JP5343907B2 - 電動機の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえばポンプの駆動源に用いられる電動機を製造する電動機の製造方法に関する。
従来技術として、モータ部の電機子の回転によってポンプ部が駆動されて燃料を昇圧する燃料ポンプが知られている(たとえば特許文献1参照)。このような燃料ポンプに用いられる電機子は、積層コアと、積層コアに巻回されているコイルとを有している。
電機子を製造する際に積層コアのスロットに巻線を直接巻きつけると、積層コアのエッジによって巻線が損傷し、巻線不具合が発生する問題がある。このような問題を解決するために、積層コアを絶縁材料からなる絶縁膜でエッジを覆って、巻線のときに巻線が損傷することを抑制している。
絶縁膜は、積層コアの表面に電着塗装した塗料を加熱硬化して形成される。塗料の加熱硬化時には塗料同士が互いに引っ張り合うので、積層コアにエッジがあると、エッジの塗料がエッジを境に両側から引っ張られる。これによってエッジに形成される絶縁膜の厚さが薄くなり、エッジを所定の厚さの絶縁膜で確実に覆うことができないという問題がある。このような問題を解決するために、エッジをR面取りする技術が開示されている(特許文献2参照)。エッジをR面取りすることによって、塗料が加熱硬化する場合にエッジに発生する力を減少させ、厚さを薄くなることを抑制している。
特開2007−104890号公報 特開平9−247876号公報
積層コアのエッジをR面取り加工する方法として、たとえばバレル加工、ショットブラスト、切削加工、およびヤスリがけなどがある。このような加工方法で積層コアのエッジをR面取りすると、積層コアの製造時間が増加するという問題がある。
そこで、本発明は前述の問題点を鑑みてなされたものであり、製造時間の増加を抑制して、絶縁膜で覆うことが容易な積層コアを有する電動機の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は前述の目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、回転軸周りに回転し、回転方向に複数のスロットを形成し、各スロット内にコイルを収容するコアを含み、コアは、回転軸方向に積層される複数の磁性板と、積層された磁性板を覆う絶縁膜とを有し、スロットは、コアの外周面から径方向内側に凹となり、コアの回転軸方向に延びるように複数形成されてなり、複数の磁性板のうち、コアの回転軸方向端部を形成する端部磁性板は、回転軸方向内側に隣接する隣接磁性板と重なる板本体部を有し、板本体部における回転軸方向の厚さは、他の磁性板における回転軸方向の厚さの1.5倍以上であり、板本体部の回転軸方向外側の面は、板本体部のスロットに臨む面と、湾曲凸面で連なり、湾曲凸面の曲率半径は、板本体部の厚さの0.4倍以上0.8倍以下であり、板本体部の回転軸方向外側の面を覆う部分の絶縁膜の厚さに対する、湾曲凸面を覆う部分の絶縁膜の厚さの比率は、0.5以上である電動機を製造する電動機の製造方法であって、端部磁性板を製造するために、厚さが0.8mm以上の板材をプレス加工して、板本体部を形成すると同時に湾曲凸面を形成するプレス工程を含むことを特徴とする電動機の製造方法である。
請求項1に記載の発明に従えば、コアは、回転軸方向に複数の磁性板を積層することによって形成される。コアには、外周面から径方向内側に凹となり、回転軸方向に延びるようにスロットが複数形成されている。したがって各磁性板には、スロットを形成するために、径方向内側に凹となる凹部が形成される。凹部が形成された磁性板を積層することによって、回転軸方向に延びるスロットを、コアの外周面に形成することができる。複数の磁性板のうち、コアの回転軸方向端部を形成する端部磁性板は、回転軸方向内側に隣接する隣接磁性板と重なる板本体部を有する。板本体部の回転軸方向外側の面は、板本体部のスロットに臨む面と、湾曲凸面で連なる。積層された磁性板は絶縁膜によって覆われるが、湾曲凸面によって、絶縁膜を形成するための塗料が加熱硬化する場合に、板本体部の縁に発生する力を減少させることができる。これによって絶縁膜の厚さを薄くなることを抑制することができる。
