JP4597830B2 - 機能性パターン形成用感光性樹脂組成物および機能性パターン形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルや液晶表示パネルなどの表示装置の着色パターンや配線パターンなどの機能性パターンをガラス基板上に形成するための機能性パターン形成用感光性樹脂組成物および機能性パターン形成方法に関するものである。
前記表示装置では、通常の2枚の基板を貼り付けることによって表示パネルが形成される。一方はカラー発色パネルであり、表示面となる。他方は電極配線パネルであり、表示装置の裏面側を構成する。これらパネルでは、基板として主にガラス板が用いられており、前記発色パネルでは、このガラス板の上に下地層などの表面処理膜層が形成され、さらにその上に発光層や液晶層が形成され、それによって発色パネル側のガラス基板が構成されている。この表示側ガラス基板の表面には、カラー表示における混色を避けるためにブラックマトリックスと呼称されている遮光性パターンが積層形成され、さらにその上に保護層が形成されている。一方の電極配線パネルでは、ガラス板の上に下地層が形成され、その上に前記発色層や液晶層の表示画素を発光もしくは駆動するための多数の電極が形成され、それによって、電気配線パネル側のガラス基板が構成されている。この電気配線側のガラス基板の表面には、前記電極に電力を供給するための配線パターンが積層形成され、さらにその上に絶縁保護層(誘電体層)が形成されている。ただし、プラズマディスプレイパネルのように、パネルによっては基板上にブラックマトリックス、配線パターン、誘電体を形成した前面板と、基板上に配線パターン、誘電体、隔壁、蛍光体を形成した背面板に分かれる場合もある。
前記ブラックマトリックスや配線パターンは、ストライプ形状や網目形状にパターン化されており、遮光性顔料や導電性無機粉末などの機能性材料を含有する感光性樹脂組成物をパターン露光、現像、及び焼成することによりガラス基板上に形成される。
前記ブラックマトリックスにおける遮光性や配線パターンにおける導電性を、本発明では機能性と呼称し、前記各パターンを機能性パターンと記すこととする。かかる機能性パターンを形成するための感光性樹脂組成物を機能性パターン形成用感光性樹脂組成物と呼ぶ。
前記機能性パターン形成用感光性樹脂組成物を用いた機能性パターンは、機能性パターン形成用感光性樹脂組成物をガラス基板上に塗布し、得られた塗膜を所望のパターンに露光し、この露光後の塗膜を現像し、得られた現像パターンを焼成することにより形成される。
前述のパターン形成工程で、露光は感光性樹脂組成物層の上方から行われるので、樹脂組成物層における露光量は、層の上部ほど多く、層の下部に行くほど少なくなる。そのため、露光後に現像を行うと、得られるパターンの断面形状は、パターンの上面が一番幅広い形状、すなわち、T字形状や逆台形形状になってしまう。このようなガラス基板側の底部が最も狭くなるパターン断面形状をアンダーカット形状とも称する。
このアンダーカット形状の現像パターンを焼成、硬化させて、最終的な機能性パターンが得られる。この場合の焼成によって、得られる機能性パターンの形状は、アンダーカット形状はそのままで、断面の上端縁が上方にカールするという変形が新たに発生する。このカールはエッジカールと呼称されており、その発生は焼成による樹脂の収縮が原因と推測されている。焼成されて得られた機能性パターンの上には絶縁層(誘電体層)や保護層が形成される。したがって、硬化後の機能性パターンにアンダーカット形状が残っていると、パターン下部の隅に空気が取り込まれたまま絶縁層や保護層が積層され、機能性パターンの機能(導電性や遮蔽性)劣化が生じ、また、絶縁層や保護層の焼成時に収縮のストレスが生じ、それによって、ガラス基板からパターンの剥離が生じる場合がある。同じくエッジカールが形成されると、エッジの先端から絶縁層や保護層の表面までの厚みが薄くなり、機能性パターンが配線の場合には、電流の漏洩が発生しやすくなる。それを避けるためには絶縁層や保護層の厚みを増やさなければならず、パネルの厚み寸法の変更が必要となり、設計上好ましくない。
このような機能性パターンにおけるアンダーカット形状やエッジカールの発生を抑制する技術が、従来、幾つか提案されている。
その一つに、感光性樹脂組成物に紫外線吸収剤を添加して、現像パターンの露光光の吸収量を増大させて、現像パターン下部における露光光の被爆量の低さを補うとともに、現像パターン上部の硬化を遅くして収縮幅を抑えることによって、アンダーカット形状とエッジカールの発生を抑制する技術が開示されている(特許文献1)。
また、他の提案として、感光性樹脂組成物に合成アモルファスシリカを添加することで、焼成時の収縮を低減させて、エッジカールの発生を抑える技術が開示されている(特許文献2)。
特許第3239723号明細書 特許第3541125号明細書
