JP4441131B2 - 加湿モジュールの形状設定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は加湿モジュールの形状設定方法に関するものであり、特に、水透過型の中空糸膜を用いて中空糸膜の内外を通流する気体間で水分を移動させるようにした加湿モジュールの形状設定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7に従来のこの種、加湿モジュールを示す。加湿モジュール100は両端が開口する筒状のハウジング101を本体としている。ハウジング101内には多数本の中空糸膜102,102,…を充填して水分交換のための中空糸膜束103が形成され、また、ハウジング101の一端部側と他端部側とに、加湿される気体をハウジング101に通流するための入口104及び出口105が設けられる。ハウジング101の一端部と他端部とには、中空糸膜102,102,…の入口102Aから出口102Bに気体を通流すべくチャンバ状に形成された供給管106と排出管107とが取り付けられる。中空糸膜102,102,…は、ハウジング101の両端部内周面にポッティング部108,108を介して固定支持され、前記ハウジング101の両端部は、前記ポッティング部108,108によって閉鎖される。このため、中空糸膜102,102,…の内側の中空通路を通流する気体と外側を通流する気体とが混合することはない。
【0003】
係る加湿モジュール100において、各中空糸膜102の入口102Aから出口102Bに通流する気体として、例えば、水分を多く含む気体(以下、湿潤気体という)が通流され、ハウジング101の入口104から出口105に、乾燥気体(湿潤気体に対して水分の含まれる割合が少ない気体で、水分の含有量が0%の気体を含む)が通流されたときは、例えば、毛管凝縮作用によって、各中空糸膜102の外表面に移動した水分が、ハウジング101に通流された乾燥気体に回収される。よって、湿潤気体は水分が低下した状態で、また、乾燥気体は加湿された状態でそれぞれ各中空糸膜102の出口102B、ハウジング101の出口105から排出されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記加湿モジュール100の加湿能力、すなわち、湿潤気体から乾燥気体に水分を移す能力を向上するには、
▲1▼前記ハウジング101に対する中空糸膜102の充填数を増し、中空糸膜102の充填率を高める、
▲2▼加湿モジュール100,100同士を直列に接続する、
▲3▼加湿モジュール100,100同士を並列に接続する、
等、によって中空糸膜束103の総表面積(中空糸膜表面積×中空糸膜の本数)を増大することが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、中空糸膜102の外側を通流する乾燥気体は、所定の慣性をもって、ハウジング101の入口104からハウジング101内に入り、ハウジング101の出口105から外部に通流されるため、乾燥気体の流線を中心とした所定範囲内の中空糸膜102の表面には乾燥気体がほぼ均一に行き渡るが、それ以外には行き渡り難いといった問題がある。
つまり、ハウジング101を通流する乾燥空気の流速を所定値に設定しても、乾燥気体はハウジング101の入口104から中空糸膜102の長さ方向に対して略直角に入り込み、方向を転換してハウジング101の出口105に向かう。この際、乾燥気体は、慣性をもってハウジング101の入口104から入り込むので、乾燥気体が行き渡り難い部分(デッドスペース)が生じる。当然、この部分での水分交換、すなわち、加湿は、充分には行われない。
従って、単に、中空糸膜102の充填本数を増し、中空糸膜束103の総表面積を増加しても、総表面積に比例する程の加湿量の増大を図ることはできない。
特に、図7に示されるように、ハウジング101の入口104及び出口105がポッティング部108,108から離間させて形成されたときは、加湿に貢献する中空糸膜102の有効長が実質的に短くなってしまう。
