JP5343654B2 - 緑色着色組成物、それを用いたカラーフィルタおよび液晶表示装置 - Google Patents

緑色着色組成物、それを用いたカラーフィルタおよび液晶表示装置 Download PDF

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本発明は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含み、熱硬化性材料としてメラミン化合物を含有した緑色画素を有するカラーフィルタ、およびこのカラーフィルタを備えた液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、液晶分子の持つ複屈折性を利用した表示素子であり、液晶セル、偏光素子および光学補償層から構成される。液晶表示装置は光源の種類により、光源を内部に有する構造である透過型と、外部の光源を利用する構造である反射型の2つに大別される。透過型液晶表示装置では、二枚の偏光素子を液晶セルの両側に取り付け、一枚または二枚の光学補償層を液晶セルと偏光素子との間に配置した構成からなる。また、反射型液晶表示装置では、反射板、液晶セル、一枚の光学補償層、そして一枚の偏光素子の順に配置する。液晶セルには、二枚の基板に狭持された棒状液晶性分子が配向して封入されており、二枚の基板の両側もしくは片側に配置された電極層に電圧を加えることにより、棒状液晶性分子の配向状態を変化させて光の透過/遮光をスイッチングするしくみとなっている。
前記液晶セルは、棒状液晶性分子の配向状態の違いで、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensated Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。
偏光素子は、一般に、ポリビニルアルコール(以下、PVAと称する)にヨウ素を拡散して延伸した偏光膜の両側にトリアセチルセルロース(以下、TACと称する)からなる二枚の透明保護膜を取り付けた構成を有する。
近年、液晶表示装置は、その薄型ゆえの省スペース性や軽量性、また省電力性などが評価されテレビ視聴機としても急速な広がりを見せると同時に、輝度、コントラストや全方位の視認性などの表示性能をより高めることが強く要求されるようになっている。
具体的には、テレビ用途としては、より高コントラスト、広視野角表示が可能なノーマリーブラックモードのIPSやVAの液晶表示装置が特に好まれて使用されることが多く、上述した光学補償層も、正面から見た時の黒表示時の色付きや、斜めから見たときの色変化が最小となるように最適な値に設計されたものが使用されることがほとんどであった。
また、薄型化や高速応答化の観点から、カラーフィルタと対向基板との間のセルギャップが狭まる傾向にあり、セルの面積当たりの液晶量が少なくなってきた。
ここで、例えば、特許文献1、特許文献2で対策が提案されているように、液晶セル化後に、カラーフィルタ中の不純物の液晶中への溶出が起こり、不純物イオンによるイオン電流が流れる結果、液晶の電圧保持率を低下させる問題が生じる。液晶の電圧保持率低下に伴いコントラストも低下し、表示ムラ、焼き付け等の表示不良を引き起こすことが知られている。特に、高透過、高濃度、高速応答の液晶表示装置で大きな問題になっている。
一方、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料から得られたカラーフィルタの緑色画素部は、従来のハロゲン化銅フタロシアニン顔料から得た緑色画素よりも更に黄味の緑色と優れた明るさを示すことが知られている。しかしながら、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は液晶中へ溶出しやすい性質であるため、液晶の電圧保持率を低下させるという問題がある。
特開2000−292920号公報 特開2002−311228号公報
本発明は、係る技術的問題点に鑑みてなされたものであり、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含有した緑色画素を有するカラーフィルタであって、特に、IPSモード液晶表示装置において、電圧保持率の低下を抑え、画像再現性が良好で安定した画像表示を可能とするカラーフィルタ及びそれを備えた液晶表示装置を提供することを課題としている。
本発明の請求項1に係る発明は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料、顔料担体、光重合開始剤、熱硬化性樹脂、および有機溶剤を含む緑色着色組成物であって、前記熱硬化性樹脂がメラミン化合物、又はメラミン樹脂及びメラミン化合物を含み、前記メラミン化合物は、(1)メラミン樹脂とイソシアネート基を含有する化合物とを反応させて得られたメラミン化合物、(2)メラミン樹脂とイソシアネート基を含有する化合物とを反応させた後、更に酸無水物を反応させて得られたメラミン化合物、又は(3)メラミン樹脂と酸無水物とを反応させて得られたメラミン化合物であり、かつ、該メラミン化合物の含有量が全固形分中の12質量%から17.7質量%の範囲であることを特徴とする緑色着色組成物である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記メラミン化合物の質量平均分子量が2500以上で、固形分酸価が3〜60mgKOH/gであることを特徴とする請求項1に記載する緑色着色組成物である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記メラミン化合物の単体が下記構造式(I)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載する緑色着色組成物である。
