JP2016505601A - 医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物。

Description

本発明は任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物を提供する。また、本発明はその医薬組成物の調製方法及び糖尿病疾患の治療におけるその使用を提供する。
グルコースはエネルギーを生じ、かつ寿命を支持するために体の全ての細胞により使用される単純な糖である。ヒトは生存するためにそれらの血液中の最小レベルのグルコースを常時必要とする。体が血液グルコースを生じる主たる様式は食物の消化による。ヒトが充分なグルコースを食物消化から得ていない場合、グルコースが組織中の貯蔵から生成され、肝臓により放出される。体のグルコースレベルは主としてインスリンにより調節される。インスリンは膵臓により自然に分泌されるペプチドホルモンである。インスリンはグルコースが体の細胞に入ってエネルギーの生体源を与えることを助ける。
糖尿病は異常に高いレベルの血液グルコース及び不適当なレベルのインスリンを特徴とする疾患である。糖尿病は真性糖尿病及び尿崩症のように過度の尿排泄を有するヒトの疾患についての一般的な用語である。真性糖尿病(DM)は多くの結果でもってヒトに見られる重大な慢性疾患である。長く放置している糖尿病から生じる幾つかの合併症は盲目、腎不全、及び肢切断である。インスリン依存性真性糖尿病(IDDM)は真性糖尿病の全ての症例の10〜15%に相当する。
インスリン注射は糖尿病を患っている患者に処方される。インスリンは天然ホルモンであり、これは血液中の糖グルコースのレベルを調節する。健康なヒトでは、血液グルコースの濃度が増大するにつれて、インスリンが膵臓により血液中に放出される。増大されたグルコースレベルは、食後に生じ、インスリン分泌の相当する増大により迅速に相殺される。インスリンは過剰の血液グルコースをグリコーゲンに変換し、それを肝臓中に貯蔵するのに重要な役割を果たす。
1920年代におけるインスリンの導入以来、絶え間ない進歩が真性糖尿病の治療を改善するためになされてきた。過度の血糖レベルを回避することを助けるために、糖尿病患者はしばしば多くの注射治療を実施し、それによりインスリンが夫々の食事とともに投与される。
インスリンは51のアミノ酸のポリペプチドであり、これらは2種のアミノ酸鎖:21のアミノ酸を有するA鎖及び30のアミノ酸を有するB鎖に分けられる。鎖は二つのジスルフィドブリッジにより互いに連結される。インスリン製剤は長年にわたって糖尿病治療に使用されてきた。
従来、短時間作用性のレギュラーインスリン製剤又はその中時間作用性インスリンプロタミン製剤が真性糖尿病の患者を治療するのに使用された。やがて、新しいインスリン類似体及び誘導体が開発された。インスリン類似体及び誘導体は一つ又は一つより多いアミノ酸位置及び/又はアミノ酸鎖長でヒトインスリンとは異なる。
幾つかのインスリン、インスリン類似体及び誘導体が市場で入手し得る。インスリン、インスリン類似体又はインスリン誘導体の普通に使用される型は迅速作用性インスリン類似体、短時間作用性インスリン、中時間作用性インスリン、長時間作用性インスリン及び混合インスリンである。
インスリングラルギン(Gly(A21)-Arg(B31)-Arg(B32)- ヒトインスリン)は作用の延長された期間を有する長時間作用性インスリンである。インスリングラルギンは酸性の、透明な溶液として注射され、安定な6量体が会合するにつれて皮下組織の生理pH範囲におけるその溶解性のために沈澱する。インスリングラルギンは毎日1回注射され、その平らな血清プロフィール及びそれと関連する夜間の低血糖の危険性の低減によりその他の長時間作用性インスリンと較べて区別される(Schubert-Zsilaveczら, 2:125-130(2001))。
作用の速い開始を有するインスリン類似体は欧州特許第0214826 号、同第0375437号及び同第0678522 号に記載されている。欧州特許第0124826 号は、とりわけ、B27 及びB28の置換に関する。欧州特許第0678522 号は位置B29 に、種々のアミノ酸、好ましくはプロリンを有するが、グルタミン酸を有しない、インスリン類似体を記載している。WO 92/00321 によれば、この型のインスリンが延長された作用を有する。
作用の期間に加えて、製剤の安定性が患者に非常に重要である。増大された物理的長期安定性を有する安定化インスリン製剤が特別な機械ストレス又は比較的高い温度に暴露される、製剤に特に必要とされる。
