(冷蔵庫の全体構成)
図1は、本実施形態の冷蔵庫の正面外形図である。図2は、冷蔵庫の庫内の構成を表す図1におけるX−X縦断面図である。図3は、冷蔵庫の庫内の構成を表す正面図である。図4は、図2の要部拡大説明図であり、冷気ダクトや吹き出し口の配置などを示す図である。
図1に示すように、本実施形態の冷蔵庫1は、上方から、冷蔵室2,製氷室3及び上段冷凍室4,下段冷凍室5,野菜室6を有する。一例として、冷蔵室2及び野菜室6は、およそ3〜5℃の冷蔵温度帯の貯蔵室である。また、製氷室3,上段冷凍室4及び下段冷凍室5は、およそ−18℃の冷凍温度帯の貯蔵室である。また、冷蔵室2内には、チルド室28dが設けられている。チルド室2dは、およそ1℃の温度帯の貯蔵室である。
冷蔵室2は前方側に、左右に分割された観音開き(いわゆるフレンチ型)の冷蔵室扉2a,2bを備えている。製氷室3,上段冷凍室4,下段冷凍室5,野菜室6は、それぞれ引き出し式の製氷室扉3a,上段冷凍室扉4a,下段冷凍室扉5a,野菜室扉6aを備えている。
また、冷蔵庫1は、上記各貯蔵室に設けた扉の開閉状態をそれぞれ検知する扉センサ(図示なし)と、各扉が開放していると判定された状態が所定時間、例えば、1分間以上継続された場合に、使用者に報知するアラーム(図示なし)と、冷蔵室2の温度設定や上段冷凍室4や下段冷凍室5の温度設定をする温度設定器(図示なし)等を備えている。
図2に示すように、冷蔵庫1の庫外と庫内は、内箱10aと外箱10bとの間に発泡断熱材(発泡ポリウレタン)を充填することにより形成される断熱箱体10により隔てられている。また、冷蔵庫1の断熱箱体10は複数の真空断熱材36を実装している。
庫内は、上断熱仕切壁28により冷蔵室2と、上段冷凍室4及び製氷室3(図1参照、図2中で製氷室3は図示されていない)とが隔てられ、下断熱仕切壁29により、下段冷凍室5と野菜室6とが隔てられている。
冷蔵室扉2a,2bの庫内側には複数の扉ポケット32が備えられている(図1,図2参照)。また、冷蔵室2は複数の棚37が設けられている。棚37により、冷蔵室2は縦方向に複数の貯蔵スペースに区画されており、さらに最下段の貯蔵スペースにはチルド室2dが設けられている。
図2に示すように、上段冷凍室4,下段冷凍室5及び野菜室6は、それぞれの貯蔵室の前方に備えられた扉と一体に、収納容器3b,4b,5b,6bがそれぞれ設けられている。そして、製氷室扉3a,上段冷凍室扉4a,下段冷凍室扉5a及び野菜室扉6aは、それぞれ図示しない取手部に手を掛けて手前側に引き出すことにより、収納容器3b,4b,5b,6bが引き出せるようになっている。
また、チルド室2dは前方開口を開閉するチルド室扉(図示せず)が設けられている。そして、冷蔵室扉2a,2bを開いた状態において、チルド室扉の把手部(図示せず)に手を掛けてチルド室扉を手前側に引き出すことにより、チルド室2dの収納容器が引き出せるようになっている。
図2及び図3に示すように、冷却器7は下段冷凍室5の略背部に備えられた冷却器収納室8内に設けられている。また、冷却器収納室8内であって、冷却器7の上方には送風機9が設けられている。冷却器7で熱交換して冷やされた空気(以下、冷却器7で熱交換した低温の空気を「冷気」という)は、送風機9によって冷蔵室送風ダクト11,野菜室送風ダクト25,上段冷凍室送風ダクト12,下段冷凍室送風ダクト13及び図示しない製氷室送風ダクトを介して、冷蔵室2,野菜室6,上段冷凍室4,下段冷凍室5,製氷室3の各貯蔵室へそれぞれ送られる。各貯蔵室への送風は、第一のダンパ装置20と第二のダンパ装置50の開閉により制御される。
ここで、第一のダンパ装置20は2つの開口部を備えた所謂ツインダンパ装置である。第一の開口20aは冷蔵室送風ダクト11への送風を制御し、第二の開口20bは野菜室送風ダクト25への送風を制御する構成である。
ちなみに、冷蔵室2,製氷室3,上段冷凍室4,下段冷凍室5及び野菜室6への各送風ダクトは、図3に破線で示すように冷蔵庫1の各室の背面側に設けられている。
具体的には、第一のダンパ装置20の第一の開口20aが開状態,第二のダンパ装置50が閉状態のときには、冷気は、冷蔵室送風ダクト11を経て多段に設けられた吹き出し口2cから冷蔵室2に送られる。
第一のダンパ装置20の第二の開口20bが開状態,第二のダンパ装置50が閉状態のときには、冷気は、野菜室送風ダクト25を経て、吹き出し口6cから野菜室6に送られる。
なお、冷蔵室2を冷却した冷気は、冷蔵室2の下部に設けられた戻り口2eから冷蔵室戻りダクト16を経て、冷却器収納室8の正面から見て、右側下部に戻る。また、野菜室6からの戻り空気は、戻り口6dから野菜室戻りダクト6eを経て、冷却器収納室8の下部に戻る。
第二のダンパ装置50が開状態のとき、冷却器7で熱交換された冷気が庫内送風機9により図示省略の製氷室送風ダクトや上段冷凍室送風ダクト12を経て吹き出し口3c,4cからそれぞれ製氷室3,上段冷凍室4へ送風される。また、下段冷凍室送風ダクト13を経て吹き出し口5cから下段冷凍室5へ送風される。このため、上記第二のダンパ装置50は、後述する送風機カバー56部の上方に取り付けられ、先の、製氷室3への送風を容易にしている。
また、上段冷凍室4,下段冷凍室5,製氷室3を冷却した冷気は、下段冷凍室5の奥下部に設けられた冷凍室戻り口17を介して、冷却器収納室8に戻る。
そして図4において、吹き出し口3c,4c,5cを形成するのが仕切部材54である。この仕切部材54は上段冷凍室4,製氷室3及び下段冷凍室5と、冷却器収納室8とを区画する。
55は、庫内送風機9が取り付けられる送風機支持部材である。この送風機支持部材55は、冷却器収納室8と仕切部材54間に設けられて区画している。
送風機9は、この送風機支持部材55に取り付けられている。56は送風機カバーで、送風機9の前面を覆っている。この送風機カバー56と仕切部材54との間には、製氷室送風(図示せず)、上段冷凍室送風ダクト12及び下段冷凍室送風ダクト13が形成されている。また、この送風機カバー56の上部は、先の第二のダンパ装置50が設けられた吹き出し口56aを形成している。
また、この送風機カバー56は、送風機9の前面を覆う整流部56bを備える。整流部56bは、送風機9に対向する中央付近が送風機9側に突出した形状を有する。これによって、吹き出す冷気が引き起こす乱流を整流して、冷却効率を向上すると共に、騒音等の発生を防止することができる。
また、送風機カバー56は、仕切部材54との間に送風機9より吹き出された冷気を吹き出し口3c,4c,5c等に導くべく、上段冷凍室送風ダクト12及び下段冷凍室送風ダクト13の後壁を形成している。
さらに、風機カバー56は送風機9が吹き出す冷気を第一のダンパ装置20側に送風する役目も果たしている。すなわち、送風機カバー56部に設けられた第二のダンパ装置50側に流れない余剰の冷気は、図4に示すように、冷蔵室ダクト15を経由して第一のダンパ装置20側へと流れる。
そして、冷凍温度帯室(上段冷凍室4,下段冷凍室5及び製氷室3)と、冷蔵温度帯室(冷蔵室2及び野菜室6)との両方の貯蔵室に冷却器7を経た冷気を送る場合には、大部分の冷気が第二のダンパ装置50側に送られて、残りのわずかの冷気がこの冷蔵室ダクト15側に送られるよう構成されている。
さらに、冷蔵室ダクト15に導かれた冷気は、第一のダンパ装置20の第一の開口20aのみが開口している場合には、冷蔵室送風ダクト11に導かれる。第二の開口20bのみが開口している場合には、野菜室送風ダクト25に導かれる。第一の開口20aと第二の開口20bの両方が開口している場合には、冷蔵室送風ダクト11と野菜室送風ダクト25の両方に導かれる。
また、第一のダンパ装置20の第二の開口20bは、野菜室送風ダクト25ではなく、チルド室2dに導かれる構成としてもよい。この構成の場合、チルド室2dを通常のチルド温度帯(およそ1℃)よりも低い氷温帯(およそ−1℃)とする温度切り替えが可能となる。すなわち、水分が多い食品等の凍らせたくないものはチルド温度帯,肉や魚等の凍らせて貯蔵したいものは氷温帯とするように、使用者が貯蔵温度帯を選択可能な構成とすることで、食品に合わせた適材適温の保存ができる。
なお、上記の第一のダンパ装置20は、図4にも示す如く冷蔵室2の後部に取り付けられているものである。
また、冷却器7の下方に除霜ヒータ22が設置されており、除霜ヒータ22の上方には、除霜水が除霜ヒータ22に滴下することを防止するために、上部カバー53が設けられている。
冷却器7及びその周辺の冷却器収納室8の壁に付着した霜の除霜(融解)によって生じた除霜水は、冷却器収納室8の下部に備えられた水受け部23に流入した後に、排水管27を介して後記する機械室19に配された蒸発皿21に達し、後記する圧縮機24及び凝縮器(図示せず)の熱により蒸発させられる。
また、冷却器7の正面から見て右上部には冷却器7に取り付けられた冷却器温度センサ35,冷蔵室2には冷蔵室温度センサ33,下段冷凍室5には冷凍室温度センサ34がそれぞれ備えられており、それぞれ冷却器7の温度(以下、「冷却器温度」という)、冷蔵室2の温度(以下、「冷蔵室温度」という)、下段冷凍室5の温度(以下、冷凍室温度と称する)を検知する。
