JP5344683B2 - 釣糸ガイド、及びガイドリングの製造方法 - Google Patents

釣糸ガイド、及びガイドリングの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、釣竿やリール等の釣り用品に装着される釣糸ガイド、及び釣糸ガイドを構成するガイドリングの製造方法に関する。
従来、外ガイド方式と称される釣竿に装着される釣糸ガイドや、そのような釣糸ガイドに取着されて釣糸が挿通される部分には、炭化珪素(SIC)などのセラミックスが使用されることがある。このようなセラミックスは、硬度が高く、耐摩耗性に優れるため、釣糸ガイドの釣糸が接触する部分(ガイドリング)に用いられている。また、例えば、特許文献1には、釣糸ガイドのガイドリングとして適用可能な釣り用品が開示されている。この特許文献1に開示されている釣り用品は、母材をセラミックスで構成し、表面に金属などのコーティング層を形成している。
特開平1−265841号
上記したセラミックスは、衝撃に弱いため、肉厚を厚く形成する必要があり、それにより、重量が重く、大型化するという欠点がある。このため釣糸ガイドの内、穂先ガイドの釣糸接触部分にセラミックスによる部品を取着することを考慮すると、ある程度の肉厚を確保する必要があるため、穂先ガイド全体の重量が重くなると共に大型化してしまい、繊細なアタリを感知する釣竿、特に穂先竿などは好ましくない構成となってしまう。
また、上記した特許文献1に開示されているように、セラミックスの表面に金属コーティング層を形成すると、腐食や磨耗が生じたときなどに金属コーティング層が剥離して釣糸を傷付ける等の問題がある。
本発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、小型、軽量化を図り、かつ表面部分で剥離や磨耗などが生じ難い釣糸ガイド、及びそのような釣糸ガイドを構成するガイドリングの製造方法を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明に係る釣糸ガイドは、チタン系材料で構成され、釣糸案内部を有する本体部材の表面に炭素ドープ酸化チタン層を形成したガイドリングと、このガイドリングが取着されるフレームとから成る釣糸ガイドであって、前記炭素ドープ酸化チタン層は、チタンと炭素が結合した状態が含まれると共に、前記チタン系材料よりも硬度が高く形成されており、その表面は、研磨工程によって凹凸が研磨された状態に処理され、前記炭素ドープ酸化チタン層は、前記釣糸案内部の釣糸案内面における厚さよりも、その側周部分における厚さを薄く形成したことを特徴とする。
上記した構成の釣糸ガイドのガイドリングは、チタン系材料で構成され、釣糸案内部を有する本体部材の表面を、所定の深さに亘って、炭素ドープ酸化チタン層に改質する(チタンと炭素が結合した状態が含まれる)ことを特徴とする。すなわち、セラミックスのような部材ではなく、釣糸ガイドのガイドリングの本体部材としてチタン系の材料を用いるのであり、単に、その表面自体を改質することによって、表面の硬度を高め、かつ耐摩耗性を向上することから、軽量化、及び小型化が図れるようになる。特に、その表面は、研磨工程によって凹凸が研磨された状態に処理することから、釣糸が接触する部分では、釣糸の円滑な摺動が可能になると共に、耐摩耗性の向上が図れるようになる。また、炭素ドープ酸化チタン層は、釣糸案内部の釣糸案内面における厚さよりも、その側周部分における厚さを薄く形成したため、硬度が向上することによる折れや破損等が生じ難くなり、実釣時において、釣糸が引っ掛かって応力が作用しても、フレーム部分としてねばりのある構造(折れや破損等が生じ難い構造)とすることが可能となる。
上記したような釣糸ガイドのガイドリングは、例えば、チタン系材料で構成され、釣糸案内部が形成された板状の本体部材を研磨する第1研磨工程と、前記本体部材の表面に炭素ドープ酸化チタン層を形成する工程と、前記炭素ドープ酸化チタン層を形成した際に生じる表面の凹凸を平坦状に研磨する第2研磨工程と、前記第2研磨工程を施した後、形成されている炭素ドープ酸化チタン層を部分的に研削する研削処理工程と、によって製造することが可能である。
この場合、釣糸案内部が形成された板状の本体部材を構成するに際しては、上記の第1研磨工程を施すことによって、予め釣糸が接触する部分を滑らかな状態にしておくことができ、このような滑らかな状態で炭素ドープ酸化チタン層が形成される。もちろん、釣糸ガイドとして、例えば、釣糸が接触しない部分や釣竿に装着される部分であれば、このような第1研磨工程を実施しない構成であっても良い。そして、上記の第2研磨工程を施すことによって、表面にある凹凸が研磨されて平坦状になることから、表面の剥離が防止されて耐摩耗性が向上すると共に、外観の向上も図れるようになる。また、第2研磨工程の後、研削処理工程を施すことで、炭素ドープ酸化チタン層を薄くしたり、チタン系材料が露出するまで削って、表面硬度を低くし、本体部材として、その部分の折れや破損等がし難い構造(ねばりのある構造)とすることができる。
