JP6612208B2 - 浸漬管 - Google Patents

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Description

本発明は、浸漬管に関する。
主に溶鋼中の脱ガス、特に脱水素、脱炭を行うRH,DH脱ガス装置には、溶鋼に浸漬する浸漬管が用いられる。浸漬管は、たとえば、特許文献1に記載されている。
浸漬管は、上下方向に延びる筒状の芯部材と、芯部材の内周側に配置された複数のレンガにより構成された筒状のレンガ層と、を備えている。芯部材の外周側は、キャスタブル層が形成される。レンガ層の内周側(あるいは、軸心側)には、溶鋼(あるいは、高温の金属溶湯)が流通する溶湯通路が形成されている。そして、浸漬管は、使用時に、その下方の先端部が溶鋼に浸漬し、溶鋼が溶湯通路を下方から上方に向けて、あるいは上方から下方に向けて流れる。
浸漬管は、上端に径方向に沿って広がるフランジ部を備えている。浸漬管は、このフランジ部を介して脱ガス装置に組み付けられる。詳しくは、脱ガス装置には上下方向に延びる筒状の環流管がもうけられ、浸漬管は、この環流管の下端に組み付けられる。環流管も、浸漬管と同様に、芯部材及びレンガ層とを備えた構成を有する。芯部材は、下端にフランジ部を備える。浸漬管と環流管は、フランジ部同士が密着して接続する。接続した浸漬管と環流管は、一対のレンガ層と一対のフランジ部のそれぞれの界面が、上下方向に垂直な方向に沿って広がる。すなわち、上下方向が鉛直方向である場合に、水平方向に界面が広がる。
浸漬管及び環流管は、複数のレンガを配設することでレンガ層が形成されており、レンガの合わせ面(界面)に溶鋼が浸透することがある。溶鋼が浸透して芯部材に到達すると、芯部材の溶損が生じる。特に、浸漬管のレンガ層(浸漬管レンガ層)と環流管のレンガ層(環流管レンガ層)との界面において、この浸透が生じやすい。そして、浸透した溶鋼がフランジ部に溶損を生じさせると、浸漬管と環流管との接続部でのガスシール性が低下する。そうすると、脱ガス装置の真空状態(減圧状態)の保持が困難となり、溶鋼の処理(詳しくは、精錬処理)が不十分となるという問題が発生する。
より具体的には、レンガの合わせ面がフランジ部と一致する場合には、合わせ面の間を浸透した溶鋼がフランジ部を溶損する。一方、合わせ面をフランジ部より上方にずらしても、合わせ面を浸透した溶鋼がレンガの外周面に回り込んでフランジ部を溶損していた。
特開平10−219340号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、軸方向に並んだレンガの合わせ面(界面)の間を浸透する溶湯により芯部材が溶損することが抑えられた浸漬管を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の浸漬管は、内部が減圧した上部槽と、上部槽の下方で上部槽に連通する下部槽と、下部槽の下方で下部槽の内部に連通して設けられる環流管と、環流管の下端で環流管に連通して接続するとともに金属溶湯に浸漬する浸漬管と、を備え、環流管及び浸漬管を介して金属溶湯を流通させる脱ガス装置の浸漬管であって、浸漬管は、上下方向に延びる筒状の浸漬管芯部材と、浸漬管芯部材の内周側に配置された複数の浸漬管レンガにより形成され、内周面を形成する浸漬管レンガ層と、を備え、環流管は、上下方向に延びるとともに浸漬管芯部材と接続する筒状の環流管芯部材と、環流管芯部材の内周側に配置された複数の環流管レンガにより形成され、浸漬管レンガ層の上方で浸漬管レンガ層と連続した内周面を形成する環流管レンガ層と、を備え、上下方向で隣接する浸漬管レンガと環流管レンガが、互いに対向する対向面の全面で密着した状態で配列してなり、浸漬管レンガの上面は、径方向での外径側の端部が、径方向での内方側の端部より上方に位置することを特徴とする。
