JP2007255804A - 冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】特別のセンサーを備えることなく給水タンク内の水の有無を検出できる冷蔵庫を提供する。また、給水パイプの凍結防止を図ると共に、凍結防止ヒータの温度変動幅を小さくして、庫内への熱負荷侵入の少ない冷蔵庫を提供する。
【解決手段】製氷皿52への給水前後の温度差を、給水パイプセンサー46の温度差により検知しパイプセンサー46の温度差が所定の温度差以下の時は、製氷皿52に水の供給が無いと判断して、給水パイプヒータ44の通電を停止するようにした。また、給水パイプ43の先端吐出口43aの温度を、給水パイプ43近傍に設けたパイプセンサー46の温度により検知して、給水パイプヒータ44の通電を制御したので、給水パイプの先端吐出口43aの凍結防止を図るとともに省エネ上も有利な冷蔵庫を提供できる。
【選択図】図2
【解決手段】製氷皿52への給水前後の温度差を、給水パイプセンサー46の温度差により検知しパイプセンサー46の温度差が所定の温度差以下の時は、製氷皿52に水の供給が無いと判断して、給水パイプヒータ44の通電を停止するようにした。また、給水パイプ43の先端吐出口43aの温度を、給水パイプ43近傍に設けたパイプセンサー46の温度により検知して、給水パイプヒータ44の通電を制御したので、給水パイプの先端吐出口43aの凍結防止を図るとともに省エネ上も有利な冷蔵庫を提供できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、自動製氷装置を備えた冷蔵庫に関する。
近年、利便性が良い為、冷蔵庫に自動製氷装置が備えられるようになってきている。
この種の冷蔵庫の従来例としては、図8に示すように、冷凍室1内には製氷皿3と、この製氷皿3の氷を離氷する離氷装置4と、前記製氷皿3の底部に位置し温度を検知する製氷センサー8とが備えられている。また、冷蔵室2内には給水タンク5と、前記給水タンク5の水を汲み上げる給水ポンプ6と、前記給水ポンプ6の吐出側に連結し前記製氷皿3へ水を注ぐ給水パイプ7と、該冷蔵庫内の温度を検知する冷蔵室サーミスタ14と、前記給水タンク5の水の有無を検知する水センサー15と、前記給水パイプ7近傍に位置し水の凍結を防止する凍結防止ヒータ9とが備えられる。また、前記冷蔵庫には前記冷蔵室サーミスタ14の信号と、前記水センサー15の信号とを入力し前記凍結防止ヒータ9の通電を制御する制御装置20が備えられている。
そして、制御装置20による前記凍結防止ヒータ9の制御として下記の如く構成してある。
先ず、凍結防止ヒータ9は通常OFFとしておき、前記水センサー15により、給水タンク5に水が有ることを検知している時に、給水動作を行っても製氷皿3の底部に設けられた製氷センサー8の温度上昇が予め設定された所定温度より小さければ、給水パイプ7で水が凍結していると判断し、凍結防止ヒータ9を一定時間、例えば30分間通電ONすることにより、前記給水パイプ7内の水の凍結を解除できるように構成していた。
つまり、製氷センサー8と水センサー15により給水パイプ7の凍結有無を判断することにより、給水パイプ7の凍結時のみ前記凍結防止ヒータ9をONし、通常はOFFすることができるので、消費電力を抑えることができる構成にしていた。
また、前記制御装置20は、図9に示すような凍結防止ヒータ9の制御を行うように構成してある。
つまり、図9に示すように、冷蔵室サーミスタ14の温度が一定温度TR(所定温度に相当)以下の時、凍結防止ヒータ9をONし、冷蔵室サーミスタ14の温度がある一定温度TRより高い時、凍結防止ヒータ9をOFFする。ここで、ある一定温度TRとは、実験あるいはシミュレーション等で得られた給水パイプ7内の凍結を考慮しなくともよい冷蔵室2内の温度の下限のことである。
以上のように制御をすることにより、給水パイプ7内の凍結を考慮しなくてよい時に凍結防止ヒータ9をOFFすることができ、常時に凍結防止ヒータ9をONする必要がないため、消費電力を低減することができる構成にしていた。
従来は、図8にて上述したように、製氷皿3の底部に設けられた製氷センサー8の検知により、前記製氷皿3の給水前後の温度上昇程度を感知し、且つ、前記給水タンク5の水の有無を検知する水センサー15等の検知により、前記凍結防止ヒータ9の通電時間を制御して電力消費を抑えていた。
従って、凍結防止ヒータ9の通電時間制御のために、製氷皿3の底部に設けられた製氷センサー8と、給水タンク5内の水の有無を検出する水センサー15との2個のセンサーを必要としていたので、製造コスト上不利であった。
また一方、近年の自動製氷機付き冷蔵庫においては、製氷皿等の清掃性簡易化のために、製氷皿を顧客が手軽に取り外し,取り付けできる構造が要求され始めている。換言すれば、製氷皿を顧客が手軽に水洗いできるように、該製氷皿には、前述した製氷センサー8等の感電の恐れのある電気品等を設けないで、且つ、手軽に取り外し,取り付けできる構造が要求され始めている。
しかし、前述した特開平9−68374号公報には、それらについての具体的対処方法の提示が無い。
従って、本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、その目的とする所は、従来例のような製氷皿に直接設置する製氷センサーや給水タンクの近傍に設ける水センサー等の検知手段を使用しないでも、給水タンク内の水の有無を検出できる冷蔵庫を提供するものである。
一方、近年の冷蔵庫は、その使い勝ってから複数の区画された室、例えば製氷室や冷凍室等にて形成される冷凍温度室と、野菜室や冷蔵室等にて形成される冷蔵温度室とを有するものが一般化されており、また、冷却器の除霜時に上記庫内の温度上昇を出来るだけ小さくする必要から、上記冷凍温度室や冷蔵温度室を、送風機にて冷却する方式が一般化している。
そして、従来例にて説明した図7のような冷凍室1に於いても、該冷凍室1を冷却するために、別途冷却室にて生成した冷気を送風機にて送風循環することにより、前記冷凍室1を、製氷促進可能な氷点以下の所定温度に保持するように構成することが一般的である。
