JP5128231B2 - 感光性着色組成物、これを用いたカラーフィルタ、及び液晶表示装置 - Google Patents
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Description
本実施形態で使用されるイソシアネート基を含有する化合物は、芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のイソシアネート類を使用することができる。
本実施形態で使用される酸無水物としては、マロン酸無水物、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、フタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、トリメリット酸無水物等が挙げられる。本実施形態に係る熱硬化性樹脂においては、その酸価が固形分換算で3〜60mgKOH/gであることが好ましく、20〜50mgKOH/gであればより好ましい。従って、酸無水物の付加反応は、酸価がこの範囲内になるように定量的に反応させる。熱硬化性樹脂の酸価が3mgKOH/g未満であると、アルカリ現像において現像不良となるおそれがあり、酸価が60mgKOH/gより大きくなると、アルカリ現像において露光部分の表面が現像液で浸食されたり、感光性樹脂組成物の長期保存安定性が低下する等の不具合が生じ易くなる。
[熱硬化性樹脂の調製方法]
本発明の一実施形態に係る熱硬化性樹脂は、以下の方法のいずれかにより調製することができる。
(2)メラミン樹脂及びイソシアネ―ト基を含有する化合物を加温下で混合して反応させた後、さらに酸無水物を加温下で混合して反応させる方法、
(3)メラミン樹脂及び酸無水物を加温下で混合して反応させる方法。
また、例えば(メタ)アクリル酸等のエチレン性不飽和基を有するカルボン酸を共重合し、得られた樹脂とグリシジルメタクリレート等のエポキシ基と不飽和二重結合を含有する化合物を反応させることや、グリシジルメタクリレート等のエポキシ、含有(メタ)アクリレートの単重合またはそれらとその他の(メタ)アクリレートの共重合の樹脂に(メタ)アクリル酸等のカルボン酸含有化合物を付加させることによって、感光性を有する樹脂を得ることができる。
さらに、例えばヒドロキシエチルメタアクリレート等をモノマーとする水酸基を有する樹脂にメタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ、感光性を有する樹脂を得ることができる。
また、上記詳述したように、ヒドロキシエチルメタクリレート等の共重合により調製され、かつ複数の水酸基を有する樹脂にさらに多塩基酸無水物を反応させて、樹脂にカルボキシル基を導入し、カルボキシル基を有する樹脂とすることができるが、その製造方法は上記記載の方法のみに限るものではない。
上記の反応に用いる酸無水物の例として、例えばマロン酸無水物、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、及びトリメリト酸無水物等が挙げられる。
上述したアクリル系樹脂の固形分酸価としては50〜130mgKOH/gであることが好ましい。酸価が50mgKOH/gより小さい場合には、感光性樹脂組成物の現像速度が遅すぎて現像に要する時間が多くなり生産性に劣る結果となる。また酸価が130mgKOH/gより大きい場合には逆に現像速度が速すぎて、現像後でのパターンハガレやパターン欠けの不具合が生じる。
本発明の一実施形態に係る感光性樹脂組成物は、光重合性モノマー、非感光性樹脂及び/又は感光性樹脂、光重合開始剤、及び溶剤を含有してなり、これらはUV露光、DeepUV露光のいずれの硬化方法を用いてもよい。
前記光重合性モノマーの例として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。また、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレートを用いることが好ましい。なお、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートとの組み合わせは任意であり、特に限定されるものではない。また、1種の多官能ウレタンアクリレートを単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の一実施形態に係る感光性樹脂組成物には、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の非感光性透明樹脂及び/又は感光性透明樹脂を併用することができる。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれ、熱可塑性樹脂としては、例えば, ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
着色剤は、透明着色皮膜を着色して、液晶表示装置の表示光を着色するものである。本発明においては、着色剤に少なくとも塩素化及び臭素化した金属フタロシアニン、もしくは臭素化した金属フタロシアニンを含有した感光性着色組成物においても該感光性着色組成物から形成された膜をN−メチルピロリドンで溶出したときの臭素イオンが10ng/cm2以下となり、液晶を汚染することのないカラーフィルタの形成が可能となるので、塩素化及び臭素化した金属フタロシアニン、もしくは臭素化した金属フタロシアニンを好ましく用いることができる。またこれ以外の顔料や染料を併用することができるが、耐久性に優れている点で、顔料を使用することが望ましい。顔料としては、有機顔料と無機顔料のいずれであっても良いが、有機顔料が好ましく使用できる。また、その配合量は特に限定されるものではないが、組成物の総量100質量%に対して、5〜70質量%程度であることが好ましく、5~50重量%程度であることがより好ましく、20〜50重量%程度であることがさらに好ましく、その残部は、顔料担体により提供される樹脂質バインダーから実質的になる。また、カラーフィルタの分光調整等のために、複数の顔料を組み合わせて用いることもできる。顔料は、着色組成物の全固形分量を基準(100重量%)として5〜70重量%の割合で含有されることが好ましい。