Figure 0005343654
次に、本発明の請求項4に係る発明は、少なくとも、赤色画素、緑色画素及び青色画素を配置したカラーフィルタにおいて、前記緑色画素が請求項1〜3のいずれか1項に記載する緑色着色組成物から形成されていることを特徴とするカラーフィルタである。
また、本発明の請求項5に係る発明は、請求項4に記載するカラーフィルタを用いたことを特徴とする液晶表示装置であって、測定温度60℃における電圧保持率が少なくとも95%以上であることを特徴とする液晶表示装置である。
本発明によると、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含有し、所定量の特定のメラミ
ン化合物を含む熱硬化性材料を配合した緑色着色組成物が提供される。かかる緑色着色組成物を用いて製造されたカラーフィルタでは、緑色画素中の不純物が、液晶セル化後に、この液晶中へ溶出することを防ぐことができる。その結果、不純物イオンによるイオン電流を抑制でき、液晶の電圧保持率を維持することができる。保持率低下に伴うコントラストの低下、表示ムラ、焼き付き現象(液晶画面で画像がいつまでも固定されて変化しない現象)等の表示不良を改善でき、高透過、高濃度、高速応答の液晶表示装置を提供することができる。本発明は特に、カラーフィルタの着色画素上にイオン流出のバリアとして働くITO透明導電膜を有しないIPSモード液晶表示装置において、電圧保持率の低下を抑え、画像再現性が良好で安定した画像表示を可能とするカラーフィルタ及びそれを備えた液晶表示装置を提供することができる。
液晶セルに印加する駆動電圧Vと電極間電位Vとの関係の説明図。 本発明の一実施形態に係る液晶表示装置を断面で説明する概略図。
本発明における電圧保持率(Voltage Holding Ratio :以下VHRと略す)は、液晶層に充電された電荷が1フレーム(16.7ms)の間にどれくらい保持されるかを示すものであり、式(1)で表される。図1に、液晶セルに印加する駆動電圧Vと電極間電位Vとの関係を示す。保持率測定用評価セルには、各フレーム毎に選択期間(selected period:本発明においては60μs)の間のみ所定の電圧Vが印加され、非選択期間(non selected period)の間電極間電位Vが観察される。
式(1) VHR=S1/(S1+S2)
これまでのところ、VHR低減のメカニズムは、大別して(イ)バルク液晶層のCR時定数(充電電荷=容量C×抵抗R)に基づくもの、(ロ)液晶−配向膜界面に吸着された液晶分子による配向分極、あるいはイオン性不純物等により界面に形成された電気二重層による逆電場に基づくもの、(ハ)前記界面での液晶分子が、バルク中央での液晶層に遅れて動く、いわゆる誘電損失に基づくものの3つである。
本発明に用いるカラーフィルタ用着色組成物は、高コントラストを確保しやすいアクリル樹脂、カルド樹脂などのポリマーやモノマーを基材として、少なくとも有機溶剤、光重合性開始剤もしくは硬化剤に有機顔料を分散した液状の塗布液である。本発明のカラーフィルタは、用いる着色組成物を、公知のフォトリソグラフィーに用いるカラーレジストとして、あるいは、インクジェットや印刷などのインキとして加工することができる。なお、カラーフィルタに用いる着色組成物としての構成要素についての詳細は後述する。
熱硬化性材料としては、メラミン化合物、又はメラミン樹脂及びメラミン化合物を含む。メラミン樹脂以外の熱硬化性樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等を含んでいてもよい。
メラミン化合物は、(1)メラミン樹脂とイソシアネート基を含有する化合物とを反応させて得られたメラミン化合物、(2)メラミン樹脂とイソシアネート基を含有する化合物とを反応させた後、更に酸無水物を反応させて得られたメラミン化合物、又は(3)メラミン樹脂と酸無水物とを反応させることにより得ることが出来る。メラミン樹脂とイソシアネート基を含有する化合物とを反応させて得たメラミン化合物を用いる場合には、イ
ソシアネート基を含有する化合物により感光性が付与されるので、より優れた熱硬化性が発揮される。
メラミン化合物の質量平均分子量は、5000から30000の範囲であり、固形分酸価は、60mgKOH/g以下であることがより好適である。分子量が5000以下のメラミン化合物を多量に配合すると、感光性樹脂組成物の感度が低下して、十分な硬化に必要な露光時間が長くなり、生産性が悪くなるという問題がある。また、感光性樹脂組成物のアルカリ現像性が悪化し、現像速度が適度に調整できず、現像時間が長くなってしまう。分子量が30000を越えるメラミン化合物を多量に用いると、現像性の低下を生じやすい。また、固形分酸化が60mgKOH/gより大きいと、現像速度が速すぎて塗膜が基板から剥がれやすくなるといった不具合を生じる。
以上のように、イソシアネート基を有する化合物との反応により感光性を付与させたメラミン化合物を緑色着色組成物に含有させることにより、従来の非感光性のメラミン樹脂を用いて生じていた不具合、すなわち緑色着色組成物の感度が低下して、硬化に必要な露光時間が長くなり、生産性が悪くなる弊害を生じさせることなく、該メラミン化合物の効果を十分に発揮させることが可能となる。
