以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の装飾部品用セラミックスは、主成分として組成式TiNxで表される窒化チタンを70質量%以上と、副成分としてニッケルとを含むとともに、添加成分として窒化バナジウム、窒化ニオブおよび窒化タンタルのうち少なくともいずれか1種を2.5質量%以上、かつ10質量%以下含むものである。
組成式TiNxで表される窒化チタンを主成分とすることで、装飾品として良好な白金色を呈するとともに、強度や硬度等の機械的特性が高くなる。また、この白金色を呈するためには、上記窒化チタンを70質量%以上含有させることが好ましい。
本発明の装飾部品用セラミックスは、組成式TiNxの原子数xの値により、得られる装飾部品用セラミックスの色調が影響を受ける。原子数xが小さくなると色調は白金色から淡い白金色になり、原子数xが大きくなると色調はくすんだ濃い黄金色になる。このような観点から組成式TiNxの原子数xの値は、0.65以上かつ0.75以下であることが好ましい。窒化チタンは脱脂または焼成雰囲気中に含まれる酸素および炭素と置換または反応して酸炭窒化チタン(TiCNO)に成りうるため、原子数xの値は、酸素・窒素分析装置および炭素分析装置を用いて決めることができる。具体的には、これら分析装置により窒化チタン100質量%に対する酸素、窒素および炭素の比率を測定した後、窒化チタン100質量%よりこれら各元素の比率の合計を引いた値をチタンの原子量47.9で割ることで、組成式TiNxにおけるチタンの原子数は求められる。また、組成式TiNxにおける窒素の原子数は、窒素の比率を窒素の原子量14で割ることで求められる。求められたチタンの原子数を1に換算したときの窒素の原子数の値が求める原子数xの値である。
なお、本発明における主成分とは、装飾部品用セラミックスを構成する成分のうち、50質量%以上を占める成分をいい、副成分とは、50質量%未満の成分を示す。但し、本発明では副成分および添加成分は、その質量比率が同一であってもよい。
ニッケルを副成分とすることで、主成分である窒化チタンや、添加成分の各結晶を結合する結合剤の作用を成す。
加えて、窒化バナジウム、窒化ニオブおよび窒化タンタルの少なくともいずれか1種を添加成分としたことにより、これらは色調調整剤として作用し、窒化バナジウムおよび窒化タンタルは窒化チタンに固溶する。
本発明の装飾部品材用セラミックスは、少なくとも装飾面の算術平均高さRaが0.03μm以下であるとともに、上記装飾面のCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が72以上かつ84以下であり、クロマティクネス指数a*,b*がそれぞれ0.5以上かつ2以下、15以上かつ20以下に特定される。
これにより、装飾的価値を求める所有者に高級感、美的満足感、精神的安らぎ等を与えられ、しかも白金色の色調を呈する。装飾面の算術平均高さRaは光の反射率に影響を及ぼし、算術平均高さRaを0.03μm以下とすることで光の反射率は高くなるので、明度指数L*の値を上昇させることができる。この算術平均高さRaが0.03μmを超えると、明度指数L*の値が低下し、色調は暗くなり高級感が低下する。すなわち、本発明において装飾面の算術平均高さRaを0.03μm以下とするのは、装飾面の算術平均高さRaが大きくなると、装飾面における光の反射率に影響を及ぼし、色調が変わるからである。
上述の光の各波長が380〜780nmを有する可視光線の集合であり、算術平均高さRaを0.03μm以下とすることによって、可視光線を分光し、青色を示す波長域450〜500nmの光の反射を少なくするとともに、黄色を示す波長域570〜590nmの光の反射が多くなるように作用するので、算術平均高さRaを0.03μm以下とすることで白金色を呈することができる。
なお、算術平均高さRaはJIS B 0601−2001に準拠して測定すればよく、測定長さおよびカットオフ値をそれぞれ5mmおよび0.8mmとし、触針式の表面粗さ計を用いて測定する場合であれば、例えば、直径10〜20mmの円板形状の装飾部品用セラミックスの装飾面に、触針先端半径が2μmの触針を当て、触針の走査速度は0.5mm/秒とすればよい。算術平均高さRaは、この測定で得られた5箇所の算術平均高さRaの平均値である。
装飾部品用セラミックスを構成する組成を前述の通りとした上、後述する製造方法により、装飾面のCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*の値を72以上かつ84以下とし、クロマティクネス指数a*,b*の値をそれぞれ0.5以上かつ2以下、15以上かつ20以下とすることによって、その色調は優れた相乗効果を生んで、高級感があって、美的満足感を得ることができ、その結果、視覚を通じて精神的安らぎを得ることができる。
