JP5340571B2 - 圧着記録紙用基紙及び圧着記録紙 - Google Patents

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Description

本発明は、圧着記録紙用基紙及び圧着記録紙に関するものである。より詳しくは、3つ折りタイプの親展葉書などとして用いるに好適な形態に関するものである。
現在、封書に代わるシール葉書などと呼ばれるものが郵送コストの低減などを目的に開発されている。この葉書は、基紙の一方の面に、通常状態では接着性を有しない感圧接着剤層が設けられ、この感圧接着剤層同士を対向させて加圧すると剥離可能に接着する構成とされた圧着記録紙から形成される。この葉書は、圧着記録紙の前記感圧接着剤層が設けられた、あるいは設けられる面に隠蔽情報を記録し、この記録面が内側となるように3つ折りに折り畳んで前記加圧接着をした状態で郵送し、受信者が当該接着を剥離して隠蔽情報を読み取る仕組みになっている。
より具体的には、3つ折り葉書を例にとれば、基紙の一方の面に、例えば、宛名や隠蔽情報等がノンインパクトプリンター等によって記録され、隠蔽情報部分は外部から見えなくなるよう谷折りされ、宛名部分は外部から見えるよう山折りされる。そして、この状態においてシーラー等の貼合機を通され、谷折りした部分の内面(単に「剥離面」ともいう。)同士は剥離可能に、山折りした部分の内面(単に「破断面」ともいう。なお、この面は宛名や隠蔽情報が記録されていない側の面である。)同士は剥離不能に、それぞれ加圧接着される。この3つ折り葉書は、例えば、請求書などとして、金融機関の個人情報通知用に使用されている。このため、この3つ折り葉書には、次の特性が求められている。まず、(1)透かしても隠蔽情報を読み取ることができない程度の基紙の不透明性が要求される。次に、(2)山折りした部分の内面同士は剥離不能であることが要求される。これらのうち、(1)基紙の不透明性については、基紙に填料を内填することで改善可能であるが、填料を内填すると紙厚が低下するとの問題が生じる。前述したとおり、3つ折り葉書は、3つに折り畳んだ状態で、貼合機を通し、つまり、2本の金属ロール間を通過させ、その際にかかる圧力により接着する(貼り合わせる)。したがって、紙厚が低下すると貼合機を通した際にかかる圧力も低下し、接着強度が低下して、葉書が輸送中に開いて隠蔽情報が外部から見えてしまうおそれがある。貼合機のロール間のクリアランスを調整して貼り合せ強度を保つことができそうであるが、通常は紙厚を厚くするために填料をあまり配合せず、製造されている。これにより隠蔽情報が透けて見える場合は、破断面に隠蔽情報を読み取り難くするための印刷を施して対応するのが一般的である。なお、パルプの不透明性で隠蔽性を図る場合もあるが、郵便法に準拠した質量及び隠蔽性(不透明性)の確保は困難である。しかしながら、このように破断面に印刷を行うと接着強度が低下し、(2)の破断面同士は剥離不能であるとの要求が満たされなくなる。つまり、本来、剥離してはいけない葉書本体側(山折りした部分)が剥離してしまう。これに対応するためには、破断面の接着強度を剥離面側よりも強く設計して製造するのが一般的である。例えば、特許文献1に示すように、剥離面の接着強度は、線圧40kgf/cm以上の圧力をかけて接着したときのT字剥離力が15〜50gf/15mmとなるように、破断面の接着強度は、線圧40kgf/cm以上の圧力をかけて接着したときのT字剥離力が50gf/15mmを超えるように感圧接着剤の塗工量等を調整する。しかしながら、破断面の接着強度を強く設計すると次に示すトラブルが発生する。すなわち、個々の葉書に切断される前の用紙を巻き取った巻取り製品に偏った過重が掛かるとその部分が接着してしまい、巻取り製品から紙が繰り出されないトラブルが発生する。また、フォーム加工後に蛇腹に折り畳まれた個々の葉書に切断される前の用紙は、通常ミシン目が剥離面から破断面側に抜ける用に加工されているため、破断面同士が対向している部位においては、ミシン目が凸部になり、過重がかかるとブロッキングし、プリンターでの紙詰りのトラブルが発生する。
ここで、圧着記録紙としては、例えば、特許文献2が開示されている。しかしながら、同文献は、圧着記録紙の基材の密度を規定し、もって隠蔽性、風合い、高級感などの課題解決を図った発明であり、剥離面、破断面に関する技術的思想がない。
また、圧着記録紙としては、例えば、特許文献3が開示されている。しかしながら、同文献は、上シートと下シートが中間シート構成を介して一体化された圧着紙において、上シート又は下シートと中間シートとの引き剥し力を異ならせる技術であり、剥離面、破断面の剥離性に関する技術ではない。
