JP2010275576A - 装飾部品用セラミックスおよび装飾部品 - Google Patents

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【課題】 銀色の色調を有し、高級感,美的満足感および精神的安らぎが得られるとともに、硬度,靱性等の機械的特性が高く、しかも色差の小さい装飾部品用セラミックスを提供する。
【解決手段】 炭化チタン質焼結体からなる装飾部品用セラミックスであって、ジルコニアが9質量%以上30質量%以下、コバルトおよびニッケルの少なくとも1種が5質量%以上25質量%以下、クロムが1質量%以上10質量%以下、ジルコニア、コバルト、ニッケルおよびクロムの合計が50質量%未満の含有量で含まれており、クロムがコバルトまたはニッケルと固溶していることを特徴とする装飾部品用セラミックスである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、美しい色調の銀色を醸し出す装飾部品用セラミックスおよびこれを用いた装飾部品に関するものである。
従来より、銀色を呈する装飾部品用セラミックスおよび装飾部品には、色調や耐食性の面から銀やその合金、または各種金属に銀色を呈するメッキを施したものが用いられている。
しかしながら、銀やその合金、あるいは銀色を呈するメッキを施した金属材料は、いずれも硬度が低いことから、硬質物質との接触により、表面に傷が生じたり変形したりするという問題があった。最近では、このような問題を解決するために、種々の装飾部品用セラミックスが提案されている。
例えば、特許文献1では、炭窒化チタンと4a,5a,6a族の炭化物,窒化物,炭窒化物からなる硬質相が70〜95%、鉄族金属からなる結合相が5〜30%および結合相中に分散・固溶する4a,5a,6a族元素1〜5%(以上、重量パーセント)および不可避不純物からなる超硬質合金が開示されており、これによれば、耐熱亀裂性において熱疲労亀裂が発生しても超硬合金P種の様にチッピングは生じるものの欠損を生じない耐チッピング性に優れているというものである。
また、特許文献2では、炭化タングステン、炭化タンタルおよび炭化チタンのうち1種または2種以上を主成分とし、これに、NiおよびCoのうち1種もしくは2種を5〜30%と、CrおよびCrの炭化物のうち1種もしくは2種以上をCr換算で2〜15%(以上、重量%)とを含有させてなる超硬合金において、NiおよびCoのうち1種もしくは2種を主成分とした結合相のX線回折における(111)面のピーク強度をI(111)、(200)面のピーク強度をI(200)としたときに、次式
=I(111)/I(200)
で表されるI値が5.0以上である装飾用超硬合金が開示されている。これによれば、機械的強度が高く、熱処理後の“くもり”およびイオンプレーティング処理後に不均一な模様が見られず、従来よりも耐熱腐食性に優れ、特に時計やネックレスその他の装飾用として優れた効果を奏するというものである。
また、特許文献3では、炭化チタンを主体とする硬質相とCoおよびNiの1種または2種を主体とする結合相とからなる炭化チタン基サーメット合金であって、結合相中のTiおよびMo含有量が0.85≦Mo(wt.%)/Ti(wt.%)、6wt.%≦Ti+Moの条件を満足する炭化チタン基サーメット合金が開示されている。これによれば、TiCN基サーメット合金と同等の硬さを有しつつ靱性を著しく改善したTiC基サーメット合金を得ることができ、真空焼結時の脱窒によるポアの発生という問題が生じないというものである。
さらに、特許文献4では、炭化チタンを分散粒子相とし、クロム,モリブデン,ニッケルを結合相とする銀色焼結合金であって、前記チタンを全量中炭化物に換算して58.1〜90重量%、前記クロムを全量中炭化物に換算して1〜15重量%、前記モリブデンを全量中炭化物に換算して3〜32重量%、前記ニッケルを全量中1〜20重量%からなるとともに、ANSI/ASTM B276−54で規定される有孔度がA−2クラス以上である銀色焼結合金や、この銀色焼結合金がW、Nb、Coの1種又は2種以上を含むとともに、Wが全量中炭化物に換算して1重量%以下、Nbが全量中炭化物に換算して1.7重量%以下、Coが全量中1重量%以下であるものが開示されている。これによれば、装飾用途上、耐摩耗用途上、なんら支障のない優れた強度および硬度を示し、かつ耐腐食性に優れて深みのある銀色鏡面が現出し、その結果、長期にわたって装飾効果、耐摩耗特性を維持することにより、壁材,時計ケース,ブローチ,記念メダル,ボタン,ブレスレット,リング,ペンダント,釣り具などの装飾用部材,耐摩耗用部材として賞用されるというものである。
特開平7−173568号公報 特開平5−287432号公報 特開平6−172914号公報 特許第3231873号公報
しかしながら、特許文献1に記載された超硬質合金では、その組成は非常に広範囲に示されているため、銀色以外の色調を有する材料になる場合がある。さらに、実施例に示された組成は硬質相がTiCNとWCとであり、結合相がCoとNiとの場合のみであるため、黒色を呈するWCの影響で黒みがかった色調となり、美しい銀色の色調ではないという問題があった。
また、特許文献2に記載された超硬合金では、イオンプレーティング処理で色調を調整するため、表面が磨耗すると素材の元の色調との間で色むらが発生するという問題や、炭化チタンを主成分とする実施例は1種類しか示されていないため、美しい銀色の色調を有するセラミックスの組成の範囲が不明確であるという問題があった。
また、特許文献3に記載された炭化チタン基サーメット合金では、実施例に示された組成は硬質相がTiCとWCからなるため、黒色を呈するWCの影響で黒みがかった色調となり、美しい銀色の色調を有するセラミックスにはならないという問題があった。
さらに、特許文献4に記載された銀色焼結合金では、装飾用や耐摩耗用の用途に、なんら支障のない優れた強度および硬度を示し、かつ耐腐食性に優れて深みのある銀色鏡面が現出し、長期にわたって装飾効果、耐摩耗特性を維持するという効果を有するものの、近年の海洋での大物釣りブームによって、より優れた耐摩耗特性を有する釣り具に用いることができる銀色焼結合金が求められているという問題があった。
本発明は、上記課題を解決すべく案出されたものであり、銀色の色調を有し、高級感,美的満足感および精神的安らぎが得られるとともに、耐食性に優れる装飾部品用セラミックスおよびこれを用いた釣糸案内用装飾部品,時計用装飾部品,携帯電話機用装飾部品ならびに生活用品用装飾部品を提供することを目的とする。
本発明の装飾部品用セラミックスは、炭化チタン質焼結体からなる装飾部品用セラミックスであって、ジルコニアが9質量%以上30質量%以下、コバルトおよびニッケルの少なくとも1種が5質量%以上25質量%以下、クロムが1質量%以上10質量%以下、ジルコニア、コバルト、ニッケルおよびクロムの合計が50質量%未満の含有量で含まれており、クロムがコバルトまたはニッケルと固溶していることを特徴とするものである。
