JP5338852B2 - キャリアテープのスプライシング用治具およびスプライシング方法 - Google Patents

キャリアテープのスプライシング用治具およびスプライシング方法 Download PDF

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Description

本発明は、部品を保持したキャリアテープを突き合わせて接続するキャリアテープのスプライシング用治具およびスプライシング方法に関するものである。
部品実装装置において部品を搭載ヘッドに供給する方法として、テープフィーダを用いる方法が知られている。この方法は、部品を保持するキャリアテープをテープリールから引き出し、部品の実装タイミングに同期させてピッチ送りするものである。実装作業中にテープフィーダで部品切れが発生した場合には、テープリールを新たなものと交換するリール交換作業が行われる。
このリール交換作業に際し、近年キャリアテープ自体をテープ接続用の専用治具を用いて継ぎ合わせるいわゆるテープスプライシング方式が採用されるようになっている(例えば特許文献1参照)。この方法によれば、既装着のキャリアテープの末尾部と新たなキャリアテープの先頭部とが継合されることから、新たなテープの先頭部をテープフィーダに装着してテープ位置合わせを行う頭出し作業を省略することができる。これにより、部品切れが発生する度に実装装置を停止させることによる無駄時間を省くことができるという利点がある。
このようなテープスプライシング方式を採用する場合には、テープフィーダはキャリアテープのピッチ送りを中断することなく連続的に部品供給を継続する。この部品供給において、生産履歴の管理上の要請から部品供給ロットとしてのテープリールの切替タイミングを自動的に検出する機能が求められるようになっている。このテープリールの切替タイミングの検出方法として、上述のテープスプライシングにおいてキャリアテープの継目部近傍に予め部品ポケットに部品が存在しない空テープ部を所定ポケット数だけ設けておく方法が用いられる場合がある。
すなわちこの空テープ部が実装ヘッドによる部品吸着位置を通過する際には、これらの空ポケット部の部品ポケットについては部品が存在しないことから実装ヘッドはピックアップミスを連続して発生し、真空吸引圧の検出などによるピックアップミス検出手段によってピックアップミスが検出される。そして連続して検出されるピックアップミスの回数が、予め設定された空テープ部のポケット数に到達したならば、テープスプライシングによるキャリアテープの継目部が検出されたと判断する(特許文献2参照)。これにより、当該テープフィーダにおいてテープリールの切替タイミングを特定することができる。
特開2003−31989号公報 特開2004−228442号公報
しかしながら、上述のようにピックアップミスの検出回数によってキャリアテープの継目部を検出する方式においては、継目部に設けられる空テープ部のポケット数に起因して、次のような不都合が生じていた。すなわちテープスプライシング作業はオペレータの手作業によってスプライシング用治具を用いて実行されることから、キャリアテープをスプライシング用治具に装着する位置の調整が不適切な場合には、必ずしも適正なポケット数の空ポケット部が形成されるとは限らない。そして空ポケット部のポケット数が適正数よりも過大な場合には、実装ヘッドは部品を吸着することなく徒にピックアップ動作を反復し、無駄時間を発生して生産性を低下させる結果となる。また空ポケット部のポケット数が適正数よりも少ない場合には、実際には継目部が部品吸着位置を通過したにも拘わらず継目部が正しく検出されない検出ミスを生じる。このように、従来のキャリアテープのスプライシング用治具およびスプライシング方法においては、継目部における空ポケット部のポケット数を適正に確保することが困難で、無駄時間の発生や継目部の検出ミスを生じる場合が生じていた。
そこで本発明は、継目部における空ポケット部のポケット数を適正に確保して、継目部検出における無駄時間の発生や検出ミスを防止することができるキャリアテープのスプライシング用治具およびスプライシング方法を提供することを目的とする。
本発明のキャリアテープのスプライシング用治具は、テープフィーダによってピッチ送りされるキャリアテープに設けられた部品ポケットから実装ヘッドによって部品をピックアップして基板に実装する部品実装装置において、前記テープフィーダに既装着の第1のキャリアテープの末尾部と新たに装着される第2のキャリアテープの先頭部とを継ぎ合わせるスプライシングに用いられるキャリアテープのスプライシング用治具であって、前記部品実装装置は、前記実装ヘッドが前記部品が存在しない空の部品ポケットを対象としてピックアップ動作を行うことによるピックアップミスを所定回数連続して検出することにより、前記スプライシングによる継目部を検出する継目部検出手段を有しており、前記第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープを同一平面内の保持面によって保持する保持部材と、前記保持部材に設けられ、前記第