JP5346722B2 - 自動製氷装置,冷蔵庫 - Google Patents
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Description
また,特許文献1,2には,給水タンクの水がなくなった場合に給水パイプヒータの駆動を停止させる構成が開示されている。これにより,不要な給水パイプヒータの駆動を防止し,省電力化を図ることができる。
そのため,仮に給水経路の水の凍結を防止し得る程度の低い出力で給水パイプヒータを駆動させた場合には,該給水経路の凍結を解除するために長時間を要することとなり,製氷運転の効率的な稼働が阻害されることになる。従って,給水ポンプの作動開始時点までの間に迅速且つ確実に給水経路の凍結を解除するためには,できるだけ給水パイプヒータを高出力で駆動させることが望ましい。
このような場合,給水ポンプの作動開始時点までは給水経路が凍結しないように給水パイプヒータの駆動を継続させる必要があるため,給水パイプヒータの出力が高いほど,該給水パイプヒータによる電力消費量が増大する。場合によっては,給水パイプヒータの不要な駆動を停止したことによる消費電力の削減よりも,一度凍結した給水経路を解凍する方が給水パイプヒータの消費電力を余分に必要とすることも考えられる。
そのため,給水パイプヒータの出力は,給水パイプヒータによる迅速且つ確実な給水経路の凍結解除と給水パイプヒータの省電力化とのトレードオフの関係を考慮して設定する必要があり,これらの両者について同時に高い効果を得ることができないという問題がある。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,給水パイプヒータによる給水経路の迅速な凍結解除及び給水パイプヒータの省電力化について同時に高い効果を得ることのできる自動製氷装置及び冷蔵庫を提供することにある。
本発明によれば,前記推定給水開始時点の所定時間前から該推定給水開始時点までは,高い出力(前記第1の供給電力)で前記加熱ヒータを駆動させることにより,前記給水経路の凍結を迅速且つ確実に解除させることができ,一方,前記所定時間が経過して前記第1の供給電力による前記加熱ヒータの駆動が終了する前記推定給水開始時点からは,低い出力(前記第2の供給電力)で前記加熱ヒータを駆動させることにより,消費電力を抑制しつつ前記給水経路の再凍結を防止することができる。もちろん,実際に前記給水手段による給水動作が終了した後は前記加熱ヒータを停止させることで省電力化が図られる。
さらに,前記給水制御手段が,少なくとも前記推定給水開始時点までは前記給水手段による給水動作を実行させないものであることが考えられる。これにより,確実に前記給水経路の凍結が解除された状況で前記給水手段による給水を実行させることができる。
また,前記離氷制御手段が,少なくとも前記推定給水開始時点までは前記離氷手段による離氷動作を実行させないものであることも考えられる。この場合にも,前記離氷手段による離氷動作後に実行される前記給水手段による給水動作が,少なくとも前記推定給水開始時点までは実行されないこととなるため,確実に前記給水経路の凍結が解除された状況で前記給水手段による給水動作を実行させることができる。
まず,図1を用いて,本発明の実施の形態に係る冷蔵庫1の概略構成について説明する。なお,図1は,前記冷蔵庫1の内部を側面から見た要部模式図である。
図1に示すように,前記冷蔵庫1は,冷蔵物が収容される冷蔵室11や氷を製造する製氷室12,当該冷蔵庫1を統括的に制御する制御部13などを備えている。前記製氷室12は,冷凍室内に配置されたものであっても冷凍室とは個別に設けられたものであってもよい。本実施の形態では,前記冷蔵庫1に搭載された後述の給水部2,製氷部3及び前記制御部13により本発明に係る自動製氷装置が構成される。
