JP2008103115A - 燃料電池用加湿装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】中空糸膜型加湿装置の加湿効率を高め、加湿装置を小型化する。
【解決手段】中空糸膜モジュール21は、略角筒状のハウジング22に中空糸膜束23を軸方向に沿わせて挿入し、ハウジング22の両端部で中空糸膜束23の両端部を中空通路を確保しつつハウジング22の内表面に固着し、ハウジング22の互いに平行な両側面(上面と下面)にそれぞれ複数の開口部25を設けて形成される。燃料電池の排出ガスと供給ガスの一方のガスをハウジング22の一端から他端へ中空糸膜束23の内側に流すと共に、他方のガスをハウジング22の上面から下面へ中空糸膜束23の外側に流す直交流構造とし、中空糸膜モジュール21の上方に他方のガスを滞留させる第1ガス滞留部31と、他方のガスが中空糸膜束23に直接あたらない方向から第1ガス滞留部31へ他方のガスを供給するガス導入部32とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】中空糸膜モジュール21は、略角筒状のハウジング22に中空糸膜束23を軸方向に沿わせて挿入し、ハウジング22の両端部で中空糸膜束23の両端部を中空通路を確保しつつハウジング22の内表面に固着し、ハウジング22の互いに平行な両側面(上面と下面)にそれぞれ複数の開口部25を設けて形成される。燃料電池の排出ガスと供給ガスの一方のガスをハウジング22の一端から他端へ中空糸膜束23の内側に流すと共に、他方のガスをハウジング22の上面から下面へ中空糸膜束23の外側に流す直交流構造とし、中空糸膜モジュール21の上方に他方のガスを滞留させる第1ガス滞留部31と、他方のガスが中空糸膜束23に直接あたらない方向から第1ガス滞留部31へ他方のガスを供給するガス導入部32とを備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、中空糸膜を介して供給ガスを加湿する燃料電池用加湿装置に関する。
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを電解質を介して電気化学的に反応させ、電解質両面に設けた電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。特に固体高分子電解質を用いた固体高分子型燃料電池は、動作温度が低く、取り扱いが容易なことから電動車両用の電源として注目されている。すなわち、燃料電池車両は、高圧水素タンク、液体水素タンク、水素吸蔵合金タンクなどの水素貯蔵装置を車両に搭載し、そこから供給される水素と、酸素を含む空気とを燃料電池に送り込んで反応させ、燃料電池から取り出した電気エネルギで駆動輪につながるモータを駆動するものであり、排出物質は水だけであるという究極のクリーン車両である。
このような燃料電池に用いられる固体高分子電解質に、良好な水素イオン伝導性を発揮させるためには、固体高分子電解質を湿潤状態に維持する必要がある。このため、燃料電池本体内に純水経路を設けて燃料電池本体内で電解質に加湿する内部加湿や、燃料電池に供給する水素ガスまたは空気に加湿する外部加湿が行われている。
外部加湿用の加湿装置としては、燃料電池から排出される高湿度の排出ガスと、燃料電池へ供給する水素または空気の乾燥した供給ガスとの間で中空糸膜を介して湿度交換させる中空糸膜型加湿装置が好んで使用される。中空糸膜型加湿装置は、加湿用水及び加湿用のエネルギーが不要であるので、特に小型軽量化が必要とされる車載用に適している。
燃料電池用の中空糸膜型加湿装置として、例えば、特許文献1に記載された加湿装置が知られている。この加湿装置は、中空糸膜の束を収容したハウジング内に、中空糸膜の外側に流す気体を通過させるバイパス通路をハウジング長手方向に設けている。そして、バイパス通路からハウジング端部の中空糸膜の領域へ外側のガスを供給することにより、中空糸膜全体へ外側のガスを行き渡らせて加湿性能を向上させている。
