JP5352749B1 - ギャングスリッタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スリット条の幅寸法をスリット条の長手方向に渡って均一に剪断加工するとともに剪断加工時に生じがちな擦過傷の少ないスリット条を形成するギャングスリッタ装置を提供すること。
【解決手段】スリッタ120へアルミ金属帯MBを取り込む金属帯取り込み側に配置されている凹凸部分矯正用ロール150Aと、凹凸部分矯正用ロール150Aよりスリッタ120に近い位置でアルミ金属帯MBの進行方向に沿って互いに前後にずらして配置されている縦筋矯正用上側ロール160A及び縦筋矯正用下側ロール160Bとを備えているギャングスリッタ装置100。
【選択図】図1

Description

本発明は、広幅の金属帯を細幅に剪断加工して複数のスリット条を巻き取るギャングスリッタ装置に関する。
従来、アンコイラに付設されてコイル部材の回転動作を規制するブレーキ機構と、アルミ金属帯及びアルミスリット条に作用する張力を増大させてアルミ金属帯及びアルミスリッタ条の走行を安定化させるようにブレーキ機構を制御する制御ユニットと、スリッタにアルミ金属帯を取り込む金属帯取り込み側に設置されてアルミ金属帯を上下方向から押圧する一対の取り込み用ローラと、スリッタからアルミスリット条を送り出するスリット条送り出し側に設置されてアルミスリット条を上下方向から押圧する一対の送り出し用ローラとを備えているギャングスリッタ装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、図16に示すように、従来、円板状上刃521と円板状下刃522との間でアルミ金属帯MBを細幅に剪断して複数のアルミスリット条SBを形成するスリッタ520の金属帯取り込み側に配置されてアルミ金属帯MBを上下方向から押圧することでアルミ金属帯MBの走行を安定化させる一対の金属帯取り込み側パッド560A、560Bと、スリッタ520からアルミスリット条SBを引き出すスリット条引き出し側に配置されてアルミスリット条SBを上下方向から押圧することでアルミスリット条SBの走行を安定化させる一対のスリット条引き出し側パッド570A、570Bとを備えているギャングスリッタ装置がある。
特開2011−240461号公報(段落[0017]乃至段落[0025]、図1参照。)
しかしながら、前者のギャングスリッタ装置では、図17及び図18に示すように、アルミ金属帯製造時の圧延工程における熱応力等に起因してセンターバックル又はクォーターバックルと称す凹凸部分P1がアルミ金属帯MBの長手方向D1に断続的に発生し、このような凹凸部分P1を残したままでアルミ金属帯MBが剪断加工される恐れがある。
また、前者のギャングスリッタ装置では、図19及び図20に示すように、アルミ金属帯MBの緊張状態に起因してアルミ金属帯MBの長手方向D1に渡って発生した断面凹凸状の縦筋P2を残したままでアルミ金属帯MBが剪断加工される恐れがある。
このため、前者のギャングスリッタ装置では、図21乃至図23に示すように、円板状上刃621及び円板状下刃622からなるスリッタ620に供給するアルミ金属帯MBの走行を安定化させることができるものの、上述の凹凸部分P1又は縦筋P2を分断するようにアルミ金属帯MBを剪断して細幅のアルミスリット条SBを形成した場合、上述の凹凸部分P1又は縦筋P2の凹凸形態に起因してアルミスリット条SBに生じた波状側端部Qがアルミ金属帯MBの剪断加工後に平坦化してアルミスリット条SBの幅方向E2に沿って長さΔWだけ平らに伸びることでアルミスリット条SBの幅寸法がアルミスリット条SBの長手方向E1に渡って不均一になるという問題点があった。
また、後者のギャングスリッタ装置では、スリッタ520に供給するアルミ金属帯MBの走行を安定化させることができるものの、金属帯取り込み側パッド560A、560B及びアルミ金属帯MBの間とスリット条引き出し側パッド570A、570B及びスリット条SBの間とのそれぞれで接触摩擦に起因してアルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBに擦過傷が生じるため、最終製品であるアルミスリット条SBに擦過傷が残るという問題点があった。
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、広幅の金属帯にセンターバックル、クォーターバックル及び縦筋が生じていても細幅のスリット条をスリット条の長手方向に渡って均一な幅寸法で剪断加工するとともに剪断加工時に生じがちな擦過傷を軽減したスリット条を形成するギャングスリッタ装置を提供することである。
請求項1に係る本発明は、広幅の金属帯を巻回してなるコイルから前記金属帯が引き出されるアンコイラと、該アンコイラから引き出された広幅の金属帯を円板状上刃と円板状下刃との間で金属帯の長手方向に沿って複数の細幅に同時に剪断加工して複数のスリット条を形成するスリッタと、前記複数のスリット条をそれぞれコイル状に同軸上で巻き取るリコイラと、前記コイルから引き出される金属帯を抑制して金属帯及びスリット条の緊張状態を維持するブレーキ機構とを備えているギャングスリッタ装置であって、前記金属帯の進行領域上側及び進行領域下側のいずれか一方から金属帯の幅方向に渡って金属帯を均一に押圧することで前記金属帯の長手方向に断続的に生じている凹凸部分を平坦化して金属帯の厚みを幅方向に渡って均一化する凹凸部分矯正用ロールが、前記スリッタへ金属帯を取り込む金属帯取り込み側に配置され、前記金属帯の進行領域上側及び進行領域下側の双方から金属帯の幅方向に渡って金属帯を均一に押圧することで前記金属帯の長手方向に生じがちな縦筋を平坦化して金属帯の厚みを幅方向に渡って均一化する縦筋矯正用上側ロール及び縦筋矯正用下側ロールが、前記凹凸部分矯正用ロールよりスリッタに近い位置で前記金属帯の進行方向に沿って互いに前後にずらして配置されていることにより、前述した課題を解決したものである。