また、メラミン化合物の質量平均分子量を5000以上とすることと、さらには、固形分酸化が60mgKOH/gであることと組み合わせることで、さらに感光性の優れた、すなわち露光/未露光部のアルカリ可溶性のコントラストがはっきりし、パターンエッジ形状が良く、マスク形状を忠実に再現する微細加工性の優れた感光性樹脂組成物を得ることが可能となる。
[メラミン化合物]
本発明に用いるメラミン化合物として、下記構造式(III)を有する化合物およびその多量体を挙げることが出来る。
Figure 0005343654
式中、R〜Rは、それぞれ水素原子又はCHOR(Rは水素原子、又はアルキル基を表す)を表し、R〜Rは同一であっても異なっていても良い。CHOR基のRは上記構造式(I)の中で同一であっても異なっていても良い。二種類以上のホモポリマーまたはコポリマーを併用してもよい。また、上記以外に1,3,5−トリアジン環を有する化合物で例えば特開2001−166144号公報に記載のものを使用することができる。本発明の実施例として用いているメラミン樹脂は、構造式(I)を有する化合物と酸無水物との重縮合を行ってできた高分子である。また下記構造式(II)で示す化合物も好ましく用いることが出来る。
Figure 0005343654
式中、R7からR14はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基であり、水素原子であることが特に好ましい。
[イソシアネート基を含有する化合物]
本発明で使用可能なイソシアネート基を含有する化合物としては、芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のイソシアネート類を挙げることが出来る。
例えば、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、ブタン−1
,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4‘−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等を例示することができる。
また、熱硬化性樹脂に感光性を付与させる場合には、イソシアネート基と二重結合性基とを含有する化合物を好適に用いることができ、そのような化合物として、2−アタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、1、1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等を例示することが出来る。
[酸無水物]
本発明で使用可能な酸無水物としては、マロン酸無水物、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、フタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物等が挙げられる。本発明に係る熱硬化性樹脂においては、その酸価が固形分換算で3〜60mgKOH/gであることが好ましく、20〜50mgKOH/gであればより好ましい。従って、酸無水物の付加反応は、酸価がこの範囲内になるように定量的に反応させるのがよい。熱硬化性樹脂の酸価が3mgKOH/g未満であると、アルカリ現像において現像不良となる恐れがあり、酸価が60mgKOH/gより大きくなると、アルカリ現像において露光部分の表面が現像液で浸食され、感光性樹脂組成物の長期保存安定性が低下する等の不具合が生じ易くなる。
[メラミン化合物の調製方法]
本発明に使用可能な熱硬化性樹脂に含まれるメラミン化合物は、以下の方法のいずれかにより調整することができる。すなわち(1)メラミン樹脂及びイソシアネート基を含有する化合物を加温下で混合して反応させる、(2)メラミン樹脂及びイソシアネート基を含有する化合物を加温下で混合して反応させた後、さらに酸無水物を加温下で混合して反応させる、(3)メラミン樹脂及び酸無水物を加温下で混合して反応させる方法である。また、前処理としてエバポレーターなどを用いて低沸アルコール化合物を留去する工程と、感光性樹脂組成物に適した溶剤に溶剤置換する工程を含んでいてもよい。
メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂は、熱反応性が高く、一般的にも長期保存安定性に劣るため、感光性樹脂組成物中に多量に用いることは困難であった。しかしながら本発明に使用可能な熱硬化性樹脂においては、メラミン樹脂骨格中に複数個存在する熱反応性基の幾つかがイソシアネート基を含有する化合物または酸無水物との反応に使用されるために、熱反応性が適度に低下し、該感光性樹脂組成物の長期保存安定性が良くなる効果が得られる。また、前記イソシアネート基を含有する化合物または酸無水物との反応の結果、メラミン樹脂のポリマー鎖が長くなり、メラミン樹脂骨格の自由な動きが束縛されるために保存安定性が向上するという利点もある。
イソシアネート基を含有する化合物または酸無水物との反応により、アルカリ現像型の感光性樹脂組成物に必要なアルカリ現像性及び/又は感光性をメラミン樹脂に付与することが可能となる。このように、メラミン樹脂にアルカリ現像性及び/又は感光性を持たせることで、基板との密着性が向上し、現像工程中の不具合を生じさせることのないプロセスマージンの良好な感光性樹脂組成物を実現することが出来る。
さらには、感光性樹脂組成物に上記熱硬化性樹脂を含有させることで、硬化した塗膜に十分な耐熱性や硬度を付与することができるだけでなく、耐溶剤性、耐アルカリ性の機能も備えることができる。