本発明の浸漬管は、軸方向に密着した状態で並んだ浸漬管レンガと環流管レンガのうち浸漬管レンガの上面(すなわち、浸漬管レンガと環流管レンガが密着する当接界面)が、外径側の径方向での端部が内径側の端部よりも上方に位置した構成となっている。この構成によると、内径側から浸漬管レンガと環流管レンガの密着した界面に溶湯(詳しくは、溶鋼)が浸透したとしても、内径側の端部から外径側の端部に向けて上方に向かって流れようとする。しかし、重力により、上方に向かう流れは抑制される。つまり、溶湯が更に浸透することが抑えられる。この結果、本発明の浸漬管は、浸漬管レンガと環流管レンガが密着した界面(合わせ面)を浸透する溶湯が芯部材を溶損することが抑えられる。
実施形態1の真空脱ガス装置の構成を示す図である。 実施形態1の真空脱ガス装置の浸漬管の構成を示す図である。 実施形態1の真空脱ガス装置の浸漬管の定形レンガの構成を示す図である。 実施形態1の真空脱ガス装置の浸漬管の定形レンガの構成を示す断面図である。 真空脱ガス装置の浸漬管の定形レンガの構成を示す断面図である。 実施形態2の真空脱ガス装置の浸漬管の定形レンガの構成を示す図である。 実施形態3の真空脱ガス装置の浸漬管の定形レンガの構成を示す図である。 実施形態4の真空脱ガス装置の浸漬管の定形レンガの構成を示す図である。
以下、本発明の浸漬管について、真空脱ガス装置を用いて具体的に説明する。
[実施形態1]
本形態の真空脱ガス装置1は、図1に示したように、上部槽11と、下部槽12と、浸漬管2と、環流管3と、を備えている。
上部槽11は、高い真空状態に減圧されている。下部槽12は、上部槽11の下方においてその上部槽11に連通している。
浸漬管2は、下部槽12の下方においてその下部槽12に連通しているとともに、取鍋13内の溶湯5に浸漬されている。浸漬管2は、環流管3を介して下部槽12に接続する。取鍋13は、下部槽12の下方に配設されている。浸漬管2は、溶湯5が流れる溶湯通路4を形成する。溶湯5は、取鍋13に貯留する、溶融金属(例えば、溶鋼)よりなる。
浸漬管2及び環流管3は、互いに平行な状態で、かつその軸方向が上下方向(鉛直方向)に伸びた状態で並設された2本を備える。図1で左側に記載した一方の浸漬管2及び環流管3は、溶湯5が取鍋13から下部槽12に上昇して流れる上昇管であり、図1で右側に記載した他方の浸漬管2及び環流管3は、溶湯5が下部槽12から取鍋13に下降して流れる下降管である。
真空脱ガス装置1において、使用中すなわち操業中は、図示しない配管を介して上昇管に不活性ガス(例えば、アルゴンガスなど)が吹き込まれる。上昇管に不活性ガスが吹き込まれると、取鍋13内の溶湯5が、上部槽11の真空状態により下部槽12側に引き込まれて上昇管の溶湯通路4を上昇し、その後、下降管の溶湯通路4を下降して取鍋13に戻って環流する。この環流の過程において、溶湯5の脱ガスが進行するとともに、そのガスが上部槽11から真空脱ガス装置1の外部に排出される。
(浸漬管)
浸漬管2は、図2に示したように、浸漬管芯部材21と、浸漬管耐火物層22と、を備えている。
浸漬管芯部材21は、芯金とも称される部材であり、金属材料(例えば、炭素鋼や合金鋼)により構成されている。浸漬管芯部材21は、上下方向に延びる円筒状に形成されている。上下方向に延びるとは、円筒状の浸漬管芯部材21の軸方向が上下方向に沿って延びた状態を示す。なお、浸漬管芯部材21は、全体として上下方向に延びた形状である。
浸漬管芯部材21は、浸漬管耐火物層22の芯体として機能するとともに、浸漬管2の外周側に存在する外気を溶湯通路4に向けて浸透させるのを抑制する外気遮断機能を有している。浸漬管芯部材21は、浸漬管芯部材に相当する。
浸漬管芯部材21は、上端に環流管3と接続するための接続フランジ部211を有する。接続フランジ部211は、浸漬管芯部材21の上端に外径方向に突出している。接続フランジ部211の上面は、下部槽12から下方に伸びる環流管3のフランジ部311の下面と当接(気密、液密状態で密着)した状態で固定する。接続フランジ部211は、浸漬管2が溶湯5に浸漬されているときに、溶湯5の湯面より上方に位置する。
