JP5348078B2 - レンジ検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速機のレンジ検出装置に関する。
従来、自動変速機のシフトレンジを検出するためのレンジ検出装置が知られている。例えば特許文献1に記載のレンジ検出装置は、レンジの選択に応じてスライダ(可動部)がハウジング(案内部)の案内レールに案内されて往復移動し、スライダの移動位置に基づいてレンジを検出する。
特開2006−118643号公報
特許文献1のレンジ検出装置は、スライダの板面から入力軸が突出し、レンジの選択に応じた力が入力軸に作用することで、スライダの摺動面が案内レールの内壁に沿って摺動する。ここで、入力軸がスライダの中央から垂直に突出している場合、スライダの重心と入力軸の作用点とのスライダ法線方向からの投影位置は略一致する。したがって、摺動方向に平行な力が入力軸へ作用すると、スライダの摺動面と案内レールの内壁とが接触することなく、スライダは真っ直ぐ摺動する。
ところが、レンジ検出装置の搭載上の制約等によって、スライダの重心と入力軸の作用点とのスライダ法線方向からの投影位置を一致させられない場合がある。この場合、摺動方向に平行な操作力が入力軸へ作用すると、スライダの重心の回りにモーメントがかかる。その結果、スライダは案内レールに対して傾き、摺動面の一方の端部寄りの部分が案内レールの内壁に接触しながら摺動することとなる。同様に、摺動方向に平行な逆向きの操作力が入力軸へ作用するとスライダの重心の回りに逆向きのモーメントがかかり、スライダは、摺動面の他方の端部寄りの部分が案内レールの内壁に接触しながら摺動することとなる。
ところで、レンジ検出装置のスライダおよびハウジングは、軽量で成形性に優れる点から樹脂で成形されることが好ましい。また、摺動部の耐摩耗性を向上するためガラス入りの樹脂で成形されることが好ましい。さらに、スライダ内部に磁石を備え、ハウジングに設けられる磁気検出素子によってスライダの移動位置を検出するレンジ検出装置では、スライダは、樹脂に鉄粉を混合したプラスチックマグネットで成形されることが好ましい。
このように、スライダおよびハウジングが樹脂で成形されるレンジ検出装置においてスライダの摺動時にモーメントがかかると、スライダ摺動面の「接触部」と案内レール内壁の「被接触部」とが接触しながら摺動する。ここで案内レール内壁については、スライドの摺動に伴って被接触部の位置が変わるため摩擦箇所が一点に集中しない。それに対し、スライダ摺動面の接触部は、同一方向に摺動中、常に同じ箇所が接触するため摩擦熱が発生する。この摩擦熱により溶融した樹脂が案内レールに付着し、スライダの摺動不良が発生するおそれがある。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、スライダの摺動時にスライダの摺動面が案内レールに接触してもスライダが良好に摺動するレンジ検出装置を提供することにある。
請求項1に記載のレンジ検出装置は、入力軸、スライダ、ハウジング、耐熱性樹脂部および変位検出手段を備える。
入力軸は、自動変速機のレンジの選択に応じて操作力が作用する。
スライダは、入力軸の一端に固定され、入力軸と一体に往復移動可能である。
ハウジングは、樹脂製であり、スライダを摺動可能に案内する案内レールが形成される。
耐熱性樹脂部は、スライダの案内レールとの摺動面に設けられ、スライダの摺動時に案内レールに接触可能である。
変位検出手段は、スライダに設けられるセンサ可動部、及び、ハウジングに設けられるセンサ固定部から構成され、センサ可動部とセンサ固定部との相対位置に基づいてレンジを検出する。
また、スライダの重心と、入力軸において操作力が作用する作用点とは、スライダの摺動方向に平行な面の法線方向からの投影位置が互いに異なる。
スライダの摺動面は、案内レールに接触することで接触部に摩擦熱が発生する可能性がある。ここで、耐熱性樹脂部を構成する「耐熱性樹脂」とは、レンジ検出装置の通常の使用条件で想定される摩擦熱の温度よりも融点が高い樹脂である。当業者の技術常識に照らせば、例えば融点が300℃以上の樹脂を示す。