本発明によれば、小型、軽量化を図り、かつ表面部分で剥離や磨耗などが生じ難い釣糸ガイドが得られるようになる。
以下、本発明の一実施形態について具体的に説明する。
なお、本発明の実施形態を説明するにあたって、最初に、釣糸ガイドのガイドリングを構成する本体部材の表面に炭素ドープ酸化チタン層を形成して表面を改質する手法について説明し、次いで、そのような手法によって製造された具体的な釣糸ガイドについて説明する。
図1から図4は、釣糸ガイドのガイドリングを構成する本体部材の表面を改質した状態を示しており、図1は、模式的な側面図、図2は、釣糸を摺接させた状態を模式的に示した拡大断面図、図3は、炭素ドープ酸化チタン層を形成した状態を模式的に示す拡大断面図、そして、図4は、図3に示す状態において、所定の研磨処理を施した状態を模式的に示す拡大断面図である。
釣糸ガイドのガイドリングを構成する本体部材1には、チタン系の材料、すなわちチタン(純Ti)や、公知の種々のチタン合金(例えば、βチタン(Ti−15v−3Cr−3Sn−3Al)や、α−βチタン(Ti−6Al−4V)など)が用いられる。なお、本体部材1については、必要となる部分にチタンやチタン合金を使用していれば良く、その他の部分については、チタンやチタン合金と異なる金属材料や樹脂材料等を組み合わせて用いることが可能である。
そして、後述するように、釣糸を案内、又は釣糸が接触する部分等の、チタンやチタン合金表面2に、以下のような手順によって炭素ドープ酸化チタン層2Aが形成される。
最初に、上記したチタン系材料によって、釣糸ガイドのガイドリングとして所定の形状(釣糸が挿通される釣糸案内部が形成された例えば板状の形状)に加工する。この場合、加工されたガイドリングについては、例えば、バレル研磨や化学研磨等の研磨工程(第1研磨工程)によって、炭素ドープ酸化チタン層2Aを形成する前に、表面を滑らかな状態に研磨しておくことが好ましい。すなわち、このような第1研磨工程を施すことにより、形成される炭素ドープ酸化チタン層2Aの表面を、できるだけ平滑化しておくことが可能となる。なお、使用する部位によっては、このような第1研磨工程を施さなくても良い。
次いで、所定の手法により、表面2に炭素ドープ酸化チタン層2Aを形成する。具体的には、例えば、前記した本体部材1を燃焼室内に保持しておき、炭化水素を主成分とするガスの燃焼炎を直接当てることで高温加熱処理すること、或いは、本体部材1を、炭化水素を主成分とするガスの燃焼ガス雰囲気中で高温加熱処理すること、或いは、本体部材1の表面を、炭化水素を主成分とするガス雰囲気中で高温加熱処理すること、等の手法により、本体部材1の表面2に炭素ドープ酸化チタン層2Aを形成することが可能である。
このように形成される炭素ドープ酸化チタン層2Aは、本体部材1を構成しているチタンと炭素が結合した状態(Ti−C結合)、すなわち、本体部材よりも硬度が高い結合状態を含んでおり、炭素をドープすることで、チタン系金属の表面が改質されて、硬度の向上が図れるようになる。
この場合、表面に形成される炭素ドープ酸化チタン層2Aは、その層の深さ(表面からの厚さ)が0.1μm以上又は0.5μm以上、好ましくは0.5μm〜20μm、更に好ましくは1.0μm〜20μmの範囲となるように形成されることが好ましい。
上記した厚さの改質状態が得られるように、炭化水素を主成分とするガスは、炭化水素を少なくとも50容量%含んでいれば良く、適宜、空気、水素、酸素などを混合したものとすれば良い。換言すれば、形成される炭素ドープ酸化チタン層2Aは、原子レベルで炭素含有量が0.5at%〜20at%、好ましくは、1at%〜15at%あれば、釣糸ガイドとして十分な性能を発揮することが可能となる。
また、上記した高温加熱処理は、本体部材1の表面2に、上記した深さの炭素ドープ酸化チタン層2Aが形成される程度、好ましくは、本体部材1の表面温度が900℃〜1500℃、好ましくは1000℃〜1200℃となるように加熱処理すれば良い。すなわち、表面温度が900℃よりも低いと、炭素ドープ酸化チタン層2Aの厚さが薄くなる傾向となり、1500℃よりも高くなると、冷却時に部材本体表面から薄膜の剥離が生じる傾向が現れる。
