JP2006304567A - ティース、モータ、ロータの製造方法およびステータの製造方法 - Google Patents

ティース、モータ、ロータの製造方法およびステータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ティースの一部を折り曲げ可能な構成とすることで、トルク性能の向上と、コギングトルクの低減と、ティースまわりのコイルの容易な形成を同時に図ることのできるティースと、該ティースをロータまたはステータに備えてなるモータ、ロータの製造方法およびステータの製造方法を提供する。
【解決手段】 DCモータ1を構成する、積層鋼板からなるロータ2のうち、その最外縁の鋼板2bのティース21の先端に設けられた拡幅部22bを第一の折り曲げ部23を中心にロータ2の軸心方向に折り曲げることによって該ロータ2の長さを永久磁石4の長さ以上とする。さらに、ティースまわりにコイルを形成する際には、拡幅部22の両端付近を第二の折り曲げ部24,24を中心に折り曲げることにより、コイル形成作業を容易ならしめ、コイル形成後は、隣接する拡幅部間の隙間を可及的に狭くするものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、モータのロータまたはステータを構成し、放射状に延設してなるティースとモータ、およびロータの製造方法およびステータの製造方法に係り、特に、ティースの一部を折り曲げ可能な構成とすることで、トルク性能の向上と、コギングトルクの低減と、ティースまわりのコイルの容易な形成を同時に図ることのできるティースと、該ティースをロータまたはステータに備えてなるモータ、ロータの製造方法およびステータの製造方法に関するものである。
例えば従来のインナーロータ型モータにおいては、該ロータが複数の放射状に伸びるティースを備えた電磁鋼板を積層して形成されており(積層鋼板)、このロータを囲繞する円筒状のステータが、その内壁面に複数の磁石(例えば永久磁石)を装着して構成されている。そして、特にDCモータにおいては、磁石の軸心方向の長さは、少なくとも積層鋼板の長さ以上となるように設定されている。図9は、従来のDCモータを示した縦断図であるが、DCモータaを構成するステータbの内壁面に複数の永久磁石c,c,…が貼着されており、その内部に積層鋼板からなるロータdが回転可能に装着されており、該積層鋼板に設けられたティースのまわりにコイルeが形成されている。ここで、永久磁石cは積層鋼板の両端部からそれぞれ長さtだけ長めに設定されている。これは、ロータの設置精度に誤差が生じても(ロータの軸心方向における設置精度の誤差)、長めに設定されている磁石の長さ範囲内にロータが収容されることにより、無効磁束の発生を防止ならしめるためである。
上記するように磁石の長さがロータの積層鋼板長さよりも長い構成の場合には、双方の長さの差分(以下、オーバーハング部とする)に対応した磁石の磁束がモータトルクに有効に使用されていないという問題が生じる。すなわち、磁石からの磁束は、電磁鋼板のティースの先端からロータ内部に入射することがモータのトルク性能にとって重要であり、積層鋼板の端部から回り込むようにロータ内に入ってきた磁束はモータトルクにほとんど寄与しない。
上記する問題を解決するためのブラシレスモータに関する発明が特許文献1に開示されている。かかるブラシレスモータでは、ステータコアの軸方向長さをロータに装着された磁石の軸方向長さよりも長くし、より詳細には、ステータコアのオーバーハング部を0.5〜8mm程度とすることで、コギングトルクの低減を図ろうとするものである。
特開2004−194489号公報