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープに定ピッチで形成されたテープ送り孔に嵌合することにより、前記第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープを一線に整列させるとともに第1のキャリアテープのテープ送り孔と第2のキャリアテープのテープ送り孔との間隔を所定寸法に保持して位置合わせする位置合わせピンと、前記保持部材に位置合わせされた状態で保持された第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープを同一切断位置にて切断するために前記保持部材に形成された切断用隙間と、前記保持部材に形成され、前記第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープのテープ長さ方向の位置合わせにおいて、第1のキャリアテープの末尾部における空の部品ポケットと部品を収容した部品ポケットとの境目を示す第1の境界位置、第2のキャリアテープの先頭部における空の部品ポケットと部品を収容した部品ポケットとの境目を示す第2の境界位置がそれぞれ位置合わせされる1対の位置合わせマークとを備え、前記1対の位置合わせマークの間隔は、前記継目部に形成される空の部品ポケットの数が前記所定回数に対応する数以上となるように設定されている。
本発明のキャリアテープのスプライシング方法は、テープフィーダによってピッチ送りされるキャリアテープに設けられた部品ポケットから実装ヘッドによって部品をピックアップして基板に実装する部品実装装置において、前記テープフィーダに既装着の第1のキャリアテープの末尾部と新たに装着される第2のキャリアテープの先頭部とを継ぎ合わせるスプライシングに用いられるキャリアテープのスプライシング方法であって、前記部品実装装置は、前記実装ヘッドが前記部品が存在しない空の部品ポケットを対象としてピックアップ動作を行うことによるピックアップミスを所定回数連続して検出することにより、前記スプライシングによる継目部を検出する継目部検出手段を有しており、前記第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープに定ピッチで形成されたテープ送り孔を保持部材に設けられた位置合わせピンに嵌合させることにより、前記第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープを前記保持部材に設けられた同一平面内の保持面によって保持し、さらに第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープを一線に整列させるとともに第1のキャリアテープのテープ送り孔と第2のキャリアテープのテープ送り孔との間隔を所定寸法に保持して位置合わせする位置合わせ工程と、前記保持部材に位置合わせされた状態で保持された第1のキャリテープおよび第2のキャリアテープを前記保持部材に形成された切断用隙間を利用して同一切断位置にて切断する切断工程と、第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープをそれぞれの切断端面を突き合わせた状態で接着テープにより継ぎ合わせる継ぎ合わせ工程とを含み、前記位置合わせ工程における前記第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープのテープ長さ方向の位置合わせにおいて、第1のキャリアテープの末尾部における空の部品ポケットと部品を収容した部品ポケットとの境目を示す第1の境界位置、第2のキャリアテープの先頭部における空の部品ポケットと部品を収容した部品ポケットとの境目を示す第2の境界位置を、前記保持部材に形成された1対の位置合わせマークに位置合わせすることにより、前記継目部に形成される空の部品ポケットの数を前記所定回数に対応する数以上となるようにする。
本発明によれば、キャリアテープのスプライシング用治具を構成しスプライシング対象の第1のキャリアテープ、第2のキャリアテープを同一平面内の保持面によって保持する保持部材に、キャリアテープのテープ長さ方向の位置合わせにおいて第1のキャリアテープの末尾部における空の部品ポケットと部品を収容した部品ポケットとの境目を示す第1の境界位置、第2のキャリアテープの先頭部における空の部品ポケットと部品を収容した部品ポケットとの境目を示す第2の境界位置がそれぞれ位置合わせされる1対の位置合わせマークを形成し、これらの1対の位置合わせマークの間隔を、継目部に形成される空の部品ポケットの数が、継目部検出手段による継目部検出の判定基準として用いられるピックアップミスの連続検出回数に対応する数以上となるように設定することにより、継目部における空ポケット部のポケット数を適正に確保して、継目部検出における無駄時間の発生や検出ミスを防止することができる。
本発明の一実施の形態の部品実装装置の平面図 本発明の一実施の形態の部品実装装置の部分断面図 本発明の一実施の形態の部品実装装置に装着されるテープフィーダの構成説明図 本発明の一実施の形態のキャリアテープのスプライシング用治具の構造説明図 本発明の一実施の形態のキャリアテープのスプライシング用治具の部分断面図 本発明の一実施の形態のキャリアテープのスプライシング方法を示す工程説明図 本発明の一実施の形態のキャリアテープのスプライシング方法を示す工程説明図