請求項2に係る本発明は、請求項1に記載の構成に加えて、前記スリット条の進行領域上側及び進行領域下側の双方からスリット条の幅方向に渡ってスリット条に接触してスリット条の上下動を抑制するスリット条抑制用上側ロール及びスリット条抑制用下側ロールが、前記スリッタからスリット条を引き出すスリット条引き出し側に配置されていることにより、前述した課題を解決したものである。
請求項3に係る本発明は、請求項1または請求項2に記載の構成に加えて、前記ブレーキ機構をリコイラの巻き取り状態に応じて制御する制御ユニットが、前記ブレーキ機構とリコイラに接続されていることにより、前述した課題を解決したものである。
なお、本発明で意味するところの「凹凸部分」とは、ギャングスリッタ装置における金属帯の取扱い上、所謂、センターバックル又はクォーターバックルと称す金属帯の長手方向に断続的に生じている斑点状もしくはスポット状の部分であり、また、本発明で意味するところの「縦筋」とは、ギャングスリッタ装置においてコイルからアンコイラへ引き出される金属帯の長手方向に渡って連続的に生じる筋状の変形状態であって金属帯の幅方向に凹凸波状の断面形態を呈するものである。
請求項1に係る本発明のギャングスリッタ装置によれば、広幅の金属帯を巻回してなるコイルから金属帯が引き出されるアンコイラと、アンコイラから引き出された広幅の金属帯を円板状上刃と円板状下刃との間で金属帯の長手方向に沿って複数の細幅に同時に剪断加工して複数のスリット条を形成するスリッタと、複数のスリット条をそれぞれコイル状に同軸上で巻き取るリコイラと、コイルから引き出される金属帯を抑制して金属帯及びスリット条の緊張状態を維持するブレーキ機構とを備えていることによって、金属帯の蛇行及び弛みがない状態で広幅の金属帯を細幅のスリット条に剪断加工することができるばかりでなく、以下のような特有の効果を奏することができる。
すなわち、本請求項1に係るギャングスリッタ装置によれば、金属帯の進行領域上側及び進行領域下側のいずれか一方から金属帯の幅方向に渡って金属帯を均一に押圧する凹凸部分矯正用ロールが、スリッタへ金属帯を取り込む金属帯取り込み側に配置されていることにより、いかなる細幅のスリット条に剪断加工する場合であっても、この凹凸部分矯正用ロールが金属帯の長手方向に断続的に生じている凹凸部分を金属帯の少なくとも幅方向に平坦化して金属帯の厚みを幅方向に渡って均一化するとともに円板状上刃及び円板状下刃のそれぞれの刃先がこの凹凸部分を平坦化された金属帯の上面及び下面に接触して金属帯を剪断加工するため、従来のような凹凸部分が生じたままで長手方向に渡って分断するように金属帯を剪断加工することで生じがちなスリット条の波状側端部を矯正して直線状側端部を形成することができる。
そして、金属帯の進行領域上側及び進行領域下側の双方から金属帯の幅方向に渡って金属帯を均一に押圧する縦筋矯正用上側ロール及び縦筋矯正用下側ロールが、凹凸部分矯正用ロールよりスリッタに近い位置で金属帯の進行方向に沿って互いに前後にずらして配置されていることにより、いかなる細幅のスリット条に剪断加工する場合であっても、この縦筋矯正用上側ロール及び縦筋矯正用下側ロールが凹凸部分を平坦化した金属帯を緊張状態に維持することで生じる縦筋を凹凸部分矯正用ロールよりスリッタに近い位置で平坦化して金属帯の厚みを幅方向に渡って均一化した金属帯をそのままスリッタに取り込んで剪断加工するため、縦筋が生じたままで長手方向に渡って分断するように金属帯を剪断加工することでスリット条に生じがちな側端部の歪変形すなわち波状側端部の発生を抑制してスリット条をスリット条の長手方向に渡って均一な幅寸法に剪断加工することができる。
加えて、上述したような従来の金属帯取り込み側パッドの代わりに、縦筋矯正用上側ロール及び縦筋矯正用下側ロールが用いられていることにより、金属帯の走行状態が安定化するため、少なくとも金属帯に擦過傷が生じない分だけ擦過傷を軽減したスリット条を形成することができる。
さらに、たとえば、金属帯の進行領域上側から金属帯に接触する凹凸部分矯正用ロールが、金属帯の幅方向に沿った状態で金属帯の進行領域上側から進行領域下側に向かって湾曲突出した横架状態の固定軸とこの固定軸の軸芯に沿って金属帯の進行領域上側から進行領域下側に向かって湾曲突出して自転自在に遊嵌した筒状ロール体とを備え、この筒状ロール体が、筒状ロール体の湾曲状短母線側から湾曲状長母線側に向かって筒状ロール体の下側に搬送される金属帯に筒状ロール体のロール体外周面を接触させて金属帯を拡幅伸張するように設けられている場合には、金属帯に生じている凹凸部分を押圧するだけでなく金属帯の幅方向に沿って凹凸部分を伸ばして平坦化するため、凹凸部分を確実に平坦化した状態で金属帯を剪断加工することができる。
さらに加えて、筒状ロール体が弾性材料で構成されている場合には、金属帯に追従して自転する筒状ロール体が湾曲状短母線側から湾曲状長母線側に向かうとともに凹凸部分矯正用ロールの両端のそれぞれに向かって弾性伸びが生じるため、この筒状ロール体の弾性伸びに伴って金属帯の凹凸部分が伸ばされて平坦化した状態で金属帯を剪断加工することができる。
また、たとえば、縦筋矯正用上側ロールが、縦筋矯正用上側ロールよりスリッタに近い側で縦筋矯正用上側ロールの上側から縦筋矯正用上側ロールをみてロール中央からロール側方に向かって左右対称に傾斜展開する逆V字状縞模様を形成したロール外周押圧面を備え、このロール外周押圧面の逆V字状縞模様が、互いに異なる摩擦係数を有する押圧縞部で構成されている場合には、金属帯の上面及び下面の垂直方向のみに沿って縦筋を押圧するだけでなく押圧縞部から金属帯の幅方向外側に向かって金属帯を押し広げて縦筋を伸ばすため、縦筋を確実に平坦化した状態で金属帯を剪断加工することができる。
