JP5108911B2 - スラストキャンセラ機構を備える遠心式圧縮機 - Google Patents

スラストキャンセラ機構を備える遠心式圧縮機 Download PDF

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Description

本発明は、気体を圧縮するインペラと、インペラの回転に起因して回転軸に作用するスラスト力を減少させるスラストキャンセラ機構とを備える遠心式圧縮機に関する。そして、該遠心式圧縮機は、例えば、燃料電池システムに備えられて、カソード側電極に供給される酸化剤ガスとしての空気を圧縮するために使用される。
回転軸と一体に回転するインペラと、回転軸を回転可能に支持すると共にインペラを収納するハウジングと、インペラの回転に起因して回転軸に作用するスラスト力を受けるスラスト軸受と、該スラスト力を減少させるキャンセルスラスト力を発生するスラストキャンセラ機構とを備える遠心式圧縮機は知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、一般に、回転軸の軸受装置として、回転軸との間に空気膜を形成するフォイル軸受もよく知られている(例えば、特許文献2,3参照)。
特開平4−86395号公報 特表平11−503811号公報 特開2001−295836号公報
遠心式圧縮機において、インペラを収納するハウジングとインペラの先端部との間に形成されるチップクリアランスは、圧縮機の圧縮効率に影響を与えるため、圧縮効率を高めるためには、該チップクリアランスを最適な値に設定することが望ましい。
一方、インペラの回転に起因して回転軸に作用するスラスト力を減少させるキャンセルスラスト力を発生するスラストキャンセラ機構を備える遠心式圧縮機においては、該スラストキャンセラ機構により、回転軸を軸方向に移動させることができる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、スラストキャンセラ機構を備える遠心式圧縮機において、該スラストキャンセラ機構を利用することにより、チップクリアランスを制御することを目的とする。
そして、本発明は、さらに、チップクリアランスの制御精度の向上を図ることを目的とする。
請求項1記載の発明は、回転軸(20)と一体に回転するインペラ(10)と、前記回転軸(20)を回転可能に支持すると共に前記インペラ(10)を収納するハウジング(2)と、前記インペラ(10)の回転に起因して前記回転軸(20)に作用するスラスト力(Fa)を受けるスラスト軸受(51)と、前記スラスト力(Fa)を減少させるキャンセルスラスト力(Fb)を発生するスラストキャンセラ機構(60)とを備える遠心式圧縮機において、前記スラスト軸受(51)は、前記回転軸(20)に設けられたスラストディスク(52)を備え、前記スラストキャンセラ機構(60)は、前記回転軸(20)に設けられたキャンセラディスク(61)と、前記キャンセラディスク(61)を可動室壁として形成される圧力室(62)の圧力を制御する圧力制御弁(73,74)と、前記圧力制御弁(73,74)を制御する制御装置(80)とを備え、前記制御装置(80)は、前記スラストディスク(52)の軸方向位置を検出する位置検出手段(82)を備え、前記軸方向位置に応じて前記圧力制御弁(73,74)を制御することにより、前記ハウジング(2)と前記インペラ(10)の羽根(10a)の先端部との間のチップクリアランスを制御する遠心式圧縮機である。
これによれば、スラストキャンセラ機構の圧力室の圧力を圧力制御弁により制御することで、スラストキャンセラ機構を利用してチップクリアランスを制御できる。
また、インペラの軸方向位置の指標部材として、スラストディスクは大きな部材であることから、インペラの軸方向位置に対応する軸方向位置を検出する位置検出手段の配置の自由度が大きい。この結果、位置検出手段を、その周辺部材の配置を制約することなく、配置することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の遠心式圧縮機において、前記スラストディスク(52)は、軸方向で前記キャンセラディスク(61)よりも前記インペラ(10)に近い位置に配置されるものである。