さらに、冷蔵庫1は、庫外の温湿度環境(外気温度,外気湿度)を検知する図示しない外気温度センサと外気湿度センサを備えている。なお、野菜室6にも野菜室温度センサ33aを配置しても良い。
断熱箱体10の下部背面側には、機械室19が設けられており、機械室19には、圧縮機24及び図示しない凝縮器が収納されており、図示しない庫外送風機により凝縮器の熱が除熱される。ちなみに、本実施形態では、イソブタンを冷媒として用い、冷媒封入量は約80gと少量にしている。
冷蔵庫1の天井壁上面側にはCPU,ROMやRAM等のメモリ,インターフェース回路等を搭載した制御基板31が配置されている。制御基板31は、前記した外気温度センサ,外気湿度センサ,冷却器温度センサ35,冷蔵室温度センサ33,冷凍室温度センサ34,各貯蔵室扉の開閉状態をそれぞれ検知する前記した扉センサ,冷蔵室2内壁に設けられた図示しない温度設定器,下段冷凍室5内壁に設けられた図示しない温度設定器等と接続する。そして、前記ROMに予め搭載されたプログラムにより、圧縮機24のON/OFFや回転数の制御,第一のダンパ装置20及び第二のダンパ装置50を個別に駆動する後述するそれぞれの駆動モータの制御,庫内送風機9のON/OFFや回転速度の制御,前記庫外送風機のON/OFFや回転速度等の制御,前記した扉開放状態を報知するアラームのON/OFF等の制御を行う。
次に、第一のダンパ装置20が閉状態で、且つ第二のダンパ装置50が開状態で、冷凍温度帯室(製氷室3,上段冷凍室4及び下段冷凍室5)のみの冷却が行われている場合、製氷室3に製氷室送風ダクトを介して送風された冷気及び上段冷凍室4に上段冷凍室送風ダクト12(図2参照)を介して送風された冷気は、下段冷凍室5に下降する。そして、下段冷凍室5に下段冷凍室送風ダクト13(図2参照)を介して送風された冷気とともに、図4中に矢印Cで示す冷凍室戻り空気のように流れる。すなわち、下段冷凍室5の背面下部に配された冷凍室戻り口17を経由して冷却器収納室8の下部前方から冷却器収納室8に流入し、冷却器配管7aに多数のフィンが取り付けられて構成された冷却器7と熱交換する。
ちなみに、冷凍室戻り口17の横幅寸法は、冷却器7の幅寸法とほぼ等しい横幅である。
一方、第一のダンパ装置20が開状態で、且つ第二のダンパ装置50が閉状態で、冷蔵温度帯室(冷蔵室ないし野菜室6)のみの冷却が行われている場合、冷蔵室2からの戻り冷気は、図3中に矢印Dで示す冷蔵室戻り空気のように、冷蔵室戻りダクト16を介して、冷却器収納室8の側方下部から冷却器収納室8に流入し、冷却器7と熱交換する。
なお、第一のダンパ装置20の第二の開口20bを経由して野菜室6を冷却した冷気は、図4に示す如く、戻り口6d(図4参照)を介して、冷却器収納室8の下部に流入するが、風量は冷凍温度帯室を循環する風量や冷蔵室2を循環する風量に比べて少ない。
上記にて説明したように、冷蔵庫1内の冷気の切り替えは、第一のダンパ装置20および第二のダンパ装置50それぞれを適宜に開閉することにより行う構成である。
(ダンパ装置の構成)
次に、図5から図7を用いて、第一のダンパ装置20(ツインダンパ装置)の構成と動作の一例について説明する。図5は、第一のダンパ装置20の構成の一例を示す斜視図である。図6は、図5を紙面の裏面方向から見た図である。図7は、図5におけるY−Y方向の断面図である。
第一のダンパ装置20は、第一の開口62aを形成する第一のフレーム63aと、第二の開口62bを形成する第二のフレーム63bとを有する。第一の開口62aと第二の開口62bは、横長で長方形状の開口であり、略同一面となるように第一のフレーム63a及び第二のフレーム63bにそれぞれ形成されて配置される。なお、第一のフレーム63a及び第二のフレーム63bは、例えば樹脂製とする。
第一のフレーム63aと第二のフレーム63bとの間には、駆動手段60が配置される。駆動手段60はケース60a内に収納されて、第一のフレーム63a及び第二のフレーム63bのそれぞれの高さよりも突出した形態であり、モータや減速歯車などの駆動系を備える。そして、駆動手段60の第一のフレーム63aに接する側に第一の駆動軸61a、駆動手段60の第二のフレーム63bに接する側に第二の駆動軸61bが設けられ、駆動手段60からの駆動力をそれぞれ出力する。なお、ケース60aと第一のフレーム63a又は第二のフレーム63bの少なくともいずれかを一体で構成した場合でも、上記形状であれば特に限定されない。
第一の駆動軸61aには、第一の開閉体64aの一端が軸周りに回転自在に接続される。第一の開閉体64aの他端は、第一のフレーム63aに設けられた第一の支軸65aに支持されている。また、第一の開閉体64aは、第一のフレーム63aの第一の開口62aに対向して設けられており、第一の開閉体64aが回動することにより、第一の開口62aを開閉する構成である。すなわち、第一の開閉体64aは、第一の駆動軸61aと第一の支軸65aとを結んだ回動軸のまわりに揺動自在であり、かつ前記回動軸は第一の開閉体64aの長手方向の一辺と沿うように略平行に、その一辺の近傍に配置されている。
また、第一の開閉体64aは、樹脂製の板状の第一の開閉板640aと、第一の開閉板640aの一面に発泡ウレタンや発泡ポリエチレンといった柔軟な材料で成形されたシール部材である第一の密閉部材641aを備える。
第二の開閉体64bは、第一の開閉体64aと基本構成は同様である。具体的に、第二の駆動軸61bに、第二の開閉体64bの一端が軸周りに回転自在に接続される。第二の開閉体64bの他端は、第二のフレーム63bに設けられた第二の支軸65bに支持されている。また、第二の開閉体64bは、第二のフレーム63bの第二の開口62bに対向して設けられており、第二の開閉体64bが回動することにより、第二の開口62bを開閉する構成である。すなわち、第二の開閉体64bは、第二の駆動軸61bと第二の支軸65bとを結んだ回動軸のまわりに揺動自在であり、かつ前記回動軸は第二の開閉体64bの長手方向の一辺と沿うように略平行に、その一辺の近傍に配置されている。
第一の開閉体64aの回転軸と、第二の開閉体64bの回転軸は、互いに延長線上で交差しない位置関係で設けられている。すなわち、第一の駆動軸61aと第二の駆動軸61bは、駆動手段60を収納したケース60aの一側面と他側面にそれぞれ配置されている。そして、第一の駆動軸61aを設けた第一の開閉体64aの長手方向の一辺とは対向する他辺側に、第二の駆動軸61bを設けている。すなわち、第一の駆動軸61aと第二の駆動軸61bは、軸芯をずらして対向するように配置している。
図5から図7は、第一の開閉体64aと第二の開閉体64bとが閉鎖された状態を示している。第一のフレーム63aには、第一の開口62aの内周に沿って第一の開閉体64a側に突出した第一の接触部66aが設けられている。そして、第一の開閉体64aは閉位置において、柔軟な第一の密閉部材641aが第一の接触部66aと弾性変形する程度に接触する。これによって、第一の開口62aを通して冷気が流れることを抑制する。モータを回転させると、第一の駆動軸61aを介して第一の開閉体64aが矢印方向(図5,図7参照)におよそ90°回動して第一の開閉体は64a′で示した開位置となり、開位置と閉位置との間を第一の開閉体64aが回転動作することによって、開位置においては第一の開口62aを冷気が通過することができ、閉位置においては冷気の流れを阻止して閉鎖する構成である。
第二の開閉体64bについても同様な構成であり、詳細な説明は省略する。
(駆動手段の構成)
次に、駆動手段60の構成の一例について図8から図15を用いて説明する。
図8から図10は、駆動手段60の構成を透視図として示した概略斜視図である。図8は図5と同方向の斜視図であり、図9と図10とは図5のT方向からの斜視図を示している。また、図9は第一の開閉体64aと第二の開閉体64bとがともに閉鎖した状態、図10はともに開放した状態である。
図11は図5におけるU−U断面図、図12は図5におけるV−V断面図である。図13は図11におけるZ−Z断面図、図14は図10におけるW−W断面図である。図15はアイドラギヤ73と間欠ギヤ76との位置関係を示す説明図である。
駆動手段60はケース60aに収納されている。駆動手段60はモータ70を内在している。モータ70の出力軸71にはピニオンギヤ72が設けられており、モータ70の駆動とともに回転してトルクを出力する。アイドラギヤ73は、アイドラ支点74のまわりに回動自在に軸支された減速歯車である。アイドラギヤ73の外周には、ピニオンギヤ72とかみ合うギヤ73aを備え、ピニオンギヤ72からのトルクを減速しながら伝達する。
クランクギヤ77は、クランクギヤ支点78のまわりに回転自在に軸支されており、クランクギヤ77の外周には、アイドラギヤ73と噛み合うギヤ77aを備え、アイドラギヤ73から回転トルクを受けて回転する。クランクギヤピン77bは、クランクギヤ支点78から偏心して設けられている。