更に、しばしば単量体形態又は二量体形態で存在する、インスリン類似体は、6量体インスリンよりも安定ではなく、しかも熱ストレス及び機械ストレスの下で凝集し易い。これがそれ自体を曇り及び不溶性凝集物の沈澱の点で目につきやすくする(Bakaysaらの米国特許第5,474,978号)。これらの一層高い分子量の変換生成物(二量体、三量体、ポリマー)及び凝集物は投与されるインスリンの用量を減少するだけでなく、患者の刺激又は免疫反応を誘発し得る。更に、このような不溶性凝集物はカニューレ及びポンプの管材又はペンのニードルに影響し、それらを詰まらせることがある。
凝集問題に加えて、インスリン製剤はその後に最終製剤の低下された安定性をもたらすガラス又はプラスチック表面に吸着し易いことが報告されていた。インスリン分子の如きタンパク質とガラス表面の間の吸着反応に関係する力は主としてイオン性アミン−シラノール結合及び水素結合である。
更に、Chuen Shang C. Wuら著“ガラス表面へのタンパク質の吸着及び円形二色性スペクトルの強さについてのその効果”はまたアポリポタンパク質A-I 及びE、フィブロネクチン、ウシ血清アルブミン、インスリン、並びにグルカゴンと関連する吸着問題を説明していた。それはこれらの分子がガラス表面に殆ど吸着し、実験結果に重大なエラーをもたらし得ることを開示している。
しかしながら、インスリン製剤の品質を保証するために、凝集物の生成だけでなく、このような製剤と関連するガラス吸着問題を回避することが必要である。時間の充分に長い期間にわたって化学的に安定に留まるインスリンを含む製剤を提供しようとする多くの試みが今日までなされてきた。
こうして、国際特許出願WO98/56406に、TRIS又はアルギニン緩衝剤により安定化された製剤が記載されていた。米国特許第5,866,538 号は5-100 Mm の濃度のグリセロール及び塩化ナトリウムを含み、増大された安定性を有するべきであるインスリン製剤を記載している。米国特許第5,948,751 号は増大された物理的安定性を有するインスリン製剤を記載しており、これはマンニトール又は同様の糖の添加により得られる。亜鉛含有インスリン溶液への過剰の亜鉛の添加が同様にその安定性を増大し得る(J. Brangeら著, Diabetic Medicine, 3: 532-536, 1986)。インスリン製剤の安定性についてのpH及び種々の賦形剤の影響がまた詳しく記載されていた(J. Brange & L. Langkjaer, Acta Pharm. Nordica 4: 149-158)。
米国特許第7,476,652 号及び同第7,713,930 号に、多価アルコールのノニオン性の表面活性剤、特にエステル及びエーテル(ポリソルベート20及びポリソルベート80)が酸性インスリン製剤の安定性を増大する医薬製剤が開示されており、こうして温度ストレス下で数ヶ月にわたって疎水性凝集核に対して優れた安定性を保証する製剤が製造し得る。
米国特許第8,263,551 号はインスリン、インスリン類似体、インスリン誘導体又は以上の混合物、及びプロタミンの塩を含む医薬製剤を開示しており、この場合、プロタミン塩がインスリンを含む製剤の物理的かつ化学的安定性を増大するために使用された。
米国特許第8,097,584 号は増大された化学安定性を有する医薬ポリペプチド製剤が緩衝剤としてのエチレンジアミン又はその塩を前記製剤に添加することにより得られることを開示している。
米国特許第4,476,118 号は防腐剤、等張剤、及びpH緩衝剤を含む安定なインスリン溶液を開示しており、その溶液は実質的にイオン化された亜鉛を含む。
米国特許第6,174,856 号はインスリン組成物の安定性が緩衝剤、例えば、グリシルグリシン(Gly-Gly)と金属イオン、例えば、Ca2+の組み合わせを使用して組成物を製剤化することにより有意に改良し得ることを開示している。
米国特許第6,734,162 号はポリペプチドを遊離アミン基を含まず、かつ炭酸の生成から生じるpHの変化を軽減する緩衝分子と混合されたトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)を含む緩衝剤、亜鉛、及びフェノール性防腐剤と凝集を抑制するのに有効な時間及び条件下で合わせることを含むポリペプチドの凝集を抑制する方法を開示している。
米国特許第6,737,401 号は新規表面活性剤安定化インスリン製剤の予期しない性質を開示している。
米国特許第5,866,538 号はヒトインスリン、その類似体、その誘導体からなる群から選ばれたポリペプチド、グリセロール、マンニトール、又はグリセオール及びマンニトール並びに5〜100 mMのハロゲン化物を含む医薬製剤を開示している。優れた化学安定性のインスリン製剤が低いハロゲン化物濃度の存在下で得られることが前記特許に示されていた。
米国特許出願第20090175840 号はインスリン、注射に適した希釈剤、酸化剤又は酵素及び還元剤又は酵素を含む注射可能な製剤を開示しているが、但し、その製剤がキトサン−グリセロールホスフェートヒドロゲルを含まないことを条件としている。