これにより、スライダの重心と入力軸の作用点とのスライダ法線方向からの投影位置が異なっており、スライダが案内レールに対して傾き、摺動面が案内レールの内壁に接触して摩擦熱が発生しても、耐熱性樹脂部は摩擦熱により溶融しない。よって、溶融樹脂の付着によるスライダの摺動不良を防止することができる。
請求項2に記載の発明によると、耐熱性樹脂部は、耐熱性樹脂の皮膜として形成される。
耐熱性樹脂は、一般にスーパーエンプラに属し、比較的コストが高く、成形性が悪いものが多い。したがって、スライダ全体を耐熱性樹脂で成形する場合に比べ、接触部の表面にのみ耐熱性樹脂の皮膜を形成することで製造コストを低減することができる。
請求項3に記載の発明によると、スライダの摺動面は、摺動方向の中間部に凹状の逃がし部を有している。
摺動面の中でも「接触部」となりうる部分は、摺動方向の端部寄りの部分のみである。そこで、摺動方向の中間部に凹状の逃がし部を設け、この逃がし部以外の両側部分を「接触部」とみなすことで、製造時に「接触部」の範囲を容易に特定することができる。
接触部の表面に耐熱性樹脂の皮膜を形成する場合、例えば、スライダの接触部以外の部分をマスキングした後、スライダに耐熱性樹脂をスプレーするという方法が用いられる。この場合、逃がし部を目印とすることで、マスキングの作業効率が向上する。また、耐熱性樹脂の使用量を削減することで、製造コストを低減することができる。
請求項4に記載の発明によると、耐熱性樹脂部は熱硬化性樹脂で形成される。この場合、耐熱性樹脂部は、熱硬化性樹脂の皮膜として形成されてもよく、あるいは、スライダ全体が熱硬化性樹脂で成形されてもよい。
熱硬化性樹脂は、熱可塑性樹脂と異なり、成形時に一旦硬化した後は溶融しない。そのため、仮に摩擦熱が想定以上の温度に達した場合でも接触部が溶融することがない。したがって、溶融樹脂の付着によるスライダの摺動不良を確実に防止することができる。
請求項5に記載の発明によると、変位検出手段を構成するセンサ可動部は磁石であり、センサ固定部は、磁石が発生する磁界の変化を検出する磁気検出素子である。
これにより、非接触式の変位検出手段を実現できる。非接触式変位検出手段は、接点の電気的接触または非接触によりスライダの変位を検出する接触式変位検出手段に比べ、接点の摩耗等の問題がない点で有利である。
本発明の第1実施形態によるレンジ検出装置の(a)断面図、(b)底面図、(c)(a)のIc−Ic断面図である。 本発明の第1実施形態によるレンジ検出装置が適用される自動変速機の断面図である。 第1実施形態によるレンジ検出装置が適用される自動変速機の要部分解斜視図である。 本発明の第1実施形態によるスライダおよび入力軸の(a)正面図、(b)底面図、(c)背面図、(d)側面図、(e)平面図である。 本発明の第1実施形態によるレンジ検出装置の作動を説明するための底面側から視た断面図である。 本発明の第1実施形態による位置センサ(センサ固定部)を示す部分断面図である。 本発明の第1実施形態による位置センサ(センサ可動部)を示す断面模式図である。 本発明の第1実施形態による位置センサの回路ブロック図である。 本発明の第1実施形態による位置センサのパターン表である。 本発明の第2実施形態によるスライダおよび入力軸の(a)正面図、(b)底面図、(c)背面図、(d)側面図、(e)平面図である。 本発明の第3実施形態による位置センサ(センサ可動部)を示す(a)平面図、(b)(a)のXIb−XIb断面図である。 本発明の第3実施形態による位置センサ(センサ固定部)を示す部分断面模式図である。 本発明の第3実施形態による位置センサの回路ブロック図である。 本発明の第3実施形態による位置センサのパターン表である。
以下、本発明の実施形態によるレンジ検出装置を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるレンジ検出装置を図1〜図9に示す。
