JP2002298882A - 加湿モジュール - Google Patents

加湿モジュール

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JP2002298882A
JP2002298882A JP2001099476A JP2001099476A JP2002298882A JP 2002298882 A JP2002298882 A JP 2002298882A JP 2001099476 A JP2001099476 A JP 2001099476A JP 2001099476 A JP2001099476 A JP 2001099476A JP 2002298882 A JP2002298882 A JP 2002298882A
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JP2001099476A
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Toshikatsu Katagiri
敏勝 片桐
Yoshio Kusano
佳夫 草野
Hiroshi Shimanuki
寛士 島貫
Mikihiro Suzuki
幹浩 鈴木
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Honda Motor Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加湿モジュールから放出される熱量を低く抑
え、ガス温度を高く保ち、加湿効率を向上させる。 【解決手段】 中空糸膜P1を含む内層S1と中空糸膜
P2を含む外層S2を備え、両者の間を多数の孔31を
備えた仕切部材17で仕切し、一端側の中央部分から加
湿ガスMGを供給する。加湿ガスMGは内層S1から仕
切部材17の孔31を通過して外層S2に流れ込み、他
端側の外周部の出口22から排出する。一方、中空糸膜
P1には空気Adを通流させ、中空糸膜P2には水素ガ
スHdを通流させて、空気Adと加湿ガスMGの間、水
素ガスHdと加湿ガスMGの間のそれぞれにおいて水分
交換を行わせ、空気Adおよび水素ガスHdを加湿す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿度の低い流体を
加湿する加湿モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気自動車の動力源などとして開
発されている固体電解質型燃料電池(以下、単に燃料電
池という)は、燃料ガスと酸化剤ガスの電気化学反応を
利用して発電を行うものである。つまり、燃料電池は、
燃料ガスをアノード極でイオン化し、燃料ガスのイオン
(プロトン、水素イオン)を固体電解質膜で移動させ、
カソード極に供給された酸化剤ガスと電気化学反応を行
わせて、発生する電気エネルギを取り出すものである。
ここで、このような燃料電池の発電効率を左右するパラ
メータの一つとして、固体電解質膜内を移動する水素イ
オンのイオン伝導率があげられる。このイオン伝導率が
高いと単位時間当たりに固体電解質膜内を移動できる水
素イオンの数が増えるので、その分だけ電気化学反応に
伴う発電量を多くすることができる。一方、イオン伝導
率が低いと、単位時間当たりに固体電解質膜内を移動で
きる水素イオンの量が減ることになるので発電量は減っ
てしまう。
【0003】そこで、従来、固体電解質膜のイオン伝導
率を高くするための工夫が種々なされており、これらの
中には、特願平8−273687号公報に記載の燃料電
池の加湿装置がある。特願平8−273687号公報に
記載の加湿モジュールは、燃料電池の冷却水を用いて燃
料ガスを加湿するもので、加湿した燃料ガスを燃料電池
に供給することで固体電解質膜の乾燥を防止するもので
ある。この加湿モジュールは、中空糸膜を備え、この中
空糸膜の内側に燃料ガスを通流させ、中空糸膜の外側に
水を通流させる構成を有している。この中空糸膜は、中
空糸膜の外側の液相と、中空糸膜の内側の気相を分離す
る役割と、液相中の水分を水蒸気分圧の高い液相側か
ら、相対的に水蒸気分圧の低い気相側に透過させる役割
を有している。中空糸膜を透過して液相側から気相側に
移動した水分は、燃料ガスの流れにより蒸発するので、
燃料ガスは所定量の水蒸気を含む加湿燃料ガスとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな加湿モジュールで加湿効率を向上させる場合は、中
空糸膜を長くすることが効果的であるが、その分だけ加
湿モジュールの表面積が増加するので、加湿モジュール
から外気へ放出される熱量が増加するという問題があっ
た。外気に放出される熱量が増加すると、その分だけ流
体温度が低下してしまう。流体の温度が下がると、飽和
水蒸気量も下がるので、加湿効率を低下させる原因とな
り好ましくない。また、燃料電池の乾燥を防止し、より
高い発電効率を得るためには、燃料ガスおよび酸化剤ガ