また、本発明の装飾部品用セラミックスは、上記構成において、モリブデンをコバルトに対して35質量%以下の含有量で含むことを特徴とするものである。
また、本発明の釣糸案内用装飾部品は、上記いずれかの構成の本発明の装飾部品用セラミックスからなることを特徴とするものである。
また、本発明の時計用装飾部品は、上記いずれかの構成の本発明の装飾部品用セラミックスからなることを特徴とするものである。
また、本発明の携帯電話機用装飾部品は、上記いずれかの構成の本発明の装飾部品用セラミックスからなることを特徴とするものである。
また、本発明の生活用品用装飾部品は、上記いずれかの構成の本発明の装飾部品用セラミックスからなることを特徴とするものである。
本発明の装飾部品用セラミックスによれば、炭化チタン質焼結体からなる装飾部品用セラミックスであって、ジルコニアが9質量%以上30質量%以下、コバルトおよびニッケルの少なくとも1種が5質量%以上25質量%以下、クロムが1質量%以上10質量%以下、ジルコニア、コバルト、ニッケルおよびクロムの合計が50質量%未満の含有量で含まれており、クロムがコバルトまたはニッケルと固溶していることから、ジルコニアが炭化チタンの酸化や磨耗を抑制するため、摺動部品に用いても磨耗痕が目立たず長期間使用することができ安定して好ましい銀色の焼結体が提供できる。
さらに、本発明の装飾部品用セラミックスは、上記構成において、モリブデンをコバルトに対して35質量%以下の含有量で含むときには、焼成温度を下げて結晶粒の粒成長を抑制するように働くため、加工時には脱粒やチッピングが生じにくくなることから、美しい表面を有する装飾部材を形成することができる。
また、本発明の釣糸案内用装飾部品によれば、本発明の装飾部品用セラミックスからなるときには、高級感や美的満足感といった視覚を通じた精神的安らぎを得ることができる。さらに、釣糸を案内する釣糸用ガイドリングに用いた場合に、釣糸に付着した細かい砂等に擦られても、高い硬度を有しているので表面に傷が付きにくく、銀色の色調を維持しつつ、長期間の使用に耐えるものとすることができる。
また、本発明の時計用装飾部品によれば、本発明の装飾部品用セラミックスからなるときには、高級感や美的満足感といった視覚を通じた精神的安らぎを得ることができるので、機能とともに視覚的な美観も要求される時計に好適に用いることができる。
また、本発明の携帯電話機用装飾部品によれば、本発明の装飾部品用セラミックスからなるときには、高級感や美的満足感といった視覚を通じた精神的安らぎを得ることができるので、機能とともにファッション性も重視される携帯電話に好適に用いることができる。
また、本発明の生活用品用装飾部品によれば、本発明の装飾部品用セラミックスからなるときには、高級感や美的満足感といった視覚を通じた精神的安らぎを得ることができる。
本発明の釣糸案内用装飾部品である釣糸用ガイドリングおよびこの釣糸用ガイドリングを備えた釣糸用ガイドの一例を示す、(a)は釣糸用ガイドリングの平面図であり、(b)は(a)の釣糸用ガイドリングを備えた釣糸用ガイドの斜視図である。 本発明の装飾部品用セラミックスの耐磨耗性の評価に用いる耐磨耗性評価装置の概略構成図である。 本発明の時計用装飾部品である時計用ケースの一例を示す、(a)は時計用ケースを表側から見た斜視図であり、(b)は(a)の時計用ケースを裏側からみた斜視図である。 本発明の時計用装飾部品である時計用ケースの他の一例を示す斜視図である。 本発明の時計用装飾部品である時計用バンドの構成の一例を示す模式図である。 本発明の携帯電話機用装飾部品を用いた携帯電話機の一例を示す斜視図である。 本発明の携帯電話機用装飾部品を用いた携帯電話機の他の一例を示す斜視図である。 本発明の生活用品用装飾部品を用いた蛇口の一例を示す斜視図である。 本発明の生活用品用装飾部品を用いたシャワーヘッドの一例を示す斜視図である。
以下、本発明の装飾部品用セラミックスの実施の形態の例について説明する。
本発明の装飾部品用セラミックスは、炭化チタン質焼結体からなる装飾部品用セラミックスであって、ジルコニアが9質量%以上30質量%以下、コバルトおよびニッケルの少なくとも1種が5質量%以上25質量%以下、クロムが1質量%以上10質量%以下、ジルコニア、コバルト、ニッケルおよびクロムの合計が50質量%未満の含有量で含まれており、クロムがコバルトまたはニッケルと固溶していることを特徴とするものである。
本発明において、炭化チタン質焼結体とは、炭化チタン(TiC)を主成分とする焼結体であり、ここでいう主成分とは、装飾部品用セラミックスを構成する全成分100質量%に対して、50質量%以上を占める成分である。この主成分である炭化チタンは、装飾品として良好な銀色を呈するとともに、強度や硬度等の機械的特性が高いという特徴を有していることから、本発明の炭化チタン質焼結体からなる装飾部品用セラミックスにおいては、炭化チタンを70質量%以上の含有量で含有させることが好適である。
また、ジルコニアは、釣糸などがセラミックスの表面に接触しながら移動したとき接触部の炭化チタンや結合相が酸化されて体積膨張しクラックや磨耗が進行するという問題を抑制する。ジルコニアは、釣糸などがセラミックスの表面に接触しながら移動したとき接触部の炭化チタンや結合相が酸化されて体積膨張しクラックや磨耗が進行するという問題を抑制する。
本発明の装飾部品用セラミックスにおいて、ジルコニアの含有量を9質量%以上30質量%以下としたのは、釣糸などがセラミックスの表面に接触しながら移動すると摩擦により接触面の温度が上昇する場合があり、そこに水分が介在すると、接触面の炭化チタンや結合相が徐々に酸化して体積膨張し周囲の組織とクラックを生じて磨耗が進行するという問題を抑制するためである。釣糸などがセラミックスの表面を接触しながら移動して炭化チタンや結合相が磨耗しても、ジルコニアの結晶粒子は表面に突起状に残り、これが釣糸と接触することから、炭化チタンや結合相の酸化は進行が遅くなり磨耗も抑制される。ジルコニアが9質量%未満になると、セラミックスの表面に存在するジルコニアの結晶粒子の数が少なくなり、炭化チタンや結合相の酸化や磨耗を抑える効果が低下する傾向がある。一方、30質量%を超えると、焼結時のジルコニアの相変態に伴う体積膨張や体積収縮の変化量のセラミックス全体の体積に対する比率が大きくなり、焼結後のセラミックスにクラックが残留しやすくなるという問題がある。
またコバルトおよびニッケルの少なくとも1種の含有量を5質量%以上25質量%以下としたのは、コバルトおよびニッケルの少なくとも1種が炭化チタンの結晶粒子の間で結合剤として均一に存在してセラミックスの強度を保つことができるとともに、硬度を保ち傷が付きにくいものとすることができるためである。コバルトおよびニッケルの少なくとも1種が5質量%未満になると、コバルトおよびニッケルの少なくとも1種が窒化チタンの結晶粒子の間で不足して組織が不均一となって強度が低下しやすくなり、他方で25質量%を超えると、セラミックスの硬度が低下して傷が付きやすくなるためである。
