JP6589783B2 - エナメル線、該エナメル線の製造方法、該エナメル線を用いたコイル、および該コイルを用いた電機部品 - Google Patents

エナメル線、該エナメル線の製造方法、該エナメル線を用いたコイル、および該コイルを用いた電機部品 Download PDF

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Description

本発明は、絶縁電線の技術に関し、特にエナメル線、該エナメル線の製造方法、該エナメル線を用いたコイル、および該コイルを用いた電機部品に関するものである。
エナメル線(エナメル被覆絶縁電線)は、回転電機や変圧器などの電機部品のコイル用電線として広く用いられており、コイルの用途・形状に合致した断面形状(例えば、丸形状や矩形状)に成形された金属導体線の外層に絶縁被膜が形成された構成をしている。近年、エネルギー効率向上の観点から、各種電気機器(例えば、家電品、産業用電機、船舶用電機、鉄道、自動車用電機)に用いられる電機部品の小型化、高出力化、高効率化が進んでいる。
電機部品の高効率化・高出力化を図るため、電機部品のインバータ制御や高電圧化が進展している。その結果、電機部品の運転時におけるコイルの温度は以前よりも上昇傾向にあり、コイル用エナメル線には高い耐熱性が求められる。エナメル線における耐熱性の確保は、しばしば、絶縁被覆材料として耐熱性の高い樹脂組成物(例えば、イミド系樹脂)を用いることによってなされる。
インバータ制御の場合、インバータサージ電圧などのより高い電圧が電機部品中のコイルに掛かることから、部分放電の発生によって絶縁被覆が劣化・損傷することがある。そのため、コイル用エナメル線には優れた耐電圧性(耐圧性)も求められる。
エナメル線における耐圧性の向上には、一般的に、絶縁被覆に比誘電率の低い樹脂組成物を用いる方法と、絶縁被覆の厚さを厚くする方法とが有効である。例えば、特許文献1(再公表WO2012/043839)には、導体上に直接又は間接に、導体側から順に、第一の絶縁層(ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニルスルホン、及びポリイミドからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する樹脂組成物)と、前記第一の絶縁層よりも比誘電率の高い第二の絶縁層(ポリアミドイミドを含有する樹脂組成物)とを、積層してなる積層単位を少なくとも2つ有することを特徴とする絶縁電線が、開示されている。
また、発生した部分放電に対する耐久性を向上させる方法として、絶縁被覆中に無機化合物フィラーを分散添加する方法がある。例えば、特許文献2(特開2006-302835)には、γ-ブチロラクトンを主溶媒成分とし、イソシアネート成分と酸成分とを反応させて得られるポリアミドイミド樹脂絶縁塗料において、前記イソシアネート成分中の4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの配合比率と、前記酸成分中のトリメリット酸無水物の配合比率とを平均した総合配合比率を85〜98モル%とし、ポリアミドイミド樹脂絶縁塗料の樹脂成分に対してオルガノシリカゾルをシリカ分の配合比が1〜100 phrとなるように配合して前記ポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を作製し、該ポリアミドイミド樹脂絶縁塗料を導体上に塗布・焼付して皮膜を形成した絶縁電線が、開示されている。
加えて、電機部品の小型化・高出力化を図るためには、コイルにおける巻線の小径化・稠密化や金属導体線の高占積率化が有効であり、コイル用エナメル線には、絶縁被覆の厚さを薄くかつ均等に形成することが求められる。なお、薄くかつ均等な厚さのエナメル被覆を得るため、エナメル被覆の形成は、絶縁塗料の1回の塗布・焼付で極薄の被膜を形成し、それを複数回繰り返すことによって行われる。例えば、厚さ20〜100μmの絶縁被覆を形成するためには、通常2〜20回の塗布・焼付が繰り返される。
再公表WO2012/043839号公報 特開2006−302835号公報
各種電気機器の小型化、高出力化、高効率化の進展に伴って、該電気機器に用いられる電機部品の小型化、高出力化、高効率化が強く求められている。加えて、電機部品に対するコスト低減の要求は強まる一方である。これらのことから、エナメル線の各種性能(例えば、耐熱性、耐圧性、寸法精度)を少なくとも維持した上で、製造コストを低減できる技術が非常に重要になってきている。
そして、エナメル線の製造コストにおいては、多数回に及ぶ絶縁塗料の塗布・焼付工程が大きな割合を占めている。言い換えると、エナメル線の各種性能を犠牲にすることなく、絶縁塗料の塗布・焼付工程の繰り返し回数を低減することができれば、エナメル線の製造コスト低減に大きく貢献できることになる。
したがって、本発明の目的は、エナメル線の各種性能を犠牲にすることなく製造コスト低減に貢献できるエナメル線、該エナメル線の製造方法、該エナメル線を用いたコイル、および該コイルを用いた電機部品を提供することにある。
(I)本発明の一態様は、金属導体線の外周にエナメル被覆が形成されているエナメル線であって、
前記エナメル被覆は、イミド系樹脂を主成分としフィラーを含有する主絶縁層と、該主絶縁層の直内層および直外層の少なくとも一方に形成されイミド系樹脂を主成分としフィラーを含有しない延性補助層とを有し、
前記フィラーは、前記主絶縁層に対して0.2以上0.5以下の質量比率で含有しており、該フィラーの質量比率0.5以上がイミド系樹脂粒子であることを特徴とするエナメル線を提供するものである。
(II)本発明の他の一態様は、上記のエナメル線の製造方法であって、
イミド系樹脂が主成分となる樹脂組成物からなる主絶縁層用ワニスを前記金属導体線の外周に塗布・焼付して前記主絶縁層を形成する主絶縁層形成工程と、
イミド系樹脂が主成分となる樹脂組成物からなる延性補助層用ワニスを前記主絶縁層の直内層および直外層の少なくとも一方に塗布・焼付して前記延性補助層を形成する延性補助層形成工程とを有し、