このような端部磁性板を製造するために、プレス工程にて厚さが0.8mm以上の板材をプレス加工する。また板本体部と同時に湾曲凸面は形成される。したがって湾曲凸面だけを形成する工程が不要であるので、湾曲凸面を形成するために製造時間が増加することを抑制することができる。また厚さが0.8mm以上の板材をプレス加工するので、板材が薄すぎることによって湾曲凸面が形成することができない可能性を低くすることができる。また湾曲凸面の曲率半径は、板本体部の厚さの0.4倍以上0.8倍以下であるので、プレス加工によって、板本体部に湾曲凸面を形成することができる。
さらに板本体部の回転軸方向外側の面を覆う部分の絶縁膜の厚さに対する、湾曲凸面を覆う部分の絶縁膜の厚さの比率は、0.5以上である。このような寸法にすることによって、湾曲凸面を覆う部分の絶縁膜が薄くなることによって絶縁不良になることを防止することができる。
また請求項2に記載の発明では、端部磁性板は、板本体部の外周縁部から回転軸方向外側へ突出する突出部をさらに有し、プレス工程では、湾曲凸面を形成すると同時に突出部を形成することを特徴とする。
請求項2に記載の発明に従えば、端部磁性板は、板本体部の外周縁部から回転軸方向外側へ突出する突出部をさらに有する。このような突出部は、板材をプレス加工によって折り曲げることによって形成することができる。またプレス工程にて湾曲凸面と突出部とが同時に形成されるので、突出部のためだけの加工が不要である。したがって突出部を有するコアの製造時間が増加することを抑制することができる。また突出部を有するので、コアの外周面に対向する位置に永久磁石がある場合には、永久磁石に対向する面積が広くなる。これによってコアの軸長を長くすることなくコアの磁束量を多くすることができる。
さらに請求項3に記載の発明では、板材の厚さは、1.5mm以下であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明に従えば、厚さが1.5mm以下であるので、厚さが厚すぎて、端部磁性板における磁気抵抗が増大することを抑制することができる。また厚さが1.5mm以下であるので、突出部を形成するために板材を折り曲げプレスによって形成することができる。
さらに請求項4に記載の発明では、湾曲凸面を覆う部分の絶縁膜の厚さは、100μm以上300μm以下であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明に従えば、湾曲凸面を覆う部分の絶縁膜の厚さは、100μm以上300μm以下である。絶縁膜の厚さが100μm未満であると、絶縁不良が発生する可能性が高くなる。また絶縁膜の厚さが300μmより大きいと、絶縁膜が厚すぎることによってスロット内にて絶縁膜を占める領域が多くなり、スロット内にコイルを確実に収容することができなくなる。本発明では、湾曲凸面を覆う部分の絶縁膜の厚さは、100μm以上300μm以下であるので、絶縁不良になることを防止し、かつスロット内にコイルを収容することができる。
さらに請求項5に記載の発明では、湾曲凸面の曲率半径は、0.4mm以上0.8mm以下であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明に従えば、湾曲凸面の曲率半径は、0.4mm以上0.8mm以下である。湾曲凸面の曲率半径が0.4mm未満であると、絶縁膜を形成すると絶縁膜が縁で薄くなり絶縁不良が発生する可能性が高くなる。また湾曲凸面の曲率半径が0.8mmより大きいと、加工幅が大きいので、プレス加工にて湾曲凸面が形成することができない場合がある。本発明では、湾曲凸面の曲率半径は、0.4mm以上0.8mm以下であるので、絶縁不良になることを防止し、湾曲凸面を板材に形成することができる。