これによれば、位置検出手段によりは、キャンセラディスクよりもインペラに近い位置にあるスラストディスクの位置を検出するので、インペラに対してスラストディスクよりも遠方に位置するキャンセラディスクの位置を検出する場合に比べて、インペラとスラストディスクとの軸方向距離が小さいので、熱膨張などによる回転軸の伸縮の影響を小さくでき、チップクリアランスの制御精度が向上する。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の遠心式圧縮機において、前記スラスト軸受(51)は、前記スラストディスク(52)と軸方向で対向すると共に、軸方向で前記スラストディスク(52)に対して前記インペラ(10)側に配置される前側フォイル軸受(55)を備え、前記位置検出手段(82)は、軸方向で、前記スラストディスク(52)に対して前記インペラ(10)とは反対側に配置されるものである。
これによれば、インペラの回転に起因して発生するスラスト力を受ける前側フォイル軸受の配置や厚みなど、前側フォイル軸受の構造が位置検出手段により制約されないので、スラスト軸受に所要の軸受機能を発揮させることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の遠心式圧縮機において、前記スラスト軸受(51)は、前記スラストディスク(52)と軸方向で対向すると共に、軸方向で前記スラストディスク(52)に対して前記インペラ(10)とは反対側に配置される後側フォイル軸受(56)を備え、前記制御装置(80)は、前記後側フォイル軸受(56)と前記スラストディスク(52)との軸方向間隔(A)を検出する間隔検出手段(83)を備え、前記軸方向間隔(A)が所定値以下になるとき、前記圧力室(62)の圧力が低下するように前記圧力制御弁(73,74)を制御するものである。
これによれば、軸方向間隔が所定値以下となって、スラストディスクと後側フォイル軸受との間に形成される空気膜の膜圧が薄くなったとき、スラストディスクが後側フォイル軸受に接近することが防止されるので、スラストディスクと後側フォイル軸受との接触による後側フォイル軸受の損傷を防止できて、スラスト軸受の耐久性、ひいては遠心式圧縮機の耐久性の向上が可能になる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の遠心式圧縮機において、前記圧力制御弁(73,74)は、前記インペラ(10)により圧縮された加圧気体が流通するスクロール流路(15)の圧力を前記圧力室(62)に導く高圧通路(71)に設けられる高圧制御弁(73)と、前記インペラ(10)により圧縮される気体が吸入される入口流路(12)の負圧を前記圧力室(62)に導く負圧通路(72)に設けられる負圧制御弁(74)とであり、前記制御装置(80)は、前記軸方向間隔(A)が前記所定値以下になるとき、前記負圧制御弁(74)を制御して前記負圧通路(72)の負圧を前記圧力室(62)に導くものである。
これによれば、負圧通路を通じて圧力室に導入される負圧により、圧力室の圧力が速やかに低下するので、スラストディスクと後側フォイル軸受との接触防止の確実性が向上する。
本発明によれば、スラストキャンセラ機構を備える遠心式圧縮機において、該スラストキャンセラ機構を利用することにより、チップクリアランスを制御することができる。さらに、本発明によれば、チップクリアランスの制御精度の向上が可能になる。
本発明の実施形態である遠心式圧縮機の全体を示す断面図である。 図1の要部拡大図である。 図1の遠心式圧縮機のスラスト軸受付近を模式的に示す、周方向での断面図である。
以下、本発明の実施形態を図1〜図3を参照して説明する。
図1に示される本発明の実施形態である遠心式圧縮機1は、機械としての車両に搭載される燃料電池システムに備えられて、酸化剤ガスとしての空気を供給する電動圧縮機である。
圧縮機1は、ハウジング2と、ハウジング2に収納される電動機7と、電動機7により回転駆動される回転軸20と、回転軸20をハウジング2に回転可能に支持するための軸受装置40と、回転軸20と一体に回転するインペラ10と、回転軸20とインペラ10とを一体に結合する締結部材30と、インペラ10の回転に起因して回転軸20に前方に向かって作用するスラスト力Faを減少させるキャンセルスラスト力Fbが後方に向かって作用するスラストキャンセラ機構60とを備える。