特開2005−098695号公報(第6頁、図5)
しかしながら、特許文献1に記載の加湿装置の構造では、ハウジング内にバイパス通路を設けるために、中空糸膜モジュールの構造が複雑になり、かつ、中空糸膜モジュールの体積に占める中空糸膜の容積である膜充填率が小さくなるので、加湿能力に比べて加湿装置が大型化するという問題点があった。
上記問題点を解決するために、本発明は、燃料電池から排出される排出ガス中の水分を燃料電池へ供給する供給ガスへ、中空糸膜を介して透過させることにより供給ガスを加湿する燃料電池用加湿装置において、両端が開放された略角筒状のハウジングに前記中空糸膜の束を軸方向に沿わせて挿入し、前記ハウジングの両端部で前記中空糸膜の束の両端部を中空通路を確保しつつ前記ハウジングの内表面に固着し、前記ハウジングの互いに平行な両側面にそれぞれ複数の開口部を設けた中空糸膜モジュールと、前記排出ガスと前記供給ガスの一方のガスを前記ハウジングの一端から他端へ中空糸膜の内側に流すと共に、他方のガスを前記ハウジングの一方の側面から他方の側面へ前記中空糸膜の外側に流す直交流構造と、前記中空糸膜モジュールの他方のガスの流の上流側に他方のガスを滞留させる第1ガス滞留部と、他方のガスが前記中空糸膜に直接あたらない方向から第1ガス滞留部へ他方のガスを供給するガス導入部と、を備えたことを要旨とする燃料電池用加湿装置である。
本発明では、加湿装置の中空糸膜モジュールにおける中空糸膜の内側のガスの流れと、外側のガスの流れとが直交する直交流になるように配置し、中空糸膜外側に供給するガスの導入部の形状を工夫することで、上記問題点を解決している。
また、中空糸膜モジュール内外のガスの流れを直交流にするだけでは、中空糸膜外側のガス流が局所的に集中して中空糸膜がよれ、局部的にガス流速が速くなる箇所(以下、パスと呼ぶ)ができて、他の部分にはガスが行き渡らないために加湿効率が低下するが、本発明では第1ガス滞留部により中空糸膜外側に供給するガスが直接中空糸膜モジュールに吹き付けないために、パス発生を防止することができる構造となっている。
本発明によれば、中空糸膜モジュールにおいて、膜内側に流れるガスと膜外側に流れるガスとを直交流とする構造により、加湿効率を高めて加湿装置を小型化することができるという効果がある。さらに、中空糸膜モジュールの上流に外側ガスが滞留する第1滞留部と、中空糸膜モジュールへ直接外側ガスが当たらない方向から第1滞留部へ外側ガスを供給するガス導入部を設けたので、中空糸膜のよれによるパス発生を防止して、外側ガスが中空糸膜モジュール全体に行き渡り、加湿装置の加湿効率を向上させて、加湿装置の小型化に寄与するという効果がある。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る燃料電池用加湿装置(以下、単に加湿装置と略す)が適用される燃料電池システムの概略構成図である。
図1において、燃料電池システム1は、燃料ガスとして水素が供給されるアノード(燃料極)2aと酸化剤として空気が供給されるカソード(酸化剤極)2bとを備えた燃料電池2を備えている。
燃料電池システム1は、空気系として、カソード2bへ供給するために空気を取り込んで圧縮するコンプレッサ3と、コンプレッサ3により圧縮されて高温となった空気を適温まで冷却するアフタークーラ4と、アフタークーラ4で冷却された空気(供給ガス)と、燃料電池2のカソード2bから排出された高温多湿の排空気(排ガス)との間で湿度交換して、燃料電池へ供給する空気に加湿する加湿装置5と、加湿装置5で加湿後の排空気を圧力調整して排出する空気圧力調整弁6と備えている。