そして、本請求項2に係るギャングスリッタ装置によれば、請求項1に記載のギャングスリッタ装置が奏する効果に加えて、スリット条の進行領域上側及び進行領域下側の双方からスリット条の幅方向に渡ってスリット条に接触してスリット条の上下動を抑制するスリット条抑制用上側ロール及びスリット条抑制用下側ロールが、スリッタからスリット条を引き出すスリット条引き出し側に配置されていることにより、上述したような従来のスリット条引き出し側パッドの代わりにスリット条抑制用上側ロール及びスリット条抑制用下側ロールを用いてスリット条の走行状態を安定化させているため、金属帯に生じる擦過傷だけでなくスリッタから引き出された直後のスリット条に擦過傷が生じることを防ぐことができる。
そして、本請求項3に係るギャングスリッタ装置によれば、請求項1または請求項2に記載のギャングスリッタ装置が奏する効果に加えて、ブレーキ機構をリコイラの巻き取り状態に応じて制御する制御ユニットが、ブレーキ機構とリコイラとに接続されていることにより、従来のようなスリット条をテンションパッドで挟んだ状態でスリット条に加わる張力を調整して金属帯及びスリット条の緊張状態を維持しなくても常時金属帯及びスリット条の緊張状態が維持されるため、従来のようなスリット条とテンションパッドとの接触摩擦に起因するスリット条の擦過傷を防ぐことができる。
本発明の一実施例であるギャングスリッタ装置の構成図。 本発明におけるスリッタの正面図。 本発明における凹凸部分矯正用ロールの湾曲突出した横架状態を誇大に強調して示した斜視図。 本発明における凹凸部分矯正用ロールの湾曲突出した横架状態を誇大に強調して示した正面図。 本発明における縦筋矯正用上側ロール及び縦筋矯正用下側ロールの斜視図。 本発明における縦筋矯正用上側ロールの正面図。 凹凸部分矯正用ロールに供給される金属帯の平面図。 図7の8−8断面図。 凹凸部分が矯正された金属帯の部分断面図。 縦筋矯正用上側ロール及び縦筋矯正用下側ロールに供給される金属帯の平面図。 図10の11−11断面図。 縦筋が矯正された金属帯の部分断面図。 本発明の一実施例であるギャングスリッタ装置に係る制御要素のブロック図。 本発明の一実施例であるギャングスリッタ装置の制御フローチャート。 相関関係データの一例を示すグラフ。 従来のギャングスリッタ装置の要部側方図。 凹凸部分の発生状態を示した斜視図。 図17の18−18断面図であって凹凸形態を誇大に強調して示した断面図。 縦筋の発生状態を示した斜視図。 図19の20−20断面図であって凹凸形態を誇大に強調して示した断面図。 従来のギャングスリッタ装置で金属帯を剪断加工して形成されたスリット条の断面図。 従来のギャングスリッタ装置でアルミ金属帯を剪断加工して形成されたアルミスリット条の幅方向への伸びを示した断面図。 従来のギャングスリッタ装置でアルミ金属帯を剪断加工して形成されたアルミスリット条の幅方向への伸びを示した平面図。
本発明のギャングスリッタ装置は、広幅の金属帯を巻回してなるコイルから金属帯が引き出されるアンコイラと、アンコイラから引き出された広幅の金属帯を円板状上刃と円板状下刃との間で金属帯の長手方向に沿って複数の細幅に同時に剪断加工して複数のスリット条を形成するスリッタと、複数のスリット条をそれぞれコイル状に同軸上で巻き取るリコイラと、コイルから引き出される金属帯を抑制して金属帯及びスリット条の緊張状態を維持するブレーキ機構とを備え、金属帯の進行領域上側及び進行領域下側のいずれか一方から金属帯の幅方向に渡って金属帯を均一に押圧することで金属帯の長手方向に断続的に生じている凹凸部分を平坦化して金属帯の厚みを幅方向に渡って均一化する凹凸部分矯正用ロールが、スリッタへ金属帯を取り込む金属帯取り込み側に配置され、金属帯の進行領域上側及び進行領域下側の双方から金属帯の幅方向に渡って金属帯を均一に押圧することで金属帯の長手方向に生じがちな縦筋を平坦化して金属帯の厚みを幅方向に渡って均一化する縦筋矯正用上側ロール及び縦筋矯正用下側ロールが、凹凸部分矯正用ロールよりスリッタに近い位置で金属帯の進行方向に沿って互いに前後にずらして配置され、広幅の金属帯にセンターバックル、クォーターバックル及び縦筋が生じていても細幅のスリット条をスリット条の長手方向に渡って均一な幅寸法で剪断加工するとともに剪断加工時に生じがちな擦過傷を軽減したスリット条を形成するものであれば、その具体的な実施の態様は、如何なるものであっても何ら構わない。
たとえば、本発明のギャングスリッタ装置で剪断加工する金属帯の素材については、アルミニウム、ステンレス、及び鉄めっき鋼板等の広幅で薄板状若しくは薄帯状を呈する金属帯で細幅に剪断加工し得る厚みを有するものであれば、いかなる金属帯であっても差し支えなく、例えば、50μm乃至1mmの厚みを有する金属帯が対象となる。
本発明で用いる凹凸部分矯正用ロールは、金属帯の進行領域上側及び進行領域下側のいずれか一方から金属帯の幅方向に渡って金属帯を均一に押圧することで金属帯の長手方向に断続的に生じている凹凸部分を平坦化して金属帯の厚みを幅方向に渡って均一化するロールであれば、その具体的なロール形状およびロール配置形態は如何なるものであっても良いが、特に、金属帯の進行領域上側から前記金属帯に接触する凹凸部分矯正用ロールが金属帯の幅方向に沿った状態で前記金属帯の進行領域上側から進行領域下側に向かって湾曲突出した横架状態の固定軸と該固定軸の軸芯に沿って金属帯の進行領域上側から進行領域下側に向かって湾曲突出して自転自在に遊嵌した筒状ロール体とを備え、さらに、筒状ロール体が筒状ロール体の湾曲状短母線側から湾曲状長母線側に向かって筒状ロール体の下側に搬送される金属帯に前記筒状ロール体のロール体外周面を接触させて金属帯を拡幅伸張するように設けられている場合には、凹凸部分を確実に平坦化した状態で金属帯を剪断加工することができるので、より好ましい。
なお、凹凸部分矯正用ロールおよび筒状ロール体のロール中央部から両ロール端部に向けて湾曲する湾曲度合いは、筒状ロール体の湾曲状短母線側と湾曲状長母線側との寸法差が、例えば、筒状ロール体のロール長に対する比率で最大10/1000を満足する程度のもの、好ましくは1/1000程度のもの、あるいは、これらのロール中央部に対して両ロール端部が、金属帯の厚み、もしくは、凹凸部分の落差寸法に相当する程度に偏心していればよい。
