内側ハウジング4bの外周面に形成された溝と外側ハウジング4aの内周面との間には、ステータ9を冷却する冷却流体としての冷却水が流通する螺旋状の冷却通路7aが形成される。
端部ハウジング5は、外側ハウジング4aに結合される主端部壁5aと、主端部壁5aの後方に配置されて該主端部壁5aに結合される副端部壁5bとを有する。主端部壁5aと副端部壁5bとは、回転軸20の回転位置を検出する回転位置センサ70および後記後側締付部33が収納される副内部空間6bを形成する。そして、主内部空間6aと副内部空間6bにより内部空間6が構成される。主端部壁5aは、主内部空間6aと副内部空間6bとを仕切る仕切壁である。主端部壁5aには、ステータ9を冷却する冷却空気を主内部空間6aに導入する導入口5cが設けられる。
3相交流式のブラシレスモータである電動機7は、回転軸20の一部を構成する円筒状のロータ8と、ロータ8の径方向外方に所定の径方向クリアランスC(図2も参照)を形成して配置されるステータ9とを備える。ロータ8は、界磁としての永久磁石からなる磁石8aと、磁石8aを囲んで配置されて該磁石8aを収納する円筒状のモータ軸8bとから構成される。ロータ8を全周に渡って囲むステータ9は、電機子としての鉄心を有する円筒状に形成された3相の巻線により構成され、該3相の巻線の端子7bが外側ハウジング4aに配置される。
図2を併せて参照すると、回転軸20は、ロータ8と、軸方向でロータ8を挟んで配置される1対のベアリング軸21,22とから構成される。前方から順次配列されたインペラ10と、ロータ8の前方に配置される前側軸としての前側ベアリング軸21と、ロータ8と、ロータ8の後方に配置される後側軸としての後側ベアリング軸22と、後記キャンセラディスク61とは、この順番で、インペラ10、両ベアリング軸21,22、ロータ8およびキャンセラディスク61の中心部を軸方向に平行に挿通するテンション軸31を備える締結部材30により、軸方向および周方向に相対移動不能に結合されて、該締結部材30と共に1つの圧縮機回転ユニットを構成する。
前側ベアリング軸21および後側ベアリング軸22は、径方向でテンション軸31との間に円筒状の筒状空間を形成する円筒状の筒状部21a,22aと、筒状部21a,22aから径方向内方に延びている内向きフランジ部21b,22bとを有する。各内向きフランジ部21b,22bの内周面は、テンション軸31の被支持部としての小径部31b1および大径部31d1をそれぞれ支持する支持面21b1,22b1である。
前側ベアリング軸21の筒状部21aは、前端部でインペラ10の嵌合部10bの外周にインロー嵌合し、後端部でロータ軸8bの内周にインロー嵌合する。後側ベアリング軸22の筒状部22aは、前端部でロータ軸8bの内周にインロー嵌合し、後端部でキャンセラディスク61の嵌合部61aの外周にインロー嵌合する。
また、前側ベアリング軸21の外周面には、インペラ10の後方に形成される背後空間17と後記スラストディスク52が収納される収納室50とを仕切る仕切壁18との間にラビリンスシール23が設けられ、後側ベアリング軸22の外周面には、主端部壁5aとの間にラビリンスシール24が設けられる。
ここで、インロー嵌合とは、互いに嵌合する2つの部材の嵌合部において、一方の嵌合部の外径と他方の嵌合部の内径とがほぼ等しい嵌合を意味する。
締結部材30は、テンション軸31と、いずれもテンション軸31に設けられてインペラ10、前側ベアリング軸21、ロータ8、後側ベアリング軸22およびキャンセラディスク61を軸方向で締め付ける前側締付部32および後側締付部33とを備える。締結部材30の前端部を構成すると共にインペラ10に当接して後方に押圧する前側締付部32は、テンション軸31と一体成形される。それゆえ、テンション軸31と前側締付部32とは、前側締付部32を頭部とし、テンション軸31を軸部とするボルトを構成する。後側締付部33は、テンション軸31に設けられたネジ部31nに螺合することでテンション軸31と一体に設けられたネジ部材であるナットにより構成される。それゆえ、後側締付部33は、テンション軸31に対して着脱可能である。