本実施形態のレンジ検出装置は、自動車等の自動変速機に適用される。図2に示すように、自動変速機2は、変速機ケース3、オイルパン4、油圧制御装置20、ディテント機構10およびレンジ検出装置30を備えている。
変速機ケース3内には、油圧制御装置20から供給される油圧に応じて係合または開放される複数の摩擦要素が収容されており、各摩擦要素の係合または開放の組み合わせに従ってレンジが切り換わる。本実施形態では、P、R、N、Dの各レンジが切り換わる。Pはパーキング、Rはリバース、Nはニュートラル、Dはドライブを示す。
オイルパン4は、自動変速機2で使用する作動油を内部に蓄える。オイルパン4内には油圧制御装置20およびレンジ検出装置30が収容されている。
図2、図3に示すように、油圧制御装置20は、マニュアルバルブ5等の複数のバルブ、及び、複数の油路からなる油圧回路を有している。マニュアルバルブ5は、変速機ケース3に固定されるバルブボディ6のスプール孔6aにスプール7が往復移動可能に嵌入されることにより構成されている。マニュアルバルブ5は、スプール7の移動位置に応じて油圧回路の油路が切り換わることにより、各摩擦要素への供給油圧を制御する。その結果、自動変速機のレンジが切り換わる。本実施形態では、スプール7が図3の「+X」方向に移動するに従ってレンジがP、R、N、Dの順で切り換わる。また、スプール7が図3の「−X」方向に移動するに従ってレンジがD、N、R、Pの順で切り換わる。
ディテント機構10は、ディテントプレート12、ディテントスプリング13、回動軸14、ディテントレバー16、出力軸18等を含む。ディテントプレート12とディテントレバー16とは回動軸14によって連結される。図示しないシフトレバーの操作に応じてディテントレバー16が回動軸14を中心に回転すると、それに伴ってディテントプレート12が回動する。
ディテントプレート12の外縁には、ディテントプレート12の回転方向に複数の溝12aが形成されている。ディテントプレート12の回動位置に応じてディテントスプリング13がいずれかの溝12aに嵌合することで、シフトレバーの非操作時にディテントプレート12の回動が規制される。
出力軸18は、一端がディテントプレート12に固定され、他端がスプール7の溝7aと係合している。この結果、ディテントプレート12の回転運動がスプール7の直線運動に変換され、シフトレバーの操作に応じてスプール7が軸方向に往復移動する。
図1に示すように、略直方体のレンジ検出装置30は、ハウジング31、スライダ51、入力軸52、及び、耐熱性樹脂部としての耐熱性樹脂の皮膜59から構成される。
ハウジング31は、バルブボディ6に固定される。ハウジング31は、耐油性の樹脂材料、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)で成形される。あるいは、耐摩耗性を向上するため、PPSにガラス繊維を入れた樹脂で成形される。
ハウジング31は、ベース部33、及び、ベース部33の長手方向の両辺に沿って設けられる案内レール351、352を設けている。案内レール351、352は、スライダ51を摺動可能に支持する。詳しく言えば、スライダ51の摺動面551、552が案内レール351、352の内壁361、362に沿って摺動する。案内レール351、352の縁部371、372は、スライダ51の脱落を防止する。
ハウジング31のベース部33は、スライダ51が摺動する側にベース面34を有している。本実施形態では、ハウジング31は、ベース面34がスプール7の移動方向と略平行になるように設置される。また、ベース部33は、ベース面34と反対側に、外壁38に囲まれる基板収容室39を有している。基板収容室39には、後述するセンサ固定部71としてのホール素子H1〜H3、TCU(トランスミッションコントロールユニット)75の回路基板等が収容される。
図1、図4に示すように、平板状のスライダ51は、入力軸52の一端に固定される。言い換えれば、入力軸52はスライダ51の板面から突出している。