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。まず図1、図2を参照して、基板に部品を実装する部品実装装置1の構成を説明する。部品実装装置1は、基板に半導体チップなどの電子部品を実装する機能を有するものであり、図2は、図1におけるA−A断面を部分的に示している。
図1において基台1aの中央にはX方向(基板搬送方向)に基板搬送機構2が配設されている。基板搬送機構2は上流側から搬入された基板3を搬送し、部品実装作業を実行するために設定された実装ステージに位置決めして保持する。基板搬送機構2は基板3を位置決めして保持する基板保持部となっている。基板搬送機構2の両側方には、部品供給部4が配置されており、それぞれの部品供給部4には複数のテープフィーダ5が並設されている。テープフィーダ5は、部品を保持したキャリアテープをピッチ送りすることにより、以下に説明する部品実装機構の実装ヘッドによるピックアップ位置に部品を供給する。
基台1a上面の両端部上にはY軸テーブル6A,6Bが配設されており、Y軸テーブル6A,6B上には2台のX軸テーブル7A、7Bが架設されている。Y軸テーブル6Aを駆動することにより、X軸テーブル7AがY方向に水平移動し、Y軸テーブル6Bを駆動することにより、X軸テーブル7BがY方向に水平移動する。X軸テーブル7A,7Bには、それぞれ実装ヘッド8および実装ヘッド8と一体的に移動する基板認識カメラ9が装着されている。
Y軸テーブル6A,X軸テーブル7A,Y軸テーブル6B,X軸テーブル7Bをそれぞれ組み合わせて駆動することにより実装ヘッド8は水平移動し、それぞれの部品供給部4から部品を吸着ノズル8a(図2参照)によってピックアップし、基板搬送機構2に位置決めされた基板3上に実装する。Y軸テーブル6A,X軸テーブル7A,Y軸テーブル6B,X軸テーブル7Bは、実装ヘッド8を移動させるヘッド移動機構となっている。
実装ヘッド8とともに基板3上に移動した基板認識カメラ9は、基板3を撮像して認識する。また部品供給部4から基板搬送機構2に至る経路には、部品認識カメラ10が配設されている。部品供給部4から部品を取り出した実装ヘッド8が実装ステージに位置決めされた基板3へ移動する際に、吸着ノズル8aに保持された部品を部品認識カメラ10の上方でX方向に移動させることにより、部品認識カメラ10は吸着ノズル8aに保持された部品を撮像する。そして撮像結果を認識装置(図示省略)によって認識処理することにより、吸着ノズル8aに保持された状態における部品の位置が認識されるとともに、部品の種類が識別される。ノズル保持部11は、複数種類の吸着ノズル8aを所定姿勢で収納し、実装ヘッド8がノズル保持部11にアクセスしてノズル交換動作を行うことにより、実装ヘッド8において対象とする部品の種類に応じてノズル交換が行われる。
部品供給部4の構造を説明する。図2に示すように、部品供給部4には複数のテープフィーダ5を装着するためのフィーダベース4aが設けられている。テープフィーダ5は、フィーダ装着用の台車12によって部品供給部4に配置され、台車12には、キャリアテープ15を巻回状態で収納したテープリール14を保持するためのリール保持部13が設けられている。リール保持部13はテープリール14を回転自在に保持するための保持ローラを備えており、部品供給部4に配置されたテープリール14を回転させることにより、キャリアテープ15を引き出すことができるようになっている。
次に、図3を参照してテープフィーダ5の構成および機能を説明する。図3に示すように、テープフィーダ5は本体部5aおよび本体部5aの下面から下方に凸設された装着部5bを備えた構成となっている。本体部5aの下面をフィーダベース4aに沿わせてテープフィーダ5を装着した状態では、装着部5bに設けられたコネクタ部5cがフィーダベース4aに嵌合する。これにより、テープフィーダ5は部品供給部4に固定装着されるとともに、テープフィーダ5は部品実装装置1の制御装置25と電気的に接続される。
本体部5aの内部には、テープリール14から引き出されて本体部5a内に取り込まれたキャリアテープ15を導くテープ走行路5dが、本体部5aの後端部から先端部まで連続して設けられている。本実施の形態に示す部品実装装置1においては、テープフィーダ5に既装着の第1のキャリアテープ15Aの末尾部と部品切れに際して新たに装着される第2のキャリアテープ15Bの先頭部とを継目部Jによって継ぎ合わせるスプライシング方式を採用しており、テープリール14の交換による中断を生じることなく、テープフィーダ5には継続的にキャリアテープ15が供給される。
キャリアテープ15は、テープ本体を構成するベーステープ15aに、部品16を収納保持する部品収納用の凹部である部品ポケット15bおよびキャリアテープ15をピッチ送りするためのテープ送り孔15dを所定ピッチで設けた構成となっている。ベーステープ15aの上面は、部品ポケット15bから部品16が脱落するのを防止するために、部品ポケット15bを覆ってトップテープ15eによって封止されている。