さらに、圧着記録紙としては、例えば、特許文献4や特許文献5が開示されている。しかしながら、これらの文献は、原料パルプ中に公知の填料を5〜40%含有させるものであり、上記問題が十分に解決されるとはいえない。この点、原料パルプに内填する填料に関しては、例えば、特許文献6に開示がある。同文献の填料は、脱墨フロスを主原料とし、脱水工程、乾燥工程、焼成工程、粉砕工程を経て得られた、カルシウム、ケイ素及びアルミニウムを、酸化物換算で30〜82:9〜35:9〜35の質量割合で含有し、かつ、前記カルシウム、前記ケイ素及び前記アルミニウムの合計含有割合が、90質量%以上の再生填料である。しかしながら、同文献は、単に再生填料を填料として用いることまでしか開示しておらず、圧着記録紙として用いるに好適な構成についてまでは開示されていない。
特開平7−276858号公報 特開2001−39063号公報 特開2001−219678号公報 特開2005−154940号公報 特開2005−154941号公報 特開2007−146351号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、隠蔽性に優れるとともに、繰り出しトラブル等の生じるおそれがなく、好ましくは剥離性及び破断性が確保された圧着記録紙及びこれに用いる基紙を提供することにある。
この課題を解決した本発明は、次の通りである。
〔請求項1記載の発明〕
基紙の一方の面に、通常状態では接着性を有しない感圧接着剤層が設けられ、この感圧接着剤層同士を対向させて加圧すると剥離可能に接着する構成とされ、
前記基紙の他方の面に、通常状態では接着性を有しない感圧接着剤層が設けられ、この感圧接着剤層同士を対向させて加圧すると剥離不能に接着する構成とされた圧着記録紙に用いられる前記基紙であって、
焼成工程における凝集により多孔性を有し、かつ凝集体を構成する体積平均粒子径が0.5〜20.0μmのカチオン性を有する再生填料がJIS P 8251に準拠した灰分において、2〜20%になるように内填されて、
厚さ方向に4等分した際の両外層に含有される再生填料が全再生填料の60%以上とされ、かつJIS P 8149に準拠した不透明度が85%以上とされ、
前記再生填料の含有量は、前記基紙のワイヤー面側よりも前記基紙のフエルト面側の方が多く、前記一方の面は前記基紙のワイヤー面で、前記他方の面は前記基紙のフエルト面でそれぞれ構成される、
ことを特徴とする圧着記録紙用基紙。
〔請求項2記載の発明〕
JIS P 8251に準拠した前記再生填料の灰分が、全灰分の60%以上とされている、請求項1記載の圧着記録紙用基紙。
〔請求項3記載の発明〕
前記再生填料は、シリカ被覆再生填料とされている、請求項1又は請求項2記載の圧着記録紙用基紙。
〔請求項4記載の発明〕
基紙の一方の面に、通常状態では接着性を有しない感圧接着剤層が設けられ、この感圧接着剤層同士を対向させて加圧すると剥離可能に接着する構成とされ、
前記基紙の他方の面に、通常状態では接着性を有しない感圧接着剤層が設けられ、この感圧接着剤層同士を対向させて加圧すると剥離不能に接着する構成とされた圧着記録紙であって、
焼成工程における凝集により多孔性を有し、かつ凝集体を構成する体積平均粒子径が0.5〜20.0μmのカチオン性を有する再生填料がJIS P 8251に準拠した灰分において、2〜20%になるように内填されて、
厚さ方向に4等分した際の両外層に含有される再生填料が全再生填料の60%以上とされ、かつJIS P 8149に準拠した不透明度が85%以上とされ、
前記再生填料の含有量は、前記基紙のワイヤー面側よりも前記基紙のフエルト面側の方が多く、前記一方の面は前記基紙のワイヤー面で、前記他方の面は前記基紙のフエルト面でそれぞれ構成され、前記一方の面に設けられた感圧接着剤と前記他方の面に設けられた感圧接着剤とが同一とされている、
ことを特徴とする圧着記録紙。
〔請求項5記載の発明〕
前記感圧接着剤は、糊剤にシリカ被覆再生粒子が添加されたものである、請求項4記載の圧着記録紙。
本発明によると、隠蔽性に優れるとともに、繰り出しトラブル等の生じるおそれがない圧着記録紙及びこれに用いる基紙となる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。
本形態の圧着記録紙用基紙は、基紙の一方の面に、通常状態では接着性を有しない感圧接着剤層が設けられ、この感圧接着剤層同士を対向させて加圧すると剥離可能に接着する構成とされ、前記基紙の他方の面に、通常状態では接着性を有しない感圧接着剤層が設けられ、この感圧接着剤層同士を対向させて加圧すると剥離不能に接着する構成とされた圧着記録紙に用いられるものである。
そして、本基紙は、再生填料がJIS P 8251に準拠した灰分において、2〜20%になるように内填されて、厚さ方向に4等分した際の両外層に含有される再生填料が全再生填料の60%以上とされ、かつJIS P 8149に準拠した不透明度が85%以上とされている、ことを特徴とする。以下、詳しく説明する。
基紙の原料パルプとしては、例えば、LBKP、NBKP、各種機械パルプ、DIPが配合可能である。これらのうち、コストや環境への影響を考慮すると化学パルプ,DIPが好適である。原料パルプに配合する助剤としては、例えば、凝結剤、凝集剤、サイズ剤、紙力剤等を例示することができる。