本発明で用いるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料から得られたカラーフィルタの緑色画素部は、従来のハロゲン化銅フタロシアニン顔料から得た緑色画素よりも更に黄味の緑色と優れた明るさを示す。
緑色画素には、前記ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料のほかに、例えば、C.I.Pigment Green 7、10、36、37等の緑色顔料を用いることができ、黄色顔料を併用することもできる。黄色顔料としては、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、147、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、187、188、193、194、199、198、213、214等が挙げられる。
その使用量は、顔料の合計質量を基準として、ハロゲン化亜鉛フタロシアニンを含む、ハロゲン化金属フタロシアニン系緑色顔料を30〜90質量%、アゾ系黄色顔料を5〜60質量%、キノフタロン系黄色顔料を5〜60質量%とすることが、画素の色相や明度、膜厚等の点から好ましい。さらに、ハロゲン化金属フタロシアニン系緑色顔料を50〜85質量%、アゾ系黄色顔料を5〜45質量%、キノフタロン系黄色顔料を5〜45質量%とすることがより好ましい。
上記において、ハロゲン化亜鉛フタロシアニンと併用して用いるハロゲン化金属フタロシアニン系緑色顔料としては、C.I.Pigment Green 7、36、アゾ系黄色顔料としてはC.I.Pigment Yellow 150、キノフタロン系黄色顔料としてはC.I.Pigment Yellow 138が、優れた耐光性、耐熱性、透明性、および着色力等の点から好適である。
着色画素に含まれる顔料は、カラーフィルタの高輝度化、高コントラスト化を実現させるため、微細化されていることが好ましく、平均一次粒子径が小さいことが好ましい。顔料の平均一次粒子径は、顔料を透過型電子顕微鏡で撮り、その写真の画像解析により算出できる。
顔料の平均一次粒子径は、40nm以下であることが好ましく、より好ましくは30nm以下であり、更に好ましくは20nm以下である。また、平均一次粒子径は5nm以上であることが好ましい。顔料の平均一次粒子径が上限値より大きい場合には、液晶表示装置の黒表示時の視認性が悪い。また、下限値より小さい場合は、顔料分散が難しくなり、着色組成物としての安定性を保ち、流動性を確保することが困難になる。その結果、カラーフィルタの輝度、色特性が悪化する。特に、平均一次粒子径が40μmを超える有機顔料は、正面視認性に悪影響を与える。
以下に、顔料の一次粒子径および粒子形状の制御方法について説明するが、本発明のカラーフィルタを構成する着色画素層に含まれる顔料は、下記方法のいずれを用いてもよい。
磨砕法は、顔料をボールミル、サンドミルまたはニーダーなどを用いて、食塩等の水溶性の無機塩などの磨砕剤およびそれを溶解しない水溶性有機溶剤とともに機械的に混練(以下、この処理をソルトミリングと呼ぶ)した後、無機塩と有機溶剤を水洗除去し、乾燥することにより所望の一次粒子径および粒子形状の顔料を得る方法である。ただし、ソルトミリング処理により、顔料が結晶成長する場合があるため、処理時に上記有機溶剤に少なくとも一部溶解する固形の樹脂や顔料分散剤を加えて、結晶成長を防ぐ方法が有効である。
顔料と無機塩の比率は、無機塩の比率が多くなると顔料の微細化効率は良くなるが、顔料の処理量が少なくなるために生産性が低下する。一般的には、顔料が1質量部に対して無機塩を1〜30質量部、好ましくは2〜20質量部用いるのが良い。また、上記水溶性有機溶剤は、顔料と無機塩とが均一な固まりとなるように加えるもので、顔料と無機塩との配合比にもよるが、通常は顔料1質量部に対して0.5〜30質量部の量で用いられる。
上記磨砕法についてさらに具体的には、顔料と水溶性の無機塩の混合物に湿潤剤として少量の水溶性有機溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に、このスラリーを濾過、水洗して乾燥することにより、所望の一次粒子径および粒子形状の顔料を得ることができる。
析出法は、顔料を適当な良溶媒に溶解させたのち、貧溶媒と混ぜ合わせて、所望の一次粒子径および粒子形状の顔料を析出させる方法で、溶媒の種類や量、析出温度、析出速度などにより一次粒子径の大きさおよび粒子形状が制御できる。一般に顔料は溶媒に溶けにくいため、使用できる溶媒は限られるが、例として濃硫酸、ポリリン酸、クロロスルホン酸などの強酸性溶媒または液体アンモニア、ナトリウムメチラートのジメチルホルムアミド溶液などの塩基性溶媒などが知られている。
本法の代表例としては、酸性溶剤に顔料を溶解させた溶液を他の溶媒中に注入し、再析出させて微細粒子を得るアシッドペースティング法がある。工業的にはコストの観点から硫酸溶液を水に注入する方法が一般的である。硫酸濃度は特に限定されないが、95〜100質量%が好ましい。顔料に対する硫酸の使用量は特に限定されないが、少ないと溶液粘度が高くハンドリングが悪くなり、逆に多すぎると顔料の処理効率が低下するため、顔料に対して3〜10質量倍の硫酸を用いることが好ましい。なお、顔料は完全溶解している必要はない。溶解時の温度は0〜50℃が好ましく、これ以下では硫酸が凍結する恐れがあり、かつ溶解度も低くなる。高温すぎると副反応が起こりやすくなる。注入される水の温度は1〜60℃が好ましく、この温度以上で注入を始めると硫酸の溶解熱で沸騰して作業が危険である。これ以下の温度では凍結してしまう。注入にかける時間は顔料1部に対して0.1〜30分が好ましい。時間が長くなるほど一次粒子径は大きくなる傾向がある。