本体部5aには、キャリアテープ15をピッチ送りするためのテープ送り部17が内蔵されている。テープ送り部17は、テープ走行路5dの先端部に設けられたスプロケット20を回転駆動する送りモータ19および送りモータ19を制御するフィーダ制御部18を備えている。テープフィーダ5がフィーダベース4aに装着された状態では、フィーダ制御部18は制御装置25と接続される。
スプロケット20には、テープ送り孔15dに嵌合する送りピン(図示省略)が定ピッチで設けられており、これらの送りピンがテープ送り孔15dに係合した状態で、送りモータ19を駆動してスプロケット20を間歇回転させることにより、キャリアテープ15は下流側へピッチ送りされる。スプロケット20の手前側は、部品16を部品ポケット15bから実装ヘッド8の吸着ノズル8aによって真空吸着して取り出すピックアップ位置となっている。
スプロケット20近傍の本体部5aの上面側には、キャリアテープ15を上面側から押さえつけてガイドする押さえ部材21が配設されている。押さえ部材21には、吸着ノズル8aによるピックアップ位置に対応して吸着開口部22が設けられている。吸着開口部22の上流端は、トップテープ15eを剥離するためのトップテープ剥離部22aとなっている。すなわち、キャリアテープ15が押さえ部材21の下方を走行する過程において、トップテープ15eをトップテープ剥離部22aを周回させて上流側に引き出すことによって、ピックアップ位置の上流側にてトップテープ15eがベーステープ15aから剥離され、上流側へ折り返されて本体部5a内に設けられたテープ回収部内へ送り込まれ回収される。これにより、部品ポケット15b内の部品16は吸着開口部22において上方へ露呈され、実装ヘッド8によるによるピックアップアップが可能な状態となる。
実装ヘッド8による部品16の真空吸着においては、吸着ノズル8aから真空吸引源(図示省略)に至る真空吸引回路の真空圧を真空圧センサ23によって計測する。そして計測結果をピックアップミス検出部24によって監視することにより、吸着ノズル8aが部品16を正常にピックアップできないピックアップミスを検出し、検出結果は制御装置25に伝達される。スプライシングによる継目部Jには、部品ポケット15bに部品16が存在しない空ポケットが設定されており、この空ポケットが吸着開口部22を通過する際には、吸着ノズル8aは空の部品ポケットを対象としてピックアップ動作を行い、この結果ピックアップミス検出部24はピックアップミスを検出する。ここで継目部Jにおける空ポケットの数は予め所定の数となるように設定されており、ピックアップミス検出部24がピックアップミスを所定回数連続して検出することにより、制御装置25は継目部Jが吸着開口部22を通過したと判断する。
すなわち、真空圧センサ23、ピックアップミス検出部24および制御装置25は、実装ヘッド8が部品16が存在しない空の部品ポケット15bを対象としてピックアップ動作を行うピックアップミスを所定回数連続して検出することにより、スプライシングによる継目部Jを検出する継目部検出手段を構成する。なお継目部検出手段としては、真空圧の計測結果に基づいてピックアップミスを検出する方法に替えて、吸着ノズル8aを部品認識カメラ10の上方に移動させて、吸着ノズル8aに保持された部品の有無を部品認識カメラ10を用いて撮像により確認してピックアップミスを検出するようにしてもよい、
次に部品実装装置1において、テープフィーダ5に既装着の第1のキャリアテープ15Aの末尾部と新たに装着される第2のキャリアテープ15Bの先頭部とを継ぎ合わせるスプライシングに用いられるキャリアテープのスプライシング用治具について、図4,図5を参照して説明する。
図4において、スプライシング用治具30は第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bを保持するための保持部材31上に、左右対称配置で2つのクランプ部材33を並べて配置し、それぞれのクランプ部材33の両側に位置して1対の位置合わせピン32を立設した構成となっている。保持部材31は平らな板部材であり、継ぎ合わせの対象となる第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bを、上面に設けられた同一平面内の保持面31b(図5(c)参照)によって保持する。
保持部材31の一方側の縁部の中央部には切り欠き部31aが設けられており、保持部材31の保持面31bは切り欠き部31aによって第1保持部31c、第2保持部31dに区分される。切り欠き部31aは、後述するように、保持部材31に位置合わせた状態で保持された第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bを同一切断位置で切断するために保持部材31に形成された切断用隙間として機能する。