スの両方を加湿することが望ましいが、このような加湿
モジュールを燃料ガス用と酸化剤ガス用のそれぞれに設
けると、各加湿モジュールにおける熱損失が大きくな
り、加湿効率が落ちるという問題があった。加えて、二
つの加湿モジュール間の配管の取り回しや、加湿モジュ
ールのレイアウトに制限を生じる。従って、本発明は、
加湿モジュールから放出される熱量に着目して、ガス温
度を高く保つことで、加湿効率を向上させるものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
発明は、内側と外側にそれぞれ流れる流体間で水分交換
を可能にする中空糸膜を長手方向に沿って束ねた第一の
中空糸膜束からなる内層と、第一の中空糸膜束の長手方
向に沿って、その外周を囲むように中空糸膜を束ねた第
二の中空糸束からなる外層とを有し、内層の一端側かつ
中心部近傍に、中空糸膜の外側を通流する第一の流体を
導入する入口部を有し、外層の他端側かつ外周部に中空
糸膜を通流した第一の流体を排出する出口部を有し、内
層、外層のそれぞれにおいて第一の流体とは水分含有量
の異なる第二の流体を他端側から一端側まで中空糸膜の
内側を通流させるための通流入口部および通流出口部を
備える加湿モジュールとした。この加湿モジュールは、
第二の流体を内側に通流させる中空糸膜を内層と外層の
二層構造にすることで、全体としての表面積を減少させ
て、加湿モジュールから外気へ放出される熱量を低減す
るものである。なお、このような加湿モジュールにおい
て第二の流体の水分含有量が相対的に多い場合は、第一
の流体が加湿される。一方、第二の流体の水分含有量が
相対的に少ない場合は、第二の流体が加湿される。
【0006】また、本発明の請求項2に係る発明は、請
求項1に記載の加湿モジュールにおいて、内層の中心部
には、長手方向に伸長する中心部材を有し、中心部材に
は、第一の流体が流れる内部流路を備え、内部流路に
は、第一の流体を外層に向けて流出させる流出口を有す
る構成にした。この加湿モジュールは、内部流路の流出
口から内層に向けて、第一の流体を均一に分散して流出
させることで、内層に含まれる第一の中空糸膜に第一の
流体を均等に供給するものである。
【0007】さらに、本発明の請求項3に係る発明は、
請求項1または請求項2に記載の加湿モジュールにおい
て、第二の流体は、内層を通流する内層側流体と、外層
を通流する外層側流体であり、通流入口部と通流出口部
は、内層側流体と外層側流体とを独立に通流させる構成
にした。この加湿モジュールは、第二の流体を、異なる
二種類の流体、内層側流体と外層側流体とし、この二種
類の流体を同時に加湿する際に用いられるもので、独立
した二つの加湿モジュールを用いる場合に比べて、全体
としての表面積を低減させるものである。
【0008】そして、本発明の請求項4に係る発明は、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の加湿モジ
ュールにおいて、第一の中空糸膜束と、第二の中空糸膜
束のいずれか一方はイオン水和型膜からなり、他方は毛
管凝縮型膜からなる構成にした。この加湿モジュール
は、被加湿流体の特性に最適な中空糸膜を利用すること
で、確実に加湿するものである。特に、中空糸膜として
イオン水和型膜を用いて可燃性流体を加湿し、毛管凝縮
型膜を用いて比較的高温の酸化剤流体を加湿すると、燃
料ガスと酸化剤ガスが混合することを防止でき、燃料電
池システムに好適な加湿モジュールが得られる。
【0009】また、本発明の請求項5に係る発明は、請
求項1から請求項4のいずれか一項に記載の加湿モジュ
ールにおいて、内層と外層を区分する仕切部材を有し、
仕切部材は、内層と外層を連通させる複数の孔が開穿さ
れている構成にした。この加湿モジュールは、多数の孔
が、第一の流体を内層から外層へと導くものであり、孔
の配列や大きさを変更することで、内層における加湿量
と、外層における加湿量を制御するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
しながら詳細に説明する。図1は本実施の形態の加湿モ
ジュールを備えた加湿装置を含む燃料電池システムの構
成図である。図1に示すように、燃料電池システム1
は、アノードガスである加湿水素ガスHw(水素ガスH
d)と、カソードガスである加湿空気Aw(空気Ad)
の電気化学的反応を用いて発電するものである。加湿水
素ガスHwは、高圧ボンベ等の供給手段4から供給され
る水素ガスHdを加湿装置3で加湿したものである。ま
た、加湿空気Awは、空気圧縮機5で大気から吸引し、
所定圧力まで加圧した空気Adを加湿装置3で加湿した
ものである。なお、加湿のために用いる水分を多く含ん
だガスは、燃料電池2から排出されるカソードオフガス
COGである加湿ガスMGにより行う。
【0011】ここで、本実施の形態における燃料電池2
について説明する。燃料電池2は、図示しない固体電解
質膜を挟んでアノード極とカソード極を有し、そのそれ
ぞれには白金系の触媒を有する電極が設けられている。