スライダ51は、入力軸52が固定される露出面53、露出面53と反対側のセンサ面54、案内レール351、352に沿って摺動可能な摺動面551、552、及び、摺動方向に向く端面561、562の6面から構成されている。
スライダ51の内部には、後述するセンサ可動部72としての磁石M1〜M3が設けられている。具体的には、スライダ51は、例えば、PPSに鉄粉を混合したプラスチックマグネットで成形されることで、磁石M1〜M3を内包することができる。
入力軸52は、スプール7の溝7bに嵌合する(図3参照)。スプール7による操作力Fが入力軸52の作用点Qに作用することで、スライダ51は、スプール7の移動に追従して摺動する。これにより、図5に示すように、スライダ51は、P、R、N、Dの各レンジの選択に応じた位置に移動する。
また、シフトレバーの非操作時にディテントプレート12の回動が規制されるため、スライダ51は、各レンジの選択に応じた位置で移動が規制される。
本実施形態では、入力軸52は、露出面53の法線方向に対して摺動面552側に約45°傾いて設けられる。そのため、スライダ51の重心Gと入力軸52の作用点Qとは、露出面53の法線方向、すなわち図4(b)の視方向からの投影位置が異なっている。したがって、図1(b)に示すように、作用点Qに摺動方向の操作力Fが作用すると、スライダ51の重心Gの回りにモーメントMがかかる。
その結果、スライダ51は、案内レール351、352に対して傾き、図1(b)のW部に示すように、摺動面551の端面561寄りの「接触部57」が案内レール351の内壁361の「被接触部」に接触するとともに摺動面552の端面562寄りの「接触部57」が案内レール352の内壁362の「被接触部」に接触しながら摺動する。
ここで、案内レール351、352の内壁361、362については、スライダ51の摺動に伴って被接触部の位置が変わるため摩擦箇所が一点に集中しない。それに対し、スライダ51の摺動面551、552の接触部57は、同一方向に摺動中、常に同じ箇所が接触するため摩擦熱が発生する。この摩擦熱により樹脂が溶融することを防止するため、摺動面551、552には耐熱性樹脂の皮膜59が形成されている。
耐熱性樹脂の皮膜59は、例えばテフロン(登録商標)コーティングにより実現することができる。スライダ51の母材であるPPSは融点が約280℃の熱可塑性樹脂であり、テフロン(登録商標)は融点が約330℃の熱可塑性樹脂である。したがって、スライダ51に耐熱性樹脂の皮膜59を施すことにより、摩擦熱に対する耐熱性が向上する。なお、当該分野の当業者の技術常識に照らせば、「耐熱性樹脂」とは、例えば融点が300℃以上の樹脂を示す。
耐熱性樹脂の皮膜59を形成する方法としては、例えば、スライダ51の摺動面551、552以外の面をマスキングした後、スライダ51に耐熱性樹脂をスプレーする方法が用いられる。
次に、レンジ検出装置の変位検出手段について図6〜図9に基づいて説明する。変位検出手段としての位置センサ70は、センサ固定部71およびセンサ可動部72から構成される。センサ可動部72は、「磁石」により構成され、センサ固定部71は、磁石が発生する磁界の変化を検出する「磁気検出素子」により構成される。これにより、センサ固定部71とセンサ可動部72とが接触することなくスライダ51の変位を検出することができる。すなわち、位置センサ70は、非接触式の変位検出手段である。
図6に示すように、センサ固定部71を構成する磁気検出素子としての3つのホール素子H1、H2、H3は、ハウジング31のベース部33に埋設されている。ホール素子H1〜H3は、スライダ51の摺動方向と直交する方向に互いに間隔をあけて配列されている。ホール素子H1〜H3を結ぶ仮想線は、検出ラインUを構成する。
図7に示すように、センサ可動部72を構成する3つの磁石M1、M2、M3は、スライダ51の端面561、562と平行な方向に互いに間隔をあけてスライダ51に埋設されている。磁石M1〜M3の位置は、ハウジング31のホール素子H1〜H3の位置に対応している。磁石M1〜M3は、摺動面551、552の方向に延び、それぞれS極およびN極が異なるパターンで形成されている。