顔料の一次粒子径および粒子形状の制御は、アシッドペースティング法などの析出法とソルトミリング法などの磨砕法を組み合わせた手法を選択することにより、顔料の整粒度合を考慮しつつ行うことができ、さらにはこのとき分散体としての流動性も確保できることからより好ましい。
ソルトミリング時あるいはアシッドペースティング時には、一次粒子径および粒子形状制御に伴う顔料の凝集を防ぐために、下記に示す色素誘導体や樹脂型顔料分散剤、界面活性剤等の分散助剤を併用することもできる。また、一次粒子径および粒子形状制御を2種
類以上の顔料を共存させた形で行うことにより、単独では分散が困難な顔料であっても安定な分散体として仕上げることができる。
特殊な析出法としてロイコ法がある。フラバントロン系、ペリノン系、ペリレン系、インダントロン系等の建染染料系顔料は、アルカリ性ハイドロサルファイトで還元すると、キノン基がハイドロキノンのナトリウム塩(ロイコ化合物)になり水溶性になる。この水溶液に適当な酸化剤を加えて酸化することにより、水に不溶性の一次粒子径の小さな顔料を析出させることができる。
合成析出法は、顔料を合成すると同時に所望の一次粒子径および粒子形状の顔料を析出させる方法である。しかし、生成した微細顔料を溶媒中から取り出す場合、顔料粒子が凝集して大きな二次粒子になっていないと一般的な分離法である濾過が困難になるため、通常、二次凝集が起きやすい水系で合成されるアゾ系等の顔料に適用されている。
さらに、顔料の一次粒子径および粒子形状を制御する手段として、顔料を高速のサンドミル等で長時間分散すること(顔料を乾式粉砕する、いわゆるドライミリング法)により、顔料の一次粒子径を小さくすると同時に分散することも可能である。
以下には、本発明のカラーフィルタの各色画素を形成するために用いられる着色組成物について説明する。
各色画素を形成するために用いられる着色組成物に含まれる顔料担体は、顔料を分散させるものであり、透明樹脂、その前駆体、またはそれらの混合物により構成される。
透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれ、その前駆体には、放射線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
顔料担体は、着色組成物中の顔料100質量部に対して、30〜700質量部、好ましくは60〜450質量部の量で用いることができる。また、透明樹脂とその前駆体との混合物を顔料担体として用いる場合には、透明樹脂は、着色組成物中の顔料100質量部に対して、20〜400質量部、好ましくは50〜250質量部の量で用いることができる。また、透明樹脂の前駆体は、着色組成物中の顔料100質量部に対して、10〜300質量部、好ましくは10〜200質量部の量で用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(
メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
透明樹脂の前駆体であるモノマーおよびオリゴマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化する場合には、光重合開始剤等が添加される。光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。
光重合開始剤は、着色組成物中の顔料100質量部に対して、5〜200質量部、好ましくは10〜150質量部の量で用いることができる。光重合開始剤は、単独あるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。増感剤は、光重合開始剤100質量部に対して、0.1〜60質量部の量で含有させることができる。
さらに、着色組成物には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。多官能チオールは、着色組成物中の顔料100質量部に対して、0.2〜150質量部、好ましくは0.2〜100質量部の量で用いることができる。
さらに、顔料を充分に顔料担体中に分散させ、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。溶剤は、着色組成物中の顔料100質量部に対して、800〜4000質量部、好ましくは1000〜2500質量部の量で用いることができる。
着色組成物は、1種または2種以上の顔料を、必要に応じて上記光重合開始剤と共に、顔料担体および有機溶剤中に三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて製造することができる。また、2種以上の顔料を含む着色組成物は、各顔料を別々に顔料担体および有機溶剤中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
顔料を顔料担体および有機溶剤中に分散する際には、適宜、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤、顔料誘導体等の分散助剤を含有させることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を顔料担体および有機溶剤中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。分散助剤は、着色組成物中の顔料100質量部に対して、0.1〜40質量部、好ましくは0.1〜30質量部の量で用いることができる。