原料パルプに配合する填料は、再生填料だけでも良いが、例えば、軽質及び重質炭酸カルシウム、クレー、焼成カオリン、タルク、二酸化チタン、ホワイトカーボン等公知の填料を特に制約なく組み合わせることができる。ただし、不透明性、白色度、価格の面から軽質炭酸カルシウムを併用するのが好適である。
前述したように、本基紙は、再生填料がJIS P 8251に準拠した灰分において、2〜20質量%になるように内填される。以下、この再生填料の製造方法について、説明する。
本形態の再生填料(粒子)は、古紙の処理工程における脱墨処理工程で排出される脱墨フロスを主原料とし、前記主原料を脱水工程、乾燥工程、焼成工程、粉砕工程を経て得られる。更に、脱墨フロスの凝集工程、造粒工程、各工程間に設けられる分級工程等を設けてもよい。再生粒子の製造設備には、各種センサーを設け、被処理物や設備の状態、処理速度のコントロール等を行うのが望ましい。
本形態の再生粒子は、脱墨フロスを主原料とする限り、抄紙工程における製紙スラッジ等の他製紙スラッジを適宜併用することができる。
〔原料〕
古紙パルプ製造工程では、安定した品質の古紙パルプを連続的に生産する目的から、使用する古紙の選定、選別を行い、一定品質の古紙を使用する。そのため、古紙パルプ製造工程に持ち込まれる無機物の種類やその比率、量が基本的に一定になる。しかも、無機粒子の製造方法において未燃物の変動要因となるビニールやフィルムなどのプラスチック類が古紙中に含まれていた場合においても、これらの異物は脱墨フロスを得る脱墨工程に至る前段階で除去することができる。従って、脱墨フロスは、工場排水工程や製紙原料調整工程等、他の工程で発生するスラッジと比べ、極めて安定した品質の無機粒子を製造するための原料となる。
〔脱水工程〕
脱墨フロスの脱水は、公知の脱水手段を適宜に使用できる。本形態における一例では、脱墨フロスは、脱水手段たる例えばロータリースクリーンによって、脱墨フロスから水を分離して脱水する。ロータリースクリーンにおいて、水分95〜98%に脱水した脱墨フロスは、好適には例えばスクリュープレスに送り、更に40〜70%に脱水することができる。
以上のように、脱墨フロスの脱水を多段工程で行い急激な脱水を避けると、無機物の流出が抑制でき脱墨フロスのフロックが硬くなりすぎるおそれがない。脱水処理においては、脱墨フロスを凝集させる凝集剤等の脱水効率を向上させる助剤を添加してもよいが、凝集剤には、鉄分を含まないものを使用することが好ましい。鉄分が含有されると、鉄分の酸化により再生粒子の白色度を下げる問題を惹き起こす。脱墨フロスの脱水は、再生粒子製造工程に隣接することが、生産効率の面で好ましいが、予め古紙パルプ製造工程に隣接して設備を設け、脱水を行ったものを搬送することも可能である。
〔乾燥工程〕
脱墨フロスを脱水して得た脱水物は、トラックやベルトコンベア等の搬送手段によって定量供給機まで搬送し、この定量供給機から乾燥手段に供給する。
この乾燥手段は、脱水物が供給される乾燥容器と、この乾燥容器の底部に備わり供給された脱水物をかきあげる一対のロールと、この一対のロール相互間から上方に熱風を吹き上げる熱風吹上手段と、から主になる。また、熱風吹上手段は、乾燥容器の底部に給送流路が接続され、この給送流路を通して、乾燥容器内に熱風が吹き込まれる構成となっている。すなわち、本乾燥手段は、脱水物を、一対のロールという有形的な手段によって、強く、かつ大まかにほぐし、これに加えて熱風という無形的な手段によって、弱くかつ精細にほぐすことにより、大きい・小さい、硬い・柔らかい等さまざまな性質を有する脱水物の水分率の制御と粒揃えを安定的に行うことができる。
特に、乾燥容器内に供給する脱水物を、水分率40〜70質量%に脱水している場合は、熱風の温度を、100〜200℃にするのが好ましく、120〜180℃にするのがより好ましく、130〜170℃にするのが特に好ましい。脱水物の水分率が40〜70質量%の場合は、100℃の熱風でも十分に乾燥することができる。他方、熱風の温度は200℃以下とすることが好ましい。熱風の温度が200℃を超える場合は、大きい・小さい、硬い・柔らかい等さまざまな性質を有する脱水物の粒揃えが進行するよりも早く乾燥が進むため、粒子表面と内部の水分率の差を少なく均一にすることが困難になる。
以上の脱水物の乾燥は、焼成工程前の乾燥物の水分率が2〜20質量%となるように乾燥するのが好ましく、乾燥物の水分率が3〜15質量%となるように乾燥するのがより好ましく、乾燥物の水分率が3〜10質量%となるように乾燥するのが特に好ましい。脱水物を、水分率が2質量%未満の範囲まで乾燥すると、後行する焼成において、過焼する問題が生じる。焼成工程前の原料の水分率を2〜20質量%にしているので、後行する焼成において、過焼する問題が生じにくい。他方、脱水物を、水分率が20質量%を超える範囲で乾燥すると、後行する焼成を確実に行うことが困難になる。
