JP5350971B2 - 加湿用モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、複数の中空糸膜が筒状ケーシング内に収容される加湿用モジュールに関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体(MEA)を、一対のセパレータによって挟持した単位セルを備えている。この種の燃料電池は、通常、所定の数の単位セルを積層することにより、例えば、車載用燃料電池スタックとして使用されている。
この種の燃料電池では、良好なイオン伝導性を確保するために、電解質膜を所望の湿潤状態に維持する必要がある。このため、酸化剤ガスや燃料ガスは、一般的に、燃料電池に供給される前に加湿装置を介して加湿されている。
例えば、特許文献1に開示されている固体高分子電解質型燃料電池では、水蒸気透過膜と、この水蒸気透過膜により画成された加湿ガス室及び被加湿ガス室とを備え、反応ガス通路から排出されるオフガスを加湿ガス、前記反応ガス通路に供給される反応ガスを被加湿ガスとして反応ガスを加湿する反応ガス加湿装置が設けられている。
しかしながら、この特許文献1では、略平面状の水蒸気透過膜を介装し、その両面側から加湿ガスと被加湿ガスとを接触させて水分移動を行っている。このため、水分の接触領域が小さく、加湿効率が低下するという問題がある。
そこで、例えば、特許文献2に開示されている供給ガス加湿装置が知られている。この供給ガス加湿装置では、図10に示すように、ジャケット1内に中空糸膜の集合体からなる中空糸膜束2を収容するとともに、前記中空糸膜束2の両端は、一対の仕切り板3、4により前記ジャケット1内に固定されている。
仕切り板3、4の外側には、ガスチャンバ5a、5bが形成されるとともに、前記ガスチャンバ5a、5bには、燃料ガス供給ラインが接続されている。ガスチャンバ5a、5bは、中空糸膜束2の内部空間2aに連通している。ジャケット1の内部空間は、水チャンバ6を構成するとともに、前記水チャンバ6は、水入口7a及び水出口7bに連通している。
そこで、燃料ガスは、一方の仕切り板3から各中空糸膜の内部空間2aに導入され、他方の仕切り板4側に向かって流通する一方、水入口7aから水チャンバ6に冷却水が導入されている。ジャケット1内では、燃料ガスと冷却水とが対向する方向に流動し、各中空糸膜を介して前記燃料ガスが前記冷却水に接触して加湿されている。
特開平6−132038号公報 特開平8−273687号公報
ところで、上記の特許文献2では、中空糸膜束2を構成する各中空糸膜は、両端が仕切り板3、4に固定される際、加湿時の膨潤を考慮して、予め前記中空糸膜間に空隙を設けて配設されている。このため、各中空糸膜は、変形可能であり、水入口7aから導入される冷却水の水圧により、前記水入口7a側で大きく変形し易い。従って、冷却水は、各中空糸膜間に導入されずにバイパスしてしまい、燃料ガスの加湿効率が低下するという問題がある。
一方、水出口7b側では、冷却水により中空糸膜束2が前記水出口7b側に変形し易い。これにより、水出口7bが部分的に閉塞され、前記水出口7bの圧損が増加するという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、複数の中空糸膜全体を有効に使用することができ、加湿効率を良好に向上させることが可能な加湿用モジュールを提供することを目的とする。
本発明は、筒状ケーシングと、前記筒状ケーシング内に収納される複数の中空糸膜と、前記中空糸膜の内側に形成され、第1流体を流通させる第1流路と、前記中空糸膜の外側と前記筒状ケーシングの内壁との間に形成され、第2流体を流通させて前記第1流体と前記第2流体との間で水分の移動を行う第2流路と、前記筒状ケーシングに設けられ、前記第2流路の入口側に連通する入口部及び前記第2流路の出口側に連通する出口部とを備える加湿用モジュールに関するものである。