米国特許出願第20090325860 号はインスリン分子、可溶化剤、表面活性剤、及び増粘剤の水性混合物を含む水性医薬製剤を開示しており、その医薬製剤は超迅速作用性インスリンプロフィールを非超迅速作用性インスリンに与える。
米国特許出願第20100069292 号は必要により安定剤、緩衝剤及び沈澱剤と組み合わせて、3.5 〜4.5 、好ましくは3.8 〜4.2 、又は7.5 〜8.5 のpHの組換えヒトインスリンの溶液を含む基礎インスリン製剤を開示しているが、プロタミンを含まない。
米国特許出願第20100260766 号はグリシンを安定剤として使用するインスリンのような成長因子-I受容体を結合する抗体の安定化のための方法及び製剤を開示している。
米国特許出願第20100203014 号は鼻内投与に適したタンパク質のグリシン緩衝医薬組成物を開示している。
米国特許出願第20100028372 号は増大されたタンパク質安定性がa.タンパク質が所望の温度で安定性を有するpHを測定し、b.少なくとも一種の置換緩衝剤を組成物に添加することにより得られることを開示しており、その置換緩衝剤はグリシンである。
PCT 公開WO97/48414 は優れた化学安定性のインスリン製剤がグリセロール及び/又はマンニトール及びかなり低いハロゲン化物濃度の存在下で得られることを開示している。
更に、Acta Pharmaceutica Nordica 4(4), 1992, 149-158 頁は塩化ナトリウム(ハロゲン化物)濃度が0〜250 mMの範囲で変化されたインスリン製剤を開示している。しかしながら、全ての製剤を含む、製剤の大部分がかなり多量、即ち、120 mMの濃度にほぼ相当する0.7%w/vの塩化ナトリウムを含む。
更に、ガラス表面への分子の低減された吸着を有する安定なインスリン製剤を提供しようとする幾つかの試みがなされていた。
Suelter Ch らは “ガラス及びプラスチックへの吸着によるタンパク質の損失を防止する方法”にグリセロールを50%の濃度で添加することによるガラス又はプラスチック表面への吸着によるタンパク質の損失を低減するための改良された操作を報告している。
Figure 2016505601
らは“ガラスへのインスリン吸着を防止することにおけるゼラチン及びアルブミンの相対性有効性の定量的評価”にアルブミンがインスリン含有溶液からのインスリン損失を防止するのにゼラチンよりも有効であることがわかったことを開示している。
安定なインスリン製剤を提供しようとする幾つかの試みが既に記載されていた。しかしながら、インスリンが時間の充分に長い期間にわたって化学変換を受けず、安定に留まる製剤を開発するようにとの要望が依然として存する。
従来技術のいずれもが凝集を軽減するだけでなく、ガラス吸着を減少することによりインスリン製剤の安定性を増大するためのハロゲン化物と組み合わせてのアミノ酸の使用を開示していない。
しかしながら、本発明の発明者らは一層良好な溶解性及び化学安定性を有するインスリン製剤が一種以上のアミノ酸をハロゲン化物と組み合わせて使用することにより得られることを驚くことに見い出した。
更に、本発明者らはハロゲン化物と組み合わせてのアミノ酸が表面張力を低下することによりインスリン分子の凝集を防止するだけでなく、それらをそれらの未変性状態に保つことによりインスリンの安定性を維持するために熱力学的バランス及び水力学敵バランスを維持することを助けることを見い出した。
本明細書に使用される“インスリン”という用語は哺乳類インスリン、インスリン類似体又は誘導体を含む。
本発明において使用される“インスリン類似体”とい用語は天然産インスリン、即ち、ヒトインスリン又は動物インスリンの類似体を含み、これらはその他のアミノ酸残基による少なくとも一つの天然産アミノ酸残基の置換及び/又は相当する、それ以外は同じ、天然産インスリンからの少なくとも一つのアミノ酸残基の付加/除去を異にする。付加及び/又は置換されるアミノ酸残基はまた天然に生じないものであってもよい。
本発明において使用される“インスリン誘導体”という用語は天然産インスリン又はインスリン類似体の誘導体を含み、これらは化学変性により得られる。化学変性は、例えば、一つ以上のアミノ酸への一つ以上の特別な化学基の付加、置換又は欠失からなり得る。それはまた、例えば、アミノ末端及び/又はカルボキシル末端における、ペプチド主鎖の一つ以上の化学基の付加、置換又は欠失を伴い得る。
本明細書に使用される“ヒトインスリンの類似体”は一つ以上のアミノ酸が欠失され、かつ/又はコードし得ないアミノ酸を含む、その他のアミノ酸により置換されたヒトインスリン、又は付加的なアミノ酸、即ち、51より多いアミノ酸を含むヒトインスリンを意味する。