Pigment Violet: <C.I>1,1:x,3,3:3,3:x,5:1,19,23,27,29,30,32,37,40,42,50
Pigment Green: <C.I>1,1:x,2,2:x,4,7,10,36,37
Pigment Orange: <C.I>2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73
Pigment Red:<C.I>1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:3,81:x,83,88,90,97,112,119,122,123,144,146,149,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,180,184,185,187,188,190,192,200,202,206,207,208,209,210,215,216,217,220,223,224,226,227,228,240,246,254,255,264,272,279
Pigment Yellow: <C.I>1,2,3,4,5,6,10,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,144,146,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214
また、上記有機顔料と組み合わせて、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、無機顔料を組み合わせて用いることも可能である。無機顔料としては、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等が挙げられる。さらに、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を添加することもできる。
顔料を顔料担体および有機溶剤中に分散する場合には、顔料を分散させるための分散剤、界面活性剤を含有させる必要がある。分散剤としては、界面活性剤、顔料の中間体、染料の中間体、ソルスパース等が使用され、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。分散剤の添加量は特に限定されるものではないが、顔料の配合量100質量%に対して、1〜10質量%とすることが好ましい。また、着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
前記光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系化合物、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリルs−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)-N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ-ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン
、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が挙げられる。
また、重合開始剤と光増感剤とを併用することが好ましい。増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。
感光性樹脂組成物には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。多官能チオールは、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.2〜150重量部、好ましくは0.2〜100重量部の量で用いることができる。
感光性樹脂組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、トリエチルホスフィン、トリフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.1〜10重量部の量で含有させることができる。
感光性樹脂組成物には、基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。シランカップリング剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.01〜100重量部の量で含有させることができる。
感光性樹脂組成物には、基板上への均一な塗布を可能とするために、水や有機溶剤等の溶剤が配合される。また、本発明の組成物がカラーフィルタの着色層である場合、溶剤は、顔料を均一に分散させる機能も有する。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。溶剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、800〜4000重量部、好ましくは1000〜2500重量部の量で用いることができる。