前記特許文献1に開示の技術では、アンダーカット形状もエッジカールの発生も抑制するだけで、完全になくすことはできない。そのため、本質的には前記問題点の解決がなされていない。
前記特許文献2に開示の技術では、アンダーカット形状については解決を図っていないし、エッジカールについても抑制できるが、完全になくすことはできない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その課題は、アンダーカット形状およびエッジカールの両方が全く存在しない機能性パターンを形成することのできる機能性パターン形成用感光性樹脂組成物および機能性パターン形成方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために、鋭意、実験、検討を重ねたところ、下記のような知見を得るに至った。
パターン露光が感光性樹脂組成物層の上方から行われる以上、現像パターンにおけるアンダーカット形状を完全になくすことは困難である。また、樹脂成分を使用している以上、焼成による収縮を完全になくすことも困難である。そこで、本発明者らは、アンダーカット形状の現像パターンを焼成する工程において、現像パターンを軟化させることにより自己形成的に中央部分が最も厚みがあり、周縁部に向かうに従ってなだらかに厚みが減少していく形状、換言すれば、断面形状が基板密着部から上面に向かって狭幅化する形状に自己形成できないかを、樹脂組成や焼成条件を種々変更して検討した。
その結果、現像パターンの樹脂密度を低減することのできるファクターを感光性樹脂組成物に設定するとともに、この樹脂組成物から形成した樹脂組成物層を露光、現像して得られた現像パターンを、ガラス基板の変形を生じることがない温度範囲で焼成することにより、前記現像パターンが焼成中に自己形成的に変形して、台形形状、丘陵形状、蒲鉾形状に代表される「断面形状が基板密着部から上面に向かって狭幅化する形状」になり、この形状で硬化することが、確認された。前記現像パターンの断面形状は、基板に密着している部分の長さ(基板密着側長または底部長)をAとし、現像パターンの上部の長さ(パターン上部長)をBとすると、A<Bとなる。すなわち、アンダーカット形状と称される断面形状である。このアンダーカット形状の断面形状の現像パターンを焼成することにより得られた機能性パターンの断面形状は、「断面形状が基板密着部から上面に向かって狭幅化する形状」、例えば、台形形状、丘陵形状、蒲鉾形状になり、この形状はアンダーカットもエッジカールも全く存在しない形状であり、しかも中央部分の高さ寸法も従来の機能性パターンの中央部分の高さ寸法とほぼ同じであった。
前記感光性樹脂組成物は、(A)バインダー樹脂、(B)重合性モノマー、(C)光重合開始剤、(D)無機粉末(機能性材料)を含む組成である。
前記自己形成ファクターの設定は、前記バインダー樹脂と重合性モノマーとを合計してなる有機化合物における平均二重結合量を500〜1000g/モル(500〜1000g/mol)に制御することで可能になる。また、前記バインダー樹脂として分子量を5万以下のアクリル樹脂を用いることよっても、前記自己形成ファクターの設定は可能となる。
前記自己形成ファクターの設定によって、露光による樹脂組成物の架橋密度が低下され、それに伴って、露光後の潜像の耐現像性が低下傾向となるので、樹脂組成物層の潜像部分が現像液に溶解しないようにすることが大切になる。その方策として、前記バインダー樹脂として、少なくとも炭素数6以上の環式骨格とカルボキシル基を有するアクリル樹脂を用いることが望ましい。この場合の環式骨格としては、特に、脂環式骨格が好適であるが、他の環式を用いても、ほぼ同様の効果を得ることができる。
本発明は、前記知見に基づいてなされたものである。すなわち、本発明にかかる機能性パターン形成用感光性樹脂組成物は、ガラス基板上に塗布後にパターン露光と現像によって得られたパターンが焼成されることによって、機能性パターンを形成する機能性パターン形成用感光性樹脂組成物であって、現像後、前記現像パターンの断面形状の基板密着側長(底部長)Aとパターン上部長Bの関係がA<Bであり、該現像パターンが、無機粉末の融点より低い温度で焼成後、断面形状が基板密着部から上面に向かって狭幅化する形状に自己形成することを特徴とする。
本発明の感光性樹脂組成物は、組成分として、(A)バインダー樹脂、(B)重合性モノマー、(C)光重合開始剤、(D)無機粉末(機能性材料)を含んでいるものが使用される。
本発明の感光性樹脂組成物には前記現像パターンの焼成による自己形成を可能にするための自己形成ファクターが設定されている。
前記自己形成ファクターの設定は、前記バインダー樹脂と重合性モノマーとを合計してなる有機化合物における平均二重結合量を500g/モル以上1000g/モル以下に制御することにより、可能となる。また、前記バインダー樹脂として分子量を5万以下に設定したアクリル樹脂を用いることによっても、可能となる。