乾燥物の粒揃えは、粒子径355〜2000μmのものが70質量%以上となるように調整するのが好ましく、粒子径355〜2000μmのものが75質量%以上となるように調整するのがより好ましく、粒子径355〜2000μmのものが80質量%以上となるように調整するのが特に好ましい。また、乾燥物を、粒子径355〜2000μmのものが70質量%以上となるように製造すると、つまり小径な粒子の乾燥物を除去すると、部分的な過焼が防止され、焼成が均一になる。したがって、得られる無機粒子の品質を均一にするという観点における実用化可能性に、有益である。更に、分級を乾燥後とすると、小径な粒子の乾燥物を確実に除去することができ、また、処理効率も向上する。
〔焼成工程〕
サイクロン内を底部まで落下した乾燥物は、移送流路を通して、かつこの移送流路の途中に備わる排風ファンで勢いを増して、サイクロン式の第1焼成段階、燃焼炉に送られる。この焼成炉では、乾燥物を、旋回落下させることで粒子の微細化を抑制し、また、この過程で、焼成し未燃分を調整する。
前記焼成炉での焼成は、未燃率が5〜30質量%となるように行うのが好ましく、8〜25質量%となるように行うのがより好ましく、10〜20質量%となるように行うのが特に好ましい。焼成を、未燃率が5質量%未満では、焼成における粒子表面の過焼が生じ表面が硬くなるとともに、内部の酸素不足が生じ、再生粒子の白色度が低下する問題が生じる。他方、焼成を、未燃率が30質量%を超えると、後行する燃焼焼成後においても未燃分が残る問題、更にはこの未燃分が残るのを防止するためとして粒子表面が過焼するまで燃焼焼成してしまい、無機粒子表面が硬くなる問題が生じる。
前記焼成炉の形態は、特に限定されないが、サイクロン式であることが好ましい。サイクロン式によると、前述のとおり、粒子の微細化を抑制することで未燃率を均一かつ確実に調節することができる。
焼成温度範囲は、510〜750℃の範囲で行うことが好ましく、第1段階焼成は、焼成炉上端部の温度を510〜750℃とし、燃焼焼成炉内の温度を焼成炉上端部の温度より低い500〜700℃とするのが好ましく、焼成炉上端部の温度を550〜730℃とし、燃焼焼成炉内の温度を焼成炉上端部の温度より低い510〜680℃とするのがより好ましく、焼成炉上端部の温度を580〜700℃とし、燃焼焼成炉内の温度を焼成炉上端部の温度より低い550〜660℃とするのが特に好ましい。焼成炉上端部の温度を600〜680℃とし、燃焼焼成炉内の温度を焼成炉上端部の温度より低い580〜650℃とすると、製造される再生粒子が製紙用填料や顔料として使用するに好適なものとなる。燃焼焼成炉内の温度を焼成炉上端部の温度より10〜50℃低くすることで、再生粒子表面の過焼を防止しながら、未燃物を燃焼させることができる。
焼成炉で得た焼成物は、第2焼成段階である燃焼焼成炉に送り、燃焼焼成する。燃焼焼成炉は、ロータリーキルン炉、流動床炉、ストーカー炉、サイクロン炉、半乾留・負圧燃焼式炉等、公知の装置を用いることができるが、温度変化が少ない環境下で過大な物理的圧力を掛けることなく攪拌しながら満遍なく燃焼させることができる方策として、ロータリーキルン炉が好ましい。
〔粉砕工程〕
再生粒子の製造においては、必要に応じ、更に公知の分散・粉砕工程を設け、適宜必要な粒径に微細粒化することができる。一例では、焼却後、得られた再生粒子は、ジェットミルや高速回転式ミル等の乾式粉砕機、あるいは、アトライター、サンドグラインダー、ボールミル等の湿式粉砕機を用いて粉砕する。填料、顔料用途への使用においては、粒径の均一化や微細化が必要であるが、得られた再生粒子を用いた、填料、顔料用途等への最適な粒径、顔料径については、一次粒子が平均粒子径0.01〜0.1μmであり、この一次粒子が凝集した二次粒子が平均粒子径0.1〜10μmであるのが好ましい。
〔シリカ析出(被覆)工程〕
再生粒子は、粉砕工程を経ることで、そのまま填料として使用することが可能であるが、更に再生粒子に対し、シリカを析出(定着)させることで、再生粒子としての機能をより高めることが可能である。
再生粒子にシリカを析出させる事例を以下に記述する。シリカを析出させる好適な方策としては、再生粒子を珪酸アルカリ水溶液に添加・分散しスラリーを調製した後に加熱攪拌しながら、液温を70〜100℃、より好ましくは密閉容器内で所定の圧力に保持し酸を添加し、シリカゾルを生成させ、最終反応液のpHを8.0〜11.0の範囲に調整することにより、再生粒子表面にシリカを析出させることができる。再生粒子表面に析出されるシリカは、珪酸ナトリウム(水ガラス)を原料として、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸の希釈液と高温下で反応させ、加水分解反応と珪酸の重合化により得られる粒子径10〜20nmのシリカゾル粒子である。
珪酸ナトリウム溶液に希硫酸などの酸を添加することにより生成する数nm程度のシリカゾル微粒子を再生粒子の多孔性を有する表面全体を被覆するように付着させ、シリカゾルの結晶成長にともない、無機微粒子表面上のシリカゾル微粒子と再生粒子に包含されるケイ素やカルシウム、アルミニウム間で結合が生じ、再生粒子表面にシリカを析出させる。