感光性着色組成物は、特定の熱硬化性樹脂を用いる以外は、公知の方法により調製することができる。例えば、光重合性モノマーと本発明の熱硬化性樹脂と顔料と分散剤と溶剤とからなる感光性着色組成物は以下の方法により調製することができる。
実施例および比較例で用いたアクリル樹脂溶液を以下のように調製した。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
内容量が500ミリリットルのフラスコに不揮発分73.5重量%のアルキル化メラミン樹脂/1−ブタノール溶液(日本カーバイド工業(株)製 商品名:ニカラックMX−750)を300g収容し、エバポレーターを用いて1−ブタノール等の不要物を除去した。このアルキル化メラミン樹脂に、シクロヘキサノン781.8gを加え、不揮発分22重量%になるように溶剤置換メラミン樹脂Aを調製した。
内容量が1リットルの5つ口反応容器に、調製した不揮発分22重量%の溶剤置換メラミン樹脂A(シクロヘキサノン)溶液596.2g、トリレンジジイソシアネート7.7gを仕込み、60℃で2時間反応させた。
内容量が1リットルの5つ口反応容器に、調製した不揮発分22重量%の溶剤置換メラミン樹脂A(シクロヘキサノン)溶液596.2g、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製 商品名:カレンズMOI)9.8gを仕込み、60℃で2時間反応させて生成物を得た。なお、赤外分光分析により反応生物中に2280cm−1付近のイソシアネート基の吸収が存在しないことを確認した。
メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを3.2g用いた以外は合成例1と同様にして熱硬化性樹脂3を得た。得られた熱硬化性樹脂3の重量平均分子量は6700であった。それらの結果を下記表1に示す。
内容量が1リットルの5つ口反応容器に、調製した不揮発分22重量%の溶剤置換メラミン樹脂A(シクロヘキサノン)溶液596.2g、ブタンテトラカルボン酸二無水物(新日本理化(株)製 商品名:リカシッドBT−100)6.3gを仕込み、60℃で24時間反応させて、生成物を得た。なお赤外分光分析により生成物中に1780cm−1付近の酸無水物基の吸収が存在しないことを確認した。
ブタンテトラカルボン酸二無水物を12.6g用いた以外は、合成例4と同様にして、熱硬化性樹脂5を得た。
内容量が1リットルの5つ口反応容器に、調製した不揮発分22重量%の溶剤置換メラミン樹脂A(シクロヘキサノン)溶液596.2g、トリレンジジイソシアネート7.7gを仕込み、60℃で2時間反応させた。
コハク酸二無水物を14.6g用いた以外は、合成例4と同様にして、熱硬化性樹脂5を得た。
内容量が2リットルの5つ口反応容器内に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート800g、メタクリル酸10g、メチルメタクリレート40g、ブチルメタクリレート80g、ヒドロキシエチルメタクリレート40gおよびアゾビスイソブチロニトリル2gを加え、窒素ガスを吹き込みながら、80℃で6時間加熱し、アクリル樹脂1を得た。得られたアクリル樹脂1の重量平均分子量は40000であった。
メタクリル酸を40g用いた以外は、合成例8と同様にして、アクリル樹脂2を得た。得られたアクリル樹脂2の重量平均分子量は40000であった。
内容量が2リットルの5つ口反応容器内に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート800g、メタクリル酸30g、ブチルメタクリレート70g、ヒドロキシエチルメタクリレート40g、pクミルフェノキシエチルアクリレート60gおよびアゾビスイソブチロニトリル2gを加え、窒素ガスを吹き込みながら、80℃で6時間加熱し、アクリル樹脂3を得た。得られたアクリル樹脂3の重量平均分子量は30000であった。
メタクリル酸33gを用いた以外は、合成例10と同様にして、アクリル樹脂4を得た。得られたアクリル樹脂4の重量平均分子量は30000であった。
内容量が2リットルの5つ口反応容器内に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート800g、メタクリル酸40g、ブチルメタクリレート40g、ヒドロキシエチルメタクリレート60g、pクミルフェノキシエチルアクリレート60gおよびアゾビスイソブチロニトリル4gを加え、窒素ガスを吹き込みながら、80℃で6時間加熱し、アクリル樹脂を得た。
メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを15g用いた以外は、合成例10と同様にして、アクリル樹脂6を得た。このアクリル樹脂6の重量平均分子量は25000であった。それらの結果を下記表2に示す。
[着色組成物1の調製]
下記の要領でカラーフィルタ作製に用いる緑の着色組成物を調製した。
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して、緑色顔料の分散体を作製した。
(東洋インキ製造社製「LIONOL GREEN 6YK」)
黄色顔料:C.I. Pigment Yellow150 5.8部
BAYER社製「FANCHON FAST YELLOW Y-5688」)
分散剤(味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821」) 1.8部