また、燃料電池システム1は、水素系として、水素ガスを高圧で貯蔵する水素タンク7と、水素タンク7から供給される高圧水素の圧力を調整する水素圧力調整弁8と、水素圧力調整弁8で圧力調整された新規供給水素ガスを駆動流として、燃料電池2のアノード2aから排出された未反応の水素ガス(循環ガス)を吸引して新規供給水素ガスと混合してアノード2aへ供給する流体ポンプであるエゼクタ9と、アノード2aの出口から排出された循環ガスをエゼクタ9の吸引口へ戻す水素循環路10と、水素循環路10から系外へ不純物を含んだ循環ガスを排出するパージ弁11と、を備えている。
さらに、燃料電池システム1は、燃料電池2の温度を適温に調整する図示しない温度調節系と、燃料電池2から電力を取り出す図示しない電力系とを備えている。
燃料電池2は、電解質膜・電極触媒複合体(MEA)をアノード2aとカソード2bとで挟んで重ね合わせた発電セルを、多段積層したスタック構造を呈し、以下の電気化学反応により化学エネルギを電気エネルギへと変換する。
[アノード反応]: H2 → 2H+ + 2e- …(化1)
[カソード反応]: 2H+ + 2e- + 1/2O2 → H2O …(化2)
アノード2aでは、水素が供給されることで水素イオンと電子に解離し、水素イオンは電解質膜を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させ、カソード2bにそれぞれ移動する。カソード2bでは、供給された空気中の酸素と水素イオンおよび電子が反応して水が生成されて外部に排出される。
[カソード反応]: 2H+ + 2e- + 1/2O2 → H2O …(化2)
アノード2aでは、水素が供給されることで水素イオンと電子に解離し、水素イオンは電解質膜を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させ、カソード2bにそれぞれ移動する。カソード2bでは、供給された空気中の酸素と水素イオンおよび電子が反応して水が生成されて外部に排出される。
燃料電池2の電解質膜としては、高エネルギ密度化、低コスト化、軽量化などを考慮して、例えば固体高分子電解質を用いる。固体高分子体電解質は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜、芳香族炭化水素樹脂系イオン交換膜など、水素イオン伝導性の高分子膜からなり、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能することから、この燃料電池においては水を供給して供給ガスを加湿することが必要となる。
加湿装置5は、燃料電池2のカソード2bから排出された水蒸気を豊富に含む排出ガスと、コンプレッサ3で加圧されアフタークーラ4で冷却された供給ガス(空気)との間で水蒸気透過膜を介して水蒸気を交換するためのものである。加湿装置5は、水蒸気透過膜として中空糸膜を用いた中空糸膜モジュールを備えている。
加湿装置5は、湿潤ガス(排出ガス)と乾燥ガス(供給ガス)とを中空糸膜を介して接触させることにより、湿潤ガス中の水蒸気が中空糸膜を透過して乾燥ガス中へ移動し、乾燥ガスを加湿する作用を有する。湿潤ガスを中空糸膜の内部に流し、乾燥ガスを中空糸膜の外側に流す場合と、その逆の場合との何れの場合でも、水蒸気移動が行われる。
水蒸気透過型加湿装置の加湿性能を向上させる手段として、中空糸膜モジュールサイズを大きくすることで向上させることも可能だが、車両用として使用する際は、小型化が要求されるので望ましくない。本発明では、中空糸膜モジュールにおいて、膜内側に流れるガスと膜外側に流れるガスとを直交流とする構造により、加湿効率を高めて加湿装置を小型化する。さらに、中空糸膜モジュールの上流に外側ガスが滞留する第1滞留部と、中空糸膜モジュールへ直接外側ガスが当たらない方向から第1滞留部へ外側ガスを供給するガス導入部を設けたので、パス発生を防止して加湿効率を向上させ、加湿装置を小型化することができるという効果がある。