締結部材30は、インペラ10とロータ8と両ベアリング軸21,22とキャンセラディスク61とを軸方向に締め付けて一体化する。そして、前側締付部32はインペラ10を後方に押圧し、後側締付部33は後側ベアリング軸22を前方に押圧する。
テンション軸31は、後方に向かって、インペラ10に挿入されているインペラ挿入部31aと、前側ベアリング軸21に挿入されている前側ベアリング軸挿入部31bと、ロータ8に挿入されているロータ挿入部31cと、後側ベアリング軸22に挿入されている後側ベアリング軸挿入部31dと、ネジ部31nが設けられた後軸端部31eとを有する。
インペラ挿入部31aおよび前側ベアリング軸挿入部31bの外径は、ロータ挿入部31cおよび後側ベアリング軸挿入部31dおよび後軸端部31eの外径よりも大きい。そして、テンション軸31は、前側締付部32から後方に向かうにつれて、その外径が大径にならない形状、すなわち外径が小径になるかまたは等しい径となる形状になっている。
前側ベアリング軸挿入部31bは、大径部31b2と、大径部31b2の外径よりも小さく、かつロータ挿入部31cの外径よりも大きい被支持部としての小径部31b1とを有し、小径部31b1において内向きフランジ部21bの支持面21b1に支持される。
一方、後側ベアリング軸挿入部31dは、被支持部としての大径部31d1と、大径部31d1の外径よりも小さく、かつロータ挿入部31cの外径に等しいかやや小径の小径部31d2とを有し、大径部31d1において支持面22b2に支持される。
主内部空間6a内に配置される軸受装置40は、いずれも軸受である前側ベアリング軸21を回転可能に支持する前側ラジアル軸受41およびスラスト軸受51と、後側ベアリング軸22を回転可能に支持する軸受である後側ラジアル軸受46とを備える。各ラジアル軸受41,46は、主内部空間6a内に収納される軸受保持部材である環状の軸受保持プレート42,47と、軸受保持プレート42,47の内周面にベアリング軸21,22と径方向で対向して配置されるフォイル軸受43,48とから構成される。
前側軸受保持プレート42は、後記軸受保持プレート54と共に、ボルトB2により仕切壁18に結合されて設けられる。仕切壁18は、ボルトB3により外側ハウジング4aの前端壁4a1に結合されて設けられる。また、後側軸受保持プレート47は、ボルトB4により主端部壁5aに結合されて設けられる。
また、スラスト軸受51は、前側ベアリング軸21において軸方向でインペラ10とロータ8との間に設けられたスラストディスク52と、仕切壁18の一部により構成される軸受保持部材である前側軸受保持プレート53と、軸受保持部材である後側軸受保持プレート54と、スラストディスク52と軸方向で対向して前側軸受保持プレート53に設けられた前側フォイル軸受55と、スラストディスク52と軸方向で対向して軸受保持プレート54に設けられた後側フォイル軸受56とから構成される。
フォイル軸受43,48,55,56は周知のものである。そして、各ラジアル軸受41,46においては、フォイル軸受43,48により、回転軸20の回転によりベアリング軸21,22とフォイル軸受43,48との間に各ベアリング軸21,22を囲んで円環状の空気膜が形成され、該空気膜により各ベアリング軸21,22が浮動状体で回転する。また、スラスト軸受51においては、各フォイル軸受55,56により、回転軸20の回転によりスラストディスク52とフォイル軸受55,56との間に円板状の空気膜が形成され、該空気膜によりスラストディスク52(したがって前側ベアリング軸21)が浮動状体で回転する。
スラストキャンセラ機構60は、後側ベアリング軸22の後端部にインロー嵌合すると共に後側締付部33により後側ベアリング軸22に押し付けられて、回転軸20と一体に回転すると共に軸方向に移動するキャンセラディスク61と、スクロール流路15の圧力を導く圧力通路64が接続される円環状の圧力室62を後側ベアリング軸22と協働して形成する圧力室壁63とを備える。該圧力室壁63は主端部壁5aを含む端部ハウジング5により形成され、圧力室62には可動室壁としてのキャンセラディスク61が収納される。