なお,前記冷蔵庫1は,本実施の形態で説明する構成要素の他,一般的な冷蔵庫が有する冷凍室や野菜室,冷却器(コンプレッサ,冷凍サイクルなど),冷却ファンなどの構成要素も有しており,前記冷蔵庫1では,前記冷却器によって生成される冷気が前記冷却ファンによって前記冷蔵室11,前記製氷室12,前記冷凍室及び前記野菜室に供給されることにより各収容室内が既定の設定温度に冷却・維持される。
具体的に,前記制御部13は,後述の自動製氷制御処理(図2(a)のフローチャート参照)やヒータ制御処理(図2(b)のフローチャート参照)を実行する。本発明の実施の形態に係る冷蔵庫1は,当該自動製氷制御処理及びヒータ制御処理の内容に特徴を有するものであり,この点については後段で詳述する。
前記製氷部3は,製氷皿31,貯氷容器32,離氷装置33(離氷手段の一例),貯氷検知レバー34,サーミスタ35(製氷温度検出手段の一例)などを有している。
前記製氷皿31は,所定形状の氷を生成するために水を保持する複数の凹部を有している。前記製氷皿31の水は,前記冷蔵庫1に設けられた前記冷却器(不図示)で生成された冷気により前記製氷室12内が氷点下の温度まで冷却されることによって凍結する。
前記サーミスタ35は,前記製氷皿31の下面に設けられており,該製氷皿31の温度を検出して前記制御部13に入力する。
前記貯氷容器32は,前記製氷皿31の下部に配置されており,該製氷皿31から離脱された氷を貯留する。前記貯氷容器32は,前記製氷室12に着脱自在に設けられており,ユーザは,前記製氷室扉12aを開き前記貯氷容器32を取り出して氷を使用する。
また,前記離氷装置33は,前記貯氷検知レバー34を所定のモータで回動させることにより,前記貯氷容器32内の貯氷量が飽和状態であるか否かを検知する機能を有している。なお,前記制御部13は,前記貯氷検知レバー34により前記貯氷容器32内の貯氷量が飽和状態であることが検知されている場合には,該貯氷容器32の飽和状態が解消するまで,後述の自動製氷制御処理による製氷運転を実行しない。
そして,前記冷蔵室11には,前記製氷部3の製氷皿31に水を供給する給水部2が設けられている。前記給水部2は,製氷用の水を貯留する給水タンク21と,前記給水タンク21から前記製氷皿31に水を供給するための給水パイプ22(給水経路の一例)と,前記給水パイプ22を介して前記給水タンク21から前記製氷皿31に水を供給させる給水ポンプ23(給水手段の一例)と,前記給水パイプ22を加熱する給水パイプヒータ24(加熱ヒータの一例)とを備えている。
前記給水タンク21は,前記冷蔵室11に着脱自在に設けられており,ユーザは,前記冷蔵室扉11aを開いて前記給水タンク21を取り出し,該給水タンク21に水を補充した後,前記冷蔵室11に装着する。即ち,当該冷蔵庫1では,前記給水タンク21の水の補充の際に必ず前記冷蔵室扉11aの開閉が行われる。
そして,前記給水ポンプ23は前記制御部13によって制御されることにより,前記給水タンク21から水を汲み上げ,前記給水パイプ22を介して前記製氷皿31に供給する。
ところで,前記給水パイプ22は,前記冷蔵室11から前記製氷室12に亘って配置されることにより低温の冷気にさらされるため,該給水パイプ22内に水が残存している場合にその水が凍結するおそれがある。特に,氷点下に維持される前記製氷室12内の前記製氷皿31の近傍に位置する前記給水パイプ22の先端部は凍結するおそれが高い。そして,前記給水パイプ22内が凍結した状態で前記給水ポンプ23が駆動されると,前記給水パイプ22を通じて前記製氷皿31に水を供給することができないばかりでなく,前記給水ポンプ23の内部ギアの破損などが懸念される。
そのため,前記冷蔵庫1には,前記給水パイプ22を加熱する前記給水パイプヒータ24が設けられている。前記給水パイプヒータ24は,前記給水パイプ22に接触配置されており,該給水パイプ22内の水の凍結防止や凍結解除のために用いられる。なお,図1に示すように,前記給水パイプヒータ22は,前記給水タンク21や前記給水ポンプ23の周辺にまで至るものであるため,これらにおける水の凍結も防止し得る。