なお、本発明および実施形態において、軸方向は、回転軸20の回転中心線Lに平行な方向であるとし、径方向および周方向は、それぞれ回転中心線Lを中心とする径方向および周方向であるとする。また、便宜上、前後方向は軸方向に平行な方向であるとし、前方は、回転軸20または電動機7のロータ8に対して軸方向でインペラ10が位置する方向であるとする。
ハウジング2は、複数の羽根10aを有するインペラ10を収納すると共にインペラ10に吸入されて圧縮される気体としての空気が流れる給気流路11を形成するインペラハウジング3と、電動機7のロータ8およびステータ9を収納すると共にインペラハウジング3に結合されるモータハウジング4と、モータハウジング4に結合される端部ハウジング5とを備える。モータハウジング4は、軸方向で、インペラハウジング3と端部ハウジング5との間に配置される。
そして、インペラハウジング3、モータハウジング4および端部ハウジング5により、圧縮機1の内部空間6が形成される。
燃料電池システムの酸化剤ガス供給系統に連通する気体供給流路としての給気流路11は、インペラ10よりも上流に位置して空気を吸入する入口流路12と、入口流路12からの空気がインペラ10により圧縮される圧縮流路13と、インペラ10よりも下流に位置してインペラ10により圧縮された加圧気体としての加圧空気が流通する出口流路とを有する。該出口流路は、圧縮流路13の下流に連なるディフューザ流路14と、ディフューザ流路14の下流に連なるスクロール流路15とから構成される。
インペラハウジング3は、入口流路12および圧縮流路13を形成する前部ハウジング3aと、該前部ハウジング3aにボルトB1により結合される後部ハウジング3bとを有する。ディフューザ流路14およびスクロール流路15の一部は、前部ハウジング3aおよび後部ハウジング3bの協働により形成される。
モータハウジング4は、円筒状の内側ハウジング4bと該内側ハウジング4bを囲む外側ハウジング4aとを有する。ロータ8およびステータ9は、内側ハウジング4bの径方向内方において主内部空間6aに収納される。この主内部空間6aは、モータハウジング4と後記仕切壁18と後記主端部壁5aとにより形成される。
内側ハウジング4bの外周面に形成された溝と外側ハウジング4aの内周面との間には、ステータ9を冷却する冷却流体としての冷却水が流通する螺旋状の冷却通路7aが形成される。
端部ハウジング5は、外側ハウジング4aに結合される主端部壁5aと、主端部壁5aの後方に配置されて該主端部壁5aに結合される副端部壁5bとを有する。主端部壁5aと副端部壁5bとは、回転軸20の回転位置を検出する回転位置センサ39および後記後側締付部33が収納される副内部空間6bを形成する。そして、主内部空間6aと副内部空間6bにより内部空間6が構成される。主端部壁5aは、主内部空間6aと副内部空間6bとを仕切る仕切壁である。主端部壁5aには、ステータ9を冷却する冷却空気を主内部空間6aに導入する導入口5cが設けられる。
3相交流式のブラシレスモータである電動機7は、回転軸20の一部を構成する円筒状のロータ8と、ロータ8の径方向外方に所定の径方向クリアランスを形成して配置されるステータ9とを備える。ロータ8は、界磁としての永久磁石からなる磁石8aと、磁石8aを囲んで配置されて該磁石8aを収納する円筒状のモータ軸8bとから構成される。ロータ8を全周に渡って囲むステータ9は、電機子としての鉄心を有する円筒状に形成された3相の巻線により構成され、3相の巻線の端子7bが外側ハウジング4aに配置される。
図2を併せて参照すると、回転軸20は、ロータ8と、軸方向でロータ8を挟んで配置される1対のベアリング軸21,22とから構成される。前方から順次配列されたインペラ10と、ロータ8の前方に配置される前側軸としての前側ベアリング軸21と、ロータ8と、ロータ8の後方に配置される後側軸としての後側ベアリング軸22と、後記キャンセラディスク61とは、この順番で、インペラ10、両ベアリング軸21,22、ロータ8およびキャンセラディスク61の中心部を軸方向に平行に挿通するテンション軸31を備える締結部材30により、軸方向および周方向に相対移動不能に結合されて、該締結部材30と共に1つの圧縮機回転ユニットを構成する。
前側ベアリング軸21および後側ベアリング軸22は、径方向でテンション軸31との間に円筒状の筒状空間を形成する円筒状の筒状部21a,22aと、筒状部21a,22aから径方向内方に延びている内向きフランジ部21b,22bとを有する。各内向きフランジ部21b,22bは、その内周面でテンション軸31の被支持部31a,31bを支持する。