円形外周部を有するフランジ部として後側ベアリング軸22に一体成形により形成されたキャンセラディスク61は、圧力室62を、キャンセラディスク61に対して、インペラ10側に位置する高圧室62aと、インペラ10とは反対側に位置する低圧室としての副内部空間6bとに、軸方向で区画する。キャンセラディスク61と圧力室壁63との間からの高圧室62aの空気の漏れを抑制するためのシール部としてのラビリンスシール69が、キャンセラディスク61の外周面に設けられている。
高圧室62a内には、インペラ10により圧縮された加圧空気が圧力通路64を通じて導かれる。
キャンセルスラスト力Fbは、高圧室62aの圧力と副内部空間6bの圧力との差圧により発生する。このキャンセルスラスト力Fbは、電動圧縮機1の作動中に、前記スラスト力Faを減少させて、スラスト軸受51が受ける荷重を軽減する。
そして、回転軸20は、スラスト力Faおよびキャンセルスラスト力Fbの大きさに応じて、スラスト軸受51により規制される範囲において、軸方向に移動可能である。
インペラ10、両ベアリング軸21,22、ロータ8、仕切壁18、ラジアル軸受41およびスラスト軸受51は、ハウジング2に組み付けられる前に、テンション軸31を含む締結部材30により互いに予め組み付けられて一体化されたモジュールMを構成する。そして、1つの部材としてのモジュールMは、インペラハウジング3および端部ハウジング5が組み付けられる前のモータハウジング4に前方から挿入されて、仕切壁18が外側ハウジング4aの前端壁4a1にボルトB3により結合されて、ハウジング2の所定位置に取り付けられる。
その後、後側ラジアル軸受46が結合された主端部壁5aが、後方から後側ベアリング軸22に挿入されて、モータハウジング4にボルトB5により結合され、次いで、キャンセラディスク61が後方から後軸端部3eに挿入されて、後軸端部3eに後側締付部33がねじ込まれることによりキャンセラディスク61が後側ラジアル軸受46に結合される。その後、回転位置センサ70の被検出部72が、固定具としてのナット74により後側締付部33に結合されることで、該後側締付部33を介して回転軸30に取り付けられ、回転位置センサ70の検出部71が主端部壁5aに取り付けられる。
その後、副端部壁5bが主端部壁5aにボルトB6により結合されて、最後にインペラハウジング3がボルトB1により前端壁4a1に結合されて、電動圧縮機1が組み立てられる。
次に、電動圧縮機1の作動について説明する。
電動機用制御装置(図示されず)により制御された相電流が各巻線に供給されて、電動機7が回転し、該電動機7により回転駆動されるインペラ10が入口流路12から吸入した空気を圧縮する。インペラ10により圧縮された加圧空気は、燃料電池システムの酸化剤ガス供給系統を経てカソード側電極に供給される。
そして、スラストキャンセラ機構60においては、スクロール流路15を流れる加圧空気の一部が圧力通路64を通じて高圧室62aに供給される。これにより、スラストディスク61には、スラスト力Faを減少させるキャンセルスラスト力Fbが作用する。
次に、前述のように構成された第1実施形態の作用および効果について説明する。
電動圧縮機1において、回転軸20は、ロータ8と、ハウジング2に軸受装置40を介して支持される前側ベアリング軸21および後側ベアリング軸22とを備え、締結部材30は、前方から順次配列されたインペラ10、前側ベアリング軸21、ロータ8および後側ベアリング軸22を挿通しているテンション軸31と、いずれもテンション軸31に一体に設けられてインペラ10、前側ベアリング軸21、ロータ8および後側ベアリング軸22を前方から締め付ける前側締付部32および後方から締め付ける後側締付部33とを備え、テンション軸31において、前側ベアリング軸21に挿入されている前側ベアリング軸挿入部31bの外径は、ロータ8に挿入されているロータ挿入部31cの外径よりも大きい。