特許文献1に開示のブラシレスモータによれば、ステータコアの軸方向長さをロータに装着された磁石の軸方向長さよりも長くすることにより、コギングの低減を図ることができる。しかし、ロータを構成する電磁鋼板が従来に比べて余分に必要となることからモータの製造コストが増加するといった問題や、ティース先端の拡幅部の存在により、ティースまわりに導線を集中巻きまたは分布巻きすることでコイルを形成する際にこの拡幅部が障害となってコイルの効率的な形成が阻害されるといった問題がある。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、モータの製造コストを増加させることなく、また、ティースまわりにコイルを成形する際にティース先端の拡幅部が障害となることなく、さらには、モータのトルク性能の向上とコギングトルクの低減に寄与できるティースと、該ティースをステータまたはロータに備えてなるモータ、およびロータの製造方法とステータの製造方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明によるティースは、モータのロータまたはステータを構成し、放射状に延設してなるティースであって、前記ティースは、複数の鋼板が積層された積層鋼板から構成されており、該積層鋼板の最外縁に配設された2つの鋼板のティースは、その先端が積層鋼板の軸心方向に折り曲げ可能に形成されていることを特徴とする。なお、かかる鋼板としては公知の電磁鋼板を使用することができる。
インナーロータ型のモータであっても、ロータが、中央のシャフト孔を中心に放射状に伸びる複数のティースを備えた形状の鋼板を積層して形成され、このティースに導線からなるコイルが形成されることでロータが構成され、該ロータを囲繞する円筒状のステータの内壁面に複数の永久磁石が装着されてなる形態や、逆に、ロータの表面または内部に永久磁石が貼着または埋め込まれていて、該ロータを囲繞する円筒状のステータがバックヨークからロータ側に放射状に突出する複数のティースを備えた形態などがある。本発明のティースは、いずれの形態であってもよいし、さらには、ロータがステータの外側に配設されたアウターロータ型のモータに適用されてもよい。
例えば、ロータにティースが設けられた形態を例に説明すると、該ティース(ロータ)は、所定の軸心方向長さとなるように複数の鋼板が積層され、この積層鋼板の最外縁の鋼板からなるティースのみが、その先端部分を折り曲げ可能に形成されている。
一方、お互いに対向するティースを備えた積層鋼板と磁石(永久磁石)の双方の軸心方向長さは、既述するように、磁石の軸心方向長さが相対的に長くなるようにモータが構成されている。かかる形態は、DCモータに多い。上記するように、積層鋼板の最外縁の鋼板を構成するティースの先端が、該積層鋼板の軸心方向に折り曲げられることにより(軸心方向長さが長くなるように双方のティースの先端が折り曲げられる)、該最外縁の鋼板のティースのうち、折り曲げられた先端から先端までの長さ(ロータの軸心方向の長さ)が、少なくとも永久磁石の軸心方向の長さ以上となるように構成されることで、従来のモータにおける課題、すなわち、永久磁石のオーバーハング部からの磁束を有効にロータに取り込むことができ、モータのトルク性能を向上させることが可能となる。さらに、ロータを構成する鋼板の積層数量を増大させるものではないため、ロータ製造コストを増大させるといった問題も同時に解消することができる。
また、本発明によるティースの他の実施形態において、積層鋼板の最外縁に配設された2つの前記鋼板のティースは、その先端に拡幅部を備えており、該拡幅部を積層鋼板の軸心方向に折り曲げるための第一の折り曲げ部が該ティースに設けられており、該第一の折り曲げ部に直交する方向に伸びる第二の折り曲げ部が該拡幅部に設けられており、ティースのまわりにコイルを形成する際には、第二の折り曲げ部を中心に拡幅部の両端部付近を折り曲げることによって隣接するティースの拡幅部間の離隔を広げることができ、コイルが形成された際には、拡幅部の両端部付近を折り返すことによって隣接するティースの拡幅部間の離隔を可及的に狭くできるようにしたことを特徴とする。
ティースの先端には、通常、コギングトルクの低減や渦電流の発生を防止する目的から、コイルに磁束が直接入射しないように同材質(例えば電磁鋼板)の拡幅部がティースに一体成形されている。積層鋼板のティースのまわりにコイルが形成された際には、この拡幅部にてコイルが対向する永久磁石に直接対向しないため、永久磁石からの磁束はこの拡幅部からロータ鉄心内に入射することとなる。