前側ベアリング軸21の筒状部21aは、前端部でインペラ10の嵌合部10bの外周にインロー嵌合し、後端部でロータ軸8bの内周にインロー嵌合する。後側ベアリング軸22の筒状部22aは、前端部でロータ軸8bの内周にインロー嵌合し、後端部でキャンセラディスク61の嵌合部61aの外周にインロー嵌合する。
また、前側ベアリング軸21の外周面には、インペラ10の後方に形成される背後空間17とスラストディスク52が収納される収納室50とを仕切る仕切壁18との間にラビリンスシール23が設けられ、後側ベアリング軸22の外周面には、主端部壁5aとの間にラビリンスシール24が設けられる。
ここで、インロー嵌合とは、互いに嵌合する2つの部材の嵌合部において、一方の嵌合部の外径と他方の嵌合部の内径とがほぼ等しい嵌合を意味する。
締結部材30は、テンション軸31と、いずれもテンション軸31に設けられてインペラ10、前側ベアリング軸21、ロータ8、後側ベアリング軸22およびキャンセラディスク61を軸方向で締め付ける前側締付部32および後側締付部33とを備える。締結部材30の前端部を構成すると共にインペラ10に当接して後方に押圧する前側締付部32は、テンション軸31と一体成形される。それゆえ、テンション軸31と前側締付部32とは、前側締付部32を頭部とし、テンション軸31を軸部とするボルトを構成する。後側締付部33は、テンション軸31に設けられたネジ部31nに螺合することでテンション軸31と一体に設けられたネジ部材であるナットにより構成される。それゆえ、後側締付部33は、テンション軸31に対して着脱可能である。
締結部材30は、インペラ10とロータ8と両ベアリング軸21,22とキャンセラディスク61とを軸方向に締め付けて一体化する。そして、前側締付部32はインペラ10を後方に押圧し、後側締付部33は後側ベアリング軸22を前方に押圧する。
主内部空間6a内に配置される軸受装置40は、いずれも軸受である前側ベアリング軸21を回転可能に支持する前側ラジアル軸受41およびスラスト軸受51と、後側ベアリング軸22を回転可能に支持する軸受である後側ラジアル軸受46とを備える。各ラジアル軸受41,46は、主内部空間6a内に収納される軸受保持部材である環状の軸受保持プレート42,47と、軸受保持プレート42,47の内周面にベアリング軸21,22と径方向で対向して配置されるフォイル軸受43,48とから構成される。
前側軸受保持プレート42は、後記軸受保持プレート54と共に、ボルトB2により仕切壁18に結合されて設けられる。仕切壁18は、ボルトB3により外側ハウジング4aの前端壁4a1に結合されて設けられる。また、後側軸受保持プレート47は、ボルトB4により主端部壁5aに結合されて設けられる。
また、スラスト軸受51は、前側ベアリング軸21において軸方向でインペラ10とロータ8との間に設けられたスラストディスク52と、仕切壁18の一部により構成される軸受保持部材である前側軸受保持プレート53と、軸受保持部材である後側軸受保持プレート54と、スラストディスク52と軸方向で対向して前側軸受保持プレート53に設けられた前側フォイル軸受55と、スラストディスク52と軸方向で対向して後側軸受保持プレート54に設けられた後側フォイル軸受56とから構成される。
後記キャンセラディスク61よりもインペラ10に近い位置に配置されるスラストディスク52は、軸方向で、インペラ10とロータ8との間に、またはインペラ10と、ロータ8の前方に位置する後側軸受保持プレート54との間に配置される。そして、スラストディスク52は、軸方向で前側ベアリング軸21を前部および後部に二等分したときの前記前部に設けられる。
フォイル軸受43,48,55,56は周知のものであり、トップフォイルとバンプフォイルとを有する。図3には、後側フォイル軸受56のトップフォイル56aとバンプフォイル56bが示されている。
各ラジアル軸受41,46においては、フォイル軸受43,48により、回転軸20の回転によりベアリング軸21,22とフォイル軸受43,48との間に各ベアリング軸21,22を囲んで円環状の空気膜が形成され、該空気膜により各ベアリング軸21,22が浮動状体で回転する。また、スラスト軸受51においては、各フォイル軸受55,56により、回転軸20の回転によりスラストディスク52とフォイル軸受55,56との間に円板状の空気膜が形成され、該空気膜によりスラストディスク52(したがって前側ベアリング軸21)が浮動状体で回転する。