よって、加湿モジュールを直列、あるいは並列に接続したときも、期待する程の加湿能力の向上を図ることはできない。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みて案出されたものであり、その目的は、筒状のハウジング内に挿入された各中空糸膜の外面に乾燥ガスを均一に行き渡らせ、その結果として、加湿能力を実質的に向上させることが可能な加湿モジュールの形状設定方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は前記目的を達成するために提案されたものであり、水透過型の中空糸膜を多数束ねた中空糸膜束の両端部をポッティング部により筒体内の一端と他端との間で固定支持し、該筒体に気体を通流して加湿するための入口と出口とを設けた加湿モジュールの形状設定方法であって、特定の中空糸膜を選定し、前記選定された中空糸膜の充填率と供給気体の流量を定めて特定の筒体内に収容する工程と、前記加湿モジュールを前記中空糸膜束の長さ方向に沿った所定の断面で見て、前記ポッティング部同士に挟まれる中空糸膜束が充填された領域に結ばれる最短長さLと前記領域に結ばれる対角線の長さAとの比L/A)、又は、前記ポッティング部同士に挟まれる中空糸膜束が充填された領域の前記中空糸膜束の高さDと前記領域に結ばれる最短長さLとの比D/L)のいずれか一方に基づいて求められる角度θと、中空糸膜によって加湿された供給気体の露点との関係を得る工程と、前記角度θと前記供給気体の露点との関係を用いて、所望の露点に対応する加湿モジュールの形状を少なくとも中空糸膜の有効長及び筒体の内径を含んで設定する工程とを有することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、先ず、特定の中空糸膜を選定し、前記選定された中空糸膜の充填率と供給気体の流量を定めて特定の筒体内に収容する。続いて、中空糸膜束の最短長さLと対角線の長さAとの比(L/A)、又は、中空糸膜束の高さDと最短長さLとの比(D/L)のいずれか一方に基づいて求められる角度θと、中空糸膜によって加湿された供給気体の露点との特性関係を得る。この得られた角度θと供給気体の露点との特性関係を用いて、所望の露点に対応する加湿モジュールの形状、例えば、中空糸膜の有効長や筒体の内径を設定する。この結果、本発明では、前記のようにして加湿モジュールの形状を設定することにより中空糸膜束の長さが長くなり、筒体の入口から出口に通流する気体が各中空糸膜膜の表面にほぼ均一に行き渡る。よって、例えば、前記筒体の入口から出口に乾燥気体が通流され、各中空糸の入口と出口とに湿潤気体が通流されるものとすると、湿潤気体より分離され、各中空糸膜の外表面に移動した水分のほぼ全量が乾燥気体に回収されることになる。このため、乾燥気体の加湿量は、単に、中空糸膜の充填本数を増し、中空糸膜束の総表面積を増加した場合と比較して増大する。また、寸詰まりの加湿モジュールに比べて、加湿モジュール(中空糸膜束)が長くなり、加湿に貢献する中空糸膜の有効長を長くすることも可能になる。なお、所定の断面とは、arccos(L/A)又はarctan(D/L)が最大になる断面である。このarccos(L/A)とarctan(D/L)は、得られた角度θに対応する。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、前記筒体内の長さ方向に内筒が少なくとも1本挿入され、前記内筒の一端部又は両端部が前記ポッティング部で支持されていることを特徴とする。この場合は、中空糸膜束の長さ方向の断面で見ると中空糸膜が分断されることになる。この分断された場合も、前記のようにして加湿モジュールの形状が設定される。
【0009】