第1保持部31c、第2保持部31dには、それぞれ1対の位置合わせピン32が立設されている。位置合わせピン32は、全て同一直線上に位置するように整列して配置されており、第1保持部31c、第2保持部31dのいずれにおいても1対の位置合わせピン32の間隔がテープ送り孔15dのピッチの整数倍の間隔となり、かつ切り欠き部31aを挟む2つの位置合わせピン32の間隔がテープ送り孔15dのピッチの整数倍となるように配置されている。
これらの位置合わせピン32を第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bに定ピッチで形成されたテープ送り孔15dに嵌合させることにより、第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bを一線に整列させる(図6(b)に示す整列線AL参照)とともに、第1のキャリアテープ15Aのテープ送り孔15dと第2のキャリアテープ15Bのテープ送り孔15dとの間隔を所定寸法に保持して位置合わせする。すなわち、保持部材31に設けられた位置合わせピン32は、第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bに定ピッチで形成されたテープ送り孔15dに嵌合することにより、第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bを一線に整列させるとともに、第1のキャリアテープ15Aのテープ送り孔15dと第2のキャリアテープ15Bのテープ送り孔15dとの間隔を所定寸法に保持して位置合わせする機能を有している。
第1保持部31c、第2保持部31dには、それぞれ第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bをクランプするためのクランプ部材33が配設されている。図5(図4(a)におけるB−B断面)に示すように、クランプ部材33は細長形状の板バネ部材を曲げ加工して設けられており、両端部には略円筒断面の第1端部33b、第2端部33cが、さらに第1端部33bの内側には上方に凸の折り曲げ部33dがそれぞれ形成されている。クランプ部材33は中央部に設けられた長穴33aを挿通して保持部材31に固定されたねじ部材34によって保持されており、ねじ部材34が長穴33aに沿って相対移動するようにクランプ部材33をスライドさせることにより、クランプ部材33は保持部材31に対して図4に示す矢印a方向に往復動自在となっている。
保持部材31の中央部には、平面視して矩形状の位置合わせブロック36が、長穴36a、ねじ部材37によって位置調整自在に配置されている。位置合わせブロック36は後述するように、継目部Jにおいて第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bを継ぎ合わせるための転写台紙39(図7参照)を位置合わせする際に用いられる、
第1保持部31c、第2保持部31dの上面においてクランプ部材33の所定部位に対応する位置には、略くさび形状のストッパ部材35が配置されている。クランプ部材33が図5(a)に示す通常位置にある状態では、第1端部33bはストッパ部材35の内側(図5において左側)に位置する。また図5(b)に示すように、クランプ部材33を矢印b方向にスライドさせて、第1端部33bをストッパ部材35を乗り越えて外側に移動させた状態では、折り曲げ部33dがストッパ部材35の上面に位置する。
そしてテープ送り孔15dに位置合わせピン32を嵌合させて継合わせ対象の第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bを保持部材31に保持させた後に、クランプ部材33をクランプ位置に移動させた状態では、図5(c)に示すように、第1端部33bは板バネ部材の付勢力によりベーステープ15aの上面を保持面31bに対して押さえ付け(矢印c)、これにより第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bは保持部材31にクランプされる。
次に、保持部材31に形成された位置合わせマークについて説明する。図4(a)に示すように、保持部材31において切り欠き部31aの縁部近傍には、1対の位置合わせマークMa、1対の位置合わせマークMbおよび切断位置マークMcが、それぞれ所定位置に形成されている。位置合わせマークMa、位置合わせマークMbは、第1保持部31c、第2保持部31dに保持された第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bのテープ長さ方向の位置合わせのために設けられている。
すなわちスプライシングのための位置合わせにおいて、位置合わせマークMa、Mbには、第1のキャリアテープ15Aの末尾部における空の部品ポケット15bと部品16を収容した部品ポケット15bとの境目を示す第1の境界位置、第2のキャリアテープ15Bの先頭部における空の部品ポケット15bと部品16を収容した部品ポケット15bとの境目を示す第2の境界位置がそれぞれ位置合わせされる。