図2(a)は、本発明に係る加湿装置5の実施例1の詳細を説明する斜視図、図2(b)は、加湿装置5内の中空糸膜モジュール21の詳細を説明する斜視図である。本実施例では、燃料電池へ供給する供給ガスを中空糸膜内側に流し、燃料電池から排出された排出ガスを中空糸膜外側に流す構成としている。加湿装置のガス流構造は、中空糸膜内側に流れるガスと中空糸膜外側に流れるガスが直交流となる構造であることが一つの特徴である。また、中空糸膜モジュールに外側ガスを供給する前に、ガス流速を低下させる第1ガス滞留部を備えてあり、第1滞留部へ外側ガスを供給するガス導入部が中空糸膜に直接当たらない方向から外側ガスを第1滞留部へガスを供給していることも特徴である。
図2(a)において、加湿装置5は、燃料電池へ供給する供給ガスが中空糸の内側を通過する略直方体の中空糸膜モジュール21と、中空糸膜モジュール21の外側を通過するガス流の中空糸膜モジュール上流に配置された第1ガス滞留部31と、第1ガス滞留部31へ燃料電池からの排出ガスを供給するガス導入部32と、ガス導入部32に設けられガス導入部と第1ガス滞留部31とを連通する開口部33と、中空糸膜モジュール21の外側を通過するガス流の中空糸膜モジュール下流に配置された第2ガス滞留部41と、第2ガス滞留部41から排出ガスを排出するガス排出部42とを備えている。
尚、図2(a)において、中空糸膜モジュール21の左側に配置され中空糸膜モジュール21の中空糸膜束の内部へ供給ガスを供給する供給ガス導入マニホールド、中空糸膜モジュール21の右側に配置され中空糸膜の内部から供給ガスを排出する供給ガス排出マニホールド、第1ガス滞留部31を形成する上側ケース、第2ガス滞留部41を形成する下側ケース等は、図示を省略してある。
図2(b)において、中空糸膜モジュール21は、両端が開放された扁平角筒状のハウジング22に中空糸膜束23を軸方向に沿わせて挿入し、ハウジング22の両端部で中空糸膜束23の両端部を中空通路を確保しつつハウジング22の内表面に樹脂等で固着したポッティング部24が設けられている。このポッティング部24が中空糸膜内側を通るガスの通路となる。そして、ハウジング22の互いに平行な両側面である図中上下の扁平面に、それぞれ複数の開口部25が設けられている。これら開口部25を備えた上下の扁平面が中空糸膜外側を通るガスの通路となる。
以下、図2を参照して、加湿装置5におけるガスの流れを説明する。燃料電池から排出された排出ガスは、加湿装置5のガス導入部32に流れる。その後、ガス導入部32の複数の開口部33から第1ガス滞留部31へ排出ガスが導入され、第1ガス滞留部31の空間に排出ガスが行渡り、中空糸膜モジュール21の上面に設けられた複数の開口部25から中空糸膜外側に排出ガスが導入される。
中空糸膜モジュール21の内部では、排出ガス(湿潤ガス)中の水蒸気が中空糸膜を透過して、中空糸膜内側を通る供給ガス(乾燥ガス)へ移動し、供給ガスを加湿する。中空糸膜モジュール21を通過した排出ガスは、中空糸膜モジュール21の下流側に配置された第2ガス滞留部41に導入され、ガス排出部42により加湿装置5の外部へ排出される。
本実施例では、中空糸膜モジュール内側に流れる供給ガスの流れ方向と、中空糸膜モジュール外側に流れる排出ガスの流れ方向とが直交流(クロスフロー)となっていることが大きな特徴である。クロスフロー加湿装置として加湿効率を向上させるには、中空糸膜の外側ガスを供給するガス導入部から中空糸膜モジュールまでの構造に工夫が必要となる。ガス導入部から直接中空糸膜モジュールに外側ガスを流すと、中空糸膜がよれて隙間の大きな箇所、言い換えれば外側ガスが局所的に集中してガス流速が速くなる箇所(パス)が発生し、その他の部分に外側ガスが十分に行き渡らず加湿効率は低くなる。
本実施例では、中空糸膜に外側ガスを供給する前にガスが一時的に滞留する第1ガス滞留部を備えてあり、外側ガスが第1滞留部に導入される際に中空糸膜に直接あたらない方向からガスを流す構成としているため、パス発生の防止が図れる。第1ガス滞留部にガスを導入することで、ガス導入部から供給されるガス流速を中空糸膜モジュール導入前に低減し、第1ガス滞留部でガスを均一にし、中空糸膜モジュールに導入している。この構成により、パス発生を防止し、中空糸膜モジュール全体にガスが均一に広がるため、加湿効率の向上が図れる。実施例1の第1ガス滞留部31へのガス導入方法は、ガス導入部32と第1ガス滞留部31との間に複数の開口部33を設けている。この構成により、加湿効率の向上が図れる。また偏流、渦流の防止になるため、加湿装置における圧損の低減にもつながる。