前記給水パイプヒータ24への供給電力は,前記制御部13によって不図示の電源回路から前記給水パイプヒータ24への通電率が制御されることによって調節される。以下,前記給水パイプヒータ24を凍結解除の目的で駆動する場合の加熱強度に対応する供給電力を凍結解除電力(第1の供給電力に相当),前記給水パイプヒータ24を凍結防止の目的で駆動する場合の加熱強度に対応する供給電力を凍結防止電力(第2の供給電力に相当)と称する。
具体的に,前記凍結解除電力は,前記凍結防止電力が前記給水パイプヒータ24に供給された場合に該給水パイプヒータ24により得られる加熱量に比べて十分に大きい加熱量を得ることができるように設定されたものである。これは前述したように,氷の融解熱が水の熱容量に比べて高いためである。例えば,前記凍結解除電力(例えば3.0W)は,前記凍結防止電力(例えば1.5W)の2倍程度であることが考えられる。
なお,本実施の形態では説明の便宜上,前記給水パイプヒータ24が二段階の加熱強度を発揮し得るものである場合について説明するが,もちろん,前記給水パイプヒータ24は,供給電力に応じて更に多段階の加熱強度を発揮し得るものであってもよい。
当該自動製氷制御処理及びヒータ制御処理は,前記冷蔵庫1の電源投入により前記制御部13によって並行して実行される。なお,本実施の形態では,前記制御部13によって当該自動製氷制御処理及びヒータ制御処理が実行される場合を例に挙げて説明するが,個別の制御主体によって各々の制御処理が実行されることも他の実施例として考えられる。例えば,前記自動製氷制御処理を前記制御部13が実行し,前記ヒータ制御処理が前記制御部13とは別途設けられたヒータ制御部により実行されるものであることが考えられる。
まず,図2(a)のフローチャートを参照しつつ自動製氷制御処理について説明し,その後,図2(b)のフローチャートを参照しつつヒータ制御処理について説明する。
(ステップS11)
ステップS11において,前記制御部13は,予め設定された離氷条件が充足したか否か,即ち前記製氷皿31における製氷が完了して離氷動作を行うべきタイミングが到来したか否かを,前記サーミスタ35の検出温度に基づいて判断する。
ここに,前記離氷条件は,例えば前記サーミスタ35による検出温度が予め設定された凍結設定温度以下に達したことや,該凍結設定温度以下である状態が所定時間以上継続したこと,前記製氷皿31に累積して与えられた冷却量が所定値以上に達したこと等であることが考えられる。もちろん,前記制御部13による離氷タイミングの制御手法はこれに限らず従来周知の各種手法を採用し得る。
そして,前記離氷条件が充足したと判断された場合には(S11のYes側),処理はステップS12に移行する。なお,前記離氷条件が充足するまでの間は,当該ステップS11で処理が待機される(S11のNo側)。
次に,ステップS12において,前記制御部13は,離氷制限フラグが解除されているか否かを判断する。ここに,前記離氷制限フラグは,前記制御部13のRAM上に記憶された情報であって,後述のヒータ制御処理(図2(b)参照)において,前記制御部13により初期設定でセットされ(S20),その後,前記給水パイプヒータ24が駆動されてから所定時間が経過したときに解除される(S27)。
従って,前記冷蔵庫1では,前記離氷条件が充足しても(S11のYes側),前記離氷制限フラグが解除されていなければ(S12のNo側),次の前記離氷装置33による離氷動作(S13)は実行されないこととなる。もちろん,それとは逆に,前記離氷制限フラグが解除されても,前記離氷条件が充足していない場合には(S11のNo側),前記離氷装置33による離氷動作(S13)は実行されない。
そして,前記離氷条件が充足し(S11のYes側),且つ前記離氷制限フラグが解除されると(S12のYes側),処理はステップS13に移行する。