図1,図2を参照すると、スラストキャンセラ機構60は、後側ベアリング軸22に嵌合すると共に後側締付部33により後側ベアリング軸22に押し付けられて、回転軸20と一体に回転すると共に軸方向に移動するキャンセラディスク61と、可動室壁としてのキャンセラディスク61が収納される円環状の圧力室62を後側ベアリング軸22と協働して形成する圧力室壁63と、キャンセラディスク61にキャンセルスラスト力Fbを作用させるための制御圧力を圧力室62に導く圧力通路71,72の圧力を制御する圧力制御弁73,74と、圧力制御弁73,74を制御する制御装置80とを備える。圧力室壁63は主端部壁5aを含む端部ハウジング5により形成される。
円形外周部を有するフランジ部として後側ベアリング軸22に一体成形により形成されたキャンセラディスク61は、圧力室62を、キャンセラディスク61に対して、インペラ10側に位置する制御圧力室としての高圧室62aと、インペラ10とは反対側に位置する低圧室としての副内部空間6bとに、軸方向で区画する。キャンセラディスク61と圧力室壁63との間からの高圧室62aの空気の漏れを抑制するためのシール部としてのラビリンスシール69が、キャンセラディスク61の外周面に設けられている。
高圧室62a内には、インペラ10により圧縮された加圧空気が圧力通路71,72を通じて導かれる。そして、キャンセルスラスト力Fbは、高圧室62aの圧力と副内部空間6bの圧力との差圧により発生する。
圧力通路71,72は、正圧である高圧圧力を第1制御圧力として高圧室62aに導く第1圧力通路としての高圧通路71と、前記高圧圧力よりも低い圧力の低圧圧力としての負圧を第2制御圧力として高圧室62aに導く第2圧力通路としての低圧通路である負圧通路72とから構成される。
高圧通路71は、スクロール流路15と高圧室62aとを接続して、加圧空気を高圧室62aに導く。また、負圧通路72は、空気を吸入する入口流路12と高圧室62aとを接続して、高圧室62aの空気を低圧状態としての負圧が発生している入口流路12に導く。
圧力制御弁73,74は、高圧通路71に配置される第1圧力制御弁としての高圧制御弁73と、負圧通路72に配置される第2圧力制御弁としての低圧制御弁である負圧制御弁74とから構成される。
キャンセルスラスト力Fbは、高圧室62aの圧力と副内部空間6bの圧力との差圧により発生する。このキャンセルスラスト力Fbは、圧縮機1の作動中に、スラスト力Faを減少させて、スラスト軸受51が受ける荷重を軽減する。
そして、回転軸は、スラスト力Faおよびキャンセルスラスト力Fbの大きさに応じて、スラスト軸受51により規制される範囲において、軸方向に移動可能である。
図3を併せて参照すると、制御装置80は、インペラ10の軸方向位置としてのスラストディスク52の軸方向位置を検出する位置検出手段82を備える検出部81と、検出部81から入力される検出信号に基づいて高圧制御弁73および負圧制御弁74の作動を制御する制御部87とを備える。制御部87は、コンピュータを備える電子制御ユニットより構成される。
検出部81は、位置検出手段82のほかに、軸方向でのスラストディスク52と後側フォイル軸受56のトップフォイル56aとの間隔である空気膜の膜厚として軸方向間隔Aを検出する間隔検出手段84とを備える。
位置検出手段82は、所定の基準軸方向位置からの指標部材としてのスラストディスク52の軸方向位置を軸方向変位として検出する変位センサまたはギャップセンサにより構成される。
また、間隔検出手段84は、予め定められる基準軸方向位置からの後側フォイル軸受56のトップフォイル56aの軸方向位置を軸方向変位として検出する変位センサまたはギャップセンサにより構成される位置検出手段83と、前記位置検出手段82とにより構成され、両位置検出手段82,83により検出されたスラストディスク52の軸方向位置およびトップフォイルの軸方向位置に基づいて軸方向間隔Aを検出する。
両位置検出手段82,83は、軸方向で、スラストディスク52に対してインペラ10とは反対側に配置され、ここでは後側軸受保持プレート54に取り付けられる。
