JP5340606B2 - 真空脱ガス装置用の浸漬管 - Google Patents

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Description

本発明は、製鋼プロセスにおいて溶鋼の脱ガス処理を行う真空脱ガス装置に用いられ、溶鋼に浸漬される真空脱ガス装置用の浸漬管に関するものである。
真空脱ガス処理は、一次精錬を終えた溶鋼から、更に脱炭、脱水素、脱窒素等を行う処理であり、RH法とDH法とに大別される。RH法の装置は、排気口が設けられた真空槽と、その底部に取り付けられた一対の浸漬管から、主に構成される。そして、取鍋に収容された溶鋼に浸漬管を浸漬させ、真空槽を減圧にすると共に、浸漬管の一方に設けられたガス吹き込み口からアルゴンガス等の不活性ガスを吹き込むことにより、その浸漬管を介して溶鋼が吸い上げられ、真空槽内で脱ガスされる。そして、脱ガスされた溶鋼は、自重により他方の浸漬管を介して取鍋内に排出される。このように、取鍋と真空槽との間で溶鋼が還流することにより、溶鋼からの脱ガス処理が進行する。また、DH法の装置は、真空槽とその底部に設けられた一本の浸漬管とから主に構成され、浸漬管を溶鋼に浸漬させて真空槽を減圧にすることにより、溶鋼が真空槽内に吸い上げられ、脱ガスが行われる。そして、真空槽の取鍋に対する相対的な上昇及び降下を繰り返すことにより、溶鋼は取鍋と真空槽とを行き来し、溶鋼からの脱ガス処理が進行する。
上記の真空脱ガス装置に用いられる浸漬管は、一般的に、鋼等の金属製の円筒状の芯金と、その内側及び外側に被覆された耐火物層とから、主に構成されている。耐火物としては、溶鋼が流通する芯金の内側の耐火物層には、より耐食性に優れる定形耐火物が使用され、芯金の外側の耐火物層には、耐火材料の吹き付けによる補修が行い易い不定形耐火物が使用されることが多い。そして、図5(a)に例示するように、一般的な浸漬管100では、芯金102の下端に、内側に向けて受け金具105が突設され、これに載置させるように定形耐火物110が支持される。そして、受け金具105の溶鋼による溶損を防止するために、受け金具105は下方から不定形耐火物120で被覆されている。
このような構成とすると、受け金具105を介して定形耐火物110を芯金102に堅固に支持させることができる一方で、溶鋼が流通する流通経路107の周縁の耐火物層において、下端側は定形耐火物110より耐食性に劣る不定形耐火物120であるため、溶鋼の流通に伴って下端側の溶損が激しく、浸漬管110の耐用期間が短いものとなる。そこで、図5(b)に示すように、流通経路207の周縁の耐火物層を下端まで定形耐火物210とし、芯金202の内周面から突設させたピン205を介して定形耐火物210を芯金に支持させる浸漬管200(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
また、図5(c)に示すように、定形耐火物310の外周面の下端側をテーパー状に成形し、テーパー部分に外嵌させたリング状鉄皮ケース305で定形耐火物310を支持し、リング状鉄皮ケース305を芯金(図示しない)に固定することによって、定形耐火物310を芯金に支持させる浸漬管が提案されている(特許文献2参照)。
特開2000−282131号公報 特開平6−128622号公報
しかしながら、芯金202の内周面から突設したピン205を介して定形耐火物210を芯金202に支持させる浸漬管200では、定形耐火物210の荷重がピン205に集中するため、ピン205部分で定形耐火物210に亀裂が発生し易く、芯金202による定形耐火物210の支持が不十分となり、ひいては定形耐火物210が脱落するおそれがあるという問題があった。また、進展した亀裂を介して溶鋼が浸入し、芯金202が溶損してしまうおそれもあった。
一方、リング状鉄皮ケース305で定形耐火物310のテーパー部分を支持させる浸漬管では、定形耐火物310の荷重がリング状鉄皮ケース305によって面的に支えられるため、支持が安定するという利点があるが、リング状鉄皮ケース305内に定形耐火物310を収めるために、リング状鉄皮ケース305の形状を定形耐火物310の外形と合致させる必要がある。そのため、浸漬管の製造に手間がかかると共に、コストが嵩むという点で、改善の余地があった。加えて、浸漬管は、1600〜1700℃という極めて高温の溶鋼に浸漬されるが、金属は耐火物に比べて熱膨張率が極めて大きい。