JP5352596B2 - 組織グルコースレベルの関数としてのインスリン放出のためのインスリン製剤 - Google Patents

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Description

本発明は一般的に、糖尿病の治療のための、インスリンおよびグルコース酸化剤および/または酵素を含む製剤に関連する。
グルコースは、エネルギーを産生し、そして生命を維持するために体の全ての細胞によって使用される単糖である。ヒトは、生きているためにずっと、その血液中に最低限のレベルのグルコースを必要とする。体が血中グルコースを産生する主な方式は、食物の消化による。ヒトが食物の消化からこのグルコースを得ない場合、グルコースは組織中の貯蔵から産生され、肝臓によって放出される。体のグルコースレベルは、インスリンによって調節される。インスリンは、膵臓によって天然に分泌されるペプチドホルモンである。インスリンは、グルコースが体の細胞に入るのを助けて、重要なエネルギーの供給源を提供する。
健康な個人が食事を始めると、膵臓は第一相インスリン放出と呼ばれる、インスリンの天然のスパイクを放出する。食事の消化から血中に入るグルコースを処理するために十分なインスリンを提供することに加えて、第一相インスリン放出は、肝臓に対して食事の消化が起こっている間グルコースの産生を停止するシグナルとして作用する。肝臓がグルコースを産生せず、そして消化からのグルコースを処理するために十分なさらなるインスリンが存在するので、健康な個人の血中グルコースレベルは、比較的一定にとどまり、そしてその血中グルコースレベルは高過ぎにならない。
糖尿病は、異常に高いレベルの血中グルコースおよび不適切なレベルのインスリンによって特徴付けられる疾患である。2つの主なタイプの糖尿病、すなわち1型および2型が存在する。1型糖尿病において、体はインスリンを産生しない。2型糖尿病の初期において、膵臓はインスリンを産生するが、体は正しい時にインスリンを産生しないか、または体の細胞がインスリンを無視する、インスリン抵抗性として知られる状態である。
高血糖は、過剰な量のグルコースが、個人の血漿中を循環している状態である。この状態は一般的に、患者が10mmol/L(180mg/dl)またはそれより高い血中グルコースレベルを有する場合に起こるが、15から20mmol/L(270から360mg/dl)またはそれより高いような、より高い血中グルコース濃度に達するまでは、症状および影響は顕著になり始めないかもしれない。高血糖は、グルコースを不自然に血中のあるタンパク質に結合させ、そのタンパク質の小さい血管の完全性を維持する通常の機能を行う能力に干渉する。各食事の後に高血糖が起こると、小さい血管は最終的に壊れ、そして漏出する。高血糖の長期副作用は、失明、腎機能の喪失、神経の損傷および感覚の喪失および末梢の循環障害を含み、四肢の切断を必要とする可能性もある。
1型糖尿病を有する患者はインスリンを産生しないので、1型糖尿病の主な治療は、「強化インスリン療法」と呼ばれる、複数回の毎日のインスリン注射療法である。2型糖尿病の治療は、典型的には食事および運動の管理から開始する。短期間では有益であるが、食事および運動のみによる治療は、2型糖尿病を有する患者の大部分にとって有効な長期間の解決ではない。食事および運動がもはや安全な血中グルコースレベルを維持するために有効な手段ではなくなった場合、治療は多くの場合、様々な非インスリン経口薬物療法から開始する。これらの経口薬物療法は、膵臓によって産生されるインスリンの量を増加させることによって、インスリン感受性細胞の感受性を増加させることによって、肝臓のグルコース出力を抑制することによって、またはこれらのメカニズムのいくつかの組み合わせによって作用する。これらの治療は、その疾患を有効に管理する能力が限られており、そして一般的に体重増加および高血圧のような、重大な副作用を有する。非インスリン治療の限界のために、2型糖尿病を有する多くの患者は、時間につれて悪化し、そして最終的にはその代謝を維持するためにインスリン治療を必要とする。まだいくらか自身のインスリンを産生する2型糖尿病を有する患者は、多くの場合、「完全にインスリン依存性ではない」患者として特徴付けられる。
インスリン療法は、糖尿病を治療するために80年以上使用されてきた。糖尿病の強化インスリン療法は、24時間にわたって理想的には血中に均一なレベルで存在する基礎インスリン、および各食事と同時におこる消化からの追加の炭水化物負荷をカバーするためにボーラスまたは食事時間(食事摂取の)インスリンを提供することを含む。この療法は通常、各日に数回のインスリン注射を投与することを含む。これらの注射は、長時間作用型基礎注射を1日あたり1または2回、および食事時間に速効型インスリンの注射、すなわち食事摂取のインスリンを投与することから成る。この治療レジメは有効であると受け入れられているが、それは制限を有する。まず、患者は一般的に、不便さおよび針の痛みのために、自分にインスリンを注射することを好まない。結果として、患者は処方された治療レジメに適切に従わない傾向があり、そして多くの場合不適切に投薬される。
多くの場所において、基礎インスリンは、12時間離れた、NPHインスリンの2回の1日投与量の投与によって提供される。プロタミンを加えた中間型(「NPH」)インスリン(Neutral Protamine Hagedorn(“NPH”)insulin)は、pH7において陽性に荷電したポリペプチド、プロタミンと組み合わせた、結晶性亜鉛インスリンの懸濁液である。NPHインスリンは、NPHインスリンよりも迅速に放出されるインスリンと組み合わせ得るという利点を有し、それは単独で投与されたインスリン、例えばヒト組換えインスリンと比較して、NPHインスリンの比較的長時間続く作用を与える。
1日3回食事を食べ、そして基礎インスリンとしてNPHインスリンを使用する患者は、3回の食事それぞれに1回、および朝に1回および寝る前にもう1回の、2回のNPHインスリン注射、1日あたり5回の注射を必要とする。患者がしなければならない注射の数を減らすために、NPHインスリンの朝投与を、組換えヒトインスリンのような短時間作用型インスリン、またはインスリンリスプロのような速効型インスリンアナログと組み合わせた。典型的な組み合わせは、70%のNPH対30%の速効型インスリンアナログ混合物である。結果として、患者は、1日あたり5回から、1日あたり4回へ注射の数を減らし得る。例えば、非特許文献1を参照のこと。
商品名LANTUS(登録商標)(Sanofi−Aventis Deutschland GmbH)で現在販売されている、インスリングラルギンは、「長時間作用型」インスリンアナログとして販売されている。LANTUS(登録商標)は、24時間までの持続時間を有し得る。LANTUS(登録商標)は、典型的には注射の約1時間後に、血中グルコースを低下させ始める。J.Rosenstockおよび同僚らは、インスリングラルギンを服用する患者は、NPHインスリンを服用する患者よりも、非常に低い低血中グルコース(低血糖)のリスクを有することを見出した。LANTUS(登録商標)は24時間の間、平均的な患者の基礎インスリンニーズをカバーするようデザインされているが、現実は、多くの患者にとって、それは十分長くは続かず、典型的には早朝の時間に高血糖を引き起こす。さらに、LANTUS(登録商標)は患者のニーズに基づいて製剤から放出されるインスリンの量を調節しない。従って、それは所定の時間における患者のニーズをカバーするために、患者のニーズよりも多いまたは少ないインスリンを放出し得る。
速効型インスリン治療のような、食事摂取のインスリンは、インスリンリスプロ(HUMALOG(登録商標)としてEli Lilly(登録商標)によって販売)、インスリングルリシン(APIDRA(登録商標)としてSanofi−Aventis(登録商標)によって販売)、およびインスリンアスパルト(NOVOLOG(登録商標)としてNovoNordisk(登録商標)によって販売)のような、インスリンアナログを含む。しかし、速効型インスリンアナログに関して、患者のインスリンアナログレベルは、注射したインスリンの時間および量に基づき(ピークインスリンレベルは典型的には注射後50から70分以内に起こる)、そして速効型アナログのピーク血漿レベルは、組織グルコースレベルと独立である。
現在の食事摂取のインスリンは、患者において増加した血中グルコースレベルに反応しない;従って、もし患者が食事の摂取による彼/彼女の血中グルコースレベルを過小評価したら、現在の食事摂取のインスリン製剤は、患者の血中グルコースレベルを調節できない。そして患者は高血糖になり得る。
速効型インスリンアナログは、非糖尿病の個人の第一相インスリン放出のフィードバックメカニズムを適切に模倣しないので、インスリン療法を用いる糖尿病患者は、食事の開始時には不適切なレベルのインスリンが存在し、そして食事の間には多すぎるインスリンが存在し続ける。インスリン送達におけるこのずれは、食事の開始後初期に高血糖を引き起こし得る。さらに、食事の間の過剰なインスリンは、低血糖として知られる、異常に低レベルの血中グルコースを引き起こし得る。低血糖は、精神的鋭敏さの喪失、混乱、心拍数の増加、空腹、発汗および失神型めまいを引き起こし得る。60mg/dl未満のような、非常に低いグルコースレベルにおいて、低血糖は意識の喪失、昏睡、および死亡さえも引き起こし得る。米国糖尿病協会(American Diabetes Association(「ADA」))によって、インスリンを使用する糖尿病患者は、1年あたり平均1.2回の重症の低血糖事象を有し、その事象の多くは、患者による病院の緊急治療室への来診を必要とする。