すなわち、請求項1記載の発明において、選定された特定の中空糸膜の充填率と供給気体の流量を定めて特定の筒体内に収容し、中空糸膜束の最短長さLと対角線の長さAとの比(L/A)、又は、中空糸膜束の高さDと最短長さLとの比(D/L)のいずれか一方に基づいて求められる角度θと、中空糸膜によって加湿された供給気体の露点との特性関係を得た後、この得られた角度θと供給気体の露点との特性関係を用いて、所望の露点に対応する加湿モジュールの形状、例えば、中空糸膜の有効長や筒体の内径を設定すると、筒体の入口と出口とに通流する供給気体ポッティング部側にも行き渡る結果、デッドスペースが減少して供給気体が筒内全域に行き渡り、各中空糸膜の外周表面に移動した排出気体の水分の殆ど全てが、供給気体の加湿に利用されることになる
【0010】
請求項2記載の発明において、後記する発明の実施形態のように、前記筒体と前記内筒とに気体を通流するための入口と出口とを設けたとき、筒体の入口から筒体内に導入される供給気体は、筒体の入口側から離れた内筒に設けられた出口に集められて排出されるため、供給気体の行き渡り難い筒体の軸芯側の中空糸膜の外表面にも均一に行き渡ることになる
【0011】
なお、筒体内に複数の内筒を配置し、各中空糸膜の外表面に対し供給気体を均一に供給してもよい。この場合、内筒の数は、筒体の内径、及び中空糸膜の充填率によって一義的に決定され、内筒の位置は、中空糸膜に対して供給気体が全体均一に行き渡るよう定められる。
ちなみに、後記する発明の実施の形態では、2<arctan(D/L)≦19の高さD(厚さ)は、筒体の軸芯と前記内筒との軸芯を通る仮想線上の高さDとして、最大の高さDが適用される。このように複数の内筒を配置すると、内筒を1本も配置しない場合や1本しか配置しない場合と比較して、筒体の入口と出口とに通流する供給空気が全体に及んで均一に行き渡り、供給気体は、各中空糸膜の外表面に移動した水分を回収し、充分な水分を保有する湿潤気体となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、車両の燃料電池システムに適用された本発明の加湿モジュールの形状設定方法を図1乃至図6を参照して説明する。
【0013】
図6は燃料電池システムの概略図である。燃料電池1を中心として、空気移送通路2の上流側は燃料電池1のカソード極側ガス通路1aに空気を供給するための空気供給通路2aとなっており、下流側はカソード極側ガス通路1aから排出された排出空気を排出するための空気排出通路2bとなっている。
【0014】
空気供給通路2aの上流にはエアクリーナAFが設置されていて、浄化された空気を下流に供給するようになっており、空気供給通路2a及び空気排出通路2bには排出空気から供給空気に水分を回収するために水透過型の加湿モジュール4が取り付けられる。また、空気供給通路2aには、エアクリーナAFの下流でかつ、前記加湿モジュール4の上流側に、排出ガス移送手段としてのコンプレッサ(図示せず)が介設される。水素移送通路3は、燃料電池1のアノード極側ガス通路1bに供給水素を供給する水素供給通路3aと、このアノード極側ガス通路1bから排出された反応後の排出水素を排出するための水素排出通路3bとからなる。水素供給通路3aの上流端には水素を供給する水素供給源として、例えば、水素供給タンク(図示せず)が取り付けられ、水素供給源(図示せず)より下流側に向かって、調圧用としてのレギュレータ(図示せず)、水素循環ポンプ(図示せず)が順次、介設される。
【0015】
前記排出ガス移送手段としてのコンプレッサが作動されると、燃料電池1のカソード極側ガス通路1aを通過する供給空気、アノード極側ガス通路1bを通過する供給水素との化学反応によって発電が生じ、発電により生成された反応水が排出空気を加湿する。燃料電池1のカソード極側ガス通路1aから排出された排出空気は熱交換器(図示せず)を介して供給空気と熱交換され、所定温度(60〜74℃程度)に加熱される。
【0016】