クランクアーム79は、第一の駆動軸61aのまわりに回動自在である。なお、駆動手段60には第一の軸孔60bが設けられており(図14参照)、クランクアーム79は第一の軸孔60bのまわりに回転自在に軸支されている。第一の駆動軸61aが第一の開閉体64aと嵌合されており、第一の開閉体64a(第一の開閉板640a,密閉部材641a)とクランクアーム79とは連結されて一体として回動する。すなわち、第一の開閉体64aは該第一の開閉体64aの長手方向の駆動軸(第一の開閉体64aの一端が第一の駆動軸61aに軸支され、他端が第一の支軸65aに軸支された駆動軸)回りに駆動する。
クランクアーム79の第一の駆動軸61aと反対側の他端は、円柱状の嵌合軸79cをなしている。嵌合軸79cは、駆動手段60から延伸された円筒状の軸受部85に回転自在に嵌合されている。これにより、クランクアーム79は両端を第一の軸孔60bと軸受部85とによって回転自在に支持される構成である。
クランクアーム79には、クランクアームピン79aが第一の駆動軸61aから偏心して設けられている。連結棒80の一端80aはクランクギヤピン77bと回転自在に嵌合し、他端80bはクランクアームピン79aと回転自在に嵌合している。すなわち、クランクギヤ77が回転すると連結棒80を介してクランクアームピン79aが揺動し、クランクアーム79を介して第一の開閉体64aが開閉する構成である。
間欠ギヤ76はアイドラギヤ73と同軸のアイドラ支点74のまわりに回転自在に軸支されており、アイドラギヤ73から回転トルクを受けて回転する。図15によりアイドラギヤ73と間欠ギヤ76の構成を詳細に説明すると、アイドラギヤ73の一部の間欠ギヤ76に面した側には回転中心まわりに角度θ1を除いた範囲に扇形の突起73bが設けられている。
間欠ギヤ76の一部には、第一の部分歯車76bが、例えば間欠ギヤ76が90°回転する範囲のみに設けられている。間欠ギヤ76の第一の部分歯車76b以外の部分には、円柱状をなした円柱部76cが設けられている。この円柱部76cの外径は、第一の部分歯車76bの歯先部の直径と等しい。第一の部分歯車76bの設けられている側の角度θ2の範囲には扇形の突起76dが設けられている。
ここで、扇形の突起76dは、アイドラギヤ73の突起73bが設けられていないθ1の範囲に嵌合されている。そして、θ1>θ2として、アイドラギヤ73を一方向に回転して、突起73bの一方の端面73b1が、間欠ギヤ76の突起76dの一方の端面76d1に当接した後、間欠ギヤ76はアイドラギヤ73と同期して回転する。さらにその後、アイドラギヤ73を反対方向に回転させた場合、角度(θ1−θ2)の範囲は扇形の突起76dとアイドラギヤ73の突起73bとは接触しない。これにより、互いに空転してアイドラギヤ73だけが回転する。そして、間欠ギヤ76の突起76dの他方の端面76d2が、アイドラギヤ73の突起73bの他方の端面73b2に接触した後は、間欠ギヤ76はアイドラギヤ73と同期して回転する。
すなわち、間欠ギヤ76はアイドラギヤ73が一方向に角度(θ1−θ2)だけ回転する間は、停止した後に同期して回転する。アイドラギヤが他方に回転すると、やはり角度(θ1−θ2)だけ回転する間は停止した後に同期して回転する構成である。
図8,図11及び図13に示すように、アイドラギヤ73がケース60aの内側壁面に近接した面には扇形の凹部73cが設けられており、ケース60aの内側壁面には内方に突出した突起81が設けられている。そして、扇形の凹部73cの内側で突起81に嵌合することで、アイドラギヤ73の回転角度範囲を所定の角度θ3に規制している。
次に、図13に示すように、出力ギヤ75は、第二の駆動軸61bのまわりに回動自在に軸支される。出力ギヤ75の一端は、駆動手段60に設けられた第二の軸孔60cに回転自在に嵌合されている。第二の駆動軸61bは、第二の開閉体64bと嵌合されており、第二の開閉体64b(第二の開閉板640b,密閉部材641b)と出力ギヤ75とは連結されて一体として回動する。すなわち、第二の開閉体64bは該第二の開閉体64bの長手方向の駆動軸(第二の開閉体64bの一端が第二の駆動軸61bに軸支され、他端が第二の支軸65bに軸支された駆動軸)回りに駆動する。
出力ギヤ75の第二の駆動軸61bと反対側の他端は、円柱状の嵌合軸75eをなしている。嵌合軸75eは、駆動手段60から延伸された円筒状の軸受部84に回転自在に嵌合される。これにより、出力ギヤ75は両端を第二の軸孔60cと軸受部84とによって回転自在に支持される構成である。
出力ギヤ75の一部には、第二の部分歯車75bが設けられている。第二の部分歯車75bは、間欠ギヤ76の一部に設けられた部分歯車76bとかみ合う。出力ギヤ75は間欠ギヤ76と連動して、例えば90°だけ回転する。出力ギヤ75の部分歯車75bを挟んで両側には、円弧形状をした第一のストッパ75cと第二のストッパ75dとが設けられる。出力ギヤ75の第一のストッパ75cと第二のストッパ75dは、第二の開閉体64bが開位置および閉位置において間欠ギヤ76の円柱部76cと互いに接触する位置関係にある円弧形状である。出力ギヤ75が部分歯車75bのかみ合う範囲であるおよそ90°回動することにより、出力ギヤ75と連結された第二の開閉体64bが回動して開閉し、その後、第一のストッパ75cまたは第二のストッパ75dが間欠ギヤ76の円柱部76cと接触して回動規制される。
第一のダンパ装置20は図3又は図4に示すように冷蔵室送風ダクト11の内部に設けられる。よって、駆動手段60は小型化が求められ、特に回転軸方向の厚さを低減して第一の開閉体64aと第二の開閉体64bとの互いの間隔を狭めて配置することが望ましい。先に説明したように、モータ70を回転させると、アイドラギヤ73はクランクギヤ77,連結棒80,クランクアーム79を介して第一の駆動軸61aのまわりに第一の開閉体64aを回転駆動させる、いわゆるクランク機構である。それとともにアイドラギヤ73は、間欠ギヤ76,出力ギヤ75を介して第二の駆動軸61bのまわりに第二の開閉体64bを回転駆動させる構成であり、部分歯車の噛み合わせにより駆動される、いわゆる間欠歯車機構である。
ここで、第一の駆動軸61aと第二の駆動軸61bとを同軸に配置しようとすれば、クランク機構と間欠歯車機構とを互いに干渉しないよう回転軸方向に縦に重ねて実装しなければならない。すると、駆動手段60を収納するケース60aが回転軸方向に厚くなって好ましくない。そこで、クランク機構と間欠歯車機構とを横並びに配置して駆動手段60の薄型化を図ることが望ましい。
そのために、図9から図12に示すように、第一の駆動軸61aと第二の駆動軸61bとは互いにアイドラギヤ73を挟んで相対する位置に設ける。さらにアイドラギヤ73に対してクランクギヤ77と出力ギヤ75とをほぼ相対する位置に配置する。クランクギヤ77と出力ギヤ75の間には、モータ70を配置してピニオンギヤ72とアイドラギヤ73とを噛み合わせる。さらにクランク機構を構成する連結棒80とクランクアーム79とが、アイドラギヤ73と同軸に回動する間欠ギヤ76やモータ70と干渉しないように互いに横並びに配置する。すなわち、第一の開閉体64a及び第二の開閉体64bは、それぞれの回転軸(第一の駆動軸61aと第二の駆動軸61b)まわりに駆動するように配置して、第一の開閉体64aの回転軸と第二の開閉体64bの回転軸は対向するように、いわゆる同芯軸でなく異軸配置としている。これにより、本実施形態では駆動手段60の薄型化を図っている。図13,図14に示すように、駆動手段60の厚さはモータ70とピニオンギヤ72の厚さの合計にほぼ等しい。
さらに、第一の開閉体64a及び第二の開閉体64bがいずれも閉じた状態において、第一の開閉体64aの第一の駆動軸61aから最も遠い側の辺は第二の駆動軸61bの近傍にあり、第二の開閉体64bの第二の駆動軸61bから最も遠い側の辺は第一の駆動軸61aの近傍にあるように互い違いに配置する。さらに互いに開き方向を逆向きにすれば、第一の開閉体64a及び第二の開閉体64bが閉じた状態では、第一の開閉体64aと第二の開閉体64bは駆動手段60を挟んで互いにほぼ同一面に配置される。この構成により、実装しやすく、小型化に適したものとなる。
さらに、クランクアーム79と出力ギヤ75とは同軸ではなく互いに異なる軸のまわりに回転自在に軸支している。それと共に、一端を駆動手段60に設けられた第一の軸孔60bと嵌合し、他端を円筒状の軸受部85に嵌合している。すなわち、両持ちで支持できるためにガタが少なく、精度よく回転支持される構成である。したがって、第一の開閉体64aと第二の開閉体64bは、共に回転精度よく支持されることになり、密閉性を向上できるとともに、開閉体を大型化した場合のたわみ変形などを抑制できるので好適である。
(ツインダンパの動作)
次に、本実施形態に係わる2つの開口を開閉する第一のダンパ装置20、いわゆるツインダンパの動作を従来技術と比較しながら説明する。
図16は従来技術に係わるツインダンパの動作を図16a動作チャート,図16bタイミングチャート、および図16c状態表として表現したもので、一連の動作を異なる表記で表したものである。
