JP2003264951A - モータコア - Google Patents

モータコア

Info

Publication number
JP2003264951A
JP2003264951A JP2002062607A JP2002062607A JP2003264951A JP 2003264951 A JP2003264951 A JP 2003264951A JP 2002062607 A JP2002062607 A JP 2002062607A JP 2002062607 A JP2002062607 A JP 2002062607A JP 2003264951 A JP2003264951 A JP 2003264951A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
edge
coil
film
film thickness
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002062607A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitomo Tatematsu
義知 立松
Shigemasa Sato
成真 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Precision Corp
Original Assignee
Nidec Copal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidec Copal Corp filed Critical Nidec Copal Corp
Priority to JP2002062607A priority Critical patent/JP2003264951A/ja
Publication of JP2003264951A publication Critical patent/JP2003264951A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】エッジカバー率を改善して、エッジ部での絶縁
破壊を抑制する一方、平坦部での膜厚を少なくして、コ
イルの巻数を大きく取れる様にする。 【解決手段】モータコア1は、電動機に組み込む為磁性
材2からなり且つコイルを巻回可能な立体形状を有す
る。立体形状の内少くともコイルを巻き付ける巻付部位
3は、複数の平坦部41,42,43,44とこれらを
区切るエッジ部51,52,53,54とで構成されて
いる。巻付部位3の表面をコイルから絶縁する為に、平
坦部とエッジ部とに渡って連続的に絶縁皮膜6が形成さ
れている。絶縁皮膜6は、ポリイミド樹脂及びエポキシ
樹脂を含む複合組成を有し、電着で2μm以上20μm
未満の膜厚に塗工され、且つ平坦部に被着した膜厚tp
に対するエッジ部に被着した膜厚teの百分率で定義さ
れるエッジカバー率が50%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電動機(モータ)に
組み込まれるモータコアに関する。より詳しくは、モー
タコアのコイルを巻き付ける部分の絶縁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】モータコアは磁性材からなり且つコイル
を巻回可能な立体形状を有する。立体形状の内、少くと
もコイルを巻き付ける巻付部位(突極)は、複数の平坦
部とこれらを区切るエッジ部とで構成されている。例え
ば、突極が直方体形状の場合、平面、底面及び両側面で
計4面の平坦部と、各面を区切る4辺のエッジ部(角
部)とで構成される。係るモータコアの巻付部位の表面
をコイルから電気的に絶縁する為に、平坦部とエッジ部
とに亘って連続的に絶縁皮膜が形成されている。一般
に、この絶縁皮膜は電着によりモータコアの表面に塗装
されることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電着塗装の場合、一般
的にエッジ部よりも平坦部の膜厚が大きくなる。本明細
書では、平坦部に被着した膜厚に対するエッジ部に被着
した膜厚の百分率で、エッジカバー率を定義している。
エッジカバー率が低いと、エッジ部での絶縁性が不十分
となり、短絡欠陥などが発生する恐れがある。そこで、
従来はエッジカバー率が低い分を補う為、総体的な絶縁
皮膜の厚みを大きくしていた。これにより、エッジ部で
の電気絶縁性を確保できるが、副作用として平坦部での
膜厚が必要以上に大きくなり過ぎてしまう。この結果、
絶縁皮膜を含めた巻付部位の外周寸法が大きくなり、そ
の分コイル(巻線)の巻付回数(巻数)が犠牲になって
しまう。そこで本発明は、エッジカバー率を改善して、
エッジ部での絶縁破壊を抑制する一方、平坦部での膜厚
を少なくしてコイルの巻数を大きく取れる様にすること
