JP2005316439A - カラーフィルタおよびこれを備えた液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶表示装置の白表示時の色特性と黒表示時の色特性とが相違せず視認性に優れたカラーフィルタ、およびそれを備えた液晶表示装置の提供。
【解決手段】赤色、緑色および青色のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタにおいて、該カラーフィルタを2枚の偏光板の間に挟んで、XYZ表色系色度図の色度座標(x、y)を測定した場合、平行透過光の色度(xP、yP)と直交透過光の色度(xC、yC)が下記式(1)を満足するカラーフィルタ、および該カラーフィルタを備えた液晶表示装置。
Δxy=[(xP−xC2+(yP−yC21/2<0.130 ・・・(1)
【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置に用いられるカラーフィルタおよびこれを備えた液晶表示装置に関する。
カラー液晶表示装置は、基本的に、第1の透明電極層が形成された第1の透明基板と、第2の透明電極層が形成された第2の透明基板と、これらの間に封入された液晶層と、カラーフィルタとを備える。カラーフィルタは、通常、第2の透明基板と第2の透明電極との間に形成される。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に、遮光パターンであるブラックマトリックスと赤色、緑色および青色の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行または交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものから構成されている。
第1および第2の透明基板の外側には、それぞれ第1および第2の偏光板が設けられており、第1の偏光板の外側にはバックライト光源を含むバックライトユニットが設置されている。
このような液晶表示装置では、第1および第2の透明電極層間に印加する電圧をフィルタセグメント毎に調整し、第1の偏光板を通過したバックライトユニットからの光の偏光度合いを制御して、第2の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示が行われる。従って、カラーフィルタおよび偏光板の色特性は、液晶表示装置の色特性を決定する重要な因子となっている。
液晶表示装置は、近年その薄型であることゆえの省スペース性、軽量性、また省電力性などが評価され、大型のテレビ、モニタにも用途が急速に拡大してきていることから、液晶表示装置の色特性を決定するカラーフィルタに対して高輝度化、高色再現性、高コントラスト化の要求が高まっている。
しかしながら、これまでのカラーフィルタは、カラーフィルタの平行透過光(2枚の偏光板の偏光軸を互いに平行にした状態での透過光)の色度と直交透過光(2枚の偏光板の偏光軸を互いに直交にした状態でのわずかに漏れてくる透過光)の色度が相違するため、液晶表示装置での白表示時の色特性と黒表示時の色特性が相違し、黒表示時に色づいて見え、視認性が劣るものが多かった。その結果、大型のテレビ、モニタなどに十分な表示品位を得ることが困難であった。
このような問題に対して、「各色パターンのうち、コントラスト比が最大となる色パターンのコントラスト比をCR1、コントラスト比が最小となる色パターンのコントラスト比をCR2としたとき、CR1/CR2≦1.6なる関係が成り立つ」ようにすることが提案されている(特許文献1参照)。これは、各色フィルタセグメントのコントラスト比を一定の範囲内に抑えることで黒表示時の光漏れ量を均一化し、黒表示時の着色を低減させようとするものである。
また、液晶表示装置の色特性に影響を及ぼす偏光板自体も偏光軸が互いに平行にした状態と、互いに直交にした状態では色特性が異なり、直交にした状態は、平行にした状態に比較して著しく青色に色づいて見えることから、平行透過光の色度と直交透過光の色度を一定の範囲内に調整することが行われている(特許文献2参照)。
特開2001−194658号公報 特開2002−214436号公報
従来のカラー液晶表示装置は、偏光板の影響により黒表示時に著しく青く見えるものが多く、カラーフィルタの各色フィルタセグメントのコントラスト比を均一化することでは、黒表示時において、少なからず青く色づいて見えることになり、白表示時の色特性と黒表示時の色特性が相違するという問題の完全な解決には至っていなかった。
そこで、本発明は、液晶表示装置の白表示時の色特性と黒表示時の色特性とが相違せず視認性に優れたカラーフィルタ、およびそれを備えた液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明のカラーフィルタは、赤色、緑色および青色のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタにおいて、該カラーフィルタを2枚の偏光板の間に挟んで、XYZ表色系色度図の色度座標(x、y)を測定した場合、平行透過光の色度(xP、yP)と直交透過光の色度(xC、yC)が下記式(1)を満足することを特徴とする。
Δxy=[(xP−xC2+(yP−yC21/2<0.130 ・・・(1)
また、本発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタを備えたことを特徴とする。
本発明のカラーフィルタにおいて、直交透過光の色度(xC、yC)は、XYZ表色系色度図におけるxy平面上において、色度a(0.180,0.180)と色度b(0.270,0.180)を結ぶ直線、色度bと色度c(0.320,0.250)を結ぶ直線、色度cと色度d(0.380,0.280)を結ぶ直線、色度dと色度e(0.400,0.430)を結ぶ直線、色度eと色度f(0.300,0.350)を結ぶ直線、および色度fと色度aを結ぶ直線により囲まれる領域内にあることが好ましい。
また、本発明のカラーフィルタのコントラスト比は1400以上であることが好ましく、赤色、緑色および青色フィルタセグメントのコントラスト比が下記式(2)、(3)および(4)を満足することが好ましい。