従って、図7で示した給水パイプ7の先端部であり、且つ、上記冷凍室1内に露出している部分である7sは、上記冷凍室1内を冷却するための上述した冷気に晒されているので、前述した冷蔵室サーミスタ14の温度がある一定温度TRより高い時でも、前記給水パイプ7の先端部7sは氷点以下の低温度である冷凍室1内に曝されているのが通常である。換言すれば、製氷皿3へ水を注ぐための給水パイプ7の先端部7sは、その役割上、前記製氷皿3の近傍に設置されるので、冷蔵室に設置された上記冷蔵室サーミスタ14の温度に関係なく、水を凍結するために氷点以下の低温度に保持される製氷皿3とほぼ同じ程度の氷点以下の低温度中に曝されているのが通常である。
そして、前記給水パイプ7を通して前記製氷皿3に給水した後の該給水パイプ7の先端部7sには、給水された水自身の表面張力によって、水滴が残ることがあることは、当業者のよく知る所である。
従って、水滴が残った給水パイプ7の先端部7sが、氷点以下の低温度中に曝されると、前記水滴が凍結し、その凍結した水滴が核となって、次第に大きな氷塊となり、給水パイプ7内を凍結する恐れが生じる。
また、給水パイプ7内が一旦凍結すると、該凍結を解除するためには、上記、凍結防止ヒータ9の必要加熱容量が増加するので、省エネ上不利となる恐れが生じる。
また、従来は図7に示すように、凍結防止ヒータ9の通電制御を、該凍結防止ヒータ9から離れて前記冷蔵室2内に設置した冷蔵室サーミスタ14にて行っている為に、前記凍結防止ヒータ9の温度変動幅が大きくなる恐れがあった。換言すれば、前記凍結防止ヒータ9のON,OFF制御を、該凍結防止ヒータ9部の温度影響を直接受ける部位に無い前記冷蔵室サーミスタ14にて行っている為に、前記凍結防止ヒータ9の温度が高くなりすぎる恐れがあり、該高温の温熱が庫内への熱負荷を増加する恐れがあった。
しかし、前述した特開平9−68374号公報には、その具体的対処方法の提示が無い。
従って、本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、その目的とする所は、上述した目的に加えて、送風機にて冷気を循環して冷却する室に露出する給水パイプの凍結防止を図ると共に、凍結防止ヒータの温度変動幅を小さくして、庫内への熱負荷侵入の少ない冷蔵庫を提供することを別の目的とした。
本発明は上記目的を達成するために、製氷皿への給水前後の温度差を、給水パイプ近傍に設けたパイプセンサーの温度差により検知し、該パイプセンサーの温度差が所定の温度差以下の時は、製氷皿に水の供給が無いと判断して、給水パイプヒータの通電を停止するようにしたので、従来例のような製氷皿に直接設置する製氷センサーや給水タンクの近傍に設ける水センサー等の2種類の検知手段を使用しないでも、給水タンク内の水の有無を検出できるので、製造コスト上有利な冷蔵庫を提供できる。
また、従来例のような、製氷皿に直接設置する製氷センサーを設ける必要がないので、製氷皿の取り付け取り外しが容易となり、製氷皿の水洗い可能な構造を提供できる。
また、製氷皿への給水以前に、給水パイプヒータの通電率を増加して、給水パイプの温度を給水タンク内の水の温度より高めにしておくので、製氷皿への給水前後の温度差を、給水パイプ近傍に設けたパイプセンサー値により判断し易いので、誤判断の少ない信頼性の高い冷蔵庫を提供できる。
また、給水パイプを、金属等の熱良伝導性材料にて形成すると共に、前記給水パイプの温度を検知するパイプセンサーを、前記給水パイプに密着して設置したので、給水パイプの先端吐出口の温度を直接コントロールできるので、製氷室に臨んだ給水パイプの先端吐出口の水の凍結防止を図れると共に、給水パイプの先端吐出口の温熱が製氷皿に影響する程度を小さくできるので、熱負荷の少ない省エネ上有利な冷蔵庫を提供できる。
また、自動製氷機を備えた冷凍温度室と、該冷凍温度室と仕切にて区画形成された冷蔵温度室とを有し、前記冷凍温度室と冷蔵温度室とを冷却する庫内冷気循環用送風機を有する冷蔵庫に於いて、前記冷凍温度室内に製氷皿を設け、前記冷蔵温度室内に給水タンクを設けると共に、前記製氷皿に給水タンク内の水を供給する給水パイプの先端吐出口を前記製氷皿開口上部に臨ませ、前記給水パイプ近傍に設けた給水パイプヒータの通電率を、パイプセンサーの検知値により制御するようにしたので、送風機の送風により庫内に侵入する給水パイプの先端吐出口の温熱が低減できるので、省エネ上有利な冷蔵庫を提供できる。
また、給水パイプの先端吐出口の温度をコントロールできるので、製氷皿への温熱影響を小さく出来るため、給水パイプヒータの通電加熱による製氷時間の増加影響が少ない冷蔵庫を提供できる。
また、本発明の冷蔵庫は、冷凍温度室内に配設されて製氷皿を有する自動製氷装置と、冷蔵温度室内に配設され前記製氷皿へ供給する水を貯める給水タンクと、前記給水タンクから前記製氷皿への給水経路(例えば、給水パイプ)と、前記給水経路の温度を検出するセンサーと、前記給水経路を暖めるヒータと、前記センサーの検出値に基づいて前記ヒータを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、給水前後の前記センサーの検出値に基づいて前記給水タンク内の水の有無を判断し、前記給水タンク内に水が無いと判断すると前記ヒータの出力をオフにするように制御を行う。該構成によれば、センサーの出力によって水の有無と給水経路の温度を検出できるので、省エネとコスト性に優れた冷蔵庫とすることができる。
さらには、冷凍温度室内に配設されて製氷皿を有する自動製氷装置と、冷蔵温度室内に配設され前記製氷皿へ供給する水を貯める給水タンクと、前記給水タンクから前記製氷皿への給水経路(例えば、給水パイプ)と、前記給水経路の温度を検出するセンサーと、前記給水経路を暖めるヒータと、前記給水タンク内の水を前記給水経路を介して前記製氷皿へと供給する給水装置(例えば、給水ポンプ)と、前記給水装置の駆動を制御するとともに前記センサーの検出値に基づいて前記ヒータを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記給水装置を駆動させて前記製氷皿へ給水する前に、前記ヒータによって前記給水経路の温度を上昇させることとした。