まず図16a動作チャートの見方について説明する。ツインダンパに設けられた2つの開閉体には、閉/閉,開/閉,開/開,閉/開の4つの状態があり、この順序で一連の動作が行われる。一連の動作が完了すると最初の状態に戻ることから、この動作を便宜上360゜の一回転動作であると考え、それぞれの状態への移動が90゜の動作によってなされる回転動作であるとみなすことができる。なお、この角度は便宜上のものなので、実体としていずれかのギヤやモータがその角度で回転していることを示すものではないし、また各動作の動作量が互いに等しいことを示しているものでもない。
第一の開閉体Aの開閉状態をX軸に、第二の開閉体Bの開閉状態をY軸とした二次元のグラフの第一象限に表す。閉状態を原点(0,0)にとり開状態までの移動量を1とすれば、第一の開閉体Aのみを開いた開/閉の状態の座標は(1,0)、第二の開閉体Bのみを開いた閉/開の状態の座標は(0,1)、両方を開いた開/開の状態の座標は(1,1)となり、開閉体の状態は(0,0),(1,0),(0,1),(1,1)の4つの座標として表すことができる。各座標の近傍に開閉体の開閉状態を表す略図を示す。上死点,下死点については後述する。
次に図16bタイミングチャートは横軸に0゜から360゜までの動作を時間軸としてとり、90゜ごとに開閉動作が行われるさまを示している。図16c状態表はそれらの開閉状態と、一連の動作におけるモータの正転と逆転とを併記したものであり、モータが一方向に一杯まで回転して回転方向が切り替えられる点の一方を上死点、他方を下死点とすれば、モータの正転と逆転を繰り返すことによって上死点と下死点との間を往復動作する構成であることを示している。
従来技術である、例えば特許文献2(特許3814576号公報)に記載されている第一の開閉体と第二の開閉体(フラップ)の動作は、まず両方のフラップが全閉の閉/閉状態(0,0)から、第一のフラップを開く方向にモータを駆動すると第一のフラップのみが開放された開/閉状態(1,0)となる。この状態を経て、第二のフラップも開放されて開/開状態(1,1)となる。次にモータを第一のフラップを閉じる方向に回転させると第一のフラップのみが閉じた閉/開状態(0,1)状態となる。さらにモータを回転させると第二のフラップが閉じて閉/閉状態(0,0)となり、最初の状態に戻る。
この動作を図16aの動作チャートに対応させる。閉/閉状態(0,0)で表される0゜の位置である下死点から開始して、次の状態に移行するまでの一動作をX軸又はY軸に平行な矢印で表現すると、一連の動作は図示左回りに4つの状態を一巡する4動作となることは明らかである。
ここで、図16aから図16cに示した従来技術においては、全動作範囲において第一の開閉体と第二の開閉体とはいずれか片方が開放動作ないし閉鎖動作を行うか、あるいは全開ないし全閉状態を維持するかのいずれかである。すなわち、両方の開閉体が同時に動作する期間はない。したがって、両方を全開した上死点の状態から両方の開閉体を閉鎖した下死点状態にまで動作するには、180゜の位置から360゜(0゜)の位置までの2動作、すなわち動作チャートにおける矢印2本分が必要となる。
次に、本発明による第一のダンパ装置20の動作を図17aから図33によって説明する。図17aは本発明による第一のダンパ装置20の動作を図16aと同様のチャートで表したものであり、図18aはその変形例である。図19から図33は、図17aに示したチャートに示した動作を実現する駆動手段60の一実施例の一連の動作を説明する模式断面図である。
図17aの動作チャートにおいて、第一の開閉体と第二の開閉体が閉/閉状態(0,0)から、第一の開閉体64aのみが開放されて開/閉状態(1,0)となる。次に第一の開閉体を閉じると同時に第二の開閉体は開いて閉/開状態(0,1)となる。次に第一の開閉体64aのみが開いて開/開状態(1,1)となる。次に両方の開閉体64が同時に閉じて閉/閉状態(0,0)に戻る一連の動作となる。すなわち、一動作ごとに矢印で表現すると、これらはX軸に平行な2本と、対角に向かう2本とがあり、これらの4本の矢印を連結することによって4つの開閉状態を一筆書きで一連の動作として表すことができる。
ここで、対角線に向かう2本の矢印が第一の開閉体64aと第二の開閉体64bとが同時に開閉動作を行うことを示している。ここで、開/開状態(1,1)から両方の開閉体64は同時に閉じて一気に閉/閉状態(0,0)となる。これにより、両方の開閉体の全開から全閉までは270゜の位置から0゜の位置までの一動作、矢印1本分の動作でよく、図16に示した従来技術と比較して半分の動作時間で済む。
この動作を図17bのタイミングチャートによって表すと、0°から360゜までの一連の動作において、第一の開閉体64aは開閉を2往復し、第二の開閉体64bは間欠的に開閉を1往復する動作となる。90゜から180゜、および270゜から0゜の範囲が、両方の開閉体が同時に動作する同時動作範囲を示している。図16aと同様に、閉/閉状態(0,0)をモータ駆動範囲の下死点であるとすると、そこから矢印2本分の動作を行った後の閉/開状態(0,1)が上死点となる。本構成においては両方の開閉体の同時動作、すなわち、矢印が対角に移動した直後の時点がモータ70による正転ないし逆転駆動が完了した上死点ないし下死点となる。その詳細については後述する。
次に、図18aから図18cに示す変形例において、図18aの動作チャートが図17aの動作チャートと異なる点について説明する。図18aにおいては、開/開状態(1,1)から対角線状に閉/閉状態(0,0)に移行するのではなく、第一の開閉体64aのみが閉鎖されて閉/開状態(0,1)となり、その後対角線状に開/閉状態(1,0)に移行する。この際に第一の開閉体64aが開くと同時に第二の開閉体64bは閉じる。次に第一の開閉体64aのみが閉じて閉/閉状態(0,0)となり、次に両方の開閉体64が同時に開いて開/開状態(1,1)に戻る一連の動作となる。
次に図19から図33を用いて、図17に示した動作を行う駆動手段60の動作について説明する。なお、図19から図33においては、説明のために、他の部品の裏側となる部分についても一部は重ね書きしている。また、図示左側の面に第一の開口62aと第二の開口62bとが設けられており、第一の開閉体64aと第二の開閉体64bとは模式的に太線で示している。開閉体は略鉛直の状態が開口を閉鎖、略水平の状態が開放した状態を図示している。
図19は図12と同じく、駆動手段60は第一の開閉体64aと第二の開閉体64bの両方の開閉体が閉鎖した状態、すなわち図17のチャートにおいては閉/閉状態(0,0)を示している。
クランクギヤ支点78とクランクギヤピン77b,クランクアームピン79aはほぼ一直線上にあり、連結棒80を介して第一の駆動軸61aのまわりに矢印方向のトルクを与えて第一の開閉体64aを閉止している。間欠ギヤ76に設けられた円柱部76cは、出力ギヤ75の第二のストッパ75dと嵌合しており、出力ギヤ75の回動を規制して矢印方向に付勢して第二の開閉体64bを閉鎖状態で保持している。
図20は、図19の状態からモータ70を駆動して、クランクギヤ77,連結棒80,クランクアーム79,ピニオンギヤ72,アイドラギヤ73はそれぞれ矢印方向に回転した状態であり、クランクアーム79は第一の駆動軸61aのまわりに回動し、第一の開閉体64aは第一の開口62aから離れて開き始める。
アイドラギヤ73の回転とともに、突起73bは間欠ギヤ76の端面76d2から離れる方向に回転する。よって、間欠ギヤ76は図19の状態から回転せずに第二の開閉体64bは閉鎖状態のままである。
図21は図20よりもさらに矢印方向に回動した位置を示している。図21においてはクランクギヤ77の回転に伴ってクランクアーム79はさらに揺動し、第一の開閉体64aは開き動作を続ける。クランクギヤピン77b,クランクギヤ支点78,クランクアームピン79aはほぼ一直線上にあり、クランクアーム79を最大に引っ張った状態となして第一の開閉体64aを第一の駆動軸61aのまわりに全開位置で保持する。
すなわち、この図21に示した状態が図17aのチャートにおける開/閉状態(1,0)である。このときアイドラギヤ73の突起73bは、矢印方向に回転して間欠ギヤ76の端面76d1に接する位置まで回転する。
図22は図21よりもさらに矢印方向に回動した位置を示している。モータ70の回転とともにクランクギヤ77,連結棒80,クランクアーム79はそれぞれ矢印方向に移動し、第一の開閉体64aは第一の駆動軸61aのまわりに閉じる方向に回転する。突起73bは間欠ギヤ76の端面76d1と接して、間欠ギヤ76はアイドラギヤ73と同期して回転する。出力ギヤ75の一部である部分歯車75bと間欠ギヤ76の一部に設けられた部分歯車76bとは、噛み合う直前の状態である。
図23は図22よりもさらに矢印方向に回動した位置を示している。クランクアーム79はさらに揺動し、第一の開閉体64aはさらに閉じ、一方間欠ギヤ76はアイドラギヤ73の突起73bにより端面76d1はさらに押されて回転し、部分歯車76bと出力ギヤ75の部分歯車75bとは噛み合って出力ギヤ75を回転させ、第二の駆動軸61bのまわりに第二の開閉体64bを回転して開き、第一の開閉体64aおよび第二の開閉体64bともに半分程度開いた半開状態となる。