特に、コバルトは耐食性が高いことに加えて、近年ヨーロッパなどの諸外国では金属アレルギー対策として特にニッケルの溶出が少ない材料が要望されていることから、その動向にも対応することができる。
また、クロムの含有量を1質量%以上10質量%以下としたのは、コバルトおよびニッケルの少なくとも1種と炭化チタンとの濡れ性が高まり、焼結性が改善されるとともに、結合相の表面では空気中の酸素と結合して酸化クロムの皮膜が形成されて耐食性が増加し、コバルトおよびニッケルの少なくとも1種に適度に固溶して強度を保つことができるためである。クロムが1質量%未満になると、コバルトと炭化チタンとの濡れ性が低下して焼結性が悪くなることからボイドが発生しやすくなり、結合相の表面に酸化クロムの皮膜が形成されにくいため耐食性が低下し、10質量%を超えると、結合相が硬くなりすぎるため強度が低下する。クロムは、主に結合相の中でコバルトおよびニッケルの少なくとも1種に固溶しているが、一部が炭化物として存在してもよい。
また、ジルコニア、コバルト、ニッケルおよびクロムの含有量の合計を50質量%未満としたのは、残部の炭化チタンの含有量が50質量%以上となり、高硬度を保つことができ、表面が傷付きにくいためである。ジルコニア、コバルト、ニッケルおよびクロムの含有量の合計が50質量%以上になると、残部の炭化チタンの含有量が少なくなり硬度をたもつことができずに表面が傷付きやすくなるという問題がある。
また、クロムは、コバルトおよびニッケルの少なくとも1種と固溶していると、結合相の表面で酸化クロムの被膜を形成して、セラミックスの表面が腐食したり変色したりするという問題を抑制することができる。また、クロムは、一部が炭化クロムや窒化クロムなど他の化合物の状態で存在しても構わない。そして、クロムがコバルトおよびニッケルの少なくとも1種と固溶している状態は、試料をX線回折で分析して、コバルトおよびニッケルのピーク位置がクロムのピークの方向にシフトしていることを分析結果の画像にて、あるいはチャート紙に印刷して確認すればよい。
なお、本発明の装飾部品用セラミックスにおける装飾面とは、装飾部品の装飾的価値が要求される面を指し、全ての面を指すものではない。例えば、本発明の装飾部品用セラミックスを時計用ケースに用いる場合では、この時計用ケースの外側の面は、鑑賞の対象となるものでもあり装飾的価値が要求されるので装飾面である。
チタン,ジルコニウム,コバルト,ニッケルおよびクロムの含有量は、蛍光X線分析(XRF)法を用いて測定することができる。具体的には、予め炭化チタン,ジルコニウム,コバルト,ニッケルおよびクロムの各元素の濃度の異なる混合粉末を少なくとも2種類以上用意して、それぞれプレス法により成形して標準試料とする。次に、これら各標準試料にX線を照射して、蛍光X線の強度と既知の濃度との関係から最小二乗法を用いて検量線を作成する。そして、本発明の装飾部品用セラミックスを粉砕して粉末とし、プレス法により成形して測定試料とする。この測定試料にX線を照射して、蛍光X線の強度を測定し、検量線より濃度である含有率を求める。また、チタン,コバルト,ニッケル,ジルコニウムおよびクロムの含有量は、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法を用いて測定することもできる。具体的には、作製したセラミックスを放電プラズマで蒸発気化して励起し、励起した原子が低いエネルギー順位に戻るとき発する固有のスペクトルを測定することで原子の種類を特定し、その発光強度から各原子の定量分析をする。さらに、窒素については酸素・窒素分析装置で測定することができ、炭素は炭素分析装置で測定することができる。
また、本発明の装飾部品用セラミックスは、モリブデンをコバルトに対して35質量%以下の含有量で含むことが好ましい。モリブデンがコバルトに対して35質量%以下の含有量で含まれると、焼成温度を下げることができて結晶粒の成長を抑制するため、加工時には脱粒やチッピングが生じにくくなり、美しい表面を有する装飾部材を作製することができる。また、モリブデンはコバルトおよびニッケルの少なくとも1種と共晶合金を形成するが、コバルトおよびニッケルの少なくとも1種に対して35質量%以上の含有量になると、結合相にモリブデンリッチな相が析出して製品を加工する時に脱粒やチッピングが生じやすくなり、表面が荒れて色調ばらつきの原因となる場合もある。
また、本発明の装飾部品用セラミックスは、チタンを除く金属元素中にクロムを10質量%以上40質量%未満の含有量で含むときには、クロムはコバルトと炭化チタンとの結晶粒界に固溶して、結合相と炭化チタンとの濡れ性を改善して焼結性を向上する。クロムが10質量%未満であると、濡れ性を改善する効果が小さくなって焼結性が低下し、40質量%を超えるとクロムリッチな相が現れて脱粒しやすくなり、ボイドが発生してセラミックスの表面を均一に美しく形成することが困難となる。
また、本発明の釣糸案内用装飾部品は、上記構成の本発明の装飾品用セラミックスからなることを特徴とし、その具体的な例としては、釣糸用ガイドリングおよびこの釣糸用ガイドリングを備えた釣糸用ガイドがある。
本発明の装飾部品用セラミックスは、釣糸用ガイドリングおよびこの釣糸用ガイドリングを備えた釣糸用ガイドに用いると、釣竿に釣糸用ガイドとして組み付けたときガイド間の色調バラツキによって美観を損ねることがなく、色調に統一感を有しており、釣竿としての高級感,美的満足感を十分に得ることができ、視覚を通じて精神的安らぎを得ることができる。さらに、本発明の釣糸案内用装飾部品は、セラミックスの結合相の主成分がジルコニア,コバルト,ニッケルおよびクロムであることから、耐食性も高いため、長期間釣竿に使用しても製品が変色して高級感が低下することはない。
図1は本発明の釣糸案内用装飾部品である釣糸用ガイドリングおよびこの釣糸用ガイドリングを備えた釣糸用ガイドの一例を示しており、(a)は釣糸用ガイドリングの平面図であり、(b)は(a)の釣糸用ガイドリングを備えた釣糸用ガイドの斜視図である。
図1に示す例の釣糸用ガイドリング1は、その内周側に釣糸(図示しない)を挿通して案内するものであり、釣糸用ガイド6は、釣糸用ガイドリング1を保持する保持部2を備え、この保持部2の支持部3および釣竿(図示しない)に固定する固定部4が一体的に形成された枠体5に釣糸用ガイドリング1を備えたものである。この釣糸用ガイドリング1を本発明の装飾部品用セラミックスで形成することにより、需要者に高級感,美的満足感および精神的安らぎを与えることができる。
また、銀色の色調の釣糸用ガイドリング1と、釣糸用ガイド6や釣竿の色調との調和がよいので釣具に好適に用いることができる。特に、銀色の色調を呈することから、嗜好品に高級感を求める人の好む釣具とすることができる。なお、釣糸用ガイドリング1の表面を透明な耐磨耗性の高い膜、例えば、非晶質硬質炭素からなる膜で被覆して、耐磨耗性をさらに向上させてもよい。