インスリン注射が適切に投与された場合でも、それらは天然のインスリンのグルコースフィードバックプロファイルを再現しない。注射されたインスリンは、現在の血中グルコースレベルに関係なく、血中にゆっくりと入る。現在投与されている基礎療法の限界は、血中グルコースレベルに基づいて放出されるインスリンの量を決定するためのフィードバックメカニズムが存在しないことである。特に、糖尿病を有さない人において起こる、グルコースレベルの増加に反応した血中インスリンレベルの上昇を可能にする、天然のフィードバックを模倣する必要性が存在する。既存の基礎インスリン治療の問題は、血中グルコースレベルの変動を引き起こす、患者の食事、運動、ストレス、および多くの他の因子における毎日の変動に対して感受性でないことである。
「スマート」薬剤送達システムのために、グルコース感受性に基づいたフィードバックメカニズム、すなわち、患者のニーズにもとづいて薬剤を送達するシステムを開発するために、ハイドロゲルを使用した。環境グルコース濃度に反応して、ゲル構造を変化させることによってインスリン放出を調節するために、グルコース感受性ハイドロゲルを使用した。
この方向における最初の研究の1つは、レクチン、コンカナバリンA(ConA)の使用であった。このアプローチは、競合的結合に基づき、ここでグリコシル化インスリン分子が、ConAの各サブユニットに結合し、そしてそれは外部グルコース濃度に正比例して、グルコースによって可逆的に置換される。このシステムは、ConAは免疫原性であり、そしてインスリンのグリコシル化はそれを新しい化学的存在にするという欠点を有する。ConAは、重大な毒性の問題を有し、そして患者がConAに対する抗体を生じ得るという重大なリスクが存在する。このリスクのために、そのような製品が規制の認可を得られるかどうかは疑わしい。従って、ヒトの治療のための認可を考えさえする前に、製剤ConAの非常に高価であり、そして詳細な試験が必要とされる。
別のアプローチにおいて、ペンダントボロン酸フェニルを有するポリマーを、グルコース感受性ゲルを形成するために、ポリオール(ポリビニルアルコールのような)とのゲル形成を可能にする架橋剤として使用した。非特許文献2。ボロン酸は、ジオール(グルコースおよびフルクトースのような単糖分子を含む)に対する親和性で、フリーのヒドロキシル基に結合することが公知である。グルコースの存在下で、ボロン酸を含むゲルは、遊離グルコースとのビニルアルコールの置換反応により膨張する。ハイドロゲルの膨張は、架橋したポリマーネットワーク中に先に閉じ込められていたインスリンの放出を引き起こす。このシステムの主な限界は、ボロン酸はアルカリ条件下(pH>9)でのみグルコースに感受性であることを含む。それに加えて、ボロン酸は、他の単糖(monosaccarides)よりグルコースに対してより感受性でない。
別のグルコース感受性ポリマー性ハイドロゲルは、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を含む。非特許文献3を参照のこと。このシステムにおいて、インスリンはジスルフィド結合によってポリマー表面に移植される。GDHがグルコースに接触すると、GDHはグルコース分子を酸化して、電子を放出する。放出された電子は、移植されたインスリンの放出のためにジスルフィド結合を還元する。GDHシステムは、電子メディエーターとして作用する様々な酵素補因子を用いることによって、インスリンの放出を達成し、酵素補因子もポリマーに融合する必要がある。このシステムは、グルコースに対して改善された感受性を提供し得る。しかし、GDHに基づくシステムの大きな欠点は、ポリマー表面に融合し得るインスリンの量が限られていることである。結果として、皮下注射として有用であるために十分少ない量で、臨床的に有用な効果を生じる十分な量のインスリンを、このシステムにおいて採用し得ることは疑わしい。
グルコース酸化酵素を、pH感受性ハイドロゲルに固定化した。非特許文献4;非特許文献5を参照のこと。グルコース酸化酵素によって触媒される、グルコースからグルコン酸への変換は、pHを下げ、pH感受性ハイドロゲルの膨張に影響を与える。この膨張は、直近の環境におけるグルコース濃度の増加に反応して、インスリンの放出を可能にする。このコンセプトは、高度にpH感受性のポリマーを必要とするので、再び制限を有する。全てのグルコース感受性ハイドロゲルはまた、ポリマー性ネットワークからのインスリン拡散速度に関するさらなる制限を有する。
糖尿病を有効に管理し、そして低血糖合併症を予防するために、あらゆる所定の瞬間において生理学的ニーズに正確に合致する方式で、インスリンを投与することが最も望ましい。血中グルコースレベルにおける変動は非常に多くの因子に依存しているので、体のグルコースレベルの変化の結果として生理学的に利用可能になり得るインスリンに対する顕著な必要性が存在する。
従って、改善されたインスリン製剤を提供することが、本発明の目的である。
2型および1型糖尿病患者を含む、インスリン治療が必要な患者において、血中グルコースレベルを調節するための改善された方法を提供することが、本発明のさらなる目的である。
改善されたインスリン製剤を形成する方法を提供することが、本発明のさらなる目的である。
Garber、Drugs、66(1):31−49(2006) Kitano、J.Con.Rel.19:162−170(1992) Chungら、J.Con.Rel.18:45−54(1992) Podual、J.Con.Rel.67:9−17(1999) Polymer 41:3975−3983(2000)
患者の組織グルコースレベルに基づいて放出されたインスリンの量を改変し得る注射用インスリン製剤、これらの製剤を作成および使用する方法が、本明細書中で記載される。その製剤を、皮下、皮内、または筋肉内投与によって投与し得る。1つの好ましい実施態様において、その製剤を、皮下注射によって投与する。その製剤は、インスリン、酸化剤または酵素、および還元剤または酵素、希釈剤、および任意で1つまたはそれ以上の粘稠化剤を含む。好ましくは、その製剤は、インスリン、希釈剤、グルコースオキシダーゼおよびペルオキシダーゼを含む。もし粘稠化剤が製剤中に存在するなら、その粘稠化剤は、投与後その製剤の粘性を増加させる。患者への投与後、インスリンは、患者の組織グルコースレベルの関数として、その製剤から放出され、それは次には患者の血中グルコースレベルを最適な範囲内に維持する。その製剤は、特定の時間における患者のニーズによってインスリンの放出速度を改変するので、多くの場合「スマート」製剤と呼ばれる。
好ましい実施態様において、その製剤を、患者における注射後、基礎放出プロファイルで時間とともにインスリンを全身性循環に放出するようデザインする。別の実施態様において、その製剤を、患者における注射後、通常のヒトインスリン放出プロファイル、または食事摂取の放出プロファイルのような、非基礎放出プロファイルで時間とともにインスリンを全身性循環に放出するようデザインする。
患者の血中グルコースレベルが上昇すると、グルコースはGODによって酸化され、注射部位における製剤の微小環境において、水素イオンの産生を引き起こす。水素イオン産生の増加は、微小環境のpHを、インスリンの等電点より下に下げ、インスリンをより可溶性にし、そしてインスリンを全身性循環に放出する。全身性循環におけるインスリンの利用可能性は、血中グルコースレベルの減少を引き起こす。この血中グルコースレベルの減少の後、グルコースをグルコン酸へ変換する反応は遅くなる。それによって水素イオンの産生が減少し、そして微小環境のpHが上昇する。このpHの変化はインスリンに、より可溶性でない環境を与える。
150mg/dlまたはそれより上のような、高いグルコース濃度が患者の血液中に存在する場合、製剤中の酸化剤および/または酵素による、グルコースの酸化によるグルコン酸の生成が存在する。これが次には、製剤からのインスリンのより多い放出を引き起こす。患者の血中グルコース濃度が、80mg/dlまたはそれより下までのように減少した場合、グルコースをグルコン酸へ変換する反応を行う、酸化剤および/または酵素のために存在するグルコース量が減少する。それによって水素イオンの産生が減少し、そして上記で記載したように、微小環境のpHが上昇する。このpHの変化が、インスリンに、より可溶性でない環境を与え、そしてより低いpHで放出されるよりも少ないインスリンが、製剤から放出される。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
患者の組織グルコースレベルにもとづいて放出されるインスリンの量を改変することができる注射可能な製剤であって、インスリン、注射に適した希釈剤、酸化剤または酸化酵素および還元剤または還元酵素を含み、ただし該製剤はキトサン−グリセロールリン酸ハイドロゲルを含まない、製剤。
(項目2)
前記製剤のpHが前記インスリンの等電点より低い、項目1に記載の製剤。
(項目3)
前記インスリンが、溶解性の低いインスリン、組換えヒトインスリンのインスリンアナログ、組換えヒトインスリン、および非ヒトインスリンからなる群より選択される、項目1に記載の製剤。
(項目4)
前記インスリンが、溶解性の低いインスリンである、項目3に記載の製剤。
(項目5)
前記インスリンが、インスリングラルギンである、項目3に記載の製剤。
(項目6)
前記インスリンが、組換えヒトインスリンである、項目3に記載の製剤。
(項目7)
前記インスリンが、組換えヒトインスリンのインスリンアナログである、項目3に記載の製剤。
(項目8)
前記インスリンアナログが、インスリンリスプロ、インスリングルリシン、インスリンアスパルト、およびインスリンデテミルからなる群より選択される、項目7に記載の製剤。
(項目9)
前記製剤が、3.5から5.5の範囲のpHを有する、項目1に記載の製剤。
(項目10)