前記主絶縁層用ワニスは、前記イミド系樹脂の基となる固形分100質量部に対して25質量部以上100質量部以下の範囲で前記フィラーを含有し、
前記フィラーは、その質量比率0.5以上がイミド系樹脂粒子であることを特徴とするエナメル線の製造方法を提供するものである。
(III)本発明の更に他の一態様は、本発明に係るエナメル線を用いてコイル巻線されたことを特徴とするコイルを提供するものである。
(IV)本発明の更に他の一態様は、本発明に係るコイルを用いたことを特徴とする電機部品を提供するものである。
本発明によれば、エナメル線の各種性能を犠牲にすることなく製造コスト低減に貢献できるエナメル線、該エナメル線の製造方法、該エナメル線を用いたコイル、および該コイルを用いた電機部品を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るエナメル線の一例を示す断面模式図である。 本発明の第1実施形態に係るエナメル線の他の一例を示す断面模式図である。 本発明の第2実施形態に係るエナメル線の一例を示す断面模式図である。 本発明の第2実施形態に係るエナメル線の他の一例を示す断面模式図である。 本発明の第3実施形態に係るエナメル線の一例を示す断面模式図である。 本発明の第3実施形態に係るエナメル線の他の一例を示す断面模式図である。 本発明に係る電機部品(回転電機)の固定子および該固定子に組み込まれたコイルの一例を示す部分拡大模式図である。 実施例1-4の破断面の微細組織の一例を示す走査型電子顕微鏡観察像である。
本発明は、前述した本発明に係るエナメル線(I)およびエナメル線の製造方法(II)において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(i)前記主絶縁層、前記延性補助層および前記フィラーのイミド系樹脂は、それぞれポリイミド、ポリアミドイミド、およびポリエステルイミドのいずれかである。
(ii)前記フィラーは、シリコーンゴムまたはスチレンブタジエンゴムからなるゴム粒子を更に含む。
(iii)前記フィラーは、ケイ素酸化物粒子および無機化合物の鱗片状粒子の少なくとも一方からなる無機物粒子を更に含む。
(iv)前記フィラーの平均粒子径が、0.1μm以上20μm以下である。
(v)前記主絶縁層は、前記エナメル被覆の中で最大厚さを有する層である。
(本発明の基本思想)
本発明者らは、金属導体線の外周にエナメル被覆が形成されたエナメル線において、エナメル線の各種性能(例えば、耐熱性、耐圧性、寸法精度)を犠牲にすることなく製造コスト低減に貢献できるエナメル線の構造と製造方法とについて鋭意検討した。その結果、エナメル被覆が少なくとも2層(主絶縁層および延性補助層)となるように構成し、特に主絶縁層用ワニスにポリイミド系樹脂粒子を含むフィラーを含有させることにより、エナメル線の各種性能を犠牲にすることなくワニスの1回の塗布・焼付で従来よりも厚肉の絶縁被膜を形成できることを見出した。1回塗布・焼付での絶縁被膜の厚肉化は、塗布・焼付工程の繰り返し回数の低減に直結し、エナメル線の製造コストを低減することができる。本発明は、それらの知見に基づいて完成されたものである。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施形態を説明する。ただし、本発明はここで取り上げた実施形態に限定されることはなく、発明の技術的思想を逸脱しない範囲で改良や従来技術との組み合わせが可能である。また、同義の部材・部位については、同じ符号を付して重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
(エナメル線およびその製造方法)
図1は、本発明の第1実施形態に係るエナメル線の一例を示す断面模式図であり、金属導体線の断面形状が丸形状の場合を例示している。図2は、本発明の第1実施形態に係るエナメル線の他の一例を示す断面模式図であり、金属導体線の断面形状が四辺形状の場合を例示している。
図1,2に示したように、本実施形態に係るエナメル線10,10’は、金属導体線1,1’の外周にエナメル被覆2が直接形成されている。エナメル被覆2は、2層構造(主絶縁層3、延性補助層4)を有し、延性補助層4が主絶縁層3の直外層に形成されている。本実施形態では、主絶縁層3の直外層に形成されている延性補助層4を外側延性補助層と称してもよい。また、本発明に係るエナメル線10,10’は、主絶縁層3がイミド系樹脂粒子を含むフィラー5を含有している点に最大の特徴がある。
エナメル線10,10’の製造方法としては、主絶縁層3を形成するための主絶縁層用ワニスに特徴がある以外は、従前のエナメル線の製造方法と同様である。すなわち、予め用意した主絶縁層用ワニスを金属導体線1,1’の外周に塗布・焼付して主絶縁層3を形成する主絶縁層形成工程の後に、予め用意した延性補助層用ワニスを主絶縁層3の直外層に塗布・焼付して延性補助層4を形成する延性補助層形成工程を行うものである。
金属導体線1,1’に特段の限定は無く、エナメル線で常用される芯線(例えば、銅線、アルミ線、合金線)を用いることができる。より具体的には、例えば銅線の場合、銅素材としてタフピッチ銅、脱酸銅および無酸素銅のいずれでもよく、芯線の表面に錫、ニッケル、銀、アルミニウム等がめっきされためっき銅線であってもよい。また、合金線の場合合金素材として銅−錫合金、銅−銀合金、銅−亜鉛合金、銅−クロム合金、銅−ジルコニウム合金、アルミニウム−銅合金、アルミニウム−銀合金、アルミニウム−亜鉛合金、アルミニウム−鉄合金、イ号アルミ合金(Aldrey Aluminium)などを用いることができる。
本実施形態のエナメル線10,10’のエナメル被覆2は、前述したように、2層構造(主絶縁層3、延性補助層4)を有している。エナメル被覆2(主絶縁層3、延性補助層4)を構成する主成分の樹脂としては、耐熱性の観点からイミド系樹脂を用いることが好ましく、特にポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、およびポリエステルイミド(PEsI)を好ましく用いることができる。主絶縁層3は、フィラー5を含有する層であり、延性補助層4は、フィラー5を含有しない層である。