この構造により、テンション軸31が、ロータ挿入部31cよりも大径の前側ベアリング軸挿入部31bを有するので、前側ベアリング軸挿入部31bの剛性が増大し、前側ベアリング軸挿入部31bの外径がロータ挿入部31cの外径と同じ場合に比べて、製造時でのテンション軸31の直線性の維持が容易になり、テンション軸31の生産性が向上する。
しかも、ロータ挿入部31cの外径が前側ベアリング軸挿入部31bの外径よりも小さい分、ロータ8の慣性モーメントの増加を防止しながら該ロータ8の径方向幅を増加させることができて、ロータ8を構成する磁石8aを大きくできるので、磁束密度を増加できる。
また、軸方向で前側ベアリング軸21に隣接するインペラ10に対する、テンション軸31による支持剛性の寄与分が増加するので、インペラ10の振れまたは振動の抑制効果を向上させることができ、圧縮効率の向上が可能になる。
軸方向でロータ8を挟んで配置される前側ベアリング軸21および後側ベアリング軸22において、内向きフランジ部21b,22bの内周面は、テンション軸31の前側ベアリング軸挿入部31bの小径部31b1および後側ベアリング軸挿入部31dの大径部31d1を支持する支持面21b1,22b1である。
この構造により、テンション軸31は、前側ベアリング軸21および後側ベアリング軸22により、軸方向でロータ8を挟む位置で支持されるので、テンション軸31の振れまたは振動が抑制されて、ロータ8とステータ9との間の径方向クリアランスCの維持効果が向上し、電動機7が発生するトルクの変動を抑制できる。
各内向きフランジ部21b,22bの支持面21b1,22b1は、前側ベアリング軸21および後側ベアリング軸22のそれぞれにおいて、軸方向でロータ8寄りに位置することにより、支持面21b1,22b1が軸方向でロータ8に近い位置でテンション軸31を支持するので、テンション軸31の振れまたは振動の抑制効果が向上し、ロータ8とステータ9との間の径方向クリアランスCの維持効果が向上する。
前側ベアリング軸挿入部31bは、大径部31b2と、大径部31b2の外径よりも小さく、かつロータ挿入部31cの外径よりも大きい外径の小径部31b1とを有し、前側ベアリング軸挿入部31bは、小径部31b1において支持面21b1に支持される。
この構造により、テンション軸31と、インペラ10、前側ベアリング軸21、ロータ8および後側ベアリング軸22とが互いに組み付けられる場合に、大径であることで剛性が高い前側ベアリング軸挿入部31b寄りでテンション軸31を保持することにより、テンション軸31の直線性が維持された状態で、インペラ10、前側ベアリング軸21、ロータ8および後側ベアリング軸22を順次容易に挿入できる。
このため、例えば、前側締付部32およびテンション軸31に対して、インペラ10、スラスト軸受51、前側ベアリング軸21、ロータ8および後側ベアリング軸22が挿入された仮組ユニットを、インペラ10側を下方にして、テンション軸31が上下方向に平行にされた状態で、モータハウジング4に組み込むことが容易になり、前記仮組ユニットの組付性が向上する。
次に、図3を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。この第2実施形態は、第1実施形態とは、テンション軸および前側ベアリング軸が主に相違し、その他は基本的に同一の構成を有するものである。そのため、同一の部分についての説明は省略または簡略にし、異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態の部材と同一の部材または対応する部材については、必要に応じて同一の符号を使用した。
締結部材30のテンション軸131は、テンション軸131において最大の外径を有するインペラ挿入部131aと、テンション軸131において最小の外径を有する後軸端部131eと、インペラ挿入部131aの外径と等しい外径の前側ベアリング軸挿入部131bと、前側ベアリング軸挿入部131bの外径よりも小さいと共に後側ベアリング軸挿入部131dの外径よりも大きい外径を有するロータ挿入部131cとを有する。