そして、アノード極には加湿装置3で加湿された加湿水
素ガスHwが通流され、カソード極には加湿装置3で加
湿された加湿空気Awが通流される。ここで、固体電解
質膜は、高分子膜、例えば、プロトン交換膜であるパー
フロロカーボンスルホン酸膜を電解質として用いてい
る。この固体電解質膜は、高分子中にプロトン交換基を
多数持ち、飽和含水することにより常温で高いプロトン
伝導率を示すものである。従って、触媒によりアノード
極で発生したプロトン(水素イオン)は、容易に固体電
解質中を移動してカソード極側に到達することができ
る。そして、カソード極側に到達したプロトンがアノー
ド極の酸素と反応して水を生成する。生成した水は未反
応成分を含む加湿空気Awと共にカソードオフガスとし
てカソード極側の出口から排出される。このとき、アノ
ード極とカソード極を外部負荷を介して電気的に接続し
て回路を形成すると、水素のイオン化の際に発生する電
子がこの回路に流れ、この電子の量が燃料電池2の発電
量となる。
【0012】ここで、燃料電池2の発電量を決定するパ
ラメータとしては、電極および固体電解質膜からなるセ
ルの数や大きさ、加湿水素ガスHwおよび加湿空気Aw
の供給量、固体電解質膜のプロトン伝導率等があげられ
る。これらのうち、固体電解質膜のプロトン伝導率につ
いて説明する。プロトン伝導率は、固体電解質膜内での
プロトンの移動しやすさを表している。従って、プロト
ン伝導率が大きいほど、プロトン(水素イオン)がアノ
ード極側からカソード極側に移動しやすくなるので、プ
ロトン(水素イオン)と酸素の反応頻度が増大し、発電
量を増加させることができる。一方、プロトン伝導率が
低くなると、プロトンの透過率が減少するので、プロト
ン(水素イオン)と酸素の反応が減り、発電量が減少す
る。なお、このプロトン伝導率は、固体電解質膜が乾燥
していると低くなる。従って、本実施の形態において
は、加湿部で水素ガスHdおよび空気Adを加湿するこ
とで、固体電解質膜に充分な水分を供給し、固体電解質
膜のプロトン伝導率を大きくし、発電効率の向上および
安定を図っている。
【0013】次に、加湿装置3の構成について図1、図
2、図3(a)、(b)を用いて説明する。なお、図2
は加湿装置の断面図であり、図3(a)は図2のX−X
線断面図、(b)は図2のY−Y線断面図である。ま
た、下記の説明において一端側とは、加湿ガスMGが加
湿モジュール13に導入される側、つまり図2の左側を
いい、他端側とは、加湿ガスMGが加湿モジュール13
から排出される側、つまり図2の右側をいうものとす
る。さらに、本実施の形態においては、第一の流体は、
水分含有量の多い加湿ガスMGとし、水分含有量の異な
る第二の流体は、水分含有量が相対的に少ない水素ガス
Hd、空気Adとして説明する。
【0014】図2および図3(a)に示すように加湿装
置3は、その内側と外側に独立に通流する二つの流体間
での水分交換を可能にする中空糸膜P1、P2を長手方
向に束ねた中空糸膜束10、11の外周を、ハウジング
12で覆い、円筒形状にした加湿モジュール13を有し
ており、この加湿モジュール13は、その両端がヘッド
ブロック14、15で保持されている。
【0015】図2に示すように加湿モジュール13は、
その長手方向の中心部に中心部材16を有し、この中心
部材16の外周を覆うように多数の中空糸膜P1、P2
を配置する(図3(a)参照)と共に、多数の中空糸膜
P1、P2の両端部を樹脂でポッティングしている。本
実施の形態においては、中空糸膜P1からなる中空糸膜
束10と、中空糸膜P2からなる中空糸膜束11は、加
湿モジュール13の半径方向においてハウジング12や
中心部材16と同心円状に配置される仕切部材17によ
り、中心部材16側(中心側)の内層S1と、ハウジン
グ12側(外周側)の外層S2とに区切られている。こ
こにおいて、内層S1の中空糸膜束10が特許請求の範
囲に記載の第一の中空糸膜に、外層S2の中空糸膜束1
1が第二の中空糸膜である。
【0016】中心部材16は、そのほとんどが中実の部
材であるが、一端側がポッティング部35から突出する
と共に中空となっており、加湿ガスMGの通路である内
部流路19を形成している。この内部流路19は、一端
側のポッティング部35を越え、中空糸膜束10側まで
形成されており、その突き当たりで円周方向に等間隔に
形成された複数の開口である流出口20により内層S1
と連通している。
【0017】このような構成を有する加湿モジュール1
3において、第一の流体である加湿ガスMGは、中心部
材16の一端側の入口部21から、内部流路19を通
り、流出口20から中空糸膜P1の外側に向けて流出す
る。なお、流出口20から流出した加湿ガスMGは、後
に説明するように、内層S1および外層S2のそれぞれ
の中空糸膜P1、P2の外側を通って、ハウジング12
の他端側の外周面に等間隔に形成された出口部22から
排出される。
【0018】また、第二の流体であって、どちらも加湿
ガスMGよりも水分含有量が少ない流体である空気Ad