また、加熱処理時間については、冷却時に表面が剥離を発生しない程度の時間とされ、加熱温度との相関関係があり最適条件に調整することとなるが、600秒以下に設定しておくことが好ましい。すなわち、600秒を超えて加熱処理を行うと、冷却時に部材本体表面から薄膜の剥離が生じる傾向が現れるようになる。
上記したような工程により、本体部材1の表面2に炭素ドープ酸化チタン層2Aが形成される。このような炭素ドープ酸化チタン層2Aは、表面側から炭素をドープして加熱処理を行うことから、炭素とチタンが結合した状態の割合(Ti−C結合の割合)が、表面側に比較的多く存在しており、釣糸が摺接する表面側の硬度が、本体部材を構成するチタン系材料と比較して向上された状態となって、耐磨耗性に優れた状態となっている。
前記炭素ドープ酸化チタン層2Aの表面を拡大すると、図3に示すように、凹凸2aが形成されると共に、凹部(微小凹部)2bが所々に形成された状態となっている。この場合、凹凸2aや凹部2bは、炭素と結合できなかったチタン原子や、チタン原子以外の不純物によって生じると考えられる。特に、凹部2bについては、上記した第1研磨工程で研磨できなかった大きい凹部が原因の場合もあり、炭素ドープ酸化チタン層2Aを形成した後も、そのままその凹部が残ることで発生するものと推測される。
そして、このような凹凸2aや凹部2bは、釣糸が摺動した際に摩擦抵抗となったり、或いは、表面部分を剥がす要因(表面部分の粒子を剥がす要因)となる。また、凹部2bについては、その表面(凹凸となっている表面)との境界部分(エッジ部分)2cが、不均一な状態(尖っていたり、段状になっていたり、凹凸になっている等)となっていることがあるため、摺動する釣糸を傷つけたり、摩擦抵抗の要因となる。
このため、上記した炭素ドープ酸化チタン層2Aを形成した後に、更に、表面を研磨する研磨工程(第2研磨工程)を施す。この場合、第2研磨工程では、従来の釣糸ガイドに使用されているSICガイドリングの研磨表面程度に、表面に光沢を有する滑らかな面となる程度に研磨することが好ましい。具体的には、表面粗度に関する数値(JIS B0601−2001)がRa0.01〜1.0程度になっていれば、以下のように、凹凸が研磨されて表面の平滑状態が得られるようになる。
なお、第2研磨工程は、上記した第1研磨工程と同様、バレル研磨を用いることが可能である。このようなバレル研磨工程は、例えば、回転バレル、遠心バレルを用いることによって実施される。
具体的には、バレル研磨工程は、前記炭素ドープ酸化チタン層2Aを維持した状態で行われ、表面に光沢を有するように滑らかに、かつ表面硬度がより高い状態(炭素とチタンが結合した状態の割合(Ti−C結合の割合)が、層の厚さ方向でみて表面側に相対的に多く存在する状態)まで実行される。
図4に示すように、バレル研磨工程を施した後の表面は、図3で存在していた凹凸2aが研磨されて表面2a´が平滑な状態とされており、また、図3で存在していた凹部2bは、完全に研磨されて消滅することはないものの、そのエッジ部分2c´は、湾曲状(R状)に研磨された状態となっている。これにより、図2に模式的に示すように、釣糸Sが表面に摺接しても、上記のように凹凸2aが研磨されて平滑化した表面2a´となっており、かつエッジ部分2c´が湾曲状(R状)に研磨されているため、釣糸Sを傷付けることなく滑らかに案内して、耐摩耗性のある表面状態とすることが可能となる。なお、凹部2bは、上記した第2研磨工程において、粒子の不均一性などが原因で一部が剥落することで生じる可能性もあるが、その研磨工程により、エッジ部分2c´は湾曲状に研磨される。
また、上記した第2研磨工程を施すことにより、表面硬度をより高くすることが可能となる。これは、表面領域を研磨することにより、炭素とチタンが結合されなかった部分(不完全結合部分であり研磨され易い)が研磨され、これにより表面側にTi−C結合の割合が多く存在するようになったことで硬度の向上が図れたものと推測される。この場合、最終的な表面硬度については、ビッカース硬度(HV)で1000より高い値に研磨処理されていることが好ましい。なお、硬度が高くなることで耐摩耗性の向上が図れるため、特に、釣糸が摺接する部分では、1200以上、更には1500以上となるように研磨処理されていることが好ましい。
また、上記した第2研磨工程の後、その表面の凹部2bに撥水性を有する材料を充填させることが好ましい。例えば、フッ素樹脂やフッ素塗料を塗布し、その後、表面を研磨することで、凹部2bに撥水性を有する材料を充填することが可能である。或いは、溶剤の比率を多くしたフッ素樹脂を吹き付け塗装することで、凹部2bに撥水性材料を充填するようにしても良い。このような構成では、本来、凹部となっている部分が撥水性を維持することから、水分の付着が防止され、釣糸の摺動性をより向上することが可能となる。
