JP5352749B1 - ギャングスリッタ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スリッタ120へアルミ金属帯MBを取り込む金属帯取り込み側に配置されている凹凸部分矯正用ロール150Aと、凹凸部分矯正用ロール150Aよりスリッタ120に近い位置でアルミ金属帯MBの進行方向に沿って互いに前後にずらして配置されている縦筋矯正用上側ロール160A及び縦筋矯正用下側ロール160Bとを備えているギャングスリッタ装置100。
【選択図】図1
Description
また、前者のギャングスリッタ装置では、図19及び図20に示すように、アルミ金属帯MBの緊張状態に起因してアルミ金属帯MBの長手方向D1に渡って発生した断面凹凸状の縦筋P2を残したままでアルミ金属帯MBが剪断加工される恐れがある。
上述の相関関係データは、金属帯及びスリット条に作用する張力と相関があるパラメータであれば如何なるパラメータを含んで構成されていてもよく、例えば、金属帯及びスリット条の走行速度すなわちラインスピード、スリット条の巻き取り長さ、スリッタを構成している円板状上刃及び円板状下刃のそれぞれの回転速度、スリッタを駆動するスリッタ用駆動モータの回転数、リコイラを回転駆動するリコイラ用駆動モータの回転数、金属帯及びスリット条の温度等の各種パラメータと金属帯及びスリット条に作用する張力との相関関係を含んでいてもよい。
そして、これらセンサで測定されたパラメータの実測値及び相関関係データに基づいてブレーキ機構の動作を制御するほうが正確に張力を設定するうえでより好ましい。
そして、本発明のギャングスリッタ装置では、実測された張力を制御ユニットにフィードバックして実際に金属帯及びスリット条に作用する張力を最適化することにより、確実に金属帯及びスリット条の緊張状態を維持するのがより好ましい。
ここで、図1は、本発明の一実施例であるギャングスリッタ装置の構成図であり、図2は、本発明におけるスリッタの正面図であり、図3は、本発明における凹凸部分矯正用ロールの湾曲突出した横架状態を誇大に強調して示した斜視図であり、図4は、本発明における凹凸部分矯正用ロールの湾曲突出した横架状態を誇大に強調して示した正面図であり、図5は、本発明における縦筋矯正用上側ロール及び縦筋矯正用下側ロールの斜視図であり、図6は、本発明における縦筋矯正用上側ロールの正面図であり、図7は、凹凸部分矯正用ロールに供給される金属帯の平面図であり、図8は、図7の8−8断面図であり、図9は、凹凸部分が矯正された金属帯の部分断面図であり、図10は、縦筋矯正用上側ロール及び縦筋矯正用下側ロールに供給される金属帯の平面図であり、図11は、図10の11−11断面図であり、図12は、縦筋が矯正された金属帯の部分断面図であり、図13は、本発明の一実施例であるギャングスリッタ装置に係る制御要素のブロック図であり、図14は、本発明の一実施例であるギャングスリッタ装置の制御フローチャートであり、図15は、相関関係データの一例を示すグラフである。
これにより、アルミ金属帯MBの蛇行及び弛みがない状態で広幅のアルミ金属帯MBを細幅のアルミスリット条SBに剪断加工するようになっている。
広幅のアルミ金属帯MBは、コイルCから引き出された後、後述する凹凸部分矯正用ロール150A、縦筋矯正用上側ロール160A及び縦筋矯正用下側ロール160Bによって送られて円板状上刃121及び円板状下刃122の間に供給される。
したがって、複数のアルミスリット条SBは、円板状上刃121の刃先121Bと円板状下刃122の刃先122Bとで広幅のアルミ金属帯MBが細幅に同時に剪断されることにより、後述するように断面矩形状の長尺帯形態に形成される。
なお、図1中の太い黒矢印は、アルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBの走行方向を示している。
図1及び図2に示すように、本実施例のギャングスリッタ装置100は、スリッタ120へアルミ金属帯MBを取り込む金属帯取り込み側に配置されている凹凸部分矯正用ロール150Aと、凹凸部分矯正用ロール150Aよりスリッタ120に近い位置でアルミ金属帯MBの進行方向に沿って互いに前後にずらして配置されている縦筋矯正用上側ロール160A及び縦筋矯正用下側ロール160Bとを備えている。