上述したように本発明は、製氷皿への給水前後の温度差を、給水パイプ近傍に設けたパイプセンサーの温度差により検知し、該パイプセンサーの温度差が所定の温度差以下の時は、製氷皿に水の供給が無いと判断して、給水パイプヒータの通電を停止するようにしたので、従来例のような製氷皿に直接設置する製氷センサーや給水タンクの近傍に設ける水センサー等の2種類の検知手段を使用しないでも、給水タンク内の水の有無を検出できるので、製造コスト上有利な冷蔵庫を提供できる。
また、従来例のような、製氷皿に直接設置する製氷センサーを設ける必要がないので、製氷皿の取り付け取り外しが容易となり、該製氷皿の水洗い可能な構造を提供できる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の第一の実施例における冷蔵庫本体を正面から見た説明図であり、図2は図1におけるA−A線の要部断面図である。
図1から図2に於いて、31は冷蔵庫本体であり、この冷蔵庫本体31は中央に冷凍温度室35を設け、その冷凍温度室35の上下に仕切り39,40にて区画された冷蔵温度室32を有している。そして、冷蔵温度室32は例えば上部を冷蔵室33とし、下部を野菜室34となるように構成してある。冷凍温度室35は例えば前記冷蔵室の下部に製氷室36と急速冷凍室37を併置し、その下部を冷凍室38となるように構成してある。
而して、冷蔵室33には冷蔵食品を収納する他、後述する製氷皿52に水を送る為の給水タンク41を有している。
図2に示す51は製氷室36に設けられた自動製氷機であり、この自動製氷機51が有する製氷皿52に、前記給水タンク41内の水が給水ポンプ42の稼動により給水パイプ43を通り、且つ、前記製氷皿52の開口上部の製氷室36内に臨ませた給水パイプの先端吐出口43aを通って給水されるように構成してある。
そして、前記給水パイプ43内を通る給水タンク41内の水の温度を感知でき、且つ、前記給水パイプの先端吐出口43aの温度を感知できるパイプセンサー46を、前記給水パイプ43近傍、若しくは、前記給水パイプ43に密着して設けてある。
また、上記給水パイプ43内の水の凍結、および、給水パイプの先端吐出口43aの水の凍結を防止できる給水パイプヒータ44を、前記給水パイプの周囲若しくは近傍に設けてある。
なお、本発明では、上記給水パイプ43を構成する原材料を規制するものではないが、上述した前記給水パイプ43内を通る水の温度を前記パイプセンサー46にて検知し易いように、且つ、前記給水パイプの先端吐出口43aの温度を前記パイプセンサー46にて検知し易いように、前記給水パイプをアルミニウムやステンレス鋼等の金属等から成る熱良伝導性材料にて形成してあるのが望ましい。
また、上記給水パイプ43内を通る水の温度を前記パイプセンサー46にて検知し易いように、前記給水ポンプ42の給水速度を遅くして、例えば、従来例の所定水量の給水時間を4秒とすれば、例えば、10秒程度に遅くすることにより、前記パイプセンサー46による感知を容易にする方法も望ましい。
45は前記給水パイプの先端吐出口43aを保持すると共に、製氷室36内の冷気が前記仕切39内に侵入しないように構成されたパッキングである。
55は自動製氷機51で出来た氷を貯氷する貯氷容器であり、54はこの貯氷容器55内の貯氷量を検出する貯氷量検知センサーであり、53は前記製氷皿52や貯氷量検知センサー54を駆動する駆動モータである。
61は冷凍温度室35内及び冷蔵温度室32内に、冷却室62内に設置した冷却器63にて生成した冷気を送風循環させて、前記冷凍温度室35内および冷蔵温度室32内を所定温度に冷却する送風機である。
65は冷気ダクトであり、65a,65bは冷凍温度室35内を冷却出来るように設けた冷気吐出口であり、65cは冷蔵温度室32内を冷却出来るように設けた冷気吐出口である。
64は冷却器63に付着した霜を除霜する除霜ヒータであり、66は冷凍サイクルの一環を成す圧縮機である。
67は該冷蔵庫の周囲温度を検知する外気温度センサーであり、68は冷凍温度室35内の温度を検知する庫内温度センサーであり、69は冷蔵庫の運転制御を後述するように行う制御装置である。
ここで、本冷蔵庫の冷却動作について図2により説明する。図に示すように、先ず、冷却室62内の冷却器63により生成された冷気は、庫内冷気循環用送風機61の運転により冷気ダクト65内に吐出される。そして、図示しない冷気分流ダンパー等により、冷蔵温度室冷却用冷気と冷凍温度室冷却用冷気とに分流される。
そして、冷蔵温度室冷却用冷気として分流された冷気は、冷気吐出口65c等より冷蔵温度室32内に吐出されて、該冷蔵温度室32内を所定の温度に冷却した後図示しない戻り口から上記冷却室62にもどる。
また、冷凍温度室冷却用冷気として分流された冷気は、複数の冷気吐出口65a,65b等より冷凍温度室35内に吐出されて、該冷凍温度室35内を所定の温度に冷却した後冷気戻り口65dから冷却室62にもどる。
そして、上記冷気の内、製氷皿52を冷却する冷気は、例えば、該製氷皿52の上面開口に向けて冷気が流れるように設けられた冷気吐出口65aより吐出されて、該製氷皿
52を所定温度に冷却した後、該製氷皿52の上面開口部より周囲の製氷室内に溢れるように落ちて、下部に形成された冷凍室38内を循環し、冷気戻り口65dから冷却室62にもどる。
52を所定温度に冷却した後、該製氷皿52の上面開口部より周囲の製氷室内に溢れるように落ちて、下部に形成された冷凍室38内を循環し、冷気戻り口65dから冷却室62にもどる。
なお、上記冷凍温度室35内や製氷皿52を所定の温度に冷却する手段としては、例えば、冷凍室38の背部に設けた庫内温度センサー68にて検知した温度値を信号化して制御装置69に入力し、該制御装置69内に内蔵された制御部内で処理・判断した後、該制御装置69の指令により、圧縮機66や冷却器63を含む図示しない冷凍サイクルの冷却運転を制御すると共に、送風機61の運転制御を行うことにより、予め設定された所定温度となるようにしてある。そして、上記の所定温度とは、例えばマイナス12℃からマイナス30℃程度の氷点以下の温度である。
従って、上記製氷皿52の開口上部の製氷室36内に臨ませた給水パイプの先端吐出口43aは、上記冷気吐出口65aより吐出された冷気により冷却されるので、常時凍結の恐れが生じる。
従って、本発明においては、パイプセンサー46の値により、後述するように、給水パイプヒータ44の通電を制御して、前記給水パイプの先端吐出口43aが凍結しないような構成にしてある。