ここで、明度指数L*とは色調の明暗を示す指数であり、明度指数L*の値が大きいと色調は明るく、明度指数L*の値が小さいと色調は暗くなる。明度指数L*の値を72以上かつ84以下としたのは、この範囲であると白金色の色調にほどよい明るさが発現するからである。この値が72未満では色調が暗く、地味な感じが強くなり、84を超えると、明るくなり高級感に欠けるようになって、いずれの場合も高級感があって美的満足感を得ることができるような色調ではなくなるからである。特に明度指数L*の値は72以上かつ79以下であることが好適である。クロマティクネス指数a*は色調の赤から緑の度合いを示す指数であり、クロマティクネス指数a*の値がプラス方向に大きいと色調は赤色になり、クロマティクネス指数a*の値がマイナス方向に大きいと色調は緑色になる。クロマティクネス指数a*の値を0.5以上かつ2以下としたのは、色調の鮮やかさが抑制され、渋く、落ち着いた色彩が得られるからである。但し、クロマティクネス指数a*の値が0.5未満ではあまりにも鮮やかさに欠け、2より大きくするとくすんだ赤色より徐々に赤っぽい色合いが強くなって派手な感じの色調となり、高級感を与えにくくなるからである。クロマティクネス指数b*は色調の黄から青の度合いを示す指数であり、クロマティクネス指数b*の値がプラス方向に大きいと色調は黄色になり、その絶対値が小さいと色調は鮮やかさに欠けたくすんだ色調になり、クロマティクネス指数b*の値がマイナス方向に大きいと色調は青色になる。クロマティクネス指数b*の値を15以上かつ20以下としたのは、この範囲であると色調の鮮やかさを低減させることなく白金色を呈することができるためである。クロマティクネス指数b*の値が15未満では鮮やかさに欠けるようになり、20より大きくすると、くすんだ黄色より徐々に黄色っぽい色合いが強くなって、白金色の色合いがなくなり、高級感が薄れるとともに満足感が減少し、そのために精神的安らぎが得られにくくなるからである。このように装飾面のCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*、クロマティクネス指数a*,b*は、L*,a*,b*のいずれの数値も上述の範囲を外れることがないように調整することが必要であり、これらL*,a*,b*のうち1つでも外れると所望の色調を得ることができない。
なお、本発明の装飾部品用セラミックスにおける装飾面とは、装飾部品の装飾的価値が要求される面のみを指し、装飾的価値が要求されない面を含まず、全ての面を指すものではない。例えば、本発明の装飾部品用セラミックスを時計用ケースに用いる場合では、この時計用ケースの外側の面は、鑑賞の対象となるものでもあり装飾的価値が要求されるので装飾面であるが、時計の駆動機構が嵌め込まれる内側の面は、通常は外観を構成するものではないので、特段の理由により装飾的価値が求められない限りは装飾面とは定義しない。
そして、このような装飾面のCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*の値およびクロマティクネス指数a*,b*の値は、JIS Z 8722−2000に準拠して測定することで求められる。例えば、分光測色計(コニカミノルタホールディングス社(製)CM−3700d等)を用い、光源をCIE標準光源D65,視野角を10°,測定範囲を5mm×7mmに設定して測定することができる。
また、本発明の装飾部品用セラミックスは、上記添加成分として、さらにクロムを含有することが好適で、クロムは空気中の酸素と結合し、装飾面に緻密な酸化皮膜を生成するため、耐食性が向上し、高級感、美的満足感および精神的安らぎを長期間維持することができる。
特に、本発明の装飾部品用セラミックスは、上記副成分であるニッケルを7質量%以上、かつ14.5質量%以下、上記添加成分である窒化バナジウム,窒化ニオブ,窒化タンタル,炭化モリブデン,炭化ニオブ,炭化タングステンおよび炭化タンタルの少なくともいずれか1種を2.5質量%以上、かつ10質量%以下の割合で含有することがより好ましい。
ニッケルを7質量%以上、かつ14.5質量%以下としたのは、ニッケルは副成分の結晶や窒化チタンの結晶を結合する結合剤として作用するために、できる限り多く加えることが好ましいが、一方で、装飾部品用セラミックスにおける含有比率が多過ぎると、装飾部品用セラミックスを身に付けた際に場合によっては金属アレルギーを引き起こすおそれがあるためである。つまり、ニッケルが7質量%未満では、上記副成分の結晶や窒化チタンの結晶を十分結合させることができず、十分に緻密な装飾部品用セラミックスとすることができなくなり、強度が低下するおそれがあり、一方、14.5質量%を超えると、装着している者に金属アレルギーを引き起こすおそれがある。特に、この装飾用部品用セラミックスを腕時計用ケース,バンド駒等を始めとする身に付けるものである場合は7質量%以上9質量%以下であることがより好ましい。さらには、このニッケルの溶出による金属アレルギーを防止するためにニッケルの溶出を防止する作用があるクロムを2質量%以下含んでいることが好ましい。