前記酸化酵素がグルコースオキシダーゼであり、そして前記還元酵素がペルオキシダーゼである、項目1に記載の製剤。
(項目11)
粘稠化剤をさらに含む、項目1に記載の製剤。
(項目12)
前記粘稠化剤が、親水性ポリマーを含む、項目11に記載の製剤。
(項目13)
前記製剤が、3.5から5.5の範囲のpH、好ましくは3.8から4.2の範囲のpHを有する、項目5に記載の製剤。
(項目14)
前記製剤が、安定化剤、緩衝剤および沈殿剤をさらに含む、項目13に記載の製剤。
(項目15)
糖尿病の患者を治療する方法であって、項目1、4、5、または9〜12のいずれかに記載の製剤を注射を介して該患者に投与する工程を含み、ここで前記インスリンが基礎放出プロファイルを有して該患者に送達される、方法。
(項目16)
糖尿病の患者を治療する方法であって、項目1または6〜14のいずれかに記載の製剤を食事前に注射を介して該患者に投与する工程を含み、ここで前記インスリンが非基礎放出プロファイルを有して該患者に送達される、方法。
(項目17)
前記インスリンが、食事摂取の放出プロファイルを有して前記患者に送達される、項目16に記載の方法。
(項目18)
項目17に記載の方法であって、前記製剤が有効量のインスリンを前記患者に送達して、食事後の高血糖を予防する、方法。
(項目19)
患者の血中グルコースレベルを調節するための方法であって、項目1〜14のいずれか一項に記載の前記製剤を注射を介して該患者に投与する工程を含み、ここで前記インスリンが該患者の組織グルコースレベルの関数として該製剤から放出される、方法。
図1は、時間(時間)にともなう、インビトロでの、グルコースの存在および非存在下におけるスマート基礎製剤からのインスリン濃度(mg/mL)のグラフである。セット1は、グルコースを含む媒体である。セット2はグルコースを含まない媒体である。A、B、およびCは3組での実施である。 図2は、インビトロにおける、グルコースの存在および非存在下においてスマート基礎製剤から放出されたインスリンの平均量(mg)の棒グラフである(n=3)。 図3は、2つの異なる時間間隔、3時間および6時間における、異なるグルコース濃度において放出されたインスリンの量(mg)の棒グラフである。試験したグルコースの濃度は、0(空白の棒)mg/dL、100(空白の棒および黒い棒の間の灰色の棒)mg/dL、200(黒い棒)mg/dL、250(黒い棒および斜線を有する棒の間の灰色の棒)mg/dL、300(斜線を有する棒)mg/dLであった。 図4は、時間(分)に対する、糖尿病ブタにおけるテストおよびコントロールグループの平均血漿グルコースレベル(mg/dl)のグラフである。テストグループには実施例1で記載したスマート基礎製剤を投与し、一方コントロールグループには、インスリングラルギン(LANTUS(登録商標))を投与した(時間=−0から1440分、n=3、平均+/−SEM)。 図5は、時間(分)に対する、摂食前の糖尿病ブタにおけるテストおよびコントロールグループの平均血漿グルコースレベル(mg/dl)のグラフである。図5は、時間=−25分から時間=250分までの図4の部分と対応する。 図6は、時間(分)に対する、摂食後の糖尿病ブタにおけるテストおよびコントロールグループの平均血漿グルコースレベル(mg/dl)のグラフである。図6は、時間=300分から時間=800分までの図4の部分と対応する。 図7は、時間(分)に対する、糖尿病ブタにおけるテスト(N=5)およびコントロールグループ(N=7)の平均血漿インスリンレベル(μU/ml)(+/−SEM)のグラフである。テストグループには実施例1で記載したスマート基礎製剤を投与し、一方コントロールグループには、インスリングラルギン(LANTUS(登録商標))を投与した。 図8は、時間(分)に対する、糖尿病ブタにおけるテスト(N=5)およびコントロールグループ(N=7)の平均血漿グルコースレベル(mg/dl)(+/−SEM)のグラフである。テストグループには実施例1で記載したスマート基礎製剤を投与し、一方コントロールグループには、インスリングラルギン(LANTUS(登録商標))を投与した。
I.定義
本明細書中で使用する場合、「溶解性の低いインスリン」は、生理学的なpH(6.2−7.4)および体温(例えば37℃)において、アール平衡塩類溶液E2888(Sigma Aldrich)のような細胞外液において、組換えヒトインスリンより溶解性の低いインスリンまたはインスリンアナログを指す。
本明細書中で使用する場合、「基礎インスリン」は、投与後約12から24時間の期間、延長したレベルのインスリンを提供し、そして食事の非存在下で、患者の通常の毎日の血中グルコース変動を管理するために有効な量のインスリンを患者に送達する、インスリンまたはインスリン製剤を指す。
本明細書中で使用する場合、「基礎放出プロファイル」は、患者の全身性循環への、製剤からのインスリン放出量および速度を指す。時間にともなう患者の平均血漿インスリンレベルのグラフにおいて、基礎放出プロファイルは一般的に、最小のピークを有し(多くの場合「ピークなしのプロファイル」と呼ばれる)、そして投与後12から24時間のような長時間の間、インスリンをゆっくりと、そして持続的に放出する。基礎放出プロファイルを有する製剤の1つの例は、LANTUS(登録商標)である。
本明細書中で使用する場合、「非基礎放出プロファイル」は、患者の全身性循環への、製剤からのインスリン放出量および速度を指す。非基礎放出プロファイルは、時間にともなう患者の平均血漿インスリンレベルのグラフにおいてピークを有する。
本明細書中で使用する場合、「通常のヒトインスリン放出プロファイル」は、患者の全身性循環への、製剤からのインスリン放出量および速度を指す。時間にともなう患者の平均血漿インスリンレベルのグラフにおいて、通常のヒトインスリン放出プロファイルは、注射後約2時間以内にそのピークに達する。通常のヒトインスリン放出プロファイルを有する製剤の1つの例は、HUMULIN(登録商標)Rである。
本明細書中で使用する場合、「食事摂取の放出プロファイル」は、患者の全身性循環への、製剤からのインスリン放出量および速度を指す。時間にともなう患者の平均血漿インスリンレベルのグラフにおいて、食事摂取の放出プロファイルは一般的に、注射後の迅速なインスリン放出を有し、それは約1時間またはそれより短い時間でピークに達する。食事摂取の放出プロファイルを有する製剤の1つの例は、VIAJECTTMである。
本明細書中で使用する場合、「食事摂取のインスリン」は、短期間急速放出インスリンを提供し、そして食後の患者の血中グルコースの変動を管理するために、有効な量のインスリンを患者に送達する、インスリンまたはインスリン製剤を指す。典型的な食事摂取のインスリンは、速効型インスリンアナログを含み、それは食事摂取の内因性インスリンと密接に類似した薬物動態学的プロファイルを有する。
本明細書中で使用する場合、「グルコース酸化剤または酵素」は、グルコースをグルコン酸へ容易に酸化するあらゆる化合物または酵素を指す。
本明細書中で使用する場合、「インスリン」は、他に特定しなければ、ヒトまたは非ヒト、組換え、精製、または合成インスリンまたはインスリンアナログを指す。
本明細書中で使用する場合、「ヒトインスリン」は、天然の供給源から単離されるか、または遺伝的に改変した微生物によって産生されるかのいずれにせよ、膵臓によって分泌されるヒトペプチドホルモンである。
本明細書中で使用する場合、「非ヒトインスリン」は、ブタまたはウシのような、非ヒト動物供給源由来のインスリンである。ウシおよびブタインスリンは、ヒトインスリンといくつかのアミノ酸において異なるが、ヒトにおいて生理活性がある。
本明細書中で使用する場合、「インスリンアナログ」は、膵臓によって分泌されるインスリンとは異なる、改変されたインスリンであるが、天然のインスリンと同じまたは同様の作用を及ぼすために依然として体にとって利用可能である。基礎にあるDNAの遺伝子操作によって、インスリンのアミノ酸配列を変えて、その吸収、分布、代謝、および排出(ADME)の特徴を改変し得る。例は、インスリンリスプロ、インスリングラルギン、インスリンアスパルト、インスリングルリシン、インスリンデテミルを含むがこれに限らない。インスリンをまた、例えばアセチル化によって、化学的に修飾し得る。
本明細書中で使用する場合、「ヒトインスリンアナログ」は、ヒトインスリンと同様の作用を及ぼし得る、改変されたヒトインスリンである。
本明細書中で使用する場合、「賦形剤」は、放出を調節するために、等張性を増加させるために、または製品を製造する過程を補助するために、担体として使用される不活性な物質である。そのような場合、インスリンを賦形剤と溶解、または混合する。
本明細書中で使用する場合、「沈殿剤」は、インスリン微小沈殿物の形成を増強する、インスリン沈殿物の「種をまく」、または生理学的pHおよび37℃においてその溶解性を減少させることによって、一旦形成されたインスリン沈殿を安定化する化学物質を指す。
本明細書中で使用する場合、「緩衝剤」はpHの強い変動をうけずに、ある量の酸または塩基を吸収し得る化学的薬剤を指す。
本明細書中で使用する場合、「安定化剤」は、インスリンの効力を減少させる分解産物の形成を予防することによって、インスリンを物理的および化学的に安定化する薬剤を指す。
本明細書中で使用する場合、「懸濁剤」は、液体中の浮遊粒子の沈降を遅延させるために、製剤に加える物質を指す。
本明細書中で使用する場合、「ハイドロゲル」は、架橋し得る、またはし得ない、水溶性親水性ポリマーを指す。
本明細書中で使用する場合、「微小環境」は、所定の時間にその製剤が位置する、インビボにおける容積を指す。製剤がその最初の濃度の20倍まで希釈されるまで、その製剤が希釈されるため、微小環境におけるグルコースレベルは一般的に、投与後意味がある。