浸漬管耐火物層22は、耐火物としての浸漬管レンガ層23と、耐火物としてのキャスタブル層25と、を有している。
浸漬管レンガ層23は、浸漬管芯部材21の内周側に配置されている。浸漬管レンガ層23は、浸漬管芯部材21の内周面に沿った円筒状に形成されている。浸漬管レンガ層23の内周側には、溶湯5が流れる溶湯通路4が形成されている。浸漬管レンガ層23は、浸漬管レンガ層に相当する。
浸漬管レンガ層23は、複数の定形レンガよりなる浸漬管レンガ24を浸漬管芯部材21の内周面に沿って並べて配置されている。浸漬管レンガ24は、マグネシアカーボン質もしくは高温で焼成されたマグネシアクロム質の耐火物で形成でき、耐熱性及び高強度を有している。浸漬管レンガ24は、浸漬管レンガに相当する。
浸漬管レンガ24は、複数が並べられた状態で、互いに接着される。浸漬管レンガ24の接着は、両者の間に配されたモルタル(図示せず)によりなされる。
キャスタブル層25は、浸漬管芯部材21の外周側、下方側及び内周側に配置されている。
キャスタブル層25は、浸漬管芯部材21の外周側にもうけられ、筒状の浸漬管2の外周面を形成する。
キャスタブル層25は、流動性を有するキャスタブル材料を型枠に流し込んで(すなわち、鋳込んで)形成される。キャスタブル層25は、円筒状に形成されている。キャスタブル材料は、従来の浸漬管2での材料を用いることができ、例えば、アルミナ系の材質、アルミナマグネシア質、アルミナスピネル質、若しくはアルミナマグネシアスピネル質の材質を用いることができる。
キャスタブル層25は、浸漬管芯部材21の下端の内周側には、溶湯5が流通する溶湯通路4を形成している。溶湯通路4は、上記の溶湯通路4に連通している。溶湯通路4は、溶湯通路4の径と一致する径を有している。すなわち、浸漬管レンガ層23の内径とキャスタブル層25の下端の内径は一致している。また、連通する溶湯通路4は、外径の変化がない状態(定径の状態)で形成されている。
キャスタブル層25は、図2に示したように、浸漬管芯部材21の内周側にもうけられ、浸漬管レンガ24と浸漬管芯部材21との間のすき間に充填している。
浸漬管芯部材21は、下端に浸漬管レンガ層23(浸漬管レンガ24)の下端面を支持するレンガ押さえ金具212を有する。レンガ押さえ金具212は、浸漬管芯部材21の下端に内径方向に突出したフランジ状を備え、その上面が浸漬管レンガ層23の下端面を形成する浸漬管レンガ24の下端面と当接する。すなわち、レンガ押さえ金具212は、浸漬管レンガ層23(浸漬管レンガ24)を支持・固定する。レンガ押さえ金具212は、フランジ状の内径方向への突出量は、浸漬管レンガ層23(浸漬管レンガ24)の径方向の厚さより短い。
浸漬管芯部材21は、さらに、その外周面のほぼ全域には、複数個のスタッド213が溶接やボルト等で固定されている。スタッド213は、キャスタブル層25に埋設されており、その脱落を抑制する。スタッド213は、浸漬管芯部材21の外周面に、周方向及び軸方向のそれぞれにおいて間隔を隔てた状態で複数個配置されている。スタッド213は、従来のスタッドを用いることができ、VスタッドやYスタッドを挙げることができる。なお、図2では、Vスタッドを示す。
(環流管)
環流管3は、図2に示したように、環流管芯部材31と、環流管耐火物層32と、を備えている。
環流管3は、下部槽12の下方においてその下部槽12に連通した状態で、下部槽12に接続されている。環流管3は、軸方向が上下方向(鉛直方向)に伸びた状態で並設された2本を備える。環流管3は、浸漬管2とともに溶湯5が流れる溶湯通路4を形成する。
環流管芯部材31は、浸漬管2の浸漬管芯部材21のときと同様に形成される。環流管芯部材31は、環流管芯部材に相当する。
環流管芯部材31は、下端に浸漬管2と接続するためのフランジ部311を有する。環流管3のフランジ部311は、浸漬管2のフランジ部211と密着して組み付け可能に形成されている。