添加成分を2.5質量%以上、かつ10質量%以下としたのは、添加成分のうち窒化バナジウム,窒化ニオブ,窒化タンタルの窒化物には色調調整剤としての作用があり、上記窒化物が窒化チタンに固溶することで、クロマティクネス指数b*の値を高くする作用があるからであって、2.5質量%未満では、窒化チタンへの固溶量が少なくなり、クロマティクネス指数b*の値を15以上にすることができない場合があるからであり、10質量%を超えると、上記窒化物は共有結合性が高いために焼結が難しくなるからである。
上記窒化物のうち、窒化バナジウムを2.5質量%以上、6質量%以下とすることが好適であり、窒化バナジウムはこの比率で窒化チタンに容易に固溶できるからである。
炭化モリブデン,炭化ニオブ,炭化タングステン,炭化タンタルの炭化物も窒化物と同様に色調調整剤として作用するが、上記窒化物とは異なり、窒化チタンには固溶せず、ニッケルの内部に溶融することによって、クロマティクネス指数b*の値を高くする作用がある。上記炭化物が2.5質量%未満では、ニッケルの内部に取り込まれる量が少なくクロマティクネス指数b*の値を15以上にすることができない場合があるからであり、10質量%を超えると、炭化物は共有結合性が高いために焼結が難しくなるからである。
本発明の装飾部品用セラミックスは、クロムの含有量によって、耐食性と鮮やかさが影響される。クロムの含有量が多いと耐食性が上がるが、鮮やかさを示すクロマティクネス指数a*,b*とも低くなり、クロムの含有量が少ないと耐食性は下がるが、クロマティクネス指数a*,b*とも高くなる。本発明の装飾部品用セラミックスでは、クロムを1.5質量%以上、かつ6.5質量%以下の割合で含有することが好適で、この範囲では、耐食性と鮮やかさを兼ね備えることができるからである。
なお、反射は一般的に鏡面反射と拡散反射とからなり、本発明における鏡面反射とは、光が鏡面である装飾面、微視的には上記装飾面を形成する結晶に入射した後、反射したときにその入射角と反射角が同じになる反射をいい、拡散反射とは光が結晶粒界に入り込み、ランダムな反射を繰り返した後、再び外部に向かう反射をいう。
ただし、装飾面を形成する結晶を後述するバレル研磨を施すことにより、表面粗さを調整することができ、原子間力顕微鏡で測定したときの結晶面の表面粗さを算術平均高さRaで1〜2nmにすることが好ましい。この範囲では、結晶面での反射が鏡面反射から拡散反射に一部変化傾向するが見られ、装飾面におけるクロマティクネス指数b*を17以上にすることができ、これにより、さらに色調の鮮やかさを保持したまま白金色を呈することができる。
また、本発明の装飾部品用セラミックスは、上記副成分であるニッケルが、上記添加成分であるクロムを包囲した状態で、窒化チタンを結合する粒界相を形成すると、ニッケルがクロムと反応してニッケルクロム化合物を生成するため、ニッケルがイオン化して流出するようなことはなく、機械的特性および耐食性を上げることができる。
なお、副成分であるニッケルが添加成分であるクロムを包囲した状態とは、クロムが窒化チタンの結晶と接することなく、粒界相に周囲を取り囲まれた状態をいう。
なお、ニッケルがクロムを包囲した状態については、走査型電子顕微鏡で得られた装飾面の画像と、エネルギー分散型(EDS)X線マイクロアナライザーによって検出されるニッケル、クロムの分布状態を示す上記装飾面の画像を照合することで確認することができる。
また、本発明の装飾部品用セラミックスは、装飾面における開気孔率が3%以下であることが好ましく、装飾面における開気孔は、特に明度指数L*の値に影響を及ぼし、開気孔が多いと明度指数L*の値は小さくなり、開気孔が少ないと明度指数L*の値は大きくなる。装飾面における開気孔率を3%以下にすることで、明度指数L*の値を75〜79にすることができ、より好まれる色調となる。さらに、明度指数L*の値を77〜79とするのが好適であるが、この場合には開気孔率は2%以下とすることが好ましい。
なお、装飾面における開気孔率は、金属顕微鏡を用いて、倍率を200倍にしてCCDカメラで装飾面の画像を取り込み、画像解析装置((株)ニレコ製(LUZEX−FS)等)により画像内の1視野の測定面積を2.25×10−2mm2,測定視野数を20,測定総面積を4.5×10−1mm2とし、つまり1視野において20箇所測定して、その測定面積を合算した中での開気孔率を求めればよい。