第1実施形態の燃料ポンプ10を示す断面図である。 永久磁石16を除いたモータ部12の状態を示す正面図である。 積層コア21にシャフト18を組付けた状態を示す正面図である。 樹脂成形部20を除いたモータ部12の状態を示す斜視図である。 端部磁性板25を示す正面図である。 図5の切断面線VI−VIから見て示す断面図である。 積層コア21の一部を拡大して示す平面図である。 図7の切断面線VIII−VIIIから見て示す断面図である。 絶縁膜60の厚さと耐電圧および占積率との関係の一例を示すグラフである。 半径R1とエッジカバー率との関係の一例を示すグラフである。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に関して、図1〜図10を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態の燃料ポンプ10を示す断面図である。燃料ポンプ10は、たとえば二輪または四輪車両等の図示しない燃料タンク内に収容されるインタンク式のタービンポンプである。燃料ポンプ10は、ポンプ部11と、ポンプ部11を駆動するモータ部12とを備えている。ポンプ部11は、ポンプカバー13、ポンプケース14およびインペラ15を有しているタービンポンプである。モータ部12は、インペラ15を回転駆動する電動機である。モータ部12は、永久磁石16、電機子17、シャフト18、整流子19および樹脂成形部20を含んで構成される。
先ず、モータ部12に関して説明する。図2は、永久磁石16を除いたモータ部12の状態を示す正面図である。図3は、電機子17を構成する積層コア21にシャフト18を組付けた状態を示す正面図である。図4は、永久磁石16および樹脂成形部20を除いたモータ部12の状態を示す斜視図である。
永久磁石16は、図1に示すように、筒状であって、周方向に交互に異なる磁極を形成する。永久磁石16は、たとえばフェライト磁石から成る。永久磁石16は、複数の円弧状の磁石部材を周方向に配列することによって、全体として筒状となる。円弧状の磁石部材は、ハウジングの内周壁に周方向に2個取り付けられている。これによって永久磁石16は、電機子17と向き合う内周側に、周方向に交互に極の異なる磁極を形成している。
電機子17は、円柱状であって、永久磁石16の内周側に回転可能に配置され、複数のスロット23を有する積層コア21およびスロット23に収容されたコイル24を有する。積層コア21は、複数の磁性板22を含んで構成される。積層コア21は、図3に示すように、複数の磁性板22を回転軸方向Z(図1の上下方向)に積層して形成される。磁性板22は、たとえばケイ素鋼板をプレス加工することによって形成される。また磁性板22は、ケイ素鋼板の他に、たとえばSPCC等の冷間圧延鋼板を使用して形成してもよい。
複数枚の磁性板22のうち、積層コア21の回転軸方向Z端部に配置される2枚の端部磁性板25は、他の磁性板(以下、「中間磁性板」ということがある)39と構成が異なる。図5は、端部磁性板25を示す正面図である。図6は、図5の切断面線VI−VIから見て示す断面図である。図5では、右半分を省略して示す。端部磁性板25は、回転軸方向Z内側に隣接する磁性板(以下、「隣接磁性板50」ということがある)と重なる板本体部43と、板本体部43の外周縁部から回転軸方向Z外側へ突出する突出部26と、を有する。したがって突出部26は、外周縁部である径方向X外方の端部、すなわち外周側に永久磁石16の磁極面に対面するように回転軸方向Z外方に延びる。
また各磁性板22は、各磁性板22の外周面から径方向X内側に凹となる複数のスロット用凹部27が、周方向Yに間隔をあけて、複数形成されてなる。本実施の形態では、スロット用凹部27が8個形成される。各スロット用凹部27が一致するように各磁性板22が重ねられることによって、積層コア21には回転軸方向Zに延びる複数のスロット23が形成される。したがってスロット23は、スロット用凹部27を有する磁性板22を積層することによって、積層コア21の外周面51から径方向X内側に凹となり、積層コア21の回転軸方向Zに延び、積層コア21の周方向Yに間隔をあけて複数形成される。また各磁性板22には、各磁性板22を回転軸方向Zに貫くシャフト用貫通孔28が形成されている。シャフト用貫通孔28には、シャフト18が圧入される。隣接する磁性板22の間には、電気的な導通を抑制する絶縁層(図示せず)が設けられている。また積層コア21のコイル24が接触する部分、たとえばスロット23に臨む面には、絶縁膜60が形成される。