本明細書に使用される“ヒトインスリンの誘導体”は少なくとも一つの有機置換基がアミノ酸の一つ以上に結合されているヒトインスリン又はその類似体を意味する。
本明細書に使用される“錯生成剤剤”は複数の電荷を有し、かつインスリン化合物コンジュゲートに結合し、又は錯生成する分子を意味する。本発明における使用に適した錯生成剤の例として、プロタミン、スルフェン、グロビンタンパク質、スペルミン、スペルミジンアルブミン、カルボン酸、ポリカチオン性ポリマー化合物、カチオン性ポリペプチド、アニオン性ポリペプチド、ヌクレオチド、及びアンチセンスが挙げられる。Brange J.著, Galenics of Insulin compound, Springer-Verlag, ベルリン・ハイデルベルグ(1987)を参照のこと。その開示が本明細書に参考として含まれる。
本明細書に使用される“多原子アルコール”はグリセロール、マンニトール、ソルビトール、及びポリオール、SPAN(登録商標)、TWEEN(登録商標)、MYRJ(登録商標)、BRIJ(登録商標)、CREMOPHOR(登録商標)からなる群から選ばれるグリセロール及びソルビトールの部分脂肪酸エステル及びエーテルからなる群から選ばれたアルコールを意味し、ポリオールはポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポロキサマー、PLURONICS (登録商標)、及びTETRONICS(登録商標)からなる群から選ばれる。
本明細書に使用される“錯生成剤剤を欠いている”は前記錯生成剤が最終組成物の0.01%w/v 未満の濃度で存在することを意味する。
本明細書に使用される“多原子アルコールを欠いている”は前記多原子アルコールが0.1mM 未満の濃度で存在することを意味する。
本明細書に使用される“防腐剤”は菌類及びその他の微生物の成長を阻止するのに使用し得る化合物を表す。
本明細書に使用される“等張剤”は生理学上寛容され、好適な張度を製剤に付与して製剤と接触している細胞膜を横切っての水の正味の流れを防止する化合物である。
本明細書に使用される“pH調節剤”は酸とアルカリの組み合わせを表し、pH調節剤はハロゲン化物以外である。
本発明の一局面は任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物を提供する。
本発明の別の局面は任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにヒトインスリン、その類似体又は誘導体、グリシン及び塩化ナトリウムを含む医薬組成物を提供する。
本発明の別の局面は任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにインスリングラルギン、グリシン及び塩化ナトリウムを含む医薬組成物を提供する。
本発明の別の局面は任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物を提供し、前記組成物は錯生成剤を欠いている。
本発明の別の局面は任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物を提供し、前記組成物は多原子アルコールを欠いている。
本発明の更に別の局面は治療効果を得るためのこのような組成物の使用方法を提供し、その方法は有効量の組成物をそれを要する対象に投与することを含む。
本発明の別の局面はGly(A21) 、Arg(B31)、Arg(B32)- ヒトインスリン、グリシン及びハロゲン化物並びに任意の一種以上のその他の医薬上許される賦形剤を含む医薬組成物を提供することである。Gly(A21) 、Arg(B31)、Arg(B32)- ヒトインスリンは一般にインスリングラルギンとして知られている。
本発明のその他の局面は任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物を提供することであり、前記医薬上許される賦形剤は防腐剤、等張剤、pH調節剤又は希釈剤を含む。
本発明の別の局面は
a.インスリンを注射用の酸性の水に溶解することによりインスリンの溶液を調製し、
b.その他の医薬上許される賦形剤とともにアミノ酸及びハロゲン化物の溶液を調製し、
c.工程(a) 及び(b) の溶液を混合することを含む、このような組成物の調製方法を提供することである。
最終容積は注射用の水(WFI) の助けにより補給される。pHはpH調節剤で調節される。
本発明の別の局面は
a.インスリンを注射用の酸性の水に溶解することによりインスリンの溶液を調製し、
b.その他の医薬上許される賦形剤とともにアミノ酸及びハロゲン化物の溶液を調製し、
c.工程(b) の溶液を工程(c) の溶液と混合し、
d.pH調節剤を含む溶液を調製し、
e.工程(c) の溶液を工程(d) の溶液に添加することを含む、このような組成物の調製方法を提供することである。