また、本発明の時計用装飾部品は、上記構成の本発明の装飾部品用セラミックスからなることを特徴とし、その例としては、時計用ケースや時計用バンド駒がある。図1は本発明の時計用装飾部品である時計用ケースの一例を示しており、(a)は時計用ケースの表側から見た斜視図、(b)は時計用ケースの裏側から見た斜視図である。また、図2は本発明の時計用装飾部品である時計用ケースの他の一例を示す斜視図である。また、図3は本発明の時計用装飾部品である時計用バンドの構成の一例を示す模式図である。なお、これらにおいて同じ部位を示す場合は同符号を付してある。
図1に示す時計用ケース10Aは、ムーブメント(駆動機構)(不図示)を収容する凹部11と、腕に時計を装着するための時計用バンド(不図示)を固定する足部12とを備え、凹部11は厚みの薄い底部13と厚みの厚い胴部14とからなる。図2に示す時計用ケース10Bは、ムーブメント(駆動機構)(不図示)が入る穴部15と、胴部14には腕に時計を装着するための時計用バンド(不図示)を固定する足部12とを備えている。
また、図3に示す時計用バンド50を構成するバンド駒は、ピン40が挿入される貫通孔21を有する中駒20と、中駒20を挟むようにして配置され、ピン40の両端が差し込まれるピン穴31を有する外駒30とから構成されており、中駒20の貫通孔21にピン40が挿入され、挿入されたピン40の両端が外駒30のピン穴31に差し込まれることにより、中駒20と外駒30とが順次連結され、時計用バンド50が構成される。
これら、時計用ケース10A,10Bと時計用バンド50を構成するバンド駒とは、本発明の装飾部品用セラミックスを使用することにより、装飾面の算術平均高さRaが0.03μm以下であって、装飾面のCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が72以上かつ84以下であり、クロマティクネス指数a*,b*がそれぞれ0.5以上かつ2以下、15以上かつ20以下であるものとしてあり、これら本発明の時計用装飾部品である時計用ケース10A,10Bおよび時計用バンド50を使用することにより、装飾部品としての高級感があって、美的満足感を得ることができ、その結果、視覚を通じて精神的安らぎを得ることができる。
なお、本発明の装飾部品用セラミックスでは、装飾面のビッカース硬度(Hv)が長期信頼性に影響を与える要因の一つとなり、ビッカース硬度(Hv)が8GPa以上であることが好適である。ビッカース硬度(Hv)をこの範囲にすることで、装飾面は傷が入りにくくなるので、ガラスまたは金属からなる塵埃のような硬度の高い物質と接触しても容易に装飾面に傷が生じることがないからであり、装飾面のビッカース硬度(Hv)はJIS R 1610−2003に準拠して測定される。
また、破壊靱性は装飾面の耐摩耗性に影響し、その値は高いほどよく、本発明の装飾部品用セラミックスでは4MPa・m1/2以上であることが好ましく、この破壊靱性はJIS R 1607−1995で規定する圧子圧入法(IF法)に準拠して測定される。
装飾部品用セラミックスが身に付けて用いられるようなものである場合、軽いほうが好まれるため、本発明の装飾部品用セラミックスでは、その見掛密度は6以下(0を除く)であることが好適であり、この見掛密度はJIS R 1634−1998に準拠して測定される。
装飾部品用セラミックスが時計用バンド駒の一部である中駒20の場合、引張荷重が頻繁に中駒20にかかるため、本発明の装飾部品用セラミックスでは、その引張強度は196N以上であることが好適である。この引張強度は、貫通孔21の長さより長い、超硬製のピン(不図示)を中駒20の貫通孔21a,21bに挿入した後、このピンを引き離す方向に引っ張り、中駒20が破壊したときの強度をロードセルで読みとればよい。
装飾部品用セラミックスが時計用ケースまたは時計用バンド駒である場合、ムーブメント(駆動機構)(不図示)への悪影響を考慮すると、質量磁化が162G・cm3/g以上の強磁性金属、例えばコバルト(Co)の比率は、装飾部品用セラミックス100質量%に対し、合計0.1質量%以下であることが好適である。
このような強磁性金属の比率は、ICP(Inductivity Coupled Plasma)発光分析法で測定することができる。
次に、本発明の装飾部品用セラミックスの製造方法について説明する。
本発明の装飾部品用セラミックスを得るには、まず、組成式TiNx(0.65≦x≦0.75)で表される窒化チタン,ニッケルおよび窒化バナジウム,窒化ニオブ,窒化タンタルのうち少なくともいずれか1種の各粉末を所定量秤量し、混合して調合原料とする。より具体的には、平均粒径が10〜30μmの上記窒化チタンの粉末、平均粒径が10〜20μmのニッケルの粉末および平均粒径が2〜10μmの窒化バナジウム、窒化ニオブ、窒化タンタルのうちの少なくともいずれか1種の粉末を準備し、上記窒化チタンの粉末が76〜90.5質量%、ニッケルの粉末が7〜14.5質量%、上記窒化物の粉末が2.5〜10質量%となるように秤量して粉砕、混合すればよい。