前記アクリル樹脂の分子量を5万以下に設定することにより、エッジカールの発生を防止することができる。さらに、現像マージンや塗布性を考慮すると、前記アクリル樹脂の好ましい分子量は1万〜3万である。
前記バインダーと重合性モノマーとを合計してなる有機化合物における平均二重結合量が500g/モル以下であれば、露光部の架橋密度も充分に高くなるため、露光部が現像液に溶解してしまうことはない。しかし、平均二重結合量が500g/モルを超える場合には、露光による架橋密度が小さく、露光部が現像液に溶解しないようにする必要がある。そのためには、耐水性の高いポリマーを使用することが好ましい。耐水性が高く、同時にその他の有機成分との相溶性が良いバインダー樹脂としては、炭素数6以上の環式骨格とカルボキシル基を有するアクリル樹脂が好ましい。
一方、前記平均二重結合量が500g/モル以上とすることで、焼成時の樹脂層の収縮量を抑え、エッジカールが発生しにくくなる。平均二重結合量が1000g/モル以下とすることで、露光部の耐現像性・パターニング性を良好にすることができる。二重結合量とは特定の物質における二重結合1モル当たりの質量であり、平均二重結合量とはそれら二重結合量の平均である。
前記バインダー樹脂(A)としては、次に挙げるモノマーを重合あるいは共重合させたものを用いることができる。すなわち、(メタ)アクリル酸エステル、エチレン性不飽和カルボン酸、その他の共重合可能なモノマーを好適に用いることができ、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、スチレン、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレンモノアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレンモノメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルアクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルアクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−エチルヘキシルアクリレート、エチレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールモノメタクリレート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、ジペンタエリトリトールモノアクリレート、ジペンタエリトリトールモノメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸等を挙げることができる。このうち、アクリル酸及びメタクリル酸が好適に用いられる。
その他の共重合可能なモノマーとしては、例えば、前述の(メタ)アクリル酸エステルの例示化合物をフマレートに代えたフマル酸エステル類、マレエートに代えたマレイン酸エステル類、クロトネートに代えたクロトン酸エステル類、イタコネートに代えたイタコン酸エステル類、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、クロロプレン、3−ブタジエン等を挙げることができる。
上記モノマーを重合して、バインダー樹脂(A)として用いるための重合触媒としては、一般的なラジカル重合開始剤を用いることができ、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス−(4−メトキシ−2−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレート、1,1'−ビス−(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物及び過酸化水素などを挙げることができる。過酸化物をラジカル重合開始剤に使用する場合、還元剤を組み合わせてレドックス型の開始剤としてもよい。
上記モノマーの重合体・共重合体のほかに、バインダー樹脂(A)としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルメチルセルロースなどのセルロース誘導体や、さらに、これらセルロース誘導体とエチレン性不飽和カルボン酸や(メタ)アクリレート化合物等との共重合体を用いることができる。