P、R、N、Dの各レンジに対応するスライダ51の各移動位置(図5参照)においてセンサ固定部71の検出ラインUに重なる仮想線を「被検出ラインVp、Vr、Vn、Vd」と表す。さらに、P、R、N、Dレンジの各中間位置に対応する仮想線を「被検出ラインVp−r、Vr−n、Vn−d」と表す。これら7つの被検出ライン上では、磁石M1〜M3のS極またはN極の組合せがそれぞれ異なる。
ホール素子H1〜H3は、検出ラインUがS極と重なるときオン電圧を出力し、検出ラインUがN極と重なるときオフとなる。その結果、図9のパターン表に示すように、ホール素子H1〜H3のオンオフの組合せとレンジ位置とが一対一に対応する。
図8に示すように、位置センサ70のセンサ可動部71を構成するホール素子H1〜H3は、上述のオン電圧をTCU75に出力する。TCU75は、電圧検出手段76、パターン判断手段77、レンジ判断手段78から構成される。電圧検出手段76は、ホール素子H1〜H3からの出力に基づく信号S1〜S3を検出する。パターン判断手段77およびレンジ判断手段78は、信号S1〜S3に基づき図9のパターン表にしたがってパターンを判断し、レンジを判定する。
(作用)
シフトレバーによりレンジが選択されると、ディテント機構10を介して、油圧制御装置20のバルブボディ6のスプール孔6aに嵌入されたスプール7が往復移動する。これにより油圧制御装置20が各摩擦要素への供給油圧を制御するとともに、レンジ検出装置30のスライダ51がスプール7の往復移動に追従して摺動する。
このとき、スライダ51の摺動面551、552がハウジング31の案内レール351、352の内壁361、362に沿って摺動する。スライダ51の摺動面551、552に形成される耐熱性樹脂の皮膜59は、スライダ51の摺動時に接触部57が摩擦熱で溶融することを防止する。
レンジ検出装置30の位置センサ70は、スライダ51の移動位置に応じたオン電圧をTCU75へ出力し、TCU75は、選択されたレンジを判定する。
(効果)
次に、本発明の第1実施形態によるレンジ検出装置30の効果を説明する。
(1)スライダ51の摺動面551、552の接触部57に耐熱性樹脂の皮膜59が形成される。これにより、スライダ51の摺動時に接触部57が案内レール351、352の内壁361、362に接触し摩擦熱が発生しても、接触部57の溶融を防止することができる。したがって、溶融樹脂の付着によるスライダ51の摺動不良を防止することができる。
(2)「接触部の溶融防止」という課題解決のための具体的手段である「耐熱性樹脂」は、一般にスーパーエンプラに属し、比較的コストが高く、成形性が悪いものが多い。したがって、スライダ51全体を耐熱性樹脂で成形する場合、製造コストが増大する。それに対し、第1実施形態では、摺動面551、552の表面にのみ耐熱性樹脂の皮膜を形成することにより製造コストを低減することができる。
(3)位置センサ70は、非接触式変位検出手段であるため、接点の電気的接触または非接触によりスライダの変位を検出する接触式変位検出手段に比べ、接点の摩耗等の問題がない点で有利である。
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態を図10に基づいて説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対し、スライダ51の形状の一部が異なる。なお、第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態では、スライダ51は、摺動面551、552の摺動方向の中間部に逃がし部58を有している。逃がし部58の両側部分は、「接触部57」とみなされる。
スライダ51に耐熱性樹脂の皮膜59を形成する際、摺動面551、552以外の面をマスキングする他に、摺動面551、552の逃がし部58をマスキングした後、スライダ51に耐熱性樹脂をスプレーする。すると、逃がし部58の両側部分に耐熱性樹脂の皮膜59が形成される。