ステップS13では,前記制御部13は,前記離氷装置33を制御することにより離氷動作を実行させ,前記製氷皿31から前記貯氷容器32に氷を落下させる。このように,前記サーミスタ35による検出温度に基づいて離氷条件の充足の有無を判断し,前記離氷装置33による離氷動作を制御するときの前記制御部13が離氷制御手段に相当する。
そして,前記離氷装置33による離氷動作終了後,続くステップS14において,前記制御部13は,前記給水ポンプ23を制御することにより,該給水ポンプ23による前記給水タンク21の水の前記製氷皿31への給水動作を実行させる。ここに,係る処理を実行するときの前記制御部13が給水制御手段に相当する。
その後,前記給水ポンプ23による給水動作が終了すると,ステップS15において,前記制御部13は,製氷運転を停止するか否かを判断する。具体的に,前記制御部13は,前記給水タンク21内に水が残存していた場合には製氷運転を継続し,該給水タンク21内に水が残存していない場合には製氷運転を停止させると判断する。
例えば,氷点下の温度に維持された前記製氷室12内の製氷皿31に水が供給されると,該製氷皿31の温度は上昇することになる。そこで,前記制御部13は,前記ステップS14における給水動作終了後に前記サーミスタ35による検出温度が上昇したことを条件に,前記給水タンク21から前記製氷皿31に水が供給された,即ち前記給水タンク21内に水が残存していたと判断することが可能である。
ここで,前記製氷運転を継続させると判断された場合には(S15のNo側),処理は前記ステップS11に移行し,製氷運転が継続されることになる。即ち,前記制御部13は,前記離氷条件の充足を待ち受け(S11),該離氷条件が充足し且つ前記離氷制限フラグが解除されたことを条件に(S11,S12のYes側),離氷動作(S13)及び給水動作(S14)を実行させる。このように,前記冷蔵庫1では,前記制御部13によって前記自動製氷制御処理が実行されることにより,前記給水タンク21から前記製氷皿31に水を供給して氷を製造する一連の製氷運転(S11〜S14)が自動的に実行される。
一方,前記製氷運転を停止させると判断された場合(S15のYes側),処理はステップS16に移行する。なお,前記製氷運転を停止するか否かの判断手法は,前記給水タンク21内の水量に依存するものに限らない。例えば,製氷運転の連続実行回数などが定められている場合も考えられる。
ステップS16では,前記制御部13は,製氷運転を再開するか否かを判断する。具体的に,前記制御部13は,前記開閉検知センサ11bにより,前記冷蔵室扉11aの開閉が行われたことが検知されたことを条件に,製氷運転を再開させる。前記冷蔵室扉11aが開閉された場合には,前記冷蔵室11内に収容された前記給水タンク21に水が補給された可能性があるためである。もちろん,前記給水タンク21の着脱を検知するセンサを有している場合には,該センサにより前記給水タンク21の着脱が検知されたことを条件に製氷運転を再開してもよい。また,その他,例えば製氷運転を実行する間隔として予め設定された所定時間が経過するごとに製氷運転を再開させることや,前記貯氷容器32における氷の残量に応じて製氷運転の実行タイミングを判断することも考えられる。
次に,図2(b)のフローチャートを参照しつつ,前記ヒータ制御処理について説明する。当該ヒータ制御処理では,前記給水パイプヒータ24の駆動の有無及び該給水パイプヒータ24への供給電力が前記制御部13によって制御される。ここに,係る制御処理を実行するときの前記制御部13が加熱ヒータ制御手段に相当する。
(ステップS20〜S21)
まず,ステップS20において,前記制御部13は,前記自動製氷制御処理(図2(a)参照)における前記ステップS12の判断指標となる離氷制限フラグをセットする。これにより,前記離氷制限フラグが後述のステップS27で解除されるまでの間は(S12のNo側),仮に前記離氷条件が充足しても(S11のYes側),前記ステップS13における離氷動作が実行されないこととなる。