また、本発明装飾部品用セラミックスの耐磨耗性は、以下に示す構成の耐磨耗性評価装置を作製し、これを用いることにより評価することができる。
図2は、本発明の装飾部品用セラミックスの耐磨耗性の評価に用いる耐磨耗性評価装置の概略構成図である。この耐磨耗性評価装置10は、ナイロン製の糸12と、所定位置で糸12に張力を与える複数のプーリー13と、プーリー13の1つであるプーリー13aに連結して糸12を矢印の向きに走行させるモーター(図示しない)と、糸12に泥水を付着させる水槽14とからなり、おもり15の質量分の荷重が与えられ、水槽14を通って泥水が付着した糸12が、所定位置に治具(図示しない)等で固定された円柱状の装飾部品用セラミックス11の外周面を摺動する構造となっており、ナイロン製の糸12の号数は、例えば3号とすればよい。
この耐磨耗性評価装置10を用いて装飾部品用セラミックス11の耐磨耗性を評価する際の条件は、例えば、おもり15の質量を500gとし、糸12が円柱状の装飾部品用セラミックス11の外周を摺動する速度を60m/分とし、糸12の走行距離が3000m以上になるように設定すればよい。そして、モーターを駆動し糸12を摺動させた後に、円柱状の装飾部品用セラミックス11が磨耗して生じた傷の最も深い部分を表面形状測定顕微鏡(キーエンス製 測定部VF−7510/コントローラVF−7500)を用いて測定し、この測定値を比較することにより耐磨耗性を評価することができる。
また、本発明の時計用装飾部品は、上記構成の本発明の装飾部品用セラミックスからなることを特徴とし、その例としては、時計用ケースや時計用バンド駒がある。
本発明の装飾部品用セラミックスは、製品間の色差が小さいため、時計用ケースや時計用バンド駒に用いると、個々の部品を組み付けたとき部品間の色調バラツキによって美観を損ねることがなく、色調に統一感を有しており、時計としての高級感,美的満足感を十分に得ることができ、視覚を通じて精神的安らぎを得ることができる。さらに、本発明の時計用装飾部品は、セラミックスの結合相の主成分がジルコニア,コバルト,ニッケルおよびクロムであることから、耐食性も高いため長期間身につけて使用しても製品が変色して高級感が低下することはない。また、結合相にニッケルを含まない場合には、ニッケルアレルギーが生じにくくなる。
図3は本発明の時計用装飾部品である時計用ケースの一例を示しており、(a)は時計用ケースを表側から見た斜視図であり、(b)は(a)の時計用ケースを裏側から見た斜視図である。また、図4は本発明の時計用装飾部品である時計用ケースの他の例を示す斜視図である。また、図5は本発明の時計用装飾部品である時計用バンドの構成の一例を示す模式図である。なお、これらの図において同じ部位を示す場合は同じ符号を付してある。
図3に示す時計用ケース20Aは、図示しないムーブメント(駆動機構)を収容する凹部21と、腕に時計を装着するための時計用バンド(図示しない)を固定する足部22とを備えており、凹部21は厚みの薄い底部23と厚みの厚い胴部24とからなる。また、図4に示す時計用ケース20Bは、図示しないムーブメント(駆動機構)が入る穴部25と、胴部24に形成された腕に時計を装着するための時計用バンド(図示しない)を固定する足部22とを備えている。
そして、図5に示す時計用バンド50を構成するバンド駒は、ピン40が挿入される貫通孔31を有する中駒30と、中駒30を挟むようにして配置され、ピン40の両端が差し込まれるピン穴32を有する外駒33とから構成されており、中駒30の貫通孔31にピン40が挿入され、挿入されたピン40の両端が外駒33のピン穴32に差し込まれることにより、中駒30と外駒33とが順次連結されて時計用バンド50が構成されている。
これら、時計用ケース20A,20Bおよび時計用バンド50を構成するバンド駒として用いられる本発明の時計用装飾部品は、本発明の装飾部品用セラミックスからなるものであることから、時計としての高級感,美的満足感を十分に得ることができ、視覚を通じて精神的安らぎを得ることができる。
なお、本発明の装飾部品用セラミックスでは、装飾面のビッカース硬度(Hv)が長期信頼性に影響を与える要因の一つとなり、ビッカース硬度(Hv)が8GPa以上であることが好ましい。ビッカース硬度(Hv)をこの範囲にすると、装飾面は傷が入りにくくなるので、ガラスまたは金属からなる塵埃のような硬度の高い物質と接触しても装飾面に容易に傷が生じることがないからである。この装飾面のビッカース硬度(Hv)はJIS R 1610−2003に準拠して測定することができる。
また、破壊靱性は装飾面の耐磨耗性に影響し、その値は高いほどよく、本発明の装飾部品用セラミックスでは4MPa・m1/2以上であることが好ましい。この破壊靱性はJIS R 1607−1995で規定する圧子圧入法(IF法)に準拠して測定することができる。
装飾部品用セラミックスが身に付けて用いられるようなものである場合は、軽い方が好まれるため、本発明の装飾部品用セラミックスでは、その見掛密度は6g/cm以下(0を除く)であることが好適であり、この見掛密度はJIS R 1634−1998に準拠して測定される。装飾部品用セラミックスが時計用バンド駒の一部である中駒20の場合であれば、引張荷重が頻繁に中駒20にかかるため、本発明の装飾部品用セラミックスでは、3点曲げ強度は700MPa以上であることが好適である。この3点曲げ強度を求めるには、JIS R 1601−1995に準拠して測定すればよい。
本発明の携帯電話機用装飾部品は、本発明の装飾部品用セラミックスからなることが好適であり、その例としては、携帯電話機の筐体,操作キー等がある。
本発明の装飾部品用セラミックスは、製品間の色差が小さいため、携帯電話機の筐体や操作キーなどに用いると、個々の部品を組み付けたとき部品間の色調バラツキによって美観を損ねることがなく、色調に統一感を有しており、携帯電話機としての高級感,美的満足感を十分に得ることができ、視覚を通じて精神的安らぎを得ることができる。さらに、本発明の携帯電話機用装飾部品は、セラミックスの結合相の主成分がジルコニア,コバルト,ニッケルおよびクロムであることから、耐食性も高いため長期間使用しても製品が変色して高級感が低下することはない。また、結合相にニッケルを含まない場合には、ニッケルアレルギーが生じにくくなる。
図6は、本発明の携帯端末機用装飾部品を用いた携帯電話機の一例を示す斜視図であり、図7は、図6に示す例の携帯電話機の筐体が開いた状態を示す斜視図である。
本発明の携帯端末機用装飾部品は、本発明の装飾部品用セラミックスからなることを特徴とし、その具体例としては、図6,7に示す例の各種操作キー,ケース等がある。
図6に示す例の携帯電話機60は、携帯電話機60のモードを、ラジオを聴くモードであるラジオモードや音楽を聴くモードである音楽モードなどに変更するモードキー61aと、携帯電話機60をマナーモードにするマナーキー61bとを第1の筐体62に備え、指などの接触を検知してこの接触により入力が行なわれるタッチセンサ63と、被写体を撮像するカメラ64と、ライト65と、タッチセンサ63等の入力の有効または無効を設定するスライドスイッチ66とを第2の筐体67に備えている。