本発明のティース(積層鋼板の最外縁に配設される鋼板を構成するティース)は、既述するように、その先端(ここでは拡幅部)が積層鋼板の軸心方向に折り曲げ可能となるように折り曲げ部(第一の折り曲げ部)が設けられており、さらに、この拡幅部には、その両端部がティースの軸心方向に折り曲げ可能となるような2つの折り曲げ部(第二の折り曲げ部)が設けられた構成となっている。このように、拡幅部の両端付近がティースの軸心方向に折り曲げられることにより、拡幅部間の隙間を一時的に広げることができ、ティースまわりにニードル等により導線を巻きまわしてコイルを形成する際の作業効率の向上を図ることができる。ティースまわりにコイルを形成した後は、第二の折り曲げ部を中心に拡幅部の両端部を折り返し、コイルが永久磁石に直接対向しないようにすればよい。また、隣接するティースの拡幅部の両端部の間の隙間は、可及的に狭くなるように構成されることが望ましい。拡幅部同士の幅が広いと、磁気抵抗の変化も大きくなり、かかる磁気抵抗の変化がコギングトルクの発生の大きな原因となるためである。一方、双方の隙間を無くすことは、磁石とロータとの間の磁気回路の構成を阻害することとなる(ロータの内部で磁束が回転することとなる)。したがって、出きる限り狭い拡幅部間の隙間を形成させることで、コギングトルクの発生を抑止することができる。
また、本発明によるティースの他の実施形態において、前記最外縁に配設された2つの鋼板以外の鋼板のティースの先端に設けられた拡幅部の両端部付近においても、該最外縁に配設された2つの鋼板のティースに設けられた拡幅部と同様に第二の折り曲げ部が設けられており、ティースのまわりにコイルを形成する際には、第二の折り曲げ部を中心に積層鋼板を構成するすべての鋼板の拡幅部の両端部付近を折り曲げることによって隣接するティースの拡幅部間の離隔を広げることができ、コイルが形成された際には、拡幅部の両端部付近を折り返すことによって隣接するティースの拡幅部間の離隔を可及的に狭くできるようにしたことを特徴とする。
本発明は、積層鋼板の最外縁の鋼板を構成するティースの拡幅部のみならず、積層鋼板を構成するすべての鋼板を構成するティースの拡幅部の両端付近が折り曲げ可能に構成したものであり、かかる構成とすることで、積層鋼板の軸心方向にわたって、隣接する拡幅部間の隙間をすべて可及的に狭めることができ、コギングトルクの抑制効果をさらに高めることに繋がる。
また、本発明によるモータは、前記ティースと、該ティースのまわりに形成されたコイルとからなるロータと、該ロータを囲繞するとともに該ティースに対向する磁石を備えてなるステータと、からなるモータであって、積層鋼板の最外縁に配設された2つの鋼板のティースの先端を折り曲げた際の積層鋼板の軸心方向の長さが、少なくとも前記磁石の軸心方向の長さ以上となることを特徴とする。
本発明のモータは、中央のシャフト孔を中心に放射状に伸びる複数のティースを備えた形状の鋼板を積層して形成され、このティースに導線からなるコイルが形成されることでロータが構成され、該ロータを囲繞する円筒状のステータの内壁面に複数の永久磁石が装着されてなるインナーロータ型のモータである。なお、該モータは、DCモータ(ブラシレスモータを含む)や、ステッピングモータ、同期モータ、インダクションモータなど、適宜のモータを対象としている。
積層鋼板の最外縁の鋼板を構成するティースの先端をそれぞれ折り曲げ、折り曲げられた先端から先端までのロータの軸心方向の長さが、少なくとも永久磁石の軸心方向の長さ以上となるように構成されることで、永久磁石のオーバーハング部からの磁束を有効にロータに取り込み、モータのトルク性能を向上させることができる。また、既述するように、ロータの最外縁の鋼板を構成するティースの先端に設けられた隣接拡幅部間の隙間を可及的に狭くすることにより、モータの騒音や振動の原因となるコギングトルクを低減することもできる。なお、発明者等の解析によれば、本発明のティースを備えたDCモータとすることで、そのトルク性能は従来の同格モータに比して10%程度向上し、コギングトルクを5%程度低減させることができることが分かっている。尤も、かかるコギングトルクの低減の程度は、積層鋼板の軸心方向長さに依存することを付言しておく。
また、本発明によるモータの他の実施形態は、前記ティースと、該ティースのまわりに形成されたコイルとからなるステータと、該ステータの内部に配設され、その内部またはその表面に磁石を備えてなるロータと、からなるモータであって、積層鋼板の最外縁に配設された2つの鋼板のティースの先端を折り曲げた際の積層鋼板の軸心方向の長さが、少なくとも前記磁石の軸心方向の長さ以上となることを特徴とする。