或いは、上記した第2研磨工程の後、所望の位置について研削処理を施しても良い。研削処理は、例えば、サンドブラスト、サンディング等の手法によって実施することができ、このような研削処理を施すことで、炭素ドープ酸化チタン層2Aを薄くしたり、チタン系材料が露出するまで削って、表面硬度を低くし、本体部材として、その部分の折れや破損等がし難い構造(ねばりのある構造)とすることができる。
上記した工程によって表面が改質されたチタン系材料は、以下のような特徴を備えており、釣糸ガイドのガイドリングとしての機能の向上が図れるようになる。
同一形状のSICリングと、改質された表面を有するチタン系材料のリングに対して同一の釣糸の摺動試験を実施して熱だまりの状態を測定したところ、後者の釣糸案内面は、前者よりも1度以上温度が低くなっており、熱だまりし難い構造であることが確認された。これは、放熱性が良く、特に釣糸が強い抵抗を持って接触する釣糸ガイドの釣糸挿通部では、釣糸を切れ難い構造とすることが可能となる。
また、改質された表面は、SICによる部材と比較して光を照射した際の触媒作用(光触媒作用)が良好な結果が得られた。これにより、防臭、防菌、防汚等の向上が図れるようになる。
次に、図5を参照して、上記したように表面が改質されたガイドリングを有する釣糸ガイドの第1の実施形態を具体的に説明する。
図示のように、この実施形態の釣糸ガイド5は、チタン系の材料によって形成され且つ釣糸が挿通される釣糸案内部21を有する本体部材から成るリング状のガイドリング26と、ガイドリング26とは別体構造を成すフレーム20と、釣竿に嵌入される開口11が形成された筒部10とから構成され、フレーム20に形成された開口20aにガイドリング26が取着されている。
前記筒部10は、例えば、合成樹脂等の素材によって一体形成されており、釣竿Rに嵌入された際、後述する図9で示すように釣糸Sが矢印方向に抜け易い外形状(穂先側に移行するに連れて膨らむ形状)を有すると共に、その元竿側は、釣竿Rの外表面と段差が生じないように形成されている。また、筒部10には、穂先側に、フレーム20の固定部22が圧入固定される回り止め突起12が形成されている。
前記フレーム20は、板状の形状を成し、例えばチタン系の材料から形成されるとともに、下方側には、筒部10の回り止め部12に圧入固定される固定部(開口)22が形成されている。
また、フレーム20には、前記固定部22の径方向外方に、湾曲突部25が形成されており、前記固定部22が、筒部10の回り止め突起12に圧入固定された際、筒部の外表面から湾曲状に突出し、これにより釣糸が掛かりにくくしている。
上記したガイドリング26は、打ち抜き加工し、その後、上述した第1研磨工程を施した後、その表面全体に、炭素ドープ酸化チタン層が形成されている。そして、炭素ドープ酸化チタン層を形成した後は、上記したバレル研磨(第2研磨工程)を施して、表面に発生している凹凸を研磨している。
ガイドリング26に形成される釣糸案内部21の内周面(釣糸案内面)21aは、リールから繰り出される釣糸が摺動する部分であり、この部分の表面は、上述した製造工程を経て炭素ドープ酸化チタン層2Aとなっている(図1,図2,図4参照)。内周面(釣糸案内面)21aの表面に炭素ドープ酸化チタン層2Aが形成されることで、上述したように、硬度の向上が図れ、耐摩耗性の向上が図れる。
この結果、本実施形態の釣糸ガイドは、従来よりも小型、軽量化が図れると共に挿通される釣糸を傷付けることのない構成が得られるようになる。したがって、穂先竿に装着される釣糸ガイドを考慮した場合、硬度及び耐摩耗性の向上が図れて軽量化が達成できることから、魚信感度に優れた穂先竿とすることが可能になる。また、ガイドリング26には、その表面部分全体に亘って、耐摩耗性があり平滑性に優れた炭素ドープ酸化チタン層が形成されているため、糸絡みが生じ難い釣糸ガイドとすることが可能となる。
また、本実施形態のガイドリング26では、炭素ドープ酸化チタン層2Aを形成する前と後の両方で研磨工程を施しているため、極めて滑らかな釣糸案内面を形成可能となり、釣糸をスムーズに案内することができる。また、糸切れや釣糸の傷付きを防止でき、長期間にわたって釣糸を使用することができる。
また、上記のように炭素ドープ酸化チタン層2Aを形成する前と後の両方で研磨工程を施すことにより、層の厚さを均一化できると共に、硬度の高い表面にすることができ、釣糸の接触による釣糸案内面の表面の摩耗を遅らせることができる。しかも、釣糸案内面のどの部分に釣糸が接触しても局部的に摩耗が進行することを防止できる。