制御部87は、インペラハウジング3とインペラ10の羽根10aの先端部との間のチップクリアランスを制御するために、圧縮機1の回転速度および加圧空気の流量に応じて最適なチップクリアランスが形成されるときのスラストディスク52の軸方向位置が最適設定位置として設定されたマップを有する。そして、制御部87は、位置検出手段82により検出された軸方向位置に基づいて、スラストディスク52が前記最適設定位置になるように、両制御弁73,74を制御して、高圧室62a内の圧力を制御する。このように、制御部87が高圧制御弁73および負圧制御弁,74を制御することより、キャンセルラディスク61に作用するキャンセルスラスト力Fbの大きさが制御され、したがってキャンセラディスク61と一体の回転軸20およびインペラ10の軸方向位置が制御されて、チップクリアランスが制御される。
また、制御部87は、間隔検出手段84により検出された軸方向間隔Aが所定値以下になるとき、スラストディスク52と後側フォイル軸受56との接触を防止するために、高圧室62aの圧力が低下するように、高圧制御弁73を閉弁方向に制御し、負圧制御弁74を開弁方向に制御して、負圧通路72の負圧を高圧室62aに導く。これにより、キャンセルスラスト力Fbが減少して、後側フォイル軸受56に対して接近する方向へのスラストディスク52の移動が防止され、例えば軸方向間隔が大きくなる方向に、スラストディスク52が移動する。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
インペラ10の回転に起因して回転軸20に作用するスラスト力Faを減少させるキャンセルスラスト力Fbを発生するスラストキャンセラ機構60を備える遠心式圧縮機1において、スラスト軸受51は、回転軸20に設けられたスラストディスク52を備え、スラストキャンセラ機構60は、回転軸20に設けられたキャンセラディスク61と、高圧室62aの圧力を制御する圧力制御弁73,74と、圧力制御弁73,74を制御する制御装置80とを備え、制御装置80は、スラストディスク52の軸方向位置を検出する位置検出手段82を備え、軸方向位置に応じて圧力制御弁73,74を制御することによりチップクリアランスを制御する。
この構造により、スラストキャンセラ機構60の高圧室62aの圧力を圧力制御弁73,74により制御することで、スラストキャンセラ機構60を利用してチップクリアランスを制御できる。
また、インペラ10の軸方向位置の指標部材として、スラストディスク52は大きな部材であることから、インペラ10の軸方向位置に対応する軸方向位置を検出する位置検出手段82,83の配置の自由度が大きい。この結果、位置検出手段82を、その周辺部材の配置を制約することなく、配置することができる。
スラストディスク52は、軸方向でキャンセラディスク61よりもインペラ10に近い位置に配置されることにより、位置検出手段82は、キャンセラディスク61よりもインペラ10に近い位置にあるスラストディスク52の位置を検出する。この結果、インペラ10に対してスラストディスク52よりも遠方に位置するキャンセラディスク61の位置を検出する場合に比べて、インペラ10とスラストディスク52との軸方向距離が小さいので、熱膨張などによる回転軸20の伸縮の影響を小さくでき、チップクリアランスの制御精度が向上する。
スラスト軸受51は、軸方向でスラストディスク52に対してインペラ10側に配置される前側フォイル軸受55を備え、位置検出手段82は、軸方向でスラストディスク52に対してインペラ10とは反対側に配置される。
この構造により、インペラ10の回転に起因して発生するスラスト力Faを受ける前側フォイル軸受55の配置や厚みなど、前側フォイル軸受55の構造が位置検出手段82により制約されないので、スラスト軸受51に所要の軸受機能を発揮させることができる。
スラスト軸受51は、軸方向でスラストディスク52に対してインペラ10とは反対側に配置される後側フォイル軸受56を備え、制御装置80は、後側フォイル軸受56とスラストディスク52との軸方向間隔Aを検出する間隔検出手段84を備え、軸方向間隔Aが所定値以下になるとき、高圧室62aの圧力が低下するように高圧制御弁74を制御する。
この構造により、軸方向間隔Aが所定値以下となって、スラストディスク52と後側フォイル軸受との間に形成される空気膜の膜圧が薄くなったとき、スラストディスク52が後側フォイル軸受56に接近することが防止されるので、スラストディスク52と後側フォイル軸受56との接触による後側フォイル軸受56の損傷を防止できて、スラスト軸受51の耐久性、ひいては圧縮機1の耐久性の向上が可能になる。