次に、図7に示す例の携帯電話機60は、図6に示す例の携帯電話機60の第2の筐体67が開いた状態を示すものであり、第1の筐体62と第2の筐体67とは、ヒンジ68を介して連結されており、これにより第2の筐体67は、自在に開閉することができる。また、第2の筐体67は、フロントケース69aとリアケース69bとを有しており、フロントケース69aには液晶表示ユニット70が設けられている。
また、第1の筐体62もフロントケース71aとリアケース71bとを有しており、フロントケース71aには各種操作キーが設けられている。この操作キーには、電話番号等を入力するテンキー72a,各種機能のメニューについてカーソルを移動するカーソル移動キー72b,着信時に押して操作することによって通話を開始する通話キー72c,電源のオンオフおよび通話中に押して操作することによって通話を終了する電源/終話キー72d,カーソル移動キー72bの中心に配置されたセンターキー72fの左右に配置されたファンクションキー73L,73R等がある。
上記したケースであるフロントケース69aや71a,リアケース69bや71b,操作キーであるテンキー72a,カーソル移動キー72b,通話キー72c,電源/終話キー72d,センターキー72f,ファンクションキー73LやR等の少なくともいずれか1種を本発明の装飾部品用セラミックスで形成することにより、需要者に高級感,美的満足感および精神的安らぎを長期間与え、このような色調を呈する携帯電話を所有することによる満足感を感じさせることができる。また、本発明の装飾部品用セラミックスは、他の色調との相性がよいことから、様々な色調の部材と組み合わせて用いることもできるので、需要者の嗜好の多様化に応えることができる。
なお、携帯端末機の一例として携帯電話機を用いて説明したが、本発明の携帯端末機が用いられる携帯端末機は携帯電話機に限定されるものではなく、携帯情報端末(PDA),携帯型のカーナビゲーションやオーディオプレーヤー等の携帯型の端末機であって、部品に装飾性が求められるものであれば、様々な携帯端末機が該当する。
本発明の装飾部品用セラミックスは、製品間の色差が小さいため、生活用品用装飾部品の一例である蛇口や蛇口のハンドルなどに用いると、個々の部品を組み付けたときに部品間の色調バラツキによって美観を損ねることがなく、色調に統一感を有しており、高級感,美的満足感を十分に得ることができ、視覚を通じて精神的安らぎを得ることができる。さらに、本発明の生活用品用装飾部品は、セラミックスの結合相の主成分がジルコニア,コバルト,ニッケルおよびクロムであることから、耐食性も高いため長期間使用しても製品が変色して高級感が低下することはない。また、結合相にニッケルを含まない場合には、ニッケルアレルギーが生じにくくなる。
図8は、本発明の生活用品用装飾部品の一例である蛇口90の一例を示す斜視図であり、図9は、本発明の生活用品用装飾部品の他の一例であるシャワーヘッド100を示す斜視図である。
図8に示す蛇口90は、胴部93と、胴部93の上端に取り付けられ胴部93の内部にある水栓の開閉や水量の調節をするハンドル91と、胴部93の側面から枝分かれした蛇口管94と、蛇口管94を通って流れてきた水を吐出する吐出口92とを備えたものである。
図8に示す部材を本発明の装飾部品用セラミックスで形成すると、美しい銀色の蛇口を作製することができる。特に温泉のように様々な成分が溶けている湯が流れる浴室で本発明の生活用品用装飾部品を使用しても、耐食性や耐傷性に優れるため長期間にわたって高級感を維持することができる。
また、胴部93、ハンドル91、蛇口管94、吐出口92を独立した部材として形成して組み合わせても、本発明の装飾部品用セラミックスは色差が小さいため、色調の統一感を損ねることはない。あるいは、ハンドル91と吐出口92を白色のジルコニアとし、胴部93と蛇口管94を本発明の装飾部品用セラミックスとして白色と銀色との組合せにより、新たな装飾模様を作り出し、高級感,美的満足感および精神的安らぎを使用者に与えることができる。
次に、図9に示すシャワーヘッド100は、胴部101と、胴部101の上端に取り付けられ胴部101を通って流れてきた水を散水する散水部102を備えたものであり、水は胴部101の下端に取り付けられたホース103から供給されている。
胴部101、散水部102を本発明の装飾部品用セラミックスで形成すると、美しい銀色のシャワーヘッド100を得ることができる。特に温泉のように様々な成分が溶けている湯が流れる浴室で本発明の生活用品用装飾部品を使用しても、耐食性や耐傷性に優れるため長期間にわたって高級感を維持することができる。
また、胴部101、散水部102を独立した部材として形成して組み合わせても、本発明の装飾部品用セラミックスは色差が小さいため、色調の統一感を損ねることはない。あるいは、散水部102を白色のジルコニアとし、胴部101を本発明の装飾部品用セラミックスとして白色と銀色との組合せにより、新たな装飾模様を作り出し、高級感,美的満足感および精神的安らぎを使用者に与えることができる。
次に、本発明の装飾部品用セラミックスの製造方法について説明する。
本発明の装飾部品用セラミックスを得るには、まず、焼結体中で主成分となる炭化チタンと、ジルコニウム,コバルトおよびニッケルの少なくとも1種ならびにクロムの各粉末とを所定量秤量し、粉砕・混合して調合原料とする。より具体的には、平均粒径が10〜30μmの炭化チタンの粉末と、平均粒径が0.2μm以上2μm以下の酸化ジルコニウム(ジルコニア)の粉末と、平均粒径が1〜20μmのコバルトおよびニッケルの少なくとも1種の粉末と、平均粒径が3μm以上10μm以下のクロムの粉末または組成式がCrとして表される平均粒径が3μm以上60μm以下の炭化クロムの粉末とを準備し、コバルトおよびニッケルの少なくとも1種の粉末が5〜25質量%、クロムまたは炭化クロムの粉末が1〜10質量%、ジルコニアの粉末が9〜30質量%、残部が炭化チタンの粉末、そして、コバルト,ニッケル,クロムおよびジルコニアの合計が50質量%未満の含有量となるように秤量して粉砕・混合すればよい。
なお、粉砕・混合時間は50時間以上にすればよい。このとき、この調合原料における不可避不純物としては珪素,リン,イオウ,マンガン,鉄等が挙げられるが、これらは装飾面の色調に悪影響を及ぼすおそれがあるので、各々0.5質量%未満であることが好適である。
また、炭化チタンの粉末は化学量論的組成のTiCであっても、あるいは非化学量論的組成のTiC1−x(0≦x≦0.2)であってもいいが、耐磨耗性および装飾的価値が高い色調という観点からは、各粉末の純度は99%以上であることが好ましく、炭化チタンの粉末が一部コバルトの粉末と反応してCoTiなどの化合物を微量生成しても何等差し支えない。特に、装飾部品用セラミックスを成す炭化チタン質焼結体について組成式をTiC1−xとしたときに0≦x≦0.2とするには、炭化チタンの粉末は組成式をTiC1−xとしたときに0≦x≦0.3のものを用いればよい。