更に、本実施形態では、炭素ドープ酸化チタン層2Aの硬度の高いエリアを釣糸案内面の表面として使用したことで、釣糸の接触による釣糸案内面の摩耗をより確実に遅らせることができ、長期にわたって釣糸をスムーズに案内することができる(従来の金属材料では、長期間、釣糸をスムーズに案内することはできない)。
また、上記した構成では、図5に示すようにガイドリング26の釣糸案内部21の厚さT(ここでの厚さは釣糸が摺動する方向の厚さとなる)を、フレーム20の厚さtよりも肉厚(T>t)に形成しておくことが好ましい。すなわち、釣糸が接触する部分は、釣糸が摺接するに連れて耐摩耗性が不足することが考えられるが、その部分を予め肉厚にしておくことで、小型、軽量化を図りつつ、効率的に硬度の向上、及び耐摩耗性の向上が図れるようになる。
上述したように、ガイドリング26を燃焼室内に保持して、その表面に対して均一に高温加熱処理を施すことで、表面全体に亘って、所定深さの炭素ドープ酸化チタン層を形成することが可能であるが、形成される炭素ドープ酸化チタン層については、場所によって、その深さを変えることが可能である。
この場合、炭素ドープ酸化チタン層の深さを変えるには、例えば、場所によって加熱温度を変える(燃焼炎の当て方を変える)、又は、場所によって加熱時間を変える、又は、炭素ドープ酸化チタン層を均一に形成した後、所定の部分を研削処理する等によって実施することが可能である。或いは、上述したバレル研磨を施すことで、釣糸案内部における釣糸案内面21aよりは、その側周部分の方の研磨量が多くなり、炭素ドープ酸化チタン層の深さを薄くすることが可能となる。
このように、釣糸案内部21における釣糸案内面(内周面)21aの厚さよりも、その側周部分における厚さを薄く形成しておくことで、硬度が向上することによる折れや破損等が生じ難くなり、実釣時において、釣糸が引っ掛かって応力が作用しても、フレーム部分としてねばりのある構造(折れや破損等が生じ難い構造)とすることが可能となる。
また、上記したように、炭素ドープ酸化チタン層が形成されることで、表面が改質され(炭素原子が入り込む)、その部分は、フレーム本来の色(チタン系金属の色)とは異なる色彩になったり、模様を有するようになる。具体的には、炭素ドープ酸化チタン層を形成することで、その部分は、黒ずんだ色彩や、模様を帯びるようになる。また、このような黒ずんだ色彩や模様については、燃焼炎の当て方、加熱時間等によって、変えることが可能である。
そして、このような色彩や模様がある部分を、釣糸案内面21aとしておくこと、すなわち、釣糸案内面21aに形成した炭素ドープ酸化チタン層については、釣糸案内面以外の本体部材と異なる色、又は模様を有するように形成しておくことが好ましい。
このように、釣糸案内面21aの色彩や模様を変えておくことで、その部分に釣糸が摺動して磨耗して行くと、色彩や模様が削れるため、磨耗した状況を容易に把握することが可能となり、釣糸ガイドとして交換する時期を容易に把握することが可能となる。
なお、前記ガイドリング26の炭素ドープ酸化チタン層は、上述したように、その層厚が、0.1μm以上又は0.5μm以上、好ましくは0.5μm〜20μm、更に好ましくは1.0μm〜20μmの範囲となるため、ガイドリング26自体の肉厚(T1)は、0.3mm〜0.8mmの範囲で形成することが可能となる。すなわち、従来の釣糸ガイドに用いられるSICリングと比較しても、その肉厚を薄く形成することができる。なお、ガイドリング26の断面形状が円形であれば、上記した肉厚T1、及び厚さTは同じとなる。
また、本実施形態では、フレーム20の表面に炭素ドープ酸化チタン層が形成されない。そのため、フレーム自体に屈曲性を持たせることが可能になると共に、フレーム部分を所望の形状(図では略ストレート形状)にして、釣糸が引っ掛かって応力が作用しても破損し難い構造とすることが可能となる。また、図5に示される上記構成では、ガイドリング26のフレーム20との固定部分は、釣糸案内面21aの炭素ドープ酸化チタン層の厚さより薄くすることが好ましい。これにより、ガイドリング26のクラックや破損を防止可能となる。また、ガイドリング26の外周の一部分にフレーム20の突起等を強く圧接する部分は、ガイドリング26の本体部分(前記炭素ドープ酸化チタン層が存在しない部分または炭素ドープ酸化チタン層が薄い部分)に位置するようにすることが好ましい。
図6はガイドリングを有する釣糸ガイドの第2の実施形態を示す図である。