を目的とする。従来から、絶縁皮膜の肥大化に伴うコイ
ルの巻太りは、特に外径が4mm以下の小型モータにお
いては、その悪影響が顕著になっている。
【0004】以下、従来例を具体的に挙げて、その問題
点を簡潔に示す。特開平5−268738号公報は、モ
ータ用コアを開示している。図2に示す様に、モータ用
コアのコア本体2に、エポキシ樹脂やアクリル樹脂を用
いて電着塗装によって厚さ20〜100μmの絶縁塗膜
3が形成されている。コア本体平坦部Fの膜厚をt1、
エッジ部eの膜厚をt2とした時、エッジカバー率=t
2/t1×100%は、30%以上とされている。この
エッジカバー率を30%以上に高める為、電着塗装前
に、コア本体2のエッジ部にバレル加工などによって所
定の丸みを付与している。しかしながら、この従来例で
は、絶縁塗膜3の厚みが20〜100μmであり、小型
モータの場合には膜厚が大き過ぎる。又、エッジカバー
率が30%程度では、不十分である。
【0005】特開平6−327199号公報は皮膜形成
方法を開示している。これは、短絡防止の為にモータな
どに使用される電子部品の巻線と金属部との間に絶縁皮
膜を形成する方法である。具体的には、バリのある電子
部品用金属の表面に、少くともカチオン樹脂エマルジョ
ン、ゲル微粒子分散液及び顔料ペーストからなる電着塗
料を電着塗装し、一定条件下で焼付けを行ない、平均膜
厚が20〜100μmの絶縁皮膜を形成している。カチ
オン樹脂は、ビスフェノールA残基含有エポキシ樹脂及
び、それらのエステル化物、エーテル化物、イミド化物
と一価の第二級アミンとの反応生成物であるアミン基含
有ポリマーなどを用いている(段落0012)。特開平
6−327199号公報の段落0040によると、塗膜
のエッジカバー率は50%以上、好ましくは70%以上
あることが望ましい、と述べている。更に、エッジカバ
ー率50%は塗膜に要求される最小膜厚である20μm
厚に塗膜を形成した場合、最小要求絶縁耐圧750Vを
満たすエッジ部の塗膜厚10μmを保証する値である。
この従来例は、エッジカバー率を50%以上に上げるこ
とを示唆しているものの、絶縁皮膜の平均膜厚は20〜
100μmであり、小型モータ用途としては厚過ぎる。
尚特開平6−327199号公報によれば、塗膜厚みが
20μmより薄いと、金属部と巻線部の短絡を有効に防
止することができない(段落0032)としている。
【0006】特開平9−111182号公報は、絶縁性
塗膜を施した電子部品及びその塗装方法を開示してい
る。図1に示す様に、物品10の表面に、電着塗装法に
より絶縁性塗膜12を施す。この絶縁性塗膜12におけ
る樹脂分は、その成分中の10〜40重量%をイミド樹
脂とし、残りをエポキシ樹脂に設定されている。又灰分
は、10〜60重量%に設定されている。絶縁性塗膜1
2は、灰分の配合比を多く設定することにより、硬度及
びエッジカバー率が向上し、高い絶縁性を確保すること
ができる。絶縁性塗膜12の厚みについては具体的な開
示はないが、エッジカバー率については表に挙げてあ
り、15.0%、29.5%、36.0%の数値が示さ
れている。これらの数値はいずれも50%以下であり、
小型モータ用としては不十分である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した従来の技術の課
題を解決し、本発明の目的を達成するために、以下の手
段を講じた。即ち、電動機に組み込む為磁性材からなり
且つコイルを巻回可能な立体形状を有し、該立体形状の
内少くともコイルを巻き付ける巻付部位は、複数の平坦
部とこれらを区切るエッジ部とで構成されており、該巻
付部位の表面をコイルから絶縁する為に、該平坦部とエ
ッジ部とに渡って連続的に絶縁皮膜が形成されているモ
ータコアでにおいて、前記絶縁皮膜は、ポリイミド樹脂
及びエポキシ樹脂を含む複合組成を有し、電着で2μm
以上20μm未満の膜厚に塗工され、且つ平坦部に被着
した膜厚に対するエッジ部に被着した膜厚の百分率で定
義されるエッジカバー率が50%以上であることを特徴
とする。好ましくは、前記立体形状は回転中心となる軸
を有し、該軸を通る外径寸法が3.5mm以下で、該軸
に沿った長手寸法が15mm以下である。又、前記絶縁
皮膜は、印加電圧が50〜100Vの電着条件で該巻付
部位に塗工する。
【0008】本発明によれば、コイルとコアを隔てる絶
縁皮膜が、電着で2μm以上20μm未満の膜厚に塗工
されている。絶縁皮膜の全体的な厚みを20μm未満と
することで、外径が4mm以下の小型モータに適した構
造を実現することができる。膜厚を20μm未満と薄く
することで、その分コイルの巻回数を増やすことができ
る。この様に全体的な膜厚を薄くした上で、エッジカバ
ー率を50%以上確保している。これにより、全体的な
膜厚を下げても、エッジ部で必要な膜厚を確保可能とな
り、短絡欠陥や絶縁破壊を防ぐことができる。以上の様
に、本発明は、絶縁皮膜の全体的な膜厚を落としつつ、