次いで、調合原料に有機溶媒として、例えばイソプロパノールを加え、ミルを用いて混合粉砕した後、結合剤としてパラフィンワックスを所定量添加し、所望の成形法、例えば、乾式加圧成形法,冷間静水圧加圧成形法,押し出し成形法等により円板,平板,円環体等の所望形状に成形する。
また、成形法として乾式加圧を選択した場合は、成形圧力は装飾面における開気孔率およびビッカース硬度(Hv)に影響を与えることから、成形圧力を49〜196MPaとすることが好適である。成形圧力を49〜196MPaとするのは、相対密度が95%以上で開気孔率が2.5%以下の焼結体を得ることができるとともに、ビッカース硬度(Hv)を8GPa以上にすることができるからである。また、金型の寿命を長くすることもできる。
そして、得られた成形体を必要に応じて真空雰囲気または不活性ガス雰囲気等の非酸化性雰囲気中で脱脂した後、不活性ガス雰囲気または真空中で焼成し、理論密度に対する相対密度が95%以上の焼結体を得る。なお、不活性ガス雰囲気中または真空中で焼成するのは、酸化性雰囲気中で焼成すると、炭化チタンが酸化してそのほとんどが組成式TiOで表される酸化チタンとなり、この酸化チタンが本質的に備えている白色の色調の影響を受けてしまい、装飾部品用セラミックスの全体の色調が白っぽくかすむからである。
また、真空中で焼成して装飾部品用セラミックスを得る場合は、その真空度が5Pa以下であることが好適である。真空度を5Pa以下とするのは、炭化チタンが焼成中に酸化することがなく、銀色の装飾部品用セラミックスを得るためである。さらに、焼成温度を1200〜1600℃とすることが好適である。これにより、相対密度が95%以上で開気孔率が2.5%以下の焼結体を得ることができるとともに、焼成コストも下げられるからである。
そして得られた焼結体の装飾的価値が求められる面に、研削盤を用いて研削加工を行なった後、バレル研磨を行なうことにより、焼結体のその表面は銀色の色調を有する装飾面となって、本発明の装飾部品用セラミックスを得ることができる。なお、このような装飾面に現れる気孔は、その開口部の最大径を30μm以下にすることが好適で、この範囲にすることで、気孔内への雑菌,異物や汚染物等の凝着を低減することができる。
装飾部品用セラミックスからなる製品の形状が複雑な形状の場合には、予め乾式加圧成形法,冷間静水圧加圧成形法,押し出し成形法,射出成形法等によってブロック形状または製品形状に近い形状に成形し、焼結した後に、製品形状になるように研削加工を施した後、バレル研磨を行なってもよく、あるいは最初から射出成形法によって製品形状とし、焼成後にバレル研磨を行なってもよい。
また、バレル研磨では、回転バレル研磨機を用い、メディアとしてアルミナやグリーンカーボランダム(GC)などを適量の水とともに回転バレル研磨機に投入し、湿式で24〜150時間行なえばよい。
以上のようにして得られる本発明の装飾部品用セラミックスは、特に美しい色調として評価の高い銀色を呈し、高級感があって、美的満足感を得ることができ、その結果、視覚を通じて精神的安らぎを得ることができるので、釣糸用ガイドリングおよびこれを用いた釣糸用ガイド等の釣糸案内用装飾部品や、時計ケース,バンド駒,バックルなどの時計用装飾部品や、ナンバーキー,各種入力キー等の操作ボタン,ケース,ディスプレイを固定する枠状部品等の携帯端末機用装飾部品や、浴室または洗面室の蛇口や洗面具,コーヒーカップセット,スプーン,フォーク,バターナイフ,万年筆ステーショナリー,ハブラシやカミソリの柄,耳かき,ハサミ,印材,名刺,火葬用副葬品などの生活用品用装飾部品や、めがね,ブローチ,ネックレス,イヤリング,リング,ブレスレット,アンクレット,ネクタイピン,タイタック,メダル,ボタン,イニシャルロゴ,バッグ等の止め金具などの装身具用装飾部品や、ナンバーキー,各種入力キー等の操作ボタン,ケース,ディスプレイを固定する枠状部品等のPDA(Personal Digital Assistants:個人用情報機器)用装飾部品や、ナンバーキー,各種入力キー等の操作ボタン,ケース,ディスプレイを固定する枠状部品等の携帯音楽再生装置用装飾部品や、携帯型データ記憶装置の筐体用装飾部品や、タイル,取っ手,庭石,表示板,道路用誘導マーカー,床,壁,天井を飾るタイルあるいはドアハンドル用のグリップなどの建材用装飾部品や、ゴルフクラブ,ポーカーチップ,将棋の駒,碁石などのスポーツ用品または娯楽用品等の装飾部品や、弦楽器用駒,ギター用保護板,バイオリン用弓取っ手,イヤホン,スピーカボックスなどの楽器部品または音響機器部品等の装飾部品や、歯冠,楽器用マウスピースなどの口に含む部品や、ディスクブレーキパッド,取っ手,メーカー名や車種名等のエンブレムやコーナーポールなどの自動車用装飾部品などに用いられる、美しい銀色の色調を醸し出す装飾部品用セラミックスとしても好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、炭化チタン粉末(純度99%,平均粒径22.3μm),ジルコニア粉末(純度99%以上,平均粒径1.5μm),コバルト粉末(純度99%以上,平均粒径1.3μm)またはニッケル粉末(純度99%以上,平均粒径12.8μm),クロム粉末(純度99%,平均粒径55μm)を焼結体での比率(含有量)が表1に示す比率になるように秤量し、粉砕・混合して調合原料とした。
次に、得られた各調合原料にイソプロパノール溶液を加えて、振動ミルを用いて72〜96時間粉砕・混合した後、バインダとしてパラフィンワックスを調合原料に対し3質量部添加して、噴霧乾燥法により乾燥させて顆粒とした。そして、得られた顆粒を98MPaの圧力で加圧成形して、成形体を作製した。次に、この成形体を真空雰囲気中にて400℃で脱脂した後、1300〜1600℃で2時間保持して焼成して、直径が10mmで高さが10mmの円柱状の焼結体を得た。
そして、錫製のラップ盤に平均粒径が1μmのダイヤモンド砥粒を供給して焼結体の端面をラップ加工した。引き続き、回転バレル研磨機を用いて、水と主成分がアルミナのメディアとグリーンカーボランダム(GC)とを入れて、70時間バレル研磨を行ない端面および外周面を鏡面に仕上げ、試料No.1〜24の炭化チタン質焼結体からなる装飾部品用セラミックスを得た。
その後、各試料を構成するチタン,ジルコニウム,コバルト,ニッケルおよびクロムの含有量はICP発光分光分析装置を用いて測定した。
そして、20歳代〜50歳代の各年代について男女5名ずつ計40名のモニターに、試料を黒色の台に並べて色むらを感じるかのアンケート調査を実施し、色むらを感じる人数が3名以下の場合は◎とし、色むらを感じる人数が4〜10名の場合は○として、使用可能で合格と判定し、色むらを感じる人数が11名以上の場合は×として、使用不可能で不合格とした。
また、チッピングについては、各試料10個のラップ加工が終了した時点で表裏の端部に長さが0.5mm以上のチッピングが試料1個につき計2個以下である場合は◎とし、計2個以上4個以下の場合は○として、それぞれ使用可能であり合格と判定し、計5個以上である場合は×として、使用不可能であり不合格とした。