さらに、バインダー樹脂(A)としては、ポリビニルアルコールとブチルアルデヒドとの反応生成物であるポリブチラール樹脂などのポリビニルアルコール類、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、α−メチル−β−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、α−メチル−β−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、α,α−ジメチル−β−プロピオラクトン、β,β−ジメチル−β−プロピオラクトンなどのラクトン類が開環重合したポリエステル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のアルキレングリコール単独または二種以上のジオール類と、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸などのジカルボン酸類との縮合反応で得られたポリエステル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリペンタメチレングリコールなどのポリエーテル類、ビスフェノールA、ヒドロキノン、ジヒドロキシシクロヘキサン等のジオール類と、ジフェニルカーボネート、ホスゲン、無水コハク酸等のカルボニル化合物との反応生成物であるポリカーボネート類が挙げられる。以上のバインダー樹脂(A)は単独でも、また2種以上での混合物でも使用できる。
本発明の感光性樹脂組成物においては、前記バインダー樹脂(A)の中でも、特に炭素数6以上の環式骨格とカルボキシル基を有するアクリル樹脂が好ましい。
かかるアクリル樹脂としては、「環式骨格含有(メタ)アクリレート、あるいはスチレン」と、「(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有(メタ)アクリレート」とを有するモノマー類を重合あるいは共重合させたものである。環式骨格としては、特に脂環式骨格であることが好ましい。
前記環式骨格含有(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位であって、カルボキシ基の水素原子が環式基で置換される。この環式基としては、ベンゼンから1個以上の水素原子を除いた基など芳香族性を持つ単環式基または多環式基及び、脂肪族環式基などを例示できる。
前記脂肪族環式基を有する(メタ)アクリレート、すなわち脂環式骨格含有(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位であって、カルボキシ基に由来するカルボニルオキシ基(-C(O)-O-)の末端の酸素原子に、脂肪族環式基が結合している構造を有する。
前記脂肪族環式基は、その環骨格上に置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。
また、本発明において、「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
本発明における「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。好ましくは多環式基である。
このような脂肪族環式基の具体例としては、例えば、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。特に、シクロペンタンから1個以上の水素原子を除いた基(さらに置換基を有していてもよい)が好ましい。
前記脂肪族環式基がその環骨格上に置換基を有する場合、該置換基の例としては、水酸基、カルボキシ基、シアノ基、酸素原子(=O)等の極性基や、炭素数1〜4の直鎖または分岐状の低級アルキル基が挙げられる。
前記環骨格上に置換基を有する場合、前記極性基および/または前記低級アルキル基を有することが好ましい。極性基としては特に酸素原子(=O)が好ましい。
前述のバインダー樹脂の構造により、本発明の感光性樹脂組成物は、その露光時の硬化不足を補い、充分な硬化性能を得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物を構成する重合性モノマー(B)としては、前述のバインダー樹脂(A)を得るためのモノマーを挙げることができる。
本発明で用いる光重合開始剤(C)としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−[4− (メチルチオ) フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,4ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾフェノン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジメチルスルフィド、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸―2−エチルヘキシル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−イソアミル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンジル―β―メトキシエチルアセタール、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル) オキシム、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル) ケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス−(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス−(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス−(9−アクリジニル)プロパン等を挙げることができる。これらの光重合開始剤は単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