および水素ガスHdは、加湿モジュール13の他端側か
ら流入し、中空糸膜P1、P2の内側を通流し、一端側
に流出する。空気Adは、内層S1の他端側のポッティ
ング部36により区画される中空糸膜P1の開口端の集
まりである通流入口部36aから加湿モジュール13内
の各中空糸膜P1に供給され、各中空糸膜P1の内側を
通り、内層S1の一端側のポッティング部35で区画さ
れる中空糸膜P1の開口端の集まりである通流出口部3
5aから流れ出る。水素Adは外層S2の他端側のポッ
ティング部36で区画される中空糸膜P2の開口端の集
まりである通流入口部36bから加湿モジュール13内
の各中空糸膜P2に供給され、各中空糸膜P2の内側を
通り、外層S2の一端側のポッティング部で区画される
中空糸膜P2の開口端の集まりである通流出口部35b
から流れ出る。なお、この場合の特許請求の範囲に記載
の内層側流体は、内層S1を通流する空気Adであり、
外層側流体は、外層S2を通る水素Hdになる。
【0019】次に加湿モジュール13の両端を保持する
ヘッドブロック14、15について説明する。図2に示
すように加湿モジュール13の他端側を保持するヘッド
ブロック15は、内層S1を通流する空気Adを中空糸
膜P1の内側に導入するための内側流入通路25と、外
層S2を通流する水素ガスHdを中空糸膜P2の内側に
導入するための外側流入通路26、ならびに、中空糸膜
P1、P2の外側を通流した加湿ガスMGを排出するた
めの出口通路27が形成されている。
【0020】内側流入通路25は、空気圧縮機5に接続
される小径の入口ポート部25aと、入口ポート部25
aに供給された空気Adを内層S1の各中空糸膜P1に
ほぼ均等に分流させるための大径部25bとを有してい
る。外側流入通路26は、供給手段4に接続される小径
の入口ポート部26aと、入口ポート部26aに供給さ
れた水素ガスHdを外層S2の各中空糸膜P2にほぼ均
一に分流させるための通路26bを有している。この通
路26bは、図3(b)に示すようにリング形状を有し
ており、水素ガスHdはこの通路26bを図中の矢印に
示す方向に流れながら、通流入口部36bから各中空糸
膜P2の内側に流入する。出口流路27は、図3(a)
に示すように、ハウジング12の円周に沿って多数形成
された出口部22と連通するリング状の通路27aと、
加湿用ガスMGを合流させて排出するための出口ポート
部27bとから構成されている。
【0021】さらに、加湿モジュール13の一端側を保
持するヘッドブロック14は、中心部材16を挿入する
ために中央部に設けられた挿入穴28と、内層S1を通
流して加湿された加湿空気Awを燃料電池2に導く内側
流出通路29と、外層S2を通流して加湿された加湿水
素ガスHwを燃料電池2に導く外側流出通路30を有し
ている。
【0022】内側流出通路29は、内層S1の各中空糸
膜P1から流出した加湿空気Awが合流する大径部29
aと、燃料電池2のカソード極に接続される出口ポート
部29bとを有している。外側流出通路30は、外層S
2の各中空糸膜P2から流出した加湿水素ガスHwが合
流するリング状の通路30aと、燃料電池2のアノード
極に接続される出口ポート部30bとを有している。な
お、リング状の通路30aの構造は、外側流入通路26
の通路26bと同じ構成であるので、その詳細な説明は
省略する。
【0023】中空糸膜P1、P2は、その内側に空気A
d、水素ガスHdが通流し、その外側に加湿ガスMGを
通流させたときに、加湿ガスMGの水分を中空糸膜P
1、P2を介して相対的に水分含有量の少ない空気A
d、水素ガスHdに供給させるものである。本実施の形
態では、被加湿ガスが水素ガスHdの場合にはイオン水
和型膜を用い、被加湿ガスが空気Adの場合には毛管凝
縮型膜を用いている。ここで、毛管凝縮型膜の中空糸膜
は、多孔質型、すなわち、分子が拡散可能な大きさの細
孔(孔径10nm程度)を多数備えている高分子膜から
構成されている。この高分子膜は、細孔を通じて、例え
ば毛管凝縮作用により、水分を透過させることができ
る。このような高分子膜からなる水透過膜は、細孔を通
じて水分の他、酸素ガス等を透過させることができ、特
に酸素の透過速度よりも水の透過速度の方が遥かに大き
いことから、気化した水分を確実に輸送できる特徴があ
る。一方、イオン水和型膜の中空糸膜は、細孔を有さず
に、ポリマ構造として疎水性の強い主鎖部分と親水性の
交換基を共存させている。この親水性の交換基は、水分
子と水素結合を行うことで水分を捉える、いわゆるイオ
ン水和作用を有し、原理的に水分(水蒸気)以外の気体
(水素ガス、酸素ガス、窒素ガス等)を透過しない(つ
まりガスバリア性に優れている)。このため、一つの加
湿モジュール12に組成の異なる流体を通流しても、異
なる流体どうしが混合することがない。
【0024】さらに、本実施の形態において内層S1と
外層S2を区画する仕切部材17について説明する。な
お、図4(a)は仕切部材の孔の配列を説明する図、図
4(b)は加湿モジュールにおける加湿ガスの流れを説