この加湿用モジュールは、筒状ケーシング内に中空糸膜の延長方向に沿って延在し、前記筒状ケーシング内の複数の前記中空糸膜を複数の中空糸膜層に仕切る複数の多孔体を備えている。そして、各中空糸膜層には、中空糸膜が均等に収納されるとともに、多孔体には、前記中空糸膜層の少なくとも一部の層厚さを調整する層厚さ調整部が設けられ、前記層厚さ調整部は、少なくとも前記多孔体の入口部近傍の層厚さを、他の部位の層厚さよりも小さく調整している。
また、層厚さ調整部は、少なくとも多孔体の出口部近傍の層厚さを、他の部位の層厚さよりも小さく調整することが好ましい。
さらにまた、多孔体は、環状多孔体を構成するとともに、層厚さ調整部は、前記環状多孔体の少なくとも一部に絞り部位を設けることが好ましい。
また、多孔体は、環状多孔体を構成するとともに、層厚さ調整部は、前記環状多孔体の少なくとも一部を絞る紐状体を有することが好ましい。
本発明によれば、筒状ケーシング内が多孔体により複数の中空糸膜層に仕切られており、前記中空糸膜層には、複数の中空糸膜が収納保持されている。従って、中空糸膜の変形が良好に抑制される。
しかも、多孔体には、中空糸膜層の少なくとも一部の層厚さを調整する層厚さ調整部が設けられている。このため、例えば、中空糸膜が変形し易い部位に対応して中空糸膜層の層厚さを小さく設定すれば、前記中空糸膜の充填率が他の部位の充填率よりも高く設定される。
これにより、反応ガスの流れを最適化することができるとともに、中空糸膜の変形を抑制することが可能になり、前記中空糸膜全体を有効に使用して加湿効率を良好に向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る加湿用モジュールを組み込む燃料電池システムの概略構成図である。 前記加湿用モジュールの概略斜視説明図である。 前記加湿用モジュールの断面側面図である。 前記加湿用モジュールの正面説明図である。 前記加湿用モジュールを構成する多孔体の斜視説明図である。 前記多孔体の展開状態の説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る加湿用モジュールを構成する多孔体の斜視説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る加湿用モジュールの概略斜視説明図である。 前記加湿用モジュールの断面側面図である。 特許文献2に開示されている供給ガス加湿装置の説明図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る加湿用モジュール10は、燃料電池システム12に組み込まれる。この燃料電池システム12は、図示しない燃料電池車両に搭載される。
燃料電池システム12は、燃料電池スタック14と、前記燃料電池スタック14に冷却媒体を供給するための冷却媒体供給機構16と、前記燃料電池スタック14に酸化剤ガス(反応ガス)を供給するための酸化剤ガス供給機構18と、前記燃料電池スタック14に燃料ガス(反応ガス)を供給するための燃料ガス供給機構20とを備える。
冷却媒体供給機構16は、ラジエータ24を備える。このラジエータ24には、冷媒用ポンプ26を介して冷却媒体供給配管28及び冷却媒体排出配管30が接続される。
酸化剤ガス供給機構18は、空気用ポンプ32を備える。この空気用ポンプ32に一端が接続される空気供給配管34は、加湿用モジュール10に他端が接続される。この加湿用モジュール10には、加湿空気供給配管38を介して燃料電池スタック14が接続される。
加湿用モジュール10には、使用済みの生成水を含んだ酸化剤ガス(以下、オフガスともいう)を燃料電池スタック14から加湿流体として供給するためのオフガス排出配管39が設けられる。加湿用モジュール10では、オフガス排出配管39を介して供給されたオフガスの排出側に、背圧弁(図示せず)が配設される。
燃料ガス供給機構20は、燃料ガスとして水素ガスが貯留される燃料ガスタンク(燃料タンク)40を備える。この燃料ガスタンク40には、燃料ガス供給配管42の一端が接続され、前記燃料ガス供給配管42には、遮断弁44、レギュレータ46及びエゼクタ48が接続されるとともに、前記エゼクタ48は、燃料電池スタック14に接続される。