この実施形態では、フレーム20Aの基端側を屈曲させて足部20aを一体形成している。ここで、足部とは、釣竿の表面に、糸止め等によって固定される領域であり、図において、足部20aとなる範囲を符号Raで示してある。このような足部20aは、フレーム20Aを形成するときに一体形成されるのであり、図5に示す構成と同様、ガイドリング26を別体として、その表面に上記したような炭素ドープ酸化チタン層を形成し、これをフレーム20Aの開口20aに固定することで、釣糸ガイド5が製造される。
このような構成では、フレーム20Aの使用材料を適宜変形することが可能となり、例えば、釣竿が大きく撓む部分においても、上述した実施形態と同様な効果を奏する釣糸ガイドを装着することが可能となる。
図7から図10は、釣糸ガイドの他の構造を示す図である。この構造では、ガイドリングがフレームと一体に形成されている(以下、これらを総称して、単にフレームという)が、無論、前述したようにこれらが別体で形成されていても良い。なお、図7は、正面図、図8は、右側面図、図9は、釣糸ガイドを釣竿に配置した状態を示す図、そして、図10は、釣糸ガイドを構成するフレームと筒部の組み立て状態を説明する図である。
釣糸ガイド5は、釣竿R(図9参照)に嵌入される開口11が形成された筒部10と、この筒部10に保持され、釣糸が挿通されるフレーム(本体部材)20とを備えている。
前記フレーム20は、板状の形状を有しており、チタン系の材料によって一体形成されている。フレーム20には、上方側に円形で釣糸が挿通される釣糸案内部21が形成されており、下方側には、筒部10の回り止め部12に圧入固定される固定部(開口)22が形成されている。フレーム20の上方側は、図9に示すように、穂先側に傾斜されており、前記筒部10の形状と一体となって釣糸Sが矢印方向に抜け易いよう構成されている。
また、フレーム20には、前記固定部22の径方向外方に、湾曲突部25が形成されており、前記固定部22が、筒部10の回り止め突起12に圧入固定された際、筒部の外表面から湾曲状に突出し、これにより釣糸が掛かりにくくしている。
なお、フレーム20には、必要に応じて肉抜き孔部24を形成しておき、軽量化を図ることが好ましい。
上記したフレーム20は、打ち抜き加工し、その後、上方側を屈曲することで形成することが可能であり、上述した第1研磨工程を施した後、その表面全体に、炭素ドープ酸化チタン層が形成されている。そして、炭素ドープ酸化チタン層を形成した後は、上記したバレル研磨(第2研磨工程)を施して、表面に発生している凹凸を研磨している。
このように構成されるフレーム20を、筒部10の回り止め部12に圧入固定することで、図7に示すような釣糸ガイド5が作成される。
フレーム20に形成される釣糸案内部21の内周面(釣糸案内面)21aは、リールから繰り出される釣糸が摺動する部分であり、この部分の表面は、上述した製造工程を経て炭素ドープ酸化チタン層2Aとなっている(図1,図2,図4参照)。内周面(釣糸案内面)21aの表面に炭素ドープ酸化チタン層2Aが形成されることで、上述したように、硬度の向上が図れ、耐摩耗性の向上が図れることから、従来のように、SICガイドリングを取着する必要がなくなり、フレーム20を可能な限り小さくすることが可能となる。すなわち、図8において、内周面(釣糸案内面)21aの内径Dを、従来のSICガイドリングと同じにしても、釣糸案内部21そのものがフレーム20と一体形成されているため、釣糸案内部21の周囲(側周部分21b)の幅Wを可能な限り小さくすることが可能となる。
この結果、本実施形態の釣糸ガイドによれば、従来よりも小型、軽量化が図れると共に挿通される釣糸を傷付けることのない構成が得られるようになる。したがって、穂先竿に装着される釣糸ガイドを考慮した場合、硬度及び耐摩耗性の向上が図れて軽量化が達成できることから、魚信感度に優れた穂先竿とすることが可能になる。また、フレーム20には、その表面部分全体に亘って、耐摩耗性があり平滑性に優れた炭素ドープ酸化チタン層が形成されているため、糸絡みが生じ難い釣糸ガイドとすることが可能となる。
特に、フレーム20の上端側は、穂先側に倒伏するように傾斜した形状となっており、かつ上記した湾曲突部25を形成しているため、釣糸が掛かりにくい構造となっており、かつこの部分にも炭素ドープ酸化チタン層が形成されていることから、釣糸が接触した際の摺動性の向上、及び耐磨耗性が向上した状態となっている。さらに、釣糸案内部21の周囲(側周部分21b)についても、炭素ドープ酸化チタン層が形成されて耐摩耗性や平滑性が向上していることから(好ましくは、ビッカース硬度で1000以上となっている)、リールからの釣糸が縒れたり撓んだり、或いは水分を含んで接触した状態から急に張力が作用して大きな負荷が作用しても、釣糸が傷付いたり、引っ掛かるようなことが抑制される。