主絶縁層3は、エナメル線10,10’における電気絶縁の主体をなす層である。主絶縁層3のフィラー5は、その大半がイミド系樹脂粒子からなることが好ましく、該イミド系樹脂としては、主絶縁層3のそれと同様に、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、およびポリエステルイミド(PEsI)を好ましく用いることができる。
イミド系樹脂粒子のフィラーは、主絶縁層3の母相成分と同系統の成分からなるため、主絶縁層3の母相との相溶性が高くなり(分子レベルの相溶性ではなく、巨視的に非相溶性ではないという意味)、高い一体性が得られる。相溶性の観点から、主絶縁層3の母相と同種の樹脂粒子を用いることがより好ましい(例えば、主絶縁層の母相がPIの場合にPI粒子のフィラーを用いる)。
また、主絶縁層3を形成するための主絶縁層用ワニス(絶縁塗料)において、イミド系樹脂粒子のフィラーは、相溶性の高さから、フィラーの分散性が高く(フィラーが塊になりづらく)、ワニスの粘性を過度に増大させずにワニス中の固形分を増加させることができる。その結果、1回のワニス塗布・焼付で従来よりも厚い被膜を安定して(寸法精度よく)形成することができる。
主絶縁層3に含まれるフィラー5の量は、主絶縁層3に対する質量比率で0.2以上0.5以下が好ましい。フィラー含有率は次の式(1)で定義される。
フィラー含有率=フィラー質量部/(フィラー質量部+ワニス固形分質量部) ・・・式(1)。
フィラー含有率が0.2未満では、ワニス中の固形分の増加度合が不十分であり、1回のワニス塗布・焼付での被膜厚さの増加度合が不十分になって、塗布・焼付工程の繰り返し回数を劇的に低減するのが困難になる。一方、フィラー含有率が0.5超になると、ワニス中の固形分が増加し過ぎて被膜の形状制御性(寸法精度)が低下する。
式(1)から解るように、主絶縁層用ワニスは、主絶縁層3の母相を構成するイミド系樹脂の基となる固形分100質量部に対して25質量部以上100質量部以下の範囲でフィラー5を添加・混合させることで得られる。
フィラー5の平均粒子径は、少なくとも主絶縁層3の厚さ(厳密には、1回のワニス塗布・焼付で形成する被膜厚さ)よりも小さくする必要があり、具体的には0.1μm以上20μm以下が好ましい。フィラー5の平均粒子径が0.1μm未満では、粒子が小さ過ぎて凝集し易くなり、ワニス中での均等分散が困難になる。一方、フィラー5の平均粒子径が20μm超になると、粒子が大き過ぎて被膜の形状制御性(寸法精度)が低下する。
主絶縁層3の母相との相溶性の観点やエナメル被覆2の耐熱性の観点から、フィラー5の全体量のうち、質量比率で0.5以上がイミド系樹脂粒子であることが好ましい。イミド系樹脂粒子含有率は次の式(2)で定義される。
イミド系樹脂粒子含有率=イミド系樹脂粒子質量部/フィラー質量部 ・・・式(2)。
フィラー5に用いるイミド系樹脂粒子は、例えば、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸を再沈回収し、加熱処理して得ることができる。市販品例としては、宇部興産株式会社製のUIP-S(メジアン径7〜12μm)、UIP-R(メジアン径10〜15μm)などが挙げられる。
また、フィラー5として、シリコーンゴム(SiR)やスチレンブタジエンゴム(SBR)の粒子を更に含有することは好ましい。それらのゴムは、イミド系樹脂よりも比重と比誘電率とが低く延性が高い。そのため、フィラー5としてそれらゴム粒子を添加することにより、主絶縁層3の厚膜化に貢献する(厚膜化を容易にする)と共に、主絶縁層3の比誘電率の低減および延性の向上に寄与することができる。
シリコーンゴム(SiR)粒子としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKMP-605(平均粒径2μm)、KMP-600(平均粒径5μm)、KMP-597(平均粒径5μm)、KMP-594(平均粒径5μm)などや、東レ・ダウコーニング株式会社製のトレフィル(登録商標)E-506S(平均粒径4μm)、E-606(平均粒径2μm)などが挙げられる。
スチレンブタジエンゴム(SBR)粒子としては、例えば、ダウケミカル日本株式会社製のパラロイドEXL-2655(平均粒径0.2μm)、パラロイドBTAシリーズなどや、アイカ工業株式会社製のスタフィロイドAC3355(平均粒径0.1〜0.5μm)、ゼフィアックF351(平均粒径0.3μm)などが挙げられる。
本発明のエナメル線は、フィラー5として上記のイミド系樹脂粒子およびゴム粒子に加えて無機フィラーを更に配合してもよい。無機フィラーとしては、ケイ素酸化物粒子および/または無機化合物の鱗片状粒子を好ましく用いることができる。無機フィラーを配合すると、主絶縁層用ワニスの調合時に(例えば、攪拌時に)イミド系樹脂粒子やゴム粒子と無機フィラーとが衝突して、イミド系樹脂粒子やゴム粒子の二次粒子(凝集粒)が粉砕される。それにより、ワニス中のフィラー5の均等分散性(結果として、主絶縁層3中でのフィラー5の均等分散性)を向上させることができる。
ケイ素酸化物粒子としては、例えば、林化成株式会社製のSQ-H22、SQ-H18などや、株式会社龍森製のCRYSTALITE(登録商標)シリーズなどが挙げられる。また、無機化合物の鱗片状粒子としては、例えば、日本タルク株式会社製のMICRO ACEシリーズ(微粉タルク)、株式会社ヤマグチマイカ製のSJシリーズ、コープケミカル株式会社製のミクロマイカMKシリーズ(非膨潤性雲母粉末)、昭和電工株式会社製のショウビーエヌ/UHP(六方晶窒化ホウ素粉末)などが挙げられる。
フィラー5として無機フィラーを配合する場合、その配合量は、ゴム粒子の質量比率(含有率)に対して1/8以上1/2以下が好ましい。無機フィラーの含有率が本規定よりも低くなると、無機フィラー配合による作用効果が不十分になるだけである(特段のデメリットは生じない)。一方、無機フィラーの含有率を本規定より高めても無機フィラー配合による作用効果の向上は望めない(むしろ、無機フィラーの比誘電率の高さによるデメリットが大きくなる)。