この凹凸部分矯正用ロール150Aは、アルミ金属帯MBの進行領域上側からアルミ金属帯MBの幅方向D2に渡ってアルミ金属帯MBを均一に押圧する。
換言すれば、アルミスリット条SBは、断面矩形状に形成される。
そして、縦筋矯正用上側ロール160A及び縦筋矯正用下側ロール160Bは、アルミ金属帯MBの進行領域上側及び進行領域下側の双方から図5に示すアルミ金属帯MBの幅方向D2に渡ってアルミ金属帯MBを均一に押圧する。
これにより、アルミ金属帯MBの走行状態は安定化する。
このため、少なくとも金属帯取り込み側パッド560A、560Bを用いないでアルミ金属帯MBに擦過傷が生じない分だけ擦過傷を軽減したアルミスリット条SBが形成される。
図3及び図4に示すように、凹凸部分矯正用ロール150Aは、アルミ金属帯MBの幅方向D2に沿って湾曲突出した横架状態の固定軸151と、固定軸151の軸芯151Aに沿って湾曲して自転自在に遊嵌した筒状ロール体152とを備えている。
そして、筒状ロール体152は、筒状ロール体152の湾曲状短母線154側から湾曲状長母線155側に向かってアルミ金属帯MBを接触させて拡幅伸張させるロール体外周面153を有している。
このため、凹凸部分P1を確実に平坦化した状態のアルミ金属帯MBが、スリッタ120でアルミスリット条SBに剪断加工される。
筒状ロール体152は、ロール体外周面153に接触したアルミ金属帯MBの走行に追従して自転する。
そして、凹凸部分矯正用ロール150Bは、凹凸部分矯正用ロール150Bからみて図1中の左下側からアルミ金属帯MBが供給された場合に、凹凸部分矯正用ロール150Aと同様の駆動形態により自転する。
これにより、アルミ金属帯MBに追従して自転する筒状ロール体152が湾曲状短母線154側から湾曲状長母155側に向かうとともに凹凸部分矯正用ロール150Aの両端のそれぞれに向かって筒状ロール体152に弾性伸びが生じる。
このため、筒状ロール体152の弾性伸びに応じて凹凸部分P1を伸ばして平坦化した状態のアルミ金属帯MBが、スリッタ120で剪断加工される。
図5及び図6に示すように、縦筋矯正用上側ロール160Aは、ロール中央163からロール側方164に向かって左右対称に傾斜展開する逆V字状縞模様162Aのロール外周押圧面161Aを備えている。
ロール外周押圧面161Aの逆V字状縞模様162Aは、互いに異なる摩擦係数を有する押圧縞部162AH、162ALで構成されている。
このため、縦筋P2を確実に平坦化した状態のアルミ金属帯MBが、スリッタ120で剪断加工される。
スリット条抑制用上側ロール170A及びスリット条抑制用下側ロール170Bは、アルミスリット条SBの進行領域上側及び進行領域下側の双方からアルミスリット条SBの幅方向に渡ってアルミスリット条SBに接触してアルミスリット条SBの上下動を抑制する。
このため、アルミ金属帯MBに生じる擦過傷だけでなくスリッタ120から引き出された直後のアルミスリット条SBにおける擦過傷の発生が防止される。
これにより、アルミスリット条SBをテンションパッドで挟んだ状態でアルミスリット条SBに加わる張力を調整してアルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBの緊張状態を維持しなくても常時アルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBの緊張状態が維持される。
すなわち、図1に示すアルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBに加わる張力Fが、リコイラ130の巻き取り状態に応じて制御される。
これにより、アルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBに作用する最適な張力Fが、アルミスリット条SBの巻き取り長さ及び温度変化等の工程条件を考慮して設定される。
図1及び図13に示すように、ギャングスリッタ装置100は、アンコイラ110、スリッタ120、スリッタ用駆動モータM1、リコイラ130、リコイラ用駆動モータM2、ブレーキ機構140、制御ユニット180及びセンサ部190を備えている。