前記無機粉末(機能性材料)(D)としては、特に限定はなく、形成しようとする無機被膜のパターンの種類に応じて、導電性、絶縁性(誘電性)、光吸収性、蛍光性、基板密着性向上などの性質を示す材料が用いられる。この無機粉末は、感光性樹脂組成物が露光光源に対して必要な透明性を満たすものであれば、特に限定されない。例えば、ガラス、セラミックス(コーディライト等)、金属等を用いることができる。具体的には、PbO−SiO2系、PbO−B23−SiO2系、ZnO−SiO2系、ZnO−B23−SiO2系、BiO−SiO2系、BiO−B23−SiO2系のホウ珪酸鉛ガラス、ホウ珪酸亜鉛ガラス、ホウ珪酸ビスマスガラス等のガラス粉末や、酸化コバルト、酸化鉄、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化マンガン、酸化ネオジウム、酸化バナジウム、酸化セリウムチペークイエロー、酸化カドミウム、酸化ルテニウム、シリカ、マグネシア、スピネルなどNa、K、Mg、Ca、Ba、Ti、Zr、Al等の各酸化物、ZnO:Zn、Zn3(PO42:Mn、Y2SiO5:Ce、CaWO4:Pb、BaMgAl1423:Eu、ZnS:(Ag,Cd)、Y23:Eu、Y2SiO5:Eu、Y3Al512:Eu、YBO3:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、GdBO3:Eu、ScB3:Eu、LuBO3:Eu、Zn2SiO4:Mn、BaAl1219:Mn、SrAl1319:Mn、CaAl1219:Mn、YBO3:Tb、BaMgAl1423:Mn、LuBO3:Tb、GdBO:Tb、ScBO3:Tb、Sr6Si33Cl4:Eu、ZnS:(Cu,Al)、ZnS:Ag、Y22S:Eu、ZnS:Zn、(Y,Cd)BO3:Eu、BaMgAl1223:Eu等の蛍光体粉末、鉄、ニッケル、パラジウム、タングステン、銅、アルミニウム、銀、金、白金等の金属粉末等が挙げられる。特にガラス、セラミックス等が透明性に優れるため好ましい。中でもガラス粉末(ガラスフリット)を用いた場合に最も顕著な効果が現れる。前記無機粉末が酸化ケイ素、酸化アルミニウムまたは酸化チタンを含有すると濁りが生じ、光線透過率が低下するので、それらの成分を含まない無機粉末が望ましい。これらの無機粉末は使用する隔壁、電極、抵抗体、誘電体、蛍光体、カラーフィルター、ブラックマトリックスに好適なものを適宜選択して用いるのがよい。
前記無機粉末を機能性から検討した場合、導電性を有する材料としては、従来から知られているようなAg、Cu、Ni、Au、Pd、Al、Ir、Ru、Rh、Re、Os、およびPt等の導電性金属粉末、またはこれらの導電性金属酸化物粉末が挙げられる。これらは単独、合金または混合粉末としたものを使用することができる。
また、無機粉末として、絶縁性(誘電性)を有する材料としては、例えば、セラミック固体の微粒子が適用できる。酸化物系セラミックとしては、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、フエライト、イツトリア、ジルコニア、ムライト等が挙げられる。また、炭化物系セラミックとしては、炭化珪素、炭化タングステン、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル等が挙げられる。また、窒化物系セラミックとしては、窒化珪素、窒化硼素、窒化アルミニウム、窒化ジルコニウム、窒化チタン等が挙げられる。また、硼化物系セラミックとしては、硼化アルミニウム、硼化チタン、硼化ジルコニウム、硼化タンタル、硼化タングステン等が挙げられる。また、水酸化物系セラミックとしては、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