CB/CG≧1.30 ・・・・・・(2)
1.80≧CR/CG≧0.50 ・・・・・・(3)
CB/CR≧1.30 ・・・・・・(4)
CR:赤色フィルタセグメントのコントラスト比
CG:緑色フィルタセグメントのコントラスト比
CB:青色フィルタセグメントのコントラスト比
また、本発明のカラーフィルタにおいて、青色フィルタセグメントのXYZ表色系色度図の色度座標yは0.140未満であり、かつコントラスト比は2000以上であることが好ましく、青色フィルタセグメントは、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる色素担体と、BET法による比表面積が90m2/g以上のC.I. Pigment Blue 15:6顔料と、さらに必要に応じてBET法による比表面積が90m2/g以上のC.I. Pigment Violet 23顔料とを含有する青色着色組成物から形成されることが好ましい。
本発明のカラーフィルタは、2枚の偏光板の間に挟んで測定した平行透過光の色度と直交透過光の色度との相違が小さいため、本発明のカラーフィルタを用いて液晶表示装置を形成することにより、白表示と黒表示の色再現性が良好で、視認性に優れた高品質な液晶表示装置を得ることができる。
まず、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、赤色、緑色および青色のフィルタセグメントを具備し、該カラーフィルタを2枚の偏光板の間に挟んでXYZ表色系色度図の色度座標(x、y)を測定した場合、平行透過光の色度(xP、yP)と直交透過光の色度(xC、yC)が下記式(1)を満足するものである。
Δxy=[(xP−xC2+(yP−yC21/2<0.130 ・・・(1)
Δxyが上記範囲内にあるカラーフィルタを用いて形成される液晶表示装置は、白表示時の色特性と黒表示時の色特性の相違がなく、視認性に優れている。なお、Δxyは好ましくは0.110未満であり、更に好ましくは0.090未満である。
カラーフィルタを2枚の偏光板の間に挟んだ状態でのXYZ表色系色度図における平行透過光の色度(xP、yP)および直交透過光の色度(xC、yC)は、色彩輝度計により、2゜視野の条件で測定される(CIE1931表色系)。また、光源としては、図1に示すような発光スペクトルを有し、輝度=1937cd/m2、XYZ表色系色度図における色度座標(x,y)が(0.316,0.301)、色温度=6525K、色度偏差duv=−0.0136の特性のものが用いられる。また、偏光板は、NPF−SEG1224DU(日東電工社製)が用いられる。
液晶表示装置の白表示時の色特性と黒表示時の色特性の相違を無くし、黒表示時の着色を抑えるためには、カラーフィルタの直交透過光の色度(xC、yC)が、XYZ表色系色度図におけるxy平面上において、図2に示すように、色度a(0.180,0.180)と色度b(0.270,0.180)を結ぶ直線、色度bと色度c(0.320,0.250)を結ぶ直線、色度cと色度d(0.380,0.280)を結ぶ直線、色度dと色度e(0.400,0.430)を結ぶ直線、色度eと色度f(0.300,0.350)を結ぶ直線、および色度fと色度aを結ぶ直線により囲まれる領域内にあることが好ましい。この範囲を外れると相関色温度が著しく低くなるか、あるいは黒体軌跡との偏差が著しく大きくなってしまうため、着色を感じるようになってしまう。
カラーフィルタの直交透過光の色度(xC、yC)は、より好ましくは色度a’(0.220,0.220)と色度b’(0.280,0.210)を結ぶ直線、色度b’と色度c’(0.300,0.250)を結ぶ直線、色度c’と色度d’(0.350,0.290)を結ぶ直線、色度d’と色度e’(0.360,0.380)を結ぶ直線、色度e’と色度f’(0.290,0.320)を結ぶ直線、および色度f’と色度a’を結ぶ直線により囲まれる図形の領域内にあり、更に好ましくは色度a”(0.240,0.230)と色度b”(0.280,0.220)を結ぶ直線、色度b” と色度c”(0.300,0.260)を結ぶ直線、色度c”と色度d”(0.340,0.300)を結ぶ直線、色度d”と色度e”(0.340,0.350)を結ぶ直線、色度e”と色度f”(0.290,0.300)を結ぶ直線、および色度f”と色度a”を結ぶ直線により囲まれる領域内にある。
本発明のカラーフィルタのコントラスト比は、1400以上であることが好ましく、より好ましくは1800以上であり、更に好ましくは2000以上である。コントラスト比が1400未満では、液晶表示装置にした際、カラーフィルタで散乱された光が漏れるため、メリハリを欠いた画像表示となり、画質が不十分となる場合がある。
カラーフィルタのコントラスト比の上限は、偏光板のコントラスト比(カラーフィルタを除いた状態で測定されるコントラスト比)と同等まで高めることができ、偏光板のコントラスト比は、現状では15000程度である。
液晶表示装置の白表示時の色特性と黒表示時の色特性の相違を抑えるためには、本発明のカラーフィルタを構成する赤色、緑色および青色フィルタセグメントのコントラスト比は、下記式(2)、(3)および(4)を満足することが好ましい。
CB/CG≧ 1.30 ・・・・・・(2)
1.80 ≧CR/CG≧0.50 ・・・・・・(3)
CB/CR≧1.30 ・・・・・・(4)
CR:赤色フィルタセグメントのコントラスト比
CG:緑色フィルタセグメントのコントラスト比
CB:青色フィルタセグメントのコントラスト比
主にΔxyに関係するCB/CG、CB/CRは高い値が好ましい。また、主にカラーフィルタの直交透過光の色度と黒体軌跡との偏差に関係するCR/CGは1.00に近いことが好ましい。CB/CG、CR/CG、CB/CRは、より好ましくはCB/CG≧ 1.50、1.60≧ CR/CG ≧ 0.60、CB/CR≧ 1.50であり、更に好ましくはCB/CG ≧ 1.70、1.40 ≧ CR/CG ≧ 0.70、CB/CR ≧ 1.70である。
尚、CB/CG、CB/CRの上限は、青色のフィルタセグメントの実現可能なコント
ラスト比を考慮すると10.00程度である。