制御ユニット180は、センサ部190で測定されたデータに基づいてブレーキ機構140を制御するとともにスリッタ120及びリコイラ130をそれぞれ駆動するスリッタ用駆動モータM1及びリコイラ用駆動モータM2を制御する。
上述の各センサで測定された測定データは、制御ユニット180に供給される。
まず、ギャングスリッタ装置100の始動時または駆動時において、オペレータが入力した張力Fのデータまたは張力測定センサ194が測定したアルミスリット条SBの張力F等の基準張力データが、相関関係データ記憶装置181に入力される(ステップS1)。
相関関係データ記憶装置181は、予め基準張力データ及び最適な張力の相関関係を示す基準張力制御曲線を含む相関関係データCDを記憶している。
より具体的には、パスライン制御部183が、スリッタ用駆動モータM1の回転数制御信号をスリッタ用駆動モータM1に供給する(ステップS4)。
これに並行して、スリッタ用駆動モータの回転数測定センサ191が、スリッタ用駆動モータM1の回転数を測定する(ステップS5)。
これに並行して、リコイラ用駆動モータの回転数測定センサ193が、リコイラ用駆動モータM2の回転数を測定する(ステップS7)。
次に、ラインスピード制御部184が、実際のラインスピードV及び設定ラインスピードV0が相互に一致しているか否かを判定し(ステップS9)、一致していないと判定された場合には、再度ステップS3以後の手順が実行され、一致していると判定された場合には、リコイラ外径測定用超音波センサ196が、リコイラ外径を測定することによりアルミスリット条SBの巻き取り長さLを測定する(ステップS10)。
次に、アンコイラ制御部182は、温度測定センサ195が測定したアルミスリット条SBの温度に基づいて張力Fを補正して補正張力Faを算出する(ステップS12)。
ステップ13において、補正張力Faが設定張力Fs以上であると判定された場合には、再度ステップS10以降の手順が実行される。
なお、設定張力Fsとは、スリッタ用駆動モータM1の回転数及びリコイラ用駆動モータM2の回転数に応じてアルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBに作用すべき狙いの張力、すなわち、アルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBを緊張状態に維持する張力をいう。
より具体的には、例えば、相関関係データCDは、スリット条巻き取り長さL及び設定張力Fsの相関関係を示した基準張力制御曲線である。
スリット条巻き取り長さLが長さL1の場合、アルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBを緊張させる補正張力Faは、設定張力Fs1以上に設定される。
スリット条巻き取り長さLが長さL2の場合には、補正張力Faは、補正張力Fs2以上に設定される。
より具体的には、ブレーキ機構140は、コイルCの回転動作を規制して張力Fを増大させて補正張力Faを設定張力Fs以上にし、アルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBの緊張状態を維持する。
110 ・・・ アンコイラ
120、520、620 ・・・ スリッタ
121、521、621 ・・・ 円板状上刃
121A ・・・ 円板状上刃の駆動軸
121B ・・・ 円板状上刃の刃先
122、522、622 ・・・ 円板状下刃
122A ・・・ 円板状下刃の駆動軸
122B ・・・ 円板状下刃の刃先
130 ・・・ リコイラ
140 ・・・ ブレーキ機構
150A、150B ・・・ 凹凸部分矯正用ロール
151 ・・・ 固定軸
151A ・・・ 固定軸の軸芯
152 ・・・ 筒状ロール体
153 ・・・ ロール体外周面
154 ・・・ 湾曲状短母線
155 ・・・ 湾曲状長母線
160A ・・・ 縦筋矯正用上側ロール
160B ・・・ 縦筋矯正用下側ロール
161A ・・・ ロール外周押圧面
162A ・・・ 逆V字状縞模様