エッジ部のカバー性を確保していることが、大きな特徴
となっている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図1は本発明に係るモータコ
アの形状を示す模式図であり、(A)は平面図、(B)
は断面図である。(A)に示す様に、モータコア1は、
電動機に組み込む為磁性材2からなり且つコイルを巻回
可能な立体形状を有している。図示の例は、3極構造の
ロータであり、コイルを巻き付ける巻付部位3は3箇所
設けてある。ロータは軸Oを中心として回転可能な様
に、電動機(モータ)に取り付けられる。
【0010】(B)は、(A)に示したB−B線に沿っ
た断面図であり、巻付部位3の構造を示している。実際
には、巻付部位3は板状の磁性材料2を重ねた積層構造
となっている。各板材は、例えばプレス抜きで成形され
たものであり、抜き跡にバリなどが含まれている。巻付
部位3は複数の平坦部41,42,43,44と、これ
らを区切るエッジ部51,52,53,54とで構成さ
れている。本例は、巻付部位3が直方体形状となってお
り、頂面となる平坦部41、底面となる平坦部43及び
両側面となる平坦部42,44で囲まれている。そし
て、頂面となる平坦部41と側面となる平坦部42は、
エッジ部(角部)51で互いに隔てられている。他の平
坦部も同様に、各エッジ部52,53,54で互いに隔
てられている。
【0011】巻付部位3の表面をコイル(図示せず)か
ら電気的に絶縁する為に、絶縁皮膜6が形成されてい
る。絶縁皮膜6は、平坦部41,42,43,44とエ
ッジ部51,52,53,54とに亘って連続的に成膜
されている。この絶縁皮膜6は、ポリイミド樹脂及びエ
ポキシ樹脂を含む複合組成を有し、電着で2μm以上2
0μm未満の膜厚に塗工されている。膜厚を20μm未
満とすることで、全体的な絶縁皮膜6の厚みを抑え、巻
付部位3の外周寸法を可能な限り小さくし、その分コイ
ルの巻回数を多く取れる様にしている。更に、この絶縁
皮膜6は、平坦部41に被着した膜厚tpに対するエッ
ジ部51に被着した膜厚teの百分率で定義されるエッ
ジカバー率が50%以上となる様に制御されている。こ
の様にエッジカバー率を50%以上確保することで、平
坦部41の膜厚tpを20μm未満に抑えても、エッジ
部51の膜厚teが必要な数値を確保できる様にし、以
ってエッジ部における絶縁破壊や短絡欠陥を防止してい
る。
【0012】好ましくは、モータコア1の立体形状は、
回転中心となる軸Oを有し、軸Oを通る外径寸法が、
3.5mm以下で、軸Oに沿った長手寸法が15mm以
下である。本発明は、この様に小型のモータコアに適用
することで、優れた効果を発揮できる。又好ましくは、
絶縁皮膜6は、印加電圧が50〜100Vの電着条件で
巻付部位3に塗工することで、必要な膜厚2μm以上2
0μm未満を確保し且つ必要なエッジカバー率50%以
上を確保している。
【0013】図2は、モータコアの参考例を表わしてお
り、理解を容易にする為図1の(B)に示したモータコ
アと対応する部分には対応する参照番号を付してある。
この参考例は、絶縁皮膜6のエッジカバー率が低く50
%以下である。この為、エッジ部51の膜厚teが平坦
部41の膜厚tpに比べかなり薄い。エッジ部51にお
ける膜厚teを必要なレベルまで確保する為、平坦部4
1での膜厚tpは必要以上に厚くなってしまう。この結
果、図2と図1の(B)を比較すれば明らかな様に、参
考例の場合コイル巻付部位3の外周寸法が、絶縁皮膜6
の肥大化に伴って大きくなっており、その分コイルの巻
回数が犠牲になる。
【0014】図3は、電着塗装を表わした模式図であ
る。図示する様に、モータコアの形状に加工された試料
片1Sは電着液を満たした電着槽101に浸漬される。
試料片1Sと向かい合う様にSUSでできた電極102
が配置されている。試料片1Sと対向電極102との間
に電源103が接続されている。カチオン系の電着液を
用いた場合、試料片1Sは電源103の正極に接続さ
れ、対向電極102は負極に接続される。試料片1Sと
電極102に通電することで、電着液に含まれているカ
チオン系の樹脂が試料片1Sの表面に堆積する。係る電
着による成膜条件を安定化する為、電着槽101は恒温
槽104に浸漬されている。恒温槽104の温度は例え
ば25℃に設定されている。試料片1Sに堆積する膜の
厚みは、電源103が供給する印加電圧のレベル及び通
電時間により適宜設定できる。尚、電着塗装後は、試料
片1Sを電着槽101から引き上げ、十分に水洗してエ
アー噴射により水切りをする。この後、焼付炉にて例え
ば110℃で15分予備乾燥を行ない、更に210℃で
60分焼付けを行なう。これにより、試料片1Sに電着
した樹脂膜は熱硬化し、十分な付着力と硬度が得られ
る。
【0015】続いて、電着槽101に満たされる電着液
の組成を明らかにする。電着液は樹脂分としてポリイミ
ド樹脂及びエポキシ樹脂を含んでいる。この結果、試料
