JP5347355B2 - 振動片、振動子及び加速度センサ - Google Patents
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Description
これにより、従来の圧電薄膜音叉振動片では、駆動の効率アップと検出の感度向上とが両立しないという課題がある。
前記検出用圧電素子は、検出用圧電部を有し、前記駆動用圧電部の圧電歪定数の絶対値は、前記検出用圧電部の圧電歪定数の絶対値より大きく、前記検出用圧電部の圧電出力係数の絶対値は、前記駆動用圧電部の圧電出力係数の絶対値より大きいことを特徴とする。また、他の態様では、前記駆動用圧電部および前記検出用圧電部は、下部電極と上部電極との間に設けられていることを特徴とする。また、他の態様では、前記駆動用圧電部は、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム、およびニオブ酸カリウムの少なくとも1つが用いられ、前記検出用圧電部は、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、水晶、ニオブ酸リチウム、およびタンタル酸リチウムの少なくとも1つが用いられることを特徴とする。また他の態様では、前記駆動用圧電部の下部電極には、Ptが用いられ、前記検出用圧電部の下部電極には、Mo、Pt、およびAlの少なくとも1つが用いられることを特徴とする。
そして、圧電薄膜音叉振動片は、駆動用圧電薄膜素子が、駆動用圧電薄膜部を有し、検出用圧電薄膜素子が、検出用圧電薄膜部を有し、駆動用圧電薄膜部の圧電歪定数の絶対値が、検出用圧電薄膜部の圧電歪定数の絶対値より大きく、検出用圧電薄膜部の圧電出力係数の絶対値が、駆動用圧電薄膜部の圧電出力係数の絶対値より大きい。
これにより、圧電薄膜音叉振動片は、例えば、一方の振動腕部の一方の主面に駆動用圧電薄膜素子が形成され、他方の振動腕部の他方の主面に駆動用圧電薄膜素子が形成されている場合に発生しやすい、振動腕部のねじれ成分が含まれた屈曲振動を、抑制することができる。
また、圧電薄膜音叉振動片は、例えば、蒸着法やスパッタ法などで成膜する際に、2つの振動腕部を一括して行えることから、各圧電薄膜素子の形成が容易に行える。
このことから、圧電薄膜音叉振動片は、検出用圧電薄膜素子が不要な圧電歪成分を殆ど含まない圧電歪を、電荷に変換して出力することができる。そして、圧電薄膜音叉振動片は、スプリアスが小さくできるのでノイズの少ない出力が得られる。
図1は、第1の実施形態の圧電薄膜音叉振動片を示す斜視図であり、図2は、図1のA−A線断面図及び各圧電薄膜素子の接続説明図である。なお、本実施形態の圧電薄膜音叉振動片の音叉振動片体には、圧電体としての周波数温度特性に優れる水晶振動片体を例示して説明する。
基部21において、振動腕部30,40の延在方向とは逆方向に支持部22が設けられている。
ここで、振動腕部30,40において、振動腕部30,40の延在方向と振動腕部30,40の配列方向(振動腕部30,40と交差する方向)とにより規定される面に略沿った面を主面とし、振動腕部30,40の配列方向に略直交する面を側面とする。
振動腕部30の表面には、互いに対向する一方の主面としての主面31及び他方の主面としての主面32と、互いに対向する側面33,34とが形成されている。
振動腕部40の表面には、互いに対向する一方の主面としての主面41及び他方の主面としての主面42と、互いに対向する側面43,44とが形成されている。
主面31,32,41,42には、圧電薄膜素子110,120,130,140,150,160,170,180が形成されている。
なお、一対の振動腕部30,40は、振動腕部30と振動腕部40との間の中間線C0に対して対称形である。
ここで、振動腕部30,40が延在された延在方向及び圧電薄膜水晶振動片10の長さ方向をY軸方向、Y軸方向に直交する圧電薄膜水晶振動片10の幅方向をX軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する圧電薄膜水晶振動片10の厚さ方向をZ軸方向とする。