162AH、162AL ・・・ 押圧縞部
163 ・・・ ロール中央
164 ・・・ ロール側方
170A ・・・ スリット条抑制用上側ロール
170B ・・・ スリット条抑制用下側ロール
180 ・・・ 制御ユニット
181 ・・・ 相関関係データ記憶装置
182 ・・・ アンコイラ制御部
183 ・・・ パスライン制御部
184 ・・・ ラインスピード制御部
185 ・・・リコイラ制御部
190 ・・・ センサ部
191 ・・・ スリッタ用駆動モータの回転数測定センサ
192 ・・・ ラインスピード測定センサ
193 ・・・ リコイラ用駆動モータの回転数測定センサ
194 ・・・ 張力測定センサ
195 ・・・ 温度測定センサ
196 ・・・ リコイラ外径測定用超音波センサ
560A、560B ・・・ 金属帯取り込み側パッド
570A、570B ・・・ スリット条引き出し側パッド
M1 ・・・ スリッタ用駆動モータ
M2 ・・・ リコイラ用駆動モータ
BS ・・・ バックセパレータ
C ・・・ コイル
CD ・・・ 相関関係データ
D1 ・・・ アルミ金属帯の長手方向
D2 ・・・ アルミ金属帯の幅方向
E1 ・・・ アルミスリット条の長手方向
E2 ・・・ アルミスリット条の幅方向
F ・・・ アルミ金属条帯及びアルミスリット条に作用する張力
Fs ・・・ 設定張力
Fa ・・・ 補正張力
LS ・・・ ラインセパレータ
MB ・・・ アルミ金属帯
SB ・・・ アルミスリット条
P1 ・・・ 凹凸部分
P2 ・・・ 縦筋
Q ・・・ 波状側端部
R1 ・・・ ルーピングテーブル入口側ロール
R2 ・・・ ルーピングテーブル出口側ロール
R3 ・・・ ラインセパレータ押さえ用ロール
R4 ・・・ スリット条押さえ用ロール
R5 ・・・ ブライドル中央ロール
R6 ・・・ ブライドル入口側ロール
R7 ・・・ ブライドル出口側ロール
G ・・・ ギャングスリッタ装置の設置面
ΔW ・・・ アルミスリット条の幅方向に沿って平らに伸びる長さ
Claims (3)
- 広幅の金属帯を巻回してなるコイルから前記金属帯が引き出されるアンコイラと、該アンコイラから引き出された広幅の金属帯を円板状上刃と円板状下刃との間で金属帯の長手方向に沿って複数の細幅に同時に剪断加工して複数のスリット条を形成するスリッタと、前記複数のスリット条をそれぞれコイル状に同軸上で巻き取るリコイラと、前記コイルから引き出される金属帯を抑制して金属帯及びスリット条の緊張状態を維持するブレーキ機構とを備えているギャングスリッタ装置において、
前記金属帯の進行領域上側及び進行領域下側のいずれか一方から金属帯の幅方向に渡って金属帯を均一に押圧することで前記金属帯の長手方向に断続的に生じている凹凸部分を平坦化して金属帯の厚みを幅方向に渡って均一化する凹凸部分矯正用ロールが、前記スリッタへ金属帯を取り込む金属帯取り込み側に配置され、
前記金属帯の進行領域上側及び進行領域下側の双方から金属帯の幅方向に渡って金属帯を均一に押圧することで前記金属帯の長手方向に生じがちな縦筋を平坦化して金属帯の厚みを幅方向に渡って均一化する縦筋矯正用上側ロール及び縦筋矯正用下側ロールが、前記凹凸部分矯正用ロールよりスリッタに近い位置で前記金属帯の進行方向に沿って互いに前後にずらして配置されていることを特徴とするギャングスリッタ装置。 - 前記スリット条の進行領域上側及び進行領域下側の双方からスリット条の幅方向に渡ってスリット条に接触してスリット条の上下動を抑制するスリット条抑制用上側ロール及びスリット条抑制用下側ロールが、前記スリッタからスリット条を引き出すスリット条引き出し側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のギャングスリッタ装置。
- 前記ブレーキ機構をリコイラの巻き取り状態に応じて制御する制御ユニットが、前記ブレーキ機構とリコイラに接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のギャングスリッタ装置。
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