アクリル樹脂2(固形分20%) 36.5部
シクロヘキサノン 48部
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌し、混合した後、5μmのフィルターで濾過して、緑色着色組成物1を得た。
メラミン樹脂1 16質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(大阪有機化学工業(株)製 ビスコート#295) 4.8質量部
光重合開始剤
(チバガイギー社製「イルガキュア−369」) 2.8質量部
光増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.2質量部
シクロヘキサノン 40.2質量部
(実施例2〜9、比較例1〜11)
分散体中の顔料、分散体中及び着色組成物中に用いる樹脂に下記表3に記載の樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、着色組成物2〜9および11〜21を得た。
緑色着色組成物を調製した翌日の初期粘度と、40℃で1週間、経時促進させた経時粘度を、E型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて、25℃において回転数20rpmという条件で測定した。この初期粘度および経時粘度の値から、下記式で経時粘度変化率を算出した。
経時粘度変化率の評価基準は、下記の通りである。
△:経時粘度変化率が10%より大きく、20%以下
×:経時粘度変化率が20%より大きい
(感光性評価)
上記表3に示した各感光性着色組成物の感度を以下のようにして評価した。
△:飽和露光量が50mJ/cm2より大きく100mJ/cm2以下
×:飽和露光量が100mJ/cm2より大きい
(パターニング性評価)
各実施例及び比較例において調製した各感光性着色組成物について、そのパターニング性能を、以下のようにして評価を行った。
×:パターンハガレやカケ、ガタツキなどの不具合が見られる。
上記パターニング性評価と同様にして、ストライプパターンを形成したガラス基板を下記条件下にさらし、その前後でのパターンの外観変化を光学顕微鏡にて観察した。
イソプロピルアルコール溶剤 浸漬 30分(同上)
γ−ブチロラクトン溶剤 浸漬 30分(同上)
下記の基準で耐溶剤性評価を評価した。
×:パターンハガレ、カケ、クラックなどの不具合が見られる
(イオン溶出評価)
前述の方法で作製した緑色塗膜を150℃のホットプレート上で加熱し、基板上にN−メチルピロリドン(関東化学製サルファ処理瓶入りELグレード)を0.5mリットル滴下する。その上にあらかじめ自然酸化膜を除去したSiウエハーをかぶせ、15分加熱する。Siウエハーおよび塗膜表面のN−メチルピロリドンを4.5mlの超純水で回収し、エタノール(関東化学製サルファ処理瓶入りELグレード)5.0mlで希釈しイオンクロマトグラフ(DIONEX社製DX−500)でイオン分析を行った。得られた臭素イオン濃度から下記式1より臭素イオン溶出量を算出し、下記の基準で評価した。
イオン溶出量(ng/cm2)=イオン濃度(ng/ml)×溶出液量(ml)/Siウエハー面積(cm2)
○:臭素イオン溶出量が10ng/cm2以下である
×:臭素イオン溶出量が10ng/cm2を越えている
それらの結果を下記表4に示す。
Claims (6)
- (A)光重合性モノマー、(B)樹脂バインダー、(C)重合開始剤、(D)着色剤及び(E)溶剤を含有するカラーフィルタ用感光性着色組成物であって、前記(B)樹脂バインダーは、メラミン樹脂とイソシアネート基を含有する化合物と酸無水物とを反応させてなり、固形分酸価が60mgKOH/g以下である熱硬化性樹脂を含み、該熱硬化性樹脂の含有量が該感光性着色組成物の固形分中の3〜60%であり、前記(D)着色剤は、少なくとも塩素化及び臭素化した金属フタロシアニン又は臭素化した金属フタロシアニンを含有し、該感光性着色組成物の硬化物をN−メチルピロリドンで溶出したときの臭素イオンが10ng/cm2以下であることを特徴とするカラーフィルタ用感光性着色組成物。
- (A)光重合性モノマー、(B)樹脂バインダー、(C)重合開始剤、(D)着色剤及び(E)溶剤を含有するカラーフィルタ用感光性着色組成物であって、前記(B)樹脂バインダーは、メラミン樹脂と酸無水物とを反応させてなり、固形分酸価が60mgKOH/g以下である熱硬化性樹脂を含み、該熱硬化性樹脂の含有量が該感光性着色組成物の固形分中の3〜60%であり、前記(D)着色剤は、少なくとも塩素化及び臭素化した金属フタロシアニン又は臭素化した金属フタロシアニンを含有し、該感光性着色組成物の硬化物をN−メチルピロリドンで溶出したときの臭素イオンが10ng/cm 2 以下であることを特徴とするカラーフィルタ用感光性着色組成物。
- 前記熱硬化性樹脂の重量平均分子量が2500以上であることを特徴とする請求項1に記載の感光性着色組成物。
- 前記熱硬化性樹脂の二重結合当量が100〜2000であることを特徴とする請求項1に記載の感光性着色組成物。
- 透明基板と、この透明基板上に形成された、少なくとも2色以上の多色のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタにおいて、前記フィルタセグメントが、請求項1乃至4のいずれかに記載の感光性着色組成物を硬化してなることを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項5に記載のカラーフィルタを備えることを特徴とする液晶表示装置。
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