本発明のカラーフィルタが具備する青色フィルタセグメントは、XYZ表色系色度図の色度座標yが0.140未満であり、かつコントラスト比が2000以上であることが好ましい。XYZ表色系色度図の色度座標yは、C光源を用いて測定される。青色フィルタセグメントのコントラスト比は、より好ましくは3000以上であり、更に好ましくは4000以上である。コントラスト比が2000未満では、上記式(2)、(4)の関係を実現することが難しく、Δxyを小さくすることが困難である。なお、コントラスト比の上限は、偏光板のコントラスト比(カラーフィルタを除いた状態で測定されるコントラスト比)と同等まで高めることができ、偏光板のコントラスト比は、現状では15000程度である。
本発明のカラーフィルタが具備する各色のフィルタセグメントは、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる色素担体と、色素と、必要に応じて有機溶剤とを含有する着色組成物を用いて形成される。
着色組成物に含まれる色素としては、有機または無機の顔料を、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。顔料のなかでは、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。
以下に、着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
青色フィルタセグメントを形成するための青色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80等の青色顔料、好ましくはC.I. Pigment Blue 15:6を用いることができる。
また、青色着色組成物には、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料、好ましくはC.I. Pigment Violet 23を併用することができる。
赤色フィルタセグメントを形成するための赤色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272、279等の赤色顔料を用いることができる。赤色着色組成物には、黄色顔料、橙色顔料を併用することができる。
黄色顔料としてはC.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、144、146、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等が挙げられる。
橙色顔料としてはC.I. Pigment Orange 36、43、51、55、59、61、71、73等が挙げられる。
緑色フィルタセグメントを形成するための緑色着色組成物には、例えばC.I. Pigment Green 7、10、36、37等の緑色顔料を用いることができる。緑色着色組成物には赤色着色組成物と同様の黄色顔料を併用することができる。
また、無機顔料としては、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組み合わせて用いられる。
着色組成物には、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。
着色組成物に含まれる顔料は、カラーフィルタの高輝度化、高コントラスト化を実現させるため、微細化処理されていることが好ましく、また比表面積が大きいことが好ましい。
特に、青色着色組成物に含まれる青色顔料のBET法による比表面積は、90m2/g以上であることが好ましく、より好ましくは100m2/g以上であり、更に好ましくは110m2/g以上である。また、青色顔料のBET法による比表面積は、140m2/g以下であることが好ましい。
また、紫色顔料のBET法による比表面積は、90m2/g以上であることが好ましく、より好ましくは100m2/g以上であり、更に好ましくは、110m2/g以上である。また、紫色顔料のBET法による比表面積は、150m2/g以下であることが好ましい。
それぞれの顔料の比表面積が下限値より小さい場合には、カラーフィルタの輝度やコントラスト比が低くなる。また、それぞれの顔料の比表面積が上限値より大きい場合には、顔料分散が難しくなり、着色組成物としての安定性を保ち、流動性を確保することが困難になる。その結果、カラーフィルタの輝度やコントラスト比の特性が悪化する。
顔料の比表面積を制御する手段としては、顔料を機械的に粉砕して比表面積を制御する方法(磨砕法と呼ぶ)、良溶媒に溶解したものを貧溶媒に投入して所望の比表面積の顔料を析出させる方法(析出法と呼ぶ)、および合成時に所望の比表面積の顔料を製造する方法(合成析出法と呼ぶ)等がある。使用する顔料の合成法や化学的性質等により、個々の顔料について適当な方法を選択して行うことができる。
以下にそれぞれの方法について説明するが、本発明に用いる着色組成物に含まれる顔料の比表面積の制御方法は、上記方法のいずれを用いてもよい。
磨砕法は、顔料をボールミル、サンドミルまたはニーダーなどを用いて、食塩等の水溶性の無機塩などの磨砕剤およびそれを溶解しない水溶性有機溶剤とともに機械的に混練(以下、この工程をソルトミリングと呼ぶ)した後、無機塩と有機溶剤を水洗除去し、乾燥することにより所望の比表面積の顔料を得る方法である。ただし、ソルトミリング処理により、顔料が結晶成長する場合があるため、処理時に上記有機溶剤に少なくとも一部溶解する固形の樹脂や顔料分散剤を加えて、結晶成長を防ぐ方法が有効である。
顔料と無機塩の比率は、無機塩の比率が多くなると顔料の微細化効率は良くなるが、顔料の処理量が少なくなるために生産性が低下する。一般的には、顔料が1重量部に対して無機塩を1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部用いるのが良い。また、上記水溶性有機溶剤は、顔料と無機塩とが均一な固まりとなるように加えるもので、顔料と無機塩との配合比にもよるが、通常顔料の50〜300重量%の量が用いられる。
上記ソルトミリングについてさらに具体的には、顔料と水溶性の無機塩の混合物に湿潤剤として少量の水溶性有機溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に、このスラリーを濾過、水洗して乾燥することにより、所望の比表面積の顔料を得ることができる。