図1、図2に示すように、圧電薄膜素子110は、主面31上のY軸方向の主面中心線C1の外側に略長方形の平面形状を有するように形成されている。
圧電薄膜素子120は、主面31上のY軸方向の主面中心線C1の内側に略長方形の平面形状を有するように形成されている。
圧電薄膜素子150は、主面32上のY軸方向の主面中心線C2の外側に略長方形の平面形状を有するように形成されている。
圧電薄膜素子160は、主面32上のY軸方向の主面中心線C2の内側に略長方形の平面形状を有するように形成されている。
圧電薄膜素子130は、主面41上のY軸方向の主面中心線C3の内側に略長方形の平面形状を有するように形成されている。
圧電薄膜素子140は、主面41上のY軸方向の主面中心線C3の外側に略長方形の平面形状を有するように形成されている。
圧電薄膜素子170は、主面42上のY軸方向の主面中心線C4の内側に略長方形の平面形状を有するように形成されている。
圧電薄膜素子180は、主面42上のY軸方向の主面中心線C4の外側に略長方形の平面形状を有するように形成されている。
圧電薄膜素子150と圧電薄膜素子160とは、主面中心線C2に対し略線対称の平面形状を有するように形成されている。
圧電薄膜素子130と圧電薄膜素子140とは、主面中心線C3に対し略線対称の平面形状を有するように形成されている。
圧電薄膜素子170と圧電薄膜素子180とは、主面中心線C4に対し略線対称の平面形状を有するように形成されている。
ここで、上述の内側とは主面中心線C1,C2,C3,C4を基点にして中間線C0に向かう側(主面中心線C1と主面中心線C3、主面中心線C2と主面中心線C4との間。)を指し、外側とは主面中心線C1,C2,C3,C4を基点にして中間線C0から遠ざかる側を指す。
これにより、圧電薄膜水晶振動片10は、駆動用素子としての圧電薄膜素子110,120,130,140と、検出用素子としての圧電薄膜素子150,160,170,180とが、互いに対向している。
圧電薄膜素子110は、主面31上に形成された駆動用下部電極部としての下部電極部111と、下部電極部111上に形成された駆動用圧電薄膜部としての圧電薄膜部112と、圧電薄膜部112上に形成された駆動用上部電極部としての上部電極部113とを有している。
圧電薄膜素子150は、主面32上に形成された検出用下部電極部としての下部電極部151と、下部電極部151上に形成された検出用圧電薄膜部としての圧電薄膜部152と、圧電薄膜部152上に形成された検出用上部電極部としての上部電極部153とを有している。
下部電極部111の材質としてはPt、圧電薄膜部112の材質としてはPZT、上部電極部113の材質としてはAlを採用している。
下部電極部151の材質としてはMo、圧電薄膜部152の材質としてはZnO、上部電極部153の材質としてはAlを採用している。
また、PZTの圧電出力係数(以下、g(PZT)と呼ぶ。)の絶対値は、約12×10-3[Vm/N]、ZnOの圧電出力係数(以下、g(ZnO)と呼ぶ。)の絶対値は、約55×10-3[Vm/N]である。よって、g(ZnO)の絶対値>g(PZT)の絶対値で示す大小関係となる。
また、PtとPZTとの格子長は略一致していることから、下部電極部111,121,131,141上に形成された圧電薄膜部112,122,132,142の配向性が高まり、圧電薄膜部112,122,132,142のd(PZT)及びg(PZT)の絶対値がより大きくなる。
また、MoとZnOとの格子長も略一致していることから、下部電極部151,161,171,181上に形成された圧電薄膜部152,162,172,182の配向性が高まり、圧電薄膜部152,162,172,182のd(ZnO)及びg(ZnO)の絶対値がより大きくなる。
本実施形態では、圧電薄膜素子110,120,130,140,150,160,170,180を、側面33,34,43,44には形成せず、主面31,32,41,42のみに形成する。