また、後述するように、パイプセンサー46の温度差によっては前記給水パイプヒータ44の通電を停止できるように構成することによって、省エネ上有利な冷蔵庫を提供できるようにしてある。
次に、図3により説明する。
図3は本発明の第一の実施例における制御説明図その1であり、曲線Bは前述したパイプセンサー46(図2の46)の検知温度、つまり該パイプセンサー46近傍の給水パイプ43の温度を示し、縦軸にその温度を、横軸に経過時間を示す。曲線Cは前述した給水パイプヒータ44(図2の44)の運転制御状態を示し、縦軸にON(通電),OFF
(通電停止)を、横軸に経過時間を示す。なお、両曲線B,Cの比較説明が容易なように、横軸の経過時間は同一の目盛り大きさとして表示してある。
(通電停止)を、横軸に経過時間を示す。なお、両曲線B,Cの比較説明が容易なように、横軸の経過時間は同一の目盛り大きさとして表示してある。
図により、給水パイプの先端吐出口43a(図2の43a)の凍結防止制御例を説明する。先ず、曲線Bの下限温度T1を予め、例えば実験やシミュレーションにより下記のように設定する。
例えば、図2に示す給水パイプ43は、その一端である先端吐出口43a部を氷点以下の温度である製氷室36に臨ませてあり、その他端を通常、氷点より高い温度に設定する冷蔵室33に設置した給水ポンプ42と連結してある。つまり、前記給水パイプ43は、その先端部分である43a部とパイプセンサー46の検知部との間には、ある程度の温度差を生じている。
而して、図1から図2にて前述した通常の冷蔵庫運転時に於いて、前記給水パイプヒータ44に通電して、前記給水パイプ43及び先端吐出口43a部を加熱した場合でも、給水パイプの先端吐出口43a(図2の43a)の温度と、給水パイプ43(図2の43)の近傍若しくは、給水パイプ43に密着して設けたパイプセンサー46(図2の46)の検知温度値との間にはある程度の温度差(Δxx)を生じる。
従って、給水パイプの先端吐出口43a(図2の43a)の温度を、水を凍結させない温度(氷点下にならない温度)tx1とするために、上記パイプセンサー46部の温度
T1を、「T1=tx1+Δxx」と設定する。
T1を、「T1=tx1+Δxx」と設定する。
次に、曲線Bの上限温度T2を予め、例えば実験やシミュレーションにより下記の様に設定する。
例えば、図2に示す給水パイプ43の先端吐出口43aは、該先端吐出口43aよりの給水を製氷皿52内に供給する必要性から、該製氷皿52の開口上方に設置される。
而して、上記先端吐出口43aの温度が必要以上に高いと、該温熱が庫内に侵入して製氷促進上の弊害となる恐れがあるので、該冷蔵庫に於いての許容される温度tx2(tx2>tx1)を設定し、「T2=tx2+Δxx」として設定する。
そして、曲線Bが上述のようにして設定したT1とT2の間となるように、前述したパイプセンサー46の検知値によって、前述した制御装置69により、例えば給水パイプヒータ44(図2の44)のON(通電)時間をx1、OFF(通電停止)時間をx2となるように制御する。換言すれば、給水パイプ43の先端吐出口43aの温度が凍結温度とならない温度で、且つ、庫内への熱負荷侵入程度の少ない温度となるように、前記給水パイプヒータ44のON,OFF時間を制御する。
次に、同じ図3により、給水タンク41(図2の41)内の水の有無を検出する制御例を説明する。なお図3は、図2にて前述した製氷皿52への給水動作開始時点(図3のE時点)が、前記給水パイプヒータ44のON(通電)時間内に発生した場合を例示する。
図に於いて、E時点は、前述した運転中の任意の時、例えば、給水パイプヒータ44
(図2の44)がON後x3(x3<x1)時間後に、前述した制御装置69(図1の
69)の指令により、製氷皿52(図2の52)への給水動作をすべく、給水ポンプ42(図2の42)が運転開始した時点を示す。
(図2の44)がON後x3(x3<x1)時間後に、前述した制御装置69(図1の
69)の指令により、製氷皿52(図2の52)への給水動作をすべく、給水ポンプ42(図2の42)が運転開始した時点を示す。
そして、F時点は、前述したE時点から前記給水ポンプ42が所定時間運転して停止し、且つ、該給水ポンプ42の運転による給水がパイプセンサー46(図2の46)の検知値により完全に感知できる時間x4が経過した時点を示す。
ここで、上記E時点とF時点間に例示した曲線について説明する。
先ず、仮想線で示す曲線B1は、前記給水ポンプ42が運転していなかった場合のパイプセンサー46が表示するであろう曲線を、例えば実験やシミュレーションにより想定した曲線、つまり、前述したx1間の曲線Bと同様な曲線である。
そして、実線で示した曲線B2は、給水タンク41内に水が無いときに前記給水ポンプ42を運転した時の曲線である。つまり、給水パイプ43内を水が通過しないときの曲線である。
そして、点線で示した曲線B4は、前記給水タンク41内に水が有るときに、前記給水ポンプ42が運転して、給水パイプ43内を所定量の水が通過し、該水が通過することにより前記給水パイプ43が冷却された時の曲線である。
従って、上述した曲線B1,B2,B4のF時点での前記パイプセンサー46の値を
t14,t13,t12とすると、t14とt13との温度差Δt21が上記給水タンク41に水の無いときの温度差となり、t14とt12との温度差Δt22が上記給水タンク41に水が有る場合の温度差となる。
t14,t13,t12とすると、t14とt13との温度差Δt21が上記給水タンク41に水の無いときの温度差となり、t14とt12との温度差Δt22が上記給水タンク41に水が有る場合の温度差となる。
換言すれば、上記F時点での温度差Δt21やΔt22を検知することにより、前記給水タンク41内の水の有無が感知できるように構成してある。
そして、上記温度差Δt21は、事前に実験やシミュレーション等により調査して、前記温度差が所定の温度差Δtxx以下のときは、前記製氷皿52に水の供給が無いと判断して、給水パイプヒータ44の通電を停止する(図中の曲線C2)ことにより、省エネの図れる構成とするものである。
なお、図中に示した曲線B3は、前述した給水パイプヒータ44の通電を停止した後の前記パイプセンサー46検知値の例である。