また、固定軸の偏芯角、すなわち固定軸の両端を結んだ直線と湾曲状長母線とを含む仮想平面が金属帯の進行方向と形成する角度は、金属帯の材質、形状及び厚み等の素材条件と金属帯の走行速度等の加工条件とに応じて個別具体的に設定されるものである。
また、本発明で用いる縦筋矯正用上側ロール及び縦筋矯正用下側ロールは、金属帯をスリッタに供給するパスライン上でスリッタの直前に配置され、凹凸部分及び縦筋を矯正した金属帯をそのままスリッタに供給するものであれば如何なるものであってもよく、例えば、縦筋矯正用上側ロール及び縦筋矯正用下側ロールは相互に同一の構成を有していてもよいし、相互に異なる構成を有していてもよい。
そして、本発明のギャングスリッタ装置では、制御ユニットは、予め取得された相関関係データを記憶しておく記憶装置を備えていてもよい。
上述の相関関係データは、金属帯及びスリット条に作用する張力と相関があるパラメータであれば如何なるパラメータを含んで構成されていてもよく、例えば、金属帯及びスリット条の走行速度すなわちラインスピード、スリット条の巻き取り長さ、スリッタを構成している円板状上刃及び円板状下刃のそれぞれの回転速度、スリッタを駆動するスリッタ用駆動モータの回転数、リコイラを回転駆動するリコイラ用駆動モータの回転数、金属帯及びスリット条の温度等の各種パラメータと金属帯及びスリット条に作用する張力との相関関係を含んでいてもよい。
また、本発明のギャングスリッタ装置は、金属帯及びスリット条に作用する張力と相関があるパラメータをギャングスリッタ装置稼動時に測定する各種センサを含んで構成されていてもよい。
そして、これらセンサで測定されたパラメータの実測値及び相関関係データに基づいてブレーキ機構の動作を制御するほうが正確に張力を設定するうえでより好ましい。
また、本発明のギャングスリッタ装置は、金属帯及びスリット条に作用する張力を実測する張力センサを備えていてもよい。
そして、本発明のギャングスリッタ装置では、実測された張力を制御ユニットにフィードバックして実際に金属帯及びスリット条に作用する張力を最適化することにより、確実に金属帯及びスリット条の緊張状態を維持するのがより好ましい。
以下、本発明の一実施例であるギャングスリッタ装置100を図面に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の一実施例であるギャングスリッタ装置の構成図であり、図2は、本発明におけるスリッタの正面図であり、図3は、本発明における凹凸部分矯正用ロールの湾曲突出した横架状態を誇大に強調して示した斜視図であり、図4は、本発明における凹凸部分矯正用ロールの湾曲突出した横架状態を誇大に強調して示した正面図であり、図5は、本発明における縦筋矯正用上側ロール及び縦筋矯正用下側ロールの斜視図であり、図6は、本発明における縦筋矯正用上側ロールの正面図であり、図7は、凹凸部分矯正用ロールに供給される金属帯の平面図であり、図8は、図7の8−8断面図であり、図9は、凹凸部分が矯正された金属帯の部分断面図であり、図10は、縦筋矯正用上側ロール及び縦筋矯正用下側ロールに供給される金属帯の平面図であり、図11は、図10の11−11断面図であり、図12は、縦筋が矯正された金属帯の部分断面図であり、図13は、本発明の一実施例であるギャングスリッタ装置に係る制御要素のブロック図であり、図14は、本発明の一実施例であるギャングスリッタ装置の制御フローチャートであり、図15は、相関関係データの一例を示すグラフである。
なお、図2では、説明の便宜上、図2の紙面の手前側すなわちスリッタからみた金属帯取り込み側からスリッタに取り込まれる金属帯を仮想線で示し、図2の紙面の奥行側すなわちスリッタからみたスリット条送り出し側に送り出される複数のスリット条を実線で示している。
本実施例に係るガングスリッタ装置100は、図1及び図2に示すように、1000乃至1500mmの広幅のアルミ金属帯MBを巻回してなるコイルCからアルミ金属帯MBが引き出されるアンコイラ110と、アンコイラ110から引き出された広幅のアルミ金属帯MBを円板状上刃121と円板状下刃122との間でアルミ金属帯MBの長手方向D1に沿って複数の15乃至150mm程度の細幅に同時に剪断加工して複数のアルミスリット条SBを形成するスリッタ120と、複数のアルミスリット条SBをそれぞれコイル状に同軸上で巻き取るリコイラ130と、コイルCから引き出されるアルミ金属帯MBを抑制してアルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBの緊張状態を維持するブレーキ機構140とを備えている。
これにより、アルミ金属帯MBの蛇行及び弛みがない状態で広幅のアルミ金属帯MBを細幅のアルミスリット条SBに剪断加工するようになっている。
そして、図2に示すように、スリッタ120は、駆動軸121A及び122Aによって回転する円板状上刃121及び円板状下刃122を有し、これらの複数の円板状上刃121及び円板状下刃122は、広幅のアルミ金属帯MBに対向するために駆動軸121A及び122Aの軸上に沿って等間隔で複数配置されている。
広幅のアルミ金属帯MBは、コイルCから引き出された後、後述する凹凸部分矯正用ロール150A、縦筋矯正用上側ロール160A及び縦筋矯正用下側ロール160Bによって送られて円板状上刃121及び円板状下刃122の間に供給される。
したがって、複数のアルミスリット条SBは、円板状上刃121の刃先121Bと円板状下刃122の刃先122Bとで広幅のアルミ金属帯MBが細幅に同時に剪断されることにより、後述するように断面矩形状の長尺帯形態に形成される。
図1に示すように、本実施例のギャングスリッタ装置100は、ルーピングテーブル入口側ロールR1、ルーピングテーブル出口側ロールR2、ラインセパレータ押さえ用ロールR3、ラインセパレータLS、スリット条押さえ用ロールR4、ブライドル中央ロールR5、ブライドル入口側ロールR6、ブライドル出口側ロールR7、及びバックセパレータBSによりスリッタ120からリコイラ130に送られた複数のアルミスリット条SBを巻き取る。