加えて、本実施形態では、駆動用素子としての圧電薄膜素子110,120,130,140と、検出用素子としての圧電薄膜素子150,160,170,180とが、それぞれ水晶振動片体20の同一側の面である主面31,41と主面32,42とに形成されている。このことにより、スパッタ法、フォトリソグラフィー法やエッチング法は、振動腕部30,40を一括して処理できるなど適用が容易になる。
駆動用素子において、下部電極部111,141、上部電極部123,133及び接続端子61は、接続電極51によって接続されている。また、これらの電極部とは互いに異極となる上部電極部113,143、下部電極部121,131及び接続端子62は、接続電極52によって接続されている。
検出用素子において、下部電極部151,181、上部電極部163,173及び接続端子63は、接続電極53によって接続されている。また、これらの電極部とは互いに異極となる上部電極部153,183、下部電極部161,171及び接続端子64は、接続電極54によって接続されている。
図4は、圧電薄膜水晶振動片10の振動について模式的に示す説明図である。なお、図4(a)は図1のA−A線断面図であり、図4(b)は圧電薄膜水晶振動片10の振動方向を示す模式図である。図4を参照して第1の状態を説明する。
下部電極部111,141、上部電極部123,133にはプラス(+)電位を印加し、上部電極部113,143、下部電極部121,131にはマイナス(−)電位を印加する。ここで、圧電薄膜部112,122,132,142の分極方向は、矢印Poで示すような圧電薄膜部112,122,132,142の厚さ方向である。
また、圧電薄膜部122は、下部電極部121にマイナス電位、上部電極部123にプラス電位を印加するとZ軸方向に収縮し、X軸方向及びY軸方向に伸張する。
これらの伸張または収縮の歪みの大きさは、伸張または収縮の歪みが生じる方向の圧電薄膜部の寸法に比例する。圧電薄膜部112,122において、Y軸方向の寸法が最も大きくなるように形成されていることから、Y軸方向の歪みが最も大きくなる。
よって、主面中心線C1の外側に形成された圧電薄膜部112は、Y軸方向に最も大きく収縮する。また、主面中心線C1の内側に形成された圧電薄膜部122は、Y軸方向に最も大きく伸張する。このことによって、圧電薄膜部112,122が形成された振動腕部30は、矢印F1方向に変位する。
また、圧電薄膜部162はY軸方向に伸張し、X軸方向及びZ軸方向に収縮する。このことによって、下部電極部161にマイナス電荷が、上部電極部163にプラス電荷が発生する。
また、圧電薄膜部132は、下部電極部131にマイナス電位、上部電極部133にプラス電位を印加するとZ軸方向に収縮し、X軸方向及びY軸方向に伸張する。
圧電薄膜部132,142においても、Y軸方向の寸法が最も大きくなるように形成されていることから、Y軸方向の歪みが最も大きくなる。
よって、主面中心線C3の外側に形成された圧電薄膜部142は、Y軸方向に最も大きく収縮する。また、主面中心線C3の内側に形成された圧電薄膜部132は、Y軸方向に最も大きく伸張する。このことによって、圧電薄膜部132,142が形成された振動腕部40は、矢印F2方向に変位する。
また、圧電薄膜部172はY軸方向に伸張し、X軸方向及びZ軸方向に収縮する。このことによって、下部電極部171にマイナス電荷が、上部電極部173にプラス電荷が発生する。
また、圧電薄膜部122は、下部電極部121にプラス電位、上部電極部123にマイナス電位が印加されるとZ軸方向に伸張し、X軸方向及びY軸方向に収縮する。主面中心線C1の外側に形成された圧電薄膜部112は、Y軸方向に最も大きく伸張する。
また、主面中心線C1の内側に形成された圧電薄膜部122は、Y軸方向に最も大きく収縮する。このことによって、圧電薄膜部112,122が形成された振動腕部30は、矢印F3方向に変位する。
また、圧電薄膜部162はY軸方向に収縮し、X軸方向及びZ軸方向に伸張する。このことによって、下部電極部161にプラス電荷が、上部電極部163にマイナス電荷が発生する。
また、圧電薄膜部132は、下部電極部131にプラス電位、上部電極部133にマイナス電位が印加するとZ軸方向に伸張し、X軸方向及びY軸方向に収縮する。