PHは中性〜弱アルカリ性の範囲とし、好ましいPHは8〜11の範囲である。PHが7未満の酸性条件になるまで硫酸を添加してしまうと、シリカゾルではなくホワイトカーボンが生成する。ここに使用する珪酸アルカリ溶液は特に限定されないが、珪酸ナトリウム溶液(3号水ガラス)が入手性の点で望ましい。珪酸アルカリ溶液の濃度は水溶液中の珪酸分(SiO2換算)で3〜10質量%が好適である。10質量%を超えると、再生粒子に析出されるシリカは、シリカゾルの形態からホワイトカーボンになり、再生粒子の多孔性を阻害し、不透明性、吸油性の向上効果が低くなる。また、3質量%未満では再生粒子中のシリカ成分が低下するため、再生粒子表面へのシリカ析出が生じにくくなってしまう。再生粒子表面にシリカを析出させ、カルシウム、ケイ素及びアルミニウムを、酸化物換算で30〜62:29〜55:9〜35の質量割合とすることで、シリカ析出効果による吸油性、不透明性を向上させることができる。
〔付帯工程〕
製造設備において、より品質の安定化を求めるにおいては、再生粒子の粒度を、各工程で均一に揃えるための分級を行うことが好ましく、粗大や微小粒子を前工程にフィードバックすることでより品質の安定化を図ることができる。
また、乾燥工程の前段階において、脱水処理を行った脱墨フロスを造粒することが好ましく、更には、造粒物の粒度を均一に揃えるための分級を行うことがより好ましく、粗大や微小の造粒粒子を前工程にフィードバックすることでより品質の安定化を図ることができる。造粒においては、公知の造粒設備を使用でき、回転式、攪拌式、押し出し式等の設備が好適である。
製造設備においては、再生粒子以外の異物を除去することが好ましく、例えば古紙パルプ製造工程の脱墨工程に至る前段階のパルパーやスクリーン、クリーナー等で砂、プラスチック異物、金属等を除去することが、除去効率の面で好ましい。特に鉄分の混入は、鉄分が酸化により微粒子の白色度低下の起因物質になるため、鉄分の混入を避け、選択的に取り除くことが推奨され、各工程を鉄以外の素材で設計又はライニングし、磨滅等により鉄分が系内に混入することを防止するとともに、更に、乾燥・分級設備内等に磁石等の高磁性体を設置し選択的に鉄分を除去することが好ましい。
再生粒子は、カルシウム、ケイ素及びアルミニウムを酸化物換算で30〜82:9〜35:9〜35の質量割合で含むことを特徴とする。好ましくは、40〜82:9〜30:9〜30の質量割合、より好ましくは、60〜82:9〜20:9〜20の割合である。
炭化・焼成工程において、再生粒子のカルシウム、ケイ素及びアルミニウムの酸化物換算割合を調整するための方法としては、脱墨フロスにおける原料構成を調整することが本筋ではあるが、乾燥・分級工程、炭化・焼成工程において、出所が明確な塗工フロスや調整工程フロスをスプレー等で工程内に含有させる手段や、焼却炉スクラバー石灰を含有させる手段にて調整することも可能である。
例えば、無機粒子凝集体中のカルシウムの調整には、中性抄紙系の排水スラッジや、塗工紙製造工程の排水スラッジを用い、ケイ素の調整には、不透明度向上剤として多量添加されている新聞用紙製造系の排水スラッジを、アルミニウムの調整には酸性抄紙系等の硫酸バンドの使用がある抄紙系の排水スラッジや、タルク使用の多い上質紙抄造工程における排水スラッジを適宜用いることができる。
シリカのより好ましい調整には、再生粒子を硅酸アルカリ水溶液中に分散後、該分散液に鉱酸を添加してPH7.0〜9.0の範囲に中和することで、再生粒子表面に硅酸由来のシリカを析出させることで調整可能である。
本形態の再生粒子は、例えば、吸油量が30〜100ml/100gで、抄紙工程で内添用として用いる場合は、平均粒径が0.1〜10μmに調整することが好ましい。
再生粒子は前記の乾燥・分級・炭化・焼成方法により粉砕処理前に既に40μm以下の粒子が90%以上となるよう処理しておくことが好ましい。これにより、従来一般的に行われている乾式粉砕による大粒子の粉砕及び湿式粉砕による微粒子化といった複数段の粉砕処理を行うことなく、湿式による1段粉砕処理が可能となる。これによりコールターカウンター法による粒度分布の微分曲線における平均粒子径のピーク高さを30%以上とすることができ、さらには脱墨フロス中のカルシウム、ケイ素及びアルミニウムを、酸化物換算で30〜82:9〜35:9〜35の質量割合に調整することで、無機粒子凝集体の細孔容積を0.15〜0.60cc/g、細孔表面積を10〜25m2/g、細孔半径を300〜1000オングストロームとすることができる。
填料、顔料用途への使用においては、粒径の均一化や微細化が必要であるが、再生粒子における填料、顔料用途等への最適な粒径、顔料径について鋭意検討を重ねた結果、本形態の再生粒子は、一次粒子が平均粒子径0.01〜0.1μmであり、この一次粒子が凝集した二次粒子が平均粒子径0.1〜10μmであるのが好ましいことを知見した。