特に、耐食性が求められる場合、上記窒化チタンの粉末が77.0〜83.5質量%、ニッケルの粉末が10.0〜13.0質量%、上記窒化物の粉末が4.0〜8.0質量%、クロムの粉末が1.5〜6.5質量%となるように秤量して、粉砕、混合すればよい。
なお、ニッケルが添加成分であるクロムを包囲した状態で、窒化チタンを結合する粒界相を形成するには、ニッケルの粉末とクロムの粉末が接触する頻度を高くすることが必要である。この頻度を高くするためには、粉砕、混合時間を長くすればよく、例えば、粉砕、混合時間を150時間以上にすればよい。
また、上記調合原料には添加成分として窒化物を用いたが、窒化物の代わりに、モリブデン、ニオブ、タングステン、タンタルの少なくともいずれか1種を上記窒化チタンおよびニッケルの各粉末と混合して調合原料とすることもできる。より具体的には、平均粒径が10〜30μmの窒化チタンの粉末、平均粒径が10〜20μmのニッケルの粉末および平均粒径が1〜50μmのモリブデン、ニオブ、タングステン、タンタルの少なくともいずれか1種の粉末を準備し、上記窒化チタンの粉末が75.5〜92質量%、ニッケルの粉末が7〜14.5質量%、上記金属の粉末が1〜10質量%となるように秤量して、粉砕、混合すればよい。
特に、耐食性が求められる場合、上記窒化チタンの粉末が77.0〜83.5質量%、ニッケルの粉末が10.0〜13.0質量%、上記金属の粉末が4.0〜8.0質量%、クロムの粉末が1.5〜6.5質量%となるように秤量して、粉砕、混合すればよい。
また、ニッケルが添加成分であるクロムを包囲した状態で、窒化チタンを結合する粒界相を形成させるためには、粉砕、混合時間を150時間以上にすればよい。
このとき、この調合原料における不可避不純物としては珪素,リン,イオウ,マンガン,鉄等が挙げられるが、これらは装飾面の色調に悪影響を及ぼすおそれがあるので、各々1質量%以下であることが好適である。
また、上記窒化チタンの粉末は耐摩耗性および装飾的価値の高い色調という観点から、各粉末の純度は99%以上であることが好ましく、上記窒化チタンの粉末が一部ニッケルの粉末と反応してTiNiを微量生成しても何等差し支えない。
次いで、調合原料に有機溶媒として、例えばイソプロパノールを加え、ミルを用いて混合粉砕した後、結合剤としてパラフィンワックスを所定量添加し、所望の成形法、例えば、乾式加圧成型法,冷間静水圧加圧成型法,押し出し成型法等により円板,平板,円環体等の所望形状に成形する。そして、必要に応じ、窒素雰囲気,不活性ガス雰囲気等の非酸化性雰囲気中で得られた成形体を脱脂した後、窒素および不活性ガスから選択される少なくとも1種のガス雰囲気中あるいは真空中で焼成し、相対密度が95%以上の焼結体を得る。
なお、モリブデン,ニオブ,タングステン,タンタルの少なくともいずれか1種を用いた場合、パラフィンワックスを構成する炭素は、焼成中にモリブデン,タングステンおよびタンタルと反応し、それぞれ炭化モリブデン,炭化タングステンおよび炭化タンタルとなってニッケルの内部に取り込まれる。
そして得られた焼結体の装飾的価値が求められる面に、ラップ盤を用いてラップ加工を行なった後、バレル研磨を行なうことにより、焼結体のその表面は白金色の色調を有する装飾面となって、本発明の装飾部品用セラミックスを得ることができる。
装飾部品用セラミックスの製品形状が複雑形状の場合には、予め乾式加圧成形法,冷間静水圧加圧成形法,押し出し成形法,射出成形法等によってブロック形状または製品形状に近い形状に成形し、焼結した後に、製品形状になるように研削加工を施した後、順次ラップ加工,バレル研磨を行なってもよく、あるいは最初から射出成形法によって製品形状とし、焼成後に、順次ラップ加工,バレル研磨を行なってもよい。
ここで、算術平均高さRaを0.03μm以下とするには、錫製のラップ盤に平均粒径の小さいダイヤモンドペーストを供給してラップ加工すればよく、例えば平均粒径1μm以下のダイヤモンドペーストを用いればよい。また、バレル研磨では、回転バレル研磨機を用い、メディアとしてグリーンカーボランダム(GC)を回転バレル研磨機に投入し、湿式で24時間行なえばよい。
なお、成形体を窒素および不活性ガスから選択される少なくとも1種のガス雰囲気中あるいは真空中で加熱焼結させるのは、酸化性雰囲気中で加熱焼結させると、窒化チタンが酸化して酸化チタンとなり、酸化チタンが本質的に備えている白色の色調の影響を受けてしまい、装飾部品用セラミックスの全体の色調が白っぽくくすむからである。