そのため、定形耐火物310を面的に被覆するリング状鉄皮ケース305と定形耐火物310との熱膨張の差異に起因して、両者間に大きな応力が発生し、定形耐火物310に亀裂が生じるおそれがあった。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、溶鋼に対する耐食性を向上させるために、溶鋼の流通経路の周縁の耐火物層を下端まで定形耐火物で構成させ、その定形耐火物を芯金に安定的に支持させることができると共に、定形耐火物に亀裂が生じるおそれを低減できる真空脱ガス装置用の浸漬管の提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる真空脱ガス装置用の浸漬管は、「筒状の芯金、及び、該芯金の内側に溶鋼を流通させる流通経路を有する定形耐火物層を備えた真空脱ガス装置用の浸漬管であって、前記定形耐火物層は浸漬管下端まで達するように設けられており、前記定形耐火物層の高さ方向の少なくとも一部の外周面に、前記浸漬管下端に向かって内側に傾斜するよう形成された傾斜面部と、丸棒状または角棒状の金属部材によって環状に形成され、前記芯金に対して固定されていると共に前記傾斜面部に当接している環状体と、少なくとも前記芯金の外周面、前記芯金の下端、及び、前記環状体を被覆する不定形耐火物層とを」具備している。
「芯金」は、鋼や合金鋼等の金属で構成される筒状の部材であり、一般的な芯金の断面形状は略円形であるが、特にこれに限定されず、楕円形等であっても構わない。
「浸漬管下端」は、浸漬管の使用時に、溶鋼に浸漬される側の最端部を指している。
「定形耐火物層」を構成する耐火材料の種類は特に限定されず、例えば、マグネシア−クロム質、マグネシア−カーボン質、アルミナ−クロム質、アルミナ−カーボン質、アルミナ−マグネシア質、アルミナ−マグネシア−カーボン質、アルミナ−スピネル−カーボン質等の耐火材料を使用することができる。
「傾斜面部」は、定形耐火物層において「高さ方向の少なくとも一部の外周面に」形成される構成であるため、定形耐火物層の中途の高さ位置に帯状に形成される構成であっても、定形耐火物層の外周面全体によって構成されるものであっても良い。例えば、定形耐火物層の浸漬管下端側の外周面に傾斜面部を形成し、それより上端側の定形耐火物層では横断面の外形が一定である構成とすることができる。或いは、中途の高さ位置に傾斜面部を形成し、傾斜面部より上端側及び下端側の両方では、定形耐火物層の横断面の外形が一定である構成とすることができる。また、或いは、浸漬管上端から浸漬管下端に向かって、定形耐火物層の外周面が連続的に内側に傾斜し、定形耐火物層の外周面全体が傾斜面部である構成とすることができる。
「丸棒状または角棒状の金属部材」は、中実であっても中空であっても良い。中実とすれば環状体の剛性を高いものとすることができ、中空とすれば環状体を軽量化できると共に、金属製の環状体の熱伝導率を低下させることができる。また、環状体の芯金への固定は、溶接やろう付けにより、芯金へ直接的に環状体を取り付けることによって行うことができる。或いは、連結用の部材を介して、環状体を芯金に固定するものであっても良い。なお、環状体を構成する金属部材の材質は、鋼や合金鋼等とすることができ、芯金の材質と同一であっても異なっていても構わない。
「不定形耐火物層」を構成する耐火材料の種類は特に限定されず、例えば、アルミナ質、スピネル質、アルミナ−シリカ質、アルミナ−スピネル質、アルミナ−マグネシア質等の耐火材料を使用することができる。
上記構成により、本発明によれば、溶鋼を流通させる流通経路の周縁の耐火物層を、上端から下端まで定形耐火物層とし、溶鋼による耐食性を高めて浸漬管の耐用期間の長期化を図るに当たり、定形耐火物層を安定的に芯金に支持させることができる。すなわち、傾斜面部では定形耐火物層の外周面が浸漬管下端に向かって内側に傾斜しているため、傾斜面部に環状体を外嵌させ、環状体に定形耐火物層を載置するように支持させることができる。そして、金属製の環状体は芯金に堅固に固定させることができるため、環状体を介して、定形耐火物層を芯金に堅固に支持させることができる。
このとき、環状体と定形耐火物層とは傾斜面部で当接し、定形耐火物層の荷重は環状体が全体で受けることとなる。そのため、芯金の内周面から突設されたピンで定形耐火物を支持する従来の浸漬管のように、応力が局部的に集中することがなく、定形耐火物層に亀裂が発生するおそれが低減される。