また、イミド系樹脂ワニス中でのフィラー5の均等分散性を向上させながら、該イミド系樹脂ワニスの粘度を調整するために、該イミド系樹脂ワニスに分散剤および/またはカップリング剤を添加してもよい。分散剤および/またはカップリング剤の添加量は、主絶縁層3に対する質量比率で0.001以上0.01以下が好ましい。
添加する分散剤としては、ノニオン系界面活性剤を好ましく用いることができる。例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK-W903、BYK-W980、BYK-W996、BYK-W9010などが挙げられる。
添加するカップリング剤としては、シラン系カップリング剤やチタネート系カップリング剤を好ましく用いることができる。例えば、信越化学工業株式会社製のKBM-402、KBM-403、KBM-502、KBM-504などのシラン系カップリング剤、日本曹達株式会社製のS-151、S-152、S-181などのチタネート系カップリング剤が挙げられる。
延性補助層4は、主絶縁層3の直内層および直外層の少なくとも一方に形成され、エナメル被覆2の延性を補助してエナメル線10,10’全体としての可撓性を確保する役割を果たす層である。延性補助層4を設けない場合、エナメル線10,10’の可撓性が低下し易くなる。延性補助層4を形成するための絶縁塗料(延性補助用ワニス)に特段の限定はなく、従前のものを利用できる。
延性補助層4の厚さは、5μm以上15μm以下が好ましい。延性補助層4の厚さが5μm未満では、エナメル被覆2の延性を補助する作用が不十分である。一方、延性補助層4の厚さを15μm超にしようとすると、延性補助層4を形成するためのワニスの塗布・焼付工程の繰り返し回数を増やす必要が生じて製造コストの低減が不十分になる、または1回の塗布・焼付工程で形成した場合に被膜の形状制御性(寸法精度)が低下する。
主絶縁層3は、前述したようにエナメル線10,10’における電気絶縁の主体をなす層であることから、その厚さは、エナメル線10,10’に要求される絶縁特性(例えば、耐圧性)から適宜設計すればよい。なお、製造コスト低減(ワニスの塗布・焼付回数の低減)の観点から、当然のことながら、主絶縁層3は延性補助層4よりも厚いこと(例えば、厚さ20〜100μm)が望ましい。
[第2実施形態]
(エナメル線およびその製造方法)
図3は、本発明の第2実施形態に係るエナメル線の一例を示す断面模式図であり、金属導体線の断面形状が丸形状の場合を例示している。図4は、本発明の第2実施形態に係るエナメル線の他の一例を示す断面模式図であり、金属導体線の断面形状が四辺形状の場合を例示している。
図3,4に示したように、本実施形態に係るエナメル線20,20’は、金属導体線1,1’の外周にエナメル被覆2’が直接形成されている。エナメル被覆2’は、2層構造(主絶縁層3、延性補助層4’)を有し、延性補助層4’が主絶縁層3の直内層に形成されている。すなわち、第2実施形態のエナメル線20,20’は、延性補助層4’が主絶縁層3の直内層に形成されている点で第1実施形態と異なり、他を同じとするものである。本実施形態では、主絶縁層3の直内層に形成されている延性補助層4’を内側延性補助層と称してもよい。
エナメル線20,20’の製造方法は、エナメル線10,10’のそれに比して、主絶縁層形成工程と延性補助層形成工程との順番が入れ替わるだけである。すなわち、予め用意した延性補助層用ワニスを金属導体線1,1’の外周に塗布・焼付して延性補助層4’を形成する延性補助層形成工程の後に、予め用意した主絶縁層用ワニスを延性補助層4’の直外層に塗布・焼付して主絶縁層3を形成する主絶縁層形成工程を行うものである。
本実施形態のエナメル線およびその製造方法は、それぞれ第1実施形態と同様の作用効果を有する。
[第3実施形態]
(エナメル線およびその製造方法)
図5は、本発明の第3実施形態に係るエナメル線の一例を示す断面模式図であり、金属導体線の断面形状が丸形状の場合を例示している。図6は、本発明の第3実施形態に係るエナメル線の他の一例を示す断面模式図であり、金属導体線の断面形状が四辺形状の場合を例示している。
図5,6に示したように、本実施形態に係るエナメル線30,30’は、金属導体線1,1’の外周にエナメル被覆2”が直接形成されている。エナメル被覆2”は、3層構造(延性補助層4’、主絶縁層3、延性補助層4)を有している。すなわち、第3実施形態のエナメル線30,30’は、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせた形態を有している。
エナメル線30,30’の製造方法も、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせたものになる。すなわち、予め用意した延性補助層用ワニスを金属導体線1,1’の外周に塗布・焼付して延性補助層4’を形成する延性補助層形成工程の後に、予め用意した主絶縁層用ワニスを延性補助層4’の直外層に塗布・焼付して主絶縁層3を形成する主絶縁層形成工程を行い、さらに延性補助層用ワニスを主絶縁層3の直外層に塗布・焼付して延性補助層4を形成する延性補助層形成工程を行うものである。
本実施形態のエナメル線およびその製造方法は、それぞれ第1・第2実施形態と同様の作用効果を有する。
[第4実施形態]
(コイルおよび電機部品)
上述した本発明に係るエナメル線は、回転電機や変圧器などの電機部品のコイル用電線として好適に用いることができる。図7は、本発明に係る電機部品(回転電機)の固定子および該固定子に組み込まれたコイルの一例を示す部分拡大模式図である。図7に示したように、回転電機の固定子50は、ステータコア6のスロット7の内部に、本発明のエナメル線10’が捲回されたコイル40が組み込まれている。
本発明のエナメル線は、前述したように、各種性能(例えば、耐熱性、耐圧性、寸法精度)を犠牲にすることなく製造コスト低減に貢献するものである。よって、該エナメル線を用いたコイルおよび該コイルを用いた電機部品も、それらコイルや電機部品に要求される各種性能を犠牲にすることなくコスト低減が可能になる。そして、本発明に係る電機部品は、種々の電気機器(例えば、家電品、産業用電機、船舶用電機、鉄道、自動車用電機)に用いられる電機部品として好適である。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