位置合わせマークMa、Mbは部品ポケットピッチが異なる2種類のキャリアテープ15を同一のスプライシング用治具30によって作業対象とする場合に使い分けされ、部品ポケット15bのピッチがそれぞれ4mm、2mmのキャリアテープ15を対象とする場合に用いられる。ここでは1対の位置合わせマークMa、1対の位置合わせマークMbは、それぞれ間隔D1,D2で形成されている。切断位置マークMcは、第1保持部31c、第2保持部31dにそれぞれ第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bを保持した状態で、ベーステープ15aを同一位置で切断する際の切断位置を示すものである。
なお上述の第1の境界位置、第2の境界位置の定義としては、複数通りの基準位置の設定方法から適宜選択することができる。図4(b)は、第2保持部31dに第2のキャリアテープ15Bを位置合わせするための第2の境界位置として用いられる基準位置の設定方法を示している。ここで実ポケット範囲Cは部品16を収容した部品ポケット15bの範囲を示しており、空ポケット範囲Eは空の部品ポケット15bの範囲を示している。まず図4(b)(イ)は、位置合わせマークMaに位置合わせされる対象が、実ポケット範囲Cの端部に位置する部品ポケット15bである場合の例を示している。また図4(b)(ロ)は、位置合わせマークMaに位置合わせされる対象が、実ポケット範囲Cと空ポケット範囲Eの中間点である場合の例を示している。そして図4(b)(ハ)は、位置合わせマークMaに位置合わせされる対象が、空ポケット範囲Eの端部に位置する部品ポケット15bである場合の例を示している。
ここで、1対の位置合わせマークMaの間隔D1、1対の位置合わせマークMbの間隔D2は、前述の継目部検出手段による継目部Jの検出に際して適用されるピックアップミスの連続検出回数に基づいて設定される。すなわち間隔D1,D2は、継目部Jに形成される空の部品ポケット15bの数が、継目部検出において適用される所定回数(ピックアップミス連続検出回数)に対応する数以上となるように設定される。これにより、継目部Jには上述の所定回数に対応する数以上の空の部品ポケット15bが存在することが確保される。
次に図6、図7を参照して、スプライシング用治具30によるテープスプライシング方法について説明する。まず図6(a)に示すように、第1保持部31cに第1のキャリアテープ15Aを保持させる。すなわち、位置合わせマークMaに実ポケット範囲C(図4(b))の端部に位置する部品ポケット15bを位置合わせしながら、テープ送り孔15dに位置合わせピン32を嵌合させることにより、第1のキャリアテープ15Aを第1保持部31cに保持させ、次いでクランプ部材33をスライドさせて(矢印d)、第1のキャリアテープ15Aをクランプする。
次に図6(b)に示すように、第2保持部31dに第2のキャリアテープ15Bを保持させる。すなわち、位置合わせマークMaに実ポケット範囲C(図4(b))の端部に位置する部品ポケット15bを位置合わせしながら、テープ送り孔15dに位置合わせピン32を嵌合させることにより、第2のキャリアテープ15Bを第2保持部31dに保持させ、次いでクランプ部材33をスライドさせて(矢印c)、第2のキャリアテープ15Bをクランプする。これにより、第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bはそれぞれの側端面が整列線ALによって一線に整列され、且つそれぞれのベーステープ15aのテープ送り孔15dの間隔が所定の送り孔ピッチに合わされた状態で保持される。
すなわち上述作業においては、第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bに定ピッチで形成されたテープ送り孔15dを保持部材31に設けられた位置合わせピン32に嵌合させることにより、第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bを保持部材31に設けられた同一平面内の保持面によって保持し、さらに第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bを一線に整列させるとともに、第1のキャリアテープ15Aのテープ送り孔15dと第2のキャリアテープ15Bのテープ送り孔15dとの間隔を所定寸法に保持して位置合わせする(位置合わせ工程)。
この位置合わせ工程における第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bのテープ長さ方向の位置合わせにおいては、第1のキャリアテープ15Aの末尾部における空の部品ポケット15bと部品16を収容した部品ポケット15bとの境目を示す第1の境界位置、第2のキャリアテープ15Bの先頭部における空の部品ポケット15bと部品16を収容した部品ポケット15bとの境目を示す第2の境界位置を、保持部材31に設けられた1対の位置合わせマークMaに位置合わせする。