次に,ステップS21では,前記制御部13は,前記自動製氷制御処理(図2(a)参照)による製氷運転(S11〜S14)が実行中であるか否かを判断する。なお,当該判断は,例えば前記製氷運転の実行中にセットされる所定のフラグの状態を指標に行えばよく,もちろんこれに限らない。
そして,前記制御部13は,前記製氷運転が実行されていない場合は(S21のNo側),当該ステップS21の判断処理を適宜繰り返して実行し,前記製氷運転が実行されている場合には(S21のYes側),処理をステップS22に移行させる。
次に,ステップS22では,前記制御部13は,前記自動製氷制御処理において,次に前記給水ポンプ23による給水動作(S14)が開始される時点を推定するための処理を実行する。ここに,係る処理を実行するときの前記制御部13が給水推定手段に相当する。また,ここで推定された給水動作の開始時点を推定給水開始時点と称する。
具体的に,前記冷蔵庫1では,前記自動製氷制御処理において,前記離氷動作(S13)の実行後に続けて前記給水動作(S14)が実行されるため,前記制御部13は,前記離氷動作(S13)の実行条件である前記離氷条件が充足する時点を推定することにより,前記給水動作の開始時点を推定することができる。
例えば,前記サーミスタ35による現状の検出温度や変化率等と前記離氷条件が充足するまでの時間との対応関係を,予め実験やシミュレーション等により得られた結果に基づいて設定しておくことが考えられる。これにより,前記制御部13は,前記サーミスタ35による検出温度と前記対応関係とに応じて前記離氷条件が充足するまでに要する時間を推定することができる。
そして,ステップS23では,前記制御部13は,現時点が前記推定給水開始時点の所定時間前であるか否かを判断する。ここに,前記所定時間は,前記給水パイプヒータ24に前記凍結解除電力を供給したときに前記給水パイプ22の凍結を確実に解除し得る時間として,予め実験やシミュレーション等により測定された時間である。例えば,前記所定時間は15分程度に設定される。
ここで,前記推定給水開始時点の所定時間前ではないと判断された場合(ステップS23のNo側),処理は前記ステップS21に戻され,前記給水パイプヒータ24は駆動されない状態で維持される。
一方,前記推定給水開始時点の所定時間前に達したと判断された場合(ステップS23のYes側),処理はステップS24に移行する。
さらに,前記給水タンク21に水が無くなっていることにより長時間に亘って前記製氷運転が実行されない場合など,前記給水パイプヒータ24が長時間駆動されない場合には,前記給水パイプ22が凍結している可能性が高くその凍結度合も強いと考えられる。そこで,前記制御部13が,前記給水パイプヒータ24が駆動されない時間を積算して記憶し,その積算時間に応じて前記所定時間を2倍にするなど,前記給水パイプ22の凍結を確実に解除することができるように前記所定時間を変更することが考えられる。これにより,前記給水パイプ22が凍結している状態で給水動作が行われることを,より確実に防止し得る。
そして,前記制御部13は,前記推定給水開始時点の所定時間前から,前記給水パイプヒータ24に前記凍結解除電力の供給を開始させることにより,該給水パイプヒータ24を駆動させて前記給水パイプ22の加熱を開始させる(S24)。
これにより,前記給水パイプ22内で水が凍結している場合であっても前記所定時間経過後には,該凍結が確実に解除されることとなる。なお,前記給水パイプヒータ24に供給される前記凍結解除電力は,前記冷蔵室11,前記製氷室12の温度調節,及び外気温に応じて最適な値に適宜変更してもよい。
その後,ステップS25では,前記制御部13によって,前記所定時間が経過したか否か,即ち前記推定給水開始時点に達したか否かが判断される。ここで,前記所定時間が経過するまでの間は(S25のNo側),処理が前記ステップS25で待機され,前記給水パイプヒータ24には継続して前記凍結解除電力が供給される。
一方,前記所定時間が経過すると(S25のYes側),処理はステップS26に移行する。