本発明のモータは、ロータの表面または内部に永久磁石が貼着または埋め込まれていて、該ロータを囲繞する円筒状のステータがバックヨークからロータ側に放射状に突出する複数のティースを備えたインナーロータ型のモータであり、上記モータと同様に、DCモータやステッピングモータ、同期モータ、インダクションモータなどを対象としている。
また、本発明によるロータの製造方法は、複数の鋼板が積層された積層鋼板から構成され、該積層鋼板の最外縁に配設された2つの鋼板のティースがその先端に拡幅部を備えており、該拡幅部を積層鋼板の軸心方向に折り曲げるための第一の折り曲げ部が該ティースに設けられており、該第一の折り曲げ部に直交する方向に伸びる第二の折り曲げ部が該拡幅部に設けられてなる積層鋼板からなるロータの製造方法であって、積層鋼板の最外縁に配設された2つの鋼板のティースの拡幅部を、前記第一の折り曲げ部を中心に軸心方向に折り曲げて、該積層鋼板の軸心方向長さが前記ロータに対向するように配設されるステータ側に装着された磁石の軸心方向長さ以上となるようにし、前記第二の折り曲げ部を中心に拡幅部の両端付近を折り曲げ、隣接するティースの拡幅部間の離隔を広げた後にティースのまわりにコイルを形成し、拡幅部の両端付近を折り返して隣接するティースの拡幅部間の離隔を可及的に狭くすることを特徴とする。
本発明は、既述する折り曲げ部を有するティースが備えられたロータを製造する方法であり、例えば、ブラシ付きのDCモータを構成するロータの製造に好適である。
また、本発明によるロータの製造方法の他の実施形態において、前記第二の折り曲げ部が、積層鋼板を構成するすべての鋼板のティースの拡幅部に設けられており、コイルをティースまわりに形成する際にはすべての鋼板の拡幅部の両端付近を該第二の折り曲げ部を中心に折り曲げ、コイル形成後は、すべての鋼板の拡幅部の両端付近を折り返すことを特徴とする。
また、本発明によるステータの製造方法は、複数の鋼板が積層された積層鋼板から構成され、該積層鋼板の最外縁に配設された2つの鋼板のティースがその先端に拡幅部を備えており、該拡幅部を積層鋼板の軸心方向に折り曲げるための第一の折り曲げ部が該ティースに設けられており、該第一の折り曲げ部に直交する方向に伸びる第二の折り曲げ部が該拡幅部に設けられてなる積層鋼板からなるステータの製造方法であって、積層鋼板の最外縁に配設された2つの鋼板のティースの拡幅部を、前記第一の折り曲げ部を中心に軸心方向に折り曲げて、該積層鋼板の軸心方向長さが前記ステータに対向するように配設されるロータ側に装着された磁石の軸心方向長さ以上となるようにし、前記第二の折り曲げ部を中心に拡幅部の両端付近を折り曲げ、隣接するティースの拡幅部間の離隔を広げた後にティースのまわりにコイルを形成し、拡幅部の両端付近を折り返して隣接するティースの拡幅部間の離隔を可及的に狭くすることを特徴とする。
本発明は、既述する折り曲げ部を有するティースが備えられたステータを製造する方法であり、例えば、ブラシレスDCモータを構成するステータの製造に好適である。
さらに、本発明によるステータの製造方法の他の実施形態において、前記第二の折り曲げ部が、積層鋼板を構成するすべての鋼板のティースの拡幅部に設けられており、コイルをティースまわりに形成する際にはすべての鋼板の拡幅部の両端付近を該第二の折り曲げ部を中心に折り曲げ、コイル形成後は、すべての鋼板の拡幅部の両端付近を折り返すことを特徴とする。
以上の説明から理解できるように、本発明のティースおよび該ティースをロータまたはステータに備えたモータ、ロータの製造方法、ステータの製造方法によれば、ロータまたはステータを構成する積層鋼板の最外縁の鋼板のティースの先端(拡幅部)を軸心方向に折り曲げ可能とすることで、該積層鋼板の軸心方向長さを少なくとも永久磁石の軸心方向長さ以上とすることができ、したがって、永久磁石からの磁束を有効にロータまたはステータに取り込むことで、モータのトルク性能を向上させることができる。さらに、本発明のティースおよび該ティースをロータまたはステータに備えたモータ、ロータの製造方法、ステータの製造方法によれば、積層鋼板の最外縁の鋼板のティースの先端の拡幅部の両端部を折り曲げ可能としたことで、ティースまわりにコイルを形成し易くできる。