この状態においてモータ70を停止すれば、第一の開閉体64aと第二の開閉体64bとは半開/半開状態を維持できる。すなわち、第一の開閉体64a及び第二の開閉体64bは、第一の開口62a及び第二の開口62bを共に開いた場合の回転角度をいずれも鋭角の状態で待機させる。また、第一の駆動軸61a及び第二の駆動軸61bは、互いに従動歯車(アイドラギヤ73)に対して相対する位置に配置され、第一の開閉体64aの開き方向と第二の開閉体64bの開き方向とは互いに逆方向である。
ここで、第一の開閉体64a及び第二の開閉体64bは風向板としての機能を果たす。よって、第一の開閉体64aの開き方向と第二の開閉体64bの開き方向を考慮して構造物に配置することにより、通風抵抗を低減しつつ、風量及び風向を効率的に制御することができる。
図24においては、図23よりもさらに矢印方向に回動した位置を示しており、第一の開閉体64aは閉じる直前となり、第二の開閉体64bは開き動作を続ける。
図25においてはクランクギヤ77がさらに回転し、クランクギヤピン77b,クランクギヤ支点78,クランクアームピン79aはほぼ一直線上に近づき、第一の開閉体64aはほぼ全閉の状態となっている。一方、出力ギヤ75の部分歯車75bは、間欠ギヤ76の部分歯車76bとの噛み合いが終了して開き動作が完了し、全開の位置となる。
さらに図26の状態において、クランクギヤ77はさらに回転し、クランクギヤピン77b,クランクギヤ支点78,クランクアームピン79aはほぼ一直線上となる。そして、第一の開閉体64aを第一の駆動軸61aのまわりに全閉位置で保持する。出力ギヤ75の第一のストッパ75cは、間欠ギヤ76の一部である円柱部76cと嵌合した状態でさらに回転して、第二の開閉体64bを開放状態で保持する。
この図26に示した状態が、図17aのチャートにおける閉/開状態(0,1)である。また、アイドラギヤ73は図示時計方向に一杯に回動した位置にあり、これを図17aにおける「上死点」の位置にあるものとする。
図26は「上死点」の位置にあり、図27以降はモータ70のピニオンギヤ72を逆回転する。
図27において、モータ70を逆回転すると、クランクギヤ77のクランクギヤピン77bは、第一の駆動軸61aから離反する側に移動する。クランクアーム79は連結棒80とクランクアームピン79aを介して矢印方向に回動して、第一の開閉体64aを開く方向に回動する。アイドラギヤ73の突起73bは間欠ギヤ76の一方の端面76d1から離れる方向に回転するので、アイドラギヤ73と間欠ギヤ76とは空転し、間欠ギヤ76及び出力ギヤ75は図26に示した開位置から移動せず、第二の開閉体64bは開位置で保持される。
図28において、モータ70のピニオンギヤ72をさらに回転させることで、アイドラギヤ73を介してクランクギヤ77はさらに回転する。そして、クランクギヤ77,連結棒80,クランクアーム79は、図21と同じ位置まで移動して、第一の開閉体64aを第一の駆動軸61aのまわりに全開位置で保持する。アイドラギヤ73の突起73bは、間欠ギヤ76に設けられた他方の端面76d2に当接するまで回転する。図26から図28までの状態においては、アイドラギヤ73と間欠ギヤ76とは空転する。間欠ギヤ76と出力ギヤ75とは図26に示した開位置から移動せず、第二の開閉体64bは開位置で保持される。この図28の状態は図17のチャートにおいては開/開状態(1,1)を示している。
次に、図29に示すようにピニオンギヤ72をさらにわずかに回転させると、クランクギヤ77,連結棒80,クランクアーム79はほぼ図28と同様な位置のままなので、第一の開閉体64aはほぼ全開状態のままである。一方、アイドラギヤ73の突起73dは、間欠ギヤ76に設けられた他方の端面76d2に当接しているので、間欠ギヤ76はアイドラギヤ73とともに回転する。そして、間欠ギヤ76の部分歯車76bと出力ギヤ75の部分歯車75bとは噛み合い始める。
さらにモータ70を回転させて図30の状態とすれば、クランクギヤ77,連結棒80,クランクアーム79は矢印の方向に回動して、第一の開閉体64aを第一の駆動軸61aのまわりに閉じ方向に回動する。間欠ギヤ76は出力ギヤ75と部分歯車同士が噛み合って回転し、第二の駆動軸61bのまわりに第二の開閉体64bを閉じる方向に回動させる。
さらにモータ70を駆動すると図31の状態に至り、第一の開閉体64aを第一の駆動軸61aのまわりに閉じ動作を継続する。また、第二の開閉体64bは第二の駆動軸61bのまわりに閉じ動作を継続する。第一の開閉体64a及び第二の開閉体64bは、どちらも開閉途中の半開き状態となる。ただし、この図31の状態では第二の開閉体64bは殆ど閉じた状態であるのに対して、第一の開閉体64aは第二の開閉体64bよりは大きく開いた状態となる。
次に図32の状態に至り、第一の開閉体64aはさらに閉じ動作を継続する。一方、間欠ギヤ76は出力ギヤ75の部分歯車との噛み合いが終了して、第二の開閉体64bを全閉位置とする。この図32の位置において、第二の開閉体64bは既に全閉位置にあるが、第一の開閉体64aは閉じ動作の途中状態となっている。
さらに図33の状態となり、クランクギヤ77,連結棒80,クランクアーム79は図19と同様の位置に至り、第一の開閉体64aは全閉位置となる。図32から図33までの状態においては、アイドラギヤ73は端面76d2を介して間欠ギヤ76を回転させる。出力ギヤ75の第二の部分歯車75bは、間欠ギヤ76の第一の部分歯車76bとの噛み合いが終了している。また、出力ギヤ75の第二のストッパ75dは、間欠ギヤ76の一部である円柱部76cと嵌合した状態でさらに回転して、第二の開閉体64bは閉鎖状態のまま保持される。
すなわち、出力ギヤ75は図32に示した閉位置から移動せず、第二の開閉体64bは閉位置で保持される。この図33の状態は、図19の状態と同一であり、図17のチャートにおいては閉/閉状態(0,0)であるとともに、アイドラギヤ73は図示反時計まわりの方向に一杯に回転した図17における「下死点」の位置にある。すなわち、図19から図33までの動作を行うことにより、図17の動作チャートにより示した閉/閉,開/閉,閉/開,開/開から閉/閉の状態に戻る一連の動作を行うことができる。換言すると、(1)第一の開口62a及び第二の開口62bが閉じた状態から第一の開口62aを開くように第一の開閉体64aを駆動する第一のモードと、(2)第一の開口62aを閉じ第二の開口62bを開くように第一の開閉体64a及び第二の開閉体64bを共に駆動する第二のモードと、(3)第二の開口62bを開いた状態で第一の開口62aを開くように第一の開閉体64aを駆動する第三のモードと、(4)第一の開口62a及び第二の開口62bがいずれも開いた状態から閉じた状態とするように第一の開閉体64a及び第二の開閉体64bを共に駆動する第四のモードと、を備え、これらのモードを単一の駆動手段で実現するものである。
単一の駆動手段60は正逆転駆動し、駆動手段60の駆動力を第一の開閉体64a及び第二の開閉体64bにそれぞれ伝達する第一の駆動伝達手段及び第二の駆動伝達手段を備える。第一の駆動伝達手段は、駆動手段60が正転する間に第一の開閉体64aを開動作の後に閉動作をさせて、逆転する間に開動作の後に閉動作をさせる。第二の駆動伝達手段は、駆動手段60が正転する間に第二の開閉体64bを動作させずに所定時間待機させた後、開動作をさせて、逆転する間に第二の開閉体64bを動作させず所定時間待機させた後、閉動作をさせる。
ここで、駆動手段60,上記第一の駆動伝達手段及び第二の駆動伝達手段を接続する従動歯車(アイドラギヤ73)を備え、上記第一の駆動伝達手段は、クランクギヤ77と、クランクアーム79と、クランクアーム79とクランクギヤ77とを接続する連結棒80と、を備え、従動歯車(アイドラギヤ73)と噛み合って回転することで駆動力を伝達する。上記第二の駆動伝達手段は、所定の角度範囲で空転し、該所定の角度範囲以外では従動歯車(アイドラギヤ73)と当接して回転する第一の部分歯車76bを備えた間欠ギヤ76と、第二の開閉体64bに接続されて所定の角度範囲で第一の部分歯車76bと噛み合って回転することで駆動力を伝達する第二の部分歯車75bと、を備える。
ここで図32の状態において、第二の開閉体64bは全閉状態になるので、第二の密閉部材641bは第二の開口62bに設けられた接触部66bに対して押し付けられて圧縮変形し第二の開口62bを密閉する。そのため、モータ70には出力ギヤ75と間欠ギヤ76,アイドラギヤ73を介して第二の開閉体64bを密閉するための大きな回転トルクが一時的に加わる。
また、図33に示した状態において、第一の開閉体64aは全閉状態になるので、第一の密閉部材641aは第一の開口62aに設けられた接触部66aに対して押し付けられて圧縮変形し第一の開口62aを密閉する。そのため、モータ70にはクランクアーム79,連結棒80,クランクギヤ77を介して第一の開閉体64aを密閉するための大きな回転トルクが一時的に加わる。このとき、第二の開閉体64bは既に全閉状態にあるので、間欠ギヤ76の円柱部76cは、出力ギヤ75の第二のストッパ75dと嵌合して空転している状態であり、間欠ギヤ76に生じる回転トルクは小さい。