主面中心線C3の外側に形成された圧電薄膜部142は、Y軸方向に最も大きく伸張する。また、主面中心線C3の内側に形成された圧電薄膜部132は、Y軸方向に最も大きく収縮する。このことによって、圧電薄膜部132,142が形成された振動腕部40は、矢印F4方向に変位する。
また、圧電薄膜部172はY軸方向に収縮し、X軸方向及びZ軸方向に伸張する。このことによって、下部電極部171にプラス電荷が、上部電極部173にマイナス電荷が発生する。
(1)駆動用圧電薄膜部112,142と駆動用圧電薄膜部122,132とに印加される互いに逆相の交流電圧は、駆動用圧電薄膜部112,142と駆動用圧電薄膜部122,132とでは逆方向の歪み(圧電歪)を発生させる。
その結果、振動腕部30と振動腕部40とは、互いが逆方向の屈曲振動を行う。そして、かかる屈曲振動によって、検出用圧電薄膜素子150,160,170,180の検出用圧電薄膜部152,162,172,182は変形する。
圧電薄膜水晶振動片10は、PtとPZTとの格子長が略一致していることにより、下部電極部111,121,131,141上に形成された圧電薄膜部112,122,132,142の配向性が高まり、圧電薄膜部112,122,132,142のd(PZT)の絶対値がより大きくなる。このことから、圧電薄膜水晶振動片10は、所定の電気エネルギーをより効率良く機械エネルギーに変換することができる。
圧電薄膜水晶振動片10は、MoとZnOとの格子長が略一致していることにより、下部電極部151,161,171,181上に形成された圧電薄膜部152,162,172,182の配向性が高まり、圧電薄膜部152,162,172,182のg(ZnO)の絶対値がより大きくなる。このことから、圧電薄膜水晶振動片10は、所定の機械エネルギーをより効率良く電気エネルギーに変換することができる。
ここで、上記第1の実施形態の変形例を説明する。
図5は、第1の実施形態の変形例の各圧電薄膜素子の接続説明図である。
変形例の圧電薄膜水晶振動片10の駆動用素子の電極部間の接続と検出用素子の電極部間の接続とについて、図5に沿って順次説明する。
駆動用素子において、下部電極部111,121,131,141は、互いに接続され、接続端子62と接続されている。上部電極部113,143は、互いに接続され、接続端子61bと接続されている。
上部電極部123,133は、互いに接続され、接続端子61aと接続されている。
上部電極部163,173は、互いに接続され、接続端子63aと接続されている。
なお、接続端子61a,61b,63a,63bは、増幅器と接続されている。また、接続端子62は、接続端子64と等電位になるように構成されている。
図6は、圧電薄膜水晶振動片10の振動について模式的に示す説明図である。なお、図6(a)は図1のA−A線断面相当の断面図であり、図6(b)は圧電薄膜水晶振動片10の振動方向を示す模式図である。ここでは、第1の実施形態との異なる部分を中心に説明する。
変形例と第1の実施形態との違いは、各振動腕部の各下部電極部の電位を等電位にしていることである。
下部電極部111,121,131,141にはグランド電位(G)を印加し、上部電極部113,143にはグランド電位よりマイナス側のマイナス(−)電位を印加する。
そして、上部電極部123,133にはグランド電位よりプラス側のプラス(+)電位を印加する。ここで、圧電薄膜部112,122,132,142の分極方向は、第1の実施形態と同様に矢印Poで示すような圧電薄膜部112,122,132,142の厚さ方向である。
また、圧電薄膜部162はY軸方向に伸張し、X軸方向及びZ軸方向に収縮する。このことによって、下部電極部161にグランド電荷が、上部電極部163にグランド電荷よりプラス側のプラス電荷が発生する。
また、圧電薄膜部172はY軸方向に伸張し、X軸方向及びZ軸方向に収縮する。このことによって、下部電極部171にグランド電荷が、上部電極部173にグランド電荷よりプラス側のプラス電荷が発生する。