最終容積は注射用の水(WFI) の助けにより補給される。pHはpH調節剤で調節される。
本発明の別の局面は対象に本発明の医薬組成物を投与することによる糖尿病を患っている患者のグルコースのレベルの制御方法を提供することである。
本発明の別の局面はヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物を提供することであり、前記製剤は糖尿病を患っている患者のグルコースのレベルを制御する。
本発明の更に別の局面は任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物を製剤化することによるタンパク質凝集の低減方法を提供することである。
本発明の更に別の局面は任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物を製剤化することによるタンパク質凝集の低減方法を提供することである。
本発明の発明者らは一層良好な溶解性及び化学安定性を有するインスリン製剤が一種以上のアミノ酸をハロゲン化物と組み合わせて使用することにより得られることを驚くことに見い出した。
更に、本発明者らはハロゲン化物と組み合わせてのアミノ酸が表面張力を低下することによりインスリン分子の凝集を防止するだけでなく、それらをそれらの未変性状態に保つことによりインスリンの安定性を維持するために熱力学的バランス及び水力学的バランスを維持することを助けることを見い出した。
本発明は任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物を提供する。
本発明に使用されるインスリン類似体として、位置B28 がAsp 、Lys 、Leu 、Val 又はAla である類似体;位置B29 がLys 又はPro である類似体;又はdes(B28-B30)、des(B27)もしくはdes(B30)ヒトインスリン又はA21 がGly であり、Arg がB31 及びB32に付加された類似体;又はB28-B30 中のアミノ酸残基が欠失された類似体;又はB27 におけるアミノ酸残基が欠失された類似体;又はB30 におけるアミノ酸残基が欠失された類似体が挙げられるが、これらに限定されない。市販のインスリン類似体として、インスリンアスパルト(AspB28ヒトインスリン)、インスリンリスプロ(LysB28ProB29ヒトインスリン)、インスリングルリシン、インスリングラルギン(GlyA21ArgB31ArgB32- ヒトインスリン又はGly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)- ヒトインスリン)等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明に使用されるインスリン誘導体として、B29-Nε-ミリストイル-des(B30)ヒトインスリン、B29-Nε-パルミトイル-des(B30)ヒトインスリン、B29-Nε-ミリストイルヒトインスリン、B29-Nε-パルミトイルヒトインスリン、B28-Nε-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン、B28-Nε-パルミトイルLysB28ProB29ヒトインスリン、B30-Nε-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン、B30-Nε-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン、B29-Nε-(N-パルミトイル-γ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン、B29-Nε-(N-リトコリル-γ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン、B29-Nε-カルボキシヘプタデカノイル)-des(B30)ヒトインスリン及びB29-Nε-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリン、29B-[N6-(オキソ-テトラデシル)-1-リシン]-(1A-21A),(1B-29B)-インスリン(ヒト)(インスリンデテミル)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の一局面において、任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物が提供され、そのヒトインスリン、その類似体又は誘導体は組換えヒトインスリン、インスリンNPH 、インスリンリスプロ、インスリンリスプロプロタミン、インスリングルリシン及びインスリンアスパルト、インスリンアスパルトプロタミン、インスリングラルギン、並びにインスリンデテモルの一種以上から選ばれる。