さらに、コイル形成後は、該両端部を折り返して隣接する拡幅部間の隙間を可及的に狭くすることによって磁気抵抗の変化を少なくすることができ、結果としてコギングトルクの低減を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明のDCモータを示した斜視図を、図2は、ロータを構成する最外縁の鋼板の平面図であり、(a)はその一実施形態を、(b)はその他の実施形態を示した図を、図3は、図2aの鋼板の拡幅部を第一の折り曲げ部で折り曲げた斜視図を、図4は、図3の鋼板の拡幅部を第二の折り曲げ部で折り曲げた斜視図をそれぞれ示している。図5は、ロータの一実施形態の一部を示した斜視図を、図6は、ロータの他の実施形態の一部を示した斜視図をそれぞれ示している。図7,8は発明者等による解析結果を示したものであり、図7は、本発明と従来のDCモータのトルク比を、図8は、本発明と従来のDCモータのコギングトルク比をそれぞれ示したグラフである。なお、図示するモータはインナーロータ型のDCモータを示しているが、本発明のモータがかかる実施形態に限定されるものでないことは勿論のことであり、さらに、ロータのティースのまわりに形成されるコイルの図示は省略している。
図1は、DCモータ1を示しており、ステータの一部を破断して示している。中央に配設されたロータ2は、放射状に延設する複数のティース21,21,…と、その先端に一体成形された拡幅部22,22,…とから構成されてなる鋼板(例えば電磁鋼板)が複数積層された積層鋼板から形成されている。ここで、積層鋼板は、一般部2a,2a,…と、最外縁に配設される最外縁部2b,2bとが一体化されている。ロータ2を囲繞するように円筒状のステータ3が設けられており、このステータ3の内壁面には複数の永久磁石4,4,…が貼着されている。図示しないコイルがティース21のまわりに形成され、コイルに順次印加される電流によってロータ2にはN極とS極が形成され、ロータ2の回転位置に応じて励磁される該N極とS極と永久磁石4,4,…とが引き合うことによってロータ2の回転が可能となる。
ロータ2の最外縁部2bの鋼板のティース21には、拡幅部22bを該ロータ2の軸心方向に折り曲げるための第一の折り曲げ部23が設けられている。
図1に示すDCモータ1では、最外縁部2bの鋼板の拡幅部22b,22bがそれぞれロータ2の軸心方向に折り曲げられることにより、ロータ2の軸心方向長さt2が永久磁石4の軸心方向長さt1以上となるように構成されている。すなわち、最外縁部2bの拡幅部22b,22bを折り曲げない状態では、永久磁石4の軸心方向長さの方が長くなるように設定されていて、ロータ2の設置精度に誤差が生じても、該ロータ2が永久磁石4の長さ範囲内に収容されるようになっており、最外縁部2bの拡幅部22b,22bを折り曲げることによって永久磁石4の軸心方向長さt1以上となるものである。
また、積層鋼板を構成する一般部2a,2a,…と最外縁部2b,2bの両端付近には、軸心方向に伸びる第二の折り曲げ部24,24が設けられており、この第二の折り曲げ部24で拡幅部の端部を折り曲げることによって、隣接するティースの拡幅部間の隙間を広げることを可能としている。これは、スロット内に導線を挿入しながらティースまわりにコイルを形成する際の作業効率を高めるために設けられた折り曲げ部であり、コイル形成後は、図示するように元の状態に折り返すことにより、可及的に狭い拡幅部間の隙間を備えた姿勢でロータ2が形成されることとなる。
図2aは、鋼板の最外縁部2bを折り曲げる前の平面図を示したものであり、各ティースには、拡幅部22bを折り曲げるための第一の折り曲げ部23が設けられており、さらに、拡幅部22bの両端付近には第二の折り曲げ部24,24が設けられている。なお、この折り曲げ部は、他の部分に比して、鋼板の厚みが若干薄く成形されていることによって折り曲げ易い構造とされているなど、適宜の折り曲げ構造とすることができる。図2bは、拡幅部22bに複数のスリット25,25,…が穿設された実施形態を示している。この拡幅部22bは、第一の折り曲げ部23を中心に折り曲げられることにより磁石と対向する面積が比較的広範囲となり、渦電流等による熱損失が生じ易くなる。そこで、図示するような複数のスリット25,25,…にて拡幅部22bの側部を縁切りさせることで、該拡幅部22bの剛性を確保した状態で、熱損失の低減を図ることが可能となる。