第2の状態では、下部電極部111,121,131,141にグランド電位を印加し、上部電極部113,143,123,133に第1の状態と逆相の電位を印加する。これにより、第1の実施形態における第2の状態と同様に、振動腕部30が矢印F3方向に変位し、振動腕部40が矢印F4方向に変位する。
また、下部電極部161にグランド電荷が、上部電極部163にグランド電荷よりマイナス側のマイナス電荷が発生する。
また、下部電極部171にグランド電荷が、上部電極部173にグランド電荷よりマイナス側のマイナス電荷が発生する。
このことから、圧電薄膜水晶振動片10は、振動腕部30,40の屈曲振動により発生する圧電歪が、振動腕部30,40自体の圧電作用による圧電歪成分を殆ど含まない。
これにより、圧電薄膜水晶振動片10は、検出用素子としての圧電薄膜素子150,160,170,180が、不要な圧電歪成分を殆ど含まない圧電歪を、電荷に変換して出力することができる。そして、圧電薄膜水晶振動片10は、上記のようにスプリアスが小さくできるのでノイズの少ない出力が得られる。
本実施形態では、上述の実施形態と同じ内容については説明を省き、異なる内容を説明する。
図7は、第2の実施形態の圧電薄膜音叉振動片を示す斜視図であり、図8は、図7のB−B線断面図及び各圧電薄膜素子の接続説明図である。
図7及び図8に示すように、圧電薄膜素子210は、主面31の主面中心線C1に対し略線対称の略長方形の平面形状を有するように形成されている。
圧電薄膜素子230は、主面32の主面中心線C2に対し略線対称の略長方形の平面形状を有するように形成されている。
圧電薄膜素子220は、主面41の主面中心線C3に対し略線対称の略長方形の平面形状を有するように形成されている。
圧電薄膜素子240は、主面42の主面中心線C4に対し略線対称の略長方形の平面形状を有するように形成されている。
以下、サンプルNo.14の圧電薄膜水晶振動片10を代表例として説明する。この圧電薄膜水晶振動片10は、駆動用素子としての圧電薄膜素子210,220と、検出用素子としての圧電薄膜素子230,240とが形成されている。
これにより、圧電薄膜水晶振動片10は、駆動用素子としての圧電薄膜素子210,220と、検出用素子としての圧電薄膜素子230,240とが、互いに対向している。
駆動用素子において、下部電極部211、上部電極部223及び接続端子61は、接続電極51によって接続されている。また、これらの電極部とは互いに異極となる上部電極部213、下部電極部221及び接続端子62は、接続電極52によって接続されている。
検出用素子において、下部電極部231、上部電極部243及び接続端子64は、接続電極54によって接続されている。また、これらの電極部とは互いに異極となる上部電極部233、下部電極部241及び接続端子63は、接続電極53によって接続されている。
図9を参照して第3の状態を説明する。下部電極部211、上部電極部223にはプラス電位を印加し、上部電極部213、下部電極部221にはマイナス電位を印加する。ここで、圧電薄膜部212,222,232,242の分極方向は、矢印Poで示すような圧電薄膜部212,222,232,242の厚さ方向である。
第2の実施形態では、駆動用素子及び検出用素子が振動腕部30,40に1つずつであることから、駆動用素子及び検出用素子の製造が第1の実施形態と比較して容易となる。
ここで、上記第2の実施形態の変形例を説明する。
図10は、第2の実施形態の変形例の各圧電薄膜素子の接続説明図である。
変形例の圧電薄膜水晶振動片10の駆動用素子の電極部間の接続と検出用素子の電極部間の接続とについて、図10に沿って順次説明する。
駆動用素子において、下部電極部211,221は、互いに接続され、接続端子62と接続されている。上部電極部213は、接続端子61aと接続されている。上部電極部223は、接続端子61bと接続されている。
なお、接続端子61a,61b,63a,63bは、増幅器と接続されている。また、接続端子62は、接続端子64と等電位になるように構成されている。
図11は、圧電薄膜水晶振動片10の振動について模式的に示す説明図である。なお、図11(a)は図7のB−B線断面相当の断面図であり、図11(b)は圧電薄膜水晶振動片10の振動方向を示す模式図である。ここでは、第2の実施形態との異なる部分を中心に説明する。