また、上記温度差Δt22は、事前に実験やシミュレーション等により調査して、前記温度差が所定の温度差Δtxxより大きいときは、前記製氷皿52に水の供給が有ったと判断して、前述した給水パイプ43の先端吐出口43aの凍結防止のために、給水パイプヒータ44の通電を継続する(図中の曲線C3)。
なお、図中に示した曲線B5は、前述した給水パイプヒータ44の通電をx5の時間継続した場合の前記パイプセンサー46検知値の例である。
次に、図4により給水タンク41(図2の41)内の水の有無を検出する制御例を説明する。図4は本発明の第一の実施例における制御説明図その2であり、図2にて前述した製氷皿52への給水動作開始時点(図4のG時点)が、前記給水パイプヒータ44のOFF(通電停止)時間内に発生した場合を例示する。なお、前述した図3と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図4に於いて、曲線Bは前述したパイプセンサー46(図2の46)の検知温度、つまり該パイプセンサー46近傍の給水パイプ43の温度を示し、縦軸にその温度を、横軸に経過時間を示す。曲線Cは前述した給水パイプヒータ44(図2の44)の運転制御状態を示し、縦軸にON(通電),OFF(通電停止)を、横軸に経過時間を示す。なお、両曲線B,Cの比較説明が容易なように、横軸の経過時間は同一の目盛り大きさとして表示してある。
図に於いて、G時点は、前述した運転中の任意の時、例えば、給水パイプヒータ44
(図2の44)がOFFしている時に、前述した制御装置69(図1の69)の指令により、製氷皿52(図2の52)への給水動作をすべく、給水ポンプ42(図2の42)が運転開始した時点を示す。
(図2の44)がOFFしている時に、前述した制御装置69(図1の69)の指令により、製氷皿52(図2の52)への給水動作をすべく、給水ポンプ42(図2の42)が運転開始した時点を示す。
そして、H時点は、前述したG時点から前記給水ポンプ42が所定時間運転して停止し、且つ、該給水ポンプ42の運転による給水がパイプセンサー46(図2の46)の検知値により完全に感知できる時間x8が経過した時点を示す。
そして、実線で示した曲線B7は、給水タンク41内に水が無いときに前記給水ポンプ42を運転した時の曲線である。つまり、給水パイプ43内を水が通過しないときの曲線であり、この場合は、給水パイプヒータ44(図2の44)がOFFしているために、前述した製氷室36内に臨ませた給水パイプの先端吐出口43aが、該製氷室36内の冷気により冷却されて、該冷熱の伝導によりパイプセンサー46(図2の46)部の温度が次第に低下する。
そして、点線で示した曲線B8は、前記給水タンク41内に水が有るときに、前記給水ポンプ42が運転して、給水パイプ43内を所定量の水が通過し、該水が通過することにより前記給水パイプ43が冷却されて、該給水パイプ43(図2の43)の近傍若しくは、給水パイプ43に密着して設けたパイプセンサー46(図2の46)の温度が低下した場合の曲線である。
ここで、上述したG時点でのパイプセンサー46の値をt33とし、上述した曲線B7,B8のH時点での前記パイプセンサー46の値をt32,t31とすると、t33と
t32との温度差Δt41が上記給水タンク41に水の無いときの温度差となり、t33とt31との温度差Δt42が上記給水タンク41に水が有る場合の温度差となる。
t32との温度差Δt41が上記給水タンク41に水の無いときの温度差となり、t33とt31との温度差Δt42が上記給水タンク41に水が有る場合の温度差となる。
換言すれば、上記G時点とH時点での温度差Δt41やΔt42を検知することにより、前記給水タンク41内の水の有無が感知できるように構成してある。
そして、上記温度差Δt41は、事前に実験やシミュレーション等により調査して、前記温度差が所定の温度差Δtxx2以下のときは、前記製氷皿52に水の供給が無いと判断して、給水パイプヒータ44の通電を停止したままとする(図中の曲線C4)ことにより、省エネの図れる構成とするものである。
また、上記温度差Δt42は、事前に実験やシミュレーション等により調査して、前記温度差が所定の温度差Δtxx2より大きいときは、前記製氷皿52に水の供給が有ったと判断して、前述した給水パイプ43の先端吐出口43aの凍結防止のために、給水パイプヒータ44の通電を制御する。つまり、点線で示した曲線B8が次第に低下して、前述した曲線Bの下限温度T1となった時点(図4のH2時点)で前記給水パイプヒータ44をON(図4のC5時点)して前記給水パイプの先端吐出口43aが凍結しないように構成する。
以上のように構成されているので、本発明は、従来例のような製氷皿に直接設置する製氷センサーや給水タンクの近傍に設ける水センサー等の2種類の検知手段を使用しないでも、給水タンク内の水の有無を検出できるので、製造コスト上有利な冷蔵庫を提供できる。また、給水パイプの先端吐出口の温度をコントロールできるので、製氷室に臨んだ給水パイプの先端吐出口の水の凍結防止を図れると共に、給水パイプの先端吐出口の温熱が製氷皿に影響する程度を小さくできるので、熱負荷の少ない省エネ上有利な冷蔵庫を提供できる。
次に、本発明の第二の実施例について図5により説明する。図5は本発明の第二の実施例における制御説明図であり、前述した図1及び図2に示す冷蔵庫の構成と同様な構成を有し、且つ、制御方法のみ異なる冷蔵庫の実施例を示している。従って、説明の簡明化のために、パイプセンサーや給水パイプヒータ等の部品記号は実施例1と同じ番号と仮定してある。
なお、本発明の第二の実施例の特徴とするところは、製氷皿への給水以前に、給水パイプヒータの通電時間を増して、給水パイプの温度を給水タンク内の水の温度より高めにしておくことにより、製氷皿への給水前後の温度差を、給水パイプ近傍に設けたパイプセンサー値により判断し易くしたものである。
以下図により説明する。
図5に於いて、曲線Kはパイプセンサー46(図2の46)の検知温度、つまり該パイプセンサー46近傍の給水パイプ43の温度を示し、縦軸にその温度を、横軸に経過時間を示す。曲線Lは前述した給水パイプヒータ44(図2の44)の運転制御状態を示し、縦軸にON(通電)、OFF(通電停止)を、横軸に経過時間を示す。なお、両曲線K,Lの比較説明が容易なように、横軸の経過時間は同一の目盛り大きさとして表示してある。