燃料電池スタック14には、使用済みの燃料ガスを排出するための排出燃料ガス配管50が接続される。この排出燃料ガス配管50は、リターン配管52を介してエゼクタ48に接続されるとともに、一部がパージ弁54に連通する。なお、パージ弁54の下流には、図示しないが、希釈器が配設される。
燃料電池スタック14は、複数の発電セル56が車長方向である水平方向又は重力方向に積層される。各発電セル56は、図示しないが、電解質膜・電極構造体と、前記電解質膜・電極構造体を挟持する一対のセパレータとを備える。電解質膜・電極構造体は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜を挟持するアノード側電極及びカソード側電極とを備える。
燃料電池スタック14には、発電セル56の積層方向に延在して、酸化剤ガス、例えば、空気を供給するための酸化剤ガス供給連通孔58a、燃料ガス、例えば、水素ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔60a、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔62a、前記酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔58b、前記燃料ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔60b及び前記冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔62bが設けられる。
酸化剤ガス供給連通孔58a及び酸化剤ガス排出連通孔58bは、加湿空気供給配管38及びオフガス排出配管39に連通する。燃料ガス供給連通孔60a及び燃料ガス排出連通孔60bは、燃料ガス供給配管42及び排出燃料ガス配管50に連通する。冷却媒体供給連通孔62a及び冷却媒体排出連通孔62bは、冷却媒体供給配管28及び冷却媒体排出配管30を介してラジエータ24に連通する。
図2及び図3に示すように、加湿用モジュール10は、例えば、円筒形状を有する筒状ケーシング70を備え、前記筒状ケーシング70の中央部には、内部ケーシング72が配設される。内部ケーシング72は、加湿用モジュール10の軸方向(矢印A方向)の一端側(矢印A1方向)に所定の長さを有する円筒部72aを設ける一方、残余の部分に中実状の円柱部72bを設ける。
筒状ケーシング70の内面と内部ケーシング72の外面との間には、断面リング形状の空間が形成されるとともに、前記空間には、複数、例えば、第1多孔体74a、第2多孔体74b、及び第3多孔体74cが、前記内部ケーシング72の軸芯と同心円状に配設される。第1多孔体74a〜第3多孔体74cは、例えば、金属やプラスチックからなるメッシュ構造を有する。
内部ケーシング72の外周面と第1多孔体74aとの間には、第1中空糸膜層76aが形成され、前記第1多孔体74aと第2多孔体74bとの間には、第2中空糸膜層76bが形成され、前記第2多孔体74bと第3多孔体74cとの間には、第3中空糸膜層76cが形成される。
第1中空糸膜層76a、第2中空糸膜層76b及び第3中空糸膜層76cには、それぞれ複数の中空糸膜78が均等に収納される。均等とは、各層の中空糸膜78が同一容積内に同一本数ずつ収納された状態をいう。各中空糸膜78及び第1多孔体74a〜第3多孔体74cの両端は、筒状ケーシング70の軸線方向両端にシール部80、80を介して固定される。
中空糸膜78は、例えば、フェノールスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリトリフルオロスチレンスロホン酸、パーフルオロカーボンスルホン酸等の高分子イオン交換膜や、高分子樹脂系あるいはセラミック系の材料等で構成される。各中空糸膜78の内側には、入口側に空気供給配管34が連通する一方、出口側に加湿空気供給配管38が連通し、使用前の酸化剤ガス(第1流体)が流通する酸化剤ガス流路(第1流路)82が形成される。