変形例と第2の実施形態との違いは、各振動腕部の各下部電極部の電位を等電位にしていることである。
下部電極部211,221にはグランド電位を印加し、上部電極部213には、グランド電位よりマイナス側のマイナス電位を印加する。上部電極部223には、グランド電位よりプラス側のプラス電位を印加する。
ここで、圧電薄膜部212,222,232,242の分極方向は、第2の実施形態と同様に矢印Poで示すような圧電薄膜部212,222,232,242の厚さ方向である。
振動腕部30が矢印F5方向に変位したことによって、振動腕部30に形成された圧電薄膜部232はY軸方向に伸張し、X軸方向及びZ軸方向に収縮する。
このことによって、下部電極部231にグランド電荷が、上部電極部233にグランド電荷よりプラス側のプラス電荷が発生する。
振動腕部40が矢印F6方向に変位したことによって、振動腕部40に形成された圧電薄膜部242はY軸方向に収縮し、X軸方向及びZ軸方向に伸張する。
このことによって、下部電極部241にグランド電荷が、上部電極部243にグランド電荷よりマイナス側のマイナス電荷が発生する。
第4の状態では、下部電極部211,221にはグランド電位を印加し、上部電極部213,223には、第3の状態と逆相の電位を印加する。これにより、第2の実施形態の第4の状態と同様に、振動腕部30が矢印F7方向に変位し、振動腕部40が矢印F8方向に変位する。
また、振動腕部40が矢印F8方向に変位したことによって、下部電極部241にグランド電荷が、上部電極部243にグランド電荷よりプラス側のプラス電荷が発生する。
本実施形態では、上述の実施形態と同じ内容については説明を省き、異なる内容を説明する。図12は、第3の実施形態の圧電薄膜音叉振動片を示す斜視図であり、図13は、図12のC−C線断面図及び各圧電薄膜素子の接続説明図である。
図12及び図13に示すように、圧電薄膜素子310は、側面33上のY軸方向の側面中心線C5に対し略線対称の略長方形の平面形状を有するように形成されている。
圧電薄膜素子320は、側面34上のY軸方向の側面中心線C6に対し略線対称の略長方形の平面形状を有するように形成されている。
圧電薄膜素子330は、側面43上のY軸方向の側面中心線C7に対し略線対称の略長方形の平面形状を有するように形成されている。
圧電薄膜素子340は、側面44上のY軸方向の側面中心線C8に対し略線対称の略長方形の平面形状を有するように形成されている。
以下、サンプルNo.16の圧電薄膜水晶振動片10を代表例として説明する。
この圧電薄膜水晶振動片10は、駆動用素子としての圧電薄膜素子310,330と、検出用素子としての圧電薄膜素子320,340とが形成されている。
これにより、圧電薄膜水晶振動片10は、駆動用素子としての圧電薄膜素子310,330と、検出用素子としての圧電薄膜素子320,340とが、互いに対向して形成されている。
駆動用素子において、下部電極部311、上部電極部333及び接続端子61は、接続電極51によって接続されている。また、これらの電極部とは互いに異極となる上部電極部313、下部電極部331及び接続端子62は、接続電極52によって接続されている。
検出用素子において、下部電極部321、上部電極部343及び接続端子64は、接続電極54によって接続されている。また、これらの電極部とは互いに異極となる上部電極部323、下部電極部341及び接続端子63は、接続電極53によって接続されている。
図14を参照して第5の状態を説明する。下部電極部311、上部電極部333にはプラス電位を印加し、上部電極部313、下部電極部331にはマイナス電位を印加する。ここで、圧電薄膜部312,322,332,342の分極方向は、矢印Poで示すような圧電薄膜部312,322,332,342の厚さ方向である。
ここで、上記第3の実施形態の変形例を説明する。
図15は、第3の実施形態の変形例の各圧電薄膜素子の接続説明図である。