図1(a)の右図は前記加湿モジュール4の軸芯方向(長手方向)に沿った断面図である。図示されるように、この加湿モジュール4は、両端部が開口する筒状のハウジング5を本体としていて、内部に多数の中空糸膜6,6,…の束を充填し、これら中空糸膜6,6,…の束により水分交換のための中空糸膜束7を形成している。中空糸膜6,6,…の両端部外周面はポッティング部8,8によって筒状のハウジング5の一端部内面と他端部内面とに固定支持され、ポッティング部8,8は、中空糸膜6,6,…の入口6Aと出口6Bを除いてハウジング5の両端開口を閉鎖している。また、前記ハウジング5の両端部には、各ポッティング部8,8に近接させて供給空気(乾燥気体)を通流させるための入口5Aと出口5Bとが形成される。
この場合、前記入口5Aと出口5Bは、各中空糸膜6の外表面全面に供給空気を行き渡らせるために、円周方向に間隔を有して、複数、好ましくは円周方向に等間隔隔てて8個形成される。そして、加湿モジュール4の各中空糸膜6の入口6Aと出口6Bは、図6に示されるように、空気排出通路2bに連通され、ハウジング5の入口5A及び出口5Bは空気供給通路2aに連通される。
【0017】
図1(a)の右図に示されるように、前記加湿モジュール4及び中空糸膜6,6,…は、前記中空糸膜束7の長さ方向に沿った所定の断面で見て、前記ポッティング部8,8同士に挟まれる中空糸膜束7が充填された領域に結ばれる最短長さ (中空糸膜束7を形成する各中空糸膜6,6,…の軸線方向の長さで最短なもの) Lと前記領域に結ばれる対角線の長さ (中空糸膜束7が固定されたポッティング部8,8のうち、一端のポッティング部8と、該ポッティング部8に接するハウジング5の内面とで作られる隅部と、他端のポッティング部8と、該ポッティング部8に接するハウジング5の内面とで作られる隅部とを結ぶ線のうち最長なもの) Aとの比L/Aが以下の条件1か、同じく、断面視して、前記ポッティング部8,8部同士に挟まれる中空糸膜束7が充填された領域の前記中空糸膜束7の高さ(厚さ)Dと前記領域に結ばれる最短長さLとの比D/Lが以下の条件2のいずれかを満たして形成される。
【0018】
条件1;2<arccos(L/A)=θ≦19
条件2;2<arctan(D/L)=θ≦19
但し、単位はdeg(度)であり、L/A及びD/Lは1よりも小さい。
【0019】
このように加湿モジュール4のL/A又はD/Lを前記条件1又は条件2のいずれかに対応させて決定すると、加湿モジュール4の長さが長くなる。すると、従来の加湿モジュール100では有効利用されていなかったデッドスぺースを少なくすることができる。すなわち、ハウジング5の入口5A及び出口5Bを中空糸膜束7の端部から各々同じ距離に設けたとすれば、長さが長くなればなるほど中空糸膜束7の全体に対する両端部分の割合は相対的に少なくなり、水分交換に対する中空糸膜6の有効利用が図られる。また、θを比較的小さな値、つまり2<θ≦19とすれば、対向流効果により加湿効率が上昇する。θを大きくして直交流に近いものとすると加湿効果は経験的に低下する。
【0020】
ここで、前記条件1又は条件2の上限値、及び下限を設定したのは以下の理由による。
図5に示すように、arccos(L/A) つまりθ、又はarctan(D/L)つまりθが19deg(度)を超えると、供給空気に対する加湿量が不足し、加湿後の供給空気の露点は急激に低下する。
【0021】
また、arccos(L/A)つまりθ、又はarctan(D/L)、つまりθが2deg(度)以下のときは、ハウジング5の内径は小さくなり、コンパクトさが達成されるが、単一のユニットとして見た場合は加湿の能力が小さくなり、結果的に、所定数の加湿モジュール4によって加湿を行うことになる。
しかし、加湿モジュール4の数を増し、加湿装置全体としての要求加湿量が満たされたときは、逆に、加湿装置全体としての放熱面積(加湿モジュール4の表面積×台数)が増大し、外気温度の影響を強く受けて、加湿気体を供給するための供給対象に対する供給空気の露点は低下する。