筒状ケーシング70内では、中空糸膜78の外側にオフガス(第2流体)を流通させるためのオフガス流路(第2流路)84が形成される。内部ケーシング72を構成する円筒部72aには、所定数、例えば、二つの入口部86が設けられる一方、筒状ケーシング70の矢印A2方向の端縁部には、所定数、例えば、二つの出口部88が形成される。
入口部86は、オフガス排出配管39に連通し、このオフガス排出配管39から供給されるオフガスは、オフガス流路84に沿って矢印A2方向に流通する。空気供給配管34から各酸化剤ガス流路82に供給される酸化剤ガスは、この酸化剤ガス流路82に沿って矢印A1方向に流通する。
このように構成される加湿用モジュール10において、第1の実施形態では、第1中空糸膜層76aと第3中空糸膜層76cとに、少なくとも一部の層厚さを調整する層厚さ調整部が設けられる。
具体的には、図2〜図4に示すように、第1中空糸膜層76aを形成する第1多孔体74aは、前記第1中空糸膜層76aに収納される前記中空糸膜78の充填率を他の層の充填率よりも高める(密に配置する)ために、規定の直径よりも小径に形成することで、層厚さ調整部を構成している。すなわち、第1多孔体74aは、モジュール軸方向(矢印A方向)全長にわたって、直径寸法が規定寸法よりも小さく設定されることにより、全ての部位で層厚さが小さく調整され、第1中空糸膜層76aに収納されている複数の中空糸膜78同士は、充填率を高くして(密にして)配置される。
第3多孔体74cは、筒状ケーシング70の出口部88に対応して、層厚さを他の部位の層厚さよりも小さく調整するための絞り部位(層厚さ調整部)90を備える(図5参照)。この第3多孔体74cは、図6に示すように、出口部88に対応する位置に予め幅寸法H1が、他の部位の幅寸法Hよりも小さな絞り部位90を設けており、第3多孔体74cの長辺側の両端部74ce、74ceを折り返して接合することにより構成される。絞り部位90では、層厚さが他の部位の層厚さよりも小さく構成されるため、前記絞り部位90に配置されている中空糸膜78の部分が密に保持されて、充填率が高く設定される。
このように構成される燃料電池システム12の動作について、第1の実施形態に係る加湿用モジュール10との関連で、以下に説明する。
先ず、図1に示すように、酸化剤ガス供給機構18を構成する空気用ポンプ32が駆動され、酸化剤ガスである外部空気が吸引されて空気供給配管34に導入される。この空気は、空気供給配管34から加湿用モジュール10内に導入され、各中空糸膜78内の酸化剤ガス流路82を矢印A1方向に流通して加湿空気供給配管38に供給される(図2及び図3参照)。
その際、オフガス排出配管39から入口部86を介してオフガス流路84には、後述するように、反応に使用された酸化剤ガスであるオフガスが供給され、このオフガスが矢印A2方向に流通している。このため、使用前の空気とオフガスとが対向流となり、この使用前の空気には、前記オフガス中に含まれる水分が移動し、前記使用前の空気が加湿される。加湿された空気は、加湿空気供給配管38から燃料電池スタック14内の酸化剤ガス供給連通孔58aに供給される(図1参照)。
一方、燃料ガス供給機構20では、遮断弁44の開放作用下に、燃料ガスタンク40から導出された燃料ガス(水素ガス)は、レギュレータ46で降圧された後、エゼクタ48を通って燃料電池スタック14内の燃料ガス供給連通孔60aに導入される。
さらに、冷却媒体供給機構16では、冷媒用ポンプ26の作用下に、冷却媒体供給配管28から燃料電池スタック14内の冷却媒体供給連通孔62aに冷却媒体が導入される。
燃料電池スタック14内の各発電セル56に供給された空気は、電解質膜・電極構造体のカソード側電極に沿って移動する。一方、燃料ガスは、電解質膜・電極構造体のアノード側電極に沿って移動する。従って、各電解質膜・電極構造体では、空気中の酸素と燃料ガス(水素)とが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。次いで、発電反応により消費された空気は、酸化剤ガス排出連通孔58bに沿って流動した後、オフガスとしてオフガス排出配管39に排出される。