環流管耐火物層32は、浸漬管2の浸漬管耐火物層22と同様に形成される。環流管耐火物層32は、耐火物としての環流管レンガ層33と、キャスタブル層35と、を有している。環流管レンガ層33は、環流管レンガ層に相当する。
環流管レンガ層33は、浸漬管2の浸漬管レンガ層23と同様に、環流管芯部材31の内周側に配置された複数の環流管レンガ34から形成される。環流管レンガ層33は、環流管芯部材31の内周面に沿った円筒状に形成されている。環流管レンガ34は、環流管レンガに相当する。環流管レンガ34も同様に、モルタル(図示せず)で接着される。
キャスタブル層35は、図2に示したように、環流管芯部材31の内周側にもうけられ、環流管レンガ34と環流管芯部材31との間のすき間に充填している。
環流管3は、溶湯5の流れが妨げられない溶湯通路4を形成できれば、環流管芯部材31や環流管耐火物層32は、そのサイズ等は限定されない。すなわち、浸漬管2と同じサイズであっても、異なるサイズであってもいずれでもよい。同じサイズであることが好ましい。
(浸漬管レンガと環流管レンガ)
浸漬管2は、一対のフランジ部211,311が密着した状態で、環流管3に接続・固定される。この状態では、浸漬管2の浸漬管レンガ層23の浸漬管レンガ24の上面24aと、環流管3の環流管レンガ層33の環流管レンガ34の下面34bとが、互いの対向面の全面で密着した状態となる。すなわち、浸漬管レンガ層23と、環流管レンガ層33とが、すき間が無い状態で配列する。このことは、浸漬管レンガ24の上面24aと、環流管レンガ34の下面34bとが、互いに対応した形状をなしていることを示す。浸漬管2の浸漬管レンガ24と環流管3の環流管レンガ34も同様に、モルタル(図示せず)で接着される。
浸漬管2の浸漬管レンガ24の上面24aには、外径側に位置する外径側上面部241と、内径側に位置する内径側上面部242と、外径側上面部241と内径側上面部242を接続する接続面部243、が形成されている。
外径側上面部241は、上面24aの径方向外方の端部から径方向内方に向かって、軸方向に垂直な方向に沿って広がる。外径側上面部241は、浸漬管レンガ24の上面24aの径方向での外径側の端部を含む。内径側上面部242は、上面24aの径方向内方の端部から径方向外方に向かって、軸方向に垂直な方向に沿って広がる。内径側上面部242は、浸漬管レンガ24の上面24aの径方向での内径側の端部を含む。外径側上面部241及び内径側上面部242は、環状の平面をなしている(軸方向に垂直な面に沿って広がる環状の平面をなしている)。
接続面部243は、外径側上面部241の内径側の端部と内径側上面部242の外径側の端部とを接続する。接続面部243は、上下方向に延びる面(軸方向に平行な面)をなしている。外径側上面部241、接続面部243及び内径側上面部242は、図3に示したように、1段の階段状(クランク状)の断面形状を形成している。なお、図3は、軸方向に並んだ浸漬管2の浸漬管レンガ24と環流管3の環流管レンガ34の当接界面近傍の構成を模式的に示す部分拡大図である。
さらに、接続面部243と環流管レンガ34の間に充填したモルタルは、その厚さ(径方向の厚さ)が薄いこと(すなわち、過剰に厚くならないこと)が好ましい。接続面部243と環流管レンガ34の間の距離が長くなると、充填するモルタル量が増加する。
接続面部243は、外周面が円に近い多角形よりなる角錐台の錐体面であることが好ましく、本形態のように外周面が円錐台の錐体面をなすことがさらに好ましい。図4に、図3のIV−IV線での断面図を示した。なお、図4に示したように、接続面部243の外周面は、軸芯を中心とした円形状に沿って形成されている。
環流管3の環流管レンガ34の下面34bは、浸漬管レンガ24の上面24aに対応した形状、すなわち、組み合わせたときに密着する形状に形成されている。この結果、軸方向に並んだ浸漬管レンガ24と環流管レンガ34は、浸漬管レンガ24の上面24aと、環流管レンガ34の下面34bにおいてすき間を形成することなく密着する。