そしてこの後、図6(c)に示すように、保持部材31に位置合わせされた状態で保持された第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bを、切断用隙間である切り欠き部31aを利用して切断位置マークMcに示される同一切断位置にて切断する(切断工程)。この切断には、鋏やカッタなどの切断用具が用いられる。これにより、第1のキャリアテープ15Aの末尾部の端面と第2のキャリアテープ15Bの先頭部の端面とを突き合わせた状態で、これらのキャリアテープがクランプ状態で保持部材31によって保持される。この状態において、上述の位置合わせマークMaを用いた第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bの位置合わせにより、継目部Jには1対の位置合わせマークMaの間隔D1によって規定される所定数、すなわち継目部検出手段による継目部Jの検出に際して適用されるピックアップミスの連続検出回数に基づいて設定される所定回数に対応する数以上の、空の部品ポケット15bが存在することが確保される。
この後、接着テープによるテープ接続を行う。ここでは、予め所定の長さ・幅に切断されて転写台紙39に貼着された複数の接着テープを同時に継目部Jに貼り付ける例を示している。すなわち、図7(a)に示すように、予め所定の長さ・幅に切断された3つの接着テープ38a、38b、38cが、所定間隔で平行に貼着された転写台紙39を、テープ貼着面を第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bに向けた姿勢で継目部Jに位置合わせする。接着テープ38a、38bは、継目部Jの下面、上面にそれぞれ貼着されて、また接着テープ38cは継目部Jのテープ送り孔側の端部に貼着されて、それぞれが第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bを接続する。この位置合わせにおいては、位置合わせブロック36の位置合わせ面36bに転写台紙39の一方側の縁部を沿わせることにより、転写台紙39は接着テープ38a、38b、38cをそれぞれ正規の貼着位置に貼着するための適正位置に位置合わせされる。
次いでこの状態で接着テープ38a、38b、38cを継目部Jの所定位置に貼着して第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bを接続する。すなわち、まず中央に位置する接着テープ38bをそれぞれのベーステープ15aの上面側のトップテープ15eに押し当てて接着した後、転写台紙39の両端を継目部Jのベーステープ15aを包み込むように折り曲げ、接着テープ38a、38cをベーステープ15aに貼着する。これにより、図7(b)に示すように、第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bを継ぎ合わせる継目部Jにおいて、接着テープ38aがベーステープ15aの下面に、接着テープ38bがトップテープ15eの上面にそれぞれ貼着され、また接着テープ38cはベーステープ15aのテープ送り孔15d側の端部に貼着される。これにより、第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bは、それぞれの切断端面を突き合わせた状態で、接着テープ38a、38b、38cにより継ぎ合わせられる(継ぎ合わせ工程)。
上記説明したように、本実施の形態に示すキャリアテープのスプライシング用治具30においては、スプライシング対象の第1のキャリアテープ15A、第2のキャリアテープ15Bを同一平面内の保持面31bによって保持する保持部材31に、キャリアテープのテープ長さ方向の位置合わせにおいて第1のキャリアテープ15Aの末尾部における空の部品ポケット15bと部品16を収容した部品ポケット15bとの境目を示す第1の境界位置、第2のキャリアテープ15Bの先頭部における空の部品ポケット15bと部品16を収容した部品ポケット15bとの境目を示す第2の境界位置がそれぞれ位置合わせされる1対の位置合わせマークMaを形成し、これらの1対の位置合わせマークMaの間隔を、継目部Jに形成される空の部品ポケット15bの数が、継目部検出手段による継目部検出の判定基準として用いられるピックアップミスの連続検出回数に対応する数以上となるように設定する。
これにより、継目部Jにおける空の部品ポケット数を適正に確保することができ、空ポケット範囲のポケット数が適正数よりも過大な場合に生じる無駄時間の発生や、ポケット数が適正数よりも少ない場合に生じる継目部の検出ミスを防止することができる。
本発明のキャリアテープのスプライシング用治具およびスプライシング方法は、継目部における空ポケット部のポケット数を適正に確保して、継目部検出における無駄時間の発生や検出ミスを防止することができるという効果を有し、テープフィーダに装着されたキャリアテープから部品を取り出して基板に実装する部品実装分野において有用である。
1 部品実装装置
3 基板
4 部品供給部
5 テープフィーダ
8 実装ヘッド
8a 吸着ノズル
15 キャリアテープ
15A 第1のキャリアテープ
15B 第2のキャリアテープ
15a ベーステープ
15b 部品ポケット
15d テープ送り孔
16 部品
30 スプライシング用治具
31 保持部材
32 位置合わせピン
33 クランプ部材
J 継目部
Ma,Mb 位置合わせマーク

Claims (2)