析出法は、顔料を適当な良溶媒に溶解させたのち、貧溶媒と混ぜ合わせて、所望の比表
面積の顔料を析出させる方法で、溶媒の種類や量、析出温度、析出速度などにより比表面積の大きさが制御できる。一般に顔料は溶媒に溶けにくいため、使用できる溶媒は限られるが、例として濃硫酸、ポリリン酸、クロロスルホン酸などの強酸性溶媒または液体アンモニア、ナトリウムメチラートのジメチルホルムアミド溶液などの塩基性溶媒などが知られている。
本法の代表例としては、酸性溶剤に顔料を溶解させた溶液を他の溶媒中に注入し、再析出させて微細粒子を得るアシッドペースティング法がある。工業的にはコストの観点から硫酸溶液を水に注入する方法が一般的である。硫酸濃度は特に限定されないが、95〜100重量%が好ましい。顔料に対する硫酸の使用量は特に限定されないが、少ないと溶液粘度が高くハンドリングが悪くなり、逆に多すぎると顔料の処理効率が低下するため、顔料に対して3〜10重量倍の硫酸を用いることが好ましい。なお、顔料は完全溶解している必要はない。溶解時の温度は0〜50℃が好ましく、これ以下では硫酸が凍結する恐れがあり、かつ溶解度も低くなる。高温すぎると副反応が起こりやすくなる。注入される水の温度は1〜60℃が好ましく、この温度以上で注入を始めると硫酸の溶解熱で沸騰して作業が危険である。これ以下の温度では凍結してしまう。注入にかける時間は顔料1部に対して0.1〜30分が好ましい。時間が長くなるほど比表面積は小さくなる傾向がある。
顔料の比表面積の制御は、アシッドペースティング法などの析出法とソルトミリング法などの磨砕法を組み合わせた手法を選択することにより、顔料の整粒度合を考慮しつつ行うことができ、さらにはこのとき分散体としての流動性も確保できることからより好ましい。
ソルトミリング時あるいはアシッドペースティング時には、比表面積制御に伴う顔料の凝集を防ぐために、下記に示す色素誘導体や樹脂型顔料分散剤、界面活性剤等の分散助剤を併用することもできる。また、比表面積制御を2種類以上の顔料を共存させた形で行うことにより、単独では分散が困難な顔料であっても安定な分散体として仕上げることができる。
特殊な析出法としてロイコ法がある。フラバントロン系、ペリノン系、ペリレン系、インダントロン系等の建染染料系顔料は、アルカリ性ハイドロサルファイトで還元すると、キノン基がハイドロキノンのナトリウム塩(ロイコ化合物)になり水溶性になる。この水溶液に適当な酸化剤を加えて酸化することにより、水に不溶性の比表面積の大きな顔料を析出させることができる。
合成析出法は、顔料を合成すると同時に所望の比表面積の顔料を析出させる方法である。しかし、生成した微細顔料を溶媒中から取り出す場合、顔料粒子が凝集して大きな二次粒子になっていないと一般的な分離法である濾過が困難になるため、通常、二次凝集が起きやすい水系で合成されるアゾ系等の顔料に適用されている。
さらに、顔料の比表面積を制御する手段として、顔料を高速のサンドミル等で長時間分散すること(顔料を乾式粉砕する、いわゆるドライミリング法)により、顔料の比表面積を大きくすると同時に分散することも可能である。
色素担体は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物から構成される。透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれ、その前駆体には、放射線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。色素担体は、色素100重量部に対して、好ましくは100〜700重量部、より好ましくは100〜400重量部の量で用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
モノマーおよびオリゴマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化する場合には、光重合開始剤等が添加される。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が用いられる。これらの光重合開始剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
光重合開始剤は、色素100重量部に対して、好ましくは5〜200重量部、より好ましくは10〜150重量部の量で用いることができる。
さらに、増感剤として、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン系化合物を併用することもできる。これらの増感剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
増感剤の使用量は、光重合開始剤と増感剤の合計量を基準として0.5〜60重量%が好ましく、より好ましくは3〜40重量%である。
さらに、着色組成物には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール
、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。
多官能チオールは、色素100重量部に対して、0.1〜200重量部の量で用いることが好ましく、より好ましくは0.25〜75重量部の量である。0.1重量部未満では多官能チオールの添加効果が不充分であり、200重量部を越えると感度が高すぎて逆に解像度が低下する。
着色組成物は、必要に応じて有機溶剤を含有することができる。有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。溶剤は、色素100重量部に対して、好ましくは800〜4000重量部、より好ましくは1000〜2500重量部の量で用いることができる。