明する図である。図2および図4(a)に示すように仕
切部材17は、加湿モジュール13の長手方向に沿って
同径の孔31を多数有している。この孔31は、内部流
路19から内層S1に流出した加湿ガスMGを外層S2
に流出する役割を有している。このような仕切部材17
を用いることで、内層S1と外層S2の両方に加湿ガス
MGを流し、その各々において、加湿ガスMGと被加湿
ガスとの対向流を実現している。なお、仕切部材17は
内層S1側の仕切部材片17aと外層S2側の仕切部材
片17bに分離できるが、その詳細は加湿モジュール1
3の製造工程において説明するので、ここでは省略す
る。
【0025】次に、このような加湿モジュール13を備
えた加湿装置3で、水素ガスHdおよび空気Adを加湿
する場合について説明する。ここでは、内層S1に毛管
凝縮型の中空糸膜を用いて空気Adを加湿し、外層S2
にイオン交換型の中空糸膜を用いて水素ガスHdを加湿
する。まず、図1の燃料電池2のカソード極から排出さ
れたカソードオフガスCOGである加湿ガスMGは、配
管41を通じて、加湿装置3の内部流路19(図2参
照)から加湿モジュール13の一端側の入口部21に導
入される。一方、空気Adは、空気圧縮機5で加圧され
た状態で配管43から加湿モジュール13の他端側の内
側流入通路25の入口ポート部25aに供給される。さ
らに、水素ガスHdは、供給手段4から配管45を通じ
て加湿モジュール13の他端側の外側流入通路26の入
口ポート部26aに供給される。
【0026】図2および図4(b)に黒矢印で示すよう
に加湿ガスMGは、内部流路19の流出口20から放射
状に流出し、内層S1の多数の中空糸膜P1の外側の領
域を通流し、仕切部材17の多数の孔31をほぼ均等に
通り、外層S2に流れ込む。さらに、外層S2において
加湿ガスMGは、外層S2の中空糸膜P2の外側の領域
を通流し、他端側の出口部22から排出される。この
間、中空糸膜P1、P2の外側表面に加湿ガスMGに含
まれる水分が凝縮するので、出口部22から排出された
加湿ガスMGは、入口部21よりも含水量が減少する。
【0027】内層S1の中空糸膜P1の外側表面に凝縮
し、または、細孔内に分散した水分は、例えば毛管凝縮
作用により、中空糸膜P1の内部に浸透し、その内周面
に沁み出す。そして、内周面に沁み出した水分は、空気
Adの通流により気化して水蒸気となり、この水蒸気が
空気Adと混合されて加湿空気Awになる。この加湿空
気Adは、内側流出通路29から配管44を経て燃料電
池2に供給される(図1参照)。
【0028】一方、外層S2の中空糸膜P2の外周面で
は、例えばイオン水和作用により水分が次々に捉えられ
ることで中空糸膜P2の内部に浸透しつつ、その内周面
に送り出される。そして、この内周面に沁み出した水分
は水素ガスHdの通流により気化して水蒸気になり、こ
の水蒸気が水素ガスHdに混合されて、加湿水素ガスH
wになる。この加湿水素Hwは、外側流出通路30から
配管46を経て燃料電池2に供給される(図1参照)。
【0029】このような加湿モジュール13は、水素ガ
スHdおよび空気Adを一つのモジュールで加湿するこ
とが可能であり、特に、二つの分離したモジュールで水
素ガスHd、空気Adを別個に加湿する場合に比べて、
熱損失を低減することができ、加湿ガスMGのガス温度
が高い状態を保つことができる。これは、水素ガスHd
や空気Adを加熱して、水素ガスHdや空気Adの飽和
水蒸気量を増加させることができるので、より多くの水
分を水素ガスHdや空気Adガスに供給でき、燃料電池
2の発電効率の向上に貢献する。また、本実施の形態で
は、一端側から他端側にかけて、孔31が均等に形成さ
れているため、内層S1と外層S2を通流する加湿ガス
MGの量はほぼ等しいので、空気Adと水素ガスHdは
ほぼ均等に加湿される。特に、仕切部材17に多数の孔
31を設けることで、加湿ガスMGを比較的高い温度で
外層S2に導くことができるので、外層S2を通流する
被加湿ガスの加湿効率も高く維持することができる。
【0030】ここで、本実施の形態の加湿モジュール1
3と、従来のモジュールの熱損失について以下に比較す
る。まず、熱損失としては、外気に放出される熱量や、
中空糸膜P1、P1に奪われる熱量等があるが、水素ガ
スHdおよび空気Adの加湿に用いる中空糸膜P1、P
2の長さLや本数、および、各ガスの流速が同じである
場合には、加湿モジュール13と従来の分離したモジュ
ールとの熱損失の差は、それぞれの表面積の差で表すこ
とができる。つまり、分離した二つのモジュールの中空
糸膜束のポッティング部の半径がr、面積がAである場
合、二つのモジュールの合計した表面積は、4πrL+
4Aとなる。一方、本実形態における加湿モジュール1
3は、二層構造を有するため、ポッティング部の半径は
1.4r(2の平方根を1.4と近似)、面積は2Aと
なり、表面積は、2.8πrL+4Aとなる。従って、
加湿モジュール13のほうが1.2πrLだけ表面積が
小さく、その分だけ外気に放出される熱量は少なくな
る。