また、成形法として乾式加圧を選択した場合は、成形圧力は装飾面における開気孔率およびビッカース硬度(Hv)に影響を与えることから、成形圧力を49〜196MPaとすることが好適である。成形圧力を49MPa以上とするのは、成形圧力を49MPa未満にすると、調合原料を成形するための成形圧力が不足して、焼結体の相対密度を95%以上とすることができなくなるため、装飾部品用セラミックスの装飾面における開気孔率が3%より高くなったり、ビッカース硬度(Hv)が8GPa未満になったりするからである。
また、成形圧力を196MPa以下としたのは、196MPaを超えると成形に用いる金型の寿命が短くなるからである。成形圧力を49MPa〜196MPaとすることで、金型の寿命を長くできるとともに、装飾部品用セラミックスの装飾面における開気孔率を3%以下にし、またビッカース硬度(Hv)を8GPa以上にすることができる。
さらに、真空中で加熱焼結して装飾部品用セラミックスを得る場合は、その真空度が1.33Pa以下であることが好適である。真空度を1.33Pa以下とするのは、1.33Paを超えると窒化チタンが酸化して白金色の装飾部品用セラミックスが得られなくなるからであり、真空度を1.33Pa以下にすると、窒化チタンが焼成中に酸化することがなく、白金色の装飾部品用セラミックスが得られる。
また、加熱焼結温度を1200〜1800℃とすることが好適である。加熱焼結温度を1200℃以上とするのは、この温度が1200℃より低いと、加熱焼結が不十分となって焼結体の相対密度を95%以上とすることができなくなるので、装飾部品用セラミックスの装飾面における開気孔率が3%を超えるからであり、1800℃以下とするのは、この温度が1800℃を超えると焼結体の結晶が異常な粒成長を起こし、機械的特性が低下するとともに、焼成コストが高くなるからである。加熱焼結温度を1200〜1800℃とすることで、開気孔率を3%以下にできるとともに、焼成コストも下げられる。
以上のようにして得られる本発明の装飾部品用セラミックスは、高級感があって、美的満足感を得ることができ、その結果、視覚を通じて精神的安らぎを得ることができるので、特に美しい色調として評価の高い白金色を有する時計用ケース,時計用バンド駒等の時計用装飾部品を始め、ブローチ,ネックレス,イヤリング,リング,ネクタイピン,タイタック,メダル,ボタン等の装身具用装飾部品や、床,壁,天井を飾るタイルあるいはドアの取手等の建材用装飾部品や、スプーン,フォーク等のキッチン部品用装飾部品として好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、組成式TiNx(0.65≦x≦0.75)で表される窒化チタン粉末(純度99%以上、平均粒径22.3μm),ニッケル粉末(純度99.5%以上、平均粒径12.8μm)および窒化バナジウム,窒化ニオブ,窒化タンタル,モリブデン,ニオブ,タングステンおよびタンタル粉末(純度99.5%以上、平均粒径7μm)を焼結体での比率が表1に示す比率になるように秤量し、粉砕、混合して調合原料とした。
また、比較例として、表1の試料No.94〜99を構成する主成分、副成分および添加成分が焼結体での比率が表1に示す比率になるように秤量し、混合して調合原料とした。
次に、得られた調合原料にイソプロパノール溶液を加え、振動ミルを用いて72時間粉砕混合した後、バインダーとしてパラフィンワックスを調合原料に対し3質量%添加し、噴霧乾燥法により乾燥させて粉体とした。そして、得られた粉体を成形圧力98MPaで加圧成形して、成形体を作製し、窒素雰囲気中にて600℃で脱脂した後、温度1530℃で2時間保持して焼成し、直径16mmの円板状の焼結体を得た。
表1の試料No.1〜99(但し、試料No.11,12,23,24,35,36,49,50,63,64,77,78,91,92を除く)で示される焼結体の表面を、錫製のラップ盤を用い、粒径が1μmのダイヤモンド砥粒を使って、1時間ラップ加工し、引き続き、回転バレル研磨機にこの焼結体と水と、メディアとしてグリーンカーボランダム(GC)とを入れて、24時間バレル研磨を行ない、装飾面を研磨した。その後、分光測色計(コニカミノルタホールディングス社(製)CM−3700d)を用い、光源をCIE標準光源D65に、視野角を10°に、測定範囲を3×5mmに設定して、JIS Z 8722−2000に準拠して装飾面の色調を測定した。
組成式TiNxの原子数xの値は、酸素・窒素分析装置および炭素分析装置を用いて窒
化チタン100質量%に対する酸素、窒素および炭素の比率を測定した。そして、窒化チ
タン100質量%よりこれら各元素の比率の合計を引いた値をチタンの原子量47.9で