例えば、燃料電池システムで、ハウジング5の管路抵抗に基づいてハウジング5に対する中空糸膜6の充填量を60%とし、燃料電池1の要求出力に対応する供給空気の供給流量を500NLM〜4000NLM、燃料電池1の固体高分子膜に対する供給空気の露点を64〜74゜C、公称外径0.6mm、内径0.4mmの中空糸膜6により供給空気(乾燥空気)を加湿する加湿モジュール4を想定すると、この加湿モジュール4の各中空糸膜6の有効長は160mm、ハウジング5の内径は55mm、加湿モジュール4の台数は100、中空糸膜6の総数は5000本となり、θの値は、結果として2deg(度)となる。
この値では、加湿装置としてコンパクトさは一応、達成されるが、加湿装置全体として見た場合の加湿装置全体の放熱面積は逆に増大し、外気温度の影響を強く受け、結果的に、燃料電池1の固体高分子膜に対する供給空気の露点は相対的に低下し、加湿装置全体としての加湿能力は低下することになる。従って、θの下限は2degを超える値としなければならない。
よって、燃料電池1の供給空気を加湿するための加湿モジュール4としても前記条件1又は条件2が満足されたときは良好で安定した発電がなされることになる。
【0022】
図1(b)は、加湿モジュールの他の実施の形態を示す。なお、前記した実施の形態と同様な構成については、同一符号を付している。同図の左図に示すように、ハウジング5は、軸方向に直交する断面が、断面矩形(ひし形)に形成されている以外は、図1(a)に示した加湿モジュール4と同じであり、前記条件1又は条件2に基づいて形成される。
従って、この実施の形態でも、ポッティング部8,8に近い部分も加湿に利用され、供給空気(乾燥空気)の行き渡り難いデッドスペースは可及的に減少する。
よって、燃料電池1の供給空気を加湿するための加湿モジュール4としても良好で安定した発電が図られる。
もちろん、前記ハウジング5は軸方向と直交する方向の断面が矩形又は円管状に限定されるものではなく、前記条件1又は条件2が適用される限り、多角形、あるいは楕円形であっても同様の作用効果が発揮される。
ちなみに、図1(b)のひし形の形状については、Dの測定方向、つまり特許請求の範囲における「所定の断面」の取り方によっては、Dの値が色々と変わってくる。しかし、「所定の断面」とは、Dが最大となる所定の断面である。したがって、図1(b)の右図でいえば、ひし形の上下方向を最も高さのある部分で切断する断面が「所定の断面」に該当し、ひし形の横方向や斜め方向を切断する断面は「所定の断面」には該当しない。この点、楕円などや後記する内筒が挿入されている場合も同じであり、Dが最大となるような断面が「所定の断面」になる。
【0023】
図2及び図3は請求項2に係る加湿モジュールの形状設定方法が適用された一実施の形態を示す。この加湿モジュールも前記燃料電池システムの加湿装置として用いられる。なお、前記実施の形態と同一構成部については同一符号を付す。
【0024】
図2(a)の右図は加湿モジュール14の軸芯方向に沿った断面図である。図示されるように、この加湿モジュール14は、両端部が開口する筒状のハウジング15を本体としていて、このハウジング15に、軸芯方向に沿って内筒16を挿入し、内筒16と前記ハウジング15との間に充填され固化されたポッティング部18により、ハウジング15の両端部内周面に、内筒16の両端部外周面を固定支持している。
【0025】
ハウジング15の内周面と内筒16の外周面との間には、多数の中空糸膜6,6,…が充填され、前記実施の形態と同様、左右のポッティング部18,18に固定される。前記ハウジング15の一端側にはポッティング部18に近接させて入口19が形成され、内筒16の他端部にはポッティング部18に近接させて出口20が設けられる。前記入口19及び出口20は、周方向に間隔を隔てて複数、好ましくは、8個、設けられている。ハウジング15の入口19,19,…からハウジング15内に導入される供給空気(乾燥空気)は、内筒16の他端側に設けられた出口20,20,…から排出されるために、供給空気の行き渡り難い径方向の内方側の中空糸膜6の外表面にも均一に行き渡る。ここでのθも、前記実施の形態と同じ条件を満たすように、加湿モジュール14が設計される。