図3は、第一の折り曲げ部23にて拡幅部22bを折り曲げた状態の最外縁部2bを示している。また、図4は、さらに第二の折り曲げ部24にて拡幅部22bの端部を折り曲げて、隣接するティースの拡幅部22b,22b間の隙間を広げた状態を示している。拡幅部22b,22b間の隙間を広げることにより、コイルの形成作業を容易ならしめることができる。
図5は、ロータ2を構成する積層鋼板のうち、最外縁部2b,2bの両端付近のみを折り曲げ可能としたロータの実施形態である。最外縁部2bの拡幅部22b,22b間の隙間のみを幅tに広げるだけでも、コイルの形成作業が容易となる。
一方、図6は、ロータ2を構成するすべての鋼板の拡幅部の両端付近を折り曲げ可能とした実施形態であり、コイルの形成作業をより効率的なものとすることができる。なお、図5,6の実施形態ともに、コイル形成後に拡幅部の両端を折り返した際の拡幅部間の隙間はできるだけ幅が狭くなるように設定することにより、モータのコギングトルクを低減することが可能となる。
図7,8は、本発明と従来のDCモータを同格に製造した際のトルク比とコギングトルク比を示した解析結果である。図7,8ともに、Xは従来のDCモータを、Yは本発明のティースを備えてなるDCモータを示している。
図7より、従来のモータに対して本発明のモータは、10%程度のトルクの向上が見込まれることが分かり、図8より、従来に比してコギングトルクを5%程度低減できることが見て取れる。
本発明のティースをロータ(またはステータ)に備えてなるモータによれば、積層鋼板を構成する鋼板の数量を増加させることなく永久磁石からの磁束を有効に取り込むことが可能となること、ティースのまわりのコイル形成作業を容易とできること、さらには、コギングトルクを低減できることから、モータの製造コストの低減とその性能の向上の双方を同時に満足させることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明のDCモータを示した斜視図。 ロータを構成する最外縁の鋼板の平面図であり、(a)はその一実施形態を、(b)はその他の実施形態を示した図。 図2aの鋼板の拡幅部を第一の折り曲げ部で折り曲げた斜視図。 図3の鋼板の拡幅部を第二の折り曲げ部で折り曲げた斜視図。 ロータの一実施形態の一部を示した斜視図。 ロータの他の実施形態の一部を示した斜視図。 本発明と従来のDCモータのトルク比を示した解析結果。 本発明と従来のDCモータのコギングトルク比を示した解析結果。 従来のDCモータの縦断図。
符号の説明
1…DCモータ、2…ロータ、2a…鋼板(一般部)、2b…鋼板(最外縁部)、21…ティース、22,22a,22b…拡幅部、23…第一の折り曲げ部、24…第二の折り曲げ部、3…ステータ、4…永久磁石

Claims (9)

  1. モータのロータまたはステータを構成し、放射状に延設してなるティースであって、
    前記ティースは、複数の鋼板が積層された積層鋼板から構成されており、該積層鋼板の最外縁に配設された2つの鋼板のティースは、その先端が積層鋼板の軸心方向に折り曲げ可能に形成されていることを特徴とするティース。
  2. 積層鋼板の最外縁に配設された2つの前記鋼板のティースは、その先端に拡幅部を備えており、該拡幅部を積層鋼板の軸心方向に折り曲げるための第一の折り曲げ部が該ティースに設けられており、該第一の折り曲げ部に直交する方向に伸びる第二の折り曲げ部が該拡幅部に設けられており、ティースのまわりにコイルを形成する際には、第二の折り曲げ部を中心に拡幅部の両端付近を折り曲げることによって隣接するティースの拡幅部間の離隔を広げることができ、コイルが形成された際には、拡幅部の両端付近を折り返すことによって隣接するティースの拡幅部間の離隔を可及的に狭くできるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のティース。