また、光吸収性を有する無機粉末材料としては、カーボンブラック、カーボンリファインドおよびカーボンナノチューブのような炭素系顔料の他、鉄黒、コバルトブルー、酸化亜鉛、酸化チタンおよび酸化クロムのような金属酸化物顔料、硫化亜鉛のような硫化物顔料、フタロシアニン系顔料、金属の硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩およびリン酸塩、ならびにアルミ末、ブロンズ末、亜鉛末を例示することができる。また有機顔料としては、例えば、ナフトールグリーンBのようなニトロソ顔料、ニトロ顔料、ボルドー10B、レーキレッド4Rおよびクロモフタールレッドのようなアゾもしくはアゾレーキ顔料、ピーコックブルーレーキおよびローダミンレーキのようなレーキ顔料、フタロシアニンブルーのようなフタロシアニン顔料、チオインジゴレッドおよびインダトロンブルーのようなスレン顔料、キナクリドン顔料、キナクリジン顔料、ならびにイソインドリノン顔料を挙げることができる。かかる顔料に加えて、吸光性を高めるために染料を同時に具備してもかまわない。
また、蛍光性を有する材料としては、無機もしくは有機蛍光発光化合物のいずれをも用
> いることができる。無機蛍光発光化合物としては、ZnS:Ag、MgWO4、CaWO4、(Ca,Zn)(PO42:Ti+、Ba227:Ti、BaSi25:Pb2+、Sr227:Sn2+、SrFB23.5:Eu2+、MgAl1627:Eu2+、タングステン酸塩、イオウ酸塩のような無機酸塩類を例示することができる。また、有機蛍光発光化合物としては、アクリジンオレンジ、アミノアクリジン、キナクリン、アニリノナフタレンスルホン酸誘導体、アンスロイルオキシステアリン酸、オーラミンO、クロロテトラサイクリン、メロシアニン、1,1’−ジヘキシル−2,2’−オキサカルボシアニンのようなシアニン系色素、ダンシルスルホアミド、ダンシルコリン、ダンシルガラクシド、ダンシルトリジン、ダンシルクロリドのようなダンシルクロライド誘導体、ジフェニルヘキサトリエン、エオシン、ε−アデノシン、エチジウムブロミド、フルオレセイン、フォーマイシン、4−ベンゾイルアミド−4’−アミノスチルベン−2,2’−スルホン酸、β−ナフチル3リン酸、オキソノール色素、パリナリン酸誘導体、ペリレン、N−フェニルナフチルアミン、ピレン、サフラニンO,フルオレスカミン、フルオレセインイソシアネート、7−クロロニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾル、ダンシルアジリジン、5−(ヨードアセトアミドエチル)アミノナフタレン−1−スルホン酸、5−ヨードアセトアミドフルオレセイン、N−(1−アニリノナフチル4)マレイミド、N−(7−ジメチル−4−メチルクマニル)マレイミド、N−(3−ピレン)マレイミド、エオシン−5−ヨードアセトアミド、フルオレセインマーキュリーアセテート、2−[4’−(2”−ヨードアセトアミド)]アミノナフタレン−6−スルホン酸、エオシン、ローダミン誘導体等が挙げられる。
本発明において、無機粉末(D)は、該感光性樹脂組成物の固形組成分に対して、10〜90質量%の範囲で用いることがパターン形成上好ましい。また、導電性金属粉末の場合、その平均粒子径は0.5〜25μmが好ましい。
前記無機粉末(機能性材料)(D)は、粉末形態が好ましく、粉末としては、球状であることが好ましい。球状であれば、表面平滑性の良い塗膜を形成することが容易になり、現像パターンの再現性も良い。
また、感光性樹脂組成物層の下層まで露光光を透過させ、良好なパターン形状を得るため、特に無機粉末中にガラス粉末が含有することが好ましい。ガラス粉末の配合量は、無機粉末100重量部のうち、10重量部以下、好ましくは5重量部以下である。10重量部以下であることで、機能性パターンの特性とパターン形状の特性を充分に維持することができる。
前記無機粉末(機能性材料粉末)(D)の平均粒径としては、2〜3μmが好ましく、さらに好ましくは、2.4〜2.8μmである。平均粒径が2μm未満であると、露光光が塗膜の深部に届きにくくなり、パターンの断線が発生しやすくなる。平均粒径が3μmを超えると、塗膜の膜厚精度が悪くなる。
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、シリコーン系、アクリル系等の消泡・レベリング剤、皮膜の密着性向上のためのシランカップリング剤、等の他の添加剤を配合することもできる。さらにまた、必要に応じて、導電性金属粉の酸化を防止するための公知慣用の酸化防止剤や、保存時の熱的安定性を向上させるための熱重合禁止剤、焼成時における基板との結合成分としての金属酸化物、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物などの微粒子を添加することもできる。
本発明の感光性樹脂組成物は、予めフィルム状に成膜されている場合には基板上にラミネートすればよいが、ペースト状組成物の場合、スクリーン印刷法、バーコーター、ブレードコーターなど適宜の塗布方法で基板、例えばPDPの前面基板となるガラス基板に塗布し、次いで指触乾燥性を得るために熱風循環式乾燥炉、遠赤外線乾燥炉等で例えば約60〜120℃で5〜40分程度乾燥させて有機溶剤を蒸発させ、タックフリーの塗膜を得る。その後、選択的露光、現像、焼成を行って所定のパターンの電極回路を形成する。