また、耐傷性については、図1に示す時計用ケースに図3に示す時計用バンドを組み付けたものを製作して、20歳代〜50歳代の各年代について男女5名ずつ計40名のモニターが300時間(約30日間)身に付けた後、時計用ケースおよび時計用バンドを目から30〜40cm離した位置に置き、蛍光灯で照らして5人以下のモニターが目視で傷を見つけた場合は◎とし、6人以上10人以下のモニターが目視で傷を見つけた場合は○として、それぞれ使用可能であり合格と判定し、11以上のモニターが目視で傷を見つけた場合は×として、使用不可能であり不合格とした。
また、耐磨耗性の評価については、図2に示す例の耐磨耗性評価装置を用いて、試料No.1〜24の円柱状の装飾部品用セラミックスを所定位置(図2において、装飾部品用セラミックス11の位置)に治具で固定した後、水0.001mに対して半磁器土(粘土の中に磁器土(陶石)を配合した粘土)を10g投入し混合して水槽14中に泥水を準備した。そして、おもり15の質量を500gに、糸12が円柱状の装飾部品用セラミックスの外周側を摺動する速度を60m/分に、糸12の走行距離を3000mとなるように設定し、泥水が付着したナイロン製(東レ製 銀鱗Σ3号)の糸12を、円柱状の装飾部品用セラミックスの外周側で摺動させた。その後、表面形状測定顕微鏡(キーエンス製 測定部VF−7510/コントローラVF−7500)を用いて、糸12を摺動させることによって円柱状の装飾部品用セラミックスが磨耗して生じた傷の最も深い部分を測定し、各試料6個の平均値を磨耗深さとして算出した。そして、磨耗深さが10μm以下の場合は磨耗痕が目立たないため○として使用可能で合格と判定し、磨耗深さが10μmを超える場合は磨耗痕が目立つため×として使用不可能で不合格とした。結果を表1に示す。
Figure 2010275576
表1に示す通り、本発明の範囲外である試料No.1,2,7,8,13,14,19,20,25,26,31,34は、色むら,チッピング,耐傷性,耐磨耗性について各評価が×のものもあり、高級感,美的満足感および精神的安らぎを得られるような美しい銀色の装飾面を形成することができなかった。それに比べて、本発明の範囲内の試料である試料No.3〜6,9〜12,15〜18,21〜24,27〜30,32,33は、色むら,チッピング,耐傷性,耐磨耗性について○または◎となり、高級感,美的満足感および精神的安らぎを得られるような美しい銀色の装飾面を形成することができた。
まず、コバルトについて、本発明の範囲外である試料No.1,2は、コバルトの含有量が5質量%未満と少なく、焼結時には炭化チタン結晶粒子の表面を均一に濡らすことが困難なため、緻密化が進まず、加工時に炭化チタンの結晶粒子が脱粒して鏡面が荒れた状態となったために色むらが大きくなったことが分かる。また、炭化チタンの結晶粒子が脱粒しやすいため試料の角部は脆くなりチッピングが発生しやすくなったために、試料の平面部でも脱粒痕が筋状に残って耐傷性と耐磨耗性とが低下したことが分かる。また、試料No.7はコバルトの含有量が25質量%を超えていることから、セラミックスの表面で結合相の占める割合が大きくなって耐傷性が低下したため、鏡面が荒れた状態となり、色むらが大きくなったことが分かる。
これに対して、本発明の実施例である試料No.3〜6は、コバルトの含有量が5〜25質量%の範囲であることから、炭化チタンが脱粒しにくく、試料の角部の強度が保たれてチッピングが生じにくいため、試料の平面部では脱粒痕が残らず、耐傷性と耐磨耗性とに優れたセラミックスになったことが分かる。従って、炭化チタンの脱粒や傷跡などの機械的な因子により、色差が大きくなったり色むらが悪化したりすることを抑制できたことが分かる。
次に、クロムについて、本発明の範囲外である試料No.8は、クロムの含有量が1質量%未満と少ないことから、セラミックスの表面に酸化クロムの被膜を十分に形成できず耐食性が低下し、そのために試料の表面が研削液や洗浄液などと反応したり乾燥時に水垢が付着しやすくなったりして、色むらが大きくなったと考えられる。また、試料No.13は、クロムの含有量が10質量%を超えているため、結合相が硬くなり過ぎて炭化チタンの結晶粒子が脱粒しやすくなり、鏡面が荒れた状態となって色むらが大きく、さらに試料の角部は脆くなりチッピングが発生しやすく、試料の平面部でも脱粒痕が筋状に残って耐傷性が低下したことが分かる。
これに対して、本発明の試料である試料No.9〜12は、クロムの含有量が1〜10質量%の範囲であることから、セラミックスの表面に酸化クロムの被膜が形成されて色調が安定したことが分かる。また、結合相が適度な硬さに保たれるため、炭化チタンの脱粒が抑制されて、チッピングや耐傷性は良好な評価となったことが分かる。
次に、ジルコニアについて本発明の範囲外である試料No.14は、ジルコニアの含有量が9質量%未満と少ないことから、セラミックスの表面にジルコニアの粒子が十分に存在せず、釣糸が摺動したときに炭化チタンや結合相の酸化や磨耗を抑える効果が低下し、そのために磨耗量が増加したと考えられる。また、試料No.19は、ジルコニアの含有量が30質量%を超えているため、焼結時のジルコニアの相変態に伴う体積膨張や体積収縮の変化量のセラミックス全体の体積に対する比率が大きくなり、焼結後のセラミックスにクラックが残留して、チッピング、耐傷性、耐磨耗性が低下したことが分かる。
また、表1には記載していないが、特許文献4に記載されたジルコニアを含有しない組成でセラミックスを作製し、同じ方法で耐摩耗性の評価を行なったところ、本発明の実施例のうちでジルコニアの一番少ない試料No.15よりも磨耗量が増加しており、本発明品の方が耐磨耗性について改善されていることが分かった。
これに対して、本発明の試料である試料No.15〜18は、ジルコニアの含有量が9〜30質量%の範囲であることから、釣糸が摺動したときに炭化チタンや結合相が磨耗しても、ジルコニアの結晶粒子が表面に突起状に残り、これが釣糸と接触することから炭化チタンや結合相の酸化は進行が遅くなり、磨耗が抑制されたことが分かる。
次に、ニッケルについて、本発明の範囲外である試料No.20は、ニッケルの含有量が5質量%未満と少なく、焼結時には炭化チタン結晶粒子の表面を均一に濡らすことが困難なため、緻密化が進まず、加工時に炭化チタンの結晶粒子が脱粒して鏡面が荒れた状態となったために、色むらが大きくなったことが分かる。また、炭化チタンの結晶粒子が脱粒しやすいため、試料の角部は脆くなり、チッピングが発生しやすくなったために、試料の平面部でも脱粒痕が筋状に残って耐傷性と耐磨耗性とが低下したことが分かる。また、試料No.25は、ニッケルの含有量が25質量%を超えていることから、セラミックスの表面で結合相の占める割合が大きくなって耐傷性が低下したため、鏡面が荒れた状態となり、色むらが大きくなったことが分かる。