また、環状体は、丸棒状または角棒状の部材によって形成されているため、環状体と傾斜面部との当接は線的なものとなる。そのため、傾斜面部の傾斜角度や環状体の径の大きさを厳密に制御しなくても、傾斜面部のどこかで環状体を当接させることができる。これにより、定形耐火物層の外周面のテーパー部をリング状鉄皮ケースで面的に被覆する従来の浸漬管に比べ、極めて簡易に製造することができる。加えて、環状体と傾斜面部との当接が線的なものであることから、定形耐火物層をリング状鉄皮ケースで面的に被覆する従来の浸漬管に比べ、金属と耐火物の熱膨張率の差異に起因する応力の発生が抑制され、定形耐火物層に亀裂が発生するおそれを低減することができる。
本発明にかかる真空脱ガス装置用の浸漬管は、「前記芯金の下端の前記浸漬管下端からの高さ、及び、前記環状体の前記浸漬管下端からの高さは、共に浸漬管全長の1/4〜1/2である」ものとすることができる。
「浸漬管全長」は、浸漬管下端から浸漬管の最上端までの長さを指している。
浸漬管は、浸漬管下端側が溶鋼に浸漬される。上述のように、金属は耐火物に比べて熱膨張率が極めて大きいため、溶鋼に浸漬されて芯金や環状体が熱膨張すると、耐火物層との間で応力が発生し、耐火物層に亀裂が発生する原因となる。本発明では、芯金の下端及び環状体の浸漬管下端からの高さが、浸漬管全長の1/4以上に設定されているため、金属製の芯金及び環状体が溶鋼による加熱の影響を受け難いものとなっている。これにより、芯金及び環状体の熱膨張が抑制され、ひいては定形耐火物層や不定形耐火物層での亀裂の発生が抑制される。
また、芯金の下端の位置が高過ぎる場合は、芯金の表面積が小さいものとなり、芯金による不定形耐火物層の支持力が低下する。本発明では芯金の下端の浸漬管下端からの高さが浸漬管全長の1/2以下に抑えられているため、芯金の表面積が確保され、芯金によって不定形耐火物を安定的に支持することができる。
加えて、環状体の位置が高過ぎる場合、芯金の表面積をある程度確保しようとすると、環状体を芯金の内周面に対して固定することとなり、芯金に対する環状体の溶接等の作業がし難いものとなる。これに対し、本発明では、芯金の下端の高さと共に、環状体の高さも浸漬管全長の1/2以下に抑えられているため、環状体を芯金の下端近傍に固定させることができ、溶接等の作業がし易いものとなる。
また、傾斜面部を中途の高さ位置に設ける場合は定形耐火物層の外周面の成形がやや複雑となるため、定形耐火物層の下端側のみに傾斜面部を設ける構成が簡易である。しかしながら、このような簡易な構成とする場合に、環状体の位置が高過ぎると、定形耐火物において傾斜面部も高い位置に設けることとなるため、浸漬管下端側で定形耐火物層が薄くなってしまい、溶鋼に対する耐食性が低下する。これに対し、本発明では、環状体の高さが浸漬管全長の1/2までに抑えられているため、浸漬管下端側で定形耐火物層の厚さを確保し易く、定形耐火物層によって溶鋼に対する耐食性を発揮させることができる。
本発明にかかる真空脱ガス装置用の浸漬管は、上記構成に加え、「前記環状体と前記芯金とを連結する連結部材を」具備するものとすることができる。
「連結部材」は、例えば、丸棒状、角棒状、または板状の金属部材によって構成させることができる。
環状体を直接的に芯金に固定する場合、環状体を定形耐火物の傾斜面部に当接させるためには、環状体を構成させる棒状部材にある程度の太さが必要となる。これに対し、本発明では、連結部材を介して環状体を芯金に固定させるため、それほど太くない棒状部材で環状体を構成させることができ、使用できる部材の自由度が高いものとなる。
以上のように、本発明の効果として、溶鋼に対する耐食性を向上させるために、溶鋼の流通経路の周縁の耐火物層を下端まで定形耐火物で構成させ、その定形耐火物を芯金に安定的に支持させることができると共に、定形耐火物に亀裂が生じるおそれを低減できる真空脱ガス装置用の浸漬管を提供することができる。
以下、本発明の最良の一実施形態である真空脱ガス装置用の浸漬管(以下、単に「浸漬管」という)について、図1及び図2に基づいて説明する。ここで、図1は本実施形態の浸漬管の概略構成を示す縦断面図であり、図2は図1の浸漬管の製造工程を説明する平面図である。なお、本実施形態では、RH法による真空脱ガス装置の浸漬管として、本発明を適用した場合を例示する。