露光工程としては、所定の露光パターンを有するネガマスクを用いた接触露光及び非接触露光が可能であるが、解像度の点からは接触露光が好ましい。露光光源としては、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、レーザー光、メタルハライドランプ、ブラックランプ、無電極ランプなどが使用される。露光量としては50〜1000mJ/cm2 程度が好ましい。
現像工程としては、スプレー法、浸漬法等が用いられる。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウムなどの金属アルカリ水溶液や、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン水溶液、特に約1.5重量%以下の濃度の希アルカリ水溶液が好適に用いられるが、組成物中のカルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基がケン化され、未硬化部(未露光部)が除去されればよく、上記のような現像液に限定されるものではない。また、現像後に不要な現像液の除去のため、水洗や酸中和を行うことが好ましい。
焼成工程においては、無機粉末の融点より低い温度での加熱処理、具体的には現像後の基板を空気中又は窒素雰囲気下で約400〜600℃の加熱処理を行い、所望の機能性パターンを形成する。またこの時、焼成工程の前段階として、約300〜500℃に加熱してその温度で所定時間保持し、有機物を除去する工程を入れることが好ましい。なお、無機粉末の融点とは、無機粉末中の主成分としての無機粉末の融点を指し、複数の無機粉末が主成分として存在する場合、それらの混合物の融点を指す。
本発明の機能性パターン形成用感光性樹脂組成物を用いた機能性パターン形成方法は、前記機能性パターン形成用感光性樹脂組成物をガラス基板上に塗布し、得られた塗膜を所望のパターンに露光し、この露光後の塗膜を現像し、得られたアンダーカット形状の現像パターンを無機粉末の融点より低い温度であり、前記ガラス基板の変形を生じない温度範囲で焼成し、該焼成によって前記現像パターンの断面形状が基板密着部から上面に向かって狭幅化する形状に自己形成させて、機能性パターンを得ることを特徴とする。
本発明の機能性パターン形成方法では、感光性樹脂組成物の塗布方法は特に限定されない。感光性樹脂組成物液の粘度やレオロジーをコントロールすることで、様々な塗工方法に対応することができる。また、無機材料粒子が均一に系内に分散されるように、分散剤を使用することもできる。さらに、焼成工程は前記ガラス基板の変形を生じない温度範囲での焼成であれば特に限定されないが、特にガラス基板の歪点以下の温度範囲であればよい。具体的には600℃以下であればよい。
本発明にかかる機能性パターン形成用感光性樹脂組成物は、ガラス基板上に塗布後にパターン露光と現像によって得られたパターンが焼成されることによって、機能性パターンを形成する機能性パターン形成用感光性樹脂組成物であって、無機粉末の融点より低く、前記ガラス基板の変形を生じない温度範囲での焼成によって前記現像パターン(アンダーカット形状となっている)が基板密着部から上面に向かって狭幅化する断面形状に自己形成することを特徴とするものである。したがって、本発明にかかる感光性樹脂組成物を用いて、リソグラフィー技術により、アンダーカット形状およびエッジカールの全くない機能性パターンを容易に形成することが可能となる。
以下に、本発明にかかる機能性パターン形成用感光性樹脂組成物および機能性パターン形成方法の実施例を説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
(実施例1〜3、参考例1
本発明に係る感光性樹脂組成物を、以下の手順により、調製し、評価した。
(1) 表1に記載の(A)〜(E)成分を所定量加え、これを3本ロールミルにて、分散、混練した。
(2) 調製された感光性樹脂組成物を、ガラス上に塗布した。塗布は、アプリケーターを用いて、乾燥後20μmとなるように行った。
(3) 続いて、照射線幅100μmとなるネガマスクを介して露光を行った。光源に超高圧水銀灯を用いて、i線を400mJ/cmの露光量照射した。
(4) 露光後、0.3%炭酸ナトリウム(30℃)を現像液として、スプレー法にて現像を行った。その後、純水にて洗浄した。また、露光部の膜表面の現像耐性を評価するために、顕微鏡にて観察した。その結果を表1に、現像液に対する耐性が良好で膜表面がダメージを受けていない(膜べりのない)ものを○○で示し、膜べりが若干見られるものを○、レジストが流れるものを×で示した。
(5) 得られたレジストパターン(現像パターン:線幅100μm)を、焼成炉内で600℃で30分間放置することによって、焼成を行った。得られた電極パターン(機能性パターン)の形状を走査型顕微鏡(SEM)で観察して、下記評価基準でアンダーカット及びエッジカールを評価した。その結果を表1に示した。