着色組成物は、色素または2種以上の色素からなる色素組成物を、必要に応じて上記光重合開始剤と共に、色素担体および有機溶剤中に三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、2種以上の色素を含む着色組成物は、各色素を別々に色素担体および有機溶剤中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。色素を色素担体および有機溶剤中に分散する際には、適宜、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤、色素誘導体等の分散助剤を含有させることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を色素担体および有機溶剤中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。分散助剤は、色素100重量部に対して、好ましくは0.1〜40重量部、より好ましくは0.1〜30重量部の量で用いることができる。
樹脂型顔料分散剤としては、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、色素担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の色素担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ジエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
色素誘導体としては、有機色素に置換基を導入した化合物であり、有機色素には、一般に色素とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができ、また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。貯蔵安定剤は、必要な場合は、色素100重量部に対して、0.1〜10重量部の割合で用いることができる。また、密着向上剤は、必要な場合は、色素100重量部に対して、0.1〜200重量部の割合で用いることができる。
貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。
着色組成物は、グラビアオフセット用印刷インキ、水無しオフセット印刷インキ、シルクスクリーン印刷用インキ、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストの形態で調製することができる。着色レジストは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または感光性樹脂と、モノマーと、光重合開始剤と、有機溶剤とを含有する組成物中に色素を分散させたものである。
色素は、着色組成物の全固形分量を基準として5〜70重量%の割合で含有されることが好ましい。より好ましくは、20〜50重量%の割合で含有され、その残部は、色素担体により提供される樹脂質バインダーから実質的になる。
着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
本発明のカラーフィルタは、透明基板上に、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、上記の各色着色組成物を用いて形成される赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを具備する。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、液晶パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
印刷法による各色フィルタセグメントの形成は、上記各種の印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには
、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法により各色フィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストとして調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。
必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジストの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液
盛り)現像法等を適用することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができる。なお、電着法は、透明基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめカラーフィルタ層を形成しておき、このカラーフィルタ層を所望の透明基板に転写させる方法である。
次に、本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置について説明する。
図3は、本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置の概略断面図である。図3に示す装置10は、ノート型パソコン用のTFT駆動型液晶表示装置の典型例であって、離間対向して配置された一対の透明基板11および21を備え、それらの間には、液晶(LC)が封入されている。液晶(LC)は、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、IPS(In-Plane switching)、VA(Vertical Alignment)、OCB(Optically Compensated Birefringence)等の駆動モードに応じて配向される。
第1の透明基板11の内面には、TFT(薄膜トランジスタ)アレイ12が形成されており、その上には例えばITOからなる透明電極層13が形成されている。透明電極層13の上には、配向層14が設けられている。また、透明基板11の外面には、偏光板15が形成されている。