この場合、第1の実施形態では、図2〜図4に示すように、筒状ケーシング内は、第1多孔体74a、第2多孔体74b及び第3多孔体74cにより第1中空糸膜層76a、第2中空糸膜層76b及び第3中空糸膜層76cに仕切られている。従って、第1中空糸膜層76a、第2中空糸膜層76b及び第3中空糸膜層76cには、それぞれ複数の中空糸膜78が収容保持されており、前記中空糸膜78の変形が良好に抑制される。
しかも、第1多孔体74aでは、少なくとも内部ケーシング72の入口部86近傍を含み、矢印A方向全長にわたって第1中空糸膜層76aの層厚さが、規定層厚さよりも小さく設定されている。規定層厚さとは、第2及び第3中空糸膜層76b、76cに収容されている複数の中空糸膜78の充填率(収納密度)と、第1中空糸膜層76aに収納されている複数の中空糸膜78の充填率(収納密度)とが、同等に設定される層厚さをいう。このため、第1中空糸膜層76aでは、複数の中空糸膜78の充填率が他の層の充填率に比べて高く設定されている。
これにより、入口部86からオフガス流路84の入口側に導入されるオフガスの流速が速くても、前記入口部86の近傍で中空糸膜78が変形(移動)することを良好に阻止することができる。従って、オフガスは、オフガス流路84内でバイパスすることを防止することが可能になる。
さらに、第3多孔体74cでは、筒状ケーシング70の出口部88近傍に絞り部位90が設けられている(図3及び図5参照)。このため、絞り部位90における中空糸膜78の充填率は、他の部位における充填率よりも高く設定され、第3多孔体74cの前記絞り部位90に対応する外周面と、筒状ケーシング70の出口部88近傍の内周面との間には、隙間92が形成されている。
これにより、特にオフガス流路84を流通して出口部88から排出されるオフガスのガス圧により、中空糸膜78が筒状ケーシング70の内壁面に押し付けられて出口部88が部分的又は全体的に閉塞されて圧損が増加することを可及的に阻止することができる。
従って、第1の実施形態では、オフガス流路84におけるオフガスの流れを最適化することが可能になるとともに、中空糸膜78の変形を抑制して前記中空糸膜78全体を有効に使用し、加湿効率を良好に向上させることができるという効果が得られる。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る加湿用モジュールを構成する第3多孔体94の斜視説明図である。この第3多孔体94は、上記の第3多孔体74cと同様に構成されており、層厚さ調整部として、絞り部位90に代えて紐状体96を備える。紐状体96は、中空糸膜78の充填率を他の部位における充填率よりも高く設定したい部位に対応して、すなわち、出口部88近傍の部位に対応して第3多孔体94の外周を締め付ける。
このように構成される第2の実施形態では、層厚さ調整部として紐状体96を使用するだけでよく、円筒形状の第3多孔体94を採用することができる。従って、上記の第1の実施形態で同様の効果が得られる他、第3多孔体94の構成が有効に簡素化されるという利点がある。
図8は、本発明の第3の実施形態に係る加湿用モジュール100の概略斜視説明図であり、図9は、前記加湿用モジュール100の断面説明図である。なお、第1の実施形態に係る加湿用モジュール10と同一の構成要素には、同一の参照符号を付してその詳細な説明は省略する。
加湿用モジュール100は、角筒状を有する筒状ケーシング102を備え、前記筒状ケーシング102内には、第1多孔体104a、第2多孔体104b及び第3多孔体104cが、前記筒状ケーシング102の長手方向(矢印A方向)に延在して配設される。筒状ケーシング102内は、第1多孔体104a〜第3多孔体104cによって、第1中空糸膜層106a、第2中空糸膜層106b及び第3中空糸膜層106cに仕切られる。