(アンダーカット及びエッジカール評価)
○○:像形成時はアンダーカット形状であり、焼成後はエッジカールなく、断面形状が基板密着部から上面に向かって狭幅化する形状に自己形成している良好な電極パターンが得られた。
○ :像形成時はアンダーカット形状であり、焼成後はエッジカールなく、断面形状が基板密着部から上面に向かって狭幅化する形状に自己形成しているが、自己形成形状が不安定で、露光時の露光量を300mJ/cmとした場合に十分な自己形成形状を有する良好な電極パターンが得られた。
× :像形成時はアンダーカット形状であるが、焼成後はエッジカールし、断面形状が基板密着部から上面に向かって狭幅化する形状は得られず、良好な電極パターンは得られなかった。
Figure 0004597830
参考例2、3
表2に示す組成によって、前記実施例1〜3、参考例1と同様にして配線パターンを形成し、同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0004597830
なお、前記表2中の商品名の組成内容は、前記表1に記載内容と同様である。
(比較例1)
表3に示す組成によって、前記実施例1〜3、参考例1〜3と同様にして配線パターンを形成し、同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
Figure 0004597830
なお、前記表3中の商品名の組成内容は、前記表1に記載内容と同様である。
前記表1〜表3に示すように、本発明にかかる機能性パターン形成用感光性樹脂組成物および機能性パターン形成方法によれば、オーバー現像耐性を犠牲にすることなく、アンダーカットおよびエッジカールが全く存在しない良好な機能性パターンを得ることができる。
以上のように、本発明にかかる機能性パターン形成用感光性樹脂組成物ガラス基板上に塗布後にパターン露光と現像によって得られたパターンが焼成されることによって、機能性パターンを形成する機能性パターン形成用感光性樹脂組成物であって、前記ガラス基板の変形を生じない温度範囲での焼成によって、前記現像パターンのアンダーカット形状の断面形状が基板密着部から上面に向かって狭幅化する形状に自己形成することを特徴とするものである。
したがって、本発明にかかる機能性パターン形成用感光性樹脂組成物および機能性パターン形成方法を用いて、リソグラフィー技術により、オーバー現像耐性を犠牲にすることなく、アンダーカット形状およびエッジカールの全くない機能性パターンを容易に形成することが可能となる。その結果、品質良好な表示装置を効率的に提供することが可能となる。

Claims (6)

  1. ガラス基板上に塗布後にパターン露光と現像によって得られた現像パターンが焼成されることによって、機能性パターンを形成する機能性パターン形成用感光性樹脂組成物であって、
    組成分として、(A)バインダー樹脂、(B)重合性モノマー、(C)光重合開始剤、(D)無機粉末を含有し、
    前記(A)バインダー樹脂が、少なくとも炭素数6以上の脂環式骨格とカルボキシル基を有し、かつ、分子量が1万〜3万の(メタ)アクリル樹脂であり、
    前記(A)バインダー樹脂と前記(B)重合性モノマーとを合計してなる有機成分における平均二重結合当量が500〜1000g/molであり、
    現像後、前記現像パターンの断面形状の基板密着側長(底部長)Aとパターン上部長Bの関係がA<Bであり、該現像パターンが、前記(D)無機粉末の融点より低い温度で焼成後、断面形状が基板密着部から上面に向かって狭幅化する形状に自己形成することを特徴とする機能性パターン形成用感光性樹脂組成物。
  2. 前記機能性パターンが電極パターンであり、前記(D)無機粉末として導電性粉末を含有することを特徴とする請求項に記載の機能性パターン形成用感光性樹脂組成物。
  3. 前記(D)無機粉末としてさらにガラス粉末を含有することを特徴とする請求項に記載の機能性パターン形成用感光性樹脂組成物。
  4. 前記機能性パターンが遮光パターンであり、前記(D)無機粉末として遮光性粉末を含有することを特徴とする請求項に記載の機能性パターン形成用感光性樹脂組成物。
  5. 前記(D)無機粉末としてさらにガラス粉末を含有することを特徴とする請求項に記載の機能性パターン形成用感光性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の機能性パターン形成用感光性樹脂組成物をガラス基板上に塗布し、得られた塗膜を所望のパターンに露光し、この露光後の塗膜を現像し、現像パターンの断面形状の基板密着側長(底部長)Aとパターン上部長Bの関係A<Bとし、焼成後、現像パターンの断面形状が基板密着部から上面に向かって狭幅化する形状に自己形成させて、機能性パターンを得ることを特徴とする機能性パターン形成方法。
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