なお、図1中の太い黒矢印は、アルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBの走行方向を示している。
次に、本実施例のギャングスリッタ装置100の最も特徴とする具体的構成を説明する。
図1及び図2に示すように、本実施例のギャングスリッタ装置100は、スリッタ120へアルミ金属帯MBを取り込む金属帯取り込み側に配置されている凹凸部分矯正用ロール150Aと、凹凸部分矯正用ロール150Aよりスリッタ120に近い位置でアルミ金属帯MBの進行方向に沿って互いに前後にずらして配置されている縦筋矯正用上側ロール160A及び縦筋矯正用下側ロール160Bとを備えている。
本実施例では、図1に示すように、アルミ金属帯MBの進行領域上側及び進行領域下側にそれぞれ配置された一対の凹凸部分矯正用ロール150A、150Bのうちアルミ金属帯MBの進行領域上側に配置された状態でアルミ金属帯MBに接触する凹凸部分矯正用ロール150Aが、本発明の「凹凸部分矯正用ロール」の一例となっている。
図1及び図3に示すように、凹凸部分矯正用ロール150Aは、凹凸部分矯正用ロール150Aの図1中左斜め上方向から供給されたアルミ金属帯MBに接触している。
この凹凸部分矯正用ロール150Aは、アルミ金属帯MBの進行領域上側からアルミ金属帯MBの幅方向D2に渡ってアルミ金属帯MBを均一に押圧する。
これにより、アルミ金属帯MBいかなる細幅のアルミスリット条SBに剪断加工する場合であっても、この凹凸部分矯正用ロール150Aは、アルミ金属帯MBの長手方向D1に断続的に生じている図7及び図8に示す凹凸部分P1をアルミ金属帯MBの少なくとも幅方向D2に平坦化してアルミ金属帯MBの厚みを幅方向D2に渡って均一化するとともに、図2に示す円板状上刃121及び円板状下刃122のそれぞれの刃先121B、122Bは、この凹凸部分P1を平坦化されたアルミ金属帯MBの上面及び下面に接触してアルミ金属帯MBを剪断加工する。
より具体的には、図7及び図8に示すように、アルミ金属帯MBの幅方向D2に沿ってアルミ金属帯MBの中央付近に生じているセンターバックル又はアルミ金属帯MBの幅方向D2に沿ってアルミ金属帯MBの両側端付近に生じているクォーターバックルと称す凹凸部分P1がアルミ金属帯MBに発生している状況下であっても、凹凸部分矯正用ロール150Aは、アルミ金属帯MBの進行領域上側からアルミ金属帯MBを押圧し、図9に示すように、凹凸部分P1を平坦化してアルミ金属帯MBの厚みを均一化する。
このため、従来のような凹凸部分P1が生じたままで長手方向D1に渡って分断するようにアルミ金属帯MBを剪断加工することで生じがちなアルミスリット条SBの波状側端部すなわち図22に示す波状側端部を矯正してアルミスリット条SBの側端部が直線状側端部に形成される。
換言すれば、アルミスリット条SBは、断面矩形状に形成される。
なお、凹凸部分矯正用ロール150Bの図1中左斜め下方向から一対の凹凸部分矯正用ロール150A、150Bの間にアルミ金属帯MBが供給されることでアルミ金属帯MBが凹凸部分矯正用ロール150Bに接触する場合には、アルミ金属帯MBの進行領域下側に配置された凹凸部分矯正用ロール150Bが、本発明の「凹凸部分矯正用ロール」の一例となる。
また、本実施例のギャングスリッタ装置100では、縦筋矯正用上側ロール160A及び縦筋矯正用下側ロール160Bが、凹凸部分矯正用ロール150Aよりスリッタ120に近い位置でアルミ金属帯MBの進行方向に沿って互いに前後にずらして配置されている。
そして、縦筋矯正用上側ロール160A及び縦筋矯正用下側ロール160Bは、アルミ金属帯MBの進行領域上側及び進行領域下側の双方から図5に示すアルミ金属帯MBの幅方向D2に渡ってアルミ金属帯MBを均一に押圧する。
これにより、いかなる細幅のアルミスリット条SBに剪断加工する場合であっても、この縦筋矯正用上側ロール160A及び縦筋矯正用下側ロール160Bは、上述の凹凸部分P1を平坦化したアルミ金属帯MBを緊張状態に維持することで生じる縦筋、すなわち凹凸部分矯正用ロール150Aから送り出されたアルミ金属帯MBに発生している図10及び図11に示す縦筋P2を凹凸部分矯正用ロール150Aよりスリッタ120に近い位置で平坦化してアルミ金属帯MBの厚みを幅方向D2に渡って均一化したアルミ金属帯MBをそのままスリッタ120に供給する。
すなわち、アルミ金属帯MBは、凹凸部分P1を平坦化したアルミ金属帯MBを緊張状態に維持することで生じる縦筋P2を凹凸部分矯正用ロール150Aよりスリッタ120に近い位置で平坦化して図12に示すように厚みを均一化されたままでスリッタ120に取り込まれてアルミスリット条SBに剪断加工される。
このため、縦筋P2が生じたままで長手方向D1に渡って分断するようにアルミ金属帯MBを剪断加工することでアルミスリット条SBに生じがちな側端部の歪変形すなわち波状側端部の発生を抑制し、アルミスリット条SBは、アルミスリット条SBの長手方向に渡って均一な幅寸法を有するようにアルミ金属帯MBから剪断加工される。
加えて、本実施例のギャングスリッタ装置100は、図16に示す金属帯取り込み側パッド560A、560Bの代わりに縦筋矯正用上側ロール160A及び縦筋矯正用下側ロール160Bを用いてアルミ金属帯MBの走行状態を安定化させている。
これにより、アルミ金属帯MBの走行状態は安定化する。
このため、少なくとも金属帯取り込み側パッド560A、560Bを用いないでアルミ金属帯MBに擦過傷が生じない分だけ擦過傷を軽減したアルミスリット条SBが形成される。
次に、図3及び図4を参照しながら、凹凸部分矯正用ロール150Aの構成を詳細に説明する。