以上のようにして製造される再生粒子は、パルプスラリー中に配合することで基紙に不透明性が生じる。また、再生粒子は、焼成工程における無機粒子の凝集により多孔性を有し、かつ凝集体を構成する無機粒子間の間隙によりクッション性・嵩高性を有し、パルプスラリー中への歩留効果が高い性質を有する。また、再生填料は、従来のアニオン性の填料と異なり、カチオン性を有するため、紙層中に歩留やすく、特にアニオン性凝集剤との組み合わせで歩留効果が高く、多孔性なためパルプスラリー中で繊維との絡み合いを多く持つので、白水とともに抜け落ちていた従来の填料と異なり、基紙表裏面に偏在して歩留まる特性を有し、したがって、感圧接着剤のアンカー機能が向上し、また、厚さ方向(いわゆるZ軸方向)に4等分した際の両外層に偏った灰分構成を醸し出し、両外層に含有される再生填料を全再生填料の60%以上とし、かつJIS P 8149に準拠した不透明度を85%以上とすることができる。さらに、再生填料は、ホワイトカーボンと同様に凝集体を構成しているため、光の屈折が複雑であり、不透明度向上させる効果が高いため、隠蔽性を高める目的に有用に活用できる。ここで、再生填料が2質量%未満であると、不透明性が低く、最表層(前述他方の面側の層)の表面強度低下が少ないため、目的とする剥離強度が得られ難い。他方、20質量%を超えると、隠蔽性は充分ながら、基紙全体の強度が低下し、不用意な部位での基紙の破断が生じる問題が発生する。
再生粒子は、アニオン性の填料を組み合わせることにより、多孔質の再生填料が紙中に歩留り、繊維間に間隙を設ける作用を呈するため、基紙に嵩をもたせ、填料配合による紙厚の低下を防止する。填料を配合することによる不透明性を持たせ、かつ紙厚を維持することは、他の填料を使用することでは得られない効果である。
一方、原料パルプに再生填料を内添し、好ましくはワイヤーパート部分において長網又はオントップ長網抄紙機で抄造することで、填料歩留に差異のある表裏面を確保し、填料歩留の高いフエルト面を破断面とし、填料歩留の低いワイヤー面を剥離面とすることで、破断面、剥離面の接着剤質・量を変化させなくとも、剥離、破断機能を有するものとなり、したがって、表裏面同じ感圧接着剤を用いることができる。より詳細には、ウエットエンドの水切れ線調整や、ワイヤー下のサクション調整、プレスパートでの脱水調整を行いながら長網又はオントップ長網抄紙機で抄造すると、フエルト面側(基紙の表面に相当)に填料が点在し、基紙表面の強度が低下するため、感圧接着剤塗布後の剥離時に感圧接着剤層と基紙層との間で破断し易くなり、他方、ワイヤー面側(基紙の裏面に相当)は、填料が脱水時に脱落し、層間強度がフエルト面側よりも強い特徴が現れるため、基紙裏面の強度が基紙表面(フェルト面)より高くなり、感圧接着剤層間の臨界接着面で剥離し易くなり、また、厚さ方向に4等分した際の両外層に含有される再生填料が全再生填料の60%以上となるようにすることができる(長網又はオントップ長網のワイヤーパートを持つ抄紙機で抄造することにより、ワイヤーに載せられた再生填料を含む抄紙原料は、ワイヤーで徐々に脱水を受けるため、ワイヤー面側の填料や微細繊維は抜け落ち、他方、フエルト面側の填料や微細繊維はそのまま基紙の表面に留まるためにワイヤー面側の繊維間結合は強まり、フエルト面側の繊維間結合は極表面において弱まる)。この点、例えば、3つ折り葉書は、隠蔽情報等を記録する剥離面と記録しない破断面とがあり、この破断面は、郵便法で剥がれないことが求められている。また、以上によると、破断面の糊剤の接着力を下げることができ、巻取り時のブロッキングを防ぐことができる。
また、再生填料を多く添加するほど、表裏差が顕著になり、フエルト面側の層間強度は低下し、また、不透明度は向上する。つまり、フエルト面側の層間強度を弱めることと、隠蔽性を向上させることとが、同時に満たされる。そして、本形態によると、再生填料の添加により隠蔽のための印刷が不要なレベルにまで隠蔽性が向上するが、万が一、印刷が必要となったとしてもフエルト面側の層間強度が低いため、容易に破断させることができる。特に、填料として、再生填料を用いることで、ブロッキング等の無い作業性に優れ、隠蔽性に優れた3つ折り葉書用の圧着記録紙に好適に用いられる基材とすることができる。さらに、パルプよりも安価な填料の使用、また、高価な糊剤の使用量の少ない感圧接着剤を破断面に使用することができるため、安価に圧着記録紙を提供することができる。
再生填料は、その表面をシリカで処理しても良い。シリカを表面処理することで一つの粒子の中に屈折率の異なる物質が複数・複雑に凝集することによって紙に高い不透明性、嵩高性を付与することができる。
再生填料を添加した状態で更にアニオン性の凝集剤を組み合わせることによって更に嵩高にすることが可能である。組み合わせるアニオン性の凝集剤は、コロイダルシリカが好適である。