図に於いて、M時点は、第一の実施例にて前述した運転中の、例えば、製氷皿52(図2の52)の製氷が完了した時点を示す。そして、例えば、上記製氷が完了した時点が、給水パイプヒータ44(図2の44)の運転がOFF(通電停止)状態のときは、前述した制御装置69(図1の69)の判断・指令により、前記給水パイプヒータ44をON
(通電)(図5のL1部)して、曲線K1に示すようにパイプセンサー46(図2の46)の検知温度、つまりは、給水パイプ43(図2の43)の温度を上昇させる。
(通電)(図5のL1部)して、曲線K1に示すようにパイプセンサー46(図2の46)の検知温度、つまりは、給水パイプ43(図2の43)の温度を上昇させる。
そして、上記給水パイプ43(図2の43)の温度が、前述した給水タンク41(図2の41)内の水の温度より高い温度t51となるまで、上記給水パイプヒータ44のON(通電)を継続する。
そして、N時点は前述したM時点から所定時間x51の経過後の時点である。前記所定時間x51とは、例えば、製氷完了時点から、上記製氷皿52を反転して、該製氷皿52内で生成された氷を離氷するために製氷皿52を捩る等の動作をし、その後、該製氷皿
52を給水位置まで正転して戻した後、前述した制御装置69(図1の69)の指令により、製氷皿52への給水動作をすべく、給水ポンプ42(図2の42)の運転開始をするまでの所定時間x51であり、且つ、前述したように給水パイプ43(図2の43)の温度が前述した給水パイプヒータ44(図2の44)の通電加熱により上昇して、該給水パイプヒータ44の温度t51が、前述した給水タンク41(図2の41)の温度より高くなった時点である。
52を給水位置まで正転して戻した後、前述した制御装置69(図1の69)の指令により、製氷皿52への給水動作をすべく、給水ポンプ42(図2の42)の運転開始をするまでの所定時間x51であり、且つ、前述したように給水パイプ43(図2の43)の温度が前述した給水パイプヒータ44(図2の44)の通電加熱により上昇して、該給水パイプヒータ44の温度t51が、前述した給水タンク41(図2の41)の温度より高くなった時点である。
そして、P時点は、前述したN時点から前記給水ポンプ42が所定時間運転して停止し、且つ、該給水ポンプ42の運転による給水がパイプセンサー46(図2の46)の検知値により完全に感知できる時間x52が経過した時点を示す。
ここで、上記N時点とP時点間に例示した曲線について説明する。
先ず、仮想線で示す曲線K2は、前記給水ポンプ42が運転していなかった場合のパイプセンサー46が表示するであろう曲線を、例えば実験やシミュレーションにより想定した曲線である。
そして、実線で示した曲線K3は、給水タンク41内に水が無いときに前記給水ポンプ42を運転した時の曲線である。つまり、給水パイプ43内を水が通過しないときの曲線であり、この場合は、給水パイプヒータ44(図2の44)がONしているために、該給水パイプヒータ44の加熱により次第に上昇するが、前記給水ポンプ42の運転により冷蔵室内の温度に相当する冷気等が流入するので前述した曲線K2程には上昇しない。
そして、点線で示した曲線K4は、前記給水タンク41内に水が有るときに、前記給水ポンプ42が運転して、給水パイプ43内を所定量の水が通過し、該水が通過することにより、前記給水パイプヒータ44の加熱による温熱が冷却されて、温度上昇程度が少なくなった場合の曲線である。
ここで、上述した曲線K2,K3,K4のP時点での前記パイプセンサー46の値を
t54,t53,t52とすると、t54とt53との温度差Δt61が上記給水タンク41に水の無いときの温度差となり、t54とt52との温度差Δt62が上記給水タンク41に水が有る場合の温度差となる。
t54,t53,t52とすると、t54とt53との温度差Δt61が上記給水タンク41に水の無いときの温度差となり、t54とt52との温度差Δt62が上記給水タンク41に水が有る場合の温度差となる。
換言すれば、上記P時点での温度差Δt61やΔt62を検知することにより、前記給水タンク41内の水の有無が感知できるように構成してある。
そして、上記温度差Δ61は、事前に実験やシミュレーション等により調査して、前記温度差が所定の温度差Δtxx3以下のときは、前記製氷皿52に水の供給が無いと判断して、給水パイプヒータ44の通電を停止する(図中の曲線L2)ことにより、省エネの図れる構成とするものである。
また、上記温度差Δt62は、事前に実験やシミュレーション等により調査して、前記温度差が所定の温度差Δtxx3より大きいときは、前記製氷皿52に水の供給が有ったと判断して、前述した給水パイプ43の先端吐出口43aの凍結防止のために、給水パイプヒータ44の通電を制御する。つまり、点線で示した曲線K5が次第に低下して、前述した曲線Kの下限温度T5となった時点(図5のP2時点)で前記給水パイプヒータ44をON(図5のL3時点)して前記給水パイプの先端吐出口43aが凍結しないように構成する。
以上のように構成されているので、本発明の第二の実施例は、給水パイプヒータの通電時間を増して、給水パイプの温度を給水タンク内の水の温度より高めにしておくので、製氷皿への給水前後の温度差を、給水パイプ近傍に設けたパイプセンサー値により判断し易いので、誤判断の少ない信頼性の高い冷蔵庫を提供できる。
次に、本発明の第三の実施例について図6により説明する。
図6は本発明の第三の実施例における制御説明図であり、前述した図1及び図2に示す冷蔵庫の構成と同様な構成を有し、且つ、制御方法のみ異なる冷蔵庫の実施例を示している。従って、説明の簡明化のために、パイプセンサーや給水パイプヒータ等の部品記号は実施例1と同じ番号と仮定してある。
なお、本発明の第三の実施例の特徴とするところは、製氷皿への給水以前に、給水パイプヒータの通電率を増加して、給水パイプの温度を給水タンク内の水の温度より高めにしておくことにより、製氷皿への給水前後の温度差を、給水パイプ近傍に設けたパイプセンサー値により判断し易くしたものである。
以下図により説明する。
図6に於いて、曲線Qはパイプセンサー46(図2の46)の検知温度、つまり該パイプセンサー46近傍の給水パイプ43の温度を示し、縦軸にその温度を、横軸に経過時間を示す。曲線Rは前述した給水パイプヒータ44(図2の44)の運転制御状態を示し、縦軸に通電率を、横軸に経過時間を示す。なお、両曲線Q,Rの比較説明が容易なように、横軸の経過時間は同一の目盛り大きさとして表示してある。