第2実施形態では、第1実施形態の効果(1)〜(3)と同様の効果が得られる。さらに、逃がし部58の両側の接触部57のみに耐熱性樹脂の皮膜59を形成するため、耐熱性樹脂の使用量を削減し、製造コストを低減することができる。また、逃がし部58を目印とすることで、マスキングの作業効率が向上する。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図11〜図14に基づいて説明する。第3実施形態は、変位検出手段が第1実施形態と異なる。第3実施形態では、変位検出手段としての位置センサ80(図13参照)は、センサ固定部81およびセンサ可動部82から構成される。センサ固定部81は、「電極プレート」により構成され、センサ可動部82は、電極プレートに接触する接点を有する「ターミナル」により構成される。これにより、センサ固定部81とセンサ可動部82とが接触してスライダの変位を検出することができる。すなわち、位置センサ80は、接触式の変位検出手段である。
図11に示すように、ハウジング41のベース面44と対向するスライダ61のセンサ面64に4つのターミナルT1、T2、T3、T4が装着されている。ターミナルT1〜T4は、スライダ61のセンサ面64に基端部が固定され、端面661、662と平行な方向に互いに間隔をあけて配列されている。ターミナルT1〜T4は、センサ可動部82を構成する。ターミナルT1〜T4の先端部を結ぶ仮想線は、検出ラインUを構成する。
また、スライダ61の摺動面651、652には、第1実施形態と同様、耐熱性樹脂の皮膜69が形成される。
図12に示すように、センサ固定部81を構成する4つの電極プレートE1、E2、E3、E4は、ハウジング41のベース部43に埋設されている。電極プレートE1〜E4は、スライダ61の摺動方向と直交する方向に互いに間隔をあけて配列されている。電極プレートE1〜E4の位置は、スライダ61のターミナルT1〜T4の位置に対応している。電極プレートE1〜E4は、スライダ61の摺動方向に延びている。電極プレートE1〜E3は、それぞれ導通部Cおよび絶縁部Iが異なるパターンで形成されている。電極プレートE4は、導通部Cのみから構成され、図13に示すように接地されている。
P、R、N、Dの各レンジに対応するスライダ61の各移動位置においてセンサ可動部82の検出ラインUが重なる仮想線を「被検出ラインVp、Vr、Vn、Vd」と表す。さらに、P、R、N、Dレンジの各中間位置に対応する仮想線を「被検出ラインVp−r、Vr−n、Vn−d」と表す。これら7つの被検出ライン上では、電極プレートE1〜E4の導通部Cまたは絶縁部Iの組合せがそれぞれ異なる。
ターミナルT1〜T4の先端部は、電極プレートE1〜E4に接触している。ターミナルT1〜T4の先端部すなわち検出ラインUが電極プレートE1〜E4の導通部Cと接触するときオン電圧が出力され、検出ラインUが電極プレートE1〜E4の絶縁部Iと接触するときオフとなる。その結果、図14のパターン表に示すように、ターミナルT1〜T4および電極プレートE1〜E4間のオンオフの組合せとレンジ位置とが一対一に対応する。
図13に示すように、位置センサ80は、上述のオン電圧をTCU75に出力する。TCU75は、電圧検出手段76、パターン判断手段77、レンジ判断手段78から構成される。電圧検出手段76は、位置センサ80からの出力に基づく信号S1〜S3を検出する。パターン判断手段77およびレンジ判断手段78は、信号S1〜S3に基づき図14のパターン表にしたがってパターンを判断し、レンジを判定する。
第3実施形態においても、スライダ61の摺動面651、652に耐熱性樹脂の皮膜69が形成されるため、第1実施形態の効果(1)、(2)と同様の効果が得られる。
(その他の実施形態)
(ア)上記の実施形態では、スライダの摺動面に耐熱性樹脂の皮膜が形成される。その他、スライダ全体が耐熱性樹脂で成形されてもよい。
(イ)スライダの摺動面に加えて、スライダの他の面の一部または全部に耐熱性樹脂の皮膜が形成されてもよい。これにより、マスキングの箇所を減らし、マスキング作業の工数を低減することができる。