図3及び図4に示すように、凹凸部分矯正用ロール150Aは、アルミ金属帯MBの幅方向D2に沿って湾曲突出した横架状態の固定軸151と、固定軸151の軸芯151Aに沿って湾曲して自転自在に遊嵌した筒状ロール体152とを備えている。
そして、筒状ロール体152は、筒状ロール体152の湾曲状短母線154側から湾曲状長母線155側に向かってアルミ金属帯MBを接触させて拡幅伸張させるロール体外周面153を有している。
これにより、凹凸部分矯正用ロール150Aは、アルミ金属帯MBに生じている凹凸部分P1を押圧するだけでなくアルミ金属帯MBの幅方向D2に沿って凹凸部分P1を伸ばして平坦化する。
このため、凹凸部分P1を確実に平坦化した状態のアルミ金属帯MBが、スリッタ120でアルミスリット条SBに剪断加工される。
なお、図3および図4において、本実施例における凹凸部分矯正用ロールの湾曲突出した横架状態が誇大に強調して示されているが、凹凸部分矯正用ロールおよび筒状ロール体のロール中央部から両ロール端部に向けて湾曲する湾曲度合いは、筒状ロール体の湾曲状短母線側と湾曲状長母線側との寸法差が、筒状ロール体のロール長に対する比率で最大で10/1000を満足する程度、好ましくは1/1000を満足する程度に設定されている。
また、凹凸部分矯正用ロール150Aは、固定軸151と筒状ロール体152との間に配置されているが図示されていないベアリングを有している。
筒状ロール体152は、ロール体外周面153に接触したアルミ金属帯MBの走行に追従して自転する。
凹凸部分矯正用ロール150Bは、凹凸部分矯正用ロール150Aと同じ構成を有している。
そして、凹凸部分矯正用ロール150Bは、凹凸部分矯正用ロール150Bからみて図1中の左下側からアルミ金属帯MBが供給された場合に、凹凸部分矯正用ロール150Aと同様の駆動形態により自転する。
また、筒状ロール体152は、弾性材料で構成されている。
これにより、アルミ金属帯MBに追従して自転する筒状ロール体152が湾曲状短母線154側から湾曲状長母155側に向かうとともに凹凸部分矯正用ロール150Aの両端のそれぞれに向かって筒状ロール体152に弾性伸びが生じる。
このため、筒状ロール体152の弾性伸びに応じて凹凸部分P1を伸ばして平坦化した状態のアルミ金属帯MBが、スリッタ120で剪断加工される。
次に、図5及び図6を参照しながら、縦筋矯正用上側ロール160Aの構成を詳細に説明する。
図5及び図6に示すように、縦筋矯正用上側ロール160Aは、ロール中央163からロール側方164に向かって左右対称に傾斜展開する逆V字状縞模様162Aのロール外周押圧面161Aを備えている。
ロール外周押圧面161Aの逆V字状縞模様162Aは、互いに異なる摩擦係数を有する押圧縞部162AH、162ALで構成されている。
これにより、ロール外周押圧面161Aは、アルミ金属帯MBの上面及び下面の垂直方向のみに沿って縦筋P2を押圧するだけでなく押圧縞部162AH、162ALからアルミ金属帯MBの幅方向D2の外側に向かってアルミ金属帯MBを押し広げて縦筋P2を伸ばす。
このため、縦筋P2を確実に平坦化した状態のアルミ金属帯MBが、スリッタ120で剪断加工される。
また、図1に示すように、本実施例のギャングスリッタ装置100では、スリット条抑制用上側ロール170A及びスリット条抑制用下側ロール170Bは、スリッタ120からアルミスリット条SBを引き出すスリット条引き出し側に配置されている。
スリット条抑制用上側ロール170A及びスリット条抑制用下側ロール170Bは、アルミスリット条SBの進行領域上側及び進行領域下側の双方からアルミスリット条SBの幅方向に渡ってアルミスリット条SBに接触してアルミスリット条SBの上下動を抑制する。
これにより、アルミスリット条SBの走行状態は、上述のスリット条引き出し側パッドの代わりにスリット条抑制用上側ロール170A及びスリット条抑制用下側ロール170Bを用いて安定化している。
このため、アルミ金属帯MBに生じる擦過傷だけでなくスリッタ120から引き出された直後のアルミスリット条SBにおける擦過傷の発生が防止される。
また、図1に示すように、本実施例のギャングスリッタ装置100では、ブレーキ機構140をリコイラ130の巻き取り状態に応じて制御する制御ユニット180は、ブレーキ機構140とリコイラ130とに接続されている。
これにより、アルミスリット条SBをテンションパッドで挟んだ状態でアルミスリット条SBに加わる張力を調整してアルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBの緊張状態を維持しなくても常時アルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBの緊張状態が維持される。
すなわち、図1に示すアルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBに加わる張力Fが、リコイラ130の巻き取り状態に応じて制御される。
このため、本実施例のギャングスリッタ装置100は、従来のようなアルミスリット条SBとテンションパッドとの接触摩擦に起因してアルミスリット条SBに擦過傷が生じることを防いでいる。
また、制御ユニット180は、リコイラ130に巻き取られたアルミスリット条SBの巻き取り長さとアルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBの緊張状態を維持するようにアルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBに作用させる張力との相関関係を含む相関関係データに基づいてブレーキ機構140を制御している。
これにより、アルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBに作用する最適な張力Fが、アルミスリット条SBの巻き取り長さ及び温度変化等の工程条件を考慮して設定される。
次に、図1及び図13に基づいて、本実施例のギャングスリッタ装置100に係る主要な制御要素の構成を詳細に説明する。