II.製剤
その製剤は、インスリン、酸化剤および/または酵素、1つまたはそれ以上の賦形剤、および任意で1つまたはそれ以上の粘稠化剤を含む。患者への投与後、その製剤から、そして患者の全身性循環へ放出されるインスリンの速度および量は、患者の血中グルコースレベルの関数である。注射前の製剤のpHは、典型的には3.5から7.4の範囲であり、そして好ましくはそのpHは3.5および5.5の範囲である。好ましくは、注射前の製剤のpHは、製剤中のインスリンの等電点より下である。
インスリンおよび酸化剤の選択、およびインスリンおよび酸化剤両方の濃度は、全てその製剤の薬物動態および薬力学的(PK−PD)プロファイルに影響を与える。多くの組み合わせが、安全な血中グルコースレベルを達成するために、十分な量のインスリンを患者へ放出し得るが、好ましい実施態様は、そのPK−PDプロファイル、生理化学的特徴、投与形式、および安全性の考慮に基づいて選択される。
その製剤は、あらゆるインスリンを含む。1つの好ましい実施態様において、そのインスリンは、溶解性の低いインスリンである。典型的には、その製剤は懸濁液である。しかし、いくつかの実施態様において、その製剤は溶液であり得る。

A.インスリン
あらゆるインスリンが、その製剤中に含まれ得る。典型的には、その製剤は、製剤1mlあたり5から1,000Uのインスリン、好ましくは製剤1mlあたり100Uのインスリンを含み、典型的には、その製剤は、製剤1mlあたり20Uより多いインスリンを含む。

a.溶解性の低いインスリン
一つの実施態様において、そのインスリンは、溶解性の低いインスリンである。その製剤は、生理学的なpH(6.2〜7.4)および体温(例えば37℃)において、アール平衡塩類溶液E2888(Sigma Aldrich)のような細胞外液において、組換えヒトインスリンより溶解性の低いあらゆるインスリンを含む。
その製剤がpH7で室温または体温である場合、インスリンは典型的には希釈剤中に沈殿し、そしてその製剤は懸濁液の形態である。懸濁液を形成する、適当な溶解性の低いインスリンは、インスリングラルギン、NPHインスリン、LENTE(登録商標)インスリン(例えばHumulin(登録商標)およびNovolin(登録商標)L)、ULTRALENTE(登録商標)インスリン(例えばHumulin(登録商標)U)、およびプロタミン亜鉛インスリンを含む。
1つの実施態様において、製剤中のインスリンは、インスリングラルギンである(例えばSanofi AventisのLANTUS(登録商標))。インスリングラルギンは、位置21においてアスパラギンの代わりにグリシンを有し、そしてベータ鎖のカルボキシ末端に2つのアルギニンが加わることによってヒトインスリンと異なる、組換えヒトインスリンアナログである。LANTUS(登録商標)は、透明な水性液体に溶解したインスリングラルギンから成る(100IU、3.6378mgのインスリングラルギン、30マイクログラムの亜鉛、2.7mgのm−クレゾール、20mgのグリセロール85%、および1mlまでの水)。
本明細書中で記載された製剤を形成する場合、LANTUS(登録商標)のpHを、HClのような適当な酸で、4.0に調整し、そして酸化剤および/または酵素ならびに還元剤および/または酵素を加えて、製剤を形成する。製剤のpHは、典型的には酸化剤および/または酵素ならびに還元剤および/または酵素を加えると上昇し、そして次いで注射の前に4.0に調整する。注射後、少量のインスリングラルギンが、患者の血中グルコースレベルに反応して、持続的に体内に放出され、基礎放出プロファイルを与える。その製剤は、ゆっくりと、そして持続的に、注射後12から24時間、好ましくは注射後16から36時間のような長期間、インスリンを放出する。