【0026】
従って、この実施の形態にあっても、前記条件1を満足する限り、ハウジング15の入口19と内筒16の出口20とに通流する供給空気がポッティング部18,18側にも行き渡り、つまりポッティング部18,18に近い部分の中空糸膜6も有効に活用することができる。よって、各中空糸膜6の外周表面に移動した排出空気の水分の殆どが、供給空気の加湿に利用される。また対向流効果により加湿効率が高まる。もちろん、ハウジング15は、図2(b)の左図に示すように、軸方向に直交する断面が矩形であってもよいが、多角形、あるいは楕円形であってもよい。
ちなみに、図2(a)の左図のように、ハウジング15内に内筒16が同芯円状に配されているときは、「所定の断面」は、図2(a)の右図に示すようにハウジング15及び内筒16の中心を通るようにする。かつ、ドーナツ状の中空糸膜束7の肉厚の最も厚い部分でDを決定する。この点、図2(b)のひし形の形状についても同じである。図2(a)の場合は、どの部分で測定してもDは同じになる。
【0027】
また、図2(c)に示すように、ハウジング15と内筒16との軸芯線は必ずしも一致する必要はないが、ハウジング15の軸心と内筒16との軸心を通る仮想線に対して中空糸膜束7の最大の高さ(厚さ)Dを前記条件1の高さDとし、この最大のD/Lが前記条件1に適用される。この結果、外気温度の影響が小さくなり安定した加湿性能が確保される。
ちなみに、この図2(c)の右図の場合の「所定の断面」も、図2(a)の場合と同じであり、最もDが大きな値になる断面である。この際、断面は、内筒16の軸芯線を通る(図2(a)及び(b)も同じである)。
もちろん、図3に示されるように、前記ハウジング15内に複数の内筒16を配置して、各中空糸膜6の外表面に、全体に及んで供給空気が均一に行き渡るようにしてもよい。内筒16の数は、ハウジング15の内径、及びハウジング15に収容される空中糸膜6の充填率によって一義的に決定され、内筒16の位置は、中空糸膜6に対して供給空気が全体均一に行き渡るように定められる。図3では、内筒16をハウジング15の軸芯側よりもハウジング15の内周面側に配置し、隣接する内筒16、16が三角形の頂点に位置するレイアウトとしている。
この場合に、ハウジング15の軸芯と前記各内筒16との軸芯を通る仮想線上の高さDを前記した所定の断面でそれぞれ求め、これら高さDの最大値が、前記2<θ≦19になる高さDとして適用される。本実施形態では、D1>D2>D3であるため、DがDの値として用いられる。なお、図3において、D1は一番上の内筒16に対応するものである。また、D2は右下の内筒16に対応するものである。また、D3は、左下の内筒16に対応するものである。
【0028】
この結果、図2(b)で説明したように、外気温度の影響を小さくした状態で、各中空糸膜6に対して全体一様に供給空気を供給することができる。つまり、ポッティング部18に近い部分の中空糸膜6を活用することができかつ、対向流効果により加湿が促進される。従って、燃料電池1に対して充分な加湿量の供給空気が供給され、燃料電池1は要求された電力を安定的に生成し、外部負荷を駆動することになる。
【0029】
なお、図4(a),(b)に示されるように、ハウジング5に形成する入口5A、出口5Bは中空糸膜6の中空通路を流れる気体、例えば、湿潤気体に対して外側を流れる気体、例えば、乾燥気体と向流方向(対向流)となるように、又は直交流方向となるように形成されるが、好ましくは、向流方向(対向流)とし、相対的な加湿量を増大するのが望ましい。
【0030】
なお、本発明は本発明の趣旨を逸脱しない限り種々の改変が可能であり、本発明はこの改変された発明に及ぶことは当然である。例えば、加湿モジュールは、燃料電池に適用されるものとして説明したが、燃料電池以外に、アルコール−水混合系、アセトン−水混合系の分離装置等、他の装置に適用することも可能である。また、図2(a)、図2(b)、図2(c)及び図3で示した内筒16は、出口20の設けられない一端部を閉鎖し、ポッティング部18に一端が固定されず他端のみがポッティング部18に支持されていても前記と同様の効果が得られる。