コイル24は、図1に二点鎖線で示す電機子17の回転軸方向Zの両端部のスペース29を用いて巻回されている(図4参照)。このようなスペース29は、シャフト18に設けられるコイルプレート30と端部磁性板25の回転軸方向Z外方の端面とによって規定される。コイルプレート30は、すり鉢状に形成される。コイルプレート30は、電機子17の回転軸方向Z両端部におけるコイル24の配置状態を規定するために設けられる。本実施形態の電機子17ではスロット23にコイル24を分布巻きにて巻回している。
シャフト18は、電機子17の回転軸であって、磁性板22のシャフト用貫通孔28に圧入される。シャフト18の回転軸方向Z両端部は、2つのベアリング31によってそれぞれ軸受されている。各ベアリング31は、ポンプケース14およびベアリングホルダ32にそれぞれ支持されている。
整流子19は、円盤状に形成されており、電機子17に対しインペラ15とは反対側のシャフト18の軸方向一端部に組み付けられている。整流子19は、周方向Yに設置された複数のセグメント33を有している。セグメント33は、たとえばカーボンから成る。周方向Yに隣接しているセグメント33同士は、空隙および絶縁樹脂材により電気的に絶縁されている。整流子19の各セグメント33は、整流子端子34と電気的に接続している。整流子端子34にはコイル24の巻線25aが巻き付けられている。整流子端子34とコイル24とは、整流子19の外周側においてヒュージングにより電気的に接続している。電機子17の回転にともない、電機子17に対して軸方向反対側の各セグメント33の端面がブラシ(図示せず)と順次接触することにより、コイル24に供給される駆動電流が整流される。
樹脂成形部20は絶縁樹脂から成り、ブラシとの接触面を除き、整流子端子34とコイル24の巻線25aとの電気的接続部であるヒュージング部を覆うように、充填されている。また樹脂成形部20は、電機子17の整流子19が設けられる端部とは反対側の端部、およびスロット23内に充填されている。これらの部位に樹脂成形部20が設けられることによって、電機子17を外周面が凹凸のない平滑な円柱状に形成することができ、電機子17の回転抵抗を低下することができる。また樹脂成形部20によって、コイル24および電気的接続部の腐食を防止することができる。
次に、ポンプ部11に関して説明する。ポンプ部11は、電機子17に対し回転軸方向Z他端部に設置されており、シャフト18に回転部材としてのインペラ15が組み付けられている。ポンプカバー13およびポンプケース14は、インペラ15を回転自在に収容する。ポンプカバー13には、ポンプ通路35に燃料を吸入するための吸入口36が形成されている。ポンプ通路35は、ポンプカバー13およびポンプケース14とインペラ15の外周縁との間にC字状に形成されている。インペラ15は、円盤状に形成され、外周縁には回転方向に複数の羽根溝(図示せず)が形成されている。インペラ15が電機子17の回転によりシャフト18とともに回転すると、回転方向前方の羽根溝から回転方向後方の羽根溝に向けて燃料が流出および流入を多数繰り返すことにより、燃料は旋回流となってポンプ通路35で昇圧される。
インペラ15の回転により昇圧された燃料は、ポンプケース14に設けられた吐出口(図示せず)からモータ部12側に圧送される。モータ部12側に圧送された燃料は、永久磁石16と電機子17との間を通り、吐出口37からエンジン側に供給される。吐出口37には逆止弁38が収容されており、この逆止弁38が吐出口37から吐出された燃料の逆流を防止している。
次に、積層コア21の構成に関してさらに詳細に説明する。図7は、積層コア21の一部を拡大して示す平面図である。図8は、図7の切断面線VIII−VIIIから見て示す断面図である。図7では、積層コア21を構成する絶縁膜60を省略して示す。図7および図8に示すように、板本体部43においてスロット23に臨むスロット面53は、隣接磁性板50においてスロット23に臨むスロット面63に連なる。
回転軸方向Zに見て周方向Yに隣接するスロット23に挟まれたT字状の部分は、ティース62と呼ばれる部分である。ティース62は、回転軸方向Zに見て、径方向Xに延びるティース本体部62aと、ティース本体部62aの径方向X外側に連なり周方向Yに延びるティース外周部62bとを有する。したがってティース外周部62bの外周面が、積層コア21の外周面51を構成する部分となる。