本発明の一局面において、任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにヒトインスリン、その類似体又は誘導体、グリシン及び塩化ナトリウムを含む医薬組成物が提供される。
本発明の一局面において、任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにインスリングラルギン、グリシン及び塩化ナトリウムを含む医薬組成物が提供される。
本発明の医薬組成物中のアミノ酸は約12mMから約60mMまでの濃度で存在する。
本発明の医薬組成物のpHは約3.5 〜約7.0 である。
本発明の医薬組成物のpHは約3.5 〜約4.5 である。
本発明の一局面において、任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにヒトインスリン、その類似体又は誘導体、グリシン及び塩化ナトリウムを含む医薬組成物が提供され、そのヒトインスリン、その類似体又は誘導体は組換えヒトインスリン、インスリンNPH 、インスリンリスプロ、インスリンリスプロプロタミン、インスリングルリシン及びインスリンアスパルト、インスリンアスパルトプロタミン、インスリングラルギン、並びにインスリンデテモルの一種以上から選ばれる。
本発明の一局面において、任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにインスリングラルギン、グリシン及び塩化ナトリウムを含む医薬組成物が提供され、そのヒトインスリン、その類似体又は誘導体は組換えヒトインスリン、インスリンNPH 、インスリンリスプロ、インスリンリスプロプロタミン、インスリングルリシン及びインスリンアスパルト、インスリンアスパルトプロタミン、インスリングラルギン、並びにインスリンデテモルの一種以上から選ばれる。
本発明の一局面において、一種以上の任意の医薬上許される賦形剤とともにヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物が提供され、前記組成物は錯生成剤を欠いている。
本発明の一局面において、任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物が提供され、前記組成物は多原子アルコールを欠いている。
本発明の一局面において、任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物が提供され、その組成物のpHは約3.5 から約4.5 までであり、そのヒトインスリン、その類似体又は誘導体は組換えヒトインスリン、インスリンNPH 、インスリンリスプロ、インスリンリスプロプロタミン、インスリングルリシン及びインスリンアスパルト、インスリンアスパルトプロタミン、インスリングラルギン、並びにインスリンデテモルの一種以上から選ばれる。
本発明の一局面において、任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにヒトインスリン、その類似体又は誘導体、グリシン及び塩化ナトリウムを含む医薬組成物が提供され、その組成物のpHは約3.5 から約4.5 までであり、そのヒトインスリン、その類似体又は誘導体は組換えヒトインスリン、インスリンNPH 、インスリンリスプロ、インスリンリスプロプロタミン、インスリングルリシン及びインスリンアスパルト、インスリンアスパルトプロタミン、インスリングラルギン、並びにインスリンデテモルの一種以上から選ばれる。
本発明の一局面において、任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物が提供され、その組成物のpHは約3.5 から約4.5 までである。
本発明の一局面において、任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにインスリングラルギン、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物が提供され、その組成物のpHは約3.5 から約4.5 までである。
本発明に使用されるアミノ酸として、グリシン、アルギニン、ヒスチジン、リシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、グルタミン、アスパラギン、アラニン、イソロイシン、ロイシン又はこれらの塩が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明に使用されるアミノ酸として、グリシン、アルギニン、ヒスチジン又はこれらの塩が挙げられる。更に詳しくは、使用されるアミノ酸がグリシンである。