図1及び図13に示すように、ギャングスリッタ装置100は、アンコイラ110、スリッタ120、スリッタ用駆動モータM1、リコイラ130、リコイラ用駆動モータM2、ブレーキ機構140、制御ユニット180及びセンサ部190を備えている。
制御ユニット180は、相関関係データ記憶装置181、アンコイラ制御部182、パスライン制御部183、ラインスピード制御部184及びリコイラ制御部185を備えている。
制御ユニット180は、センサ部190で測定されたデータに基づいてブレーキ機構140を制御するとともにスリッタ120及びリコイラ130をそれぞれ駆動するスリッタ用駆動モータM1及びリコイラ用駆動モータM2を制御する。
センサ部190は、スリッタ用駆動モータの回転数測定センサ191、ラインスピード測定センサ192、リコイラ用駆動モータの回転数測定センサ193、張力測定センサ194、温度測定センサ195及びリコイラ外径測定用超音波センサ196を備えている。
上述の各センサで測定された測定データは、制御ユニット180に供給される。
次に、図1、図13乃至図15に基づいて、ギャングスリッタ装置100の制御方法を詳細に説明する。
まず、ギャングスリッタ装置100の始動時または駆動時において、オペレータが入力した張力Fのデータまたは張力測定センサ194が測定したアルミスリット条SBの張力F等の基準張力データが、相関関係データ記憶装置181に入力される(ステップS1)。
相関関係データ記憶装置181は、予め基準張力データ及び最適な張力の相関関係を示す基準張力制御曲線を含む相関関係データCDを記憶している。
次に、アンコイラ制御部182が、相関関係データ記憶装置181から相関関係データCDを読み込む(ステップS2)。
次に、パスライン制御部183及びラインスピード制御部184が、アルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBの走行速度すなわちラインスピードを制御する(ステップS3)。
より具体的には、パスライン制御部183が、スリッタ用駆動モータM1の回転数制御信号をスリッタ用駆動モータM1に供給する(ステップS4)。
これに並行して、スリッタ用駆動モータの回転数測定センサ191が、スリッタ用駆動モータM1の回転数を測定する(ステップS5)。
ステップS4及びS5に並行して、ラインスピード制御部184が、リコイラ用駆動モータM2の回転数制御信号を供給する(ステップS6)。
これに並行して、リコイラ用駆動モータの回転数測定センサ193が、リコイラ用駆動モータM2の回転数を測定する(ステップS7)。
次に、ラインスピード測定センサ192が、アルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBの実際の走行速度、すなわち実際のラインスピードVを測定する(ステップS8)。
次に、ラインスピード制御部184が、実際のラインスピードV及び設定ラインスピードV0が相互に一致しているか否かを判定し(ステップS9)、一致していないと判定された場合には、再度ステップS3以後の手順が実行され、一致していると判定された場合には、リコイラ外径測定用超音波センサ196が、リコイラ外径を測定することによりアルミスリット条SBの巻き取り長さLを測定する(ステップS10)。
次に、張力測定センサ194が、アルミスリット条SBの張力Fを測定する(ステップS11)。
次に、アンコイラ制御部182は、温度測定センサ195が測定したアルミスリット条SBの温度に基づいて張力Fを補正して補正張力Faを算出する(ステップS12)。
次に、アンコイラ制御部182は、補正張力Faが設定張力Fs未満であるか否かを判定する(ステップS13)。
ステップ13において、補正張力Faが設定張力Fs以上であると判定された場合には、再度ステップS10以降の手順が実行される。
なお、設定張力Fsとは、スリッタ用駆動モータM1の回転数及びリコイラ用駆動モータM2の回転数に応じてアルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBに作用すべき狙いの張力、すなわち、アルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBを緊張状態に維持する張力をいう。
ここで、図15に示すように、設定張力Fsは、相関関係データCDによって規定されている。
より具体的には、例えば、相関関係データCDは、スリット条巻き取り長さL及び設定張力Fsの相関関係を示した基準張力制御曲線である。
スリット条巻き取り長さLが長さL1の場合、アルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBを緊張させる補正張力Faは、設定張力Fs1以上に設定される。
スリット条巻き取り長さLが長さL2の場合には、補正張力Faは、補正張力Fs2以上に設定される。
次に、ステップ13において補正張力Faが設定張力Fs未満であると判定された場合、アンコイラ制御部182が、電空比例ブレーキ及びパウダブレーキ等から構成されたブレーキ機構140を制御してアルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBに作用する張力Fを増大させ、アルミ金属帯MB及びアルミスリッタ条SBの緊張状態を維持する。(ステップS14)。
より具体的には、ブレーキ機構140は、コイルCの回転動作を規制して張力Fを増大させて補正張力Faを設定張力Fs以上にし、アルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBの緊張状態を維持する。
このようなブレーキ機構140の動作により、テンションパッドを用いないでアルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBの緊張状態を維持してテンションパッドとアルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBとの接触摩擦に起因するアルミ金属帯MB及びアルミスリット条SBの擦過傷を防いでいる。