以下の実験においては、試料作製および試験評価を簡単化する目的から、成膜性の評価には銅線の代わりに銅板または銅板上にアルミ箔を貼り付けた基板を用い、用意したワニスを該銅板または該基板上に所定の塗布ギャップを有するバーコータを用いて1回塗布・焼付して、エナメル線の疑似試料を作製した。焼付条件は、250℃で3分間保持とした。作製したエナメル線疑似試料に対して、1回の塗布・焼付で形成されたエナメル被覆の厚さと成膜性と可撓性とを測定・評価した。
エナメル被覆の厚さは、マイクロメータで10箇所測定し、平均を算出した。
エナメル被覆の成膜性は、目視および光学顕微鏡を用いて観察し、塗り斑、気泡、亀裂および剥離の有無で評価した。塗り斑、気泡、亀裂および剥離のいずれかでも観察された場合は「不合格」とし、いずれも観察されない場合を「合格」とした。
エナメル被覆の可撓性は、JIS C3003を模した巻付試験により評価した。エナメル線疑似試料を幅3 mmに裁断し、直径1 mmの丸棒(巻付棒)に該エナメル線疑似試料を螺旋巻きし、光学顕微鏡(50倍拡大)を用いてエナメル被覆での亀裂の有無を調査した。亀裂が観察された場合は「不合格」とし、観察されない場合を「合格」とした。
(比較例1-1の作製と評価)
N,N-ジメチルアセトアミドの溶媒にポリイミド(PI)の前駆体であるポリアミック酸樹脂を溶解した固形分濃度20質量%のPIワニス(低濃度PIワニス、従来技術のPIワニス)を用意した。次に、バーコータ(塗布ギャップ100μm)を用いて該PIワニスを銅板(100 mm×100 mm×1 mm)上に1回塗布した。PIワニスを塗布した該銅板を直ちにホットプレート上に乗せて焼付し(250℃で3分間保持)、従来技術の基準となる比較例1-1のエナメル線疑似試料を作製した。
比較例1-1のエナメル被覆の厚さは10μmであった。エナメル被覆の成膜性を評価したところ、合格であった。また、エナメル被覆の可撓性を評価したところ、合格であった。
これらの結果から、比較例1-1の低濃度PIワニスを用いてエナメル被覆を形成すると、厚さ10μmの健全なエナメル被覆を得られることが確認された。試料作製条件と測定評価結果とを後述する表1に示す。
(比較例1-2の作製と評価)
バーコータの塗布ギャップを200μmに調整したこと以外は比較例1-1と同様にして、比較例1-2のエナメル線疑似試料を作製した。比較例1-2は、比較例1-1との比較により、低濃度PIワニスを用いて塗布ギャップを拡大した場合の影響を見ることができる。
塗布ギャップの拡大により、エナメル被覆の厚さは20μmとなった。しかしながら、焼付時に気泡が多数発生してエナメル被覆の表面が著しく荒れ、成膜性が不合格となった。成膜性が不合格のため、可撓性の評価は行わなかった。
これらの結果から、PIエナメル被覆の厚膜化に関して、低濃度ワニスを利用した場合では、従来技術の通り薄い被膜形成の繰り返しが必要であることが確認された。試料作製条件と測定評価結果とを表1に併記する。
(比較例1-3の作製と評価)
1回のワニス塗布・焼付によるエナメル被覆の厚膜化を意図して、上記の低濃度PIワニスと同じ溶媒とポリアミック酸樹脂を用い、固形分濃度40質量%の高濃度PIワニスを用意した。次に、比較例1-1と同様の手法で、該高濃度PIワニスを銅板上に1回塗布した。
その結果、該高濃度PIワニスは粘度が過度に増大したため著しい塗り斑が発生し、成膜性が不合格となった。成膜性が不合格のため、可撓性の評価は行わなかった。
これらの結果から、PIエナメル被覆の厚膜化に関して、高濃度ワニスの利用は不適当であり、従来技術の通り低濃度ワニスの塗布・焼付の繰り返しが必要であることが確認された。試料作製条件と測定評価結果とを表1に併記する。
(比較例1-4の作製と評価)
比較例1-1の低濃度PIワニスをベースとし、該ワニス90質量部に対して10質量部のPI粒子(宇部興産株式会社製、UIP-R、平均一次粒径10〜15μm)を添加し、自公転ミキサにより撹拌混合してフィラー添加PIワニスを用意した。該フィラー添加PIワニスを用いたこと以外は比較例1-1と同様にして、比較例1-4のエナメル線疑似試料を作製した。比較例1-4は、比較例1-1との比較により、低濃度PIワニスにフィラーを添加混合した場合の影響を見ることができる。
測定評価の結果、エナメル被覆の厚さは20μmに増加した。エナメル被覆の成膜性を評価したところ、合格であった。一方、エナメル被覆の可撓性を評価したところ、不合格であった。
これらの結果から、フィラーを高濃度に含有するPIエナメル被覆は、エナメル被覆の厚膜化に効果があるが、エナメル被覆の可撓性には弱点を有することが判った。試料作製条件と測定評価結果とを表1に併記する。
(比較例2-1の作製と評価)
もう一つの従来技術として、N,N-ジメチルアセトアミドの溶媒にポリアミドイミド(PAI)樹脂を溶解した固形分濃度25質量%のPAIワニス(低濃度PAIワニス、従来技術のPAIワニス)を用意した。次に、バーコータ(塗布ギャップ100μm)を用いて該PAIワニスを銅板(100 mm×100 mm×1 mm)上に1回塗布した。PAIワニスを塗布した該銅板を直ちにホットプレート上に乗せて焼付し(250℃で3分間保持)、従来技術の基準となる比較例2-1のエナメル線疑似試料を作製した。
比較例2-1のエナメル被覆の厚さは15μmであった。エナメル被覆の成膜性を評価したところ、合格であった。また、エナメル被覆の可撓性を評価したところ、合格であった。
これらの結果から、比較例2-1の低濃度PAIワニスを用いてエナメル被覆を形成すると、厚さ15μmの健全なエナメル被覆を得られることが確認された。試料作製条件と測定評価結果とを後述する表2に併記する。
(比較例2-2の作製と評価)
バーコータの塗布ギャップを200μmに調整したこと以外は比較例2-1と同様にして、比較例2-2のエナメル線疑似試料を作製した。比較例2-2は、比較例2-1との比較により、低濃度PAIワニスを用いて塗布ギャップを拡大した場合の影響を見ることができる。
塗布ギャップの拡大により、エナメル被覆の厚さは30μmとなった。しかしながら、焼付時に気泡が多数発生してエナメル被覆の表面が著しく荒れ、成膜性が不合格となった。成膜性が不合格のため、可撓性の評価は行わなかった。