浸漬管レンガ24の上面24aは、外径側の端部を含む外径側上面部(241)が、内径側の端部を含む内径側上面部(242)より上方に位置するように形成されている。
外径側上面部(241)は、内径側上面部(242)より5mm以上上方に位置することが好ましく、5〜10mm上方に位置することがより好ましい。
さらに、上下方向で隣接する浸漬管レンガ24と環流管レンガ34の密着した界面(24aと34bの界面)は、一対の接続フランジ部211,311と軸方向位置が重ならないことが好ましい。浸漬管レンガ24と環流管レンガ34の密着した界面(24aと34bの界面)は、一対の接続フランジ部211,311の界面よりも上側に位置することがより好ましい。このとき、浸漬管レンガ24と環流管レンガ34の密着した界面(24aと34bの界面)は、浸漬管レンガ24の外径側上面部241を示す。内径側上面部242が、一対の接続フランジ部211,311の界面よりも上側に位置することが更に好ましい。
内径側上面部242の径方向長さ(L2)は、外径側上面部241の径方向長さ(L1)より長く形成されていることが好ましい(L2≧L1)。より好ましくは、内径側上面部242の径方向長さ(L2)と外径側上面部241の径方向長さ(L1)との比は、50〜80:20〜50である。
浸漬管レンガ層23(浸漬管レンガ24)及び環流管レンガ層33(環流管レンガ34)の径方向の厚さ(L2+L1)は、溶湯通路4を形成できる厚さであれば限定されるものではない。例えば、溶湯通路4の内径が400〜800mmの場合には、150〜250mmであることが好ましい。同様に、浸漬管芯部材21及び環流管芯部材31の内径は、これらのレンガ層23,33を形成できる内径を備えることができるサイズであることが好ましい。
(本形態の効果)
本形態の真空脱ガス装置1は、浸漬管2が環流管3に接続し、浸漬管レンガ24と環流管レンガ34とが、対向面の全面で密着した状態で上下方向に配列している。そして、浸漬管レンガ24の上面24aは、外径側上面部241が、内径側上面部242より上方に位置する。すなわち、浸漬管レンガ24の上面24aは、径方向での外径側の端部が、径方向での内方側の端部より上方に位置する。
この構成では、浸漬管レンガ層23及び環流管レンガ層33が溶湯通路4を区画し、溶湯通路4を流れる溶湯5(溶鋼)と浸漬管レンガ層23(浸漬管レンガ24)及び環流管レンガ層33(環流管レンガ34)とが当接する。そして、上下方向で隣接した浸漬管レンガ24と環流管レンガ34の当接界面(上面24aと下面34bの界面)に溶湯5が浸透すると、浸漬管レンガ24の内径側上面部242に沿って径方向外方に向けて溶湯5が浸透する。そして、接続面部243に溶湯5が到達する。接続面部243は、上方に向けて形成されている。このため、当接界面(上面24aと下面34bの界面)に沿って更に溶湯5が浸透しようとすると、溶湯5は、重力に抗して接続面部243に沿って流れる必要がある。溶湯5には、重力により上方に向かう流れが阻害される。この結果、浸漬管レンガ24の外径側上面部241まで溶湯5(溶鋼)が浸透することが抑えられる。
このように、本形態の真空脱ガス装置1(及び浸漬管2)は、軸方向に並んだ2つの浸漬管レンガ24と環流管レンガ34の当接界面(上面24aと下面34bの界面)を浸透する溶湯5が浸漬管芯部材21や環流管芯部材31に到達しなくなり、各芯部材21,31が溶湯5により溶損することが抑えられる。
さらに、溶湯5が各芯部材21,31に到達しないことで、各芯部材21,31が接続する一対の接続フランジ部211,311の溶損も抑えられる。
本形態の真空脱ガス装置1(及び浸漬管2)において、浸漬管レンガ24の上面24aは、内方側の端部を含み、軸方向に垂直に広がる内径側上面部242と、外方側の端部を含み、軸方向に垂直に広がる外径側上面部241と、内径側上面部242と外径側上面部241とを接続する接続面部243と、を備える。
この構成によると、上面24aに沿って溶湯5が浸透することを抑えることができる。