割ることで、組成式TiNxにおけるチタンの原子数を求めた。また、組成式TiNxに
おける窒素の原子数は、窒素の比率を窒素の原子量14で割ることで求めた。求められた
チタンの原子数を1に換算したときの窒素の原子数の値をxの値とした。
また、装飾面の算術平均高さRaは、JIS B 0601−2001に準拠して触針式の表面粗さ計を用い、測定長さ,カットオフ値,触針先端半径,触針の走査速度をそれぞれ5mm,0.8mm,2μm,0.5mm/秒として5箇所を測定し、その平均値とした。
また、試料No.11,12,23,24,35,36,49,50,63,64,77,78,91,92で示される焼結体の表面に、錫からなるラップ盤を用いてラップ加工して装飾面を形成した後、バレル研磨を行なわずに、上述と同様の測定方法により、色調および算術平均高さRaを測定した。
また、色調については、20歳代〜50歳代の各年代について男女5名ずつ計40名のモニターに、高級感,美的満足感および精神的安らぎの3項目でアンケート調査を実施し、この項目に対して「感じる」と回答したモニターの比率を表1に示し、この比率が80%以上を良好であると評価した。
これらの結果から、高級感、美的満足感、精神的安らぎの何れも90%以上のものは優、上記3項目のうち1項目でも80%があるものは良、1項目でも70%以下となっているものは不良として評価した。
表1〜3に示す結果からわかるように、添加成分として窒化アルミニウムを含む試料No.98およびシリコンを含む試料No.99は、明度指数L*の値が72未満で、クロマティクネス指数a*の値が2を超えていたため、評価が不良となり、モニターを十分満足させることができなかった。
主成分として酸化ジルコニウムを含む試料No.94は、クロマティクネス指数b*の値が20を超えているため、評価が不良となり、モニターを充分満足させることはできなかった。
主成分として酸化セリウムを含む試料No.97は、明度指数L*の値が84を超えているため、評価が不良となり、モニターを充分満足させることはできなかった。
添加成分として炭化チタンを25.5〜30質量%含む試料No.95,96は
明度指数L*の値が72未満で、クロマティクネス指数b*の値が15未満であるため、評価が不良となり、モニターを十分満足させることができなかった。
装飾面の算術平均高さRaの平均値が0.03μmを超える試料No.11,12,23,24,35,36,49,50,63,64,77,78,91,92は、明度指数L*の値が72未満で、クロマティクネス指数b*の値が15未満であるため、評価が不良となり、モニターを充分満足させることはできなかった。
一方、装飾面の算術平均高さRaの平均値が0.03μm以下であって、明度指数L*の値が72以上かつ84以下,クロマティクネス指数a*,b*の値がそれぞれ0.5以上かつ2以下、15以上かつ20以下である本発明の試料No.1〜10,13〜22,25〜34,37〜48,51〜62,65〜76,79〜90は、評価が優または良であり、モニターに高級感,美的満足感,精神的安らぎを与えられる良好な結果であった。
原子数xの値が、0.65以上かつ0.75以下である試料No.101〜103は、この範囲外の試料No.100,105よりモニターに対し、高級感および美的満足感で高い評価を得ることができた。
組成が同じ試料No.5と試料No.11、あるいは試料No.6と試料No.12とを比べると、算術平均高さRaの平均値が0.03μm以下である試料No.5および試料No.6は、いずれも試料No.11および試料No.12に比べて、クロマティクネス指数b*が高く良好な結果であった。
特に、ニッケルを7〜14.5質量%、窒化バナジウム,窒化ニオブ,窒化タンタル,炭化モリブデン,炭化ニオブ,炭化タングステンおよび炭化タンタルの少なくともいずれか1種を2.5〜10質量%の割合で含有した試料No.4〜7,16〜19,28〜31,38〜41,43〜46,52〜55,57〜60,66〜69,71〜74,80〜83,85〜88,93は、評価が優であり、さらに良好な結果であった。
添加成分が炭化ニオブ,炭化モリブデン,炭化タンタルおよび炭化タングステンのうち少なくともいずれか1種であり、その含有量が3〜8質量%である試料No.53〜55,67〜69,81〜83,93は、上記各項目に対して「感じる」と回答したモニターの比率は100%であり、申し分のない結果であった。
(実施例2)
先ず、組成式TiNx(x=0.7)で表される窒化チタン粉末(純度99%以上、平均粒径22.3μm),ニッケル粉末(純度99.5%以上、平均粒径12.8μm)、モリブデン粉末(純度99.5%以上、平均粒径7μm)およびクロム粉末(純度99%以上、平均粒径40μm)を焼結体での比率が表4に示す比率になるように秤量し、粉砕、混合して調合原料とした。