b.他のインスリン
別の実施態様において、その製剤は、典型的には、生理学的なpH(6.2〜7.4)および体温(例えば37℃)において、アール平衡塩類溶液E2888(Sigma Aldrich)のような細胞外液において、同じ条件における組換えヒトインスリンの可溶性と同じかまたは同様の可溶性を有するインスリンを含む。この実施態様において、その製剤はさらに、それが溶解性の低いインスリンであるように、インスリンの可溶性を改変するために、1つまたはそれ以上の成分を含む。
この実施態様において、その製剤は、患者への投与後に、非基礎放出プロファイルに対応する速度でインスリンを放出するようデザインされる。
その製剤中のインスリンは、ヒトインスリン、組換えヒトインスリン、非ヒト動物供給源(例えばウシ、ブタ)由来のインスリン、または37℃で生理学的pHより下のpHにおいて可溶性であるインスリンアナログを含む、あらゆる他のインスリンであり得る。その製剤を、亜鉛イオンの供給源のような、安定化剤で安定化し、そして等電点を通過することによって、または中性pHおよび37℃においてインスリンの可溶性を変化させる沈殿剤(例えばアルギニン、ヒスチジン)を加えることによって、沈殿を開始する。1つの実施態様において、そのインスリンは組換えヒトインスリンであり、そしてその製剤は、注射の前に、3.5から5.5、好ましくは3.8から4.2の範囲のpHを有する。この実施態様において、その製剤は、通常のヒトインスリン放出プロファイルに対応する速度でインスリンを放出するようデザインされる。
1つの実施態様において、その製剤は、患者への投与後に、食事摂取の放出プロファイルに対応する速度でインスリンを放出するようデザインされる。この実施態様において、その製剤中のインスリンは、典型的には組換えヒトインスリンのインスリンアナログのような、食事摂取のインスリンであり、それはインスリンリスプロ、インスリングルリシン、インスリンアスパルト、またはインスリンデテミルを含むがこれに限らない。食事摂取のインスリンは、全身性循環に迅速に吸収され、そして通常のヒトインスリンより迅速なインスリンピークを有する(典型的には、時間にともなう全身性投与に放出されたインスリン量のグラフにおけるピークは、投与後約45から90分に生じる)。食事摂取のインスリンを、特定のインスリンのpIよりもわずかに低いpHで、GODおよびPODのような酸化剤および/または酵素と懸濁し得る。これらの製剤の患者への投与後、上昇したグルコースレベルの存在が、グルコースからのグルコン酸の生成により微小環境のpHが低下することによって、インスリン放出を引き起こす。より低い微小環境pHは、インスリン沈殿物の可溶性を増加させ、インスリンの全身性循環への吸収を増強する。これらの製剤は、食後の患者の血中グルコースレベルを管理するために、望ましい時間においてインスリンの放出を調節するために特に適当である。時間にともない製剤から放出されたインスリンのピークは、酸化剤および/または酵素の非存在下で、同じインスリンを含む同じ製剤から放出されたインスリンのピークより高いことが予測される。従って、食事摂取の放出プロファイルを有する、本明細書中で記載された製剤は、現在の食事摂取のインスリン製剤よりも多くのインスリンを食後に放出し得る。これらの製剤は、特に患者の血中グルコースレベルが、患者が予測するよりも高い場合、食後の患者の血中グルコースレベルを調節するために、および高血糖を予防するために特に有用である。
そのインスリン製剤を、上記で述べたインスリンのいずれか、またはその組み合わせを用いて、およびそれをGODおよびPODと組み合わせることによって作製し得る。

1.インスリン安定化剤
特に溶液中でインスリンを六量体として安定化するために、安定化剤を製剤中に含む。好ましい実施態様において、その安定化剤は亜鉛である。これは、酢酸亜鉛、酸化亜鉛、クエン酸亜鉛、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、または塩化亜鉛の形態であり得る。好ましい実施態様において、インスリン溶液中で、0.1から10mg/mLの濃度範囲で、好ましくは2.5mg/mLで塩化亜鉛が提供される。

2.沈殿剤
沈殿の形成を促進することによって、および/またはその可溶性を減少させることによって沈殿を安定化することによって、インスリン沈殿の形成を増強するために、沈殿剤を加える。これらは、緩衝化剤、荷電アミノ酸、沈殿シーディング剤、および沈殿安定化剤であり得る。
pHがpH4から生理学的pH(7〜7.5、典型的には7.2〜7.4)に増加する時、インスリンはその等電点(pI)を通過する。そのおよそのpIにおけるインスリンの滞留時間が増加することによって、その量または形態は増加し得る、または沈殿の形態は変化し得る。これは、インスリンのpIの範囲における十分な緩衝能力に関して特に選択された、緩衝剤をインスリン製剤に加えることによって達成し得る。緩衝剤は、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、炭酸塩、およびバルビタールを含む。
好ましい実施態様において、酢酸ナトリウムを、0.2から20mg/mLの範囲、好ましくは1から10mg/mLの範囲、最も好ましくは5mg/mLの濃度で使用する。
荷電分子の添加は、インスリン分子の自己会合を増強し得る。荷電分子の例は、アルギニン、ヒスチジン、リシンおよびグルコン酸を含む。ヒスチジンの代表的な濃度は、0.005から10mg/mL、そして好ましくは0.5から2mg/mlの範囲である。
沈殿「シーディング」剤は、インスリンのpI、またはその付近で沈殿する固体ナノ粒子または分子であり得、それはそれによってインスリンが凝縮する核形成部位として作用し得る。ナノ粒子の例は、Au11(24から2400ng/mlの範囲、好ましくは240ng/mlの濃度で製剤中に存在する)、およびC60(75から7500ng/mlの範囲、好ましくは750ng/mLの濃度で製剤中に存在する)である。インスリンのpI付近で沈殿する分子の例は、5.0のpIを有するシステインである。製剤中のシステインの適当な濃度は、1.2から120nMの範囲、そして好ましくは12nMである。
沈殿安定化剤を加えて、生理学的pHにおけるインスリンの可溶性を低下させることによって、新規に形成された沈殿を安定化する。沈殿安定化剤は、塩化亜鉛、塩化カルシウム、および無毒性レベルで使用される他の二価のイオンを含む(0.1〜10mg/mlの範囲、好ましくは2.5mg)。
これらの沈殿剤を、注射後のインスリン沈殿および可溶化の薬物動態を改変するために、個々にまたは組み合わせて使用し得る。典型的には、これらの沈殿剤を、全てのインスリンが投与後8から24時間以内に可溶化するように加える。その製剤を、安定な微小沈殿を生じるために、注射後の沈殿に最もよい条件を作るようデザインする。薬剤の選択は、処方の意図する期間(例えば、典型的にはその製剤はインスリンを注射後8から24時間、好ましくは注射後12から24時間放出することが意図される)に依存し得る。

B.酸化および還元剤
その製剤は、グルコースを酸化する酸化剤または酵素を含む。その製剤はまた、過酸化水素を還元する還元剤または酵素を含む。これらの酸化および還元剤または酵素は、グルコースの存在下でその製剤の微小環境のpHを変化させる。
好ましくは、その酸化酵素はグルコースオキシダーゼである。グルコースオキシダーゼ(GOD)は、グルコース分子をグルコン酸へ変換する。組織中のグルコースの濃度が上昇すると、GODがグルコースをグルコン酸および過酸化水素へ酸化する。この酸化過程の間に、水素イオンが産生され、製剤の微小環境におけるより低いpHを生じる。より低い微小環境pHはインスリン沈殿の可溶性を増加させ、インスリンの全身性循環への吸収を増強する。
好ましくは、その還元酵素はペルオキシダーゼ(POD)(カタラーゼとしても知られる)である。PODは、グルコース酸化反応から産生された過酸化水素を水と酸素へ分解し、グルコース酸化反応のための酸素供給を提供するおよび/または維持する。それはまた望ましくない過酸化水素を局所組織から除去する。
その製剤は、典型的には製剤1mlあたり0.5から500mgのGODを含み、そして好ましくは製剤1mlあたり24mgのGODを含む。その製剤はまた、典型的には製剤1mlあたり1から500μLのPODを含み、そして好ましくは製剤1mlあたり30μLのPODを含む。

C.粘稠化剤またはゲル
任意で、その製剤は粘稠化剤またはハイドロゲルを含む。その粘稠化剤またはハイドロゲルは、投与後、注射部位においてその製剤を局在化するために作用し得る。その粘稠化剤またはハイドロゲルは、粘稠化剤またはハイドロゲルの非存在下で、同じ製剤からのインスリンの拡散速度と比較して、製剤からのインスリンの拡散速度を抑制するために有効な量で存在し得る。その粘稠化剤またはゲルは、生物学的に適合性でなければならない。好ましい実施態様において、その粘稠化剤は、Kashyapら、Biomaterials、28:2051−2060−2161(2007)およびCheniteら、Biomaterials、21:2155−2161(2000)において記載されたような、キトサン−グリセロールリン酸ハイドロゲルではないという条件付きで、そのハイドロゲルまたは粘稠化剤は、合成ポリマーまたは生体高分子である。

D.希釈剤
典型的には、インスリンを希釈剤に溶解または分散させて、液体形態でインスリンを提供する。適当な希釈剤は、水、緩衝化水性溶液、注射用の植物油または不活性油、一価アルコールのような有機親水性希釈剤、および低分子量グリコールおよびポリオール(例えばプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、およびブチレングリコール)を含むがこれに限らない。
典型的には、その希釈剤はまた、インスリン製剤の担体として作用する。
その希釈剤は、典型的には1つまたはそれ以上の賦形剤を含む。注射用製剤のための典型的な希釈剤における賦形剤の例は、等張塩、保存剤、および任意で緩衝剤を含む。
好ましい実施態様において、その希釈剤は生理食塩水を含む。さらに好ましい実施態様において、その希釈剤はまた、1つまたはそれ以上の可溶化剤を含み、そして任意で粘稠化剤を含む。