以上に対し、ツインワイヤー方式では、湿紙の両面から強い脱水をうけるため、両面とも填料・微細繊維が脱落し、厚さ方向の中央部分が最も繊維間強度の弱い部分となり、剥離面、破断面の強度に差が生じなくなる。この場合、破断面と剥離面とに設ける感圧接着剤を、接着強度差を付けて塗り分けることが必要である。したがって、前述したように、接着強度の強い破断面は、往々にして巻取りがブロッキングして印刷・加工作業性が低下する問題を有し、ストックフォーム加工した場合には、破断面同士が向き合うため、ブロッキングによるプリンターの紙詰まり等の問題を有していた。なお、長網又はオントップ長網で抄紙すると、フエルト面側の極表面の繊維間結合が弱まる。また、長網式の抄紙機においても、従来の填料は紙中への歩留が低く、所定の不透明度を得るには填料の添加量を増量する必要が生じ、増量すると紙厚の低下、紙質強度低下が生じ、目付けの増量、接着剤の処方変更などの問題が発現する。
ここで、基紙のオンマシンでの塗工は、無サイズ、澱粉、PVA等、特に限定されないし、方式も選ばない。強いてあげれば、フエルト面側の表面の繊維間結合を弱く維持させるために、ゲートロールやロッドメタリングサイズプレス等、紙の表面を薄く被覆する塗工方式が好適である。キャレンダーは得られた紙厚を潰さないように未処理、又は、ソフトニップカレンダーによる紙厚調整に留める。
以上の再生填料の好適な構成としては、再生填料の体積平均粒子径が0.2〜20μmとなるように粉砕する。好適には、0.5〜5μmである。0.2μm未満では、抄造時の流出が多く歩留が上がらない問題を有し、20μmを超えると、紙質強度を低下させる要因になる。シリカ被覆処理を行った場合においては、シリカ被覆により体積平均粒子径が大きくなると共に、再生填料同士の凝集が生じる場合があるため、最終製品化後の体積平均粒径を5〜20μmとすることが、更なる不透明性向上効果を得るため好ましい。
体積平均粒径を整える手段としては、乾式粉砕機による粉砕、又は湿式粉砕機による粉砕が可能であり、乾式粉砕機、湿式粉砕機をそれぞれ、あるいは片方のみ複数段設けることや、これらを適宜組み合わせて粉砕することができる。湿式粉砕前に乾式粉砕等の手段により予め小粒子化しておくことが粉砕効率上、より好ましい。
乾式粉砕機としては、例えば、数mmのものを数十μmにまで粉砕する粉砕機としてロールクラッシャ、ローラーミル、スタンプミル、エッジランナ、カッタミル、ロッドミルなどを例示することができる。また、数μm以下に粉砕する粉砕機としてローラーミル、ジェットミル、乾式ボールミル、衝撃式粉砕機などが使用できる。
再生粒子内添時の助剤としては、例えば、高分子凝結剤、カチオン澱粉、硫酸バンド、各種サイズ剤、乾燥紙力剤、湿潤紙力剤、各種凝集剤、歩留剤が使用できる。凝集剤のうち、アニオン性のコロイダルシリカが好適である。
また、JIS P 8251に準拠した再生填料の灰分が、全灰分の60%以上とされているのが好ましく、60〜100%とされているのがより好ましい。60%未満であると、再生粒子を用いることによる品質向上効果が得られ難く、特に不透明性の向上効果が低いためである。
次に、以上で説明した基紙に対する感圧接着剤及びその塗工方法について、説明する。
まず、塗工方式は特に限定されない。例えば、ブレード、エアナイフ、カーテンコーター等適宜使用できる。感圧接着剤の構成原料となる糊剤は、天然ゴム系の糊剤が接着力やその安定性において好適である。ただし、その他アクリルやSBR系の圧着糊剤を採用しても差し支えない。
糊剤の接着力をコントロールするために添加する填料は、ホワイトカーボン、炭カル、クレー、焼成クレー、各種澱粉粒子が採用される。特に、ホワイトカーボン、澱粉粒子の組み合わせが接着力のコントロールで好適である。この塗料中に前述のシリカで表面処理(被覆)した再生填料を添加しても良い。再生填料を添加することで塗工層自体の不透明性が向上し、親展情報等の隠蔽性を向上させることができる。塗工層中に含まれるホワイトカーボンは多孔質であるために、粒子それ自体は光の散乱により不透明性が高くなるものの、感圧接着剤中に含有させた場合には圧着糊剤がホワイトカーボンの粒子内の空隙に充填され光の散乱が阻害され、もともとの成分珪酸の特徴である透明性が発現し、塗工層自体は不透明性に寄与しない。しかしながら、シリカで被覆した再生填料は極表面は圧着糊剤が進入し、透明性が得られるものの核となる再生粒子(填料)自体の不透明性を何ら阻害しないために、塗工層自体に不透明性が発現し、最終の葉書形態において高い親展情報等の隠蔽性が得られる。
繊維間結合の弱い基紙のフエルト面を破断面とすると、破断面の塗料設計を剥離面よりも強くする必要は無く、同じ設計で塗工ができる。したがって、剥離面、破断面と塗料の造り分けをする必要が無く、製造効率が格段に向上する。
以上のようにして得られた圧着記録紙は、印刷フォーム加工、親展情報等の隠蔽情報のプリント、葉書加工(例えば、3つ折り圧着)の工程を経て、シート葉書として郵送される。このシール葉書は、親展情報等の隠蔽性が高いため、破断面に隠蔽用の印刷を施す必要が無く、糊剤表面のブロッキングが抑制されるため、加工適性に優れたものとなる。
次に、本発明の実施例について、説明する。
表1に記載の原料パルプ及び再生填料を、長網抄紙機を用いて抄紙して得た基紙について、各種評価を行った。表1中には、基材の物性及び評価結果も示した。なお、評価方法は、下記の通りである。
〔評価基準〕