次に、得られた調合原料にイソプロパノール溶液を加え、振動ミルを用いて72時間粉砕混合した後、バインダーとしてパラフィンワックスを調合原料に対し3質量%添加し、噴霧乾燥法により乾燥させて粉体とした。そして、得られた粉体を成形圧力98MPaで加圧成形して、成形体を作製し、窒素雰囲気中にて600℃で脱脂した後、温度1530℃で2時間保持して焼成し、直径16mmの円板状の焼結体を得た。
表4の試料No.105〜109で示される焼結体の表面を、錫製のラップ盤を用い、粒径が1μmのダイヤモンド砥粒を使って、1時間ラップ加工し、引き続き、回転バレル研磨機にこの焼結体と水と、メディアとしてグリーンカーボランダム(GC)とを入れて、24時間バレル研磨を行ない、装飾面を研磨した。その後、分光測色計(コニカミノルタホールディングス社(製)CM−3700d)を用い、光源をCIE標準光源D65に、視野角を10°に、測定範囲を3×5mmに設定して、JIS Z 8722−2000に準拠して装飾面の色調を測定した。
また、装飾面の算術平均高さRaは、JIS B 0601−2001に準拠して触針式の表面粗さ計を用い、測定長さ,カットオフ値,触針先端半径,触針の走査速度をそれぞれ5mm,0.8mm,2μm,0.5mm/秒として5箇所測定し、その平均値を算出した。
この測定後、JIS B 7001−1995で規定する耐食試験のうち、人工汗半浸せき試験(23±2℃、24時間放置)を試料No.105〜109に準用し、上述した色調の測定方法を用いて、試験前後の装飾面の色調を測定した。
表4、5に示す結果からわかるように、クロムが含まれている試料No.106〜109は、クロムが含まれていない試料No.105に比べ、明度指数L*、クロマティクネス指数a*,b*とも試験前後の変化が少なく、耐食性は良好で、高級感、美的満足感および精神的安らぎを長期間維持することができるといえる。
但し、クロムが多くなると試料No.109からわかるように耐食性は良好であるものの、鮮やかさを示すクロマティクネス指数a*、b*とも低下するため、耐食性と鮮やかさを兼ね備えたものにするには、クロムを1.5質量%以上、かつ6.5質量%以下の割合で含有する試料No.106〜108が好適である。
(実施例3)
まず、組成式TiNx(x=0.7)で表される窒化チタン粉末(純度99%以上、平均粒径22.3μm),ニッケル粉末(純度99.5%以上、平均粒径12.8μm),ニオブおよびタンタル粉末(純度99.5%以上、平均粒径7μm)を焼結体での比率が表6に示す比率になるように秤量し、粉砕、混合して調合原料とした。
次に、得られた調合原料にイソプロピルアルコール溶液を加え、振動ミルを用いて72時間粉砕混合した後、バインダーとしてパラフィンワックスを調合原料に対し3質量%となるように添加して混合した後、噴霧乾燥法により乾燥させて粉体とした。そして、得られた粉体を成形圧力98MPaで加圧成形して、成形体を作製し、窒素雰囲気中にて600℃で脱脂した後、温度1600℃で2時間保持して焼成し、直径16mmの円板状の焼結体を得た。
そして、この焼結体の表面を錫製のラップ盤を用いてラップ加工し、引き続き回転バレル研磨機にこの焼結体と水と、メディアとしてグリーンカーボランダム(GC)とを入れ、時間を調整してバレル研磨することで、装飾面の開気孔率を調整し、表6に示す試料No.110〜117を得た。装飾面の色調および算術平均高さRaの平均値は、実施例1と同様の方法で測定し、装飾面の開気孔率は金属顕微鏡を用いて、倍率を200倍にしてCCDカメラで装飾面の画像を取り込み、画像解析装置((株)ニレコ製(LUZEX−FS))により画像内の1視野の測定面積を2.25×10−2mm2とし、測定視野数を20とし、測定総面積を4.5×10−1mm2として測定した。つまり、1視野の測定を20箇所測定し、その測定面積を合算した中での開気孔率を求めた。
また、色調については、20歳代〜50歳代の各年代について男女5名ずつ計40名のモニターに高級感,美的満足感および精神的安らぎの3項目でアンケート調査を実施し、この項目に対して「感じる」と回答したモニターの比率を表6に示した。
表6に示す結果からわかるように、開気孔率が3%以下の試料No.106〜108,110〜112は、明度指数L*が75〜79となり、試料No.105,109の明度指数L*より高いので、モニターは試料No.105,109より試料No.106〜108,110〜112に対して、より強く高級感を感じていることがわかる。
そして、算術平均高さRaの平均値の減少にともなって、クロマティクネス指数b*が高くなっていることがわかる。従って、算術平均高さRaの平均値を0.03μm以下とすることによって、良好な白金色を呈することが確認できた。