他方、第2の透明基板21の内面には、本発明のカラーフィルタ22が形成されている。カラーフィルタ22を構成する赤色、緑色および青色のフィルタセグメントは、ブラックマトリックス(図示せず)により分離されている。カラーフィルタ22を覆って、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、例えばITOからなる透明電極層23が形成され、透明電極層23を覆って配向層24が設けられている。また、透明基板21の外面には、偏光板25が形成されている。なお、偏光板15の下方には、三波長ランプ31を備えたバックライトユニット30が設けられている。
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例中、「部」とは「重量部」を意味する。
[顔料の調整]
実施例および比較例で用いた顔料は、表1に示すものと下記の通りに調整した青色顔料2、紫色顔料2〜4、赤色顔料4、5、黄色顔料3である。なお、青色顔料および紫色顔料については、自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル社製「BELSORP18」)を用いて、窒素吸着によるBET法の比表面積を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2005316439
Figure 2005316439
[青色顔料2(B−2)]
表1に示す青色顔料1(B−1)200部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール(東京化成社製)100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、70℃で12時間混練した。次に、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で24時間乾燥し、198部のソルトミリング処理顔料(青色顔料2)を得た。
[紫色顔料2(V−2)]
表1に示す紫色顔料1(V−1)200部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール(東京化成社製)100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、90℃で3時間混練した。次に、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で24時間乾燥し、198部のソルトミリング処理顔料(紫色顔料2)を得た。
[紫色顔料3(V−3)]
表1に示す紫色顔料1(V−1)300部を96%硫酸3000部に投入し1時間撹拌後、5℃の水に注入した。1時間撹拌後、濾過、温水で洗浄液が中性になるまで洗浄し、70℃で乾燥した。得られたアシッドペースティング処理顔料200部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール(東京化成社製)100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、90℃で6時間混練した。次に、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で24時間乾燥し、198部のソルトミリング処理顔料(紫色顔料3)を得た。
[紫色顔料4(V−4)]
ソルトミリング処理時に用いたアシッドペースティング処理顔料200部のうち10部を表3に示す分散剤A−1に変更し、かつニーダーによる混練時間を20時間に変更した以外は、紫色顔料3と同様にして紫色顔料4を得た。
Figure 2005316439
[赤色顔料4(R−4)]
表1に示す赤色顔料1(R−1)160部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール(東京化成社製)190部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。次に、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で24時間乾燥し、156部のソルトミリング処理顔料(赤色顔料4)を得た。
[赤色顔料5(R−5)]
表1に示す赤色顔料2(R−2)152部、表3に示す分散剤A−2 8部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール(東京化成社製)190部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。次に、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で24時間乾燥し、156部のソルトミリング処理顔料(赤色顔料4)を得た。
[黄色顔料3(Y−3)]
表1に示す黄色顔料2(Y−2)200部、塩化ナトリウム1500部、およびジエチレングリコール(東京化成社製)270部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練した。次に、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で24時間乾燥し、196部のソルトミリング処理顔料(黄色顔料3)を得た。
[アクリル樹脂溶液の調製]
次に、実施例および比較例で用いたアクリル樹脂溶液の調製について説明する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン
換算の重量平均分子量である。
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
スチレン 60.0部
メタクリル酸 60.0部
メチルメタクリレート 65.0部
ブチルメタクリレート 65.0部
アゾビスイソブチロニトリル 10.0部
滴下後さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けてアクリル樹脂の溶液を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約40000であった。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
[顔料分散体の調整]
表4に示す組成(重量比)の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体を作製した。