先ず、図により、給水パイプの先端吐出口43a(図2の43a)の凍結防止制御例を説明する。
先ず、曲線Qの下限温度T7を予め、例えば実験やシミュレーションにより下記のように設定する。
例えば、図2に示す給水パイプ43は、その一端である先端吐出口43a部を氷点以下の温度である製氷室36に臨ませてあり、その他端を通常、氷点より高い温度に設定する冷蔵室33に設置した給水ポンプ42と連結してある。つまり、前記給水パイプ43は、その先端部分である43a部とパイプセンサー46の検知部との間には、ある程度の温度差を生じている。
而して、図1から図2にて前述した通常の冷蔵庫運転時に於いて、前記給水パイプヒータ44に通電して、前記給水パイプ43及び先端吐出口43a部を加熱した場合でも、給水パイプの先端吐出口43a(図2の43a)の温度と、給水パイプ43(図2の43)の近傍若しくは、給水パイプ43に密着して設けたパイプセンサー46(図2の46)の検知温度値との間にはある程度の温度差(Δxx5)を生じる。
従って、給水パイプの先端吐出口43a(図2の43a)の温度を、水を凍結させない温度(氷点以下にならない温度)tx5とするために、上記パイプセンサー46部の温度T7を、「T7=tx5+Δxx5」と設定する。
次に、曲線Qの上限温度T8を予め、例えば実験やシミュレーションにより下記の様に設定する。
例えば、図2に示す給水パイプ43の先端吐出口43aは、該先端吐出口43aよりの給水を製氷皿52内に供給する必要性から、該製氷皿52の開口上方に設置される。
而して、上記先端吐出口43aの温度が必要以上に高いと、該温熱が庫内に侵入して製氷促進上の弊害となる恐れがあるので、該冷蔵庫に於いての許容される温度tx6(tx6>tx5)を設定し、「T8=tx6+Δxx5」として設定する。
そして、曲線Qが上述のようにして設定したT7とT8の間となるように、前述したパイプセンサー46の検知値によって、前述した制御装置69により、例えば給水パイプヒータ44(図2の44)の通電率をW1からW2(W2>W1)の間で変化させて制御するように構成する。
ここで、上記通電率W1やW2は、本発明では特に規定しないが、零(通電停止)より大きく、且つ、100%(連続通電)以下とすることが望ましく、例えば、10秒周期のDuty制御によりそのヒータ加熱容量を可変にしても良い。
次に、同じ図6により、給水タンク41(図2の41)内の水の有無を検出する制御例を説明する。
図6に於いて、V1時点は、第一の実施例にて前述した運転中の、例えば、製氷皿52(図2の52)の製氷が完了した時点を示す。そして、例えば、上記製氷が完了した時点が、給水パイプヒータ44(図2の44)の運転率が比較的低い場合、つまり、図中の曲線Q1のように次第に下降している場合は、前述した制御装置69(図1の69)の判断・指令により、前記給水パイプヒータ44を最大の加熱容量の発揮できる通電率W3(W3>W2)として、曲線Q2に示すように給水パイプ43(図2の43)の温度、つまりは、パイプセンサー46(図2の46)の検知温度を上昇させる。
そして、上記給水パイプ43(図2の43)の温度が、前述した給水タンク41(図2の41)内の水の温度より高い温度t73となるまで、上記給水パイプヒータ44の通電率をW3として通電を継続する。
そして、V2時点は前述したV1時点から所定時間x73の経過後の時点である。前記所定時間x73とは、例えば、製氷完了時点から、上記製氷皿52を反転して、該製氷皿52内で生成された氷を離氷するために製氷皿52を捩る等の動作をし、その後、該製氷皿52を給水位置まで正転して戻した後、前述した制御装置69(図1の69)の指令により、製氷皿52への給水動作をすべく、給水ポンプ42(図2の42)の運転開始をするまでの所定時間x73であり、且つ、前述したように給水パイプ43(図2の43)の温度が前述した給水パイプヒータ44(図2の44)の通電加熱により上昇して、該給水パイプヒータ44の温度t73が、前述した給水タンク41(図2の41)の温度より高くなった時点である。
そして、上記V2時点となったら、省電力のために、前記給水パイプヒータ44(図2の44)の通電を停止する(W0=零)。
そして、V3時点は、前述したV2時点から前記給水ポンプ42が所定時間運転して停止し、且つ、該給水ポンプ42の運転による給水がパイプセンサー46(図2の46)の検知値により完全に感知できる時間x74が経過した時点を示す。
ここで、上記V2時点とV3時点間に例示した曲線について説明する。
実線で示した曲線Q3は、給水タンク41内に水が無いときに前記給水ポンプ42を運転した時の曲線である。つまり、給水パイプ43内を水が通過しないときの曲線であり、この場合は、給水パイプヒータ44(図2の44)が通電停止しているために、前述した製氷室36内に臨ませた給水パイプの先端吐出口43aが、該製氷室36内の冷気により冷却されて、該冷熱の伝導によりパイプセンサー46(図2の46)部の温度が次第に低下する。
そして、点線で示した曲線Q4は、前記給水タンク41内に水が有るときに、前記給水ポンプ42が運転して、給水パイプ43内を所定量の水が通過し、該水が通過することにより前記給水パイプ43が冷却されて、該給水パイプ43(図2の43)の近傍若しくは、給水パイプ43に密着して設けたパイプセンサー46(図2の46)の温度が低下した場合の曲線である。
ここで、上述したV2時点でのパイプセンサー46の値をt73とし、上述した曲線
Q3,Q4のV3時点での前記パイプセンサー46の値をt72,t71とすると、t73とt72との温度差Δt81が上記給水タンク41に水の無いときの温度差となり、t73とt71との温度差Δt82が上記給水タンク41に水が有る場合の温度差となる。
Q3,Q4のV3時点での前記パイプセンサー46の値をt72,t71とすると、t73とt72との温度差Δt81が上記給水タンク41に水の無いときの温度差となり、t73とt71との温度差Δt82が上記給水タンク41に水が有る場合の温度差となる。
換言すれば、上記V2時点とV3時点での温度差Δt81やΔt82を検知することにより、前記給水タンク41内の水の有無が感知できるように構成してある。