本実施形態の浸漬管1は、図1に示すように、筒状の芯金2、及び、芯金2の内側に溶鋼を流通させる流通経路7を有する定形耐火物層10を備えた真空脱ガス装置用の浸漬管であって、定形耐火物層10は浸漬管下端9まで達するように設けられており、定形耐火物層10の高さ方向の少なくとも一部の外周面に、浸漬管下端9に向かって内側に傾斜するよう形成された傾斜面部15と、丸棒状の金属部材によって環状に形成され、芯金2に対して固定されていると共に傾斜面部15に当接している環状体5と、少なくとも芯金2の外周面、芯金2の下端、及び、環状体5を被覆する不定形耐火物層20とを具備している。
より詳細に説明すると、本実施形態の芯金2は、横断面の外周及び内周の形状が略円形である円筒状に形成されている。また、本実施形態の定形耐火物層10は、横断面の外周及び内周の形状が、芯金2と同心の略円形である筒状に形成されている。更に、本実施形態の不定形耐火物層20は、横断面の外周の形状が芯金2と同心の略円形である筒状であり、芯金2の外周面、芯金2の下端、及び、環状体5を被覆すると共に、芯金2と定形耐火物層10との間隙を充填するように設けられている。また、定形耐火物層10の下端面と不定形耐火物層20との下端面とはほぼ同一面を形成しており、定形耐火物層10の下端面及び不定形耐火物層20との下端面によって浸漬管下端9が構成されている。
本実施形態の定形耐火物層10は、並設された複数の焼成耐火煉瓦によって構成され、横断面の外周円の直径が一定である円筒部11と、円筒部11の下方に位置し、外周円の直径が浸漬管下端9に向かって徐々に縮径する縮径部12とを備えている。換言すれば、縮径部12の外周面によって傾斜面部15が構成されている。なお、円筒部11及び縮径部12において内周円の直径はほぼ一定であり、内周円の内側に形成される円筒状の空間によって、溶鋼を流通させる流通経路7が構成されている。
また、本実施形態の環状体5は、芯金2と同心の略円形であり、複数の連結部材6によって、芯金2と連結されている。ここで、連結部材6は、丸棒状の中実の金属部材で構成され、一端が環状体5に溶接されると共に他端が芯金2の下端に溶接されている。また、複数の連結部材6は、図2を用いて後述するように、環状体5と芯金2とを放射状に連結している。
芯金2の上端には、外側に向けて突出するように円環状のフランジ31が設けられている。なお、浸漬管1は、このフランジ31を介して真空脱ガス装置(図示しない)に着脱され、浸漬管1の損耗に応じて取り換えられる。なお、図1ではアルゴンガス等の不活性ガスを吹き込むためのガス吹込み管33を図示しているが、これは、RH法の真空脱ガス装置に一対設けられる浸漬管のうち、一方にのみ設けられる構成である。また、芯金2の外周面には、芯金2の外周面を被覆する不定形耐火物層20を芯金2に牽引支持させるスタッド32が、複数設けられている。
更に、本実施形態では、芯金2の下端の浸漬管下端9からの高さ、及び、環状体5の浸漬管下端9からの高さは、共に浸漬管全長Hの1/4〜1/2に設定されている。
上記の構成の浸漬管1は、例えば、以下に例示するように製造することができる。まず、所定形状に成形された複数の焼成耐火煉瓦を組み上げ、耐火モルタル等の接合部剤で接合し、円筒部11及び縮径部12から構成される定形耐火物層10を形成する。そして、浸漬管下端9が上向きとなるように、定形耐火物層10を作業用の平面上に載置する。この状態で、図2に平面図を示すように、環状体5を定形耐火物層10に挿通させると、縮径部12の外周円の直径と環状体5の内径とが一致する位置で、環状体5が定形耐火物層10に外嵌する。
次に、フランジ31及びスタッド32(図2において図示省略)を取り付けた芯金2を、フランジ31を下側にして、定形耐火物層10と同心となるようにその外側に載置する。そして、複数の連結部材6を用い、それぞれの一端を環状体5に溶接し他端を芯金2に溶接して、環状体5と芯金2とを連結する。本実施形態では、八本の連結部材6によって環状体5と芯金2とを放射状に連結している。
この状態で、芯金2の外側に円筒状の成形型39を同心に載置する。そして、不定形耐火材料を水及び硬化剤、分散剤等の調整剤と混合した泥しょうを、成形型39と定形耐火物層10との間に、定形耐火物層10と同一の高さまで流し込み、固化させる。これにより、芯金2の外周面及び下端、芯金2と定形耐火物層10との間隙、環状体5、及び、定形耐火物層10の傾斜面部15が不定形耐火物層20で被覆される。その後、養生を経て成形型39を取り外し乾燥させれば、浸漬管1の製造が完了する。
上記のように、本実施形態の浸漬管1によれば、流通経路7は上端から下端まで耐食性に優れる定形耐火物層10によって構成されているため、浸漬管1の耐用期間を長期化することができる。