E.賦形剤および担体
いくつかの実施態様において、希釈剤に加えて、インスリンを1つまたはそれ以上の薬学的に許容可能な担体と組み合わせて、投与のための製剤を形成し得る。これらの実施態様において、その希釈剤は、担体とは異なる組成物を有する。他の実施態様において、その希釈剤は、担体と同じ組成物を有する。さらに他の実施態様において、その希釈剤はまた、製剤の担体として作用する。
当業者によって認識されるように、その担体は、注射による投与のために適当でなければならず、そしてさらに製剤の投与の標的組織(issue)の位置、および徐放、速放、基礎放出プロファイルまたは非基礎放出プロファイルのような、薬剤の送達の時間経過に基づいて選択される。
本明細書中で使用される場合、「薬学的に許容可能な担体」という用語は、無毒性、半固体または液体賦形剤、または希釈剤を意味する。Remington’s Pharmaceutical Sciences、Gennaro編、Mack Publishing、Easton、Pa.1995は、医薬品組成物の製剤に使用される様々な担体およびその調製のための公知の技術を開示する。
適当な賦形剤は、界面活性剤、乳化剤、エマルション安定剤、抗酸化剤、皮膚軟化薬、湿潤剤、懸濁剤、粘稠化剤、密封剤、保存剤、安定化剤、pH調整剤、可溶化剤、溶媒、着色剤、透過増強剤、等張化剤、および他の賦形剤を含む。
i.乳化剤
適当な乳化剤は、直鎖または分岐鎖脂肪酸、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸プロピレングリコール、ステアリン酸グリセリン、ポリエチレングリコール、脂肪アルコール、ポリマー性エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックコポリマー、およびそれらの組み合わせを含むがこれに限らない。
ii.界面活性剤
界面活性剤は、液体の表面張力を低下させて、より容易な拡散を可能にし、そして2つの液体間の界面張力を低下させる湿潤剤である。
その製剤中に含み得る適当な界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、および両性界面活性剤を含むがこれに限らない。陰イオン性界面活性剤の例は、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、アルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリンモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココナッツアルキルトリエチレングリコールエーテル硫酸のナトリウムおよびアンモニウム塩、獣脂アルキルトリエチレングリコールエーテル硫酸塩、獣脂アルキルヘキサオキシエチレン硫酸塩、N−オクタデシルスルホサクシネートジナトリウム、ラウリルスルホサクシネートジナトリウム、ラウリルスルホサクシネートジアンモニウム、N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホサクシネートテトラナトリウム、スルホコハク酸ナトリウムのジアミルエステル、スルホコハク酸ナトリウムのジヘキシルエステル、スルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステル、ドクサートナトリウム、およびそれらの組み合わせを含むがこれに限らない。
非イオン性界面活性剤の例は、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタンエステル、オクタン酸セチル、コカミドDEA、コカミドMEA、コカミドプロピルジメチルアミン酸化物、ココナッツ脂肪酸ジエタノールアミド、ココナッツ脂肪酸モノエタノールアミド、ジイソステアリン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノラウリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、エトキシ化ヒマシ油、モノイソステアリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、トリカプリル酸/カプリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリコール、モノステアリン酸グリコール、ステアリン酸イソオクチル、ラウラミドDEA、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン/ミリスチン酸ジエタノールアミド、ラウリルジメチルアミン酸化物、ラウリル/ミリスチルアミドDEA、ラウリル/ミリスチルジメチルアミン酸化物、メチルグルセス、セスキステアリン酸メチルグルコース、オレアミドDEA、PEG−ジステアリン酸、ポリオキシエチレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンラウリルエステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエステル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルエステル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレン獣脂アミン、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリル酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキオレインサンソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ステアラミドDEA、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ラウレス−4、およびそれらの組み合わせを含むがこれに限らない。
両性界面活性剤の例は、N−ドデシル−βアラニンナトリウム、N−ラウリル−β−イミノジプロピオン酸ナトリウム、ミリストアンフォアセテート(myristoamphoacetate)、ラウリルベタイン、ラウリルスルホベタイン、3−ドデシル−アミノプロピオン酸ナトリウム、3−ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマ−カルボキシプロピルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)アルファ−カルボキシエチルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン、およびそれらの組み合わせを含むがこれに限らない。
陽イオン性界面活性剤の例は、ベヘニルトリメチル塩化アンモニウム(「ベヘントリモニウムクロリド」としても公知である)、ビス(アシルオキシエチル)ヒドロキシエチルメチルメトスルファートアンモニウム、臭化セトリモニウム、塩化セトリモニウム、セチルトリメチル塩化アンモニウム、コカミドプロピルアミン酸化物、ジステアリルジメチル塩化アンモニウム、ジタロージモニウム(ditallowdimonium)塩化物、グアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウム、ラウラルコニウムクロリド、ラウリルジメチルアミン酸化物、ラウリルジメチルベンジル塩化アンモニウム、ラウリルポリオキシエチレンジメチルアミン酸化物、ラウリルトリメチル塩化アンモニウム、ラウトリモニウム(lautrimonium)塩化物、メチル−1−オレイルアミドエチル−2−オレイルイミダゾリニウムメチル硫酸塩、ピコリンベンジル塩化アンモニウム、ポリクアテルニウム、ステアラルコニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジル塩化アンモニウム、ステアリルトリメチル塩化アンモニウム、トリメチルグリシン、およびそれらの組み合わせを含むがこれに限らない。
iii.懸濁剤
適当な懸濁剤は、アルギン酸、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースおよびそれらの塩、コロイド性オートミール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、コロイド性二酸化ケイ素、デキストリン、ゼラチン、グアーガム、キサンタンガム、カオリン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルチトール、トリグリセリド、メチルセルロース、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリビニルピロリドン、プロピレングリコールアルギン酸塩、アルギン酸ナトリウム、キトサン、コラーゲン、ソルビタン脂肪酸エステル、トラガカントゴム、およびそれらの組み合わせを含むがこれに限らない。
iv.抗酸化剤
適当な抗酸化剤は、ブチルヒドロキシトルエン、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、酢酸アスコルビル、リン酸アスコルビル、ビタミンA、葉酸、フラボンまたはフラボノイド、ヒスチジン、グリシン、チロシン、トリプトファン、カロテノイド、カロチン、アルファ−カロチン、ベータ−カロチン、尿酸、それらの薬剤学的に許容可能な塩、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせを含むがこれに限らない。
v.湿潤剤
適当な湿潤剤は、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、トリアセチン、およびその組み合わせを含むがこれに限らない。
vi.pH調整剤
本明細書中で記載された組成物はさらに、その組成物が、約3.5から約7.4のような、生理学的に許容可能な範囲の最終pHを有することを保証するために、十分な量の、少なくとも1つのpH調節剤を含み得る。適当なpH調整剤は、水酸化ナトリウム、クエン酸、塩酸、酢酸、リン酸、コハク酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、リンゴ酸、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、乳酸、グルコン酸、酒石酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、フマル酸、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエタノールアミン、酢酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせを含むがこれに限らない。
vii.保存剤
真菌および他の微生物の増殖を防止するために十分な量で、保存剤をその製剤に含み得る。適当な保存剤は、安息香酸、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム(cetypyridinium)、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、チメロサール、メタクレゾール、およびそれらの組み合わせを含むがこれに限らない。

F.投与形式
1つの実施態様において、その製剤は、注射用懸濁液である。好ましくは、その製剤の最初のpHは、製剤中の特定のインスリンの等電点より下である。1つの実施態様において、その製剤の最初のpHは、3.5から5.5の範囲であり、好ましくはその製剤の最初のpHは3.8から4.2の範囲である。
その製剤を、典型的には、皮下、筋肉内、または皮内のような、しかしこれに限らない、非経口で投与する。好ましい実施態様において、その製剤を、皮下に注射する。
特定のインスリン製剤の、グルコースレベルの関数としてインスリンを放出する能力を、インビトログルコースチャレンジ実験、150mg/dlまたはそれを超えるグルコースレベルを含む放出媒体による溶解実験、または糖尿病動物モデル(例えば、糖尿病ブタ、糖尿病マウス、糖尿病ラット、および糖尿病イヌのような、しかしこれに限らない)のような、しかしこれに限らない適当な実験によって評価し得る。
そのインスリン製剤を、好ましくは、投与の容易さおよび投与量の均一性のために、投与単位形式で処方する。本明細書中で使用される「投与単位形態」という表現は、治療する患者に適当な、物理的に別々の複合体の単位を指す。しかし、本発明の組成物の全1日使用量は、健全な医学的判断の範囲内で、付き添う医師によって決定される。あらゆる複合体に関して、治療上有効な投与量は、最初に細胞培養アッセイまたは動物モデル、通常マウス、ウサギ、イヌ、またはブタにおいて推定し得る。
滅菌注射用調製物は、当該分野で公知であるように処方し得る。その滅菌注射用調製物は、無毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中の、溶液、懸濁液、またはエマルションであり得る。採用し得る許容可能な媒体および溶媒は、水、リンゲル液、U.S.P.、および等張塩化ナトリウム溶液を含む。それに加えて、滅菌固定油を、溶媒または懸濁媒体として採用し得る。この目的のために、合成モノ−またはジグリセリド、ピーナッツ油、ゴマ油、またはあらゆる他の植物油を含む、あらゆるブランドの固定油を採用し得る。それに加えて、オレイン酸のような脂肪酸を、注射用製剤の調製において使用し得る。その注射用製剤は、例えば細菌保持フィルターを通したろ過によって、または使用の前に滅菌水または他の滅菌注射用媒体に溶解または分散し得る、滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌し得る。