これらの結果から、PAIエナメル被覆の厚膜化に関しても、低濃度ワニスを利用した場合では、従来技術の通り薄い被膜形成の繰り返しが必要であることが確認された。試料作製条件と測定評価結果とを表2に併記する。
(比較例2-3の作製と評価)
比較例2-1の低濃度PAIワニスをベースとし、該ワニス85質量部に対して15質量部のPI粒子(宇部興産株式会社製、UIP-R、平均一次粒径10〜15μm)を添加し、自公転ミキサにより撹拌混合してフィラー添加PAIワニスを用意した。該フィラー添加PAIワニスを用いたこと以外は比較例2-1と同様にして、比較例2-3のエナメル線疑似試料を作製した。比較例2-3は、比較例2-1との比較により、低濃度PAIワニスにフィラーを添加混合した場合の影響を見ることができる。
測定評価の結果、エナメル被覆の厚さは30μmに増加した。エナメル被覆の成膜性を評価したところ、合格であった。一方、エナメル被覆の可撓性を評価したところ、不合格であった。
これらの結果から、比較例1-4と同様に、フィラーを高濃度に含有するPAIエナメル被覆は、エナメル被覆の厚膜化に効果があるが、エナメル被覆の可撓性には弱点を有することが判った。試料作製条件と測定評価結果を表2に併記する。
Figure 0006589783
Figure 0006589783
(実施例1-1の作製と評価)
実施例1のシリーズでは、第1実施形態に係るエナメル線疑似試料を作製した。バーコータ(塗布ギャップ100μm)を用いて比較例1-4と同じフィラー添加PIワニスを銅板(100 mm×100 mm×1 mm)上に1回の塗布・焼付(250℃で3分間保持)を行って、一層目の主絶縁層を形成した。次に、同じくバーコータ(塗布ギャップ100μm)を用いて、比較例1-1と同じ低濃度PIワニスを該主絶縁層上に1回の塗布・焼付(250℃で3分間保持)を行って、二層目の外側延性補助層を形成した。以上の工程により、第1実施形態に係る実施例1-1のエナメル線疑似試料を得た。
測定評価の結果、主絶縁層の厚さは20μmであり、外側延性補助層の厚さは10μmであり、エナメル被覆の合計厚さは30μmであった。エナメル被覆の成膜性を評価したところ、合格であった。また、エナメル被覆の可撓性を評価したところ、合格であった。
これらの結果から、フィラーを含有する主絶縁層と、該主絶縁層の直外層に形成されフィラーを含有しない延性補助層とを組み合わせた実施例1-1は、エナメル被覆の可撓性を犠牲にすることなくワニスの塗布・焼付工程の繰り返し回数を低減しながら厚膜化できる(すなわち、製造コスト低減に貢献できる)ことが確認された。試料作製条件と測定評価結果とを後述する表3に示す。
(実施例1-2の作製と評価)
バーコータ(塗布ギャップ100μm)を用いて比較例2-3と同じフィラー添加PAIワニスを銅板(100 mm×100 mm×1 mm)上に1回の塗布・焼付(250℃で3分間保持)を行って、一層目の主絶縁層を形成した。次に、同じくバーコータ(塗布ギャップ100μm)を用いて、比較例1-1の低濃度PIワニスを該主絶縁層上に1回の塗布・焼付(250℃で3分間保持)を行って、二層目の外側延性補助層を形成した。以上の工程により、第1実施形態に係る実施例1-2のエナメル線疑似試料を得た。
測定評価の結果、主絶縁層の厚さは30μmであり、外側延性補助層の厚さは10μmであり、エナメル被覆の合計厚さは40μmであった。エナメル被覆の成膜性を評価したところ、合格であった。また、エナメル被覆の可撓性を評価したところ、合格であった。
これらの結果から、フィラーを含有する主絶縁層と、該主絶縁層の直外層に形成されフィラーを含有しない延性補助層とを組み合わせた実施例1-2は、エナメル被覆の可撓性を犠牲にすることなくワニスの塗布・焼付工程の繰り返し回数を低減しながら厚膜化できることが確認された。試料作製条件と測定評価結果とを表3に併記する。
(実施例1-3の作製と評価)
比較例2-1の低濃度PAIワニスをベースとし、該ワニス85質量部に対して10質量部のPI粒子(宇部興産株式会社製、UIP-R、平均一次粒径10〜15μm)と、5質量部のシリコーンゴム(SiR)粒子(信越化学工業株式会社製、KMP-605、平均粒径2μm)とを添加し、自公転ミキサにより撹拌混合して主絶縁層用のフィラー添加PAIワニスを用意した。
その後、実施例1-2同様にして、バーコータ(塗布ギャップ100μm)を用いて該フィラー添加PAIワニスを銅板(100 mm×100 mm×1 mm)上に1回の塗布・焼付(250℃で3分間保持)を行って、一層目の主絶縁層を形成した。次に、同じくバーコータ(塗布ギャップ100μm)を用いて、比較例1-1の低濃度PIワニスを該主絶縁層上に1回の塗布・焼付(250℃で3分間保持)を行って、二層目の外側延性補助層を形成した。以上の工程により、第1実施形態に係る実施例1-3のエナメル線疑似試料を得た。
測定評価の結果、主絶縁層の厚さは32μmであり、外側延性補助層の厚さは10μmであり、エナメル被覆の合計厚さは42μmであった。フィラーの一部としてSiR粒子を使用したことにより、実施例1-2に比較して主絶縁層の厚さが大きくなった。エナメル被覆の成膜性を評価したところ、合格であった。また、エナメル被覆の可撓性を評価したところ、合格であった。
これらの結果から、フィラーを含有する主絶縁層と、該主絶縁層の直外層に形成されフィラーを含有しない延性補助層とを組み合わせた実施例1-3は、エナメル被覆の可撓性を犠牲にすることなくワニスの塗布・焼付工程の繰り返し回数を低減しながら厚膜化できることが確認された。試料作製条件と測定評価結果とを表3に併記する。
(実施例1-4の作製と評価)
実施例1-4では、銅板(100 mm×100 mm×1 mm)上にアルミ箔(厚さ12μm)を貼り付けた基板を用いた以外は実施例1-1と同様にしてエナメル線疑似試料(アルミ箔上にエナメル被覆を形成)を作製した。
測定評価の結果、実施例1-1と同様に、主絶縁層の厚さは20μmであり、外側延性補助層の厚さは10μmであり、エナメル被覆の合計厚さは30μmであった。エナメル被覆の成膜性を評価したところ、合格であった。