このようにして得られた本実施例のギャングスリッタ装置100は、凹凸部分矯正用ロール150Aと縦筋矯正用上側ロール160A及び縦筋矯正用下側ロール160Bを備えていることにより、従来のようなセンターバックル、クォーターバックルと称する凹凸部分P1又は縦筋P2を長手方向に渡って分断するようにアルミ金属帯MBを剪断加工することで生じるアルミスリット条SBの波状側端部すなわち図22に示す波状側端部Qをなくして、細幅のアルミスリット条SBを図22に示すアルミスリット条SBの長手方向E1に渡って均一な幅寸法で剪断加工するとともに剪断加工時に生じがちな擦過傷の少ないアルミスリット条SBを形成することができるなど、その効果は甚大である。
100 ・・・ ギャングスリッタ装置
110 ・・・ アンコイラ
120、520、620 ・・・ スリッタ
121、521、621 ・・・ 円板状上刃
121A ・・・ 円板状上刃の駆動軸
121B ・・・ 円板状上刃の刃先
122、522、622 ・・・ 円板状下刃
122A ・・・ 円板状下刃の駆動軸
122B ・・・ 円板状下刃の刃先
130 ・・・ リコイラ
140 ・・・ ブレーキ機構
150A、150B ・・・ 凹凸部分矯正用ロール
151 ・・・ 固定軸
151A ・・・ 固定軸の軸芯
152 ・・・ 筒状ロール体
153 ・・・ ロール体外周面
154 ・・・ 湾曲状短母線
155 ・・・ 湾曲状長母線
160A ・・・ 縦筋矯正用上側ロール
160B ・・・ 縦筋矯正用下側ロール
161A ・・・ ロール外周押圧面
162A ・・・ 逆V字状縞模様
162AH、162AL ・・・ 押圧縞部
163 ・・・ ロール中央
164 ・・・ ロール側方
170A ・・・ スリット条抑制用上側ロール
170B ・・・ スリット条抑制用下側ロール
180 ・・・ 制御ユニット
181 ・・・ 相関関係データ記憶装置
182 ・・・ アンコイラ制御部
183 ・・・ パスライン制御部
184 ・・・ ラインスピード制御部
185 ・・・リコイラ制御部
190 ・・・ センサ部
191 ・・・ スリッタ用駆動モータの回転数測定センサ
192 ・・・ ラインスピード測定センサ
193 ・・・ リコイラ用駆動モータの回転数測定センサ
194 ・・・ 張力測定センサ
195 ・・・ 温度測定センサ
196 ・・・ リコイラ外径測定用超音波センサ
560A、560B ・・・ 金属帯取り込み側パッド
570A、570B ・・・ スリット条引き出し側パッド
M1 ・・・ スリッタ用駆動モータ
M2 ・・・ リコイラ用駆動モータ
BS ・・・ バックセパレータ
C ・・・ コイル
CD ・・・ 相関関係データ
D1 ・・・ アルミ金属帯の長手方向
D2 ・・・ アルミ金属帯の幅方向
E1 ・・・ アルミスリット条の長手方向
E2 ・・・ アルミスリット条の幅方向
F ・・・ アルミ金属条帯及びアルミスリット条に作用する張力
Fs ・・・ 設定張力
Fa ・・・ 補正張力
LS ・・・ ラインセパレータ
MB ・・・ アルミ金属帯
SB ・・・ アルミスリット条
P1 ・・・ 凹凸部分
P2 ・・・ 縦筋
Q ・・・ 波状側端部
R1 ・・・ ルーピングテーブル入口側ロール
R2 ・・・ ルーピングテーブル出口側ロール
R3 ・・・ ラインセパレータ押さえ用ロール
R4 ・・・ スリット条押さえ用ロール
R5 ・・・ ブライドル中央ロール
R6 ・・・ ブライドル入口側ロール
R7 ・・・ ブライドル出口側ロール
G ・・・ ギャングスリッタ装置の設置面
ΔW ・・・ アルミスリット条の幅方向に沿って平らに伸びる長さ

Claims (3)

  1. 広幅の金属帯を巻回してなるコイルから前記金属帯が引き出されるアンコイラと、該アンコイラから引き出された広幅の金属帯を円板状上刃と円板状下刃との間で金属帯の長手方向に沿って複数の細幅に同時に剪断加工して複数のスリット条を形成するスリッタと、前記複数のスリット条をそれぞれコイル状に同軸上で巻き取るリコイラと、前記コイルから引き出される金属帯を抑制して金属帯及びスリット条の緊張状態を維持するブレーキ機構とを備えているギャングスリッタ装置において、
    前記金属帯の進行領域上側及び進行領域下側のいずれか一方から金属帯の幅方向に渡って金属帯を均一に押圧することで前記金属帯の長手方向に断続的に生じている凹凸部分を平坦化して金属帯の厚みを幅方向に渡って均一化する凹凸部分矯正用ロールが、前記スリッタへ金属帯を取り込む金属帯取り込み側に配置され、
    前記金属帯の進行領域上側及び進行領域下側の双方から金属帯の幅方向に渡って金属帯を均一に押圧することで前記金属帯の長手方向に生じがちな縦筋を平坦化して金属帯の厚みを幅方向に渡って均一化する縦筋矯正用上側ロール及び縦筋矯正用下側ロールが、前記凹凸部分矯正用ロールよりスリッタに近い位置で前記金属帯の進行方向に沿って互いに前後にずらして配置されていることを特徴とするギャングスリッタ装置。
  2. 前記スリット条の進行領域上側及び進行領域下側の双方からスリット条の幅方向に渡ってスリット条に接触してスリット条の上下動を抑制するスリット条抑制用上側ロール及びスリット条抑制用下側ロールが、前記スリッタからスリット条を引き出すスリット条引き出し側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のギャングスリッタ装置。
  3. 前記ブレーキ機構をリコイラの巻き取り状態に応じて制御する制御ユニットが、前記ブレーキ機構とリコイラに接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のギャングスリッタ装置。
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