III.製剤を作成する方法
1つの実施態様において、その製剤を、酸化剤および/または酵素ならびに還元剤および/または酵素、および最初に粉末形態である、pH調整剤、ポリマー、粘稠化剤、またはハイドロゲル形成物質、懸濁剤、界面活性剤、抗酸化剤、および保存剤、およびそれらの組み合わせのような、粉末形式のあらゆる賦形剤のような、その製剤の粉末成分を、インスリンを含む液体希釈剤と混合することによって形成する。
好ましい実施態様において、全ての成分を希釈剤に組み合わせ、そして最終的なpHを調整して懸濁液を作成することによって、そのインスリン製剤を作成する。その懸濁液を滅菌し、そして複数回の注射投与に適当なバイアルに満たす。
1つの実施態様において、LANTUS(登録商標)を含む製剤に関して、LANTUS(登録商標)のpHを、HClのような適当な酸によって、4.0に調整し、そして酸化剤および/または酵素ならびに還元剤および/または酵素を加えて、その製剤を形成する。その製剤のpHは、典型的には酸化剤および/または酵素ならびに還元剤および/または酵素の添加によって上昇し、そして次いで注射の前に4.0に調整する。
任意で、そのインスリンおよび粉末成分を、バイアルのような、キットの1つの区画に凍結乾燥形式で提供し、そして液体成分、すなわち希釈剤を、2番目のバイアルのような、2番目の区画で提供する。任意で、1つまたはそれ以上の賦形剤が、pHを調整するために、そして製剤を安定化および緩衝化するために適当に、1つまたは両方のバイアルに存在する。
医薬品組成物を、インスリンの薬学的に使用し得る調製物への加工を促進する賦形剤および補助剤を含む、1つまたはそれ以上の生理学的に許容可能な担体を用いて、あらゆる他の従来の方式でも処方し得る。薬剤の処方は、例えばHoover、John E.、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania(1975)、およびLiberman,H.A.およびLachman、L.編、Pharmaceutical Dosage Forms、Marcel Decker、New York、N.Y.(1980)において議論される。適当な処方は、選択した投与経路に依存する。

IV.その製剤を用いる方法
その製剤を、皮下、皮内、または筋肉内注射によって投与し得る。好ましくは、その製剤を皮下注射によって投与する。
好ましい実施態様において、注射の前に、その製剤は懸濁液の形態であり、インスリンはその製剤中に懸濁している。
注射の容易さのために、その製剤を好ましくは、液体として、好ましくは注射用懸濁液の形態で投与する。任意で、その製剤の粘性をインビボで増加させて、ゲルを形成し得る。1つの実施態様において、その製剤を、患者における注射後、基礎放出プロファイルで時間にともないインスリンを全身性循環へ放出するようデザインする。別の実施態様において、その製剤を、患者における注射後、非基礎放出プロファイルで時間にともないインスリンを全身性循環へ放出するようデザインする。代表的な非基礎放出プロファイルは、通常のヒトインスリン放出プロファイルおよび食事放出プロファイルを含む。1つの実施態様において、その製剤を、患者における注射後、通常のヒトインスリン放出プロファイルで時間にともないインスリンを全身性循環へ放出するようデザインする。別の実施態様において、その製剤を、患者における注射後、食事放出プロファイルで時間にともないインスリンを全身性循環へ放出するようデザインする。
患者の血中グルコースレベルが上昇すると、グルコースはGODのような酸化剤によって酸化され、注射部位における製剤の微小環境において、グルコン酸からの水素イオンの産生を引き起こす。水素イオン産生の増加は、微小環境のpHを低下させる。より低い微小環境pHは、インスリン沈殿の可溶性を増加させ、インスリンの全身性循環への吸収を増強する。全身性循環におけるインスリンの利用可能性は、血中グルコースレベルの減少を引き起こす。この後、グルコースをグルコン酸へ変換する反応は遅くなる。従ってより少ない水素イオンが産生され、そして微小環境のpHが上昇する。これは、高血中グルコースレベルの非存在下で、インスリンを溶解性の低い状態へ戻す。
好ましい実施態様において、そのインスリン製剤を、完全にインスリン依存性でない患者へ投与する。1つの実施態様において、その製剤は、彼/彼女の血中グルコースレベルを安全な範囲に維持するために、患者がさらなるインスリンを含む製剤を必要としないように、日中患者に十分な量のインスリンを提供する。その患者は、典型的には完全にインスリン依存性ではない。
別の実施態様において、その製剤を、日中患者に投与されるインスリンを含む製剤の1つとして、強化インスリン療法を受けている患者に投与する。好ましくは、その製剤は基礎放出プロファイルでインスリンを患者へ伝達する。
他に定義されなければ、本明細書中で使用される全ての技術的および科学的用語は、開示される発明が属する当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中で引用された出版物およびそれらを引用した材料は、明確に参考文献に組み込まれる。
当業者は、通常の実験のみを用いて、本明細書中で記載された、本発明の特定の実施態様に対する多くの同等物を認識する、または確認し得る。そのような同等物は、その請求によって含まれることが意図される。
実施例1:変動するグルコースに対するシステムのインビトロ反応
沈殿したインスリン製剤を、新しいトランスウェル装置の上部ウェルに置き、そして6穴プラスチックプレートに置いた。グルコースありまたは無しの生理食塩水を含む溶液を、トランスウェルプレートのレシーバー側に加えた。トランスウェルプレートのレシーバー区画からサンプルを取り、そして実験の間一定の容積を維持するため培地を置換した。インスリン濃度を、HPLCによって決定した。
材料
A.niger由来のグルコースオキシダーゼ、Sigma
A.niger由来のペルオキシダーゼ、Sigma
インスリングラルギン溶液100U/ml、Sanofi Aventis
グルコース、Fisher Scientific
ダルベッコリン酸緩衝化生理食塩水(DPBS)、Gibco
生理食塩水 0.9%w/v
トランスウェル細胞培養インサートおよび6穴プレート、Falcon
方法
スマート基礎インスリン製剤を、以下のように調製した。48mgのGODおよび60μlのPODを、インスリングラルギン溶液に加えた。その溶液は、酵素、GODおよびPODの添加時に濁った。この溶液のpHを測定し、そして次いで4に調整した。
HPLCアッセイ
グルコースの存在下および非存在下で放出されたインスリンの量を、71mlの水:20mlのアセトニトリル:9mlのテトラヒドロフランおよび0.1%のTFAの移動相組成を用いて、C−18カラムにおいて逆相クロマトグラフィーを用いて決定した。HPLC取得パラメーターは、流速1.0ml/分、サンプル温度5℃およびカラム温度40℃、210nmでの検出であった。
実験
2セット、セット1および2のグルコースサンプルを作成した。セット1は、製剤中に300mg/dlの有効なグルコースを有し、そしてセット2はグルコースを有していなかった。セット1において、インサート中の有効なグルコース濃度が300mg/dlグルコースであるように、200μlのグルコースDPBSを加えた。レシーバーウェルは、1.5mlの300mg/dlグルコース−生理食塩水を含んでいた。
セット2において、200μlのブランクDPBSを、細胞インサートの上に、そして1.5mLをレシーバーウェルに加えた。
1mlのスマート基礎製剤を、各セットに関して、いかなる細胞も含まない細胞培養インサートに置いた。
各レシーバーウェルから、500μlのアリコートを3hおよび6hにおいてサンプリングした。その容量を、アリコートを除去するたびに、それぞれのレシーバー溶液と置換した。異なるグルコース条件下で放出されたインスリンの量を、グルコース(セット1)およびグルコース無し(セット2)セットの間で比較した。放出されたインスリンの量に対するグルコース濃度の効果も、上記で記載したように研究した。各レシーバーウェルのpHも、市販のグルコースストリップ法(LifeScan Inc.によるOneTouch(登録商標))を用いて、3時間および6時間に測定した。
結果
図1および図2は、グルコースの存在下で、スマート基礎製剤によって放出されたインスリンの量は、グルコースの非存在下よりも多かったことを示す。これは、その環境においてその製剤がグルコースに対して反応性であることを確認する。
システムにGODを含むこと、および続くグルコン酸の産生が、グルコース無しのコントロールと比較した場合に、放出されたインスリンの放出パターンおよび/または量を変化させるようである。
グルコン酸は、インサートのpHをpH4から約3.5まで低下させ、そしてそれによって沈殿したインスリングラルギンを可溶化した。増加した可溶性は、放出培地中でより多い量のインスリンの回収を引き起こした(図1および2を参照のこと)。しかし、コントロールセットにおいて、製剤のpHはpH4で変わらないままであった。
スマート基礎製剤から放出されたインスリンの量は、その環境中のグルコース濃度に依存することも見られた。より高いグルコース濃度の存在下で、より低いグルコース濃度に接触したインスリンと比較して、より高いインスリン量が放出された。インスリンの放出はまた、利用可能なグルコース濃度から産生されたグルコン酸にも依存する(図3)。