その後、エナメル被覆が形成されたアルミ箔を銅板から剥がし、該エナメル被覆アルミ箔を引張破断させて、その破断面を組織観察した。図8は、実施例1-4の破断面の微細組織の一例を示す走査型電子顕微鏡観察像である。
図8に示したように、フィラーを含有しない延性補助層は、その破断面が比較的凹凸の少ない様子であるのに対し、フィラーを含有する主絶縁層は、その破断面において凹凸が著しい様子であった。図8中にはフィラー粒子そのものは写っていないが、主絶縁層の破断面における凹凸の著しい様子から、主絶縁層の母相とイミド系樹脂粒子フィラーとの相溶性および密着性が高かったことがうかがわれる。これは、イミド系樹脂粒子フィラーを含有する主絶縁層の引張強さが、フィラーを含有しない延性補助層のそれより高いことを示唆する。
(実施例2-1の作製と評価)
実施例2のシリーズでは、第2実施形態に係るエナメル線疑似試料を作製した。バーコータ(塗布ギャップ100μm)を用いて、比較例1-1と同じ低濃度PIワニスを銅板(100 mm×100 mm×1 mm)上に1回の塗布・焼付(250℃で3分間保持)を行って、一層目の内側延性補助層を形成した。次に、同じくバーコータ(塗布ギャップ100μm)を用いて、比較例1-4と同じフィラー添加PIワニスを該内側延性補助層上に1回の塗布・焼付(250℃で3分間保持)を行って、二層目の主絶縁層を形成した。以上の工程により、第2実施形態に係る実施例2-1のエナメル線疑似試料を得た。
測定評価の結果、内側延性補助層の厚さは10μmであり、主絶縁層の厚さは20μmであり、エナメル被覆の合計厚さは30μmであった。エナメル被覆の成膜性を評価したところ、合格であった。また、エナメル被覆の可撓性を評価したところ、合格であった。
これらの結果から、フィラーを含有する主絶縁層と、該主絶縁層の直内層に形成されフィラーを含有しない延性補助層とを組み合わせた実施例2-1は、実施例1-1と同様に、エナメル被覆の可撓性を犠牲にすることなくワニスの塗布・焼付工程の繰り返し回数を低減しながら厚膜化できる(すなわち、製造コスト低減に貢献できる)ことが確認された。試料作製条件と測定評価結果とを後述する表4に示す。
(実施例2-2の作製と評価)
比較例2-1の低濃度PAIワニスをベースとし、該ワニス85質量部に対して10質量部のPI粒子(宇部興産株式会社製、UIP-R、平均一次粒径10〜15μm)と、5質量部のスチレンブタジエンゴム(SBR)粒子(ダウケミカル日本株式会社製、BTA731、平均一次粒径0.6μm)とを添加し、自公転ミキサにより撹拌混合して主絶縁層用のフィラー添加PAIワニスを用意した。
その後、実施例2-1と同様にして、比較例1-1と同じ低濃度PIワニスを銅板(100 mm×100 mm×1 mm)上に1回の塗布・焼付(250℃で3分間保持)を行って、一層目の内側延性補助層を形成した。次に、同じくバーコータ(塗布ギャップ100μm)を用いて、上記のフィラー添加PAIワニスを該内側延性補助層上に1回の塗布・焼付(250℃で3分間保持)を行って、二層目の主絶縁層を形成した。以上の工程により、第2実施形態に係る実施例2-2のエナメル線疑似試料を得た。
測定評価の結果、内側延性補助層の厚さは10μmであり、主絶縁層の厚さは35μmであり、エナメル被覆の合計厚さは45μmであった。フィラーの一部としてSBR粒子を使用したことにより、実施例2-1に比較して主絶縁層の厚さが大きくなった。エナメル被覆の成膜性を評価したところ、合格であった。また、エナメル被覆の可撓性を評価したところ、合格であった。
これらの結果から、フィラーを含有する主絶縁層と、該主絶縁層の直内層に形成されフィラーを含有しない延性補助層とを組み合わせた実施例2-2は、実施例1-3と同様に、エナメル被覆の可撓性を犠牲にすることなくワニスの塗布・焼付工程の繰り返し回数を低減しながら厚膜化できることが確認された。試料作製条件と測定評価結果とを表4に併記する。
(実施例2-3の作製と評価)
比較例2-1の低濃度PAIワニスをベースとし、該ワニス85質量部に対して8質量部のPI粒子(宇部興産株式会社製、UIP-R、平均一次粒径10〜15μm)と、5質量部のSBR粒子(ダウケミカル日本株式会社製、BTA731、平均一次粒径0.6μm)と、1質量部のシリカ粒子(株式会社龍森製、XJ-7、平均粒径6.3μm)と、1質量部のマイカ粒子(株式会社ヤマグチマイカ製、SJ-005、平均粒径5μm)とを添加し、自公転ミキサにより撹拌混合して主絶縁層用のフィラー添加PAIワニスを用意した。
その後、実施例2-1と同様にして、比較例1-1と同じ低濃度PIワニスを銅板(100 mm×100 mm×1 mm)上に1回の塗布・焼付(250℃で3分間保持)を行って、一層目の内側延性補助層を形成した。次に、同じくバーコータ(塗布ギャップ100μm)を用いて、上記のフィラー添加PAIワニスを該内側延性補助層上に1回の塗布・焼付(250℃で3分間保持)を行って、二層目の主絶縁層を形成した。以上の工程により、第2実施形態に係る実施例2-3のエナメル線疑似試料を得た。
測定評価の結果、内側延性補助層の厚さは10μmであり、主絶縁層の厚さは35μmであり、エナメル被覆の合計厚さは45μmであった。フィラーの一部としてSBR粒子を使用したことにより、実施例2-1に比較して主絶縁層の厚さが大きくなった。エナメル被覆の成膜性を評価したところ、合格であった。また、エナメル被覆の可撓性を評価したところ、合格であった。
これらの結果から、フィラーを含有する主絶縁層と、該主絶縁層の直内層に形成されフィラーを含有しない延性補助層とを組み合わせた実施例2-3は、実施例1-3と同様に、エナメル被覆の可撓性を犠牲にすることなくワニスの塗布・焼付工程の繰り返し回数を低減しながら厚膜化できることが確認された。試料作製条件と測定評価結果とを表4に併記する。
(実施例3-1の作製と評価)