後側ベアリング軸挿入部131dは、後側ベアリング軸22のフランジ部22bの支持面22b1に支持される被支持部としての大径部131d1と、該大径部131d1よりも小さい外径の小径部131d2とを有する。大径部131d1の外径は、ロータ挿入部131cの外径に等しく、小径部131d2の外径は、後軸端部131eの外径に等しい。
また、前側ベアリング軸挿入部131bは、前側ベアリング軸21の筒状部21aのロータ8寄りの端部21a1からインペラ10寄りに位置する内向きフランジ部21bの支持面21b1に支持される被支持部131b1を有する。そして、前側ベアリング軸挿入部131bを支持する前側ベアリング軸21は、支持面21b1にてテンション軸131における最大外径を有する被支持部131b1を支持する。
この第2実施形態においても、各支持面21b1,22b1は、軸方向で前記ロータ8寄りに位置する。
第2実施形態においては、インペラ挿入部131aおよび前側ベアリング軸挿入部131bの外径が、テンション軸131における最大外径を有し、しかも支持面21b1が端部21a1よりもインペラ10寄りに位置するので、第1実施形態に比べて、前側ベアリング軸挿入部131bの剛性が増大し、インペラ10に対する、テンション軸131による支持剛性の寄与分が増加するので、インペラ10の振れまたは振動の抑制効果を向上させることができる。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
燃料電池システムは、車両以外の機械に使用されてもよく、例えば汎用のものであってもよい。電動圧縮機は、燃料電池システム以外の装置に使用されてもよく、また空気以外の気体を圧縮するものであってもよい。
電動圧縮機は、軸流式のインペラを備える軸流式圧縮機であってもよい。
1 電動圧縮機
2 ハウジング
7 電動機
8 ロータ
10 インペラ
20 回転軸
21,22 ベアリング軸
21b1,22b1 支持面
30 締結部材
31,131 テンション軸
31b,131b 前側ベアリング軸挿入部
31c,131c ロータ挿入部

Claims (4)

  1. 電動機のロータにより回転駆動される回転軸と、前記回転軸を回転可能に支持するハウジングと、前記回転軸と一体に回転するインペラと、前記インペラと前記回転軸とを一体に締結する締結部材とを備える電動圧縮機において、
    前記回転軸は、前記ロータと、前記ハウジングに軸受を介して支持される前側ベアリング軸および後側ベアリング軸とを備え、
    前記締結部材は、前方から順次配列された前記インペラ、前記前側ベアリング軸、前記ロータおよび前記後側ベアリング軸を挿通しているテンション軸と、いずれも前記テンション軸に一体に設けられて前記インペラ、前記前側ベアリング軸、前記ロータおよび前記後側ベアリング軸を前方から締め付ける前側締付部および後方から締め付ける後側締付部とを備え、
    前記テンション軸において、前記前側ベアリング軸に挿入されている前側ベアリング軸挿入部の外径は、前記ロータに挿入されているロータ挿入部の外径よりも大きいことを特徴とする電動圧縮機。
  2. 前記電動機は、前記ロータの径方向外方に配置されるステータを備え、
    前記前側ベアリング軸および前記後側ベアリング軸は、径方向で前記テンション軸との間に筒状空間を形成する筒状部と、前記筒状部から径方向内方に延びている内向きフランジ部とを有し、
    前記各内向きフランジ部の内周面は、前記テンション軸を支持する支持面であることを特徴とする請求項1記載の電動圧縮機。
  3. 前記各支持面は、前記前側ベアリング軸および前記後側ベアリング軸のそれぞれにおいて、軸方向で前記ロータ寄りに位置することを特徴とする請求項2記載の電動圧縮機。
  4. 前記前側ベアリング軸挿入部は、大径部と、前記大径部の外径よりも小さく、かつ前記ロータ挿入部の外径よりも大きい外径の小径部とを有し、
    前記前側ベアリング軸挿入部は、前記小径部において前記支持面に支持されることを特徴とする請求項2または3記載の電動圧縮機。
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