そして,前記制御部13は,前記所定時間の経過後(S25のYes側),続くステップS26において,前記給水パイプヒータ24に供給する電力を,前記凍結解除電力よりも低い前記凍結防止電力に変更することにより,該凍結防止電力で前記給水パイプヒータ24を駆動させる。
その後,前記凍結防止電力による前記給水パイプヒータ24の駆動は,後述のステップS28において前記給水ポンプ23による給水終了後から前記既定の待機時間が経過したと判断されるまで継続されるため(S28のNo側),少なくとも実際に前記給水ポンプ23による給水動作が終了するまでは継続することになる。
従って,仮に前記推定給水開始時点で実際に前記給水ポンプ23による給水動作が実行されない場合であっても,実際に前記給水動作が実行されるまでの間は,前記給水パイプ22の凍結を防止することができる。しかも,この場合には既に前記給水パイプ22の凍結が解除されており,前記給水パイプヒータ24を高出力で駆動させる必要がないことに鑑みて,前記凍結解除電力よりも低い前記凍結防止電力を供給して前記給水パイプヒータ24を駆動させているため,前記ステップS24で開始された前記給水パイプヒータ24への前記凍結解除電力の供給を継続する場合に比べて消費電力を省減することができる。
次に,ステップS27では,前記制御部13は,前記離氷制限フラグを解除する。これにより,前記自動製氷制御処理において前記離氷条件が充足している場合には(S11のYes側),前記離氷制限フラグの解除により(S12のYes側),前記離氷動作及び前記給水動作が順に実行されることとなる(S13〜S14)。また,前記離氷制限フラグが解除されても,前記離氷条件が充足していない場合には前記離氷動作及び前記給水動作が実行されず,その後に前記離氷条件が充足したことを条件に(S11,S12のYes側),前記離氷動作及び前記給水動作が順に実行されることとなる(S13〜S14)。
このように,前記冷蔵庫1では,前記離氷条件が充足したか否かにかかわらず,少なくとも前記給水パイプヒータ24が駆動されてから前記所定時間が経過するまでの間,即ち前記給水パイプ22の凍結が確実に解除される前記推定給水開始時点までは,前記離氷動作及び前記給水動作が実行されないため,前記給水パイプ22が凍結した状態で前記給水動作が実行されることを確実に防止することができる。
なお,本実施の形態では,前記離氷制限フラグが解除されるまで前記離氷動作及び前記給水動作の両方を実行しない場合を例に挙げて説明したが,前記離氷動作のみを実行させて前記給水動作を実行させないことも他の実施例として考えられる。
次に,ステップS28では,前記制御部13は,前記自動製氷制御処理において実際に前記給水ポンプ23による給水動作(S14)が終了した後から更に既定の待機時間が経過したか否かを判断する。
ここに,前記既定の待機時間は,前記給水動作終了後に前記給水パイプ22に残存しているおそれがある水が自重により落下するまでに要する時間として予め実験やシミュレーション等によって定められた時間である。なお,前記給水パイプ22内の水を落下させるため,前記給水ポンプ23は,非駆動時に前記給水パイプ22の上方の一部を大気圧に開放し得るものであることが望ましい。
これにより,前記給水動作後すぐに前記給水パイプヒータ24の通電を停止した場合に生じる問題,即ち前記給水パイプ22に残った水が凍結し,次の製氷サイクルで前記給水パイプヒータ24に通電したときに凍結が解除された水が前記給水パイプ22から前記製氷皿31で製氷された氷の上に滴下して氷の上面に滴下した水滴の山が形成されるという問題を解決することができる。
なお,例えば前記既定の待機時間は3分程度であることが考えられるが,前記給水動作後,前記給水パイプ22に残った水滴が滴下する時間は,該給水パイプ22の長さ,形状及び材質などによっても異なるため,実際の前記冷蔵庫1における前記給水動作の実測評価により決めることが望ましい。