  1. テープフィーダによってピッチ送りされるキャリアテープに設けられた部品ポケットから実装ヘッドによって部品をピックアップして基板に実装する部品実装装置において、前記テープフィーダに既装着の第1のキャリアテープの末尾部と新たに装着される第2のキャリアテープの先頭部とを継ぎ合わせるスプライシングに用いられるキャリアテープのスプライシング用治具であって、
    前記部品実装装置は、前記実装ヘッドが前記部品が存在しない空の部品ポケットを対象としてピックアップ動作を行うことによるピックアップミスを所定回数連続して検出することにより、前記スプライシングによる継目部を検出する継目部検出手段を有しており、
    前記第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープを同一平面内の保持面によって保持する保持部材と、
    前記保持部材に設けられ、前記第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープに定ピッチで形成されたテープ送り孔に嵌合することにより、前記第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープを一線に整列させるとともに第1のキャリアテープのテープ送り孔と第2のキャリアテープのテープ送り孔との間隔を所定寸法に保持して位置合わせする位置合わせピンと、
    前記保持部材に位置合わせされた状態で保持された第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープを同一切断位置にて切断するために前記保持部材に形成された切断用隙間と、
    前記保持部材に形成され、前記第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープのテープ長さ方向の位置合わせにおいて、第1のキャリアテープの末尾部における空の部品ポケットと部品を収容した部品ポケットとの境目を示す第1の境界位置、第2のキャリアテープの先頭部における空の部品ポケットと部品を収容した部品ポケットとの境目を示す第2の境界位置がそれぞれ位置合わせされる1対の位置合わせマークとを備え、
    前記1対の位置合わせマークの間隔は、前記継目部に形成される空の部品ポケットの数が前記所定回数に対応する数以上となるように設定されていることを特徴とするキャリアテープのスプライシング用治具。
  2. テープフィーダによってピッチ送りされるキャリアテープに設けられた部品ポケットから実装ヘッドによって部品をピックアップして基板に実装する部品実装装置において、前記テープフィーダに既装着の第1のキャリアテープの末尾部と新たに装着される第2のキャリアテープの先頭部とを継ぎ合わせるスプライシングに用いられるキャリアテープのスプライシング方法であって、
    前記部品実装装置は、前記実装ヘッドが前記部品が存在しない空の部品ポケットを対象としてピックアップ動作を行うことによるピックアップミスを所定回数連続して検出することにより、前記スプライシングによる継目部を検出する継目部検出手段を有しており、
    前記第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープに定ピッチで形成されたテープ送り孔を保持部材に設けられた位置合わせピンに嵌合させることにより、前記第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープを前記保持部材に設けられた同一平面内の保持面によって保持し、さらに第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープを一線に整列させるとともに第1のキャリアテープのテープ送り孔と第2のキャリアテープのテープ送り孔との間隔を所定寸法に保持して位置合わせする位置合わせ工程と、
    前記保持部材に位置合わせされた状態で保持された第1のキャリテープおよび第2のキャリアテープを前記保持部材に形成された切断用隙間を利用して同一切断位置にて切断する切断工程と、
    第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープをそれぞれの切断端面を突き合わせた状態で接着テープにより継ぎ合わせる継ぎ合わせ工程とを含み、
    前記位置合わせ工程における前記第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープのテープ長さ方向の位置合わせにおいて、第1のキャリアテープの末尾部における空の部品ポケットと部品を収容した部品ポケットとの境目を示す第1の境界位置、第2のキャリアテープの先頭部における空の部品ポケットと部品を収容した部品ポケットとの境目を示す第2の境界位置を、前記保持部材に形成された1対の位置合わせマークに位置合わせすることにより、前記継目部に形成される空の部品ポケットの数を前記所定回数に対応する数以上となるようにすることを特徴とするキャリアテープのスプライシング方法。
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