ここで、第一の開閉体64aと第二の開閉体64bとが全く同時に閉じる構成の場合、モータ70には二つの開閉体を閉じる大きな回転トルクがほぼ同時に加わる。そのため、出力トルクの大きなモータ70を使用する必要があり、駆動手段60が大型化するとともに、モータ70駆動時の騒音も大きくなるという問題が生じる。
そこで、本実施例においては、第二の開閉体64bが全閉した後に、時間差をもって第一の開閉体64aが閉鎖する構成である。換言すると、第一の開閉体64a及び第二の開閉体64bを共に駆動するモードは、第一の開閉体64a又は第二の開閉体64bのいずれか一方の駆動が完了した後に、他方の駆動が完了するように第一の開口62a及び第二の開口62bを閉じる。すなわち、モータ70に対しては、最初に第二の開閉体64bを閉じる大きな回転トルクが一旦加わった閉じ動作を完了させる。その後、間欠ギヤ76が空転した負荷の軽い状態において、第一の開閉体64aを閉じるための大きな回転トルクが加わる。これにより、モータ70に対して同時に大きな回転トルクが加わることはなく、モータ70が小型で良く、駆動手段60の小型化とともにモータ騒音も低減できる効果がある。
ここで、図26に示した閉/開状態の「上死点」と、図19又は図33に示した閉/閉状態の「下死点」とは、アイドラギヤ73の動作範囲の上限と下限の位置であるとすればよい。いずれの状態も動作方向の如何にかかわらず、第一の開閉体64aと第二の開閉体64b両方の同時動作が完了した時点となる。このような動作範囲を規定するための構成の一例としては先に図11と図13により説明したように、扇形凹部73cと突起81によって、アイドラギヤ73の回転角度範囲を所定の角度θ3に規制することで実現できる。
ここで、モータ70としてステッピングモータを用いる場合、ステッピングモータの回転角度として、アイドラギヤ73の凹部73aが突起81に当接する以上に余分な動作パルス数を入力する。ステッピングモータは余分な動作パルス分は単に脱調するだけであって回転しない。その直後は、アイドラギヤ73は「上死点」または「下死点」の位置に正確に留まることになる。すなわち、位置検知手段がなくともアイドラギヤ73の位置を正確に確定することができる。このような位置確定の動作を「イニシャライズ」と称する。
図17および図18においては、上記説明のように両方の開閉体64の同時動作が完了した時点、すなわち動作を示す矢印が対角に移動した後が死点となる。なお上死点と下死点とは、それぞれが機構の動作範囲の両端にあることを意味するものなので、必ずしも開閉体の開閉状態や上下の位置関係を特定するものではない。
上記のように動作することによって、第一のダンパ装置20は第一の開閉体64aと第二の開閉体64bの開閉動作を行う。すなわち、第一の開閉体64aは、第一の駆動軸61aまわりに第一の回転方向に駆動して開き、且つ第二の回転方向に駆動して閉じる。一方、第二の開閉体64bは、第二の駆動軸61bまわりに第二の回転方向に駆動して開き、且つ第一の回転方向に駆動して閉じる。このように、第一の開閉体64a及び第二の開閉体64bの開閉動作における回転方向は、互いに逆となる方向に回転することで行われる。
次に、第一の開閉体64aのみを開閉する動作について説明する。図19から図21の状態、すわなち閉/閉状態から開/閉状態とした後、モータ70を逆転させると、図21から図20を経て図19の状態に至る。第二の開閉体64bは、閉状態を保ったままであり、第一の開閉体64aのみが開閉して閉/閉状態から開/閉状態を経て閉/閉状態に戻る。すなわち、図19から図21までの動作を繰り返せば、第二の開閉体64bが閉じたままで第一の開閉体64aのみの開閉動作を繰り返すことができる。
また、図26から図28の状態、すなわち閉/開状態から開/開状態とした後、モータ70を逆転させると、図28から図27を経て図26の状態に至る。このとき、第二の開閉体64bは開状態を保ったままであり、第一の開閉体64aのみが開閉して開/閉状態から開/開状態を経て開/閉状態に戻る。すなわち、図26から図28までの動作を繰り返せば、第二の開閉体64bが開いたままで第一の開閉体64aのみの開閉動作を繰り返すことができる。
ここで、例えば図3又は図4に示すように、第一の開閉体64aは冷蔵室送風ダクト11に接続され、第二の開閉体64bは野菜室送風ダクト25に接続されている。上記構成によれば(図19から図21までの動作、又は図26から図28までの動作)、野菜室送風ダクト25を開放又は閉鎖したままの状態で、冷蔵室送風ダクト11のみを開閉することができる。よって、冷蔵室2と野菜室6への冷気風量のバランスを適切に制御することができて好適である。
反対に、第一の開閉体64aを野菜室送風ダクト25に接続して、第二の開閉体64bを冷蔵室送風ダクト11に接続したものとすれば、冷蔵室送風ダクト11を開放又は閉鎖したままの状態で、野菜室送風ダクト25のみへの送風を開閉制御できる。よって、野菜室6と冷蔵室2への冷気風量のバランスを適切に制御できて好適である。
また、第一の開閉体64aを冷蔵室送風ダクト11に接続して、第二の開閉体64bをチルド室2dへ送風するダクト(図示なし)に接続した場合、冷蔵室送風ダクト11を開放又は閉鎖したままの状態で、チルド室送風ダクトのみへの送風を開閉制御できる。
この構成の場合、チルド室2dを通常のチルド温度帯(およそ1℃)よりも低い氷温帯(およそ−1℃)とする温度切り替えが可能となる。すなわち、水分が多い食品等の凍らせたくないものはチルド温度帯,肉や魚等の凍らせて貯蔵したいものは氷温帯とするように、使用者が貯蔵温度帯を選択可能な構成とすることで、食品に合わせた適材適温の保存ができる。よって、チルド室2dと冷蔵室2への冷気風量のバランスを適切に制御できて好適である。
なお、この構成の場合、野菜室6への送風は、野菜室送風ダクト25に他のダンパ装置を設けて送風量を制御するか、或いは、冷蔵室2からの戻り冷気を野菜室送風ダクト25に流入させて野菜室6へ送風する構成とするかが考えられる。その他本発明の目的を達成でき、同一の作用効果を奏する公知の技術であれば、それを適用することでよい。
(圧縮機及びダンパ装置の動作)
次に、図2,図3及び図34を用いて、ダンパ装置を備えた冷蔵庫において、圧縮機24を停止する際の動作の一例について説明する。
図34は、冷凍室と冷蔵室の同時冷却運転(以下「FR運転」と称する)を行っている時点から運転を停止するまでの送風機9,第一のダンパ装置20(ツインダンパ)と第二のダンパ装置50の開閉状態,圧縮機24の運転停止、を示すタイミングチャートである。
FR運転中は、第一のダンパ装置20(ツインダンパ)と第二のダンパ装置50とを共に開く。この状態において、圧縮機24を運転して冷却器7で熱交換した冷気を、送風機9を駆動することで冷蔵室2,上段冷凍室4,下段冷凍室5内に送風して冷却する。
温度センサ34によって冷蔵室2,上段冷凍室4及び下段冷凍室5内が十分に冷却されたことが確認できたら圧縮機24と送風機9を停止する停止動作を行う。このときの手順としては(1)送風機9を停止、(2)第一のダンパ装置20(ツインダンパ)および第二のダンパ装置50を閉鎖、(3)圧縮機24を停止、としている。
運転停止の際に、送風機9の停止と同時に圧縮機24を停止すると、送風機9も圧縮機24も停止した状態で第一のダンパ装置20および第二のダンパ装置50を全開状態から全閉状態に動作する。すると、そのダンパ装置の動作音が冷蔵庫1外に漏れ、騒音となる。したがって、ダンパ装置の動作時間、すなわちt(秒間)の間は、送風機9は既に停止した状態で、冷気が上段冷凍室4,下段冷凍室5及び冷蔵室2のいずれにも送られないにも拘らず、第二のダンパ装置50および第一のダンパ装置20の動作音を打ち消すために圧縮機9のみが無駄に運転されることになる。そこで、ダンパの動作時間はできるだけ短縮することが望ましい。
本実施例の第一のダンパ装置20(ツインダンパ)においては、図17aの動作チャート、及び図28から図33により説明したように、第一の開閉体64aと第二の開閉体64bは、開/開状態から両方が閉じて一動作で閉/閉状態になる。そのため、冷凍室および冷蔵室冷却運転から運転停止する際に、圧縮機24のみを運転する時間が一動作分のみでよい。このことは、図16に示した従来技術において開/開状態から閉/閉状態となるまでに2動作分が必要なのと比べて、1/2の時間に短縮できることになる。したがって、本実施形態によれば、圧縮機24のみを無駄に運転する時間が短縮されるので省エネルギー性の高い冷蔵庫を実現することができる。
一例として、一日にFR運転からの停止動作が20回/日あるものとし、開から閉又は閉から開までのダンパの一動作にかかる時間を6秒とする。すると、圧縮機24のみを運転させるまでに、2動作必要ならば12秒かかる。一方、1動作であれば6秒で済み、一日あたり20回×6秒=2分間、圧縮機24の運転時間を短縮できる。
またさらに、モータ70の回転速度を上げることなく全開から全閉までの動作時間を短縮することができるので、動作騒音が低く、動作の速いダンパ装置を提供できる。