○ 坪量:JIS P 8124に準拠して測定した。
○ 体積平均粒子径:島津製作所製「レーザー回折式粒度分布測定装置SALD2000J」により測定した。
○ 4等分割合:ニチバン性セロハンテープを基紙に貼合し、基紙から剥す手法で4等分し、両外層を、JIS P 8251に準拠して灰化し灰分を求めた。同様に、基紙全量の灰分を求め、灰分の分布と灰分中に含まれる再生粒子の割合をX線マイクロアナラザーにより分析し、再生粒子の割合を求めた。
○ 紙厚・密度:JIS P 8118に準拠して測定した。
○ 白色度:JIS P 8148に準拠して測定した。
○ 不透明度:JIS P 8149に準拠して測定した。
○ 隠蔽性:官製葉書と同じ実物大の3つ折葉書を製作し、 試験は、インクジェットプリンタ(Pixus850i:株式会社キャノン社製)により大きさ10ポイント、黒色インキで任意の文字5文字を印字した試料と、無印刷の試料とを擬似接着し、印字面と反対側面から印字した文字が目視で判読できるか否かとした。評価は、隠蔽性が最も高いものを◎+、隠蔽性が高いものを◎、目視では文字を判読することができなかったものを○、一部判読できたものを△、全ての文字を判読できたものを×とした。
○ 破断性:官製葉書と同じ実物大の3つ折葉書用紙を製作しメールシーラー(MS−900:大日本印刷株式会社製)により、擬似接着剤層同士をT型剥離試験機により測定した200g/5cmとなるように加圧接着し、その後直ちに引き剥がした時の破断面を、目視にて評価した。破断が生じないものを◎、破断したものの、使用に差し支えない程度のものを○、部分的に破断したものを△、接着剤層にて剥離したものを×と評価した。
○ 印刷適性:RIテスター(石川島産業機械社製)を用いて、モルトンロールで水を刷った直後の感圧接着シートサンプルに所定硬さ(タック8)のインクにて印刷した際の接着剤層の剥がれを目視にて評価した。剥がれが全くなく、非常に優れているものを◎、剥がれがほとんどないものを○、剥がれが若干あるが、実用上問題ないものを△、剥がれが酷く、実用上問題があるものを×とした。
Figure 0005340571
本発明は、3つ折りタイプの親展葉書などとして用いるに好適な形態の圧着記録紙及びこれに用いる基紙として適用可能である。

Claims (5)

  1. 基紙の一方の面に、通常状態では接着性を有しない感圧接着剤層が設けられ、この感圧接着剤層同士を対向させて加圧すると剥離可能に接着する構成とされ、
    前記基紙の他方の面に、通常状態では接着性を有しない感圧接着剤層が設けられ、この感圧接着剤層同士を対向させて加圧すると剥離不能に接着する構成とされた圧着記録紙に用いられる前記基紙であって、
    焼成工程における凝集により多孔性を有し、かつ凝集体を構成する体積平均粒子径が0.5〜20.0μmのカチオン性を有する再生填料がJIS P 8251に準拠した灰分において、2〜20%になるように内填されて、
    厚さ方向に4等分した際の両外層に含有される再生填料が全再生填料の60%以上とされ、かつJIS P 8149に準拠した不透明度が85%以上とされ、
    前記再生填料の含有量は、前記基紙のワイヤー面側よりも前記基紙のフエルト面側の方が多く、前記一方の面は前記基紙のワイヤー面で、前記他方の面は前記基紙のフエルト面でそれぞれ構成される、
    ことを特徴とする圧着記録紙用基紙。
  2. JIS P 8251に準拠した前記再生填料の灰分が、全灰分の60%以上とされている、請求項1記載の圧着記録紙用基紙。
  3. 前記再生填料は、シリカ被覆再生填料とされている、請求項1又は請求項2記載の圧着記録紙用基紙。
  4. 基紙の一方の面に、通常状態では接着性を有しない感圧接着剤層が設けられ、この感圧接着剤層同士を対向させて加圧すると剥離可能に接着する構成とされ、
    前記基紙の他方の面に、通常状態では接着性を有しない感圧接着剤層が設けられ、この感圧接着剤層同士を対向させて加圧すると剥離不能に接着する構成とされた圧着記録紙であって、
    焼成工程における凝集により多孔性を有し、かつ凝集体を構成する体積平均粒子径が0.5〜20.0μmのカチオン性を有する再生填料がJIS P 8251に準拠した灰分において、2〜20%になるように内填されて、
    厚さ方向に4等分した際の両外層に含有される再生填料が全再生填料の60%以上とされ、かつJIS P 8149に準拠した不透明度が85%以上とされ、
    前記再生填料の含有量は、前記基紙のワイヤー面側よりも前記基紙のフエルト面側の方が多く、前記一方の面は前記基紙のワイヤー面で、前記他方の面は前記基紙のフエルト面でそれぞれ構成され、前記一方の面に設けられた感圧接着剤と前記他方の面に設けられた感圧接着剤とが同一とされている、
    ことを特徴とする圧着記録紙。
  5. 前記感圧接着剤は、糊剤にシリカ被覆再生粒子が添加されたものである、請求項4記載の圧着記録紙。
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