【0031】
【発明の効果】
前記一実施の形態に詳述したように、請求項1記載の発明は、中空糸膜束の長さを長くすることで、中空糸膜束を有効に活用することが可能になる(ポッティング部により影響を受ける部分の割合を低減することが可能になる)。この点、同じ中空糸膜束の長さでも、単に加湿モジュールを直列につないで長くするよりも、中空糸膜束の長さ方向の有効活用を行うことができる。また、中空糸膜束の長さを長くすることで、対向流効果による加湿を効率よく行うことができる。
【0032】
請求項2記載の発明は、さらに、供給気体の行き渡り難い筒体の軸芯側の中空糸膜の外表面に気体を行き渡らせることも可能になる。この結果、請求項1記載の発明と比較してより加湿性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示し、図1(a),(b)の右図は請求項1記載の発明に係る加湿モジュールの形状設定方法が適用された加湿モジュールの断面図、図1(a)の左図は右図のA−A線断面図、図1(b)の左図は右図のB−B線断面図である。
【図2】 本発明の一実施の形態を示し、図2(a),(b),(c)の右図はそれぞれ請求項2記載の発明に係る加湿モジュールの形状設定方法が適用された加湿モジュールの断面図、図2(a)の左図は右図のA−A線断面図、図2(b)の左図は右図のB−B線断面図、図2(c)の左図は右図のC−C線断面図である。
【図3】 本発明の一実施の形態を示し、請求項2記載の発明に係る加湿モジュールの形状設定方法が適用された加湿モジュールの半径方向に沿った断面図である。
【図4】 本発明の一実施の形態を示し、ハウジングに対する気体の入口、出口と、気体の流れ方向を説明するための解説図である。
【図5】 本発明の一実施の形態に係る加湿モジュールの形状設定方法における角度θ(arccos(L/A)、arctan(D/L))をパラメータとしたときの供給空気の露点変化を示す図である。
【図6】 本発明の一実施の形態に係る燃料電池の構成を示す解説図である。
【図7】 従来の加湿モジュールを示す断面図である。
【符号の説明】
4 加湿モジュール
5 ハウジング(筒体)
6 中糸膜
7 中空糸膜束
8 ポッティング部
5A 入口
5B 出口

Claims (2)

  1. 水透過型の中空糸膜を多数束ねた中空糸膜束の両端部をポッティング部により筒体内の一端と他端との間で固定支持し、該筒体に気体を通流して加湿するための入口と出口とを設けた加湿モジュールの形状設定方法であって、
    特定の中空糸膜を選定し、前記選定された中空糸膜の充填率と供給気体の流量を定めて特定の筒体内に収容する工程と、
    前記加湿モジュールを前記中空糸膜束の長さ方向に沿った所定の断面で見て、前記ポッティング部同士に挟まれる中空糸膜束が充填された領域に結ばれる最短長さLと前記領域に結ばれる対角線の長さAとの比L/A)、又は、前記ポッティング部同士に挟まれる中空糸膜束が充填された領域の前記中空糸膜束の高さDと前記領域に結ばれる最短長さLとの比D/L)のいずれか一方に基づいて求められる角度θと、中空糸膜によって加湿された供給気体の露点との関係を得る工程と、
    前記角度θと前記供給気体の露点との関係を用いて、所望の露点に対応する加湿モジュールの形状を少なくとも中空糸膜の有効長及び筒体の内径を含んで設定する工程と、
    を有することを特徴とする加湿モジュールの形状設定方法
  2. 前記筒体内の長さ方向には、内筒が少なくとも1本挿入され、前記内筒の一端部又は両端部が前記ポッティング部で支持されていることを特徴とする請求項1に記載の加湿モジュールの形状設定方法
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