片1Sの表面に形成される絶縁皮膜は、ポリイミド樹脂
とエポキシ樹脂の複合組成となっている。これらの樹脂
成分はいずれも分子中にカチオン感応基が導入されてお
り、電着で試料片1Sに堆積する様になっている。電着
液は樹脂分に加え、所望の顔料分を含んでいる。顔料と
してはカーボンブラックや酸化チタンを用いることがで
きる。更に、あらかじめ樹脂分を溶解してエマルジョン
とする為、アルコール系や芳香族系の溶剤を用いてい
る。これら樹脂分、顔料分及び溶剤分を含むエマルジョ
ンを純水中に分散して、電着液を調製している。この様
なカチオン型ポリイミド樹脂及びエポキシ樹脂を含む水
溶性電着液として、例えば株式会社シミズ(大阪市東成
区東小橋1丁目9番18号)の製品名「エレコートP
I」が挙げられる。本明細書では、以下に述べる実施例
で、この株式会社シミズ製のエレコートPIを用いてい
る。尚、比較例としては、同じく株式会社シミズのエレ
コートAMを用いている。これは、エポキシ樹脂とアク
リル樹脂の複合組成となっている。
【0016】図4は、カチオン系ポリイミド樹脂の一例
を示す模式的な化学構造図である。図示する様に、電着
に用いるポリイミド樹脂は、イミド結合を含むポリマー
中に、カチオン感応基を導入した構造となっている。こ
のカチオン系ポリイミド樹脂とエポキシ樹脂の複合組成
からなる絶縁皮膜は、膜厚10μにて1分間、1000
Vの耐圧試験もクリアする高絶縁材料であり、薄膜絶縁
特性に極めて優れている。
【0017】最後に本発明の実施例を比較例とともに説
明する。比較結果を図5に示す。まず実施例1では、株
式会社シミズ製のエレコートPIを用いて、ロータ径が
3mmの3極コアに電着塗装で、ポリイミド樹脂とエポ
キシ樹脂の複合組成を有する絶縁塗膜3.5μmを形成
した。この絶縁塗膜のエッジ部における膜厚は2.5μ
mであり、エッジカバー率は71%となる。このコアに
直径0.03mmの銅線を巻いたところ、190回の巻
線が可能であった。100Vを印加した絶縁破壊試験を
施したところ、所望の絶縁性を維持していた。この様
に、エッジカバー率が70%を超えて高いので、平坦部
の膜厚を3.5μmまで薄くしても、エッジ部の膜厚を
2.5μmまで確保可能である。この結果100V絶縁
破壊試験にも耐える絶縁性能を得ることができた。又、
鉛筆硬度も5H程度で十分な硬さがある。
【0018】実施例2では、同じく株式会社シミズ製の
エレコートPIを用いて、ロータ径が3mmの3極コア
に電着塗装を施し、ポリイミド樹脂とエポキシ樹脂の複
合組成を有する絶縁塗膜7.5μmを得た。この塗膜の
エッジ部膜厚は5μmであり、エッジカバー率は67%
であった。このコアに直径0.03mmの銅線を巻いた
ところ、180回の巻付が可能であった。100V絶縁
破壊試験を施したところ、絶縁性を維持していた。鉛筆
硬度も5Hと十分であった。実施例1と実施例2を比較
すれば明らかな様に、平坦部膜厚を大きくすると、その
分銅線巻回数が少なくなる。この様に、絶縁性と巻回数
は互いにトレードオフの関係にある。いずれにしても、
平坦部膜厚が20μm未満でも、エッジカバー率が大き
い為、十分な絶縁耐圧を確保することができた。
【0019】比較例1では、株式会社シミズ製のエレコ
ートAMを用いて、ロータ径3mmの3極コアに電着塗
装を施し、アクリル樹脂とエポキシ樹脂の複合組成を有
する絶縁塗膜20μmを得た。この絶縁塗膜のエッジ部
膜厚は7μmであり、エッジカバー率は35%になる。
このコアに直径0.03mmの銅線を巻き付けたとこ
ろ、165回の巻数が可能であった。100V絶縁破壊
試験を施したところ、絶縁性を維持していた。この様
に、比較例1ではエッジカバー率が比較的低い電着液を
用いている為、平坦部膜厚は20μmに達している。こ
の結果必要な絶縁耐圧を確保できるが、その分巻回数が
犠牲となり、実施例1及び実施例2と比較して165回
と少なくなっている。
【0020】比較例2では、同じく株式会社シミズ製の
エレコートAMを用いて、ロータ径3mmの3極コアに
電着塗装を施し、アクリル樹脂とエポキシ樹脂の複合組
成を有する絶縁塗膜5μmを得た。この絶縁塗膜のエッ
ジ部膜厚は1μmでありエッジカバー率は20%とな
る。このコアに直径0.03mmの銅線を巻き付けたと
ころ、190回の巻回数を実現できた。しかし、100
V絶縁破壊試験を施したところ、絶縁性を維持できなか
った。この様に、比較例2ではエッジカバー率が低い
為、平坦部膜厚を20μm未満にすると、絶縁破壊が生
じる。
【0021】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、ポ
リイミド樹脂とエポキシ樹脂の複合組成からなる電着塗
装を施すことで、エッジ部でも平坦部の50%以上の塗
装厚みが確保でき、平坦部2μm以上20μm未満の塗
膜厚で十分な絶縁性を備えたモータコアが得られる。こ
れにより、銅線の巻回数を増加することが可能である。