これに対して、本発明の実施例である試料No.21〜24は、ニッケルの含有量が5〜25質量%の範囲であることから、炭化チタンが脱粒しにくく、試料の角部の強度が保たれてチッピングが生じにくいため、試料の平面部では脱粒痕が残らず、耐傷性と耐磨耗性とに優れたセラミックスになったことが分かる。従って、炭化チタンの脱粒や傷跡などの機械的な因子により、色差が大きくなったり色むらが悪化したりすることを抑制できたことが分かる。
次に、コバルトとニッケルについて、本発明の範囲外である試料No.26は、コバルトおよびニッケルの少なくとも1種の合計の含有量が5質量%未満と少なく、焼結時には炭化チタン結晶粒子の表面を均一に濡らすことが困難なため、緻密化が進まず、加工時に炭化チタンの結晶粒子が脱粒して鏡面が荒れた状態となったために色むらが大きくなったことが分かる。また、炭化チタンの結晶粒子が脱粒しやすいことから試料の角部が脆くなりチッピングが発生しやすくなったために、試料の平面部でも脱粒痕が筋状に残って、耐傷性と耐磨耗性とが低下したことが分かる。また、試料No.31はコバルトおよびニッケルの合計の含有量が25質量%を超えていることから、セラミックスの表面で結合相の占める割合が大きくなって耐傷性が低下したため、鏡面が荒れた状態となり色むらが大きくなったことが分かる。
これに対して、本発明の実施例である試料No.27〜30は、コバルトおよびニッケルの合計の含有量が5〜25質量%の範囲であることから、炭化チタンが脱粒しにくく、試料の角部の強度が保たれてチッピングが生じにくいため、試料の平面部では脱粒痕が残らず、耐傷性と耐磨耗性とに優れたセラミックスになったことが分かる。従って、炭化チタンの脱粒や傷跡などの機械的な因子により、色差が大きくなったり色むらが悪化したりすることを抑制できたことが分かる。
次に、ジルコニア、コバルト、ニッケルおよびクロムの合計の含有量について、本発明の範囲外である試料No.34は、ジルコニア、コバルト、ニッケルおよびクロムの合計の含有量が50質量%以上であることから、表面の炭化チタンの量が少なくなり、表面が傷付きやすく、耐摩耗性も低下したことが分かる。
これに対して、本発明の実施例である試料No.32,33は、ジルコニア、コバルト、ニッケルおよびクロムの合計の含有量が50質量%未満であることから、炭化チタンの含有量が50質量%以上となり、硬度が保たれて、耐傷性および耐摩耗性に優れたセラミックスになったことが分かる。
モリブデンのコバルトに対する割合を変化させることによる特性の変化を確認する試験を行なった。
まず、炭化チタン粉末(純度99%,平均粒径22.3μm),ジルコニア粉末(純度99%以上,平均粒径1.5μm),コバルト粉末(純度99%以上,平均粒径1.3μm)およびニッケル粉末(純度99%以上,平均粒径12.8μm),クロム粉末(純度99%,平均粒径55μm)およびモリブデン粉末(純度99%以上,平均粒径3.3μm)を焼結体での比率(含有量)が表2に示す比率になるように秤量し、粉砕・混合して調合原料とした。
次に、実施例1と同様の製造方法にて試料No.35〜50の炭化チタン質焼結体からなる装飾部品用セラミックスを得た。
その後、実施例1と同様に各試料を構成するチタン,コバルト,ニッケル,クロム,ジルコニウムおよびモリブデンの含有量はICP発光分光分析装置を用いて測定した。
その後、実施例1と同様に、色むら,チッピングおよび耐傷性のテストを行なった。結果を表2に示す。
Figure 2010275576
表2に示す通り、試料No.40,45,50は、モリブデンのコバルトおよびニッケルの少なくとも1種に対する割合が35%を超えているため、結合相にモリブデンリッチな相が析出して組織が部分的に不均一な状態となり、セラミックスを全体的に均一に加工することが難しくなって、脱粒やチッピングが増加したことが分かる。これに対して、本発明の実施例である試料No.35〜39,41〜44,46〜49は、モリブデンのコバルトに対する含有量の割合が35%以下であることから、色むらが小さいことに加えて、焼成温度が下がって結晶粒の粒成長を抑制し、加工時には脱粒やチッピングが生じにくくなったことが分かる。このことから、モリブデンのコバルトに対する割合が35%以下であれば、より高級感,美的満足感および精神的安らぎを得られるような美しい銀色の装飾面を形成することができるとともに、色むらも少なく、機械的加工時の脱粒やチッピングが抑制され、機械的強度が保たれたことが分かる。
また、本発明の装飾部品用セラミックスを用いて、釣糸案内用装飾部品である釣糸用ガイドリングおよびこの釣糸用ガイドリングを備えた釣糸用ガイド,時計用装飾部品である時計用ケースや時計バンド駒,携帯端末機用装飾部品である携帯電話の各種操作キーやケース,生活用品用装飾部品である蛇口やシャワーヘッドを作製したところ、耐磨耗性に優れ高い硬度を有していることから表面に傷が付きにくく、銀色の色調を長期にわたり維持することができるので、これらの装飾部品を用いれば、高級感,美的満足感および精神的安らぎを長期間与え続ける魅力的な商品を構成することができることが分かった。
以上説明したような本発明の装飾部品用セラミックスを用いて、釣糸案内用装飾部品,時計用装飾部品,携帯電話機用装飾部品および腕時計型携帯電話機用装飾部品を始め、装身具用装飾部品,建材用装飾部品や生活部品用装飾部品として用いれば、美しい色調として評価の高い銀色を呈し、高級感があって、美的満足感を得ることができ、その結果、視覚を通じて精神的安らぎを得ることができて好適である。
1:釣糸用ガイドリング
10:耐磨耗性評価装置
20A,20B:時計用ケース
21:凹部
22:足部
23:底部
24:胴部
25:穴部
30:中駒
31:貫通孔
32:ピン穴
33:外駒
40:ピン
50:時計用バンド
60:携帯電話機
90:蛇口
100:シャワーヘッド

Claims (6)

  1. 炭化チタン質焼結体からなる装飾部品用セラミックスであって、ジルコニアが9質量%以上30質量%以下、コバルトおよびニッケルの少なくとも1種が5質量%以上25質量%以下、クロムが1質量%以上10質量%以下、ジルコニア、コバルト、ニッケルおよびクロムの合計が50質量%未満の含有量で含まれており、クロムがコバルトまたはニッケルと固溶していることを特徴とする装飾部品用セラミックス。
  2. モリブデンをコバルトに対して35質量%以下の含有量で含むことを特徴とする請求項1に記載の装飾部品用セラミックス。
  3. 請求項1または2に記載の装飾部品用セラミックスからなることを特徴とする釣糸案内用装飾部品。
  4. 請求項1または2に記載の装飾部品用セラミックスからなることを特徴とする時計用装飾部品。
  5. 請求項1または2に記載の装飾部品用セラミックスからなることを特徴とする携帯電話機用装飾部品。
  6. 請求項1または2に記載の装飾部品用セラミックスからなることを特徴とする生活用品用装飾部品。
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