図9に示すように、第1多孔体104aの位置を筒状ケーシング102に近接して設定することにより、第1中空糸膜層106aの層厚さT1が、第2中空糸膜層106bの層厚さT2よりも小さく設定される。第1中空糸膜層106aに収納される複数の中空糸膜78は、第2中空糸膜層106bに収納される複数の中空糸膜78よりも充填率が高く設定される。
第3多孔体104cは、筒状ケーシング102の出口部88近傍の層厚さを、他の部位の層厚さよりも小さく設定する。第3中空糸膜層106cは、出口部88近傍の充填率が他の部位の充填率よりも高く設定されるとともに、第3多孔体104cと筒状ケーシング102の内壁面との間には、隙間92が形成される。
このように構成される第3の実施形態では、筒状ケーシング102内が、第1多孔体104a〜第3多孔体104cを介して第1中空糸膜層106a〜第3中空糸膜層106cに仕切られるとともに、それぞれ複数の中空糸膜78が収納されている。さらに、第1中空糸膜層106aは、入口部86から導入されるオフガスによって変形することがないよう充填率が高く設定される一方、第3中空糸膜層106cは、出口部88近傍の充填率を高く設定し、前記出口部88近傍に隙間92が形成されている。
これにより、第3の実施形態では、上記の第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。なお、第3の実施形態では、角筒状の筒状ケーシング102内に、平板上の第1多孔体104a〜第3多孔体104cが配設されているが、これに限定されるものではなく、角筒状の複数の多孔体(図示せず)を収容して第1の実施形態と略同様に構成してもよい。
10、100…加湿用モジュール 12…燃料電池システム
14…燃料電池スタック 16…冷却媒体供給機構
18…酸化剤ガス供給機構 20…燃料ガス供給機構
24…ラジエータ 34…空気供給配管
38…加湿空気供給配管 39…オフガス排出配管
56…発電セル 70、102…筒状ケーシング
72…内部ケーシング
74a、74b、74c、94、104a、104b、104c…多孔体
76a、76b、76c、106a、106b、106c…中空糸膜層
78…中空糸膜 80…シール部 82…酸化剤ガス流路 84…オフガス流路 86…入口部 88…出口部 90…絞り部位 96…紐状体

Claims (4)

  1. 筒状ケーシングと、
    前記筒状ケーシング内に収納される複数の中空糸膜と、
    前記中空糸膜の内側に形成され、第1流体を流通させる第1流路と、
    前記中空糸膜の外側と前記筒状ケーシングの内壁との間に形成され、第2流体を流通させて前記第1流体と前記第2流体との間で水分の移動を行う第2流路と、
    前記筒状ケーシングに設けられ、前記第2流路の入口側に連通する入口部及び前記第2流路の出口側に連通する出口部と、
    を備える加湿用モジュールであって、
    前記筒状ケーシング内に前記中空糸膜の延長方向に沿って延在し、該筒状ケーシング内の複数の前記中空糸膜を複数の中空糸膜層に仕切る複数の多孔体を備え、
    各中空糸膜層には、前記中空糸膜が均等に収納されるとともに、
    前記多孔体には、前記中空糸膜層の少なくとも一部の層厚さを調整する層厚さ調整部が設けられ、前記層厚さ調整部は、少なくとも前記多孔体の前記入口部近傍の層厚さを、他の部位の層厚さよりも小さく調整することを特徴とする加湿用モジュール。
  2. 請求項1記載の加湿用モジュールにおいて、前記層厚さ調整部は、少なくとも前記多孔体の前記出口部近傍の層厚さを、他の部位の層厚さよりも小さく調整することを特徴とする加湿用モジュール。
  3. 請求項1又は2記載の加湿用モジュールにおいて、前記多孔体は、環状多孔体を構成するとともに、
    前記層厚さ調整部は、前記環状多孔体の少なくと一部に絞り部位を設けることを特徴とする加湿用モジュール。
  4. 請求項1又は2記載の加湿用モジュールにおいて、前記多孔体は、環状多孔体を構成するとともに、
    前記層厚さ調整部は、前記環状多孔体の少なくとも一部を絞る紐状体を有することを特徴とする加湿用モジュール。
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