【0031】次に、このような加湿モジュール13およ
び加湿装置3の製造工程について図4(a)、図5を用
いて説明する。加湿モジュール13は、まず最初に、内
層S1側の内側モジュールM1と、外層S2側で中空円
筒形状の外側モジュールM2を別々に製造する。図4
(a)および図5に示すように、内側モジュールM1
は、中心部材16と後に仕切部材17を構成する仕切部
材片17aとの間の空間に多数の中空糸膜P1を配置し
てポッティングすることにより製造される。図5に示す
ように外側モジュールM2は、仕切部材17を構成する
仕切部材片17bとハウジング12の間の空間に多数の
中空糸膜P2を配置してポッティングすることにより製
造される。
【0032】次に、内側モジュールM1を外側モジュー
ルM2の中空部分に挿入する。これにより、仕切部材片
17aと仕切部材片17bとが一体となり仕切部材17
を構成し、加湿モジュール13が完成する。ここで、仕
切部材片17aと仕切部材片17bには、同一箇所に同
一径の孔31a、31bが開穿されており、仕切部材片
17aが仕切部材片17bに内挿されたときに、各孔3
1a、31bが連通し、図2に示す仕切部材17の孔3
1を形成する。また、内側モジュールM1の外側モジュ
ールM2に対する挿入方向の位置や、回転方向の位相
は、図示しない凹凸部や、位置決めピン等により固定さ
れる。なお、一方の仕切部材片17a(17b)の孔径
を固定し、他方の仕切部材片17a(17b)の孔径を
変化させることで、仕切部材17の孔径を調整すること
も可能である。
【0033】そして、完成した加湿モジュール13の一
端側と他端側のそれぞれから図2に示すヘッドブロック
14、15で挟み込むようにして保持し、さらに、所定
の配管41〜46を施すことで加湿装置3の製造が完了
する。
【0034】このように、加湿モジュール13を内側モ
ジュールM1と外側モジュールM2とに分けて製造する
ことで、仕切部材17の孔31のサイズや、レイアウ
ト、形状の設定や変更が容易に行える。また、内層S1
の中空糸膜P1を、外層S2の中空糸膜P2と異なる材
質や径にする場合の加湿モジュール13の製造が容易に
なるという効果を有する。
【0035】さらに、仕切部材17の孔31の孔径や形
状を変えた場合の効果について、図6から図9を用いて
説明する。図6(a)、(b)に示す仕切部材57は、
一端側から他端側にかけて孔径が段階的に大きくなる三
種類の孔51、52、53を有している。すなわち、一
端側から流入し、内層S1から外層S2に流れる加湿ガ
スMGは、一端側の小径の孔51をほとんど通らない。
加湿ガスMGは、中間部分の孔52は多少は通るが、そ
の大部分は、他端側の大径の孔53を通る。このような
孔51、52、53を有する仕切部材57を用いると、
加湿ガスMGが内層S1を通流する時間を、外層S2を
通流する時間よりも長くできる。そして、加湿ガスMG
は内層S1の中空糸膜P1との接触面積が多くなるの
で、内層S1における水分交換を多く、外層S2におけ
る水分交換を少なく制御することができる。これは、少
ない加湿量で済む被加湿流体を外層S2において、より
多くの加湿が必要な被加湿流体を内層S1において同時
に加湿する場合に効果を発揮する。なお、図6(b)
は、孔51〜53が、それぞれ仕切部材片57aの孔5
1a〜53aと仕切部材片57bの孔51b〜53bで
形成される形態を示している。
【0036】また、図7(a)、(b)においては、仕
切部材67は、一端側から他端側にかけて孔径が段階的
に小さくなる三種類の孔61、62、63を有してい
る。すなわち、一端側から流入した、加湿ガスMGのほ
とんどは、一端側の大径の孔61を通じて内層S1から
外層S2に流れる。そして、残りの加湿ガスMGは、中
間部分の孔62は多少は通るが、他端側の小径の孔63
はほとんど通らない。このような孔61、62、63を
有する仕切部材67を用いると、加湿ガスMGが外層S
2を通流する時間を、内層S1を通流する時間よりも長
くできる。そして、加湿ガスMGは外層S2の中空糸膜
P2との接触面積が多くなるので、外層S2における水
分交換を多く、内層S1における水分交換を少なく制御
することができる。これは、少ない加湿量で済む被加湿
流体を内層S1において、より多くの加湿が必要な被加
湿流体を外層S2において同時に加湿する場合に効果を
発揮する。なお、図7(b)は、孔61〜63が、それ
ぞれ仕切部材片67aの孔61a〜63aと仕切部材片
67bの孔61b〜63bで形成される形態を示してい
る。ここで、図6(a)、図7(a)に示す孔51〜5
3、61〜63は、連続的に径が変化するような、さら
に多数の孔で置き換えても同様の効果を奏することがで
きる。
【0037】また、孔の形状は丸形状に限定されずに、
例えば、図8(a)の仕切部材71のように細長い形状
をした孔72であっても良い。孔72は、その長手方向
が加湿モジュール13の長手方向と交差するように形成
されている。孔72の形成位置および大きさは、隣り合
う孔72の少なくと一部が、加湿モジュール13の長手