また本実施例では、中空糸膜モジュール21の構成も工夫している。第1ガス滞留部31から中空糸膜モジュール21へのガス導入において、本実施例では、図2(b)に示すように複数の開口部25を設けた構造としている。これにより、排出ガスが複数の開口部25で分散してハウジング22から中空糸膜モジュール21の内部へ流入するので、局部的な排出ガスの集中によるパスの発生を防止し、中空糸膜モジュール21全体に均等に排出ガスが行き渡るので、加湿効率が向上すると共に、中空糸膜の揺動による膜切れを防止し、中空糸膜モジュールの寿命を伸延させる効果がある。
図3(a)に実施例2の加湿装置を示す。基本構成、ガス導入方法などは実施例1と同様のため省略する。実施例1との違いは、ガス導入部32から第1ガス滞留部31へ連通する複数の開口部33a,33b,…,33gの下流側になるにつれて、開口面積を大きくしている点である。
ガス導入部32から第1ガス滞留部31へ連通する複数の開口部33a,33b,…,33gの開口面積が下流側になるにつれて大きくしている理由としては、圧力の高い上流側(33a側)の開口部の開口面積を小さく、圧力の小さくなる下流側(33g側)の開口部の開口面積を大きくすることで、ガス導入部32から第1ガス滞留部31に供給するガスを均一に導入するためである。これにより、第1ガス滞留部31の内部におけるガス流の集中を回避し、第1ガス滞留部31に必要な容積を小さくすることができる。
図3(b)に実施例3の加湿装置を示す。基本構成、ガス導入方法などは実施例2と同様のため省略する。実施例3と実施例2との違いは、実施例3において、中空糸膜モジュール21の上流側の第1ガス滞留部31およびガス導入部32の形状と、中空糸膜モジュール21の下流側の第2ガス滞留部41およびガス排出部42の形状とが中空糸膜モジュールの高さの半分に位置する面に対して、上下対称である点である。
このように、第1ガス滞留部31およびガス導入部32の形状と、第2ガス滞留部41およびガス排出部42の形状とを上下対称とすることで、中空糸膜モジュール21の中空糸膜外側に流れるガスの均一化を図ることが可能となる。
第2ガス滞留部41からガス排出部42へ連通する開口部43が1個のみでは、この開口部43にガスが集中するため、中空糸膜モジュール21全体にガスを均一に流すことが困難となる。このため、実施例2のガス導入部32と上下対称にガス排出部42を形成し、ガス導入部32から第1ガス滞留部31へ連通する複数の開口部33a,33b,…,33g開口部と、上下対称に、第2ガス滞留部41からガス排出部42へ連通する開口部も43a,43b,…,43gと複数設け、圧力の高い下流側(43a側)の開口部の開口面積を小さく、圧力の低くなる上流側(43g側)の開口部の開口面積を大きくしている。これにより、第2ガス滞留部41からガス排出部42へ排出するガスを均一に排出することができ、加湿性能の向上、および加湿装置の小型化が図れる。
図3(c)に実施例4の加湿装置を示す。実施例4と実施例2との相違は、第1ガス滞留部31の周囲4方からガスを導入するために、実施例4のガス導入部34が、第1ガス滞留部31を取り巻く額縁状の4辺、35a、35b、35c、35dから構成されていることである。各辺35a、35b、35c、35dには、それぞれ複数の開口部が設けられて、第1ガス滞留部31と連通し、各開口部の開口面積は、ガス圧力の低い箇所は大きく、ガス圧力の高い箇所は小さく設定されているのは、実施例2と同様である。実施例4によれば、実施例2よりもさらに均一にガス導入部34から第1ガス滞留部31へガスを導入することができる。