また、上記した構成では、図7及び図10に示すように釣糸案内部21の厚さT(ここでの厚さは釣糸が摺動する方向の厚さとなる)を、フレーム20の厚さtよりも肉厚(T>t)に形成しておくことが好ましい。すなわち、釣糸が接触する部分は、釣糸が摺接するに連れて耐摩耗性が不足することが考えられるが、その部分を予め肉厚にしておくことで、小型、軽量化を図りつつ、効率的に硬度の向上、及び耐摩耗性の向上が図れるようになる。
上述したように、フレーム20を燃焼室内に保持して、その表面に対して均一に高温加熱処理を施すことで、表面全体に亘って、所定深さの炭素ドープ酸化チタン層を形成することが可能であるが、形成される炭素ドープ酸化チタン層については、場所によって、その深さを変えることが可能である。
この場合、炭素ドープ酸化チタン層の深さを変えるには、例えば、場所によって加熱温度を変える(燃焼炎の当て方を変える)、又は、場所によって加熱時間を変える、又は、炭素ドープ酸化チタン層を均一に形成した後、所定の部分を研削処理する等によって実施することが可能である。或いは、上述したバレル研磨を施すことで、釣糸案内部における釣糸案内面21aよりは、その側周部分(釣糸案内面21a以外の周囲の露出した部分であり、符号21bで示す)の方の研磨量が多くなり、炭素ドープ酸化チタン層の深さを薄くすることが可能となる。
このように、釣糸案内部21における釣糸案内面(内周面)21aの厚さよりも、その側周部分21bにおける厚さを薄く形成しておくことで、硬度が向上することによる折れや破損等が生じ難くなり、実釣時において、釣糸が引っ掛かって応力が作用しても、フレーム部分としてねばりのある構造(折れや破損等が生じ難い構造)とすることが可能となる。
また、上記したように、炭素ドープ酸化チタン層が形成されることで、表面が改質され(炭素原子が入り込む)、その部分は、フレーム本来の色(チタン系金属の色)とは異なる色彩になったり、模様を有するようになる。具体的には、炭素ドープ酸化チタン層を形成することで、その部分は、黒ずんだ色彩や、模様を帯びるようになる。また、このような黒ずんだ色彩や模様については、燃焼炎の当て方、加熱時間等によって、変えることが可能である。
そして、このような色彩や模様がある部分を、釣糸案内面21aとしておくこと、すなわち、釣糸案内面21aに形成した炭素ドープ酸化チタン層については、釣糸案内面以外の本体部材と異なる色、又は模様を有するように形成しておくことが好ましい。
このように、釣糸案内面21aの色彩や模様を変えておくことで、その部分に釣糸が摺動して磨耗して行くと、色彩や模様が削れるため、磨耗した状況を容易に把握することが可能となり、釣糸ガイドとして交換する時期を容易に把握することが可能となる。
また、図11に示されるガイドリング26とフレームとが別体となった釣糸ガイド構造は、特に図5および図6の構成に適用できる内容を含んでいる。図示の釣糸ガイドにおいて、板材を加工(プレス加工+絞り加工)したガイドリング26には炭素ドープ酸化チタン層が形成される。なお、炭素ドープ酸化チタン層および表面研磨は前述した方法によって行なわれる。その後、フレーム20のリング固定孔20aにガイドリング26を圧入や接着等によって固着する(この固着は、炭素ドープ酸化チタン層の形成後に行なわれる)。なお、ガイドリング26には固着部分にRの面取りが施されている。
上記構成において、フレーム20の厚さtは0.3〜2.5mmであり、また、ガイドリング26の幅Tはフレーム20の厚さt以上(t+(0.5〜1.5mm)の範囲が好ましい)に形成することが好ましい。無論、ガイドリング26の幅Tをフレーム20の厚さtより小さくすることもできる。また、ガイドリング26の厚さT1は0.2〜0.8mmにすることが好ましい。このようにガイドリング26の厚さT1をフレーム20の厚さtより薄く形成することにより、軽量化および小型化を図ることができ有益である。また、ガイドリング26の厚さT1をフレーム20の厚さtより薄く形成する場合、T1=t×(0.2〜0.8)とし、最小厚さを0.2mmとすることが、炭素ドープ酸化チタン層を形成する上で好ましい。
また、上記のようにガイドリング26の厚さT1をフレーム20の厚さtより薄く形成することにより、より軽量化、小型化することができ、更には、ガイドリング26の内口径Dを大きくして、釣糸を案内し易くできる。また、フレーム20の厚さt<ガイドリング26の幅Tとしたことにより、糸案内性を一層向上させることができる。また、釣糸を受ける面を拡大できるため、摩耗を防止できる。