方向において重なり合うような位置および大きさであ
る。このようにして孔72を形成すると、加湿モジュー
ル13を断面視した場合のすべての位相に加湿ガスを通
流させる開口があることになるので、加湿ガスMGを内
層S1から満遍なく外層S2に向けて通流させることが
でき、外層S2における加湿効率を向上させることがで
きる。
【0038】さらに、図8(b)の仕切部材73のよう
に楕円形状の孔74とすることもできる。孔74は、そ
の長手方向が加湿モジュール13の円周方向に長軸を有
する。孔74の形成位置および大きさは、図8(a)の
孔72と同様に、加湿モジュール13を断面視した場合
のすべての位相に加湿ガスを通流させる開口が形成され
るような位置および大きさである。この場合において
も、加湿ガスMGを内層S1から満遍なく外層S2に向
けて通流させ、外層S2における加湿効率を向上させる
という効果を得ることができる。
【0039】孔の向きは加湿モジュール13の半径方向
に限定されずに、例えば、図9(a)の仕切部材75の
ように、半径方向に向けて形成された一端側の孔77に
対して所定角度傾斜して形成されている孔76であって
も良い。孔76は他端側に向けて傾斜しており、この孔
76を通過する加湿ガスMGの流れを、より他端側に向
ける効果を有する。一方、図9(b)は、一端側に傾斜
する孔79を他端側に半径方向に向けて形成された孔8
0を配した仕切部材78を図示したものである。この場
合も孔79は、通過する加湿ガスMGの流れを他端側に
向ける効果を有する。
【0040】このように、孔の大きさや形状を変えるこ
とにより内層S1から外層S2に流れる加湿ガスMGの
流れを制御し、被加湿ガスの加湿量を制御することがで
きる。ここで、図8(a)に示す孔72の形状と、図9
(a)、(b)に示す傾斜した孔76、79を組み合わ
して、外層S2内にスパイラル状のガス流を形成しても
良い。さらに、図9(b)の傾斜した孔79の径を、図
6(b)の一端側の孔61のように小さくすることで、
通過する加湿ガスMGの量を少なくし、かつ、通過する
加湿ガスMGの流れの向きを他端側に向けることで外層
S2における加湿量をさらに減少させることもできる。
【0041】なお、本発明は前記の各実施の形態に限定
されずに、広く応用することが可能である。例えば、内
層S1の内側を通流する内層側流体を水素ガスHdと
し、外層S2の内側を通流する外層側流体を空気Adと
しても良い。また、内層側流体および外層側流体である
第二の流体を水分含有量の多い流体、例えば加湿ガスM
Gとし、中空糸膜P1、P2の外側を通流する第一の流
体を水分含有量が異なる流体、例えば水素ガスHdまた
は空気Adとしても良い。これらの場合であっても、確
実に水分含有量の少ない流体を加湿することができる。
さらに、使用する流体、および、加湿する用途は各実施
の形態に限定されずに、湿度の相対的に高い流体を用い
て湿度の低い流体を加湿する目的であれば如何なる用途
にも用いることができ、使用する流体も液体等、任意の
流体を用いることができる。また、図2に示す仕切部材
17を設けずに、内層S1と外層S2を通流する被加湿
流体の種類や中空糸膜P1、P2の種類等により区画し
ても良い。この場合は、仕切部材17がないことで、内
層S1と外層S2の加湿量をさらに均一にすることがで
きる。
【0042】そして、図3(a)に示す仕切部材17に
より、内層S1に含まれる中空糸膜P1の数と外層S2
に含まれる中空糸膜P2の数が、ほぼ同数となることが
望ましいが、仕切部材17の設置位置を変えたり、単位
面積当たりの中空糸膜P1の数を変えたりして、内層S
1に含まれる中空糸膜P1の数を相対的に増やしたり、
減らしたりすることもできる。さらに、図9(a)、
(b)に示す傾斜した孔76、79の傾斜方向は、一端
側でも、加湿モジュール13の円周方向であっても良
い。一端側に向いた孔は通過する加湿ガスMGの流れを
押し戻す作用を有する。また、内層S1から外層S2に
向けて縮径する孔を用いると、外層S2に流出する加湿
ガスMGの流速を増加することができる。この縮径構造
は仕切部材片17aの孔31aの径よりも小さい径の孔
31bを備えた仕切部材片17bにより簡単に実現でき
る。
【0043】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る発明は、第二の
流体を内側に通流させる中空糸膜を内層と外層の二層構
造にすることにより表面積の増加を抑え、加湿モジュー
ルから外気へ放出される熱量を低減することで加湿効率
を向上させることができる。従って、このような加湿モ
ジュールを燃料電池の加湿装置に用いると発電効率を向
上させることができる。また、本発明の請求項2に係る
発明は、第一の流体を加湿モジュールの内部通路から内
層に向けて、第一の流体を均一に分散して流出させるこ
とで、第一の流体を中空糸膜に均等に分配し、確実に加
湿することができる。さらに、本発明の請求項3に係る
発明は、内層と外層のそれぞれに別々の流体を通流させ