図4(a)に実施例5の加湿装置の斜視図、図4(b)に実施例5の加湿装置に用いる中空糸膜モジュールの斜視図を示す。基本構成、ガス導入方法などは実施例1と同様のため省略する。
図4(a)において、中空糸膜モジュール21のハウジング22の上面外周部に接して左右の高さが異なるバットを伏せたような形状の上側ケース51が設けられ、上側ケース51の内部に第1ガス滞留部が形成されている。また、上側ケース51の左端部には左側からガスを導入するガス導入部32が設けられ、中空糸膜に直接当たらない方向から排出ガスを上側ケース51の内部へ導入可能となっている。そして上側ケース51のガス導入部側(左側)の高さh11は、ガス導入部の反対側(右側)の高さh12より高くし、左側から右側へ行くに従って徐々に高さが低くなる楔状とすることにより、ガス流量の多いガス導入部側のガス滞留部容積を大きくするとともに、ガス流量の少ない反対側のガス滞留部容積を小さくすることで、上側ケース51から中空糸膜モジュール21へ流入するガス流分布の均一性を保持し、中空糸膜のよれ及びパス発生を防止しながら、加湿効率を向上させ加湿装置の小型化、軽量化を図ることができる。
同様に、中空糸膜モジュール21のハウジング22の下面外周部に接して左右の高さが異なるバット状の下側ケース52が設けられ、下側ケース52の内部に第2ガス滞留部が形成されている。また、下側ケース52の左端部には左側へガスを排出するガス排出部42が設けられ、排出ガスを排出可能となっている。そして下側ケース52のガス排出部42側(左側)の高さh22は、ガス排出部の反対側(右側)の高さh21より高くし、左側から右側へ行くに従って徐々に高さが低くなる楔状とすることにより、ガス流量の多いガス排出部側のガス滞留部容積を大きくするとともに、ガス流量の少ない反対側のガス滞留部容積を小さくすることで、中空糸膜モジュール21から下側ケース52へ流出するガス流分布の均一性を保持し、中空糸膜のよれ及びパス発生を防止しながら、加湿効率を向上させ加湿装置の小型化、軽量化を図ることができる。
また、中空糸膜モジュール21の左側には、供給ガス導入マニホールド61が設けられ、中空糸膜束23の左端部から供給ガスを中空糸膜束23の内部へ導入できるようになっている。中空糸膜モジュール21の右側には、供給ガス排出マニホールド62が設けられ、中空糸膜束23の内部を通過した供給ガスを排出できるようになっている。
また実施例5では、実施例2と同様に、中空糸膜モジュール21のハウジング22の扁平面に複数の開口部25a、25b、…、25iを設けている。実施例5の効果は実施例2と同様である。開口部の開け方が、ガス流速の大きくなる箇所は小さく、ガス流速の小さくなる箇所は大きくあけるように工夫している。本実施例のように、加湿装置への外側ガスのガス導入方向とガス排出方向が反対方向を向いている場合は、ガス導入部32に対して、最も近い入口側の開口部25aの開口面積を最も小さくし、奥側の開口部25iの開口面積を最も大きくし、これらの間で連続的に開口面積が変化するように設定することにより、中空糸膜モジュール21内部で中空糸膜束23の外側を通過するガスの流を均一化し、加湿効率を向上させている。
図5(a)に実施例6の加湿装置の斜視図、図5(b)に実施例6の加湿装置に用いる中空糸膜モジュールの斜視図を示す。基本構成、ガス導入方法などは実施例5と同様のため省略する。実施例6と実施例5との相違は、下側ケース53が図中右側へガスを排出するガス排出部42を備えていることと、下側ケース53のガス排出部42側(右側)の高さh22は、ガス排出部の反対側(左側)の高さh21より高くし、右側から左側へ行くに従って徐々に高さが低くなる楔状とすることにより、ガス流量の多いガス排出部側のガス滞留部容積を大きくするとともに、ガス流量の少ない反対側のガス滞留部容積を小さくしていることである。これにより、本実施例6は、実施例5と同様の効果がある。