本発明に使用されるハロゲン化物として、アルカリ金属ハロゲン化物又はアルカリ土類金属ハロゲン化物、更に好ましくは塩化ナトリウムの如き塩化物が挙げられる。
本発明に使用されるハロゲン化物と組み合わせてのアミノ酸は表面張力を低下することによりインスリン分子の凝集を防止するだけでなく、インスリンをそれらの未変性状態に保つことによりそれらの安定性を維持するために熱力学的かつ水力学的バランスを維持することを助ける。
医薬上許される賦形剤として、防腐剤、等張剤、pH調節剤又は希釈剤が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に使用される“防腐剤”として、安息香酸、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンズエトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、メタクレゾール又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
“等張剤”はグリセリンの如き化合物であり、既知の濃度でこのような目的のために普通使用される。その他の可能な等張剤として、塩、例えば、塩化ナトリウム、デキストロース、又はラクトースが挙げられる。
本明細書に使用される“pH調節剤”はo-リン酸、クエン酸、酢酸、コハク酸、乳酸、グルコン酸、酒石酸、1,2,3,4- ブタンテトラカルボン酸、フマル酸又はリンゴ酸を含む群から選ばれる。アルカリは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム又はトリエタノールアミンを含む群から選ばれる。
典型的には、インスリンは希釈剤に溶解又は分散されて液体形態のインスリンを与える。好適な希釈剤として、水、緩衝水溶液、希薄な酸、注射用の植物油又は不活性油、有機親水性希釈剤、例えば、1価のアルコール、及び低分子量グリコール並びにポリオール(例えば、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、及びブチレングリコール)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明において、インスリン組成物の調製方法が提供され、前記方法は
a.インスリンを注射用の酸性の水に溶解することによりインスリンの溶液を調製し、
b.その他の医薬上許される賦形剤とともにアミノ酸及びハロゲン化物の溶液を調製し、
c.工程(a) 及び(b) の溶液を混合することを含む。
最終容積は注射用の水(WFI) の助けにより補給される。pHがpH調節剤で調節される。
本発明の別の局面において、下記の工程:
a.インスリンを注射用の酸性の水に溶解することによりインスリン溶液を調製する工程、
b. その他の医薬上許される賦形剤とともにアミノ酸及びハロゲン化物の溶液を調製する工程、
c. 工程(b) の溶液を工程(c) の溶液と混合する工程、
d.pH調節剤を含む溶液を調製する工程、
e.工程(c) の溶液を工程(d) の溶液に添加する工程
を伴なうインスリン組成物の調製方法が提供される。
最終容積は注射用の水(WFI) の助けにより補給される。pHがpH調節剤で調節される。
本発明の別の局面において、本発明の医薬組成物をそれを要する患者に投与することを含む糖尿病の治療方法が提供される。
本発明の別の局面において、糖尿病を患っている患者に本発明の医薬組成物を投与することを含む患者のグルコースのレベルの制御方法が提供される。
本発明の別の局面において、ヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物が提供され、前記組成物は糖尿病を患っている患者のグルコースのレベルを制御する。
本発明の別の局面において、任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともにヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物を製剤化することによるタンパク質凝集の低減方法が提供される。
以下に示される実施例は本発明の実施態様を説明するのに利用できる。しかしながら、それは本発明の範囲を限定することを意図していない。
実施例1
表1:医薬組成物
Figure 2016505601
操作:実施例1に記載された医薬組成物を以下に詳述される操作に従って調製した。
工程1:API 溶液の調製
インスリングラルギンの亜鉛含有結晶を数μLの1M HClの助けにより注射用の水に溶解することにより正確に計量されたインスリングラルギンを調製した。適当な容積の塩化亜鉛溶液(1%w/v) を添加して30μg/100 IUの最終濃度を得ることにより内在性亜鉛レベルを補給した。