あるいは、同じ巻数の場合モータを小型化できる。以上
により、小型モータの性能向上やコンパクト化に寄与で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るモータコアの平面図及び断面図で
ある。
【図2】参考例に係るモータコアの断面図である。
【図3】本発明に係るモータコアの製造方法を示す模式
図である。
【図4】本発明に係るモータコアの製造に用いるポリイ
ミド樹脂の化学構造図である。
【図5】本発明の実施例及び比較例の諸特性をまとめた
表図である。
【符号の説明】
1・・・モータコア、2・・・磁性材料、3・・・巻付
部位、6・・・絶縁皮膜、41,42,43,44・・
・平坦部、51,52,53,54・・・エッジ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H002 AA09 AB01 5H604 BB01 BB14 CC02 CC05 CC16 DA15 DA21 DB02 PB03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機に組み込む為磁性材からなり且つ
    コイルを巻回可能な立体形状を有し、 該立体形状の内少くともコイルを巻き付ける巻付部位
    は、複数の平坦部とこれらを区切るエッジ部とで構成さ
    れており、 該巻付部位の表面をコイルから絶縁する為に、該平坦部
    とエッジ部とに渡って連続的に絶縁皮膜が形成されてい
    るモータコアであって、 前記絶縁皮膜は、ポリイミド樹脂及びエポキシ樹脂を含
    む複合組成を有し、電着で2μm以上20μm未満の膜
    厚に塗工され、且つ平坦部に被着した膜厚に対するエッ
    ジ部に被着した膜厚の百分率で定義されるエッジカバー
    率が50%以上であることを特徴とするモータコア。
  2. 【請求項2】 前記立体形状は回転中心となる軸を有
    し、該軸を通る外径寸法が3.5mm以下で、該軸に沿
    った長手寸法が15mm以下であることを特徴とする請
    求項1記載のモータコア。
  3. 【請求項3】 前記絶縁皮膜は、印加電圧が50〜10
    0Vの電着条件で該巻付部位に塗工することを特徴とす
    る請求項1記載のモータコア。
JP2002062607A 2002-03-07 2002-03-07 モータコア Pending JP2003264951A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002062607A JP2003264951A (ja) 2002-03-07 2002-03-07 モータコア

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002062607A JP2003264951A (ja) 2002-03-07 2002-03-07 モータコア

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003264951A true JP2003264951A (ja) 2003-09-19

Family

ID=29196301

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002062607A Pending JP2003264951A (ja) 2002-03-07 2002-03-07 モータコア

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003264951A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011211806A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Denso Corp 電動機の製造方法
JP2012090433A (ja) * 2010-10-20 2012-05-10 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 接合部絶縁構造を有する電気機器
DE112011104964T5 (de) 2011-02-25 2013-11-21 Mitsubishi Electric Corporation Stator für eine rotierende elektrische Maschine und zugehöriges Herstellungsverfahren
DE102013004659A1 (de) * 2013-03-16 2014-09-18 Volkswagen Aktiengesellschaft Schaltring, elektrische Maschine mit einem solchen und Verfahren zur Herstellung