そして,前記ステップS28において,前記給水ポンプ23による給水終了後,さらに前記既定の待機時間が経過したと判断されると(S28のYes側),前記制御部13は,前記給水パイプヒータ24の駆動を停止させ(S29),処理を前記ステップS20に戻す。
これにより,前記製氷運転が実行されており(S21のYes側),且つ前記冷蔵庫1における次の推定給水開始時点の所定時間前になるまでの間は(S23のNo側),前記給水パイプヒータ24が停止された状態が維持されるため,省電力化が図される。
従って,前記推定給水開始時点の所定時間前から該推定給水開始時点までは,前記凍結解除電力を前記給水パイプヒータ24に供給して前記給水パイプ22の凍結を迅速且つ確実に解除させることができ,一方,前記所定時間が経過して前記凍結解除電力による前記給水パイプヒータ24の駆動が終了する前記推定給水開始時点からは,前記凍結防止電力を前記給水パイプヒータに供給することにより,消費電力を抑制しつつ前記給水パイプ22の再凍結を防止することができる。
また,前記冷蔵庫1のように,前記給水タンク21の抜き差しを検知するスイッチ等を有しておらず,前記開閉検知センサ11bによる前記冷蔵室扉11aの検知に応じて前記給水タンク21に水が供給された可能性を認識する構成では,実際に前記給水タンク21に水が補給されなくても,ユーザーが前記冷蔵室扉11aの開閉を行うたびに製氷動作が繰り返し実行されることになるため,本発明のように前記給水パイプヒータ24の通電時間を短縮すると共に,該給水パイプヒータ24の消費電力を省減する構成が特に好適である。
11…冷蔵室
11a…冷蔵室扉
11b…開閉検知センサ
12…製氷室
12a…製氷室扉
13…制御部
2…給水部
21…給水タンク
22…給水パイプ
23…給水ポンプ
24…給水パイプヒータ
3…製氷部
31…製氷皿
32…貯氷容器
33…離氷装置
34…貯氷検知レバー
35…サーミスタ
S11,S12,…,…処理手順(ステップ)番号
S20,S21,…,…処理手順(ステップ)番号
Claims (5)
- 水を貯留する給水タンクと、前記給水タンクから製氷皿に水を供給するための給水経路と、前記給水経路を介して前記給水タンクから前記製氷皿に水を供給させる給水手段と、前記製氷皿の水を凍結させる冷却器と、前記製氷皿から氷を離脱させる離氷手段と、前記給水経路を加熱する加熱ヒータと、前記製氷皿の温度を検出する製氷温度検出手段と、前記製氷温度検出手段による検出温度に基づいて前記離氷手段による離氷動作を制御する離氷制御手段と、前記離氷手段による離氷動作終了後に前記給水手段による給水動作を開始させる給水制御手段と、前記給水手段による給水終了から前記給水手段による次の給水開始時点を推定する給水推定手段と、前記給水推定手段によって推定された推定給水開始時点の所定時間前から前記推定給水開始時点までの間は予め設定された第1の供給電力で前記加熱ヒータを駆動させ、前記給水手段による給水終了後に前記加熱ヒータを停止させる加熱ヒータ制御手段とを備えてなる自動製氷装置であって、
前記加熱ヒータ制御手段は、前記推定給水開始時点から前記給水手段による給水終了までの間には第1の供給電力よりも低い第2の供給電力で前記加熱ヒータを駆動させることを特徴とする自動製氷装置。 - 前記離氷制御手段が、前記給水手段による給水終了から前記推定給水開始時点までは前記離氷手段による離氷動作を実行させないものである請求項1に記載の自動製氷装置。
- 第2の供給電力は、前記加熱ヒータの駆動によって前記給水経路の凍結を防止することができる加熱強度に対応する電力に設定される請求項1または請求項2に記載の自動製氷装置。
- 前記加熱ヒータの駆動によって前記給水経路の凍結を解除することができる加熱量になるように第1の供給電力及び前記所定時間が設定される請求項3に記載の自動製氷装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の自動製氷装置を備えてなる冷蔵庫。
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