制御装置80は、軸方向間隔Aが所定値以下になるとき、負圧制御弁74を制御して、インペラ10により圧縮される空気が吸入される入口流路12の負圧を圧力室62に導くことから、負圧通路72を通じて高圧室62aに導入される負圧により、高圧室62aの圧力が速やかに低下するので、スラストディスク52と後側フォイル軸受56との接触防止の確実性が向上する。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
低圧通路は、負圧通路72の代わりに、大気に開放する大気連通路であってもよい。
圧力室62の低圧室が密閉室とされて、キャンセルスラスト力Fbを減少させるために、第2圧力制御弁により正圧が該低圧室に導入されてもよい。
燃料電池システムは、車両以外の機械に使用されてもよく、例えば汎用のものであってもよい。圧縮機1は、燃料電池システム以外の装置に使用されてもよく、また空気以外の気体を圧縮するものであってもよい。
1 遠心式圧縮機
2 ハウジング
7 電動機
10 インペラ
20 回転軸
31 テンション軸
51 スラスト軸受
52 スラストディスク
55,56 フォイル軸受
60 スラストキャンセラ機構
61 キャンセラディスク
62 圧力室
71 高圧通路
72 負圧通路
73 高圧制御弁
74 負圧制御弁
80 制御装置
82,83 位置検出手段
84 間隔検出手段
A 軸方向間隔

Claims (5)

  1. 回転軸と一体に回転するインペラと、前記回転軸を回転可能に支持すると共に前記インペラを収納するハウジングと、前記インペラの回転に起因して前記回転軸に作用するスラスト力を受けるスラスト軸受と、前記スラスト力を減少させるキャンセルスラスト力を発生するスラストキャンセラ機構とを備える遠心式圧縮機において、
    前記スラスト軸受は、前記回転軸に設けられたスラストディスクを備え、
    前記スラストキャンセラ機構は、前記回転軸に設けられたキャンセラディスクと、前記キャンセラディスクを可動室壁として形成される圧力室の圧力を制御する圧力制御弁と、前記圧力制御弁を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記スラストディスクの軸方向位置を検出する位置検出手段を備え、前記軸方向位置に応じて前記圧力制御弁を制御することにより、前記ハウジングと前記インペラの羽根の先端部との間のチップクリアランスを制御することを特徴とする遠心式圧縮機。
  2. 前記スラストディスクは、軸方向で前記キャンセラディスクよりも前記インペラに近い位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の遠心式圧縮機。
  3. 前記スラスト軸受は、前記スラストディスクと軸方向で対向すると共に、軸方向で前記スラストディスクに対して前記インペラ側に配置される前側フォイル軸受を備え、
    前記位置検出手段は、軸方向で、前記スラストディスクに対して前記インペラとは反対側に配置されることを特徴とする請求項1または2記載の遠心式圧縮機。
  4. 前記スラスト軸受は、前記スラストディスクと軸方向で対向すると共に、軸方向で前記スラストディスクに対して前記インペラとは反対側に配置される後側フォイル軸受を備え、
    前記制御装置は、前記後側フォイル軸受と前記スラストディスクとの軸方向間隔を検出する間隔検出手段を備え、前記軸方向間隔が所定値以下になるとき、前記圧力室の圧力が低下するように前記圧力制御弁を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の遠心式圧縮機。
  5. 前記圧力制御弁は、前記インペラにより圧縮された加圧気体が流通するスクロール流路の圧力を前記圧力室に導く高圧通路に設けられる高圧制御弁と、前記インペラにより圧縮される気体が吸入される入口流路の負圧を前記圧力室に導く負圧通路に設けられる負圧制御弁とであり、
    前記制御装置は、前記軸方向間隔が前記所定値以下になるとき、前記負圧制御弁を制御して前記負圧通路の負圧を前記圧力室に導くことを特徴とする請求項4記載の遠心式圧縮機。
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