本形態の真空脱ガス装置1(及び浸漬管2)は、浸漬管レンガ24の上面24aにおける接続面部243が上下方向にそって延びる階段状の断面をなすように形成されている。
この構成では、接続面部243が上下方向に沿ってのびている。そうすると、上下方向で隣接した2つの浸漬管レンガ24と環流管レンガ34の当接界面(上面24aと下面34bの界面)に溶湯5が浸透しても、上下方向に沿って延びる接続面部243が上下方向に延びていることで、溶湯5の更なる浸透を確実に抑えることができる。
本形態の真空脱ガス装置1(及び浸漬管2)は、内径側上面部242の径方向長さL2が、外径側上面部241の径方向長さL1より長くなるように形成されている(L2≧L1)。
この構成によると、浸漬管2の溶湯通路4に溶湯5が流れて浸漬管レンガ24と環流管レンガ34が摩耗する場合、内径側上面部242が先に摩耗する。内径側上面部242が摩耗しても、内径側上面部242と外径側上面部241とを備えた構成を長期間維持できる。すなわち、本形態の真空脱ガス装置1及び浸漬管2は、その効果を長期間に亘って発揮でき、その結果として長寿命で使用できる。
さらに、本形態の真空脱ガス装置1(及び浸漬管2)は、浸漬管レンガ24の上面24aにおける接続面部243の外周面が、円錐台の錐体面をなしている。この構成によると、浸漬管2と環流管3とが、周方向に位相がずれても、浸漬管レンガ24と環流管レンガ34の間のすき間を短く維持でき、充填するモルタル量の増加を抑えることができる。
一方、接続面部243の外周面が、多角形状をなしている場合、浸漬管2と環流管3とが、周方向に位相がずれると、図5に示すように、浸漬管2の接続面部243の多角形の角部と、環流管3の平面部とが径方向で並ぶ状態となる。この場合、浸漬管レンガ24と環流管レンガ34の間に部分的に大きなすき間が形成される。そうすると、充填するモルタル量が増加する。そして、接続面部243の外周面が、円に近い多角形となるほど、このすき間が小さくなる。なお、図5は、図4と同様な断面図である。
[実施形態2]
本形態は、浸漬管2の浸漬管レンガ24及び環流管3の環流管レンガ34の当接界面(上面24aと下面34bの界面)の構成が異なること以外は、実施形態1と同様な真空脱ガス装置1である。
浸漬管2は、図6に示したように、浸漬管レンガ24の上面24aが、外径側上面部241と内径側上面部242との間に、さらに、軸方向に垂直な平面に沿って広がる中間面部244を有する。すなわち、実施形態1の接続面部243が中間面部244を有する構成となっている。言い換えると、浸漬管レンガ24と環流管レンガ34の当接界面(上面24aと下面34bの界面)が、2段の階段状に形成されている。なお、図6は、図3に対応した図面で示した。
本形態では、内径側上面部242の径方向長さ(L2)>中間面部244の径方向長さ(L4)>外径側上面部241の径方向長さ(L1)、の関係であることが好ましい。最内径側に位置する内径側上面部242の径方向長さ(L2)が最も長いことがより好ましい。
本形態は、上下方向に隣接する浸漬管レンガ24と環流管レンガ34の当接界面(上面24aと下面34bの界面)の階段形状の段の数が異なるのみであることから、実施形態1と同様な効果を発揮できる。
[実施形態3]
本形態は、浸漬管2の浸漬管レンガ24及び環流管3の環流管レンガ34の当接界面(上面24aと下面34bの界面)の構成が異なること以外は、実施形態1と同様な真空脱ガス装置1である。
浸漬管2は、図7に示したように、浸漬管レンガ24の上面24aが、内径側から外径側にかけて下方から上方に向かう傾斜した傾斜面(テーパ面)をなすように形成されている。本形態では、浸漬管レンガ24と環流管レンガ34の当接界面(上面24aと下面34bの界面)の内径側の一部が内径側上面部242に相当し、そこより外径側の一部が外径側上面部241に相当する。なお、図7は、図3に対応した図面で示した。
本形態においても、浸漬管レンガ24と環流管レンガ34の当接界面(上面24aと下面34bの界面)の断面形状が階段状からテーパ状に異なっているのみであることから、実施形態1〜2と同様な効果を発揮できる。