変形例の圧電薄膜水晶振動片10の駆動用素子の電極部間の接続と検出用素子の電極部間の接続とについて、図15に沿って順次説明する。
駆動用素子において、下部電極部311,331は、互いに接続され、接続端子62と接続されている。上部電極部313は、接続端子61aと接続されている。上部電極部333は、接続端子61bと接続されている。
なお、接続端子61a,61b,63a,63bは、増幅器と接続されている。また、接続端子62は、接続端子64と等電位になるように構成されている。
図16は、圧電薄膜水晶振動片10の振動について模式的に示す説明図である。なお、図16(a)は図12のC−C線断面相当の断面図であり、図16(b)は圧電薄膜水晶振動片10の振動方向を示す模式図である。ここでは、第3の実施形態との異なる部分を中心に説明する。
変形例と第3の実施形態との違いは、各振動腕部の各下部電極部の電位を等電位にしていることである。
下部電極部311,331には、グランド電位を印加し、上部電極部333にはグランド電位よりプラス側のプラス電位を印加し、上部電極部313にはグランド電位よりマイナス側のマイナス電位を印加する。
ここで、圧電薄膜部312,322,332,342の分極方向は、第3の実施形態と同様に矢印Poで示すような圧電薄膜部312,322,332,342の厚さ方向である。
振動腕部30が矢印F9方向に変位したことによって、振動腕部30に形成された圧電薄膜部322はY軸方向に伸張し、X軸方向及びZ軸方向に収縮する。このことによって、下部電極部321にグランド電荷が、上部電極部323にグランド電荷よりプラス側のプラス電荷が発生する。
振動腕部40が矢印F10方向に変位したことによって、振動腕部40に形成された圧電薄膜部342はY軸方向に収縮し、X軸方向及びZ軸方向に伸張する。このことによって、下部電極部341にグランド電荷が、上部電極部343にグランド電荷よりマイナス側のマイナス電荷が発生する。
第6の状態では、下部電極部311,331には、グランド電位を印加し、上部電極部333,313には、第5の状態と逆相の電位を印加する。これにより、第3の実施形態の第6の状態と同様に、振動腕部30が矢印F11方向に変位し、振動腕部40が矢印F12方向に変位する。
また、振動腕部40が矢印F12方向に変位したことによって、下部電極部341にグランド電荷が、上部電極部343にグランド電荷よりプラス側のプラス電荷が発生する。
例えば、音叉振動片体の材質は恒弾性を示す材質であれば良く、各種金属、シリコンなどの半金属、ガラス、石英、リン酸ガリウムなどの材質であっても良い。この際、材質が金属の場合には、音叉振動片体と形成される圧電薄膜素子との間に絶縁膜を形成する。
ここで、上記各実施形態及び各変形例の圧電薄膜音叉振動片としての圧電薄膜水晶振動片10を備えた、圧電薄膜音叉振動子としての圧電薄膜水晶振動子について説明する。
図17に示すように、圧電薄膜水晶振動子400は、圧電薄膜水晶振動片10、圧電薄膜水晶振動片10を気密封止された内部に収容するパッケージ410などから構成されている。
ベース部410aの2つの層411,412には、セラミックグリーンシートを成形して焼成した酸化アルミニウム質焼結体などが用いられている。
また、第1層411には、貫通穴411aが形成されている。
なお、第1層411には、平面視において、圧電薄膜水晶振動片10の先端部10bと重なる部分に開口部411bが形成されている。これにより、圧電薄膜水晶振動子400は、外部からの衝撃などにより発生する圧電薄膜水晶振動片10のたわみに起因する圧電薄膜水晶振動片10の先端部10bとベース部410aの第1層411との接触を回避できる。なお、開口部411bは、形成されていなくても良い。
これにより、圧電薄膜水晶振動子400は、パッケージ410の内部が気密封止されている。なお、パッケージ410の内部は、真空状態または窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが封入されていても良い。
このことから、圧電薄膜水晶振動子400は、圧電薄膜水晶振動片10が気密封止されたパッケージ410内に収容されていることで、圧電薄膜水晶振動片10の安定した屈曲振動を維持することができる。