WO2019008722A1 (ja) * 2017-07-06 2019-01-10 三菱電機株式会社 固定子、電動機、駆動装置、圧縮機、空気調和装置および固定子の製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011211806A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Denso Corp 電動機の製造方法
JP2012090433A (ja) * 2010-10-20 2012-05-10 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 接合部絶縁構造を有する電気機器
US8735724B2 (en) 2010-10-20 2014-05-27 Hitachi, Ltd. Electric equipment having insulation structure at welding parts
DE112011104964T5 (de) 2011-02-25 2013-11-21 Mitsubishi Electric Corporation Stator für eine rotierende elektrische Maschine und zugehöriges Herstellungsverfahren
DE102013004659A1 (de) * 2013-03-16 2014-09-18 Volkswagen Aktiengesellschaft Schaltring, elektrische Maschine mit einem solchen und Verfahren zur Herstellung
WO2019008722A1 (ja) * 2017-07-06 2019-01-10 三菱電機株式会社 固定子、電動機、駆動装置、圧縮機、空気調和装置および固定子の製造方法
JPWO2019008722A1 (ja) * 2017-07-06 2019-11-07 三菱電機株式会社 固定子、電動機、駆動装置、圧縮機、空気調和装置および固定子の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100575549C (zh) 具有优异端面绝缘的铁心和处理铁心端面以得到绝缘涂层的方法
US4724345A (en) Electrodepositing mica on coil connections
KR920002171B1 (ko) 절연코팅 침착공정
US4622116A (en) Process for electrodepositing mica on coil or bar connections and resulting products
US4723083A (en) Electrodeposited mica on coil bar connections and resulting products
CN100561617C (zh) 具有优异端面绝缘的铁心和处理铁心端面以得到绝缘涂层的方法
KR20120111255A (ko) 유연성 및 밀착성이 강화된 내코로나 방전성 절연 도료 조성물 및 이를 도포하여 형성된 절연 피막을 포함하는 절연 전선
JPH05300681A (ja) モータのコア巻線組
JP2003264951A (ja) モータコア
JP6589783B2 (ja) エナメル線、該エナメル線の製造方法、該エナメル線を用いたコイル、および該コイルを用いた電機部品
JP2894942B2 (ja) 被膜形成方法
JP2009140878A (ja) 絶縁電線
EP3764371A1 (en) Insulated flat rectangular conductor, coil and method for producing insulated flat rectangular conductor
JP2008011648A (ja) 積層モータコア表面の絶縁被膜被覆方法
JPS60144375A (ja) 雲母の電着用組成物
JPH04211189A (ja) 回路基板の製造方法
DE3133734A1 (de) Wicklung fuer elektrische maschinen
JPS6148553B2 (ja)
JPH11297507A (ja) バリスタとその製造方法
JP2016195089A (ja) エナメル線、該エナメル線を用いたコイルおよびそれ該コイルを用いた電機部品
JP2004129480A (ja) 電磁機器用磁性部材及びその簡易結束方法
JP2003082194A (ja) 導電性ペースト及び固体電解コンデンサ
JP2012138289A (ja) 絶縁導体、その製造方法及びこれを用いたコイル
JP3035154B2 (ja) 銅導体との密着性を強めたエナメル銅線
JPS63195918A (ja) 電気絶縁導体の製造方法