  3. 前記最外縁に配設された2つの鋼板以外の鋼板のティースの先端に設けられた拡幅部の両端付近においても、該最外縁に配設された2つの鋼板のティースに設けられた拡幅部と同様に第二の折り曲げ部が設けられており、ティースのまわりにコイルを形成する際には、第二の折り曲げ部を中心に積層鋼板を構成するすべての鋼板の拡幅部の両端付近を折り曲げることによって隣接するティースの拡幅部間の離隔を広げることができ、コイルが形成された際には、拡幅部の両端付近を折り返すことによって隣接するティースの拡幅部間の離隔を可及的に狭くできるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のティース。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のティースと、該ティースのまわりに形成されたコイルとからなるロータと、該ロータを囲繞するとともに該ティースに対向する磁石を備えてなるステータと、からなるモータであって、
    積層鋼板の最外縁に配設された2つの鋼板のティースの先端を折り曲げた際の積層鋼板の軸心方向の長さが、少なくとも前記磁石の軸心方向の長さ以上となることを特徴とするモータ。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のティースと、該ティースのまわりに形成されたコイルとからなるステータと、該ステータの内部に配設され、その内部またはその表面に磁石を備えてなるロータと、からなるモータであって、
    積層鋼板の最外縁に配設された2つの鋼板のティースの先端を折り曲げた際の積層鋼板の軸心方向の長さが、少なくとも前記磁石の軸心方向の長さ以上となることを特徴とするモータ。
  6. 複数の鋼板が積層された積層鋼板から構成され、該積層鋼板の最外縁に配設された2つの鋼板のティースがその先端に拡幅部を備えており、該拡幅部を積層鋼板の軸心方向に折り曲げるための第一の折り曲げ部が該ティースに設けられており、該第一の折り曲げ部に直交する方向に伸びる第二の折り曲げ部が該拡幅部に設けられてなるロータの製造方法であって、
    積層鋼板の最外縁に配設された2つの鋼板のティースの拡幅部を、前記第一の折り曲げ部を中心に軸心方向に折り曲げて、該積層鋼板の軸心方向長さが前記ロータに対向するように配設されるステータ側に装着された磁石の軸心方向長さ以上となるようにし、前記第二の折り曲げ部を中心に拡幅部の両端付近を折り曲げ、隣接するティースの拡幅部間の離隔を広げた後にティースのまわりにコイルを形成し、拡幅部の両端付近を折り返して隣接するティースの拡幅部間の離隔を可及的に狭くすることを特徴とするロータの製造方法。
  7. 前記第二の折り曲げ部が、積層鋼板を構成するすべての鋼板のティースの拡幅部に設けられており、コイルをティースまわりに形成する際にはすべての鋼板の拡幅部の両端付近を該第二の折り曲げ部を中心に折り曲げ、コイル形成後は、すべての鋼板の拡幅部の両端付近を折り返すことを特徴とする請求項6に記載のロータの製造方法。
  8. 複数の鋼板が積層された積層鋼板から構成され、該積層鋼板の最外縁に配設された2つの鋼板のティースがその先端に拡幅部を備えており、該拡幅部を積層鋼板の軸心方向に折り曲げるための第一の折り曲げ部が該ティースに設けられており、該第一の折り曲げ部に直交する方向に伸びる第二の折り曲げ部が該拡幅部に設けられてなるステータの製造方法であって、
    積層鋼板の最外縁に配設された2つの鋼板のティースの拡幅部を、前記第一の折り曲げ部を中心に軸心方向に折り曲げて、該積層鋼板の軸心方向長さが前記ステータに対向するように配設されるロータ側に装着された磁石の軸心方向長さ以上となるようにし、前記第二の折り曲げ部を中心に拡幅部の両端付近を折り曲げ、隣接するティースの拡幅部間の離隔を広げた後にティースのまわりにコイルを形成し、拡幅部の両端付近を折り返して隣接するティースの拡幅部間の離隔を可及的に狭くすることを特徴とするステータの製造方法。
  9. 前記第二の折り曲げ部が、積層鋼板を構成するすべての鋼板のティースの拡幅部に設けられており、コイルをティースまわりに形成する際にはすべての鋼板の拡幅部の両端付近を該第二の折り曲げ部を中心に折り曲げ、コイル形成後は、すべての鋼板の拡幅部の両端付近を折り返すことを特徴とする請求項8に記載のステータの製造方法。
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