樹脂型顔料分散剤としては、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤、(メタ)アクリ
ル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
色素誘導体は、有機色素に置換基を導入した化合物であり、用いる顔料の色相に近いものが好ましいが、添加量が少なければ色相の異なるものを用いても良い。有機色素には、一般に色素とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用できる。特に、塩基性基を有する色素誘導体は、顔料の分散効果が大きいため、好適に用いられる。これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の顔料100質量部に対して、0.1〜10質量部の量で含有させることができる。
また、着色組成物には、基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェ
ニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。シランカップリング剤は、着色組成物中の顔料100質量部に対して、0.01〜100質量部の量で含有させることができる。
着色組成物は、グラビアオフセット用印刷インキ、水無しオフセット印刷インキ、インクジェット用インキ、シルクスクリーン印刷用インキ、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストの形態で調製することができる。着色レジストは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または感光性樹脂と、モノマーと、光重合開始剤と、有機溶剤とを含有する組成物中に色素を分散させたものである。
顔料は、着色組成物の全固形分量を基準(100質量%)として5〜70質量%の割合で含有されることが好ましい。より好ましくは、20〜50質量%の割合で含有され、その残部は、顔料担体により提供される樹脂質バインダーから実質的になる。
着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
本発明のカラーフィルタ中の赤色画素、緑色画素、および青色画素は、透明基板上に、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、上記の各色着色組成物を用いて形成される。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、液晶パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化アンチモンなどの金属酸化物の組み合わせからなる透明電極が形成されていてもよい。
印刷法による各色フィルタセグメントの形成は、上記各種の印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
インクジェット法は、微細な複数の吐出口(インクジェットヘッド)を各色ごとに揃えたインクジェット装置にて、透明基板もしくはTFTなどアクティブ素子を形成した基板に直接印刷形成する方法である。
フォトリソグラフィー法により各色画素を形成する場合は、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストとして調製した上記着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性
アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成する。現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
さらに、着色レジストの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができる。なお、電着法は、透明基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめカラーフィルタ層を形成しておき、このカラーフィルタ層を所望の透明基板に転写させる方法である。
次に、図2は、本実施形態に係る液晶表示装置の概略を示す断面図である。図2において、液晶表示装置4は、離間対向して配置された一対の透明基板5および6を備え、それらの間には、液晶(LC)封入されている。
第1の透明基板5の内面には、TFT(薄膜トランジスタ)アレイ7が形成されており、その上には例えばITOからなる透明電極層8が形成されている。透明電極層8の上には、配向層9が設けられている。また、透明基板5の外面には、位相差フィルムを構成に含む偏光板10が形成されている。
他方、第2の透明基板6の内面には、カラーフィルタ11が形成されている。カラーフィルタ11を覆って、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、例えばITOからなる透明電極層12が形成され、透明電極層12を覆って配向層13が設けられている。また、透明基板6の外面には、偏光板14が形成されている。なお、偏光板10の下方には、三波長ランプ15を備えたバックライトユニット16が設けられている。