またさらに、第一の開閉体64aと第二の開閉体64bとの閉じる動作に時間差を設けたので、モータ70に加わる回転トルクを低減して小型のモータ70で実現することができ、駆動手段60の小型化とともにモータ騒音も低減できる効果がある。
またさらに、図17および図19ないし図33により説明したように、本実施形態による第一のダンパ装置20(ツインダンパ)においては、閉/閉状態は図17における「下死点」位置となる。よって、先に説明したようにモータ70をさらに余分に回転させることでイニシャライズ動作を行うことができ、ステッピングモータの回転位置が確定して位置決めができるので、さらに都合がよい。
本発明によれば先に説明したように、図23ないし図31に示した半開/半開位置において、モータ70を停止して第一の開閉体64a及び第二の開閉体64bの位置を維持することができる。
ここで、第二のダンパ装置50と第一のダンパ装置20とを共に開放した状態で圧縮機24と送風機9を運転し、上段冷凍室4,下段冷凍室5,冷蔵室2及び野菜室6をいずれも冷却する冷凍/冷却運転を行う場合において、第一のダンパ装置20を半開/半開状態とすることによって、第二のダンパ装置50と第一のダンパ装置20とを通過する冷気風量の割合を可変して、適正な風量割合に設定することができる。これにより、冷蔵室2の冷却し過ぎ等を防止し省エネルギー性を向上できる。
以上説明したように本発明によれば第一のダンパ装置20は開/開状態から一動作で閉/閉状態に動作するため、冷凍室および冷蔵室冷却運転から停止する際に圧縮機24のみを運転する時間が短縮されるので、冷蔵庫1内の食品を所定温度範囲に維持しながら省エネルギー性能を確保し、食品の貯蔵温度維持ができる冷蔵庫を得ることができる。
またさらに、モータの回転速度を上げることなく全閉から全開までの動作時間を短縮でき、動作騒音が低く動作時間の短いダンパ装置を得ることができる。
またさらに、閉/閉状態に動作すると同時にステッピングモータの位置確定動作であるイニシャライズを行うことができるので、位置確定が確実で動作精度のよいダンパ装置を得ることができる。
またさらに、二つの開閉体の閉鎖に時間差を設けることによってモータの負荷トルクを低減して小型のモータを用いることができ、ダンパ装置の小型化と低騒音化を実現することができる。
またさらに、第一のダンパ装置20と第二のダンパ装置50とを通過する冷気風量の割合を可変して、適正な風量割合に設定することができ、冷蔵室2の冷却し過ぎ等を防止し省エネルギー性に優れた冷蔵庫を得ることができる。
またさらに、第二の開閉体64bを開放又は閉鎖したままで第一の開閉体64aのみを開閉することができるので、冷蔵室2に送風される冷気風量と野菜室6に送風される冷気風量、または冷蔵室2に送風される冷気風量とチルド室2dとに送風される冷気風量を適切に制御することができ、省エネルギー性に優れた冷蔵庫を得ることができる。
またさらに、クランクアーム79と出力ギヤ75とは軸芯を互いにずらして配置している。すなわち、第一の駆動軸61aは、四角形状の第一の開閉体64aの一辺側に設ける。そして、第二の駆動軸61bは、第一の開閉体64aの他辺側であって、且つ四角形状の第二の開閉体64bの一辺側に設ける。なお、第一の開閉体64aの他辺側、及び第二の開閉体64bの一辺側は、同一側の辺となるように配置する。また、同軸ではなく互いに異なる軸のまわりに回転自在に軸支したので、共に一端を駆動手段に設けられた軸孔と嵌合し、他端を円筒状の軸受部に嵌合した、いわゆる両持ちで支持する。このためにガタが少なく、精度よく回転支持される構成である。したがって、第一の開閉体64aと第二の開閉体64bも共に回転精度よく支持される。これにより、密閉性を向上できるとともに、開閉体を大型化した場合のたわみ変形などを抑制できるので、ダンパの大型化に好適な構成である。
次に、図35〜図39を参照して、実施例2について説明する。図35は、実施例2の冷蔵庫の冷気の流れを説明する図である。図36は、冷凍温度帯室への冷気流れを説明する図である。図37は、冷蔵温度帯室への冷気流れを説明する図である。図38は、図36の構成による冷蔵庫全体の冷気流れを説明する図である。図39は、図37の構成による冷蔵庫全体の冷気流れを説明する図である。
ここで、各貯蔵室温度を、冷蔵室及び野菜室(0〜5.0℃),チルド室(−1〜+1.0℃),冷温度帯凍室(−18℃)とした場合、これらの温度制御はダンパ装置によって行われる。そして、チルド室は冷蔵室内に設けられており、単一のダンパ装置で冷蔵室の冷気制御と兼ねる構成が一般的である。また、冷凍温度帯室は、下段冷凍室5(第一の冷凍温度帯室)及び該第一の冷凍温度帯室よりも低温度の製氷室3及び上段冷凍室4(第二の冷凍温度帯室)を有する場合でも、単一のダンパ装置で冷気制御を行うのが一般的である。
この構成において、チルド室2dは冷蔵室よりも低温に制御する必要がある。また、製氷室3及び上段冷凍室4は、急速冷凍モードを備えた場合、さらに低温に冷却する必要がある。しかしながら、冷蔵室(又は第一の冷凍温度帯室)が設定温度になった場合、ダンパ装置にて冷気送風を遮断する。すると、設定温度が低いチルド室2dや、製氷室3及び上段冷凍室4の温度が上昇して、冷却時間が長くなり、結果として冷却効率が低下する。
そこで、本実施例では、バイパス通路を有する断熱部材内にダンパ装置を有する。以下、その構成を説明する。
まず、図35において、図1から図34までと同一の構成については、同一符号を付して、説明を省略する。
図35において、100はツインダンパ装置である。冷却器7で熱交換した冷気は、送風機9で送風されて、ツインダンパ装置100にて送風量が制御される。図2の場合と異なる点は、ツインダンパ装置100にて送風量が制御される貯蔵室が、冷蔵温度帯室と冷凍温度帯室である点である。
図35において、ツインダンパ装置100は、第一の開口102aを形成する第一のフレーム101aと、第二の開口102bを形成する第二のフレーム101bとを有する。第一の開口102aと第二の開口102bは、横長で長方形状の開口であり、略同一面となるように第一のフレーム101a及び第二のフレーム101bにそれぞれ形成されて配置される。なお、第一のフレーム101a及び第二のフレーム101bは、例えば樹脂製とする。
第一のフレーム101aと第二のフレーム101bとの間には、駆動手段106が配置される。駆動手段106はケース内に収納されて、第一のフレーム101a及び第二のフレーム101bのそれぞれの高さよりも突出した形態であり、モータや減速歯車などの駆動系を備える。そして、駆動手段106の第一のフレーム101aに接する側に第一の駆動軸104a、駆動手段106の第二のフレーム101bに接する側に第二の駆動軸104bが設けられ、駆動手段106からの駆動力をそれぞれ出力する。
第一の開閉体103aの回転軸と、第二の開閉体103bの回転軸は、互いに延長線上で交差しない位置関係で設けられている。すなわち、第一の駆動軸104aと第二の駆動軸104bは、駆動手段106を収納したケースの一側面と他側面にそれぞれ配置されている。そして、第一の駆動軸104aを設けた第一の開閉体103aの長手方向の一辺とは対向する他辺側に、第二の駆動軸104bを設けている。すなわち、第一の駆動軸104aと第二の駆動軸104bは、軸芯をずらして対向するように配置している。なお、駆動手段106の基本構成及び動作は、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
200はスチロフォ−ム等の断熱部材である。この断熱部材200は、内部にツインダンパ装置100の第一の開口102a及び第二の開口103bから、各貯蔵室に冷気を導く冷気通路を有する。
201は野菜室冷却用冷気通路である。野菜室用冷却通路201は、冷蔵室2及びチルド室2dを冷却した後の冷気を、野菜室6に送風する。
冷凍温度帯の各貯蔵室(製氷室3,上段冷凍室4及び下段冷凍室5)を冷却する場合、冷却器7で熱交換した冷気は、送風機9により断熱部材200の入り口側冷気案内通路200aに送風する。そして、ツインダンパ装置100の第二の開閉体103bが開放していることで、第二の開口102bから製氷室3,上段冷凍室4及び下段冷凍室5に通じる冷凍温度帯室冷気通路112(第二の冷気通路)に送られる。この冷凍温度帯室冷気通路112に送られた冷気は、製氷室3,上段冷凍室4及び下段冷凍室5にそれぞれ連通する上段冷凍温度帯室冷気通路113,下段冷凍温度帯室冷気通路114を経由して、それぞれの貯蔵室に吹き出される。吹き出された冷気は、それぞれの貯蔵室内を循環後、冷凍温度帯室戻り冷気通路115を経由して冷却器7に戻る。
次に、チルド室2dを含む冷蔵温度帯の各貯蔵室(冷蔵室2及び野菜室6)を冷却する場合、冷却器7で冷却された冷気は、送風機9により断熱部材200の入り口側冷気案内通路200bに送風する。そして、ツインダンパ装置100の第一の開閉体103aが開放していることで、第二の開口102aから冷蔵室2及びチルド室2dに通じる冷蔵温度帯室冷気通路116(第一の冷気通路)に送られる。この冷蔵温度帯室冷気通路116に送られた冷気は、冷蔵室2,チルド室2dにそれぞれ連通する冷蔵室冷気通路117,チルド室冷気通路118を経由して、それぞれの貯蔵室に吹き出される。吹き出された冷気は、それぞれの貯蔵室を冷却後、野菜室用冷却通路201に導かれて、野菜室6内を冷却後、冷蔵温度帯室戻り冷気通路119を経由して冷却器7に戻る。