ることで二種類の第二の流体を用いた加湿が可能にな
り、装置レイアウトや配管の取り回しの自由度を向上で
きる。
【0044】そして、本発明の請求項4に係る発明は、
第二の流体の特性に合わせて、イオン水和型膜からなる
中空糸膜と、毛管凝縮型膜からなる中空糸膜を用いた。
従って、燃料電池システムに好適な加湿モジュールを得
ることができる。また、本発明の請求項5に係る発明
は、内層と外層を区分する仕切部材を有し、仕切部材に
複数の孔を設けた。従って、その配列や大きさを変更す
ることで、内層における加湿量と、外層における加湿量
を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の燃料電池システムの構成
図である。
【図2】加湿装置の断面図である。
【図3】図2の(a)X−X線断面図、(b)Y−Y線
断面図である。
【図4】(a)仕切部材の孔の配列を説明する図、
(b)加湿モジュールにおける加湿ガスの流れを説明す
る図である。
【図5】加湿モジュールの製造工程を説明する図であ
る。
【図6】(a)仕切部材の孔の配列を説明する説明図、
(b)加湿モジュールにおける加湿ガスの流れを説明す
る図である。
【図7】(a)仕切部材の孔の配列を説明する説明図、
(b)加湿モジュールにおける加湿ガスの流れを説明す
る図である。
【図8】(a)、(b)仕切部材の孔の配列を説明する
説明図である。
【図9】(a)、(b)向きの異なる孔を備えた仕切部
材を説明する一部断面図である。
【符号の説明】
1 燃料電池システム 2 燃料電池 3 加湿装置 10 中空糸膜束 (第一の中空糸膜束) 11 中空糸膜束 (第二の中空糸膜束) 13 加湿モジュール 16 中心部材 17、57、67 仕切部材 17a、17b 仕切部材片 19 内側通路 20 流出口 21 入口部 22 出口部 35a、35b 流出口 36a、36b 流入口 31、51、52、53、61、62、63 孔 31a、31b、72a、74a、77a、76a、7
9a、80a 孔 S1 内層 S2 外層 P1、P2 中空糸膜
フロントページの続き (72)発明者 島貫 寛士 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 鈴木 幹浩 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3L055 AA10 BA10 5H026 AA06 CX00 CX02 CX04 CX06 EE18 EE19 HH03 HH04 5H027 AA06 CC06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側と外側にそれぞれ流れる流体間で水
    分交換を可能にする中空糸膜を長手方向に沿って束ねた
    第一の中空糸膜束からなる内層と、前記第一の中空糸膜
    束の長手方向に沿って、その外周を囲むように中空糸膜
    を束ねた第二の中空糸束からなる外層とを有し、 前記内層の一端側かつ中心部近傍に、前記中空糸膜の外
    側を通流する第一の流体を導入する入口部を有し、前記
    外層の他端側かつ外周部に前記中空糸膜を通流した前記
    第一の流体を排出する出口部を有し、 前記内層、前記外層のそれぞれにおいて前記第一の流体
    とは水分含有量の異なる第二の流体を他端側から一端側
    まで前記中空糸膜の内側を通流させるための通流入口部
    および通流出口部を備えることを特徴とする加湿モジュ
    ール。
  2. 【請求項2】 前記内層の中心部には、長手方向に伸長
    する中心部材を有し、前記中心部材には、前記第一の流
    体が流れる内部流路を備え、前記内部流路には、前記第
    一の流体を前記外層に向けて流出させる流出口を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の加湿モジュール。
  3. 【請求項3】 前記第二の流体は、前記内層を通流する
    内層側流体と、前記外層を通流する外層側流体であり、
    前記通流入口部と前記通流出口部は、前記内層側流体と
    前記外層側流体とを独立に通流させることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の加湿モジュール。
  4. 【請求項4】 前記第一の中空糸膜束と、前記第二の中
    空糸膜束のいずれか一方はイオン水和型膜からなり、他
    方は毛管凝縮型膜からなることを特徴とする請求項1か
    ら請求項3のいずれか一項に記載の加湿モジュール。
  5. 【請求項5】 前記内層と前記外層を区分する仕切部材
    を有し、前記仕切部材は、前記内層と前記外層を連通さ
    せる複数の孔が開穿されていることを特徴とする請求項
    1から請求項4のいずれか一項に記載の加湿モジュー
    ル。
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