以上説明した図2に示す液晶表示装置では、カラーフィルタ11上に、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、透明電極12が形成されているが、カラーフィルタ上に透明保護膜や透明電極が形成されず、配向膜を介して、あるいは直接、液晶と接する構成とすることが出来る。このように、カラーフィルタが配向膜を介して、あるいは直接、液晶と接する構成を有する液晶表示装置として、以下のものを挙げることが出来る。(A)液晶配向の横電界方式など透明電極をカラーフィルタ上に形成する必要のない液晶表示、(B)ITOスリットなどと呼ばれるカラーフィルタ上透明電極の開口部を液晶配向に利用する液晶表示装置、(C)液晶セル化後(液晶パネル化のあと)に、紫外線や電界、熱処理などで、カラーフィルタ表面に液晶配向機能を付与する液晶表示装置、(D)液晶を高分子やナノ粒子、液晶配向機能付与剤などとともに分散させて液晶セル化後に、実質的に液晶を配向させる液晶表示装置。
以下に、本発明の実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例における「部」および「%」は、「質量部」および「質量%」をそれぞれ表す。また、顔料の記号はカラーインデックスナンバーを示し、例えば、「PG58」は「C.I.Pigment Green
58」を、「PY150」は「C.I.Pigment Yellow 150」を表す。
a)、各種特性の測定法
最初に測定法について以下に示す。
[顔料の平均一次粒子径]
透過型電子顕微鏡(日本電子社製「JEM-1200EX」)を用いて、倍率5万倍で観察することにより、試料中の全顔料粒子の一次粒子径を計測し、その平均値を平均一次粒子径とした。なお、粒子形状が球状でない場合は、長径と短径を計測し、(長径+短径)/2により求められる値を粒子径とした。
[レジストの電圧保持率VHR]
緑色着色組成物を、硬化後の色度が0.603±0.003(C光源)となるように、スピンコート法によりガラス基板に塗布し、乾燥した後、超高圧水銀ランプを用いて紫外線で露光した。その後、この基板を230℃で40分熱処理して緑色着色膜を定着させた。この着色膜を基板から削り取り、細かく刻む作業を行い、緑色着色物とした。エタノールで洗浄を行ったスクリュー管に前記した緑色着色物0.025gを入れ、液晶1gを滴下し、クリーンオーブンにて100℃で72時間エージングを行った。その後、遠心分離を行い、上澄みの液晶をろ過し、回収した。ブランクとして、液晶のみの状態でもエージング処理を行った。
セルギャップ9μmのITO電極付きセルに、先ほど得られた上澄みの液晶を滴下し、5分間静置する。液晶がITO電極を覆うまで注入されていることを確認し、液晶セルとする。なお、一つの水準につき作製する液晶セルは5枚であり、n=5で評価を行った。ブランクとしてエージング処理を行った液晶も、液晶セル化し、n=5で評価を行った。
東陽テクニカ社製6254型の電圧保持率測定装置に、各水準につき5枚のセルをセットし、保持率を測定した。印加電圧は±5V、サンプリング周波数は100000Hz、測定温度は23℃、60℃、80℃で行った。得られた測定波形を収集し積分後、各水準上下のデータを消去し、n=3の平均を取った。
b)微細化顔料の作製
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン系緑色顔料PG58(DIC株式会社製「Phtalocyanine Green A110」)120部、粉砕した食塩1600部、およびジエチレングリコール270部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、117部のソルトミリング処理緑色顔料(G−1)を得た。得られた顔料の一次粒子径を表1に示す。また、併用する黄色顔料(Y−1)は、Y−1:PY150、ランクセス社製「E4GN」を用いた。
Figure 0005343654
c)アクリル樹脂溶液の調製
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に
加熱して、同温度で下記のモノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
スチレン 60.0部
メタクリル酸 60.0部
メタクリル酸メチル 65.0部
メタクリル酸ブチル 65.0部
アゾビスイソブチロニトリル 10.0部
滴下後、さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けて樹脂溶液を合成した。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%となるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液(P)を調製した。
d)顔料分散体の調製
表2に示す組成(質量比)の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して各色顔料分散体を得た。
Figure 0005343654
e)メラミン化合物(M)の作製
[メラミン樹脂の溶剤置換]
内容量が500ミリリットルのフラスコに、不揮発分73.5質量%のアルキル化メラミン樹脂の1−ブタノール溶液(日本カーバイド工業(株)製 商品名:ニカラックMX−750)を300g収容し、エバポレーターを用いて1−ブタノールを除去した。このアルキル化メラミン樹脂に、シクロヘキサノン781.8gを加え、不揮発分22質量%になるように溶剤置換メラミン樹脂(M)を調製した。
[メラミン化合物溶液(PM)の調製]