Figure 2005316439
[着色組成物(以下、レジストという)の調整]
次いで、表5に示す組成(重量比)の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、各色レジストを得た。
Figure 2005316439
モノマー :トリメチロールプロパントリアクリレート
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤:2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパ ン-1-オン
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア907」)
増感剤 :4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)
有機溶剤 :シクロヘキサノン
[実施例1〜9、比較例1〜4]
表6に示す各色レジストの組み合わせにて、下記に示す方法にてカラーフィルタを作製した。
Figure 2005316439
[カラーフィルタの作製]
まず、赤色レジストをスピンコート法により、予めブラックマトリックスが形成されてあるガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中で、70℃で20分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して紫外線を露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。さらに、クリーンオーブン中で、230℃で30分間ポストベークを行い、基板上にストライプ状の赤色フィルタセグメントを形成した。
次に、緑色レジストを使用し、同様に緑色フィルタセグメントを形成し、さらに、青色レジストを使用し、青色フィルタセグメントを形成し、カラーフィルタを得た。各色フィルタセグメントの形成膜厚はいずれも2.0μmであった。
[各色フィルタセグメントのコントラスト比測定用乾燥塗膜の作製]
得られた各色レジストをスピンコート法によりガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中で、70℃で20分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、紫外線を露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。その後、クリーンオーブン中で、230℃で30分間ポストベークを行い、各色フィルタセグメントのコントラスト比測定用乾燥塗膜を作製した。乾燥塗膜の膜厚は、いずれも2.0μmであった。
[液晶表示装置の作製]
得られたカラーフィルタ上に、透明ITO電極層を形成し、その上にポリイミド配向層を形成した。このガラス基板の他方の表面に偏光板を形成した。他方、別の(第2の)ガラス基板の一方の表面にTFTアレイおよび画素電極を形成し、他方の表面に偏光板を形成した。
こうして準備された2つのガラス基板を電極層同士が対面するよう対向させ、スペーサビーズを用いて両基板の間隔を一定に保ちながら位置合わせし、液晶組成物注入用開口部を残すように周囲を封止剤で封止した。開口部から液晶組成物を注入し、開口部を封止した。このようにして作製した液晶表示装置をバックライトユニットと組み合わせて液晶パネルを得た。
実施例及び比較例で得られたカラーフィルタについて、以下の評価を行った。
[青色フィルタセグメントの色度測定]
得られた青色フィルタセグメントの色度座標yを顕微分光測光装置OSP−SP200(オリンパス光学工業社製)を使用し、2゜視野の条件下でC光源を用いて測定した。結果を表6に示す。
[カラーフィルタの平行透過光および直交透過光の色度測定]
まず、図4(a)に示すように、得られたカラーフィルタ34の両側に偏光板33,35を重ねて、偏光板33,35の偏光軸を互いに平行にした状態で、一方の偏光板35の側からバックライト37を当てて、他方の偏光板33を透過した光の色度座標(平行透過光の色度)を色彩輝度計BM−5A(トプコン社製)32を使用して、2゜視野の条件で測定した(CIE1931表色系)。
次に、図4(b)に示すように、偏光板33,35の偏光軸を互いに直交させた状態で、一方の偏光板35側からバックライト37を当て、他方の偏光板33を透過した光の色度座標(直交透過光の色度)を色彩輝度計32で測定した。
なお、バックライトは、図1に示すような発光スペクトルを有し、輝度=1937cd/m2、XYZ表色系色度図における色度座標(x,y)が(0.316,0.301)
、色温度=6525K、色度偏差duv=−0.0136の特性のものを用いた。また、偏光板は、NPF−SEG1224DU(日東電工社製)を用いた。
また、平行透過光の色度(xP、yP)と直交透過光の色度(xC、yC)からΔxyを式(1)を用いて算出した。結果を表7に示し、直交透過光の色度(xC、yC)を図5、図6に示す。
Figure 2005316439
偏光板単体(カラーフィルタを除いた状態)における平行透過光の色度(xP、yP)と直交透過光の色度(xC、yC)についても、図4(a)および図4(b)からカラーフィ
ルタ34を除いた状態で同様に測定し、Δxyを式(1)を用いて算出した。結果を表7に示し、直交透過光の色度(xC、yC)を図5、図6に示す。
[各色フィルタセグメントおよびカラーフィルタのコントラスト比測定]
カラーフィルタの平行透過光および直交透過光の色度測定と同様に、まず、図4(a)に示すように、得られた各色フィルタセグメントおよびカラーフィルタ34の両側に偏光板33,35を重ねて、偏光板33,35の偏光軸を互いに平行にした状態で、一方の偏光板35の側からバックライト37を当てて、他方の偏光板33を透過した光の輝度LP(平行透過光の輝度)を色彩輝度計32で測定した。
次に、図4(b)に示すように、偏光板33,35の偏光軸を互いに直交させた状態で、一方の偏光板35側からバックライト37を当て、他方の偏光板33を透過した光の輝度LC(直交透過光の輝度)を色彩輝度計32で測定した。