そして、傾斜面部15で定形耐火物層10に外嵌する環状体5によって、定形耐火物層10が載置されるように支持され、環状体5は溶接によって堅固に芯金2に固定されているため、環状体5を介して、定形耐火物層10を芯金2に安定的に支持させることができる。このとき、略円形の環状体5と横断面の外周が略円形の傾斜面部15とは略円周状に当接し、定形耐火物の荷重は環状体5が全体で受けることとなるため、応力が局部的に集中することがなく、定形耐火物層10に亀裂が発生するおそれが低減される。
また、環状体5と傾斜面部15との当接は略円形の線的なものであるため、傾斜面部15の傾斜角度や環状体5の径の大きさを厳密に制御しなくても、傾斜面部15で環状体5を当接させ易く、極めて簡易に浸漬管1を製造することができる。
更に、芯金2の下端及び環状体5の浸漬管下端9からの高さが(1/4)H以上であるため、金属製の芯金2及び環状体5が溶鋼による加熱の影響を受け難く、芯金2及び環状体5の熱膨張に起因して、定形耐火物層10や不定形耐火物層20に亀裂等が生じることが抑制されている。
また、本実施形態の定形耐火物層10は、円筒部11の下方に縮径部12が形成された簡易な構成であるが、環状体5の高さが(1/2)H以下に抑えられているため、傾斜面部15の上端の高さもほぼ(1/2)H以下に抑えることができる。これにより、浸漬管下端9側で定形耐火物層10の厚さを確保し易く、定形耐火物層10によって溶鋼に対する優れた耐食性を発揮させることができる。加えて、芯金2の下端の高さも(1/2)H以下に抑えられているため、芯金2の表面積が確保されており、芯金2によって不定形耐火物層20を安定的に支持することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、定形耐火物層10を円筒部11の下方に縮径部12が形成された簡易な構成としたが、図3(a)に示すように、二つの円筒部11の間に縮径部12を設ける構成とすることができる。これにより、浸漬管下端9側の定形耐火物層10をより厚くすることができ、溶鋼に対する耐食性をより向上させることができる。
或いは、図3(b)に示すように、定形耐火物層10の外周面の全てが傾斜面部15となる構成とすることもできる。これにより、定形耐火物層10ひいては浸漬管の構成が、極めて簡易なものとなる。
また、上記の実施形態では、連結部材6を介して環状体5が芯金2に固定されている場合を例示したが、図4に示すように、環状体5を直接的に芯金2に固定することもできる。この場合、環状体5をある程度太い棒状部材で構成させる必要があるが、部材点数と製造工程数を低減して、簡易に浸漬管を製造することができる。
本実施形態の浸漬管の概略構成を示す縦断面図である。 図1の浸漬管の製造工程を説明する平面図である。 他の実施形態の浸漬管の概略構成を示す部分縦断面図である。 他の実施形態の浸漬管の概略構成を示す部分縦断面図である。 従来の浸漬管の構成図である。
符号の説明
1 浸漬管(真空脱ガス装置用の浸漬管)
2 芯金
5 環状体
6 連結部材
7 流通経路
9 浸漬管下端
10 定形耐火物層
15 傾斜面部
20 不定形耐火物層
H 浸漬管全長

Claims (3)

  1. 筒状の芯金、及び、該芯金の内側に溶鋼を流通させる流通経路を有する定形耐火物層を備えた真空脱ガス装置用の浸漬管であって、
    前記定形耐火物層は横断面の外周形状が円形で、浸漬管下端まで達するように設けられており、
    前記定形耐火物層の高さ方向の少なくとも一部の外周面に、縦断面において径が直線的に減少するように前記浸漬管下端に向かって内側に傾斜するよう形成された傾斜面部と、
    丸棒状または角棒状の金属部材によって環状に形成され、前記芯金に対して固定されていると共に前記傾斜面部に当接している環状体と、
    少なくとも前記芯金の外周面、前記芯金の下端、及び、前記環状体を被覆する不定形耐火物層と
    を具備することを特徴とする真空脱ガス装置用の浸漬管。
  2. 前記芯金の下端の前記浸漬管下端からの高さ、及び、前記環状体の前記浸漬管下端からの高さは、共に浸漬管全長の1/4〜1/2であることを特徴とする請求項1に記載の真空脱ガス装置用の浸漬管。
  3. 前記環状体と前記芯金とを連結する連結部材を、更に具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空脱ガス装置用の浸漬管。
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