実施例3のシリーズでは、第3実施形態に係るエナメル線疑似試料を作製した。バーコータ(塗布ギャップ100μm)を用いて、比較例1-1と同じ低濃度PIワニスを銅板(100 mm×100 mm×1 mm)上に1回の塗布・焼付(250℃で3分間保持)を行って、一層目の内側延性補助層を形成した。次に、同じくバーコータ(塗布ギャップ100μm)を用いて、実施例2-2と同じフィラー添加PAIワニスを該内側延性補助層上に1回の塗布・焼付(250℃で3分間保持)を行って、二層目の主絶縁層を形成した。さらに、同じくバーコータ(塗布ギャップ100μm)を用いて、比較例2-1と同じ低濃度PAIワニスを該主絶縁層上に1回の塗布・焼付(250℃で3分間保持)を行って、三層目の外側延性補助層を形成した。以上の工程により、第3実施形態に係る実施例3-1のエナメル線疑似試料を得た。
測定評価の結果、内側延性補助層の厚さは10μmであり、主絶縁層の厚さは35μmであり、外側延性補助層の厚さは15μmであり、エナメル被覆の合計厚さは60μmであった。エナメル被覆の成膜性を評価したところ、合格であった。また、エナメル被覆の可撓性を評価したところ、合格であった。
これらの結果から、フィラーを含有する主絶縁層と、該主絶縁層の直内層および直外層に形成されフィラーを含有しない延性補助層とを組み合わせた実施例3-1は、実施例1-3や実施例2-2と同様に、エナメル被覆の可撓性を犠牲にすることなくワニスの塗布・焼付工程の繰り返し回数を低減しながら厚膜化できることが確認された。試料作製条件と測定評価結果とを表4に併記する。
Figure 0006589783
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なお、本明細書に記載した実施形態や実施例は、本発明の理解を助けるために説明したものであり、本発明は、記載した具体的な構成のみに限定されるものではない。例えば、ある実施形態の構成の一部を当業者の技術常識の構成で置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に当業者の技術常識の構成を加えることも可能である。すなわち、本発明は、本明細書の実施形態や実施例の構成の一部について、削除・他の構成に置換・他の構成の追加をすることが可能である。
10,10’,20,20’,30,30’…エナメル線、1,1’…金属導体線、
2,2’,2”…エナメル被覆、3…主絶縁層、4,4’…延性補助層、5…フィラー、
6…ステータコア、7…スロット、40…コイル、50…固定子。

Claims (13)

  1. 金属導体線の外周にエナメル被覆が形成されているエナメル線であって、
    前記エナメル被覆は、イミド系樹脂を主成分としフィラーを含有する主絶縁層と、該主絶縁層の直内層および直外層の少なくとも一方に形成されイミド系樹脂を主成分としフィラーを含有しない延性補助層とを有し、
    前記フィラーは、前記主絶縁層に対して0.2以上0.5以下の質量比率で含有しており、該フィラーの質量比率0.5以上がイミド系樹脂粒子であることを特徴とするエナメル線。
  2. 請求項1に記載のエナメル線において、
    前記主絶縁層、前記延性補助層および前記フィラーのイミド系樹脂は、それぞれポリイミド、ポリアミドイミド、およびポリエステルイミドのいずれかであることを特徴とするエナメル線。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のエナメル線において、
    前記フィラーは、シリコーンゴムまたはスチレンブタジエンゴムからなるゴム粒子を更に含むことを特徴とするエナメル線。
  4. 請求項3に記載のエナメル線において、
    前記フィラーは、ケイ素酸化物粒子および無機化合物の鱗片状粒子の少なくとも一方からなる無機物粒子を更に含むことを特徴とするエナメル線。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のエナメル線において、
    前記フィラーの平均粒子径が、0.1μm以上20μm以下であることを特徴とするエナメル線。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のエナメル線において、
    前記主絶縁層は、前記エナメル被覆の中で最大厚さを有する層であることを特徴とするエナメル線。
  7. 請求項1に記載のエナメル線の製造方法であって、
    イミド系樹脂が主成分となる樹脂組成物からなる主絶縁層用ワニスを前記金属導体線の外周に塗布・焼付して前記主絶縁層を形成する主絶縁層形成工程と、
    イミド系樹脂が主成分となる樹脂組成物からなる延性補助層用ワニスを前記主絶縁層の直内層および直外層の少なくとも一方に塗布・焼付して前記延性補助層を形成する延性補助層形成工程とを有し、
    前記主絶縁層用ワニスは、前記イミド系樹脂の基となる固形分100質量部に対して25質量部以上100質量部以下の範囲で前記フィラーを含有し、
    前記フィラーは、その質量比率0.5以上がイミド系樹脂粒子であることを特徴とするエナメル線の製造方法。
  8. 請求項7に記載のエナメル線の製造方法において、
    前記主絶縁層、前記延性補助層および前記フィラーのイミド系樹脂は、それぞれポリイミド、ポリアミドイミド、およびポリエステルイミドのいずれかであることを特徴とするエナメル線の製造方法。
  9. 請求項7又は請求項8に記載のエナメル線の製造方法において、
    前記フィラーは、シリコーンゴムまたはスチレンブタジエンゴムからなるゴム粒子を更に含むことを特徴とするエナメル線の製造方法。
  10. 請求項9に記載のエナメル線の製造方法において、
    前記フィラーは、ケイ素酸化物粒子および無機化合物の鱗片状粒子の少なくとも一方からなる無機物粒子を更に含むことを特徴とするエナメル線の製造方法。
  11. 請求項7乃至請求項10のいずれか一項に記載のエナメル線の製造方法において、
    前記フィラーの平均粒子径が、0.1μm以上20μm以下であることを特徴とするエナメル線の製造方法。
  12. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のエナメル線を用いてコイル巻線されたことを特徴とするコイル。
  13. 請求項12に記載のコイルを用いたことを特徴とする電機部品。
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