また、偏光板単体(カラーフィルタを除いた状態)における平行透過光の輝度LPと直交透過光の輝度LCを図4(a)および図4(b)からカラーフィルタ34を除いた状態で同様に測定した。
得られた測定値を用いて、コントラスト比をLP/LCで算出した。結果を表6,7に示す。
[液晶パネルの黒表示時の着色状態]
作製した液晶表示装置を黒表示させ、着色状態を目視観察した。評価ランクは次の通りであり、結果を表7に示す。
○ :着色が観察されず、視認性良好。
△ :わずかに着色が観察されるが、実用上は問題無いレベル。
× :かなり着色が観察され、視認性不良。
表7、図5,6に示す通り、偏光板単体における平行透過光および直交透過光の色度の変化Δxyは0.274であり、直交透過光の色度も著しく青味にシフトしているが、実施例1〜9のカラーフィルタは、Δxyが0.130未満に抑えられており、その結果、液晶パネルの黒表示時の着色も低く、視認性が良好であった。特に式(2)、(3)、(4)の関係を満足する実施例1〜5のカラーフィルタは、黒表示時の着色がほとんど観察されず、視認性に優れていた。
一方、比較例1〜4のカラーフィルタはΔxyが0.130以上であり、液晶パネルの黒表示時の着色度合いが大きく、視認性不良であった。また、比較例1〜4のカラーフィルタは、図6に示す通り直交透過光の色度(xC、yC)がXYZ表色系色度図におけるxy平面上において、色度a(0.180,0.180)と色度b(0.270,0.180)を結ぶ直線、色度bと色度c(0.320,0.250)を結ぶ直線、色度cと色度d(0.380,0.280)を結ぶ直線、色度dと色度e(0.400,0.430)を結ぶ直線、色度eと色度f(0.300,0.350)を結ぶ直線、および色度fと色度aを結ぶ直線により囲まれる領域から大きく外れていた。
なお、実施例2に比べCB/CG、CB/CRの値を高くした実施例1,3のカラーフィルタは、Δxyが小さくなっている。
また、実施例2,3に比べ赤色、緑色および青色のフィルタセグメントのコントラスト比を高くした実施例4,5のカラーフィルタは、カラーフィルタのコントラスト比が大幅に向上している。
バックライトの発光スペクトルを示すグラフ。 本発明の請求項2において規定する6点の色度で囲まれる色度範囲を示すグラフ。 本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置の一例を示す概略断面図。 コントラスト比の測定方法を説明するための分解斜視図。 実施例1〜6のカラーフィルタにおける直交透過光の色度を示すグラフ。 実施例7〜9および比較例1〜4のカラーフィルタにおける直交透過光の色度を示すグラフ。
符号の説明
10…液晶表示装置
11,21…透明基板
12…TFTアレイ
13,23…透明電極
14,24…配向層
15,25…偏光板
22…カラーフィルタ
30…バックライトユニット
31…三波長ランプ
32…色彩輝度計

33,35…偏光板
34…カラーフィルタ
36…バックライト光
37…バックライトユニット

Claims (8)

  1. 赤色、緑色および青色のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタにおいて、該カラーフィルタを2枚の偏光板の間に挟んで、XYZ表色系色度図の色度座標(x、y)を測定した場合、平行透過光の色度(xP、yP)と直交透過光の色度(xC、yC)が下記式(1)を満足することを特徴とするカラーフィルタ。
    Δxy=[(xP−xC2+(yP−yC21/2<0.130 ・・・(1)
  2. 直交透過光の色度(xC、yC)が、XYZ表色系色度図におけるxy平面上において、色度a(0.180,0.180)と色度b(0.270,0.180)を結ぶ直線、色度bと色度c(0.320,0.250)を結ぶ直線、色度cと色度d(0.380,0.280)を結ぶ直線、色度dと色度e(0.400,0.430)を結ぶ直線、色度eと色度f(0.300,0.350)を結ぶ直線、および色度fと色度aを結ぶ直線により囲まれる領域内にあることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ。
  3. カラーフィルタのコントラスト比が1400以上であることを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタ。
  4. 赤色、緑色および青色フィルタセグメントのコントラスト比が、下記式(2)、(3)および(4)を満足することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のカラーフィルタ。
    CB/CG≧1.30 ・・・・・・(2)
    1.80≧CR/CG≧0.50 ・・・・・・(3)
    CB/CR≧1.30 ・・・・・・(4)
    CR:赤色フィルタセグメントのコントラスト比
    CG:緑色フィルタセグメントのコントラスト比
    CB:青色フィルタセグメントのコントラスト比
  5. 青色フィルタセグメントのXYZ表色系色度図の色度座標yが0.140未満であり、かつコントラスト比が2000以上であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  6. 青色フィルタセグメントが、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる色素担体と、BET法による比表面積が90m2/g以上のC.I. Pigment Blue 15:6顔料とを含有する青色着色組成物から形成されることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のカラーフィルタ。
  7. 青色フィルタセグメントを形成する青色着色組成物が、さらにBET法による比表面積が90m2/g以上のC.I. Pigment Violet 23顔料を含有することを特徴とする請求項6記載のカラーフィルタ。
  8. 請求項1〜7いずれか1項に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示装置。
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