工程2:緩衝液の調製
メタクレゾール、塩化ナトリウム及びグリシンを溶解して最終濃度を25mMメタクレゾール、75mM塩化ナトリウム及び50mMグリシンとして得ることにより緩衝液を調製した。
工程3:最終溶液の調製
API 溶液及び緩衝液の両方を混合及び1M HCl又は1M NaOH による4.0 ±0.2 へのpH調節後に最終濃度に希釈した。
実施例2
表2:医薬組成物
Figure 2016505601
操作:実施例2に記載された医薬組成物を以下に詳述される操作に従って調製した。
工程1:API 溶液の調製
インスリングラルギンの亜鉛含有結晶を数μLの1M HClの助けにより注射用の水に溶解することにより正確に計量されたインスリングラルギン溶液を調製した。適当な容積の塩化亜鉛溶液(1%w/v) を添加して30μg/100 IUの最終濃度を得ることにより内在性亜鉛レベルを補給した。
工程2:緩衝液の調製
メタクレゾール、塩化ナトリウム及びグリシンを溶解して最終濃度を25mMメタクレゾール、50mM塩化ナトリウム及び100mM グリシンとして得ることにより緩衝液を調製した。
工程3:最終溶液の調製
API 溶液及び緩衝液の両方を混合及び1M HCl又は1M NaOH による4.0 ±0.2 へのpH調節後に最終濃度に希釈した。
滅菌濾過後に、これらの製剤をバイアルに導入し、安定性試験にかけた。
実施例3:安定性試験
本発明の実施例2の医薬組成物を5℃±3℃における実時間安定性条件及び55℃±2℃における強制分解研究にかけた。
A.実時間安定性研究:
サンプルを初期に、また5℃±3℃で貯蔵された3ヵ月後に取り出し、HPLC分析にかけた。結果を表3に再現する。
表3:実時間安定性研究
Figure 2016505601
B.55℃±2℃における強制分解研究
サンプルを初期に、また55℃±2℃でインキュベートされた2日後に取り出し、HPLC分析にかけた。
表3:強制分解安定性研究
Figure 2016505601
安定性研究の結果から明らかなように、その他の賦形剤とともにインスリングラルギン、グリシン及びハロゲン化物を含む実施例2の組成物は安定であることがわかった。

Claims (11)

  1. 任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともに、ヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含むことを特徴とする医薬組成物。
  2. ヒトインスリン、その類似体又は誘導体が、組換えヒトインスリン、インスリンNPH 、インスリンリスプロ、インスリンリスプロプロタミン、インスリングルリシン及びインスリンアスパルト、インスリンアスパルトプロタミン、インスリングラルギン、並びにインスリンデテモルの一種以上から選ばれる、請求項1記載の医薬組成物。
  3. ヒトインスリン、その類似体又は誘導体が、インスリングラルギンである、請求項2記載の医薬組成物。
  4. アミノ酸が、グリシン、アルギニン、ヒスチジン、リシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、グルタミン、アスパラギン、アラニン、イソロイシン、ロイシン又はこれらの塩を含む群から選ばれる、請求項1記載の医薬組成物。
  5. アミノ酸が、グリシンである、請求項4記載の医薬組成物。
  6. グリシンの量が、約12mMから約60mMまでである、請求項5記載の医薬組成物。
  7. ハロゲン化物が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物である、請求項1記載の医薬組成物。
  8. ハロゲン化物が塩化ナトリウムである、請求項1記載の医薬組成物。
  9. 任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともに、インスリングラルギン、グリシン及び塩化ナトリウムを含むことを特徴とする医薬組成物。
  10. 任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともに、ヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物であって、前記組成物が錯生成剤を欠いていることを特徴とする前記医薬組成物。
  11. 任意の一種以上の医薬上許される賦形剤とともに、ヒトインスリン、その類似体又は誘導体、少なくとも一種以上のアミノ酸及びハロゲン化物を含む医薬組成物であって、前記組成物が多原子アルコールを欠いていることを特徴とする前記医薬組成物。
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