板本体部43の回転軸方向Z外側の上面64は、図8に示すように、板本体部43のスロットに臨むスロット面53と、湾曲凸面で連なる。板本体部43の回転軸方向Z外側の上面64は、板本体部43のうち隣接磁性板50に積層される面(回転軸方向Z内側の面)とは、回転軸方向Zにおいて反対側に位置する面である。湾曲凸面は、本実施の形態では半径R1の円弧の曲面である。湾曲凸面は、上面64を含む仮想一平面から回転軸方向Z外側に突出していない。また湾曲凸面は、スロット面53を含む仮想一平面から周方向Y外側に突出していない。
板本体部43の上面64のうちの回転方向の縁65は、プレス加工によってR面取りされて、湾曲凸面に形成される。具体的には、プレスの型内で縁65を面押しすることによって、縁65が湾曲凸面に形成される。面押しとは、打ち抜き加工による切断縁を滑らかな曲面に打ちならすことである。また端部磁性板25の突出部26は、円板状の板材の径方向X外周縁部を、折り曲げプレスなどの曲げ加工によって形成される。この突出部26を形成する工程と、湾曲凸面を形成する工程とは、同じプレス工程によって行われる。したがって突出部26の折り曲げプレス工程にて、板材の縁65がR面取り加工される。換言すると、突出部26と湾曲凸面とが、プレス工程にてプレス加工することによって、同時に形成される。
板本体部43の厚さt1は、中間磁性板39の厚さt2よりも大きい。板本体部43の厚さt1は、たとえば1.0mmであり、中間磁性板39の厚さt2は、たとえば0.5mmである。したがって板本体部43の厚さt1は、中間磁性板39の厚さt2の1.5倍以上3.0倍以下である。
板本体部43の厚さt1は、プレス加工によって面押し可能な寸法に設定され、0.8mm以上に設定される。また板本体部43は、厚さt1が大きくなると、磁気抵抗が増大するので、積層コアの磁束量が減少する。これによってモータ部12のトルクが減少することがある。したがって板本体部43の厚さt1は、1.5mm以下となるように設定される。
また湾曲凸面の曲率半径R1は、板本体部43の厚さt1の0.4倍以上0.8倍以下に設定される。0.8倍以下であると、板本体部43にプレス加工によって湾曲凸面を形成可能である。また0.4倍以上である根拠は、後述する。ここで湾曲凸面の曲率半径R1は、回転軸に平行な仮想一平面における半径である。
積層コア21には、前述のように少なくともスロット23に臨むスロット面53に絶縁膜60が設けられる。絶縁膜60は、積層コア21とコイル24との絶縁するために設けられる。また絶縁膜60は、積層コア21にスロット23にコイル24を収容するために巻線25aを巻回するとき、巻線25aが積層コア21に接触することによって損傷することを防ぐという機能も有する。このような絶縁膜60を形成するために、先ず、磁性板22を積層した積層体(図3参照)のスロット23に臨むスロット面53に、絶縁膜60の前駆体である粉体を塗装する。次に、塗装された粉体を加熱すると、硬化し、絶縁膜60となる。塗装される粉体は、たとえばエポキシ粉体が用いられる。粉体は、エポキシ粉体だけでなく、線膨張係数調整用材料としてたとえば溶融シリカなどが添加されている。また粉体塗装は、たとえば静電粉体塗装法によって行われる。
次に、絶縁膜60の厚さ(膜厚)に関して図9を用いて説明する。図9は、絶縁膜60の厚さと、耐電圧および占積率との関係の一例を示すグラフである。図9の左側縦軸の耐電圧は、絶縁膜60によって絶縁性が確保されているかを示す指標である。また図9の右側縦軸の占積率は、スロット23内にコイル24が占める割合である。
先ず、耐電圧に関して説明する。耐電圧の値が大きいほど、絶縁性に優れており、本実施の形態では絶縁性を確保するために、耐電圧1000V以上であることが好ましい。絶縁膜60の厚さが大きい程、絶縁性に優れるので、絶縁膜60の厚さが大きくなるにつれて、耐電圧が大きくなる。本実施の形態では、耐電圧が1000Vの厚さは、100μmであるので、絶縁膜60の厚さは、100μm以上となるように、形成される。
次に、占積率に関して説明する。絶縁膜60の厚さが大きくなるほど、スロット23内の面積が小さくなる。したがって絶縁膜60の厚さが大きくなるほど、占積率が小さくなる。占積率が小さくなると、スロット23内にコイル24を確実に収容することができずに、積層コア21の外周側にコイル24が飛び出ることがある。したがって占積率は、45%以下であることが好ましい。本実施の形態では、占積率が45%の厚さは、300μmであるので、絶縁膜60の厚さは、300μm以下となるように形成される。