そして、上記温度差Δt81は、事前に実験やシミュレーション等により調査して、前記温度差が所定の温度差Δtxx6以下のときは、前記製氷皿52に水の供給が無いと判断して、給水パイプヒータ44の通電を停止したままとする(図中の曲線R2)ことにより、省エネの図れる構成とするものである。
また、上記温度差Δt82は、事前に実験やシミュレーション等により調査して、前記温度差が所定の温度差Δtxx6より大きいときは、前記製氷皿52に水の供給が有ったと判断して、前述した給水パイプ43の先端吐出口43aの凍結防止のために、給水パイプヒータ44の通電を制御する。つまり、点線で示した曲線Q5が次第に低下して、前述した曲線Qの下限温度T7となった時点(図中のV4時点)で前記給水パイプヒータ44をON(図中のR3時点)して前記給水パイプの先端吐出口43aが凍結しないように加熱する制御とする。
以上のように構成されているので、本発明の第三の実施例は、給水パイプヒータの通電率を増加して、給水パイプの温度を給水タンク内の水の温度より高めにしておくので、製氷皿への給水前後の温度差を、給水パイプ近傍に設けたパイプセンサー値により判断し易いので、誤判断の少ない信頼性の高い冷蔵庫を提供できる。
次に、本発明の第四の実施例について図7により説明する。
図7は本発明の第四の実施例における給水パイプ形状例であり、その特徴とするところは、給水パイプ内を水が流れたときに、該水の流れをパイプセンサーで感知し易くしたものである。
なお、前述した図1及び図2に示す冷蔵庫の構成と同様な構成を有し、且つ、給水パイプ形状のみ異なる冷蔵庫の実施例を示している。従って、説明の簡明化のために、パイプセンサーや給水パイプヒータ等の部品記号は実施例1と同じ番号と仮定してある。
以下図により説明する。
43は図2にて前述した給水パイプ43と同様な機能を有する給水パイプであり、その一部に水の流れが緩い部分43bを設け、該水の流れが緩い部分43bの水が流れる面の裏面に、パイプセンサー46を密着して設置するものである。従って、比較的傾斜があり内部に水が流れた場合、その速度が速い部分43c部よりの水が、上記水の流れが緩い部分43bにて一時的に滞留気味となるので、該水の温度が該部に設けたパイプセンサー
46にて感知し易くなるものである。
46にて感知し易くなるものである。
以上のように構成されているので、本発明の第四の実施例は、給水パイプ内を水が流れたときに、該水の流れをパイプセンサー46で感知し易くしたものであるので、該水の温度差により、製氷皿への水の供給有無を判別し易い構成とすることができる。
31…冷蔵庫本体、32…冷蔵温度室、33…冷蔵室、34…野菜室、35…冷凍温度室、36…製氷室、37…急速冷凍室、38…冷凍室、39,40…仕切、41…給水タンク、42…給水ポンプ、43…給水パイプ、43a…給水パイプの先端吐出口、44…給水パイプヒータ、45…パッキング、46…パイプセンサー、51…自動製氷機、52…製氷皿、53…駆動モータ、54…貯氷量検知センサー、55…貯氷容器、61…送風機、62…冷却室、63…冷却器、64…除霜ヒータ、65…冷気ダクト、65a,65b,65c…冷気吐出口、65d…冷気戻り口、66…圧縮機、67…外気温度センサー、68…庫内温度センサー、69…制御装置。
Claims (6)
- 製氷皿への給水前後の温度差を、給水パイプ近傍に設けたパイプセンサーの温度差により検知し、該パイプセンサーの温度差が所定の温度差以下の時は、製氷皿に水の供給が無いと判断して、給水パイプヒータの通電を停止することを特徴とする冷蔵庫。
- 製氷皿への給水以前に、給水パイプヒータの通電率を増加して、給水パイプの温度を給水タンク内の水の温度より高めにしておくことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
- 給水パイプを、金属等の熱良伝導性材料にて形成すると共に、前記給水パイプの温度を検知するパイプセンサーを、前記給水パイプに密着して設置したことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
- 自動製氷機を備えた冷凍温度室と、該冷凍温度室と仕切にて区画形成された冷蔵温度室とを有し、前記冷凍温度室と冷蔵温度室とを冷却する庫内冷気循環用送風機を有する冷蔵庫に於いて、前記冷凍温度室内に製氷皿を設け、前記冷蔵温度室内に給水タンクを設けると共に、前記製氷皿に給水タンク内の水を供給する給水パイプの先端吐出口を前記製氷皿開口上部に臨ませ、前記給水パイプ近傍に設けた給水パイプヒータの通電率を、パイプセンサーの検知値により制御することを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
- 冷凍温度室内に配設されて製氷皿を有する自動製氷装置と、冷蔵温度室内に配設され前記製氷皿へ供給する水を貯める給水タンクと、前記給水タンクから前記製氷皿への給水経路と、前記給水経路の温度を検出するセンサーと、前記給水経路を暖めるヒータと、前記センサーの検出値に基づいて前記ヒータを制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、給水前後の前記センサーの検出値に基づいて前記給水タンク内の水の有無を判断し、前記給水タンク内に水が無いと判断すると前記ヒータの出力をオフにすることを特徴とする冷蔵庫。 - 冷凍温度室内に配設されて製氷皿を有する自動製氷装置と、冷蔵温度室内に配設され前記製氷皿へ供給する水を貯める給水タンクと、前記給水タンクから前記製氷皿への給水経路と、前記給水経路の温度を検出するセンサーと、前記給水経路を暖めるヒータと、前記給水タンク内の水を前記給水経路を介して前記製氷皿へと供給する給水装置と、前記給水装置の駆動を制御するとともに前記センサーの検出値に基づいて前記ヒータを制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記給水装置を駆動させて前記製氷皿へ給水する前に、前記ヒータによって前記給水経路の温度を上昇させることを特徴とする冷蔵庫。
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