(ウ)耐熱性樹脂の皮膜が形成される場合、スライダの母材は樹脂以外の材質でもよい。ただし、変位検出手段を磁石と磁気検出素子で構成する場合、スライダの母材は非磁性体であることが好ましい。
(エ)第1実施形態において、耐熱性樹脂の皮膜の例として熱可塑性樹脂であるテフロン(登録商標)のコーティングを示した。その他、耐熱性樹脂として熱硬化性樹脂を使用してもよい。熱硬化性樹脂は一旦硬化した後は溶融しないため、仮に摩擦熱が想定以上の温度に達した場合でも接触部が溶融することがない。したがって、溶融樹脂の付着によるスライダの摺動不良を確実に防止することができる。
(オ)上記の実施形態では、ハウジングは、ベース面が略水平方向に設置されている。しかし、ハウジングの設置方向はこれに限定されず、例えばベース面が略鉛直方向に設置されてもよい。
(カ)非接触式の位置センサの固定部として、ホール素子の代わりに磁気抵抗素子を使用してもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
2 ・・・自動変速機
6 ・・・バルブボディ
7 ・・・スプール
10 ・・・ディテント機構
20 ・・・油圧制御装置
30 ・・・レンジ検出装置
31、41 ・・・ハウジング
33、43 ・・・ベース部
34、44 ・・・ベース面、
351、352、451、452・・・案内レール
361、362、461、462・・・内壁
51、61 ・・・スライダ
52、62 ・・・入力軸
53、63 ・・・露出面
54、64 ・・・センサ面
551、552,651、652・・・摺動面
561、562、661、662・・・端面
57 ・・・接触部
58 ・・・逃がし部
59、69 ・・・耐熱性樹脂の皮膜
70、80 ・・・位置センサ(変位検出手段)
71、81 ・・・センサ固定部
72、82 ・・・センサ可動部
75 ・・・TCU
G ・・・重心
Q ・・・作用点
H1、H2、H3 ・・・ホール素子(磁気検出素子)
M1、M2、M3 ・・・磁石
T1、T2、T3、T4 ・・・ターミナル
E1、E2、E3、E4 ・・・電極プレート
U ・・・検出ライン
Vp、Vr、Vn、Vd ・・・被検出ライン

Claims (5)

  1. 自動変速機のレンジの選択に応じて操作力が作用する入力軸と、
    前記入力軸の一端に固定され、前記入力軸と一体に往復移動可能なスライダと、
    前記スライダを摺動可能に案内する案内レールが形成される樹脂製のハウジングと、
    前記スライダの前記案内レールとの摺動面に設けられ、前記スライダの摺動時に前記案内レールに接触可能な耐熱性樹脂部と、
    前記スライダに設けられるセンサ可動部、及び、前記ハウジングに設けられるセンサ固定部から構成され、前記センサ可動部と前記センサ固定部との相対位置に基づいてレンジを検出する変位検出手段と、
    を備え
    前記スライダの重心と、前記入力軸において前記操作力が作用する作用点とは、前記スライダの摺動方向に平行な面の法線方向からの投影位置が互いに異なることを特徴とするレンジ検出装置。
  2. 前記耐熱性樹脂部は、耐熱性樹脂の皮膜として形成されることを特徴とする請求項1に記載のレンジ検出装置。
  3. 前記スライダの前記摺動面は、摺動方向の中間部に凹状の逃がし部を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のレンジ検出装置。
  4. 前記耐熱性樹脂部は、熱硬化性樹脂で形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のレンジ検出装置。
  5. 前記センサ可動部は磁石であり、前記センサ固定部は前記磁石が発生する磁界の変化を検出する磁気検出素子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のレンジ検出装置。
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