また、実施例6の中空糸膜モジュール21に設けた開口部25a、25b、…、25iは、ガス導入部とガス排出部が同一方向を向いているので、ガス導入部32から見て、奥側(25i側)の開口面積を小さく、手前側(25a側)にむけて開口面積を大きくする構造とすることにより、中空糸膜モジュール21内部で中空糸膜束23の外側を通過するガスの流を均一化し、加湿効率を向上させている。
21…中空糸膜モジュール
22…ハウジング
23…中空糸膜束
24…ポッティング部
25…開口部
31…第1ガス滞留部
32…ガス導入部
33…開口部
41…第2ガス滞留部
42…ガス排出部
22…ハウジング
23…中空糸膜束
24…ポッティング部
25…開口部
31…第1ガス滞留部
32…ガス導入部
33…開口部
41…第2ガス滞留部
42…ガス排出部
Claims (9)
- 燃料電池から排出される排出ガス中の水分を燃料電池へ供給する供給ガスへ、中空糸膜を介して透過させることにより供給ガスを加湿する燃料電池用加湿装置において、
両端が開放された略角筒状のハウジングに前記中空糸膜の束を軸方向に沿わせて挿入し、前記ハウジングの両端部で前記中空糸膜の束の両端部を中空通路を確保しつつ前記ハウジングの内表面に固着し、前記ハウジングの互いに平行な両側面にそれぞれ複数の開口部を設けた中空糸膜モジュールと、
前記排出ガスと前記供給ガスの一方のガスを前記ハウジングの一端から他端へ中空糸膜の内側に流すと共に、他方のガスを前記ハウジングの一方の側面から他方の側面へ前記中空糸膜の外側に流す直交流構造と、
前記中空糸膜モジュールの他方のガスの流の上流側に他方のガスを滞留させる第1ガス滞留部と、
他方のガスが前記中空糸膜に直接あたらない方向から第1ガス滞留部へ他方のガスを供給するガス導入部と、
を備えたことを特徴とする燃料電池用加湿装置。 - 前記中空糸膜モジュールの他方のガスの流の下流側に他方のガスを滞留させる第2ガス滞留部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用加湿装置。
- 前記ハウジングは扁平角筒状であり、
前記ハウジングの両扁平面にそれぞれ複数の開口部を備え、
前記第1ガス滞留部が前記ハウジングの一方の扁平面に面し、前記第2ガス滞留部が前記ハウジングの他方の扁平面に面していることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池用加湿装置。 - 前記第1ガス滞留部へのガス導入部が複数の開口部を備え、前記第2ガス滞留部からのガス排出部が複数の開口部を備えたことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池用加湿装置。
- 前記ガス導入部の開口部の面積がガス流れ上流側から奥側になるにつれて徐々に大きくなることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池用加湿装置。
- 前記ガス排出部の形状と前記ガス導入部の形状とが、前記ハウジングの両扁平面間の距離を2等分する面に対して面対称であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の燃料電池用加湿装置。
- 前記ハウジングの一方の扁平面からの第1ガス滞留部の高さが、ガス導入部を備える一端から他端にかけて徐々に小さくなることを特徴とする請求項3ないし請求項6の何れか1項に記載の燃料電池用加湿装置。
- 前記ハウジングの他方の扁平面からの第2ガス滞留部の高さが、ガス排出部を備える一端から他端にかけて徐々に小さくなることを特徴とする請求項3ないし請求項6の何れか1項に記載の燃料電池用加湿装置。
- 前記ハウジングの扁平面に設けた開口部の面積は、ガス流速の大きく箇所は小さく、ガス流速の小さくなる箇所は大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項3ないし請求項8の何れか1項に記載の燃料電池用加湿装置。
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