実施例2:LANTUS(登録商標)をスマート基礎インスリン製剤と比較する、0.25U/kgのインスリン用量の糖尿病ブタへの投与
材料および方法
6匹の糖尿病ブタを一晩絶食させた。朝のグルコースレベルは高く、そしてインスリングラルギン単独(コントロール)の、実施例1で記載したスマート基礎製剤(テスト製剤)との比較のために開始点として用いた。それぞれの製剤で、3匹のブタを試験した。各ブタに皮下投与した用量は、0.25U/kgであった。製剤の投与後、ブタをモニターし、そして360分に餌を与えた。血漿グルコースレベルを、市販のグルコースストリップ法(LifeScan,Inc.によるOneTouch(登録商標))によって、15分ごとに決定した。
結果
3匹のブタの平均結果、各製剤のプラスまたはマイナス平均値の標準誤差を図4に示す。テストグループは、コントロールグループよりも、最初および2回目の食餌時の両方で、上昇したグルコースレベルにより迅速に反応したようであり、グルコースオキシダーゼ/ペルオキシダーゼがインスリングラルギンの放出を増強したことを示す。
図5および6は、テストおよびコントロールグループ間の、最初および食餌後の血漿グルコースレベル(PGL)の違いを強調する。皮下投与後、スマート基礎インスリン製剤は、テストグループのPGLを、LANTUS(登録商標)がコントロールグループのPGLを減少させるよりも速く減少させた。これは、グルコースセンサーとして作用するGODが寄与した、製剤のグルコース反応性に起因し得る。
テストグループにおけるPGLの迅速な減少の後、テストおよびコントロールグループのグルコースレベルは、約180分から400分の範囲の時間の間は重複し、スマートインスリン製剤のグルコースセンサーは、グルコースをグルコン酸へ変換するための高いグルコース濃度でのみ作用することを示す。従って、高い血漿グルコース値の非存在下で、テスト製剤から放出されたインスリンの量および速度は、基礎プロファイルを有し、それはコントロール製剤と同様であった(図4を参照のこと)。
360分に餌を与えた後、ブタのPGLは迅速に増加した(図6を参照のこと)。食物の摂取のために、スマートインスリンシステムは、食物に反応し、そして約400分から550分の規定された時間の間により高いグルコースレベルが見られたコントロールグループとは異なり、グルコース増加の速度を遅延させた。約12時間後、テストグループは、コントロールグループより高い平均PGLを有していた。この違いの1つの説明は、グルコース反応性の放出プロファイルのために、テスト製剤からのより速いインスリンの消費に起因し得る。従って、試験したスマート基礎インスリン製剤は、インスリンの生物学的利用能の程度は、組織グルコース濃度に直接依存することを示した。

実施例3:LANTUS(登録商標)をスマート基礎インスリン製剤と比較する、通常の摂食条件下における、0.45U/kgのインスリン用量の糖尿病ブタへの投与
材料および方法
試験日の前夜、糖尿病ブタに、食餌および維持インスリン用量を与えた。試験日に、動物にテストおよびコントロール用量を投与し、そして次いで0時および360分に食餌を与えた。コントロールグループにインスリングラルギン単独を与え、そしてテストグループに実施例1で記載したスマート基礎製剤を与えた。その用量は0.45U/Kgであった。動物に用量を投与し、そしてt=0分に食餌を与え、そして360分に再び食餌を与えた。血漿サンプルを採取し、そして血漿インスリンおよび血漿グルコースレベルに関して分析した。
結果
コントロール(N=7の平均)およびテストグループ(N=5の平均)の、平均血漿インスリンレベル(μU/ml)と平均値の標準誤差の比較を図7に示す。コントロール(N=7の平均)およびテストグループ(N=5の平均)の、平均血漿グルコースレベル(mg/dl)と平均値の標準誤差の比較を図8に示す。
図7および8に示すように、通常の食餌および用量条件下で、テストグループは、コントロールグループの反応と比較して、高いグルコース濃度に、より迅速に反応したようである。図7から見られるように、複数の食餌から生じる上昇したグルコース条件に反応して、コントロールから放出されたインスリンと比較して、より多くのインスリンが放出された。図8は、コントロールグループにおける反応と比較して、テストグループにおいてより速い薬力学的反応が存在したことを示す。従って、スマート基礎インスリン製剤は、コントロールグループより速い速度で、血漿グルコースレベルを低下させた。
これらの実施例は、スマート基礎インスリンシステムは、血中グルコース濃度に反応性であり、そして患者の血中グルコースレベルに基づいてインスリンを放出することを示す。

Claims (13)

  1. 注射可能な製剤であって、インスリン、注射に適した希釈剤、グルコースを酸化する酸化剤または酸化酵素、および、過酸化水素を還元する還元剤または還元酵素を含み、該製剤は溶液であり、そして、該製剤のpHが該インスリンの等電点より低い、製剤。
  2. 前記インスリンが、溶解性の低いインスリン、組換えヒトインスリンのインスリンアナログ、組換えヒトインスリン、および非ヒトインスリンからなる群より選択され、該インスリンアナログが、インスリンリスプロ、インスリングルリシン、インスリンアスパルト、インスリンデテミルおよびインスリングラルギンからなる群より選択される、請求項1に記載の製剤。
  3. 前記インスリンが、溶解性の低いインスリンである、請求項2に記載の製剤。
  4. 前記インスリンが、組換えヒトインスリンである、請求項2に記載の製剤。
  5. 前記インスリンが、組換えヒトインスリンのインスリンアナログであり、該インスリンアナログが、インスリンリスプロ、インスリングルリシン、インスリンアスパルト、インスリンデテミルおよびインスリングラルギンからなる群より選択される、請求項2に記載の製剤。
  6. 前記製剤が、3.5から5.5の範囲のpHを有する、請求項1に記載の製剤。
  7. 前記酸化酵素がグルコースオキシダーゼであり、そして前記還元酵素がペルオキシダーゼである、請求項1に記載の製剤。
  8. 前記インスリンがインスリングラルギンであり、前記製剤が、3.5から5.5の範囲のpHを有する、請求項に記載の製剤。
  9. 前記製剤が、3.8から4.2の範囲のpHを有する、請求項に記載の製剤。
  10. 前記製剤が、安定化剤、緩衝剤および沈殿剤をさらに含む、請求項またはに記載の製剤。
  11. 糖尿病の患者を治療するための組成物であって、請求項1、3、またはのいずれかに記載の基礎量の製剤を含み、該組成物が注射を介して投与されることで特徴付けられる、組成物。
  12. 請求項11に記載の組成物であって、前記製剤が注射後に有効量のインスリンを放出して、患者の血中グルコース変動を管理する、組成物。
  13. 患者の血中グルコースレベルを調節するための組成物であって、請求項1〜10のいずれか一項に記載の製剤を含み、該組成物が注射を介して投与されることで特徴付けられる、組成物。
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