なお、傾斜面の角度については限定されるものではない。
本形態では、浸漬管レンガ24と環流管レンガ34の当接界面(上面24aと下面34bの界面)がテーパ状に形成されており、組み付け時に環流管レンガ34の下面34bが、浸漬管レンガ24の上面24aにガイドされる。すなわち、浸漬管レンガ24と環流管レンガ34の組み付け、すなわち浸漬管2と環流管3の組み付けを簡単にできる。
[実施形態4]
本形態は、浸漬管2の浸漬管レンガ24及び環流管3の環流管レンガ34の当接界面(上面24aと下面34bの界面)の構成が異なること以外は、実施形態1と同様な真空脱ガス装置1である。
浸漬管2は、図8に示したように、浸漬管レンガ24の上面24aが、外径側上面部241と内径側上面部242との間に、傾斜した中間面傾斜部245を有する。中間面傾斜部245は、内径側から外径側にかけて下方から上方に向かう傾斜した傾斜面(テーパ面)をなすように形成されている。本形態は、実施形態1の接続面部243が傾斜した中間面傾斜部245をなしている。なお、図8は、図3に対応した図面で示した。
本形態では、内径側上面部242の径方向長さ(L2)>中間面傾斜部245の径方向長さ(L5)>外径側上面部241の径方向長さ(L1)、の関係であることが好ましい。最内径側に位置する内径側上面部242の径方向長さ(L2)が最も長いことがより好ましい。
本形態は、浸漬管レンガ24と環流管レンガ34の当接界面(上面24aと下面34bの界面)において、接続面部243が傾斜した構成となっているのみであることから、実施形態1と同様な効果を発揮できる。
1:真空脱ガス装置 11:上部槽
12:下部槽 13:取鍋
2:浸漬管 21:浸漬管芯部材
22:浸漬管耐火物層 23:浸漬管レンガ層
24:浸漬管レンガ 25:キャスタブル層
3:環流管 31:環流管芯部材
32:環流管耐火物層 33:環流管レンガ層
34:環流管レンガ 35:キャスタブル層
4:溶湯通路
5:溶湯

Claims (5)

  1. 内部が減圧した上部槽と、該上部槽の下方で該上部槽に連通する下部槽と、該下部槽の下方で該下部槽の内部に連通して設けられる環流管と、該環流管の下端で該環流管に連通して接続するとともに金属溶湯に浸漬する浸漬管と、を備え、該環流管及び該浸漬管を介して該金属溶湯を流通させる脱ガス装置の浸漬管であって、
    該浸漬管は、
    上下方向に延びる筒状の浸漬管芯部材と、
    該浸漬管芯部材の内周側に配置された複数の浸漬管レンガにより形成され、内周面を形成する浸漬管レンガ層と、
    備え、
    該環流管は、上下方向に延びるとともに該浸漬管芯部材と接続する筒状の環流管芯部材と、該環流管芯部材の内周側に配置された複数の環流管レンガにより形成され、該浸漬管レンガ層の上方で該浸漬管レンガ層と連続した内周面を形成する環流管レンガ層と、を備え、
    上下方向で隣接する該浸漬管レンガと該環流管レンガが、互いに対向する対向面の全面で密着した状態で配列してなり、
    該浸漬管レンガの上面は、径方向での外径側の端部が、径方向での内方側の端部より上方に位置することを特徴とする浸漬管。
  2. 前記浸漬管レンガの上面は、
    前記内方側の端部を含み、軸方向に垂直に広がる内径側上面部と、
    前記外方側の端部を含み、軸方向に垂直に広がる外径側上面部と、
    該内径側上面部と外径側上面部とを接続する接続面部と、
    を備える請求項1記載の浸漬管。
  3. 前記浸漬管レンガの上面は、前記接続面部が上下方向にそって延びる階段状の断面をなす請求項2記載の浸漬管。
  4. 前記内径側上面部の径方向長さが、前記外径側上面部の径方向長さより長い請求項2〜3のいずれか1項に記載の浸漬管。
  5. 前記浸漬管レンガの上面は、内径側から外径側に進むにつれて上方に向かう傾斜面である請求項1記載の浸漬管。
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