内容量が1リットルの5つ口反応容器に、上記で調製した不揮発分22質量%の溶剤置換メラミン樹脂(M)のシクロヘキサノン溶液596.2g、ブタンテトラカルボン酸二無水物(新日本理化(株)製 商品名:リカシッドBT−100)6.3gを収容し、60℃で24時間反応させて生成物を得た。次に、上記生成物の不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンで希釈し、メラミン化合物溶液(PM)を得た。なお赤外分光分析により生成物中に1780cm−1付近の酸無水物基の吸収が存在しないことを確認した。
<実施例1>
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、5μmのろ過フィルターでろ過して緑色着色組成物GG−1を得た。
顔料分散体(PG−1) 26.56質量部
顔料分散体(PY−1) 8.17質量部
メラミン化合物溶液(PM) 7.96質量部
アクリル樹脂溶液(P) 16.62質量部
モノマー 1.44質量部
開始剤・増感剤 0.32質量部
有機溶剤 38.63質量部。
<実施例2、比較例1〜2>
緑色着色組成物として、表3に記載する材料と配合比率で、実施例1と同様の手法で
顔料分散体、着色組成物中に用いる樹脂として、表3に記載する顔料分散体と樹脂を用い
て、それ以外は実施例1と同様にして着色組成物GG−2を得て実施例2、着色組成物GG−3及びGG−4を得て、それぞれ比較例1、比較例2とした。表3中で、スチレン化合物溶液としては、スチレン化合物溶液:大阪有機社製のTEC52を用いた。なお、比較例3はブランクとして液晶のみである。
Figure 0005343654
[緑色塗膜の作製]
表3に示した、GG−1〜GG−4の各着色組成物を、スピンコート法によりガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中で、70℃で20分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、紫外線を露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。その後、クリーンオーブン中で、230℃で40分間ポストベークを行い、それぞれ実施例1、2及び比較例1、2に対応する緑色塗膜を得た。乾燥塗膜の膜厚は、いずれも2.6μmであった。ここで、メラミンの固形分中の割合が17.7%を超えると着色組成物の感度が低下して、十分な硬化が得られず、上限を17.7%とした。
[VHR評価]
次に、それぞれ実施例1、2及び比較例1、2に対応する緑色塗膜を基板から削り取り、細かく刻んで緑色着色物とした。この緑色着色物を用いて、前記した「レジストの電圧保持率VHR」を測定した。比較例3はブランクであり、液晶のみでVHR測定を行った例である。その結果を下記表4に示す。なお、保持率が95%以上を○、95%以下を×で示した。
Figure 0005343654
<比較結果>
表4の結果より、レジストの全固形分中のメラミン量が12%以上で多くなるほどVHR値が保持されていることがわかる。また、実施例2の80℃の値から、メラミンの量は12%が実用上の下限とみなせる。これに対して、メラミンを含有しない比較例1及びメラミン量が6%と少ない比較例2は、温度が23℃と低い領域では良いが、液晶の電気特性が温度に影響を受ける60℃、80℃ではVHRの値は不十分な結果となった。
4・・・液晶表示装置 5、6・・・透明基板 7・・・TFTアレイ
8・・・透明電極層 9・・・配向層 10・・・偏光板
11・・・カラーフィルタ 12・・・透明電極層 13・・・配向層
14・・・偏光板 15・・・三波長ランプ 16・・・バックライトユニット

Claims (5)

  1. ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料、顔料担体、光重合開始剤、熱硬化性樹脂、および有機溶剤を含む緑色着色組成物であって、前記熱硬化性樹脂がメラミン化合物、又はメラミン樹脂及びメラミン化合物を含み、前記メラミン化合物は、(1)メラミン樹脂とイソシアネート基を含有する化合物とを反応させて得られたメラミン化合物、(2)メラミン樹脂とイソシアネート基を含有する化合物とを反応させた後、更に酸無水物を反応させて得られたメラミン化合物、又は(3)メラミン樹脂と酸無水物とを反応させて得られたメラミン化合物であり、かつ、該メラミン化合物の含有量が全固形分中の12質量%から17.7質量%の範囲であることを特徴とする緑色着色組成物。
  2. 前記メラミン化合物の質量平均分子量が2500以上で、固形分酸価が60mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1に記載する緑色着色組成物。
  3. 前記メラミン化合物の単体が下記構造式(I)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載する緑色着色組成物。
    Figure 0005343654
  4. 少なくとも、赤色画素、緑色画素及び青色画素を配置したカラーフィルタにおいて、前記緑色画素が請求項1〜3のいずれか1項に記載する緑色着色組成物から形成されていることを特徴とするカラーフィルタ。
  5. 請求項4に記載するカラーフィルタを用いたことを特徴とする液晶表示装置であって、測定温度60℃における電圧保持率が少なくとも95%以上であることを特徴とする液晶表示装置。
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