次に、図36及び図37において、バイパス冷気通路を備えた断熱部材200について説明する。
図36において、第二の開閉体103bは、冷凍温度帯室に設置された温度検出器125(図38参照)の検出値に基づいて開閉制御される。断熱部材200は、スチロフォ−ム等で形成され、入り口側冷気案内通路200a,出口側冷気案内通路201aを有している。そして、入り口側冷気案内通路110aと出口側冷気案内通路111aとの間にツインダンパ装置100の第二の開閉体103bが第二の開口102bを開閉制御するように設けられている。
また、120は冷凍温度帯バイパス冷気通路(第二のバイパス通路)である。冷凍温度帯バイパス冷気通路120は、断熱部材200内に設ける。そして、冷凍温度帯バイパス冷気通路120は、第二の開閉体103bが開放した位置(図36において実線の位置)において、入口120aが塞がれるように設ける。また、ツインダンパ装置100の第二の開閉体103bが閉じた位置(図36において破線の位置)にある場合、入り口側冷気案内通路200aからの冷気は、ツインダンパ装置100をバイパスする。すなわち、入口120aから冷凍温度帯バイパス冷気通路120を流れて、出口120bから上段冷凍温度帯室冷気通路113に流れる(図38参照)。
なお、ツインダンパ装置100の第二の開閉体103bが開放位置(図36における実線位置)の場合、冷気は入り口側冷気案内通路110aから第二の開口102bを通過して、出口側冷気案内通路111aに流れる。
次に、図38において、冷凍温度帯室の冷却制御について説明する。図38において、下段冷凍室5が設定温度(例えば−18℃)まで冷却された場合、ツインダンパ装置100は第二の開閉体103bで第二の開口102bを閉じる。
この状態において、製氷室3が急速製氷モードであったり、上段冷凍室4が急速冷却モードであったりした場合、更なる冷却(例えば−20℃まで冷却)が必要となる。そして、圧縮機24及び送風機9の運転が行われる。このとき、下段冷凍室5は所定温度のため、第二の開閉体103bは閉じており、冷気が第二の開口102bを通過できない状態としている。そこで、冷凍温度帯バイパス冷気通路120から上段冷凍温度帯室冷気通路113に冷気を案内する。これにより、冷気は上段冷凍温度帯室冷気通路113を経由して、製氷室3及び上段冷凍室4を冷却する。
この冷却運転が継続されて、製氷室3及び上段冷凍室4が設定温度(例えば−20℃)になると、圧縮機24及び送風機9の運転を休止させる。なお、温度の検出は、下段冷凍室5内の温度検出器125にて行う。
以上の構成とすることで、別途ダンパ装置を設けることなく、同一温度帯であって、さらに冷却したい貯蔵室を選択的に冷却することができる。また、新たなダンパ装置の設置スペ−スを確保する必要がなく、省スペース化を図ることができる。
次に、図37と図39において、バイパス冷気通路を備えた断熱部材200についてさらに説明する。
図37において、第一の開閉体103aは、冷蔵温度帯室に設置した温度検出器122,123,124(図39参照)の検出値に基づき開閉制御される。断熱部材200は、スチロフォーム等で形成されており、冷蔵温度帯バイパス冷気通路121(第一のバイパス通路)が形成されている。冷蔵温度帯バイパス冷気通路121は、入り口側冷気案内通路200bに連通する入口121aを有している。また、ツインダンパ装置100の第一の開閉体103aは、入り口側冷気案内通路200bと出口側冷気案内通路201bとの間に設けられている。
冷蔵温度帯バイパス冷気通路121は、第一の開閉体103aが開放した位置(図37における実線位置)において、入口121aが遮られるように設けられている。
また、第一の開閉体103aが第一の開口102aを閉じた場合、冷蔵温度帯バイパス冷気通路121は、ツインダンパ装置100の第一の開口102aを冷気がバイパスするものである。すなわち、入り口側冷気案内通路200bに入った冷気がチルド室冷気通路118に流れる。
入り口側冷気案内通路200bに入った冷気が冷蔵温度帯バイパス冷気通路121に流れるのは、ツインダンパ装置100の第一の開閉体103aが閉鎖位置(図37の破線位置)の場合である。
換言すると、ツインダンパ装置100の第一の開閉体103aが開放位置(図37の実線位置)の場合には、ツインダンパ装置100の第一の開口102aを経由して、出口側冷気案内通路111b側に流れる。
次に、図39において、冷蔵温度帯室の冷却制御について説明する。図39において、冷蔵室2が設定温度(例えば+3℃)まで冷却された場合、ツインダンパ装置100は第一の開閉体103aを閉じる。
この状態において、チルド室2dが氷温モードである場合等は、更なる冷却(例えば−3℃まで冷却)が必要となる。そして、圧縮機24及び送風機9の運転が行われる。このとき、冷蔵室2は所定温度のため、第一の開閉体103aは閉じており、冷気が第一の開口102aを通過できない状態としている。そこで、冷蔵温度帯バイパス冷気通路121からチルド室冷気通路118に冷気を案内する。これにより、冷気はチルド室冷気通路118を経由して、チルド室2dを冷却する。
チルド室2dを冷却した後の冷気は、野菜室用冷却通路201を経て野菜室6に入り野菜室6を冷却後、冷蔵温度帯室戻り冷気通路119を経由して冷却器7に戻る。
この冷却運転が継続されて、温度検出器122がチルド室2dの所定温度を検出すると、圧縮機24及び送風機9の運転を停止する。なお、冷蔵室2,野菜室6にも温度検出器122,123をそれぞれ設けておき、各貯蔵室の温度を管理するものである。
以上の構成により別途ダンパ装置を設けることなく、同一温度帯であって、さらに冷却したい貯蔵室を選択的に冷却することができる。また、新たなダンパ装置の設置スペ−スを確保する必要がなく、省スペース化を図ることができる。
さらに、第一の開閉体103aと第二の開閉体103bの開き方向が互いに逆方向であるため、冷凍温度帯バイパス冷気通路120及び冷蔵温度帯バイパス冷気通路121は、互いの入口120a,121aが対向する壁面に設けられる。これにより、バイパス冷気通路の形成が容易となる。すなわち、冷凍温度帯バイパス冷気通路120及び冷蔵温度帯バイパス冷気通路121は、互いに干渉しない位置関係となる。
本実施例は以上説明した構成を有するものであるから、次のような効果が得られる。まず、冷蔵庫本体に区画形成されて夫々食品を収納する複数の貯蔵室と、この複数の貯蔵室を冷却する冷気が熱交換される冷却器と、この冷却器が設けられる冷却器収納室と、冷却器で熱交換された冷気を複数の貯蔵室に送風する送風機と、複数の貯蔵室へそれぞれ冷気を送風する冷蔵温度帯室冷気通路116(第一の冷気通路)及び冷凍温度帯室冷気通路112(第二の冷気通路)と、この第一の冷気通路及び第二の冷気通路への送風を制御するダンパ装置と、を備え、ダンパ装置は、第一の冷気通路へ冷気を送風する第一の開口を有する第一のフレームと、第二の冷気通路へ冷気を送風する第二の開口を有する第二のフレームと、第一の開口及び第二の開口をそれぞれ開閉する第一の開閉体及び第二の開閉体と、第一のフレームと第二のフレームとの間に設けられ第一の開閉体及び第二の開閉体を駆動する駆動手段を備え、第一の開閉体の一辺側に第一の駆動軸を設けて、第一の開閉体の前記一辺側と対向する他辺側に第二の駆動軸を設けて、第一の開閉体又は第二の開閉体が開放位置の場合に冷気が通過せず、且つ該第一の開閉体又は該第二の開閉体が閉鎖位置の場合に冷気が通過するバイパス冷気通路を有する。これにより、新たなダンパ装置を追加することなく、冷蔵温度帯室冷却運転又は冷凍温度帯室冷却運転以外にも、より低温が要求される貯蔵室を選択的に冷却することができる。
また、複数の貯蔵室は冷蔵温度帯室,チルド室,下段冷凍室5(第一の冷凍温度帯室)及び該第一の冷凍温度帯室よりも低温度の製氷室3及び上段冷凍室4(第二の冷凍温度帯室)を有し、第一の冷気通路は冷蔵温度帯室及びチルド室に連通して、第二の冷気通路は第一の冷凍温度帯室及び第二の冷凍温度帯室に連通して、バイパス冷気通路は第一の開閉体が開放位置の場合に入口が遮られる第一のバイパス通路と、第二の開閉体が開放位置の場合に入口が遮られる第二のバイパス通路と、を有し、第一のバイパス通路は第一の開閉体が閉鎖位置の場合にチルド室へ冷気を送り、第二のバイパス通路は第二の開閉体が閉鎖位置の場合に第二の冷凍温度帯室へ冷気を送る。これにより、より低温度が要求されるチルド室,製氷室及び上段冷凍室(第二の冷凍温度帯室)の各温度を選択的に冷却することができる。
また、第一のバイパス通路及び第二のバイパス通路は互いに入口が対向した壁面に設けられる。これにより、別途ダンパ装置を設けることなく、適所をより冷却することができる。また、新たなダンパ装置の設置スペ−スを確保する必要がなく、省スペ−ス化が図れる。また、バイパス通路の形成が容易となり、且つ該バイパス通路の設置スペース効率も向上することができる。