したがって、絶縁膜60の厚さは、100μm以上300μm以下となるように形成される。これによって、絶縁不良になることを防止し、かつスロット23内にコイル24を収容することができる。
次に、湾曲凸面の半径R1に関して図10を用いて説明する。図10は、半径R1とエッジカバー率との関係の一例を示すグラフである。図10の縦軸はエッジカバー率を示し、横軸は半径R1を示す。エッジカバー率は、絶縁膜60を形成したときの上面64またはスロット面53の厚さt3に対する縁65の厚さt4の比率である。縁65の厚さとは、湾曲凸面を覆う部分の絶縁膜60の厚さである。図10では、半径R1が0.2mm、0.5mm、および0.8mmの3つの場合に関して、それぞれサンプル数nを10個用いた場合における形成結果の分布を示している。半径R1が大きくなるにつれて、エッジカバー率が大きくなっている。この理由は、塗装した粉体が加熱して硬化するとき、粉体同士が互いに引っ張り合うので、板本体部43の縁65を境に両側から引っ張られる。本実施の形態では、縁65がR面取りされて湾曲凸面となっているので、縁65に作用する力の方が小さくなるが、半径R1が大きいほど、その作用する力が小さくなる。したがってエッジカバー率は、0.5以上が好ましい。端部磁性板の厚さt1が1.0mmである場合、縁65の半径R1は、0.4mm以上0.8mm以下に設定される。半径R1の上限値が0.8mmであるのは、厚さt1が1.0mmの板材に厚さ(板厚)t1の0.8倍である0.8mmを越える湾曲凸面を形成するのは、加工幅が大きく困難だからである。半径R1がたとえば0.5mmであり、上面64の厚さt3が300μmであると、エッジカバー率が0.5以上であるので、縁65の厚さt4が150μm以上となり、前述の絶縁膜60の厚さの要件を満足することができる。
以上説明したように本実施の形態の板本体部43の回転軸方向Z外側の上面64は、板本体部43のスロット面53と、湾曲凸面で連なる。積層された磁性板22は絶縁膜60によって覆われるが、湾曲凸面によって、絶縁膜60を形成するための塗料が加熱硬化する場合に、板本体部43の縁65に発生する力を減少させることができる。これによって絶縁膜60の厚さを薄くなることを抑制することができる。
このようなモータ部12を製造する製造方法として、端部磁性板25をプレス工程にて厚さが0.8mm以上の板材をプレス加工する。また湾曲凸面はプレス工程時に形成される。したがって端部磁性板25を形成する工程のうち、たとえば突出部26を形成する工程と、スロット用凹部27を形成する工程と、シャフト用貫通孔28を形成する工程と、湾曲凸面を形成する工程とを同じプレス加工の工程で形成することができる。これによって湾曲凸面だけを形成する工程が不要であるので、湾曲凸面を形成するために製造時間が増加することを抑制することができる。また厚さが0.8mm以上1.5mm以下の板材をプレス加工するので、板材が薄すぎることによって湾曲凸面が形成することができない可能性を低くすることができる。また板材が厚すぎることによって、磁気抵抗が増大することを抑制することができる。
また湾曲凸面の曲率半径R1は、板本体部43の厚さの0.5倍以上0.8倍以下であり、板本体部43の上面64を覆う部分の絶縁膜60の厚さt3に対する、湾曲凸面を覆う部分の絶縁膜60の厚さt4の比率は、0.5以上である。このような寸法にすることによって、湾曲凸面を覆う部分の絶縁膜60が薄くなることによって絶縁不良になることを防止することができる。
また本実施の形態では、湾曲凸面を覆う部分の絶縁膜60の厚さは、100μm以上300μm以下である。絶縁膜60の厚さが100μm未満であると、絶縁不良が発生する可能性が高くなる。また絶縁膜60の厚さが300μmより大きいと、絶縁膜60が厚すぎることによってスロット23内にて絶縁膜60を占める領域が多くなり、スロット23内にコイル24を確実に収容することができなくなる。本実施の形態では、湾曲凸面を覆う部分の絶縁膜60の厚さt4は、100μm以上300μm以下であるので、絶縁不良になることを防止し、かつスロット23内にコイルを収容することができる。