ここで、上記各実施形態及び各変形例の圧電薄膜音叉振動片としての圧電薄膜水晶振動片10を備えた、加速度センサについて説明する。
図18に示すように、加速度センサ500は、駆動検出部510、駆動回路部520、検出回路部530、周波数差算出回路部540などから構成されている。
駆動検出部510には、加速度検出素子として上記各実施形態及び各変形例の圧電薄膜水晶振動片10が備えられている。
ここで、加速度センサ500は、圧電薄膜水晶振動片10の振動方向に加速度が印加されると、圧電薄膜水晶振動片10の屈曲振動の周波数が周波数fに変化する。
加速度センサ500は、周波数f0と周波数fとを検出回路部530が検出し、検出信号として出力する。
加速度センサ500は、この検出信号に基づいて周波数差算出回路部540が変化前の周波数f0と変化後の周波数fとの周波数差Δf(Δf=f0−f)を算出し、算出結果を電圧などで出力する。
なお、加速度センサ500は、周波数差と加速度との対応関係を、図示しない記憶部に記憶し、算出した周波数差Δfに基づいて図示しない演算部で演算して、加速度を求めて出力する構成としても良い。なお、上記記憶部の機能はコンデンサを用いて実現しても良い。
Claims (9)
- 基部と、
前記基部から延在された一対の振動腕部と、
それぞれの前記振動腕部に形成され、前記振動腕部を屈曲振動させる駆動用圧電素子と、
それぞれの前記振動腕部に形成され、前記屈曲振動により発生する圧電歪を電荷に変換して出力する検出用圧電素子と、を備え、
前記駆動用圧電素子は、駆動用圧電部を有し、
前記検出用圧電素子は、検出用圧電部を有し、
前記駆動用圧電部の圧電歪定数の絶対値は、前記検出用圧電部の圧電歪定数の絶対値より大きく、
前記検出用圧電部の圧電出力係数の絶対値は、前記駆動用圧電部の圧電出力係数の絶対値より大きいことを特徴とする振動片。 - 請求項1に記載の振動片において、
前記駆動用圧電部および前記検出用圧電部は、下部電極と上部電極との間に設けられていることを特徴とする振動片。 - 請求項2に記載の振動片において、
前記駆動用圧電部は、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム、およびニオブ酸カリウムの少なくとも1つが用いられ、
前記検出用圧電部は、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、水晶、ニオブ酸リチウム、およびタンタル酸リチウムの少なくとも1つが用いられることを特徴とする振動片。 - 請求項3に記載の振動片において、
前記駆動用圧電部の下部電極には、Ptが用いられ、
前記検出用圧電部の下部電極には、Mo、Pt、およびAlの少なくとも1つが用いられることを特徴とする振動片。 - 請求項2〜4のいずれか一項に記載の振動片において、前記駆動用圧電素子及び前記検出用圧電素子の各々の前記下部電極が接地されていることを特徴とする振動片。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の振動片において、
前記一対の振動腕部の各々は、互いに沿う面を有し、
それぞれの前記振動腕部の一方の面には、前記駆動用圧電素子が形成され、前記振動腕部の他方の面には、前記検出用圧電素子が形成されていることを特徴とする振動片。 - 請求項6に記載の振動片において、
前記駆動用圧電素子および前記検出用圧電素子の各々は、前記面上に2つ並列して設けられていることを特徴とする振動片。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の振動片と、前記振動片を内部に収容するパッケージと、を備えたことを特徴とする振動子。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の振動片を、加速度検出素子として用いたことを特徴とする加速度センサ。
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