また、上記構成では、ガイドリング26に炭素ドープ酸化チタン層を形成したものをフレーム20に固定したが、フレーム20に予め炭素ドープ酸化チタン層を形成しておき、そのフレーム20に対してガイドリング26を固着しても良い。ガイドリング26とフレーム20とにそれぞれ炭素ドープ酸化チタン層を形成する場合には、ガイドリング26の炭素ドープ酸化チタン層を厚く形成し(特に釣糸案内面21a)、フレーム20の炭素ドープ酸化チタン層をガイドリング26のそれよりも薄く形成することが好ましい。これにより、フレーム20のクラックを防止できる。また、前記炭素ドープ酸化チタン層の表面硬度は、ガイドリング26を硬くし、フレーム20はガイドリング26よりも低くすることが好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。例えば、本体部材として用いられるチタン系材料については、用いられる部位に応じて変更することができ、また、表面に形成される炭素ドープ酸化チタン層の深さや硬度についても、必要に応じて適宜、変形することが可能である。
また、釣糸ガイドのフレーム部分の形状、大きさ等の構成については、それが用いられる釣竿や、節部分(元竿、中竿、穂先竿)に応じて適宜変形することが可能である。更に、本発明は、リールに用いられるベール、ラインローラ等、釣糸を案内する部分にも適用可能である。
釣糸ガイドのガイドリングを構成する本体部材の表面を改質した状態を示す模式的な側面図。 釣糸を摺接させた状態を模式的に示した拡大断面図。 炭素ドープ酸化チタン層を形成した状態を模式的に示す拡大断面図。 図3に示す状態において、所定の研磨処理を施した状態を模式的に示す拡大断面図。 本発明の第1の実施形態に係るガイドリングを有する釣糸ガイドの第1の実施形態を示す正面図。 本発明の第2の実施形態に係るガイドリングを有する釣糸ガイドの第1の実施形態を示す正面図。 釣糸ガイドの他の構造を示す正面図。 図7の釣糸ガイドを示す右側面図。 図7の釣糸ガイドを釣竿に配置した状態を示す図。 図7の釣糸ガイドを構成するフレームと筒部との組み立て状態を説明する図。 特に図5および図6の構成に適用できる内容を含む、ガイドリングとフレームとが別体となった釣糸ガイド構造の断面図。
符号の説明
1 本体部材
2A 炭素ドープ酸化チタン層
5 釣糸ガイド
10 筒部
20,20A フレーム
20a 足部
21 釣糸案内部
21a 釣糸案内面
26 ガイドリング(本体部材)

Claims (6)

  1. チタン系材料で構成され、釣糸案内部を有する本体部材の表面に炭素ドープ酸化チタン層を形成したガイドリングと、このガイドリングが取着されるフレームとから成る釣糸ガイドであって、
    前記炭素ドープ酸化チタン層は、チタンと炭素が結合した状態が含まれると共に、前記チタン系材料よりも硬度が高く形成されており、その表面は、研磨工程によって凹凸が研磨された状態に処理され
    前記炭素ドープ酸化チタン層は、前記釣糸案内部の釣糸案内面における厚さよりも、その側周部分における厚さを薄く形成したことを特徴とする釣糸ガイド。
  2. 前記本体部材は板状に形成されており、
    前記本体部材に形成される釣糸案内部の径方向外方の側周部分と、前記釣糸案内部の釣糸案内面に前記炭素ドープ酸化チタン層を形成し、
    前記炭素ドープ酸化チタン層の表面硬度は、ビッカース硬度で1000より高くなるように前記研磨工程を施したことを特徴とする請求項1に記載の釣糸ガイド。
  3. 前記釣糸案内部の釣糸案内面に形成した炭素ドープ酸化チタン層は、前記釣糸案内面以外の本体部材と異なる色、又は模様を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の釣糸ガイド。
  4. 前記炭素ドープ酸化チタン層は、炭素とチタンが結合した状態の割合が、厚さ方向でみて表面側の方が内部側よりも相対的に多くなるように形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の釣糸ガイド。
  5. フレームにガイドリングを取着して成る釣糸ガイドの前記ガイドリングを製造する方法であって、
    チタン系材料で構成され、釣糸案内部が形成された板状の本体部材を研磨する第1研磨工程と、
    前記本体部材の表面に炭素ドープ酸化チタン層を形成する工程と、
    前記炭素ドープ酸化チタン層を形成した際に生じる表面の凹凸を平坦状に研磨する第2研磨工程と、
    前記第2研磨工程を施した後、形成されている炭素ドープ酸化チタン層を部分的に研削する研削処理工程と、
    を有することを特徴とするガイドリングの製造方法。
  6. 前記第2研磨工程は、バレル研磨であることを特徴とする請求項に記載のガイドリングの製造方法。
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