さらに本実施の形態では、湾曲凸面の曲率半径は、0.4mm以上0.8mm以下である。湾曲凸面の曲率半径が0.4mm未満であると、絶縁膜60を形成すると絶縁膜60が縁65で薄くなり絶縁不良が発生する可能性が高くなる。また湾曲凸面の曲率半径が0.8mmより大きいと、加工幅が大きいので、プレス加工にて湾曲凸面が形成することができない場合がある。本実施の形態では、湾曲凸面の曲率半径は、0.4mm以上0.8mm以下であるので、絶縁不良になることを防止し、湾曲凸面を板材に形成することができる。
さらに本実施の形態では、端部磁性板25には永久磁石16の磁極面に対面する突出部26が形成されているので、永久磁石16の磁極面に対面する積層コア21の面積が広くなる。これによって積層コア21の軸長を長くすることなく積層コア21の磁束量を多くすることができる。
また板材の厚さが1.5mm以下であるので、厚さが厚すぎて、端部磁性板25における磁気抵抗が増大することを抑制することができる。また厚さが1.5mm以下であるので、曲げプレスが可能であるので、突出部26と湾曲凸面とを同一のプレス工程にて、同時に形成することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
前述の第1実施形態では、絶縁膜60を形成するために、粉体を積層コア21のスロット面53に付与しているが、粉体に限るものではなく、液状の塗料を塗布してもよい。
また前述の第1実施形態では、端部磁性板25は突出部26を有するが、突出部26を有さない板状の端部磁性板25であってもよい。
10…燃料ポンプ
11…ポンプ部
12…モータ部(電動機)
17…電機子
18…シャフト
19…整流子
20…樹脂成形部
21…積層コア(コア)
22…磁性板
23…スロット
24…コイル
25…端部磁性板
26…突出部
39…中間磁性板
43…板本体部
50…隣接磁性板
53…スロット面
60…絶縁膜
62…ティース
65…縁

Claims (5)

  1. 回転軸周りに回転し、回転方向に複数のスロットを形成し、前記各スロット内にコイルを収容するコアを含み、
    前記コアは、回転軸方向に積層される複数の磁性板と、積層された前記磁性板を覆う絶縁膜とを有し、
    前記スロットは、前記コアの外周面から径方向内側に凹となり、前記コアの回転軸方向に延びるように複数形成されてなり、
    前記複数の磁性板のうち、前記コアの回転軸方向端部を形成する端部磁性板は、回転軸方向内側に隣接する隣接磁性板と重なる板本体部を有し、
    前記板本体部における前記回転軸方向の厚さは、他の前記磁性板における前記回転軸方向の厚さの1.5倍以上であり、
    前記板本体部の回転軸方向外側の面は、前記板本体部の前記スロットに臨む面と、湾曲凸面で連なり、
    前記湾曲凸面の曲率半径は、前記板本体部の厚さの0.4倍以上0.8倍以下であり、
    前記板本体部の前記回転軸方向外側の面を覆う部分の前記絶縁膜の厚さに対する、前記湾曲凸面を覆う部分の前記絶縁膜の厚さの比率は、0.5以上である電動機を製造する電動機の製造方法であって、
    前記端部磁性板を製造するために、厚さが0.8mm以上の板材をプレス加工して、前記板本体部を形成すると同時に前記湾曲凸面を形成するプレス工程を含むことを特徴とする電動機の製造方法。
  2. 前記端部磁性板は、前記板本体部の外周縁部から前記回転軸方向外側へ突出する突出部をさらに有し、
    前記プレス工程では、前記湾曲凸面を形成すると同時に前記突出部を形成することを特徴とする請求項1に記載の電動機の製造方法。
  3. 前記板材の厚さは、1.5mm以下であることを特徴とする請求項2に記載の電動機の製造方法。
  4. 前記湾曲凸面を覆う部分の絶縁膜の厚さは、100μm以上300μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の電動機の製造方法。
  5. 前記湾曲凸面の曲率半径は、0.4mm以上0.8mm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の電動機の製造方法。
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